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審決分類 審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1196080
審判番号 不服2007-7838  
総通号数 114 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-06-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-02-16 
確定日 2009-04-07 
事件の表示 特願2003-289389「遊技機械ユニット設備用補助用具」拒絶査定不服審判事件〔平成17年 1月27日出願公開、特開2005- 21643〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由
第1 手続の経緯

本願は平成15年7月3日に出願されたものである。
原審において拒絶理由が通知されるまでに、特許請求の範囲、明細書及び図面に関して提出された手続補正書は、以下のとおりである。

・平成16年12月16日受付 手続補正書
-差出日は平成16年12月15日、
-書面に記載された提出日は2004年12月、
-以下、「手続補正書1」という。

・平成17年3月29日受付 手続補正書
-差出日は平成17年3月28日、
-書面に記載された提出日は平成17年3月25日、
-以下、「手続補正書2」という。

・平成17年8月31日受付 手続補正書
-受付番号20501640009、
-差出日は平成17年8月30日、
-書面に記載された提出日は平成17年8月30日、
-以下、「手続補正書3-1」という。

・平成17年8月31日受付 手続補正書
-受付番号20501640010、
-差出日は平成17年8月30日、
-書面に記載された提出日は平成17年8月24日、
-以下、「手続補正書3-2」という。

これに対して、原審では、平成18年2月10日付けで拒絶の理由が通知されている。

原審における上記拒絶理由に対して、提出された手続補正書は、以下のとおりである。

・平成18年5月12日受付 手続補正書
-受付番号20600880196、
-差出日は平成18年5月11日、
-書面に記載された提出日は平成18年5月11日、
-以下、「手続補正書4-1」という。

・平成18年5月12日受付 手続補正書
-受付番号20600880198、
-差出日は平成18年5月11日、
-書面に記載された提出日は平成18年5月11日、
-以下、「手続補正書4-2」という。

上記の手続補正書4-1、及び手続補正書4-2は、平成18年6月15日付けでそれぞれ却下理由通知が通知され、平成18年9月20日付けでそれぞれ手続却下の処分が行われた。
原審では、平成18年12月28日付けで拒絶の査定がされた。

本件は、これを不服として平成19年2月19日受付(書面に記載された提出日は同年同月16日)で審判請求がされるとともに、同日受付で特許請求の範囲および明細書についての手続補正(以下、「審判補正」という。)がされたものである。


第2 当審の判断

1.特許請求の範囲、明細書および図面の補正状態について
(1)原審における拒絶理由通知時および拒絶査定時
「第1 手続の経緯」で示したとおり、本願では原審において多数の補正書が提出されているので、まず、原審における拒絶理由通知、及び拒絶査定の対象となった特許請求の範囲、明細書および図面の補正状態について確認する。
手続補正書1は、特許請求の範囲の請求項1-6(手続補正1-6)、明細書の段落【0001】、【0003】、【0005】-【0015】、【0017】、【0019】、【0021】、【0023】及び【符号の説明】(手続補正7-24)を変更するものである。
手続補正書2は、特許請求の範囲の請求項1-2及び請求項5-6(手続補正1-4)、明細書の段落【0001】、【0006】-【0009】、【0014】ー【0024】(手続補正5-20)を変更し、段落【0025】を追加し(手続補正21)、【発明の効果】、【図面の簡単な説明】及び【符号の説明】を変更し(手続補正22-24)、図面の全図を変更する(手続補正25)ものである。
手続補正書3-1は、平成16年12月15日に提出(当審注;実際の差出)がされた手続補正書、すなわち手続補正書1の一部を変更する形式のものであり、当該手続補正書1における手続補正7(明細書の段落【0001】を変更)を、明細書の全文を変更するものに変え(手続補正1)、同手続補正書1における手続補正8-24を削除する(手続補正2-18)ものである。そして、ここにおける明細書の全文補正内容は、当初の明細書に対して、手続補正書1における明細書の補正を加えた内容となっている。
手続補正書3-2は、平成17年3月28日に提出(当審注;実際の差出)がされた手続補正書、すなわち手続補正書2の一部を変更するものであり、当該手続補正書2における手続補正5(明細書の段落【0001】を変更)を、明細書の全文を変更するものに変え(手続補正1)、同手続補正書2における手続補正6-24を削除する(手続補正2-20)ものである。そして、ここにおける明細書の全文補正内容は、当初の明細書に対して、手続補正書2に記載した明細書の補正を行った内容となっている。すなわち、明細書について手続補正書1(及び手続補正書3-1)による補正を元に戻したうえで、手続補正書2による段落単位での補正を行ったものとなっている。
以上を整理すると、この段階における本願の特許請求の範囲、明細書および図面は、下記の手続補正書に記載された内容の補正がされた状態となっていた。
<特許請求の範囲>
請求項1-2; 手続補正書2
請求項3-4; 手続補正書1
請求項5-6; 手続補正書2
<明細書>
全文; 手続補正書3-2
(当初明細書に対して手続補正書2の補正)
<図面>
全図(図1-19); 手続補正書2

原審における拒絶理由は、このような補正がされた本願に対して通知された。
そして、その後に原審において提出された手続補正書4-1及び手続補正書4-2は、いずれも特許法17条の2第1項に規定する期間を経過して提出されたものとして手続却下されたから、原査定の対象となった本願の特許請求の範囲、明細書および図面も、拒絶理由が通知されたときと同じ上述の補正がされたものであった。

(2)審判補正後
審判補正は、特許請求の範囲の全文を変更し、明細書の段落【0007】-【0009】および【0016】を変更し、段落【0011】-【0015】を削除するものである。
これを整理すると、審判補正後の特許請求の範囲、明細書および図面は、以下の内容の補正がされた状態である。なお、ここで「手続補正書3-2」と表記した箇所は、原査定時と同様、当初の明細書に対して手続補正書2の補正を行ったものである。
<特許請求の範囲>
請求項1-2; 審判補正
<明細書>
冒頭-【0006】; 手続補正書3-2
【0007】-【0009】; 審判補正
【0010】; 手続補正書3-2
【0011】-【0015】; 削除
【0016】; 審判補正
【0017】-【符号の説明】; 手続補正書3-2
<図面>
全図(図1-19); 手続補正書2

2.明細書および図面についての新規事項
原査定の第1の理由は、請求項1-2及び5-6、明細書及び図面についての新規事項追加である。上で述べたとおり、図面及び明細書の段落【0017】以降には審判補正の前後において変更がないため、この箇所における新規事項の追加は、原査定の理由によって審判補正後の本願も拒絶を免れないことに帰結する。そのため、まずはこの点について検討する。
原査定時の明細書の段落【0022】及び段落【0024】には、それぞれ「次に、本発明の遊技機械ユニット設備用補助用具を図13、図14、図15、に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する・・・」及び「次に、本発明の遊技機械ユニット設備用補助用具を図16、図17、図18、図19、に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する・・・」と記載されており、両段落を含む段落【0022】-【0025】及び原査定時の【図13】-【図19】には、ここにいう「実施の形態」が具体的に記されている。そして、段落【0022】-【0023】に記される実施形態は、「15は載設板体10の所望する位置に所望寸法で略方形に公知の工具や道具や工作機械でくりぬいた中空部であり、図13では中空部15の一端は開放形状になっている」うえで、「大きめに形成された板体」である「係着部70」により、同図に示される如く「載設板体10」の上側から、「容器体60」を「着脱可能に固着または係着」するというものである(段落【0023】及び【図13】)。また、段落【0024】-【0025】に記される実施形態は、「載設板体10の上面の遊技機械SMを設置する場所付近」に形成された「一対の関係」にある「溝状18aと溝状18bに嵌合するように形成した摺動部を備えたスライド棚」であり、かつ、対応する図面によると「スライド棚T3の前面」に「把持部T3c」を有するものである(段落【0025】及び【図16】-【図19】)。
これに対して、願書に最初に添付された特許請求の範囲、明細書及び図面(以下、これらをまとめて「当初明細書等」という。)には、原査定時の明細書の段落【0022】-【0025】及び原査定時の【図13】-【図19】の記載は存在せず、上述した「実施の形態」は記されていない。当初明細書等においては、「図1から図4に示す実施の形態」(段落【0017】)、及び「図5から図8に示す実施の形態」(段落【0020】)が示されている。しかしながら、前者は【図2】の如く「天板10」に設けた「略方形」の「切欠き部」の「一端部11」と「対向した他端部12」に「レール金具」を設けたものであり(段落【0017】及び【図2】)、後者は【図5】の如く「天板10の正面端部に着脱可能に係着される係着部40と天板10の平面に着脱可能に固着される固着部50」(段落【0021】)を有したうえで、【図5】-【図7】から見て明らかに「係着部40」及び「天板10」より下側に「載置部30」が設けられたものである(段落【0021】及び【図5】-【図7】)。これらは、上述した原査定時の段落【0022】-【0025】及び【図13】-【図19】の如く、「くりぬいた中空部」を設けて「板体の係着部70」のみにより「載設板体10」の上側から「くりぬいた中空部」内に「容器体60」を固定する構造、あるいは「一対の関係」にある「溝状18aと溝状18bに嵌合するように形成した摺動部を備えたスライド棚」の「前面」に「把持部」を設けた構造の、いずれとも相違する。
そして、当初明細書等の請求項1においては「天板に、前記遊技機械の正面に向かって所定の距離をスライドしたり元の位置に収納したりする手段を備えたスライド棚を設けた」という以上の記載がなく、「スライド棚」をどうやって設けるかは限定されていないけれども、該請求項1に限定されていなかったことを根拠として、当初明細書等に記載をしていなかった具体的な事項が、当初から記載していたに等しい事項ということはできない。さらに、当初明細書等の請求項2には「前記天板の任意の位置に略方形で任意寸法の切欠き部を設け、前記切欠き部の一端部と一端部に対向した他端部にレール金具を設け」と記載がされており、当初の段落【0009】にも同様の記載があるが、「切欠き部」の位置や寸法について「任意」という記載があるからといって、「任意」の中から特定の具体的形態を選択するという事項、あるいは「任意」の語を拡張して位置や形状を大きく変更し、「切欠き部」を当初明細書等に記載のなかった「載設板体10」を「くりぬいた中空部」や「一対の関係」にある「溝状18aと溝状18b」という特定の形状に変更する事項が、当初明細書等に記載されていたに等しいということはできない。ましてや、「切欠き部」をそのように改変すると同時に「一端部と一端部に対向した他端部にレール金具を設け」(当初【請求項2】及び段落【0009】)たものでもなくする改変を併せて行い、原査定時の段落【0022】-【0025】及び原査定時の【図13】-【図19】の如く、「くりぬいた中空部」と「板体」の「係着部」のみとの組み合わせ又は「一対」の「溝状」とそれに「嵌合するように形成した摺動部」との組み合わせという、特定の取り付け構造とすることが、示されていたということはできない。
以上のとおりであるから、原査定時の段落【0022】-【0025】及び原査定時の【図13】-【図19】に記載された「実施の形態」及びそこで採用されているこれまでに述べた構造は、当初明細書等の記載の総合からみても、新たな事項を追加したものと言わざるを得ない。この点については、審判補正後においても同様である。
したがって、原査定時および審判補正後の、いずれの本願明細書および図面とも、当初明細書等に記載したものではない事項が追加されているから、原査定の理由のとおり、特許法17条の2第3項に違反している。


第3 むすび

審判補正後の本願明細書および図面に新規事項が追加されており、審判補正前の本願明細書および図面にも同様の新規事項が追加されており、この点について原査定の理由がいずれも妥当する以上は、審判補正を却下するかどうかの判断を要することなく(却下しなければ原査定の理由と同じく特許法17条の2第3項違反で本願は特許をすることができず、却下すれば同様に原査定の理由たる特許法17条の2第3項違反で本願は特許をすることができない。)、本願は拒絶を免れない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2009-01-28 
結審通知日 2009-02-03 
審決日 2009-02-16 
出願番号 特願2003-289389(P2003-289389)
審決分類 P 1 8・ 561- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 赤坂 祐樹  
特許庁審判長 小原 博生
特許庁審判官 川島 陵司
有家 秀郎
発明の名称 遊技機械ユニット設備用補助用具  
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