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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F |
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管理番号 | 1193179 |
審判番号 | 不服2007-14723 |
総通号数 | 112 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2009-04-24 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2007-05-23 |
確定日 | 2009-02-19 |
事件の表示 | 特願2002-356233「複数設計支援システム対応データ統合装置」拒絶査定不服審判事件〔平成16年 7月 8日出願公開、特開2004-192091〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続きの経緯・本願発明 本願は、平成14年12月9日の出願であって、平成19年4月13日に拒絶査定がされ、これに対して同年5月23日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに、同年6月21日付けで手続補正書が提出されたものである。 第2 平成19年6月21日付けの手続補正の却下について 1 補正却下の決定の結論 平成19年6月21日付けの手続補正を却下する。 2 理由 (1) 補正後の本願発明 本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、以下のように補正された。 「【請求項1】 それぞれ異なる構造のデータを有する複数のプラント設計支援システム間でのデータ統合を支援する複数支援システム対応データ統合装置において、 各システム対応に設けられ、対応するシステムの設計データを蓄積する複数個の設計データスプールと、 トランスレータプログラムを持つデータ変換・逆変換装置と、 統合データベースと、 を備え、 統合データベースには、プラントの部品たる部品種別、部品属性、接続情報、座標、形状を含むプラント情報を表現した統一的製品構成情報が蓄えられ、 データ変換・逆変換装置は、各システム対応のプラント構成要素名及び属性を、関数及び条件判断を伴って、順方向に変換するためのルールを表現した構造変換情報を格納する第1の格納手段と、各システム対応のプラント構成要素名及び属性を、関数及び条件判断を伴って、逆方向に変換するためのルールを表現した構造逆変換情報を格納する第2の格納手段と、構造変換情報を第1の格納手段から読み出すための第1の読出し手段と、構造逆変換情報を第2の格納手段から読み出すための第2の読み出し手段と、各システム対応に変換を行う際に作動し、その対応システムの設計データスプールから設計データを読み出し、第1の読み出し手段で読み出した対応する構造変換情報に基づいてトランスレータプログラムがデータ変換を行い、統合データベースの統一的構成情報に基づいてこの変換後のデータを統合形式の設計データに変換して上記統合データベースへ格納させる手段と、各システム対応に逆変換を行う際に作動し、統合データベースに格納してある、そのシステム対応の統合形式の設計データを読み出し統合前の設計データに変換し、第2の読み出し手段で読み出した対応システムの構造逆変換情報に基づいてトランスレータプログラムが逆変換を行ってそのシステム対応の設計データとし、これをシステム対応の設計データスプールに格納させる手段と、を具え、 てなる複数設計支援システム対応データ統合装置。」 (この記載事項により特定される発明を以下、「本願補正発明」という。) 本件補正は、平成19年3月19日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項を限定する補正であり、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の特許請求の範囲の請求項に記載された発明が特許出願の際、独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。 (2) 引用例 原審の拒絶の理由で引用された特開平4-316165号公報(以下、「引用例1」という。)には次の事項が図面とともに開示されている。(記載箇所は段落番号で表示) ア 「【0004】 【発明が解決しようとする課題】 上記のような従来の技術では、異種の基盤設計システムから出力されるCADデータから1つのシステムに用いる設計情報データを出力する場合、1つのCADシステムのデータの変換に対して必ず1つの変換ソフトをつくる必要があり、手数と費用がかかり、変換ソフトの柔軟性に問題があった。 【0005】 本発明は、上記従来技術の問題を解決するために、異種の設計システムから出力されるCADデータを、柔軟に1つの設計情報データに変換するCADデータフォーマット変換方法を提供するのを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するために本発明のCADデータフォーマット変換方法は、CADシステムから出力されるCADデータを設計情報データに変換するための変換規則を格納する形式定義ファイルと、前記形式定義ファイルの前記変換規則を用いて前記CADデータを前記設計情報データに変換するデータ変換手段とにより構成されており、形式定義ファイルは各CADシステムに対応して作成しておくものである。 【0007】 【作用】 上記構成によって、異種のCADシステムの出力データは、そのCADシステムに対応する形式定義ファイルから、そのCADシステムに対応した変換規則を読み込んだ共通のデータ変換手段によって柔軟に設計情報データに変換される。」 イ 「【0009】 図1において5は取り込むCADデータのレコード形式や項目を登録する形式定義ファイルであり、6は形式定義ファイルフィルを解読することによってCADデータを設計情報データに変換するデータ変換手段であり、ハードウエアとソフトウエアとから構成される。 【0010】 図2は形式定義ファイル5を示す構成図で、1つの基板設計システムに対して1組のヘッダーブロック5aとフィールド項目56とから構成されている。ヘッダーブロック5aは、固定長または可変長の設定,レコード終端コード,固定長のとき必要なレコード長および可変長のとき必要な区切り記号などを定義する。図3はヘッダーブロック5aの具体的なキーワード例である。図2におけるフィールド項目56は、CADデータから設計情報データに変換するのに必要な項目、X座標,Y座標,角度,部品名,回路番号およびピッチなどを定義する。図4はフィールドブロック5bの具体的なキーワード例である。 【0011】 このように上記構成によって、各基板設計システム1-1?1-nから出力されるCADデータ2-1?2-nを設計情報データ4に変換するための変換規則を格納する形式定義ファイル5を用いて、データ変換手段6が1つの変換ソフトで、柔軟に異種のCADデータから1つの設計情報データに変換することを可能にするものである。 【0012】 なお、上記は基板設計システムの例で説明したが、他の目的に用いるCADシステムのデータフォーマット変換に用いられるのは当然である。 【0013】 【発明の効果】 以上の実施例の説明より明らかなように、本発明によれば、種々のCADシステムから出力CADデータを設計情報データに変換するための変換規則を格納する形式定義ファイルを用いて、異種のCADデータを柔軟に変換する手段によって、CADデータ変換ソフトの開発工数を削減し、CADデータの必要な項目に対しても、形式定義ファイルを定義することによって柔軟に変換するCADデータフォーマット変換方法を提供するものである。」 前掲ア及びイの記載によると、引用例1には、 「異種のCADシステム(基板設計システム)から出力されるCADデータを変換して、一つのCADシステムに用いる設計情報データ(X座標,Y座標,角度,部品名,回路番号およびピッチなど)を出力するデータ変換手段において、異種のCADシステムから出力されるCADデータを設計情報データに変換するための変換規則を格納する形式定義ファイルを用いて、1つの変換ソフトで、柔軟に異種のCADデータから1つの設計情報データに変換するデータ変換手段」の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 (3) 対比 本願補正発明と引用発明とを対比する。 本願補正発明の「複数のプラント設計支援システム」において、それぞれ異なる「構造」のデータは、広義の意味で、異なる「形式」のデータであるともいえるから、引用発明の「異種のCADシステム」と、本願補正発明の「複数のプラント設計支援システム」はともに、「それぞれ異なる形式のデータを有する複数の設計支援システム」であるという点で共通する。 また、引用発明は、異種(複数)のCADシステムから出力される異なる形式のCADデータを、「一つのCADシステム」に用いる「設計情報データ」に変換、統合するものといえるから、引用発明と本願補正発明はともに「複数の設計支援システム間でのデータ統合を支援する複数支援システム対応データ統合装置」という点で一致する。そして、前記「一つのCADシステム」が「設計情報データ」を利用するために何らかのデータ蓄積手段を有することは自明のことであるから、引用発明は、本願補正発明の「統合データベース」に相当するデータ蓄積手段を有するといえる。 さらに、引用発明の「形式定義ファイル」は、異種のCADシステムから出力されるCADデータを設計情報データに変換するための変換規則を格納するものであり、「形式変換情報」を格納する「格納手段」であるといえる。また、引用発明の「変換ソフト」は、「形式定義ファイル」を用いてCADデータの形式を変換するソフトウエアであり、「トランスレータプログラム」であるといえるから、引用発明と本願補正発明はともに「トランスレータプログラムを持つデータ変換装置を備え、データ変換装置は、各システム対応の形式のデータを、順方向に変換するためのルールを表現した形式変換情報を格納する第1の格納手段と、形式変換情報を第1の格納手段から読み出すための第1の読出し手段と、各システム対応に変換を行う際に作動し、第1の読み出し手段で読み出した対応する形式変換情報に基づいてトランスレータプログラムがデータ変換を行い、統合データベースの統一的構成情報に基づいてこの変換後のデータを統合形式の設計データに変換して上記統合データベースへ格納させる手段」を備える点で共通する。 以上を踏まえると、両者の一致点及び相違点は以下のとおりである。 【一致点】 「それぞれ異なる形式のデータを有する複数の設計支援システム間でのデータ統合を支援する複数支援システム対応データ統合装置において、 トランスレータプログラムを持つデータ変換装置と、 統合データベースと、 を備え、 データ変換装置は、各システム対応の形式のデータを、順方向に変換するためのルールを表現した形式変換情報を格納する第1の格納手段と、形式変換情報を第1の格納手段から読み出すための第1の読出し手段と、各システム対応に変換を行う際に作動し、第1の読み出し手段で読み出した対応する形式変換情報に基づいてトランスレータプログラムがデータ変換を行い、統合データベースの統一的構成情報に基づいてこの変換後のデータを統合形式の設計データに変換して上記統合データベースへ格納させる手段と、を具え、 てなる複数設計支援システム対応データ統合装置。」 【相違点】 相違点1:本願補正発明の「複数の設計支援システム」は、「プラント設計」を目的とする「プラント設計支援システム」であり、「統合データベース」には、「プラントの部品たる部品種別、部品属性、接続情報、座標、形状を含むプラント情報を表現した統一的製品構成情報に基づいて、変換後のデータを統合形式の設計データが蓄えられる」のに対して、引用発明の「複数の設計支援システム」は、「基板設計」を目的とする「基板設計システム」であり「統合データベース」には、基板の部品に関する情報を表現した統一的製品構成情報に基づいて、変換後のデータを統合形式の設計データが蓄えられる点。 相違点2:本願補正発明は、「各システム対応に設けられ、対応するシステムの設計データを蓄積する複数個の設計データスプール」を備え、「データ変換装置」と各「プラント設計支援システム」間のデータの受け渡しに用いられるのに対して、引用発明にそのような構成は特定されていない点。 相違点3:本願補正発明の「複数の設計支援システム」は、異なる「構造」のデータを有し、「各システム対応のプラント構成要素名及び属性を、関数及び条件判断を伴って、順方向に変換するためのルールを表現した構造変換情報」により、「トランスレータプログラム」がデータ変換を行うのに対して、引用発明の「複数の設計支援システム」は、異なる「形式」のデータを有するが、その「形式」が所謂「構造」を有しているかどうかは特定されておらず、「形式変換情報」としての変換規則を「各システム対応の構成要素名及び属性を、関数及び条件判断を伴って」表現しているかどうかも特定されていない点。 相違点4:本願補正発明は、データ変換と逆変換を行う「データ変換・逆変換装置」を備え、「各システム対応のプラント構成要素名及び属性を、関数及び条件判断を伴って、逆方向に変換するためのルールを表現した構造逆変換情報を格納する第2の格納手段」と、「構造逆変換情報を第2の格納手段から読み出すための第2の読み出し手段」と、「各システム対応に逆変換を行う際に作動し、統合データベースに格納してある、そのシステム対応の統合形式の設計データを読み出し統合前の設計データに変換し、第2の読み出し手段で読み出した対応システムの構造逆変換情報に基づいてトランスレータプログラムが逆変換を行ってそのシステム対応の設計データとし、これをシステム対応の設計データスプールに格納させる手段」とを有するのに対して、引用発明は、データ逆変換に関する構成を有しない点。 (4) 当審の判断 a 相違点1について 引用例1には、前掲イに「なお、上記は基板設計システムの例で説明したが、他の目的に用いるCADシステムのデータフォーマット変換に用いられるのは当然である。」(段落【0012】)と記載されているように、他の製品の設計支援にも用いられることが示唆されている。 また、引用発明を「基板設計」の代わりに「プラント設計」に用いる際、「プラントの部品たる部品種別、部品属性、接続情報、座標、形状を含むプラント情報」が必要なことは、当業者にとって自明のことであるから、「統合データベース」に、「プラントの部品たる部品種別、部品属性、接続情報、座標、形状を含むプラント情報」を表現した統一的製品構成情報に基づいて、変換後のデータを統合形式の設計データ」が蓄えられるようにすることは、当業者が適宜なし得たことといえる。 b 相違点2について データ通信に時間のかかる入出力処理等がともなう場合に、記憶媒体等に「スプール」領域を設け、データの受け渡しを効率化することは、コンピュータシステムの技術分野において常套技術である。引用発明においても、「データ変換装置」と各「プラント設計支援システム」間のデータの受け渡しに、「各システム対応に設けられ、対応するシステムの設計データを蓄積する複数個の設計データスプール」を設けることは、必要に応じて適宜設定し得る程度のことにすぎない。 c 相違点3について コンピュータシステムの技術分野において、階層的な「オブジェクト構造」を有するデータ形式を用いて、「オブジェクト」を表現する「オブジェクト指向データモデル」が既に一般的であり、「データモデル(構造)」の異なるデータベース間において、データ構造の変換を行うことは、例えば、特開平8-161208号公報(【図4】等参照)にも記載されているように周知の技術である。また同様に、データベースのデータを変換する際に、データ項目名や属性を、関数及び条件判断を伴って変換することも、例えば、特開2001-14315号公報(【図3】等参照)や特開平10-187742号公報(【図4】等参照)に記載されているように周知の技術である。 引用発明においても、各システムが取り扱うデータの形式を「オブジェクト指向データモデル」に基づく「構造」を有するものとし、上記各周知技術を用いて、「データ変換装置」を「各システム対応のプラント構成要素名及び属性を、関数及び条件判断を伴って、順方向に変換するためのルールを表現した構造変換情報を格納する第1の格納手段と、構造変換情報を第1の格納手段から読み出すための第1の読出し手段と、各システム対応に変換を行う際に作動し、その対応システムの設計データスプールから設計データを読み出し、第1の読み出し手段で読み出した対応する構造変換情報に基づいてトランスレータプログラムがデータ変換を行い、統合データベースの統一的構成情報に基づいてこの変換後のデータを統合形式の設計データに変換して上記統合データベースへ格納させる手段」を備えるものとすることは、当業者が容易に想到し得たことといえる。 d 相違点4について 「統合形式の設計データ」に変換された標準データを逆変換することにより、異種の設計支援システム間でデータ利用可能とすることは、設計支援システムの技術分野において、周知の技術思想である。 例えば、原審の拒絶の理由で引用された特開2000-331065号公報には、 「【0037】 以上、本実施例によれば、CADデータからISO10303規格データへの変換において、ISOデータ構造に定義先のないCADデータの部品情報を、ISOデータ構造で部品種別を定義する「entity _system」の「description」に入力できるようにしたので、市販の3次元CADによるプラントデータをISO1030-227規格準拠データへの変換が可能になる。 【0038】 さらに、このISO規格準拠のCADデータを媒介して異種CAD間のデータ利用が可能になる。ISOデータからCADデータへの変換は、上記した変換処理の逆変換により実現できる。…」と記載されている。 してみれば、引用発明においても、異種の設計支援システム間でのデータ利用を図るため、「データ変換装置」を「データ変換・逆変換装置」として逆変換機能を追加し、「各システム対応のプラント構成要素名及び属性を、関数及び条件判断を伴って、逆方向に変換するためのルールを表現した構造逆変換情報を格納する第2の格納手段と、構造逆変換情報を第2の格納手段から読み出すための第2の読み出し手段と、各システム対応に逆変換を行う際に作動し、統合データベースに格納してある、そのシステム対応の統合形式の設計データを読み出し統合前の設計データに変換し、第2の読み出し手段で読み出した対応システムの構造逆変換情報に基づいてトランスレータプログラムが逆変換を行ってそのシステム対応の設計データとし、これをシステム対応の設計データスプールに格納させる手段」を設けることは、当業者が容易に想到し得たことといえる。 また、これらの相違点を総合的に考慮しても、本願発明の奏する効果は、引用例1に記載された発明、常套技術及び周知技術から想定できる程度のものにすぎず、格別なものとはいえない。 したがって、本願補正発明は、引用例1に記載された発明、常套技術及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 (5) むすび 以上のとおり、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項で準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項で準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。 第3 本願発明について 1 平成19年6月21日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成19年3月19日付けで補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項から特定される以下のとおりのものである。 「【請求項1】 それぞれ異なる構造のデータを有する複数のプラント設計支援システム間でのデータ統合を支援する複数支援システム対応データ統合装置において、 各システム対応に設けられ、対応するシステムの設計データを蓄積する複数個の設計データスプールと、 データ変換・逆変換装置と、 統合データベースと、 を備え、 統合データベースには、プラントの部品たる部品種別、部品属性、接続情報、座標、形状を含むプラント情報を表現した統一的製品構成情報が蓄えられ、 データ変換・逆変換装置は、各システム対応のプラント構成要素名及び属性を、関数及び条件判断を伴って、順方向に変換するためのルールを表現した構造変換情報を格納する第1の格納手段と、各システム対応のプラント構成要素名及び属性を、関数及び条件判断を伴って、逆方向に変換するためのルールを表現した構造逆変換情報を格納する第2の格納手段と、構造変換情報を第1の格納手段から読み出すための第1の手段と、構造逆変換情報を第2の格納手段から読み出すための第2の読み出し手段と、各システム対応に変換を行う際に作動し、その対応システムの設計データスプールから設計データを読み出し、第1の読み出し手段で読み出した対応する構造変換情報に基づいてデータ変換を行い、統合データベースの統一的構成情報に基づいてこの変換後のデータを統合形式の設計データに変換して上記統合データベースへ格納させる手段と、各システム対応に逆変換を行う際に作動し、統合データベースに格納してある、そのシステム対応の統合形式の設計データを読み出し統合前の設計データに変換し、第2の読み出し手段で読み出した対応システムの構造逆変換情報に基づいて逆変換を行ってそのシステム対応の設計データとし、これをシステム対応の設計データスプールに格納させる手段と、を具え、 てなる複数設計支援システム対応データ統合装置。」 2 引用例 原査定の拒絶の理由に引用された引用例、及びその記載事項は、前記「第2 2(2)」に記載したとおりである。 3 対比・判断 本願発明は、前記第2で検討した本願補正発明から、限定された事項を省いたものである。 そうすると、本願発明の構成要件をすべて含み、更に他の構成要件を付加したものに相当する本願補正発明が、前記「第2 2」で判断したとおり、引用例1に記載された発明、常套技術及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用例1に記載された発明、常套技術及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 4 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用例1に記載された発明、常套技術及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本願は、他の請求項について検討するまでもなく拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2008-12-15 |
結審通知日 | 2008-12-16 |
審決日 | 2009-01-06 |
出願番号 | 特願2002-356233(P2002-356233) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(G06F)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 加舎 理紅子 |
特許庁審判長 |
原 光明 |
特許庁審判官 |
伊藤 隆夫 板橋 通孝 |
発明の名称 | 複数設計支援システム対応データ統合装置 |
代理人 | 高崎 芳紘 |