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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1197740
審判番号 不服2006-20621  
総通号数 115 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-07-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-09-15 
確定日 2009-05-22 
事件の表示 特願2002-102888「遊技機の制御装置、遊技機、制御プログラム及び情報記憶媒体」拒絶査定不服審判事件〔平成15年10月14日出願公開、特開2003-290514〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は平成14年4月4日を出願日とする特許出願であって、平成18年4月10日付けで拒絶理由が通知され、その指定期間内である同年6月19日に意見書及び手続補正書が提出され、同年8月11日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年9月15日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに、同年10月11日付けで手続補正がなされたものである。
また、当審において、平成20年6月19日付けで審査官による前置報告書の内容を添付して審尋を行い、請求人から同年8月20日に回答書が提出されている。

2.平成18年10月11日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成18年10月11日付けの手続補正を却下する。

[理由]
(1)平成18年10月11日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)における特許請求の範囲の記載
【請求項1】 遊技演出画像を画像表示手段に表示するとともに、第1の始動ゲートに入賞することで第2の始動ゲートの入賞確率を所与のルールに従い所定の短時間高めるための第1の抽選処理を行い、前記第2の始動ゲートに入賞することで特別遊技状態を発生させるための第2の抽選処理を行う遊技機の制御装置において、
前記遊技演出画像として、前記第1の抽選の抽選演出を遊技機の遊技演出の一部として表示する画像を生成する画像生成手段を含み、
前記画像生成手段が、
複数の組合せ図柄の画像を所与のルールに基づき変動させた後に確定停止させて表示することで前記第2の抽選の抽選演出を行う画像であって、ゲーム成績として得点が表示されるゲームに関連づけた画像を前記遊技演出画像として生成するとともに、前記遊技演出画像においてゲームの得点表示の形態を借りて前記第1の抽選の抽選演出を行う画像を生成し、
前記遊技演出画像における前記ゲームの得点表示に関して、上位桁の数字を表示する領域と、下位桁の数字を表示する領域とが設定されており、
前記第1の抽選の結果を前記ゲームの得点の下位桁の数字として表示するとともに、当該下位桁の数字の変化に連動させて前記ゲームの得点の上位桁として表示される数字を変化させ、前記ゲームの得点表示を変動させている際には、上位桁の数字および下位桁の数字を同じ色で表示するとともに、前記ゲームの得点表示の変動を停止させる際には、下位桁の数字を上位桁の数字とは異なる所定の識別色で表示させる前記遊技演出画像を生成することを特徴とする遊技機の制御装置。
【請求項2】 請求項1の制御装置を備え、遊技球を前記第1及び第2の始動ゲートに入賞するように形成されたパチンコ遊技機。
【請求項3】 遊技演出画像を画像表示手段に表示するとともに、第1の始動ゲートに入賞することで第2の始動ゲートの入賞確率を所与のルールに従い所定の短時間高めるための第1の抽選処理を行い、前記第2の始動ゲートに入賞することで特別遊技状態を発生させるための第2の抽選処理を行う遊技機を制御するプログラムにおいて、
前記遊技演出画像として、前記第1の抽選の抽選演出を遊技機の遊技演出の一部として表示する画像を生成する画像生成手段としてコンピュータを機能させ、
前記画像生成手段が、
複数の組合せ図柄の画像を所与のルールに基づき変動させた後に確定停止させて表示することで前記第2の抽選の抽選演出を行う画像であって、ゲーム成績として得点が表示されるゲームに関連づけた画像を前記遊技演出画像として生成するとともに、前記遊技演出画像においてゲームの得点表示の形態を借りて前記第1の抽選の抽選演出を行う画像を生成し、
前記遊技演出画像における前記ゲームの得点表示に関して、上位桁の数字を表示する領域と、下位桁の数字を表示する領域とが設定されており、
前記第1の抽選の結果を前記ゲームの得点の下位桁の数字として表示するとともに、当該下位桁の数字の変化に連動させて前記ゲームの得点の上位桁として表示される数字を変化させ、前記ゲームの得点表示を変動させている際には、上位桁の数字および下位桁の数字を同じ色で表示するとともに、前記ゲームの得点表示の変動を停止させる際には、下位桁の数字を上位桁の数字とは異なる所定の識別色で表示させる前記遊技演出画像を生成することを特徴とするプログラム。
【請求項4】 請求項3のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体。
(下線部は補正によって追加された箇所)

(2)補正の内容
本件補正は、本件補正前の請求項1及び3に記載した発明を特定するために必要な事項である「ゲームの得点表示」について、
「ゲームの得点表示を変動させている際には、上位桁の数字および下位桁の数字を同じ色で表示するとともに、前記ゲームの得点表示の変動を停止させる際には、下位桁の数字を上位桁の数字とは異なる所定の識別色で表示させる」ものであることを限定したものであって、
平成18年法律第55号による改正前の特許法(以下「改正前特許法」という。)第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。

(3)引用文献
原査定の拒絶の理由に引用された特開2001-327691号公報(以下「引用文献」という。)には、図面とともに、
【請求項2】 普通図柄表示部と特別図柄表示部は、同じ表示器に表示することを特徴とする請求項1の遊技機。
【0006】・・・遊技領域19のほぼ中央に設置の図柄表示器(液晶画面)Lの左右側部には、普通図柄始動ゲート23a、23bが備えてある。そして、遊技球が普通図柄始動ゲート23a、23bを通過すると、第1の図柄始動信号が発生し、図7(後記で詳述)に示すように、前記液晶画面Lの一部を使用して普通図柄表示部Hが表示され、抽選手段によって選定された結果を所定時間経過後に表示し、当たりのときには普通電動役物57を所定時間、所定回数、開成する。尚、前記普通図柄表示部Hには、普通図柄として、2桁の数字0?9(他にキャラクター等であってもよい)が表示され、当たり図柄として、「11、33、55、77、99」である。
【0007】そして、遊技球が普通電動役物(図柄始動口)57に入賞すると、第2の図柄始動信号が発生し、図7に示すように、前記液晶画面Lに、普通図柄表示部Hの下において区分表示される特別図柄表示部L1?L3を介して、可変表示ゲームが開始される。具体的には、後記で詳述するが、各特別図柄表示部L1、L2、L3の特別図柄が変動を開始し、所定時間後に、順次図柄が停止し、特別図柄表示部L1、L2に同じ図柄(リーチ図柄)が表示されるとリーチ状態になり、その後、特別図柄表示部L3が表示されて、全て同じ図柄(大当たり図柄)であるとき、遊技者にとって有利な大当たりが生起する。・・・
【0012】図3は、遊技球が普通図柄始動ゲート23a、23bを通過したときの概念を示す制御フローである。・・・
【0014】次に、当たりであるか否かの判定を行うが、当たり変数iが0?a(=2)であるか否かで判定する(S44)。そして、当たりであるときには、パターン変数j(0?9)に基づいて、後記で詳述する、普通図柄表示部Hに表示する「期待度報知手段」として、当たりに関連する演出図柄(パターンA?C)の何れかを選定する。・・・
【0016】次に、普通図柄表示部Hには、前記第2の図柄始動信号によって、前記選定された演出図柄パターンA?Cの何れかと共に、普通図柄の変動表示を開始する(S50)。そして、普通図柄の変動表示は、b秒間(19秒間)表示するが、前記演出図柄は、僅かな時間で、遊技者に判るので、例えば、5秒間表示した後に消滅する。・・・
【0017】そして、普通図柄表示部Hに「11、33、55、77、99」の当たり図柄の何れかを表示して(S53)、当たりとして、遊技者にとって有利な、普通電動役物をc(=0.5)秒、d(=1)回、開成して終了する(S54)。・・・
【0019】そして、普通図柄表示部Hには、前記第2の図柄始動信号によって、前記選定されたパターンA?Bの何れかと共に、普通図柄の変動表示を開始する(S63)。尚、普通図柄の変動表示は、b秒間(19秒間)表示するが、前記演出図柄は、僅かな時間で、遊技者に判るので、例えば、5秒間表示した後に消滅する。・・・そして、普通図柄表示部Hに「00、22、44、66、88」の何れかの外れ図柄を表示して終了する(S66)。・・・
【0026】次に、図6は、普通電動役物57に入賞した入賞球に対する可変表示ゲームの処理を行う概念を示す制御フローであり、・・・
【0027】(大当たり処理)次に、記憶変数QQが「1」であるか否か、即ち、大当たりであるか否かを判断し(S103)、大当たりのときには、特別図柄表示部L1、L2、L3の図柄を循環カウンタM1で選定し(S105)、前記第2の図柄始動信号によって、全図柄の変動表示を開始する(S106)。・・・そして、特別図柄表示部L3の図柄を停止表示し、全て同じ図柄(大当たり図柄)を表示した後に、大当たり処理を行う(S109、S110)。・・・
【0028】(大当たりにならないリーチ)前記ステップ103で大当たりでない時には、記憶変数QQが「2」であるか否か、即ち、大当たりにならないリーチであるか否かを判断し(S115)、該当するときには、特別図柄表示部L1、L2の図柄を循環カウンタM1、特別図柄表示部L3の図柄を循環カウンタM3で選定し(S116)、前記第2の図柄始動信号によって、全図柄の変動表示を開始する(S117)。・・・
【0029】(外れ処理)前記ステップ115で記憶変数QQが「2」でないときには外れであり、特別図柄表示部L1、L2、L3の図柄を循環カウンタM1、M2、M3で選定し(S122)、前記第2の図柄始動信号によって、全図柄の変動表示を開始する(S123)。・・・
【0030】次に、「当たり」になる可能性の推測を可能にする他の期待度報知手段について説明する。・・・
【0031】(4)或いは、前記普通図柄表示部Hの枠や、表示する図柄の色を変更する期待度報知手段によって、遊技者に推測可能にする。・・・
【0032】(6)普通図柄表示部Hの表示は、図7に示すように前記特別図柄表示部L1、L2、L3と異なる領域に表示の他に、図柄表示器(液晶画面)Lに種々の背景やキャラクタを表示するのに伴って、当たりが生起する可能性があるときには、その背景等を異なる表示姿態による期待度報知手段で構成する等であってもよい。・・・尚、前記普通図柄表示部の表示態様は、前記当たりに限定されず機種によって大当たりに適用してもよいし、他の形式のパチンコ機やスロットマシン等の遊技機に対しても適用できることはいうまでもない。
と記載されているが、このうち、段落【0016】及び【0019】に記載されている「前記第2の図柄始動信号によって」は、明細書全体の記載から見て、「前記第1の図柄始動信号によって」の誤記と認められる。
摘記した上記の記載や図面及び上記認定等によれば、引用文献には、
「 普通図柄表示部Hと特別図柄表示部L1、L2、L3を図柄表示器Lに表示するとともに、遊技球が普通図柄始動ゲート23a、23bを通過すると、抽選手段によって選定された結果を所定時間経過後に表示し、当たりのときには普通電動役物57を所定時間、所定回数、開成し、遊技球が前記普通電動役物57に入賞すると、記憶変数QQが「1」であるか、「2」であるか、「1」でも「2」でもないかを判断し、「1」であるときには大当たり処理を行う制御フローが実行され、
前記普通図柄表示部Hには、普通図柄と当たりに関連する演出図柄が表示され、
遊技球が前記普通電動役物57に入賞すると、特別図柄表示部L1、L2、L3の特別図柄が変動を開始し、所定時間後に、順次図柄が停止し、全て同じ図柄であるとき、遊技者にとって有利な大当たりが生起し、前記普通図柄表示部Hには、前記当たりに関連する演出図柄が表示され、かつ前記普通図柄として2桁の数字0?9が表示され、前記普通図柄表示部Hの表示は、前記特別図柄表示部L1、L2、L3と異なる領域に表示の他に、前記図柄表示器Lに種々の背景やキャラクタを表示するのに伴って、その背景等を用いるものとしてもよい遊技機。」
の発明(以下「引用発明」という。)が開示されていると認められる。

(4)対比
そこで、本願補正発明と引用発明とを比較すると、
引用発明の「図柄表示器L」は、本願補正発明の「画像表示手段」に相当し、以下同様に、
「遊技球が普通図柄始動ゲート23a、23bを通過すると」は「第1の始動ゲートに入賞することで」に、
「普通電動役物57」は「第2の始動ゲート」に、
「遊技球が前記普通電動役物57に入賞すると」は「前記第2の始動ゲートに入賞することで」に、
「特別図柄表示部L1、L2、L3の特別図柄」は「複数の組合せ図柄の画像」に相当する。
さらに、引用文献の記載等からみて、以下のことが言える。

a.引用発明において「抽選手段によって選定された結果を所定時間経過後に表示」すること、及び「当たりのときには普通電動役物57を所定時間、所定回数、開成」することは、それぞれ本願補正発明において「第1の抽選処理を行」うこと、及び「第2の始動ゲートの入賞確率を所与のルールに従い所定の短時間高める」ことに相当するから、引用発明の「遊技球が普通図柄始動ゲート23a、23bを通過すると、抽選手段によって選定された結果を所定時間経過後に表示し、当たりのときには普通電動役物57を所定時間、所定回数、開成し」は本願補正発明の「第1の始動ゲートに入賞することで第2の始動ゲートの入賞確率を所与のルールに従い所定の短時間高めるための第1の抽選処理を行い」に相当するものということができる。

b.引用発明において「記憶変数QQが「1」であるか、「2」であるか、「1」でも「2」でもないかを判断し、「1」であるときには大当たり処理を行う」ことは、本願補正発明において「特別遊技状態を発生させるための第2の抽選処理を行う」ことに相当し、引用発明の遊技機が「普通図柄表示部Hと特別図柄表示部L1、L2、L3」を表示し、「当たりのときには普通電動役物57を所定時間、所定回数、開成」し、及び「大当たり処理を行う制御フロー」を実行するための制御装置を備えていることは明らかであるから、引用発明は本願補正発明の「遊技演出画像を画像表示手段に表示」し、「第1の抽選処理を行い」、「第2の抽選処理を行う」「遊技機の制御装置」に相当する構成を有しているものということができる。

c.引用発明において、図柄表示器Lに表示される画像は、本願補正発明の「遊技演出画像」に相当し、普通図柄の演出画像は、図柄表示器Lの一部に表示されているといえるとともに、引用発明が図柄表示器Lに表示される画像を生成する手段を有していることは自明であるから、引用発明は本願補正発明の「前記遊技演出画像として、前記第1の抽選の抽選演出を遊技機の遊技演出の一部として表示する画像を生成する画像生成手段」に相当する構成を含むものであるということができる。

d.引用発明の「特別図柄」は大当たりが生起するか否かの表示を行うものであり、引用発明において「特別図柄が変動を開始し、所定時間後に、順次図柄が停止」することは、本願補正発明における「複数の組合せ図柄の画像を所与のルールに基づき変動させた後に確定停止させて表示すること」に相当するから、上記bの点を合わせて考えると、引用発明の「遊技球が前記普通電動役物57に入賞すると、特別図柄表示部L1、L2、L3の特別図柄が変動を開始し、所定時間後に、順次図柄が停止し、全て同じ図柄であるとき、遊技者にとって有利な大当たりが生起」することは本願補正発明の「複数の組合せ図柄の画像を所与のルールに基づき変動させた後に確定停止させて表示することで前記第2の抽選の抽選演出を行う」ことに相当し、引用発明はそのようなことを行う画像を画像生成手段が生成するものであるということができる。

e.引用発明において、特別図柄の演出画像と普通図柄の演出画像は、本願補正発明の「第2の抽選の抽選演出を行う画像」及び「第1の抽選の抽選演出を行う画像」に相当しており、引用発明が図柄表示器Lに表示される画像を生成していることは自明である。
さらに、引用発明において、「普通図柄表示部Hの表示」は「特別図柄表示部L1、L2、L3と異なる領域に表示の他に、前記図柄表示器Lに種々の背景やキャラクタを表示するのに伴って、その背景等を用いるものとしてもよい」ことから、そうした場合には、図柄表示器Lにおける演出画像中の画像素材の少なくとも一部を借りて、普通図柄に関連する演出が行われている。これを本願補正発明の「前記遊技演出画像においてゲームの得点表示の形態を借りて前記第1の抽選の抽選演出を行う画像を生成」と比較すると、引用発明と本願補正発明とは、“前記遊技演出画像中の画像素材を借りて前記第1の抽選の抽選演出を行う画像を生成”する点では共通しているということができる。

f.引用発明においては「図柄表示器L」に「抽選手段によって選定された結果」(本願補正発明の「第1の抽選の結果」に相当)を「2桁の数字0?9」の表示によって遊技者に示すとともに、「当たりに関連する演出図柄」が表示されているから、引用発明は本願補正発明と“前記第1の抽選の結果を数字として表示するとともに、前記第1の抽選と関連する付随表示を表示させる”点では共通しているということができる。

g.引用発明の「遊技機」が制御装置を含んでいることは当然のことであるから、引用発明の「遊技機」は“遊技機の制御装置”と言い換えることができるものである。

以上を総合すると、両者は、
「 遊技演出画像を画像表示手段に表示するとともに、第1の始動ゲートに入賞することで第2の始動ゲートの入賞確率を所与のルールに従い所定の短時間高めるための第1の抽選処理を行い、前記第2の始動ゲートに入賞することで特別遊技状態を発生させるための第2の抽選処理を行う遊技機の制御装置において、
前記遊技演出画像として、前記第1の抽選の抽選演出を遊技機の遊技演出の一部として表示する画像を生成する画像生成手段を含み、
前記画像生成手段が、
複数の組合せ図柄の画像を所与のルールに基づき変動させた後に確定停止させて表示することで前記第2の抽選の抽選演出を行う画像を前記遊技演出画像として生成するとともに、前記遊技演出画像中の画像素材を借りて前記第1の抽選の抽選演出を行う画像を生成し、
前記第1の抽選の結果を数字として表示するとともに、前記第1の抽選と関連する付随表示を表示させる遊技機の制御装置。」
の点で一致し、以下の点で相違している。

[相違点1]
本願補正発明は「第2の抽選の抽選演出を行う画像」が「ゲーム成績として得点が表示されるゲームに関連づけた画像」であり、その「得点表示」に関して「上位桁の数字を表示する領域と、下位桁の数字を表示する領域とが設定」されているのに対し、引用発明は「特別図柄」の変動表示演出を行う際の画像全体がどのようなものであるか明らかでない点。

[相違点2]
本願補正発明は「ゲーム成績として得点が表示されるゲームに関連づけた画像」において「得点表示の形態を借りて前記第1の抽選の抽選演出を行う」のに対し、引用発明は「図柄表示器L」に表示される「種々の背景やキャラクタ」がどのようなものであるか明らかでなく、「普通図柄」等と「種々の背景やキャラクタ」との関係も不明である点。

[相違点3]
本願補正発明は「前記第1の抽選の結果を前記ゲームの得点の下位桁の数字として表示するとともに、当該下位桁の数字の変化に連動させて前記ゲームの得点の上位桁として表示される数字を変化」させるのに対し、引用発明は、そのような表示のさせ方になっていない点。

[相違点4]
本願補正発明は「前記ゲームの得点表示を変動させている際には、上位桁の数字および下位桁の数字を同じ色で表示するとともに、前記ゲームの得点表示の変動を停止させる際には、下位桁の数字を上位桁の数字とは異なる所定の識別色で表示」させるのに対し、引用発明は、そのような表示を行っていない点。

(5)判断
[相違点1について]
遊技機において、大当りが発生するか否かを演出する画像(本願補正発明の「第2の抽選の抽選演出を行う画像」に相当)として「ゲーム成績として得点が表示されるゲームに関連づけた画像」を用いることは、例えば、特開平6-218108号公報(特に、図2及び段落【0013】)及び特開平10-286352号公報(特に、図4及び段落【0039】?【0041】)に記載されるように、従来周知の技術(以下「周知技術1」という。)である。
また、そのようなゲームに関連づけた画像における得点の表示を複数桁の数字を用いて行うことはありふれた手法であって、複数桁の数字を用いた際に、上位桁と下位桁の数字を表示する領域を設定することは、遊技機の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)にとって、何ら困難なことではない。
よって、引用発明に周知技術1を適用し、「特別図柄」の表示を行う際の画像として「ゲーム成績として得点が表示されるゲームに関連づけた画像」を用いるとともに、得点を表示するために上位桁と下位桁の数字を表示する領域を設定し、相違点1に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得る事項である。

[相違点2、3について]
相違点2及び3は、いずれも演出画像表示の配置及び形態に関するものであり、密接に関連しているので、これらの相違点を一括して検討する。
フリッパーゲーム機において得点表示の下2桁を抽選結果に関係する領域として利用することは、例えば、特開昭55-120885号公報(特に、第5図及び第3頁右上欄下から2行目?同頁左下欄第5行)に記載されるように、従来周知の技術(以下「周知技術2」という。)であり、数字表示器の一部を利用して乱数表示機能を付加することも、例えば、特開平6-285253号公報(特に、段落【0002】)、特開昭56-168186号公報(特に、第1図及び第2頁左上欄下から3行目?同頁右上欄第1行)、特開昭50-120664号公報(特に、特許請求の範囲及び第1頁左下欄第8?15行)に記載されるように、一般に広く知られ慣用されている技術(以下「慣用技術」という。)である。
そして、a.フリッパーゲーム機と引用発明の遊技機としてのパチンコ機は、いずれも球を弾いて遊ぶゲーム機である点で共通している点、b.引用発明においても、図柄表示器Lに表示される画像(本願補正発明の「遊技演出画像」に相当)には演出図柄が表示され、かつ普通図柄として2桁の数字が表示されるようになっている点、c.得点表示の一部だけが変動しているのに他の表示部が変動しないと極めて不自然な表示になる点を考慮すると、引用発明において「特別図柄」の変動表示演出を行う際の画像として「ゲーム成績として得点が表示されるゲームに関連づけた画像」を用いるに際して、当該「ゲームに関連づけた画像」を特別図柄の非変動時も含めた「図柄表示器L」の演出表示形態とするとともに、周知技術2及び慣用技術を適用して得点表示の下2桁を普通図柄の表示領域として利用し該下2桁に抽選手段によって選定された結果を数字で表示し、上位桁部は下2桁の数字の変化に連動させて変化させて、相違点2、3に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得る事項である。

[相違点4について]
遊技機の分野において、停止したことを知らせるために図柄の色を変更することは、例えば、特開2000-70462号公報(特に、段落【0088】、【0089】)、特開2001-113024号公報(特に、段落【0071】)及び特開2002-58819号公報(特に、段落【0017】?【0020】)に記載されるように、従来周知の技術(以下「周知技術3」という。)であり、複数の図柄表示の内の一部のみを他の図柄とは異なる色で表示して遊技者がその図柄を認識し易くすることも、例えば、特開2000-70486号公報(特に、図21及び段落【0089】?【0092】)及び特開2001-670号公報(特に、図9及び段落【0040】)に記載されるように、従来周知の技術(以下「周知技術4」という。)である。
さらに、摘記した引用文献の段落【0031】には、表示する図柄の色を変更することも記載されているので、引用発明において「特別図柄」の表示を行う際の画像として「ゲーム成績として得点が表示されるゲームに関連づけた画像」を用い、得点表示の下2桁を普通図柄の表示領域として利用する際に、周知技術3及び4を適用し、普通図柄の停止及び普通図柄表示領域を遊技者が認識し易くするために、普通図柄を停止させる際に該普通図柄を他の図柄と異なる色で表示して、相違点4に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得る事項である。

そして、本願補正発明の作用効果も、引用発明、周知技術1?4及び慣用技術から当業者が予測できる範囲のものである。
よって、本願補正発明は、引用発明、周知技術1?4及び慣用技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(6)むすび
以上のとおり、本件補正は、改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

3.本願発明について
(1)平成18年6月19日付けの手続補正における特許請求の範囲の記載
平成18年10月11日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成18年6月19日付けの手続補正書によって補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
「 遊技演出画像を画像表示手段に表示するとともに、第1の始動ゲートに入賞することで第2の始動ゲートの入賞確率を所与のルールに従い所定の短時間高めるための第1の抽選処理を行い、前記第2の始動ゲートに入賞することで特別遊技状態を発生させるための第2の抽選処理を行う遊技機の制御装置において、
前記遊技演出画像として、前記第1の抽選の抽選演出を遊技機の遊技演出の一部として表示する画像を生成する画像生成手段を含み、
前記画像生成手段が、
複数の組合せ図柄の画像を所与のルールに基づき変動させた後に確定停止させて表示することで前記第2の抽選の抽選演出を行う画像であって、ゲーム成績として得点が表示されるゲームに関連づけた画像を前記遊技演出画像として生成するとともに、前記遊技演出画像においてゲームの得点表示の形態を借りて前記第1の抽選の抽選演出を行う画像を生成し、
前記遊技演出画像における前記ゲームの得点表示に関して、上位桁の数字を表示する領域と、下位桁の数字を表示する領域とが設定されており、
前記第1の抽選の結果を前記ゲームの得点の下位桁の数字として表示するとともに、当該下位桁の数字の変化に連動させて前記ゲームの得点の上位桁として表示される数字を変化させた前記遊技演出画像を生成することを特徴とする遊技機の制御装置。」

(2)引用文献
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献及びその記載事項は、上記「2.(3)」に記載したとおりである。

(3)対比・判断
本願発明は、上記「2.(1)」及び「2.(2)」で検討した本願補正発明から、「ゲームの得点表示」についての限定事項である「ゲームの得点表示を変動させている際には、上位桁の数字および下位桁の数字を同じ色で表示するとともに、前記ゲームの得点表示の変動を停止させる際には、下位桁の数字を上位桁の数字とは異なる所定の識別色で表示させる」という限定を省いたものである。
そして、本願発明の構成要件を全て含み、「ゲームの得点表示」の構成を限定したものに相当する本願補正発明が、上記「2.(5)」に記載したとおり、引用発明、周知技術1?4及び慣用技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明は、同様の理由により、引用発明、周知技術1?4及び慣用技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明、周知技術1?4及び慣用技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
そして、請求項2?4に係る発明については検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2009-03-16 
結審通知日 2009-03-18 
審決日 2009-04-06 
出願番号 特願2002-102888(P2002-102888)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (A63F)
P 1 8・ 121- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 納口 慶太  
特許庁審判長 小原 博生
特許庁審判官 有家 秀郎
川島 陵司
発明の名称 遊技機の制御装置、遊技機、制御プログラム及び情報記憶媒体  
代理人 大渕 美千栄  
代理人 布施 行夫  
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