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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G11B
管理番号 1197994
審判番号 不服2006-6000  
総通号数 115 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-07-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-03-30 
確定日 2009-05-28 
事件の表示 平成9年特許願第154112号「光ディスク及びその製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成11年1月6日出願公開、特開平11-3541〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯、本願発明
(1)本願は、平成9年6月11日の出願であって、拒絶理由通知に対し平成16年8月2日付けで手続補正がされたが、平成18年3月1日付けで拒絶査定がされ、これに対し、同年3月30日に拒絶査定不服の審判が請求されるとともに、同年4月14日付けで手続補正がされたものである。
そして、当審において、平成18年4月14日付けの手続補正を却下する決定がされるとともに拒絶理由が通知され、これに対して平成21年1月28日付けで手続補正がされたものである。

(2)本願請求項1乃至4に係る発明は平成21年1月28日付け手続補正により補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1乃至4に記載された事項により特定されるものであるところ、請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりである。

「【請求項1】
第1の基板の一方の面に第1の情報記録部が設けられた第1のディスクと、
第2の基板の一方の面に第2の情報記録部が設けられた第2のディスクとからなり、
上記第1のディスクと上記第2のディスクとは、上記第1のディスクに設けた上記第1の情報記録部側に上記第2のディスクの上記第2の情報記録部が形成されていない面とを対向させて貼り合わせられて一体化され、上記第1のディスクの他方の面側からレーザ光を入射して上記第1及び第2の情報記録部に記録された情報の再生が行われる光ディスクにおいて、
上記第1のディスクと上記第2のディスクとは、射出成形される際、それぞれ上記情報記録部が設けられる一方の面側を成形する金型と上記情報記録部が設けられない他方の面側を成形する金型の温度差が制御されて成形されることによって、上記第1及び第2のディスクを構成して貼り合わせられて一体化されたとき、上記貼り合わせ面側が互いに反対方向に反るように変形されていることを特徴とする光ディスク。」

2.引用例
(1) 当審で通知した拒絶理由に引用された、本願出願前に頒布された刊行物である特開平8-315423号公報(以下、「引用例1」という。)には、「光情報記録媒体」に関して図面とともに、以下の事項が記載されている。(以下、下線は当審で付加した。)

ア.「【請求項1】平滑な面と第1の記録情報に対応したピットを有する第1の情報面を具備し前記第1の情報面は再生ビームの一部を透過し一部を反射する半透明膜で覆われている第1の透明基板と、平滑な面と第2の記録情報に対応したピットを有する第2の情報面を具備し前記第2の情報面は再生ビームの大半を反射する反射膜で覆われている第2の透明基板とを有し、前記第1の透明基板の前記第1の情報面上に前記第2の透明基板の前記平滑な面を貼合または積重させたことを特徴とする光情報記録媒体。」(特許請求の範囲)
イ.「【0005】図3にはSDの断面構造の模式図を、図4にはHDMCDの断面構造の模式図を示した。図3に示すようにSDは、第1の情報面13を形成した直径120mm、厚さ0.6mmの第1の透明基板12と、第2の情報面15を形成した直径120mm、厚さ0.6mmの第2の透明基板14とを、それぞれの情報面が内側となるように紫外線硬化樹脂16により貼り合わせた構成となっている。」
ウ.「【0017】
【作用】請求項1に記載の光情報記録媒体によれば、1つの光情報記録媒体が、2つ異なった規格の情報面を有することができるために、2つの異なった規格の再生装置のいずれにおいても、再生可能な光情報記録媒体を得ることができる。また、第1の情報面は再生レーザ光の一部を透過し、一部を反射する半透明膜で覆われ、かつ第2の情報面は再生レーザ光の大半を反射する反射膜で覆われていることから、光情報記録媒体の片側から第1の情報面に記録された情報及び第2の情報面に記録された情報を再生することができる。」
エ.「【0029】次に、本発明の光情報記録媒体の製造方法について説明する。図2は本発明の光情報記録媒体の製造方法を示す模式図である。まず、図2(a)のように、SD規格に準拠したフォーマットで情報が記録されている第1のスタンパを用い、ポリカーボネート等の樹脂から成り、直径120mm、厚さ0.6mmで直径15mmの中心孔を有する第1の透明基板1を射出成形によって作製する。
【0030】続いて、図2(b)のように、第1の透明基板1の第1の情報面2の表面に、波長650?680nmの再生レーザ光に対して約30%の反射率となるように、誘電体または金属から成る半透明膜5をスパッタリング法または蒸着法により形成する。
【0031】次に、図2(c)のように、CD規格またはHDMCD規格に準拠したフォーマットで情報が記録されている第2のスタンパを用い、ポリカーボネート等の樹脂から成り、直径120mm、厚さ0.6mmで直径15mmの中心孔を有する第2の透明基板3を射出成形によって作製する。
【0032】続いて、図2(d)のように、第2の透明基板3の第2の情報面2の表面に、波長650?680nmまたは780nmの再生レーザ光に対して70%以上の反射率が得られるように金属から成る反射膜6をスパッタリング法または蒸着法により形成する。
【0033】そして、図2(e)のように、第1の透明基板1の半透明膜5が形成された面の上に紫外線硬化樹脂等の接着層8を数10μm程度に薄く塗布し、第2の透明基板3の平滑面を貼り合わせる。 <以下、省略>」

上記ア、ウ、エによれば、引用例1には、「平滑な面と第1の記録情報に対応したピットを有する第1の情報面を具備し前記第1の情報面は再生ビームの一部を透過し一部を反射する半透明膜で覆われている第1の透明基板と、平滑な面と第2の記録情報に対応したピットを有する第2の情報面を具備し前記第2の情報面は再生ビームの大半を反射する反射膜で覆われている第2の透明基板とを有し、前記第1の透明基板の前記第1の情報面上に前記第2の透明基板の前記平滑な面を貼合させた光情報記録媒体であって、第1及び第2の透明基板は射出成形によって作成され、光情報記録媒体の片側から第1の情報面に記録された情報及び第2の情報面に記録された情報を再生することができる光情報記録媒体。」の発明(以下「引用例1発明」という。)が記載されている。

(2)同じく特開平5-212756号公報(以下、「引用例2」という。)には、「ディスク用基板成形法」について、図面とともに以下の事項が記載されている。
オ.「【請求項1】一対の金型間に形成されるキャビティ内に溶融樹脂を射出してディスク用基板を射出成形する方法において、前記キャビティ内への溶融樹脂の射出工程完了後の保圧工程から冷却工程中の間に一方の前記金型の他方の前記金型に対する型締め圧力を少なくとも1回変化させて成形後の前記ディスク用基板の形状の経時変形量および前記ディスク用基板上に成膜する際の熱応力又は膜応力等による前記ディスク用基板の変形量を見込んで予めその逆方向に前記ディスク用基板を変形させることを特徴とするディスク用基板成形法。
【請求項2】前記一対の金型の両面の温度を変えた上で前記型締め圧力を変化させることを特徴とする請求項1に記載のディスク用基板成形法。」(特許請求の範囲)
カ.「【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このようにして成形された光ディスク用基板は、成形直後にはフラットな形状を有しているが、該基板への記録層の成膜や保護層形成等による熱的変形による応力緩和や表面膜応力等により基板の反りを生じる、という問題があった。
【0005】光ディスク用基板に反りがでると以下のような重大な問題を生ずる。すなわち、(1)その後の膜形成基板の貼り合せに際し、径方向外側と内側とを十分に接着することが難しく、接着不良により接着部が剥れ易くなる、(2)反りを押えて無理に接着した場合には、接着部(特に基板外周縁部)に応力が残留し、これが局部的な光学歪を発生させる原因となる、(3)膜形成基板の反りによりディスクを高速回転で使用する場合には信号面の傾きによるサーボ特性の悪化を招く(単板使用の場合)、という問題である。」
キ.「【0007】更に、特開平1-273244号公報に開示されているように基板成形時に固定金型と可動金型との両面の温度を変えることにより反りを調整する方法もあるが、実際問題としてこのような温度制御のみでは反りの制御幅に限界があり、且つ安定して精度よく反りを制御することは難しい。」
ク.「【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、一対の金型間に形成されるキャビティ内に溶融樹脂を射出してディスク用基板を射出成形する方法において、前記キャビティ内への溶融樹脂の射出工程完了後の保圧工程から冷却工程中の間に一方の前記金型の他方の前記金型に対する型締め圧力を少なくとも1回変化させるか、一対の前記金型の両面温度を変化させ、或いは一対の前記金型の径方向内側と外側との温度を変化させた上で型締め圧力を変化させることにより、成形後の前記ディスク用基板の形状の経時変形量および前記ディスク用基板上に成膜する際の熱応力又は膜応力等による前記ディスク用基板の変形量を見込んで予めその逆方向に前記ディスク用基板を変形させることを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明のディスク用基板の成形法によると、一対の金型間のキャビティ内への溶融樹脂の射出工程完了後の保圧工程から冷却工程中の間に一方の金型の他方の金型に対する型締め圧力を少なくとも1回変化させるか、金型の両面の温度若しくは径方向内側と外側との温度を変化させた上で型締め圧力を変化させることにより、ディスク用基板に予め所定の反りを与える。
【0011】その際、ディスク用基板に予め与える所定の反りは綿密に計算されたもので、すなわちその反り量は基板形成後における形状の経時的変形および基板上に成膜する時の熱応力,膜応力等による変形に正確に対向させるように設定されている。これにより、ディスク用基板に予め与えた所定の反りは、基板形成後の形状の経時的変形や成膜による熱応力,膜応力による変形即ち反りと相殺され、膜形成基板は極めて高い平坦度を有することとなる。」
ケ.「【0014】また、図2に示される全面密着貼り合せ方式の光ディスク10は前述した2枚の膜形成基板を接着層15によって貼合せたもので、更に図3に示される単板コーティング方式の光ディスク10は前述した膜形成基板における記録層12の表面に保護層16をコーティングし、その上に表面保護層17を更に形成したものである。本発明のディスク用基板の成形法は、これらいずれの光ディスク10における基板の成形にも適用することができる。」
コ.「【0024】更に、成形後の基板の反りについて、基板の経時的変形は基板成形時の残留応力が環境温度で緩和するものであるが、その反り量の変化は極めて少ない。また、記録層形成時の反りの発生は次の2つに起因している。
(1)膜形成直前に基板中の水分等を除くため、真空中で加熱することが一般的に行なわれているが、この加熱による基板の応力緩和で反りが発生することがある。但し、この工程は成形直後に記録膜を形成する場合や吸水量の極めて少ない樹脂を用いた基板の場合は行なわれないこともある。
(2)形成された記録膜の応力による反りの発生は記録層材質および膜形成条件により異なるが、金属および金属酸化物等の場合多くのものが圧縮の膜応力を持ち、基板を記録層とは反対側の方向へ反らす。勿論、膜応力が引っ張り応力の記録層の場合には基板は記録層が形成されている側に反ることとなる。
【0025】また、表面保護層17は、一般的にはUV硬化性、熱硬化性等の樹脂をコーティングし硬化させて用いるが、多くのものは硬化時収縮(引張り応力で反りは保護層形成側)する。なお、保護膜形成面は記録面側と樹脂側の両側に形成する場合と、記録面側のみに実施する場合とがある。」
サ.「【0026】このように基板の反り量や反りの方向は基板の材質,形状(直径,厚さ)や該基板上への記録膜及び保護膜の種類や成膜条件等の多くの要因により決定される。従って、本発明においては予め基板成形後の形状の経時的変形や記録膜及び保護膜の成膜による変形即ちこれらによる反り量や反りの方向を調べておき、その反り量に相当する量(相殺させ得る量)だけ射出成形時の基板にその逆方向(反対方向)に積極的に反り(湾曲,変形)を与えておくものである。」
シ.「【0038】実施例7?10
実施例6において溶融樹脂材の射出工程終了時点から1秒後に型締め圧力20トンから表2に示す圧力に減圧して行なったこと以外は同様にして行った。その結果を表2に示す。
実施例11実施例6において固定金型と可動金型の温度を表2に示すようにそれぞれ110℃,100℃とした場合である。その結果は表2に示す。
比較例2?3
実施例6において型締め圧力を20トンで一定にし、且つ金型温度を100℃と110℃、および110℃と100℃で実施したこと以外は同様にして行なった。その結果は表2に示す通りである。」

3.対比
引用例1発明の「第1の透明基板」「第2の透明基板」「光情報記録媒体」は、それぞれ、本願発明の「第1のディスク」「第2のディスク」「光ディスク」に相当する。
引用例1発明における「第1の透明基板の前記第1の情報面上に前記第2の透明基板の前記平滑な面を貼合させた」は、本願発明の「第1のディスクに設けた上記第1の情報記録部側に上記第2のディスクの上記第2の情報記録部が形成されていない面とを対向させて貼り合わせられて一体化され」に相当する。
引用例1発明における「光情報記録媒体の片側から第1の情報面に記録された情報及び第2の情報面に記録された情報を再生する」は、本願発明の「第1のディスクの他方の面側からレーザ光を入射して上記第1及び第2の情報記録部に記録された情報の再生が行われる」に相当する。

したがって、本願発明と引用例1発明との一致点、相違点は次のとおりである。
[一致点]
「第1の基板の一方の面に第1の情報記録部が設けられた第1のディスクと、第2の基板の一方の面に第2の情報記録部が設けられた第2のディスクとからなり、第1のディスクと第2のディスクとは、第1のディスクに設けた第1の情報記録部側に第2のディスクの第2の情報記録部が形成されていない面とを対向させて貼り合わせられて一体化され、第1のディスクの他方の面側からレーザ光を入射して第1及び第2の情報記録部に記録された情報の再生が行われる光ディスクであって、第1のディスクと第2のディスクとは、射出成形で作成される光ディスク。」である点。

[相違点]
本願発明は、「第1のディスクと第2のディスクとは、射出成形される際、それぞれ情報記録部が設けられる一方の面側を成形する金型と情報記録部が設けられない他方の面側を成形する金型の温度差が制御されて成形されることによって、第1及び第2のディスクを構成して貼り合わせられて一体化されたとき、上記貼り合わせ面側が互いに反対方向に反るように変形されている」のに対し、引用例1発明は、かかる限定がされていない点。

4.相違点についての判断
射出成形により成形された光ディスクの基板は、記録層の成膜や保護層形成等により基板の反りが発生することは引用例2に記載されているように(上記2.カ、コ参照)周知であるから、引用例1に記載されている「SD」のように、同じ厚さの基板の一方の面に情報記録部を有する2枚のディスクをそれぞれの情報記録部が内側になるように貼り合わせた光ディスク(上記2.イ参照)では、それぞれのディスクが互いに反対方向に反るため、双方の反りが相殺されることにより、光ディスクとしての反りは少なくなるのに対し、引用例1発明のように、第1のディスクに設けた第1の情報記録部側に第2のディスクの第2の情報記録部が形成されていない面とを対向するように貼り合わせられた光ディスクでは、それぞれのディスクが同じ方向に反るため、貼り合わせた光ディスクの反りを防止すること必要があることは当業者にとって周知の課題である。

引用例2には、基板を成形する際に、固定金型と可動金型とで、金型の温度を変えること等により、基板成形後の経時的変形や成膜による熱応力等による変形すなわち反りの方向や量に相当する量(相殺しうる量)の反りを基板に予め与えることにより、ディスクの反りを防止すること(上記2.オ、キ、ク、サ、シ参照)、該方法は貼り合わせ型の光ディスク及び単板のいずれの光ディスクの基板の成形にも適用できること(上記2.ケ参照)が記載されている。

そうすると、引用例1発明の光ディスクを製造するにあたり、第1及び第2のディスクを射出成形される際に、それぞれ情報記録部が設けられる一方の面側を成形する金型と上記情報記録部が設けられない他方の面側を成形する金型(すなわち、固定金型と可動金型)の温度差が制御されて成形されることによって、上記第1及び第2のディスクを構成して貼り合わせられて一体化されたとき、ディスク全体の反りをなくすようにすることは当業者が容易に想到しうることである。
そして、引用例2には、貼り合わせ型の光ディスクを製造する場合に2枚の膜形成基板(本願発明の第1及び第2のディスクに相当する。)を貼り合わせる際に、貼り合わせ後の反りを相殺する分の反りを予め与えておくことは明記されていないが、貼り合わせ型のディスクにおいて反りを防止することは周知の課題であり、更に、貼り合わせ型のディスクにおいて、互いに逆方向に反る傾向にある2枚のディスクを貼り合わせることによりディスク全体の反りをなくすことも周知である(例えば、特開平5-151625号公報等参照)ことを考慮すれば、引用例1発明の光ディスクの製造において引用例2記載の方法を適用する際に「貼り合わせ面側が互いに反対方向に反るように変形されている」設計とすることは、当業者が適宜選択しうることである。

そして、本願発明の作用効果も、引用例1、引用例2及び周知技術から当業者が予測できる範囲のものであって格別なものではない。

したがって、本願発明はその出願前に頒布された刊行物である引用例1及び2に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

なお、請求人は平成21年1月28日付けの意見書において、「引用文献2(引用例2)及び周知例は、経時変化により自律的に反りを減少させるディスク基板、あるいはディスク基板自体には反りが生じていないものの粘着シートの貼付により生じた反りを貼り合わせにより減少させる構成が記載されているが、いずれもディスク基板自体は自律的あるいは前提として反りは解消されている。すなわち、貼り合わせ型のディスクにおいて、『予め互いに逆方向に反らせたディスク基板を貼り合わせる』ことによりディスク全体の反りをなくす構成は記載されていない。」と主張している。

しかし、「予め互いに逆方向に反らせたディスク基板を貼り合わせる」設計を当業者が適宜選択しうることは、上述したとおりである。
また、本願明細書には2枚のディスクに与える反りの量と反りや誤差量を打ち消しあう効果について何ら記載されておらず、貼り合わせる時点で反りが解消されたディスク基板を貼り合わせたものに比べて、予め互いに逆方向に反らせたディスク基板を貼り合わせたものが格別顕著な効果が奏されるものと認めることもできない。
したがって、請求人の上記主張を採用することはできない。

5.むすび
以上のとおりであるから、本願請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、その余の請求項に係る発明についてみるまでもなく、本願は拒絶されるべきである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2009-03-27 
結審通知日 2009-03-31 
審決日 2009-04-13 
出願番号 特願平9-154112
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (G11B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 蔵野 雅昭  
特許庁審判長 横尾 俊一
特許庁審判官 小松 正
吉川 康男
発明の名称 光ディスク及びその製造方法  
代理人 伊賀 誠司  
代理人 小池 晃  

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