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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F01D
管理番号 1194164
審判番号 不服2008-13244  
総通号数 113 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-05-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-05-26 
確定日 2009-03-10 
事件の表示 特願2005-172719「タービンブレードユニット」拒絶査定不服審判事件〔平成17年11月17日出願公開、特開2005-320973〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯及び本願発明
本件出願は、平成7年8月23日に出願した特願平7-237738号(パリ条約による優先権主張1994年8月30日、イギリス)の一部を平成17年6月13日に新たな出願としたものであって、平成19年6月15日付けで拒絶理由が通知され、同年12月14日に意見書及び手続補正書が提出されたが、平成20年2月19日付けで拒絶査定がなされ、同年5月26日に同拒絶査定に対して審判請求がなされたものであって、その請求項1ないし17に係る発明は、上記平成19年12月14日に提出された手続補正書により補正された明細書及び特許請求の範囲並びに出願当初の図面の記載からみて、特許請求の範囲の請求項1ないし17に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は次のとおりである。
「内側端部ブロックと外側端部ブロックの間に取り付けられた複数のエアフォイル型ブレードの環状配列体を有し、隣接するブレードの間の動作流体の流路が該端部ブロックによって画定される両端壁によって閉鎖されているタービンであって、
該各ブレードとそれぞれの両端部ブロックとは、一体に形成されており、各ブレードのエアフォイル面と前記両端壁との間にすみ肉を形成するように機械加工されており、該すみ肉は、隣接するブレードの間のスロート寸法の0.15?0.3倍の範囲の曲率半径を有することを特徴とするタービン。」

2.原査定の拒絶の理由に引用された引用文献
(1)特開平6-10610号公報(平成6年1月18日公開。以下、「引用文献1」という。)
(A)引用文献1には、次の事項が図面と共に記載されている。
a)「半径方向内方の内方リングと、半径方向外方の外方リングと、各々、内端を内方リングに固定され、外端を外方リングに固定されており、先行縁と後行縁と圧力側面と吸引側面を有する1列の円周方向に間隔を置いて整列した固定ブレードから成る形式の軸流タービンのための固定ブレード組立体…(後略)…」(特許請求の範囲の請求項1)
b)「【0010】…(前略)…流体の流れ方向でみて該回転ブレード12の上流側でタービンステータ20(即ち、以下に述べるリング21と22)に固定された固定ブレード組立体を含む。この固定ブレード組立体は、半径方向内方の内方リング21と、半径方向外方の外方リング22と、各々、内端を内方リング21に固定され、外端を外方リング22に固定された1列の円周方向に間隔を置いて整列した固定ブレード23から成る。各固定ブレード23は、流体の流れに面する先行縁24と、後行縁25を有する。これらの固定ブレード23と内方及び外方リング21,22との組立体は、「ダイアフラム」と称される。」(段落【0010】)
c)「【0012】…(前略)…各ブレード23は、凹面状の圧力側面26と、凸面状の吸引側面27を有している。…(後略)…」(段落【0012】)

(B)上記(A)並びに図1及び2によると、引用文献1には、
「内方リング21と外方リング22の間に取り付けられた複数の固定ブレード23の環状配列体を有し、隣接する固定ブレード23の間の動作流体の流路が該リング21、22によって画定される両端壁によって閉鎖されているタービンであって、
該各固定ブレード23とそれぞれの両リング21、22とは、一体に形成されており、各固定ブレード23は凹面状の圧力側面26と、凸面状の吸引側面27を有しているタービン。」
という発明(以下、「引用文献1記載の発明」という。)が記載されている。

(2)特開平5-44691号公報(以下、「引用文献2」という。)
(A)引用文献2には、次の事項が図5及び図6と共に記載されている。
a)「【0002】
【従来の技術】従来の軸流ターボ機械の翼の例を図5及び図6に示す。図5は翼の斜視図、図6はその側面図である。本例は動翼に関する図であるが、静翼の場合も同様であるので、動翼についてのみ説明する。これらの図において、1は翼、2ははダブテール、3はダブテール2のプラットフォーム、4は翼1における翼背面5は翼1における翼腹面、6は翼1の後縁、7は翼1の前縁、8は翼背面4とプラットフォーム3とを滑らかに接続するフィレット(丸み)をそれぞれ示している。これが動翼の通常の形態であり、静翼の場合にはプラットフォーム3がケーシング壁面又はシュラウド環の面に相当する。
【0003】ここで着目しているのはフィレット8である。フィレット8の役目は、翼1を応力集中が発生せずに保持することと、コーナ部に発生する渦流れを緩和して二次損失の一部を減らすことにある。」(段落【0002】及び【0003】)

3.対比
本願発明と引用文献1記載の発明を対比すると、引用文献1記載の発明における「内方リング21」、「外方リング22」及び「固定ブレード23」が、本願発明における「内側端部ブロック」、「外側端部ブロック」及び「エアフォイル型ブレード」にそれぞれ相当する。
したがって、本願発明と引用文献1記載の発明は、
「内側端部ブロックと外側端部ブロックの間に取り付けられた複数のエアフォイル型ブレードの環状配列体を有し、隣接するブレードの間の動作流体の流路が該端部ブロックによって画定される両端壁によって閉鎖されているタービンであって、
該各ブレードとそれぞれの両端部ブロックとは、一体に形成されているタービン。」
という発明で一致し、次の(1)の点でのみ相違している。
(1)本願発明においては、「各ブレードのエアフォイル面と両端壁との間にすみ肉を形成するように機械加工されており、該すみ肉は、隣接するブレードの間のスロート寸法の0.15?0.3倍の範囲の曲率半径を有する」のに対して、引用文献1記載の発明においては、「各ブレード23」が本願発明における「エアフォイル面」に相当する「凹面状の圧力側面26」及び「凸面状の吸引側面27」を有しているものの、「各ブレード23」の「凹面状の圧力側面26」及び「凸面状の吸引側面27」と「両リング21、22」との間に、本願発明における「すみ肉」に相当するものを備えているか否か不明な点(以下、「相違点」という。)。

4.当審の判断
上記相違点について、以下に検討する。
「各ブレードのエアフォイル面」と「端壁」との間に「すみ肉」を形成するようにすることは、上記2.(2)(A)からみて、引用文献2に記載されている(以下、このことを「引用文献2記載の事項」という。)。
そして、まず第1に、「各ブレードのエアフォイル面」と「端壁」との間に「すみ肉」を形成するに際して「機械加工」を採用することは、ごく普通のことである。
第2に、上記「すみ肉」の曲率半径と「隣接するブレードの間のスロート寸法」の比を適宜のものとすることは、実験等の結果から当業者が必要に応じて選択可能な設計事項にすぎない。しかも、上記比を本願発明のように「0.15?0.3倍の範囲」としたことに格別のものがあるとも認められない。
してみれば、引用文献1記載の発明に引用文献2記載の事項を適用することにより、上記相違点に係る本願発明の構成を得る程度のことは、当業者が容易に想到することができたものである。
そして、本願発明の作用効果も、引用文献1記載の発明及び引用文献2記載の事項から当業者が予測できる範囲のものである。

5.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用文献1記載の発明及び引用文献2記載の事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2008-10-01 
結審通知日 2008-10-07 
審決日 2008-10-20 
出願番号 特願2005-172719(P2005-172719)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (F01D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 近藤 泰  
特許庁審判長 深澤 幹朗
特許庁審判官 中川 隆司
小谷 一郎
発明の名称 タービンブレードユニット  
代理人 飯田 伸行  

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