• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) D06M
管理番号 1196190
審判番号 不服2006-5742  
総通号数 114 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-06-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-03-29 
確定日 2009-04-23 
事件の表示 特願2002-40500「難燃性金属被覆布帛」拒絶査定不服審判事件〔平成15年9月5日出願公開、特開2003-247164〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
この出願(以下、「本願」という。)は、平成14年2月18日の特許出願であって、以降の手続の経緯は以下のとおりのものである。

平成17年10月12日付け 拒絶理由通知
平成18年2月20日付け 拒絶査定
平成18年3月29日 審判請求書
平成18年6月23日 手続補正書(方式)
平成20年10月15日付け 拒絶理由通知
平成20年12月15日 意見書・手続補正書

第2 本願発明について
本願の請求項1に係る発明は、平成20年12月15日付け手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される下記のものである(以下、「本願発明」といい、補正後の明細書を「本願明細書」という。)。

「布帛の少なくとも一方の面に、少なくともポリリン酸アンモニウムと未膨張の熱膨張性黒鉛を有し、ハロゲン系難燃剤やアンチモン化合物を含まない、ポリウレタン樹脂層が設けられて成る金属被覆布帛。」

第3 平成20年10月15日付け拒絶理由通知書における拒絶の理由の概要
平成20年10月15日付け拒絶理由通知書における拒絶の理由の概要は、「この出願の請求項1?3に係る発明は、その出願前日本国内又は外国において頒布された下記刊行物1?2に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

1.特開2001-20178号公報
2.特開平8-12805号公報」
というものである。

第4 各刊行物に記載された事項
1 刊行物1に記載された事項
本願の出願前の平成13年1月23日に頒布された刊行物である特開2001-20178号公報(平成20年10月15日付け拒絶理由通知書における刊行物1。以下、「刊行物1」という。)には、以下の事項が記載されている。

(1a)「合成繊維布帛に金属被膜が形成されて成る金属被覆繊維布帛の一方の面にアクリル樹脂層が付与形成され、更に、同一面のアクリル樹脂層の上に難燃剤を含むウレタン樹脂層が付与形成され、他方の面に、親水性の樹脂層が付与形成されていることを特徴とする難燃性を有する金属被覆布帛」(請求項1)

(1b)「難燃剤が有機ブロム化合物、リン酸エステル化合物、及び、三酸化アンチモンの三種類の難燃剤より構成されている請求項1乃至2記載の金属被覆布帛」(請求項3)

(1c)「金属被覆布帛にあらかじめ形成されたアクリル樹脂層の上に形成される難燃剤を含む樹脂層は、難燃性、量産性の点より熱可塑性樹脂を主体に形成される必要があり、熱可塑性樹脂の中でも特に、ウレタン樹脂は、難燃性が得やすく、摩耗強度、密着性、柔軟性等を総合的に判断するとアクリル樹脂やエステル樹脂に比較して優れている為、ウレタン樹脂を主体に形成されていることが必要である。」(段落【0008】)

(1d)「難燃剤を含む樹脂の付与量は、布帛重量に対して50?200%、好ましくは70?150%である。付与量が少ないと難燃性が得難く、これ以上付与量が多くなるとコスト的に不利である。」(段落【0010】)

(1e)「金属被覆布帛の他方の面に形成される樹脂層は、耐湿熱変色性、粘着テープの接着性を考慮すると、被膜性のある極性の強い親水性の樹脂が好ましく…。」(段落【0011】)

(1f)「金属被覆布帛の両面を粘着テープにより筐体などに接着する場合は、金属被覆布帛の一方の面だけでなく、他方の面のウレタン樹脂層の上に、更に、親水性樹脂層を形成することにより粘着テープ接着性を向上させることが出来る…。」(段落【0012】)

2 刊行物2に記載された事項
本願の出願前である平成8年1月16日に頒布された刊行物である特開平8-12805号公報(平成20年10月15日付け拒絶理由通知書における刊行物2。以下、「刊行物2」という。)には、以下の事項が記載されている。
(2a)「熱可塑性樹脂100重量部に対して、熱膨張性黒鉛とポリリン酸アンモニウム又はメラミン変性ポリリン酸アンモニウム5?200重量部が添加されていることを特徴とする難燃性熱可塑性樹脂組成物」(請求項1)

(2b)「従来、熱可塑性樹脂を難燃化する方法としては、一般的にハロゲン含有化合物を添加する方法が採用されている。この方法は、確かに高度の熱可塑性樹脂に高度の難燃化を付与することができるが、加工時や燃焼時に多量の煙を発生し、機器への腐食性、人体への有毒性が問題となっている。特に、近年、安全性の面でノンハロゲン難燃化が強く要望されている。」(段落【0002】)

(2c)「特開平3─41163号公報や特開平3─41164号公報には、熱膨張性黒鉛を単独で難燃剤として用いることが提案されているが、熱可塑性樹脂に十分な難燃性を付与するためには、やはり多量に添加する必要があり、又、燃焼時に、膨張した多量の黒鉛が飛散するという問題点がある。」(段落【0004】)

(2d)「特開昭62─275138号公報には、熱可塑性樹脂に対して、熱膨張性黒鉛と赤リンを同時に添加することにより難燃化を行うことが提案されているが、赤リンは高価であり、又、熱可塑性樹脂に十分な難燃性を付与するためには、やはり多量に添加する必要があるという問題点がある。」(段落【0005】)

(2e)「特開昭60─152542号公報には、熱可塑性樹脂に対して、ポリリン酸アンモニウムとトリフェニルアンチモンを同時に添加することにより難燃化を行うことが提案されているが、熱可塑性樹脂に十分な難燃性を付与するためには、やはり多量に添加する必要がある上、多量に添加すると、得られる成形品の物性の低下が顕著になるという問題点がある。」(段落【0006】)

(2f)「本発明は上記の如き従来の問題点を解消し、有害ガスを発生させたり作業環境を汚染する物質を飛散させたりすることなく、又、物性低下をきたしたりすることなく、顕著な難燃性を有する成形品を製造することができる熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的としてなされたものである。」(段落【0007】)

(2g) 「熱膨張性黒鉛とポリリン酸アンモニウム又はメラミン変性ポリリン酸アンモニウムの添加量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して、5?200重量部であることを要する。添加量が5重量部未満では、得られる成形品の十分な難燃性が得られず、200重量部を越えると、得られる成形品の機械的物性の低下が大きく使用に耐えない。」(段落【0018】)

(2h)「【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。
実施例1?6,比較例1?6
表1及び表2に示すような各種配合割合、成形温度に従って各構成成分をラボプラストミルを用いて、溶融混練を行い、樹脂組成物を得た。得られた重量部組成物を表1及び表2に示す成形温度にてプレスして試験片を作製した。得られた試験片について難燃性の評価を行った。その結果を表1及び表2に併せて示した。」(段落【0026】)

(2i)「又、表1及び表2中の配合成分としては、下記内容のものを用いた。
PP:密度=0.90g/cm^(3) 、メルトインデックス(以下、MIという)=1.5のポリプロピレン。
LDPE:密度=0.92g/cm^(3) 、MI=3.4の低密度ポリエチレン。
EVA:酢酸ビニル含量=19重量%、密度=0.92g/cm^(3) 、MI=2.5のエチレン─酢酸ビニル共重合体。
ABS:密度=1.20g/cm^(3) 、MI=22のアクリロニトリル─ブタジエン─スチレン共重合体。
PSt:密度=1.06g/cm^(3) 、MI=1.7の高強度ポリスチレン。
熱膨張性黒鉛:日本化成社製、商品名「CA-60S」。
ポリエン酸アンモニウム:住友化学社製、商品名「スミセーフP」。
メラミン変性ポリリン酸アンモニウム:住友化学社製、商品名「スミセーフPM」。
【表1】


」(段落【0028】?【0030】)

(2j)「本発明1の難燃性熱可塑性樹脂組成物は、上記の如き構成とされているので、燃焼時や難燃化加工時に有害なハロゲン系ガスを発生させたり、作業環境を汚染する黒鉛を飛散させることなく、顕著な難燃性を有する成形品を製造する材料として、幅広い用途に供することができる。」(段落【0033】)

第5 当審の判断
1 刊行物1に記載された発明
刊行物1には、上記摘記事項(1a)の「合成繊維布帛に金属被膜が形成されて成る金属被覆繊維布帛の一方の面にアクリル樹脂層が付与形成され、更に、同一面のアクリル樹脂層の上に難燃剤を含むウレタン樹脂層が付与形成され、他方の面に、親水性の樹脂層が付与形成されていることを特徴とする難燃性を有する金属被覆布帛」の発明が記載されているところ、(1a)中の「難燃剤」とは上記摘記事項(1b)の「有機ブロム化合物、リン酸エステル化合物、及び、三酸化アンチモンの三種類の難燃剤」を包含するものであるから、刊行物1には、
「合成繊維布帛に金属被膜が形成されて成る金属被覆繊維布帛の一方の面にアクリル樹脂層が付与形成され、更に、同一面のアクリル樹脂層の上に、有機ブロム化合物、リン酸エステル化合物、及び、三酸化アンチモンの三種類の難燃剤を含むウレタン樹脂層が付与形成され、他方の面に、親水性の樹脂層が付与形成されていることを特徴とする難燃性を有する金属被覆布帛」
の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されているといえる。

2 本願発明と引用発明との対比・判断
(1)対比
本願発明と引用発明1とを対比すると、本願明細書の段落【0012】の「本願発明で用いる難燃剤は、少なくともリン化合物系難燃剤と未膨張の熱膨張性黒鉛が用いられる。リン系化合物難燃剤は、…ポリリン酸アンモニウム系が挙げられ、特にポリリン酸アンモニウム系はリン含有率が高く難燃効果が優れているので好ましく用いられる」の記載からみて、本願発明における「未膨張の熱膨張性黒鉛」及び「ポリリン酸アンモニウム」は「難燃剤」であることから、両者は、
「布帛の少なくとも一方の面に、難燃剤を有するポリウレタン樹脂層が設けられて成る金属被覆布帛」
という点で一致するが、以下の点で相違する。

相違点1:「金属被覆布帛」と「難燃剤を有する樹脂層」との間に、本願発明では「アクリル樹脂層」が付与形成されることを構成としていないのに対し、引用発明1では「アクリル樹脂層」が付与形成されることを構成としている点

相違点2:「金属被覆布帛」の「難燃剤を有するポリウレタン樹脂層」が形成された面と反対の面について、本願発明では特に特定がなされていないのに対し、引用発明1では「親水性の樹脂層」が付与形成される点

相違点3:難燃剤として、本願発明では「ポリリン酸アンモニウムと未膨張の熱膨張性黒鉛を有し、ハロゲン系難燃剤やアンチモン化合物を含まない」ものを用いるのに対し、引用発明1では「有機ブロム化合物、リン酸エステル化合物、及び、三酸化アンチモンの三種類の難燃剤」を用いる点

(2)判断
(ア)相違点1について
本願明細書の段落【0011】には、「布帛の反対の面へ樹脂が裏漏れすることを防ぐために、難燃剤を含む樹脂を付与する前に、同一面に、予め樹脂層を形成しても良い。樹脂は、加工性、柔軟性、経済性からアクリル樹脂が好まし」いことが、そして、本願明細書の実施例1には、「金属被覆織物」の一方の面に「処方1」の「アクリル樹脂」を塗工した後に「処方2」の難燃剤を含む「ウレタン樹脂」を塗工する例が記載されているから、本願発明は「金属被覆布帛」と「難燃剤を有する樹脂層」との間に「アクリル樹脂層」が付与形成される態様も含むものと認められる。
したがって、相違点1について、本願発明と引用発明1との間に実質的な相違があるとは認められない。

(イ)相違点2について
上記刊行物1の上記摘記事項(1e)、(1f)の記載からみて、引用発明1において「親水性の樹脂層」を付与形成することは、「粘着テープの接着性」の向上を目的として行われるものと認められる。
したがって、引用発明1において、特に粘着テープの接着を要しない場合に「親水性の樹脂層」を形成しないこととすることは、「金属被覆布帛」の使用形態等に応じて当業者が適宜なし得たことである。

(ウ)相違点3について
刊行物2には上記刊行物1と同様に難燃剤を含む熱可塑性樹脂について記載されているところ、刊行物2の上記摘記事項(2a)?(2f)、(2j)には、有害なハロゲン化ガスを発生させたり作業環境を汚染する物質を飛散させたりすることなく、又、熱膨張性黒鉛と赤リンを同時に添加した場合やポリリン酸アンモニウムとトリフェニルアンチモンを同時に添加した場合のように物性低下をきたしたりすることがないようにするために、 熱可塑性樹脂に対して、「熱膨張性黒鉛とポリリン酸アンモニウム又はメラミン変性ポリリン酸アンモニウム」を添加することが開示されていると認められ、さらに、上記摘記事項(2h)?(2i)には、実施例1、3?5として、「ポリリン酸アンモニウムと未膨張の熱膨張性黒鉛を有し、ハロゲン系難燃剤やアンチモン化合物を含まない」ものが記載されている。
さらに、難燃性樹脂組成物として、熱膨張性黒鉛とポリリン酸アンモニウムを含み、ハロゲン系難燃剤やアンチモン化合物を含まないものは周知の樹脂組成物であると認められる(例えば、特開平06-25476号公報の請求項2、段落【0014】及び段落【0034】の表2、特開平08-113671号公報の請求項1、段落【0025】、段落【0027】及び段落【0030】の表1、特開平9-227716号公報の請求項1、3、段落【0031】、段落【0035】及び段落【0037】の表1等を参照)。
したがって、引用発明1において、有害ガスを発生させたり作業環境を汚染する物質を飛散させたりすることなく、又、物性低下をきたしたりすることなく、顕著な難燃性を付与するために、難燃剤として「有機ブロム化合物、リン酸エステル化合物、及び、三酸化アンチモンの三種類の難燃剤」に代えて、「熱膨張性黒鉛とポリリン酸アンモニウム」を含み、「ハロゲン系難燃剤やアンチモン化合物」を含まないものを用いることは当業者が容易に行うことができたものといえる。

(エ)本願発明の効果について
本願発明の効果は、「優れた難燃性を有し、更に、人体に影響するアンチモンを含まず、燃焼時に有毒なハロゲン系ガスなどが発生しない」こと(本願明細書の段落【0021】を参照)であると認められる。
難燃性について、本願明細書の実施例1?3・比較例1?2では、FMVSS302法とUL94のVTM-1に準じた評価を行っているが、本願明細書の比較例2は、難燃剤として「ヘキサブロモシクロドデカン」、「ポリリン酸アンモニウム」、「PATOX-M」すなわち「三酸化アンチモン」を用いるものであり、引用発明1の難燃剤に相当するものである。本願明細書の実施例1?3と比較例2の、FMVSS302法とUL94のVTM-1に準じた難燃性の評価の結果をみると、実施例1?3と比較例2とも合格しており、同程度のものであると認められる。したがって、本願発明は、引用発明1と比べて難燃性について格別顕著な効果が奏せられるとは認められない。
また、本願発明の「人体に影響なアンチモンを含まず、燃焼時に有毒なハロゲン系ガスなどが発生しない」という効果についても、アンチモンやハロゲン系の難燃剤を使用しなければ当然に奏せられる効果であると認められる。

(3)請求人の主張
請求人は、平成20年12月15日付け意見書において、「本願[0002]にも記載の通り、繊維布帛に金属被膜を形成したものは、「被覆された金属が酸化触媒になり可燃性を増す」ことが知られております。非常に燃焼しやすい金属被覆された繊維布帛に、難燃剤を含む樹脂を薄い層として付与し、均一ではない構造物全体として高度の難燃性を達成し、しかも布帛としての柔軟性を保つという本願の発明は、熱膨張性黒鉛とポリリン酸アンモニウム又はメラミン変性ポリリン酸アンモニウムを含む難燃性樹脂組成物が周知のものであったとしても、容易になし得るものではございません。」、「従来技術では、アンチモンやハロゲン系の難燃剤を使用せずには、UL94のVTM-1規格においてすら、合格することは不可能でありました。それを可能とした本願請求項1に記載の発明は、引用発明1の難燃剤を、刊行物2などに記載された「熱膨張性黒鉛とポリリン酸アンモニウム又はメラミン変性ポリリン酸アンモニウム」で置き換えたというだけではなく、このような難燃剤を含む樹脂層を金属被覆布帛の少なくとも一方の面に形成するという手段と、柔軟性を満足するためにウレタン樹脂を用いるということと、更に言えば請求項2に係る発明のごとく難燃剤の含有量を設定するという、複数の技術的アプローチを総合してなされた発明であります。」と主張している。
しかしながら、引用発明1も難燃剤を含む樹脂層の樹脂成分として、ポリウレタン樹脂を用いるものであり、上記刊行物1の摘記事項(1c)の「ウレタン樹脂は、難燃性が得やすく、…柔軟性等を総合的に判断するとアクリル樹脂やエステル樹脂に比較して優れている」との記載からみて、ポリウレタン樹脂を用いることにより柔軟性が向上するものと認められる。また、本願発明も引用発明1もポリウレタン樹脂中に難燃剤を含める樹脂組成物を構成の1つとするものであり、引用発明1においても、難燃剤を含む樹脂層を金属被覆布帛の一方の面に形成するものである。
そして、熱膨張性黒鉛とポリリン酸アンモニウムからなる樹脂組成物の適用対象を「非常に燃焼しやすい金属被覆された繊維布帛」としたときに格別な阻害要因があるとも認められないから、引用発明1において、「有機ブロム化合物、リン酸エステル化合物、及び、三酸化アンチモンの三種類の難燃剤」に代えて、周知の「熱膨張性黒鉛とポリリン酸アンモニウム」を含み「ハロゲン系難燃剤やアンチモン化合物」を含まないものを用いることが容易であることは上記「(2)判断」の「(ウ)相違点3について」で検討したとおりである。
したがって、上記主張を採用することはできない。

3 まとめ
したがって、本願発明は、本願出願前に頒布された刊行物1?2に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。


第6 むすび
以上のとおり、本願発明は特許を受けることができないものであるから、その余の請求項に係る発明については検討するまでもなく、本願は、拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2009-02-12 
結審通知日 2009-02-23 
審決日 2009-03-09 
出願番号 特願2002-40500(P2002-40500)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (D06M)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 平井 裕彰  
特許庁審判長 西川 和子
特許庁審判官 杉江 渉
鈴木 紀子
発明の名称 難燃性金属被覆布帛  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ