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審決分類 審判 全部無効 2項進歩性  E01H
管理番号 1194176
審判番号 無効2008-800159  
総通号数 113 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-05-29 
種別 無効の審決 
審判請求日 2008-08-22 
確定日 2009-03-09 
事件の表示 上記当事者間の特許第3018231号発明「道路消雪装置」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第3018231号の請求項1に係る発明についての特許を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。 
理由 第1 手続の経緯
本件の特許第3018231号に係る出願は、昭和61年10月14日に出願された特願昭61-243913号(以下「原出願」という。)の特許出願の一部を平成6年9月5日に特願平6-211543号(以下「子出願」という。)として分割し、さらに、子出願の一部を平成8年8月30日に特願平8-230767号として分割した特許出願(以下「本件特許出願」という。)に係り、平成12年1月7日に特許権の設定登録され、平成18年10月14日に存続期間満了により特許権の登録の抹消がなされたものである。
これに対して、請求人より平成20年8月22日付けで、本件の請求項1に係る発明についての特許に対して本件無効審判の請求がなされ、被請求人より平成20年11月25日付けで答弁書(平成20年11月27日付け手続補正書により補正)が提出され、請求人より平成20年12月19日付けで弁駁書が提出された。

第2 当事者の主張の概要
1.請求人の主張
請求人は、本件の請求項1に係る発明(以下、「本件特許発明」という。)についての特許(以下、「本件特許」という。)を無効とする、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由として、次の無効理由1ないし5を主張するとともに、その証拠方法として、甲第1号証ないし甲第15号証を提出した。

(1)無効理由1
本件特許発明は、甲第1号証に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号の規定により無効とすべきである。
(2)無効理由2
本件特許発明は、甲第1号証に記載された発明に、甲第4?7号証に記載された周知技術及び甲第8?10号証に記載された周知技術を適用して当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により無効とすべきである。
(3)無効理由3
本件特許発明は、甲第4号証に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号の規定により無効とすべきである。
(4)無効理由4
本件特許発明は、甲第4号証に記載された発明に、甲第8?10号証に記載された周知技術を適用して当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により無効とすべきである。
(5)無効理由5
本件特許発明は、原出願の願書に最初に添付された明細書又は図面(以下、「当初明細書」という。)に記載された開示範囲を超えるものであるから、本件特許出願は、適法な分割出願ではなく、本件特許出願の出願日は、現実の出願日である平成8年8月30日である。そうすると、本件特許発明は、原出願の公開公報である甲第11号証に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号の規定により無効とすべきである。

[証拠方法]
甲第1号証:特開昭56-39216号公報
甲第2号証:大柳康、蓮見善久著、「JISに基づく標準機械製図集」第5版、理工学社、2002年9月30日発行、表紙、22頁、68?69頁および奥付
甲第3号証:社団法人日本建設機械化協会編「新防雪工学ハンドブック」第1版、森北出版株式会社、1977年12月9日発行、表紙、312?330頁および奥付
甲第4号証:実願昭56-187252号(実関昭58-94713号)のマイクロフイルム
甲第5号証:特開昭51-109132号公報
甲第6号証:実願昭54-51095号(実開昭55-153152号)のマイクロフイルム
甲第7号証:実願昭58-54316号(実開昭59-160619号)のマイクロフイルム
甲第8号証:上下水道機材事典編集委員会編「上下水道機材事典」重版、株式会社産業調査会出版部、昭和52年3月1日発行、表紙、64?81頁および奥付
甲第9号証:機械工学用語辞典編集委員会編「機械工学用語辞典」第2版、株式会社技報堂、昭和35年1月10日発行、表紙、33頁および奥付
甲第10号証:新機械工学便覧編集委員会編「新機械工学便覧」初版、理工学社、1966年5月14日発行、表紙、12-10?12-15頁および奥付
甲第11号証:特開昭63-97248号公報(原出願の公開公報)
甲第12号証:請求人から被請求人への平成18年12月11日付けの依頼書
甲第13号証:被請求人から請求人への平成18年12月13日付けの通知書(4)
甲第14号証:原出願の願書に最初に添付された明細書及び図面
甲第15号証:特願平9-301137号(本件特許出願の分割出願)における平成14年7月19日起案の拒絶理由通知書

2.被請求人の主張
被請求人は、本件審判請求は成り立たないとの審決を求め、その理由として、次のように主張し、証拠方法として乙第1号証ないし乙第3号証を提出した。
(1)本件特許発明の出願日及び無効理由5に対して
本件特許発明の本質は、道路に高低があってもきめ細かく対応できるということを前提に、きめ細かく対応するため、各散水ノズル群ごとに「バルブ通水量調整装置」を設け、この「バルブ通水量調整装置」を路面上から調整できるようにしたことであり、これは、原出願の願書に最初に添付された明細書又は図面から出願時の技術水準により当業者が十分読みとれる自明の内容であるから、本件特許発明は、原出願の当初明細書に記載された開示範囲を超えるものではなく、本件特許出願は適法な分割出願であるから、出願日は、原出願の出願日である昭和61年10月14日である。
したがって、請求人の無効理由5の主張は理由がない。
(2)無効理由1に対して
甲第1号証の記載から、甲第1号証に開示される消雪装置が複数の送水支管を含む消雪装置であるとも読み取ることはできない。また、甲第1号証は、構成が簡素なことから故障も少なく、製造容易で経済的なものとなる点を優れた作用効果としており、甲第1号証において複数の送水支管を設ければ、それだけ構成が複雑化し、上記作用効果を打ち消すことになるのは明白であり、送水支管を複数設ける点は記載も示唆もされていない。
また、甲第1号証には、「道路等における融雪装置の巻立て工法および同工法に使用する流量調節兼用接続部材」に関する発明が開示されているに過ぎず、施工後に道路の路面上から散水量を調整するという思想は皆無である。
したがって、本件特許発明は甲第1号証に記載される発明と同一ではない。
(3)無効理由3に対して
甲第4号証には、バルブを施工後に操作するという記載は一切なく、バルブはあってもなくても良いもので、バルブを設けたときは施工の際(完成前)、水量を地表から調整したらコンクリートで固めて完成させるものであると解釈するのが自然であり、施工後に道路の路面上から散水量を調整するという思想は皆無である。
したがって、本件特許発明は甲第4号証に記載される発明と同一ではない。
(4)無効理由2及び無効理由3に対して
甲第1号証および甲第4号証には、施工後に道路の路面上から散水量を調整するという思想は皆無であり、本件特許発明とは全く別異の融雪装置の設置工事の施工中に用いる技術が開示されるに過ぎない。また、甲第5号証乃至甲第10号証には本件特許発明の構成要件の一部が夫々開示されるに過ぎない。
したがって、本件特許発明は、甲第1号証および甲第4号証乃至甲第10号証に記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

[証拠方法]
乙第1号証 特許第3018231号(本件の特許)の特許公報
乙第2号証 陳述書
乙第3号証 特許第3018231号の閉鎖特許原簿

第3 本件発明
本件特許発明は、特許明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものと認める。
「【請求項1】通水主管に複数の枝管を立設し、この枝管に散水管を接続し、この散水管に散水ノズルを配設したダブル配管方式の道路消雪装置において、通水主管,枝管,散水管,散水ノズルの順で通過する通水の量を夫々の枝管の上方に設けた操作室内において路面上から調整できるように、該夫々の操作室内にバルブ軸の回動により開閉して通水量を調整するバルブ通水量調整装置の操作部を設けたことを特徴とする道路消雪装置。」

第4 本件特許の出願日
本件特許の出願日を認定するために、本件特許出願が適法になされた分割出願であるか否かについて検討する。
(1)原出願(特願昭61-243913号)の当初明細書(甲第14号証)の記載
原出願の当初明細書には、次の事項が記載されている。
ア.従来の技術及び発明が解決しようとする問題点に関して、
「道路消雪装置には、・・・通水主管に直接散水管やノズル筒を配設するシングル配管方式と,通水主管に適当間隔をおいて枝管を立設し、この枝管に所定長さの散水管を左右略等長に配し、この散水管に散水ノズルを設けるダブル配管方式とがある。・・・
ダブル配管方式は、逆に流量を調節しないで良い散水ノズルを使用し得るから散水ノズルのコストは低くなるが、反面配管コストが高くなり、特に流量調節をするバルブ機構は第4図のように併設しなければならず、そのため刻設溝幅が大きくなりそれだけ配管コストが一層高くなるだけでなく、散水ノズルの付設位置がセンターラインから外れたりするなどの欠点も生じた。」(明細書2頁10行?3頁13行)、
イ.構成に関して、
「通水主管1に所定間隔を置いて枝管2を立設し、この枝管2の先端に所定の長さの散水管3を中間部で接続し、この散水管3に散水ノズル4を設けるダブル配管方式の消雪装置において、枝管2を主管真上に垂直状態に立設し、この枝管2の軸芯方向に配したバルブ軸5を散水管3上に配設したバルブ操作ボックス6内に突設し、このバルブ軸5の回動により開閉するバルブ装置7を枝管2内に設け、散水管3に適当間隔を置いて流量調節弁機構を具備しない散水ノズル4を付設し、この散水ノズル4の頂部を路面aに位置せしめたものである。」(同4頁3?14行)、
ウ.作用に関して、
「ポンプを始動して地下水を汲み上げ、通水主管1に通水し、バルブ軸5を回動してバルブ装置7を開くと散水管3内に通水され、散水ノズルより路面aに散水される。
散水量の加減はバルブ装置7の開閉度により調節する。」(同5頁6?11行)、
エ.効果に関して、
「本発明は上述のように、枝管を通水主管真上に垂直状態に立設し、この枝管の軸芯方向に配したバルブ軸を散水管上に配設したバルブ操作ボックス内に突設し、このバルブ軸の回動により開閉するバルブ装置を枝管内に設け、散水管に適当間隔を置いて流量調節弁機構を具備しない散水ノズルを付設し、この散水ノズルの頂部バルブと操作ボックスの頂面を路面に位置せしめたからバルブ操作ボックス内のバルブ軸は路面から簡単に回動せしめ得ることになり、且つこのバルブ装置は枝管ごとに配され、更に枝管内に直接内装され、在来のように散水管と並列に設ける分岐配管方式を採用しないで良いからそれだけ配管コストを安くすることができる上道路に刻設する溝の幅も狭くすることが可能となり、その上安い流量調節弁機構のない散水ノズルを使用できるから極めて経済的な道路消雪装置となる。」(同6頁16行?7頁16行)。

これらの記載によると、原出願の当初明細書には、通水主管に所定間隔を置いて枝管を立設し、この枝管の先端に散水管を接続し、この散水管に散水ノズルを設けるダブル配管方式の消雪装置において、通水主管の真上に枝管を立設し、この枝管の軸芯方向に配したバルブ軸を散水管上に配設したバルブ操作ボックス内に突設すること、すなわち通水主管に立設した枝管の上方にバルブ操作ボックスを配置することにより、通水主管、枝管、散水管、バルブ操作ボックスが上下方向に配列されることになり、道路に刻設する溝の幅を狭くすることができ、かつ、配管コストを安くできる効果を奏すること、及びバルブ装置を枝管ごとに配することにより、通水主管、枝管、散水管、散水ノズルの順で通水される散水量を調整できことが示されているといえる。

(2)本件特許発明の「立設」及び「上方」について
請求人は、本件特許発明の「立設」について、 枝管が通水主管から横に延びている場合だけでなく、斜め上方に延びている場合も「立設」に含まれることになるとすると「立設」は、実質的には単に「通水主管に枝管を設けた」という規定に等しくなる。
また、「上方」についても、操作室が枝管から水平方向に離間していたとしても垂直方向において当該枝管よりも上に位置する限り、操作室は枝管の「上方」に設けられていることになるとすると「上方」は、実質的には単に「(操作室を)夫々の枝管に設けた」という規定に等しくなる。
しかし、原出願の当初明細書には、枝管を通水主管真上に垂直状態に立設すること、および、枝管の真上に操作室を配設することしか開示されておらず、そもそも枝管を通水主管に「立設」する発明、および、操作室を枝管の「上方」に設ける発明については一切記載されていないと主張する。

そこで、本件特許発明の「立設」及び「上方」の意味する内容について検討する。
本件特許明細書(乙第1号証参照)には、次のとおりの記載がある。
ア.発明が解決しようとする問題点に関して、
「ダブル配管方式は、逆に通水流量を調節しないで良い散水ノズル・・・を使用し得るから散水ノズルのコストは安くなるが、反面配管コストが高くなり、特に流量調節をするバルブ機構は第4図のように通水主管1と平行に分岐管30を並設しなければならず、更に分岐管30の連通管31,32も併設しなければならず、そのため刻設溝幅を大きくしなければ納まらないことになりそれだけ配管コストが一層高くなるだけでなく、散水ノズルの付設位置がセンターラインから外れたりするなどの欠点も生じた。」(段落【0004】)、
イ.効果に関して、
「本発明は上述のように、通水主管1に複数の枝管2を立設し、この枝管2に散水管3を接続し、この散水管3に散水ノズル4を配設したダブル配管方式の道路消雪装置において、通水主管1,枝管2,散水管3,散水ノズル4の順で通過する通水量を夫々の枝管2の近傍に設けた操作室6内において路面上から調整できるように、該夫々の操作室6内に通水量調整装置7の操作部7'を設けたから、・・・第4図に示すような在来方式の散水管3と平行に分岐管30を並列に設ける分岐配管方式を採用しないで良いからそれだけ配管コストを安くすることができる上、道路に刻設する溝の幅も狭くすることが可能となり、その上安価な流量調節弁機構のない散水ノズルを使用できるから極めて経済的な道路消雪装置となる。」(段落【0010】)、
ウ.実施例として、
「図面は、本発明の好適な実施例を示したもので、通水主管1に所定間隔を置いて枝管2を立設し、この枝管2の先端に所定の長さの散水管3を中間部で接続し、この散水管3に路面aに散水する散水ノズル4を配設したダブル配管方式の道路消雪装置において、枝管2を通水主管1の真上に垂直状態に立設し、この枝管2の軸芯方向に配したバルブ軸5を散水管3に配設した操作室6内に突設し、この操作室6内のバルブ軸5を路面a上より回動できるように設け、このバルブ軸5の回動により開閉する通水量調整装置7を枝管2内に設け、散水管3に適当間隔を置いて散水ノズル4を配設した構造のものである。」(段落【0011】)。

これらの記載事項及び図面の記載によれば、本件特許発明は、通水主管1に枝管2を立設し、枝管2の上方に操作室6を設けたことにより、通水主管、枝管、バルブ操作室が上下方向に配列されることになり、道路に刻設する溝の幅を狭くすることができ、かつ、通水主管と散水管と並列に設ける分岐配管方式を採用した場合に比較し、配管のための部品数を減少させ、配管コストを安くできる効果を奏するものと認められる。
そうすると、枝管を「立設」とは、枝管を付設するための刻設溝幅が狭くなるように、通水主管に対して枝管を「立て」て設けることを意味していることは明らかであり、正確に垂直状態であるものに限られないとしても、枝管を通水主管から横向きに設置するものや、斜めに設置するものを含むと解することはできない。
また、「上方」とは、枝管自体の上方を示していることは明らかであり、枝管から水平方向に離間した位置の上方を含むと解することはできない。
したがって、本件特許発明の「通水主管に複数の枝管を立設し」、「枝管の上方に設けた操作室」との構成は、原出願の当初明細書に記載されているといえる。

(3)本件特許の出願日
以上のとおりであるから、本件特許発明は、原出願の当初明細書に記載されたものである。
また、本件特許発明の親にあたる子出願(特願平6-211543号)の当初明細書にも、原出願の当初明細書と同様の事項が記載されているから、本件特許発明は、子出願の当初明細書にも記載されている。
よって、本件特許発明は、特許法第44条第1項の規定による適法な分割出願と認められ、その出願日は、原出願の出願日である昭和61年10月14日とみなす。

第5 無効理由についての判断
1.証拠方法に記載された事項
(1)本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第1号証には、次の事項が記載されている。
(1a)「1.散水ノズル設置計画線に従って掘削された配管溝内に、送水本管,送水支管,同送水本管と送水支管とを接続すると共に流量調節機能を果す流量調節兼用接続部材,送水支管と散水ノズル間を接続する立上り管および散水ノズルを主要構成部材として成る融雪装置を配置埋設するに際し、該融雪装置の各主要構成部材の中心軸が、夫々散水ノズル設置計画線に略合致する平面位置となるように各主要構成部材を配置した後、巻立てコンクリートを打設して該融雪装置を埋設固定することを特徴とする道路等における融雪装置の巻立て工法。」(特許請求の範囲)、
(1b)「・・・第6?7図に図示した代表的な従来例からも理解されるように、送水本管P1に直上方向にエルボーE1を介して流量調節バルブBを配し、該流量調節バルブBから送水本管P1に直交する水平方向にエルボーE2を取り付けた後チーズCを介して送水支管P2を左右に接続し、その送水支管P2適所より散水ノズルNを有する立上り管P3を立設するようにして・・・融雪装置の巻立て工法が採用されてきた。しかし、この工法によって実現される融雪装置は、送水本管P1の中心軸に対して送水支管P2および散水ノズルNを有する立上り管P3の中心軸がその平面位置において水平方向に・・・ずれることになってしまい、したがって、そのずれ幅の分だけ融雪装置を埋設配管するための配管溝の掘削幅が大きくなければならない・・・」(2頁左上欄10行?右上欄6行)、
(1c)「・・・まず、道路等融雪装置の設置予定箇所における散水ノズル5の設置計画線Lに従って、・・・配管溝Dを、前記計画線Lを中心線として・・・所定深さに掘削形成する。そして、その配管溝Dの略中心線に管軸が合致するように送水本管1を配設し、チーズ11を介して流量調節兼用接続部材3を接続する。」(2頁左下欄15行?右下欄4行)、
(1d)「この流量調節兼用接続部材3は、その垂直方向中心軸下方に先の送水本管1のチーズ11に接続するための取水側接続口31が形成され、上方にはディスク33を有するステム34が形成されていて、このステム34は外部操作が可能となっている。また、水平方向中心軸は、先の垂直方向中心軸に直交すると共に、左右方向対称に送水支管2,2への送水側接続口32,32が形成されており、各接続口31,32,32は一連の内部流路によって連通状に形成されている。」(2頁右下欄5?14行)
(1e)「また、この流量調節兼用接続部材3のディスク33は、上記のような位置関係に形成された上にその内部流路における取水側接続口31から各送水側接続口32,32へ分岐する分岐孔付近に当接し、ステム34の外部操作によってこの分岐孔が開閉自在に調節できるように形成されており、この調節操作によって送水本管1から送水支管2,2、延いては散水ノズル5への送水量を停止あるいは調節することが可能になっている。」(3頁左上欄1?9行)、
(1f)「続いて、この流量調節兼用接続部材3の各送水側接続口32,32に送水支管2,2を接続した後、各送水支管適所に立上り管4,4……更には、その先端に散水ノズル5,5……を配すれば、この発明における融雪装置の巻立て工法の主要部分が完了し、後は、従来どおりに巻立てコンクリート・・・を配管溝D内に打設すればよい。」(3頁左上欄10?17行)、
(1g)「図中、6は、流量調節兼用接続部材3におけるディスク33の外部操作杆であるステム34の端部の操作空間を形成するために採用する弁筐であり、・・・」(3頁左上欄18行?同右上欄1行)、
(1h)第1?3図には次の図面が記載され、第1図及び第3図にはステム34の上端部を流量調節兼用接続部材3の上方に設けることが示されている。

(1i)第4図には次の図面が記載され、ステム34の上端部は矩形断面であることが示されている。

(1j)第5図には、次のとおり流量調節兼用接続部材3が記載され、ディスク33を下端に固定ネジ39で固定したステム34は、ボンネット36の開口に挿通されていること、ディスク33の外周とボディー35の内側の弁座(突出部)間に流水路が形成されることが示されている(なお、C及びDの符号及び波線は請求人が付加したものである。)。


これらの記載によれば、甲第1号証には次の発明が記載されていると認められる。
「送水本管1にチーズ11の立上り管部を立設し、このチーズ11の立上り管部に流量調節兼用接続部材3を介して送水支管2を接続し、この送水支管2に立上り管4及び散水ノズル5を配設した、道路等における融雪装置において、
送水本管1、チーズ11の立上り管部、流量調節兼用接続部材3、送水支管2、立上り管4、散水ノズル5の順で通過する通水の量をチーズ11の立上り管部の上方に設けた弁筺6内において路面上から調整できるように、該弁筺6内に、流量調節兼用接続部材3におけるディスク33の外部操作杆であるステム34の上端部を設けた道路等における融雪装置」(以下、「甲1発明」という。)

(2)甲第2号証(JISに基づく標準機械製図集)には、ねじの製図に関して、次のように記載されている。
(2a)「10.1 ねじおよびねじの部品の図示法
ねじの実形を技術文書などで図示する場合・・・厳密な尺度で描く必要はない。
通常の製図では、図134?図142のように、ねじの山の頂(おねじ外径、めねじ内径)を太い実線、谷底(おねじ谷の径、めねじ谷の径)を細い実線で表す.」(22頁左欄)、
(2b)68?69頁には、弁棒の上端付近におねじが形成された「フランジ形玉形弁」の作図例が記載されており、69頁の左上の断面図において、マル12(原文は丸数字)で示される弁棒のおねじ部分の外形が二重線で表現されている。

(3)本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第3号証(新防雪工学ハンドブック)には、「融雪施設」である「散水融雪」の構造に関して、図4・2-2とともに次の事項が記載されている。
(3a)「現在では、図4・2-2のように送水管およびノズルセットがコンクリートによって保護される構造が一般に採用されるようになった.」(315頁6?7行)、
(3b)「現在では図4・2-2のように送水管およびノズルセットがコンクリートによって保護される構造が一般に採用されるようになった.」(315頁6?7行)、
(3b)「配水管,送水管,噴水管:ノズル部分(図4・2-2参照)より構成され,強固なコンクリート基礎で一体化された構造となり,送水管と噴水管を分離し,送水管は送水必要量により管径を変えて経済的配管をすること.噴水管は縦断延長方向に20m程度で1セットとし,各セットごとに1?2個のドレーンプラグを設ける.」(316頁3?6行)、
(3c)図4・2-2には、送水本管にチーズ、バルブ(調整弁)、ニップルを介してノズル部を有する噴水間が連結されること、バルブの上方の路面には弁筺が配置されること、送水本管にチーズ、ノズル部を有する噴水間の周囲にはコンクリートが打設されることが記載されている(315頁)。
(3d)「稼働中に調節弁がゆるんだりセット中の一部のノズルが目づまりしたため等で,ノズル噴水が高くなることがあるので常時調整すること.」(321頁13?17行)、
(3e)「ノズルセットは,1セット20mとして25セットとなり,・・・」(323頁下から5行)。

(4)本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第4号証(実願昭56-187252号(実開昭58-94713号)のマイクロフイルム)には、次の事項が記載されている。
(4a)「この考案は、地中に埋設して使用する消雪管に関するもので、単位長さに形成された管を所要本数順次連結して設置できるように工夫したもので、・・・」(明細書1頁13?16行)
(4b)「・・・主管(1)の一端部に分岐管(3)を溶接して設け、分岐管(3)にエルボ(4)を取付け、エルボ(4)に、複数の散水ノズル(6)を等間隔おきに付設した副管(5)をバルブ(7)を介して連結する・・・」(同2頁7?11行)、
(4c)「・・・連結した消雪管を散水ノズル(6)の上部が地表に露出され、バルブ(7)を地表より操作できるようにコンクリートで固めて置く。尚、バルブ(7)は必ずしも必要とするものではなく、しかし各単位の消雪管ごとに取付けておけば、不要な所の散水を中止し、必要な所へ集中的に散水することが出来る。」(同3頁3?9行)。
(4d) 第1図には、次の図が記載され、主管(1)、分岐管(3)、エルボ(4)、バルブ(7)、副管(5)を接続した消雪管単位が複数連結されること、該バルブ(7)の操作部を上方に配置することが示されている。


(5)本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第5号証(特開昭51-109132号公報)には、送水管(a)、(b)に複数の立上り管を立設し、各立上り管に、複数の散水ノズルを有する分断消雪パイプ(2)を接続した道路消雪装置が記載されている(1頁右下欄1?7行、図面)。

(6)本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第6号証(実願昭54-51095号(実開昭55-153152号)のマイクロフイルム)には、従来技術に関して第1図とともに次の事項が記載されている。
(6a)「散水型融雪装置の配管系統は、第1図に示す様に送水管1より散水枝管2を分岐し、さらにこれより立上り管3に分岐するもの、すなわち、二重配管方式と第2図に示す様に送水管1より直接立上り管3に分岐する、いわゆる単一配管方式とがある。前者の系統では散水枝管2の上流端と下流端の圧力差が小さく、各散水枝間2内の圧力差もバルブによって調節できるので、これに使用される散水ノズルは圧力差によって流量を調節する機能をもたない場合が多い、・・・」(明細書2頁1?10行)。
(6b)第1図には、送水管1に複数の散水枝管2を接続し、散水枝管2に立上り管3を介して散水ノズル4を設けたこと、各散水枝管2は、送水管1に接続する部分にそれぞれバルブを設けたことが示されている。

(7)本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第7号証(実願昭58-54316号(実開昭59-160619号)のマイクロフイルム)には、次の事項が記載されている。
(7a)「この考案の道路埋設用消雪装置は、第1図に示したこの考案を代表する実施例の側面図からも理解できるように、管軸線方向に適宜間隔置きに散水ノズル11付きの立上り管1,1……を多数立設し、散水導管2と、該散水導管2の基端部2aと末端部2bとに接続連通した並行導管3とから成る消雪配管を給水本管Aから分岐した給水支管Bに接続して成るもので、散水導管2の両端部2a,2bを共に元圧部(給水部)とすべく形成したものである。」(明細書2頁16行?3頁5行)、
(7b)「そして、この消雪配管部分を給水配管Aから分岐させた給水支管Bにチーズ4を介して接続することにより、給水本管Aからの水道水もしくは井戸水を各散水ノズル11,11……に供給するものである。なお、チーズ7の先端には水抜き用のプラグソケット10が接続され、給水支管Bの中途に形成した開閉弁Dと共に、不使用時の水抜き、止水操作がなされ、凍結防止や掃除の用に供される。図中、Cは給水本管Aから給水支管Bを立ち上げるための違径チーズ、Eは弁筐、Fは路面を夫々示している。」(同3頁18?4頁9行)。
(7c)第2図には、給水本管Aに、違径チーズCの立上り部、給水支管B、散水ノズル11を有する散水導管2を接続したこと、開閉弁Dは、水平方向に伸びる給水支管Bに設けられ、路面に開口する弁筐E内に設置されることが示されている。
(7d)第5図には、給水本管Aに、複数の給水支管Bを設け、複数の給水支管Bにそれぞれ開閉弁Dが設けられることが示されている。

(8)本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第8号証(上下水道機材事典)には、「仕切弁」や「玉形弁(止め弁)」は、ハンドルの回動により開閉されることが記載されている(64頁右欄24?27行、71頁右欄16?20行、80頁右欄2?8行、80頁右欄10?11行)。

(9)本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第9号証(機械工学用語辞典)には、「ben 弁」の項に、弁は、管路の途中または管端にこれを取付けて、流体の流量、圧力の制御や流れの遮断に用いること(33頁左欄15?21行)、止弁では、弁棒のおねじと弁箱のめねじとの対偶を利用し、弁棒の他端にあるハンドルを回して弁体を上下させること(33頁左欄32?37行)が記載されている。

(10)本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第10号証(新機械工学便覧)には、「弁およびコック」に関して、「弁およびコックは,管路の水力学的抵抗を変化させ,流量を調整したり,流路を閉鎖したり,あるいは,流動流体の圧力を低下させたりするために用いる.」こと(12-10頁右欄29?31行)、「仕切り弁」は、弁棒の回転により弁が上下すること(12-10頁右欄36?38行)が記載され、12.11表?12.16の各表には、「フランジ形内ネジ仕切弁」、「フランジ形外ネジ仕切弁」、「ネジ込み形玉形弁」、「フランジ形玉形弁」の、弁棒のネジの仕様が記載されている(12-11?12-14頁)。

(11)甲第11号証(特開昭63-97248号公報)は、原出願である特願昭61-243913号の公開公報である。

2.無効理由2について
本件特許発明と甲1発明を対比すると、甲1発明の「送水本管1」、「チーズ12の立上がり管部」、「送水支管2」、「弁筺6」、「ディスク33」、「ステム34」は、それぞれ、本件特許発明の「通水主管」、「枝管」、「散水管」、「操作室」、「バルブ」、「バルブ軸」に相当し、本件特許発明の「バルブ軸の回動により開閉して通水量を調整するバルブ通水量調整装置」と甲1発明の「流量調節兼用接続部材」とは「バルブ軸の操作により開閉して通水量を調整するバルブ通水量調整装置」である点で共通する。
したがって、両者は、
「通水主管に枝管を立設し、この枝管に散水管を接続し、この散水管に散水ノズルを配設したダブル配管方式の道路消雪装置において、通水主管,枝管,散水管,散水ノズルの順で通過する通水の量を夫々の枝管の上方に設けた操作室内において路面上から調整できるように、該夫々の操作室内にバルブ軸の操作により開閉して通水量を調整するバルブ通水量調整装置の操作部を設けた道路消雪装置。」である点で一致し、次の点で相違する。
相違点1:枝管が、本件特許発明では、通水主管に複数設けられているのに対し、甲1発明では、通水主管に複数設けられているか否か不明な点。
相違点2:バルブ通水量調整装置が、本件特許発明では、バルブ軸の操作により開閉して通水量を調整するものであるのに対し、甲1発明では、バルブ軸(ステム34)をどのように操作するのか不明な点。

相違点1について検討する。
道路消雪(融雪)装置の一般技術を示す甲第3号証に、水源からの水を供給する通水主管に対し、枝管及び散水管からなるセットを複数設けることが記載されているように(記載事項(3a)(3c))、通水主管に枝管を複数設け、この枝管を介して散水ノズルを備えた散水管を接続するダブル配管方式の道路消雪装置は本願出願前周知である。
このようなダブル配管方式の道路消雪装置は、甲第4号証ないし甲第7号証にも示されている。
また、通水主管に複数の枝管を接続したものにおいて、通水主管から、枝管、散水管、散水ノズルの順で通水する通水の量を調整するバルブを、枝管、散水管及び散水ノズルからなる単位毎に夫々設けることも、甲第4号証、甲第6号証及び甲第7号証に記載されているように本願出願前周知の技術である。
すなわち、甲第4号証には、主管(1)に分岐管(3)を設け、分岐管(3)にエルボ(4)を介して複数の散水ノズル(6)を付設した副管(5)を連結した消雪管単位を連結して形成された消雪管において、各単位毎にバルブを設けることが好ましいこと記載されている(記載事項(4b)?(4d))。
甲第6号証には、通水主管(甲第6号証における「送水管1」)に複数の枝管(同「散水枝管2」)を接続し、枝管2に立上り管3を介して散水ノズル4を設ける散水装置において、夫々の枝管(同「散水枝管2」)に、送水管1に接続する部分にバルブを設けることが記載されている(記載事項(6b))。
甲第7号証には、通水主管(甲第7号証における「給水本管A」)に複数の枝管(同「給水支管B」)を設け、各枝管に散水管(同「散水導管2」)と並行導管3を設けた道路埋設用消雪装置において、複数の給水支管Bにそれぞれ開閉弁Dが設けられることが記載されている(記載事項(7d))。
そして、甲1発明は、従来の道路埋設用消雪装置における散水管の配置を改良したものであること考慮すると、甲1発明は、従来周知のダブル配管方式の道路消雪装置である、通水主管に枝管が複数設けられたものにおいて、散水管の配置を改良したものと解することができる。
そして、通水の量を調整するバルブを夫々の枝管に設けることは、上記甲第4号証、甲第6号証及び甲第7号証に示される周知技術に基づいて当業者が容易になしうることである。

なお、被請求人は、甲1発明の消雪装置が複数の送水支管を含む消雪装置であるとも読み取ることはできない。甲1発明は、構成が簡素なことから故障も少なく、製造容易で経済的なものとなる点を優れた作用効果としており、甲1発明において複数の送水支管を設ければ、それだけ構成が複雑化し、上記作用効果を打ち消すことになる旨主張する。
たしかに甲第1号証には送水支管の数は記載されていないし、図面には送水支管が1つだけしか記載されていない。しかし、甲第1号証には、甲1発明は、従来用いられている、送水本管P1に流量調節バルブBを介して送水支管P2を接続し、その送水支管P2適所より散水ノズルNを有する立上り管P3を立設するようにした融雪装置(消雪装置)の問題点を解決したものであることが示されており(記載事項(1b))、甲1発明は、甲第3号証に示されるような、従来周知の通水主管に枝管が複数設けられた道路消雪装置において、散水管の配置を改良したものと解するのが自然である。
そして甲1発明は、従来エルボーE1、流量調節バルブB、エルボーE2、チーズCを介して送水支管P2を設けていたものに比べて、チーズと流量調節兼用接続部材のみを用いて通水主管と散水管とを接続することで、接続部の構成を簡素なものとしたものであり、複数の枝管を設け、通水主管から夫々の枝管を通水する水の流量調節バルブを設けた従来周知の散水装置においても、甲1発明によれば、通水主管と夫々の枝管、散水管との接続部の構成を簡素なものとすることができることは明らかであり、被請求人の主張は採用できない。

相違点2について検討すると、通水量を制御する弁は、甲第8号証ないし甲第10号証に記載されているように、通常、バルブの弁軸にねじを設け、操作部の回動により弁軸を回動させて弁を上下動させて通水量を制御するものである。
そして、甲第1号証の、第5図にはねじ山3Sが左側では二重線で表現されているところ(第5図においてDで示される部分)、ステム34の軸方向中間のボンネット36と接する外周部分(第5図においてCで示される部分)も二重線で表現されていることから、技術常識からみてこの部分にねじ部が設けられていると解することができ、またステム34の上端付近が矩形断面の軸にされていること(第4図参照)からみても、甲1発明は、ステム34の上端部を回動させることで当該ステム34に形成された前記ネジ部とボンネット36との噛み合いによってステム34が上下動し、これに伴いディスク33とボディー35の弁座との間隔が変わって通水量が調整されると解することができ、相違点2は実質的な差異ではない。

そして、本件特許発明の効果である「道路に刻設する溝の幅も狭くすることが可能となる」ことは甲1発明も有している効果であり、「通水量を夫々の枝管2の近傍に設けた操作室6内において路面上から調整できる」ことは、甲第4号証、甲第6号証及び甲第7号証に示される周知のダブル配管方式の散水装置も有しているものであって、本件特許発明の効果は全体として甲1発明及び上記周知技術から予測することができるものである。

したがって、本件特許発明は、甲1発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるから、本件特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものである。

第6 むすび
以上のとおり、本件特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、同法第123条第1項第2号に該当するから、無効とされるべきである。
審判に関する費用については、特許法第169条第2項において準用する民事訴訟法第61条の規定により、被請求人が負担すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2009-01-06 
結審通知日 2009-01-14 
審決日 2009-01-27 
出願番号 特願平8-230767
審決分類 P 1 113・ 121- Z (E01H)
最終処分 成立  
前審関与審査官 杉江 渉加藤 友也松井 佳章須藤 康洋  
特許庁審判長 山口 由木
特許庁審判官 石川 好文
草野 顕子
登録日 2000-01-07 
登録番号 特許第3018231号(P3018231)
発明の名称 道路消雪装置  
代理人 特許業務法人サンクレスト国際特許事務所  
代理人 佐木 啓二  
代理人 喜多 秀樹  
代理人 渡邊 隆文  
代理人 吉井 剛  
代理人 吉井 雅栄  
代理人 吉井 剛  
代理人 坂本 寛  
代理人 吉井 雅栄  

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