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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G02F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G02F
管理番号 1195171
審判番号 不服2007-22978  
総通号数 113 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-05-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-08-21 
確定日 2009-04-02 
事件の表示 特願2006- 71033「車載用液晶表示装置」拒絶査定不服審判事件〔平成19年 4月 5日出願公開、特開2007- 86722〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1 手続の経緯
本願は、平成17年9月21日に出願した特願2005-274790号(以下「原出願」という。)の一部を平成18年3月15日に新たな特許出願としたものであって、平成19年6月8日付けで手続補正がなされたが、平成19年7月13日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年8月21日付けで拒絶査定不服審判請求がなされるとともに、同年9月7日付けで手続補正(以下「本件補正」という。)がなされたものである。

2 本件補正についての却下の決定
(1)結論
本件補正を却下する。

(2)理由
ア 補正の内容
本件補正は、補正前の特許請求の範囲の請求項2及びこれを引用する請求項3に、
「【請求項2】共通の表示画面上において第1の画像および第2の画像をそれぞれ車両内の異なる方向から視認できるように表示するための視差バリアを備える液晶パネルと、前記液晶パネルの背面側に設置された導光板と前記導光板内に光を入射させる複数の発光ダイオードとを有し前記液晶パネルの背面側から照明光を当てるバックライト部とを有する表示部と、
2つの画像ソースから供給された画像を前記表示部に出力する表示制御部と、前面の周囲に設けられ前記表示部を納めるフレームと、を有する本体部とを具備し、
前記表示部が前記フレームに収められた状態で、前記第1の画像および前記第2の画像をそれぞれ車両内の異なる方向から視認でき、
前記表示部が前記本体部に対して斜動することにより前記本体部の前面を開けることができることを特徴とする車載用液晶表示装置。
【請求項3】前記本体部は、前記第1の画像または前記第2の画像を供給する記憶媒体の再生部を有し、
前記表示部が前記本体部に対して斜動することにより前記本体部の前面より、前記記憶媒体を操作することができることを特徴とする請求項2記載の車載用液晶表示装置。」

とあるを、新たな請求項1として、

「共通の表示画面上において第1の画像および第2の画像をそれぞれ車両内の異なる方向から視認できるように表示するための視差バリアを備える液晶パネルと、前記液晶パネルの背面側に設置された導光板と前記導光板内に光を入射させる複数の発光ダイオードとを有し前記液晶パネルの背面側から照明光を当て、輝度を調整可能なバックライト部とを有する表示部と、
2つの画像ソースから供給されたそれぞれの画像の画質を調整し、調整された画像を前記表示部に出力する表示制御部と、前面の周囲に設けられ前記表示部を納めるフレームと、を有する本体部とを具備し、
前記表示部が前記フレームに収められた状態で、前記第1の画像および前記第2の画像をそれぞれ車両内の異なる方向から視認でき、
前記表示部が前記本体部に対して斜動することにより前記本体部の前面を開けることができ、
前記本体部は、前記第1の画像または前記第2の画像を供給する記憶媒体の再生部を有し、
前記表示部が、前記フレームに収められた状態から前記本体部に対して斜動することにより、前記本体部の前面が開けられた状態となり、前記本体部の前面より、前記記憶媒体を操作することができることを特徴とする車載用液晶表示装置。」
に補正する内容を含むものである(下線は、当審で付した。)。

イ 補正の目的
上記補正の内容は、補正前の請求項3に係る発明の特定事項である、「バックライト部」を「輝度を調整可能な」ものに限定し、同じく「表示制御部」が「画像の画質を調整」するものであることを限定するとともに、同じく「表示部が前記本体部に対して斜動することにより前記本体部の前面より、前記記憶媒体を操作することができる」との事項につき、「前記フレームに収められた状態から前記本体部に対して斜動することにより、前記本体部の前面が開けられた状態となり、前記本体部の前面より、前記記憶媒体を操作する」として、斜動前後の表示部の状態をさらに限定するものであるから、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当すると認められる。

ウ 独立特許要件
本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかについて検討する。

(ア)刊行物の記載
原査定の拒絶の理由に引用され、原出願の出願前に頒布された特開2005-78080号公報(以下「引用例」という。)には、以下の記載がある。

a 「【請求項1】非対称ビューイング角度特性を有する複数の画素(101、102)を含む少なくとも一つの液晶表示デバイス(20-28、21’?28’)と、第1のビューイング方向(1)において第1の画像を表示し、該第1のビューイング方向(1)とは異なる第2の方向(2)において第2の画像を表示するために画素を駆動する駆動装置(29)とを備え、該駆動装置(29)が、該第1の画像を表示する画素は該第2の方向において暗く見え、該第2の画像を表示する画素は該第1の方向において暗く見えるように該少なくとも一つの表示デバイス(20-28、21’?28’)と協同する、マルチビューディスプレイ。
・・・
【請求項34】
前記少なくとも一つのデバイス(20-28、21’?28’)は、第1の非対称ビューイング角度特性の第1の構成を有する第1の画素(101)と、第1の非対称ビューイング角度特性とは異なるように向けられた第2の非対称ビューイング角度特性の、該第1の構成とは異なる第2の構成を有する第2の画素(102)とを含み、前記駆動装置は、前記第1の画像を表示するための該第1の画素と、前記第2の画像を表示するための該第2の画素とを駆動するように構成される、請求項1?18のいずれかに記載のマルチビューディスプレイ。
・・・
【請求項56】前記少なくとも一つのデバイス(20-28、21’?28’)は視差バリア(95)を含む、請求項34から55のいずれかに記載のマルチビューディスプレイ。」

b 「【0001】
本発明は、マルチプルビューディスプレイに関する。そのようなディスプレイは、互いに実質的に異なる画像を含む二つ以上のビューを表示するために用いられ得る。そのようなディスプレイにより、異なる観察者が、互いに無関係であり得る異なる画像を見ることができる。
【0002】
添付図面の図1は、この実施の形態においてデュアルビューディスプレイを含む、マルチプルビューディスプレイの概念を示す。ビューイング領域1および2に位置する観察者1および2は、デュアルビューディスプレイ10をみる。ディスプレイ10は、実質的に異なる画像が表示され得る別個のビューイング領域を有する。例えば、観察者2が地図を読んでいる間、観察者1は映画を鑑賞し得る。そのような例は、例えば、運転者がナビゲーション情報をみている間、同乗者が映画を同時にみるような、自動車の使用のためのディスプレイに適用可能である。」

c 「【0077】
図4は、図1および図2に示されたように、観察者1および2に対してそれぞれビューイング領域1および2において、二つのビューの、無関係であり得る画像を方向付けるためのデュアル薄膜トランジスタ(TFT)アクティブマトリクスLCDを示す。」

d 「【0129】
画素が、あるビューイング領域における画像を表示し、別のビューイング領域において白の画素として見られることを防ぐための別のアプローチは、図26に示されたような視差バリア95を用いることである。ビューイング領域においてみられるべき画像を表示するために意図された画素のみがその領域において見られ、他の画素が見えなくなるように、そのようなバリア95は、画素のビューイング角度を制限するように構成される。」

e 「【0187】
図43は、無関係であり得る画像を、図1および図2に示されたように、観察者1および観察者2のそれぞれに対してビューイング領域1およびビューイング領域2に二つのビューに、方向付けるための二つの薄膜トランジスタ(TFT)アクティブマトリクスツイスト垂直配向ネマチック(TVAN)LDCを含む。第1のLCDは、基板の外面または外面に上に形成された第1の線形偏光子20を含む。基板21は、ガラスまたは十分な安定な任意の適切な透明非複屈折材料からなってもよい。基板21は、その内面上に、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)からなる透明電極を保有する。電極22は、アクティブマトリクス対向電極として機能し、ディスプレイ10のアクティブエリアの全体を均一にカバーする。例えばラビングポリイミドの配列層23などの配列表面は電極22上に形成され、ディスプレイ10のアクティブエリアにわたって同じ均一な配列方向を有するように均一にラビングされる。
【0188】
第2の基板27は、中間線形偏光子28と、TFTと、電極層26とを保有する。電極の層26は、画素(絵素)を規定するようにパターにングされる。そのようなTFTおよび電極構成は公知であり、さらには説明しない。例えば、ラビングポリイミドの配列層25などの配列表面は、層26上に形成される。配列層25は、ディスプレイ10のアクティブエリアにわたって均一配列方向を提供する。
【0189】
基板21および基板27は、層22、23、25および26を有するように形成され、お互いにに面している配列層23および配列層25とともに集められ、その間に液晶層24を有する液晶セルを規定する。液晶の層24は、例えば、Merck UKから入手可能なMJ97174を含むネマチック液晶である。偏光子20および偏光子28は、液晶セルが形成された前またはその後に形成されてもよいし、提供されてもよい。層22および26は、グレースケールを規定する電圧で個々の画素をアドレス指定するために適切な信号を提供するために、29で示された駆動装置を含むか、または、駆動装置に接続されている。装置29は、外部構成要素全体またはその一部に形成されてもよい。あるいは、装置29は、例えば連続粒子シリコンを用いて、LCD上に集積されてもよい。
【0190】
第2のLCDは、対応する構成要素21から28と同じタイプの基板21’、電極22’、配列層23’、液晶層24’、配列層25’、TFTおよび電極層26’、基板27’、偏光子28’を含む。層22’および層26’は駆動装置29に接続されている。ディスプレイはバックライト30とともに提供され、バックライト30は、また、駆動装置29によって制御され得る。」

f 上記eを踏まえて、図43をみると、バックライト30は、第1のLCD(20-28)及び第2のLCD(21’?28’)の背面に設けられたものであることがみてとれる。

(イ)引用発明
上記(ア)によれば、引用例には、次の発明が記載されているものと認められる。

「非対称ビューイング角度特性を有する複数の画素を含む少なくとも一つの液晶表示デバイスと、該少なくとも一つの液晶表示デバイスの背面に設けられたバックライトと、第1のビューイング方向において第1の画像を表示し、該第1のビューイング方向とは異なる第2の方向において第2の画像を表示するために画素を駆動する駆動装置とを備え、該駆動装置が、該第1の画像を表示する画素は該第2の方向において暗く見え、該第2の画像を表示する画素は該第1の方向において暗く見えるように該少なくとも一つの液晶表示デバイスと協同する、運転者がナビゲーション情報をみている間、同乗者が映画を同時にみるような、自動車の使用のためのディスプレイに適用可能なマルチビューディスプレイであって、前記少なくとも一つの液晶表示デバイスは、第1の非対称ビューイング角度特性の第1の構成を有する第1の画素と、第1の非対称ビューイング角度特性とは異なるように向けられた第2の非対称ビューイング角度特性の、該第1の構成とは異なる第2の構成を有する第2の画素と、視差バリアとを含み、前記駆動装置は、前記第1の画像を表示するための該第1の画素と、前記第2の画像を表示するための該第2の画素とを駆動するように構成される、マルチビューディスプレイ。」(以下「引用発明」という。)

(ウ)対比
本願補正発明と引用発明とを対比する。

a 引用発明の「液晶表示デバイス」は、「視差バリア」を含み、「第1のビューイング方向において第1の画像を表示し、該第1のビューイング方向とは異なる第2の方向において第2の画像を表示する」ものであって、引用発明である「マルチビューディスプレイ」は、「運転者がナビゲーション情報をみている間、同乗者が映画を同時にみるような、自動車の使用のためのディスプレイに適用可能な」ものであるから、引用発明の「液晶表示デバイス」及び「マルチビューディスプレイ」は、それぞれ、本願補正発明の「共通の表示画面上において第1の画像および第2の画像をそれぞれ車両内の異なる方向から視認できるように表示するための視差バリアを備える液晶パネル」及び「車載用液晶表示装置」に相当する。

b 引用発明の「液晶表示デバイスの背面に設けられたバックライト」は、本願補正発明の「液晶パネルの背面側から照明光を当てるバックライト部」に相当する。

c 引用発明である「マルチビューディスプレイ」は、「運転者がナビゲーション情報をみている間、同乗者が映画を同時にみるような、自動車の使用のためのディスプレイに適用可能な」ものであるから、引用発明において、「第1の画像」及び「第2の画像」は、2つの画像ソースから供給され、引用発明は、それぞれの画像を表示部に出力する制御部を有していることは明らかである。

d 上記aに照らして、引用発明が、本願補正発明の「第1の画像および前記第2の画像をそれぞれ車両内の異なる方向から視認でき」との事項を備えていることは明らかである。

e よって、両者は、
「共通の表示画面上において第1の画像および第2の画像をそれぞれ車両内の異なる方向から視認できるように表示するための視差バリアを備える液晶パネルと、前記液晶パネルの背面側から照明光を当てるバックライト部とを有する表示部と、
2つの画像ソースから供給されたそれぞれの画像を前記表示部に出力する制御部とを具備し、
前記表示部が前記フレームに収められた状態で、前記第1の画像および前記第2の画像をそれぞれ車両内の異なる方向から視認できる車載用液晶表示装置。」
である点で一致し、下記(a)ないし(c)の点で相違するものと認められる。

(a)本願補正発明のバックライトは、「液晶パネルの背面側に設置された導光板と前記導光板内に光を入射させる複数の発光ダイオード」を有し、「輝度を調整可能」としているのに対して、引用発明では、バックライトの構成が不明である点(以下「相違点1」という。)。

(b)本願補正発明では、「画像の画質を調整し、調整された画像を前記表示部に出力する表示制御部」を具備しているのに対して、引用発明では、この構成を有するか不明である点(以下「相違点2」という。)。

(c)本願補正発明は、「表示制御部と前面の周囲に設けられ表示部を納めるフレームを有する本体部」を具備し、「第1の画像」及び「第2の画像」を「前記表示部が前記フレームに収められた状態」で視認でき、「前記表示部が前記本体部に対して斜動することにより前記本体部の前面を開けることができ、前記本体部は、前記第1の画像または前記第2の画像を供給する記憶媒体の再生部を有し、前記表示部が、前記フレームに収められた状態から前記本体部に対して斜動することにより、前記本体部の前面が開けられた状態となり、前記本体部の前面より、前記記憶媒体を操作することができる」のに対して、引用発明では、このような構成を有するものかどうか不明である点(以下「相違点3」という。)。

(エ)相違点についての判断
a 相違点1について
液晶表示装置のバックライトにおいて、複数の発光ダイオードを光源として導光板に光を入射させ液晶パネルを照明する技術は、本願の原出願前に周知の技術である(例えば、原査定の拒絶の理由に引用された特開平11-339527号公報の段落【0002】、【0003】参照。)。
また、バックライトの輝度を調整可能とすることは、当業者が必要に応じて適宜なし得る程度のことというべきであり、そのようにすることに格別の困難があるものではない(そのようにしたものとして、例えば、特開2003-327051号公報の【請求項3】を参照。)から、引用発明におけるバックライトを、相違点1に係る本願補正発明の構成ものとすることは、当業者が適宜なし得る程度のことである。

b 相違点2について
画像表示装置において画像の画質を調整して表示することは必要に応じて適宜なされる慣用手段であり、このことは、液晶表示装置においても同様である(そのようにしたものとして、例えば、特開2005-73076号公報の段落【0003】、上記特開2003-327051号公報の段落【0029】【0030】参照。)から、引用発明において、表示制御部を、「2つの画像ソースから供給されたそれぞれの画像の画質を調整し、調整した画像を表示部に出力する」ものとして、相違点3に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が必要に応じて適宜なし得る程度のことである。

c 相違点3について
(a)ナビゲーション装置の地図情報等の画像を表示する表示部を備えた車載用液晶表示装置において、画像を供給する記憶媒体の再生部を箱状の本体部に収容するとともに、前記表示部を前記本体部の前方に設け、前記表示部を前記本体部に対して斜動させることにより、前記表示部を前記本体部に開閉自在に設け、前記表示部が本体部の前面を覆う状態で画像を視認でき、前記表示部が開けられた状態で、前記本体部の前面より、前記記憶媒体を操作することができるようにすることは、原出願の出願前に周知の技術である(例えば、上記特開2003-327051号公報の図1、図4及び図5、特開平8-295181号公報の図1、図3及び図5参照。)から、引用発明の表示部を、本体部前面の周囲に設けられたフレームに収められるようにするとともに、該本体部の内部に、画像を供給する記憶媒体の再生部を収容し、前記表示部を前記本体部に対して斜動させることにより、前記表示部を前記本体部に開閉自在に設け、前記表示部が前記フレームに収められた状態で画像を視認でき、前記表示部が開けられた状態で、前記本体部の前面より、前記記憶媒体を操作することができるようにすることは、当業者が適宜なし得る程度のことである。

(b)しかるところ、表示制御部は、いずれかの部位に収納されるべきものであって、これを本体部に設けることに格別の困難があるものではない(そのようにしたものとして、例えば、上記特開平8-295181号公報の図1、図3及び図5参照。)。

(c)上記(a)及び(b)に照らせば、引用発明において、相違点3に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が適宜なし得る程度のことである。

(オ)小括
以上の検討によれば、本願補正発明は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
したがって、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであるから、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3 本願発明について
(1)本願発明
上記のとおり、本件補正は却下されたので、本願の請求項に係る発明は、平成19年6月8日付けで補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし請求項4に記載された事項によって特定されるものであるところ、請求項3に係る発明(以下「本願発明」という。)は、前記2(2)アにおいて、補正前の【請求項2】を引用する【請求項3】として示したとおりのものである。

(2)判断
前記2(2)イのとおり、本件補正は、特許請求の範囲を減縮を目的としたものと認められる。
しかるところ、前記2(2)ウで検討したとおり、本願発明に係る特許請求の範囲を減縮したものである本願補正発明が、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである以上、減縮前の本願発明も、本願補正発明と同様の理由により、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

4 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2009-01-30 
結審通知日 2009-02-03 
審決日 2009-02-16 
出願番号 特願2006-71033(P2006-71033)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G02F)
P 1 8・ 575- Z (G02F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 福島 浩司  
特許庁審判長 服部 秀男
特許庁審判官 三橋 健二
吉野 公夫
発明の名称 車載用液晶表示装置  
代理人 片山 修平  
代理人 横山 照夫  

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