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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) B41J
管理番号 1198454
審判番号 不服2005-7896  
総通号数 115 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-07-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-04-28 
確定日 2009-06-11 
事件の表示 特願2002-370251「インクカートリッジ」拒絶査定不服審判事件〔平成15年 6月24日出願公開、特開2003-175626〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成11年3月29日に出願した特願平11-87187号(特許法第41条に基づく優先権主張:平成10年3月30日(特願平10-84037号)、平成10年4月7日(特願平10-94772号)、平成10年4月7日(特願平10-94773号)、平成10年4月7日(特願平10-94774号)、平成10年4月7日(特願平10-94775号)、平成10年4月7日(特願平10-94776号)、平成10年4月7日(特願平10-94777号)、平成10年4月7日(特願平10-94778号)、平成10年5月28日(特願平10-146993号)、平成10年6月15日(特願平10-166920号))の一部を平成14年12月20日に新たな特許出願としたものであって、
拒絶理由通知に応答して平成16年7月20日付けで手続補正がされたが、平成17年3月23日付けで拒絶査定がされ、これを不服として平成17年4月28日付けで審判請求がされるとともに、平成17年5月27日付けで明細書についての手続補正がされたものである。
当審においてこれを審理した結果、平成20年11月27日付けで拒絶の理由を通知したところ、請求人は平成21年2月9日付けで意見書及び明細書についての手続補正書を提出した。

第2 本願発明の認定
本願の請求項3に係る発明のうち請求項1を引用するもの(以下、「本願発明」という。)は、平成21年2月9日付けで手続補正された特許請求の範囲の【請求項1】及び【請求項3】に記載された事項によって特定される次のとおりのものと認める。
「【請求項1】
記録ヘッドに供給するインクを収容するインクカートリッジにおいて、
該カートリッジを構成するケース内に、仕切壁によって、インクを吸収した多孔質材を収容する第1の室と、その第1の室の下部に設けた連通孔を介して連通しインクを収容する第2の室とを形成し、
前記第2の室は、前記第1の室の下方に位置しかつ一端側の天井面に前記連通孔が開口した第1の部分と、その第1の部分の他端側から上方に延び第1の室の側方と前記ケースの側壁との間に位置する第2の部分からなり、前記記録ヘッドへインクを供給するインク供給口を前記第2の室の底面の上下方向から見て前記第2の部分とは重ならない前記第1の部分の領域に設け、
前記第2の室の第1の部分において前記天井面と第2の室の底面との一方から突設されて他方に接合され、かつ前記連通孔の側部から前記第2の部分の近くまで前記第1の部分のほぼ全長にわたって延びる障壁を設け、
その障壁を挟んで前記連通孔とは反対側に前記インク供給口を配置してなり、
前記記録ヘッドからのインク噴出にともない、前記第1の室から前記連通孔を出て、前記障壁の第2の部分がわの端部を迂回して前記第2の室の第2の部分を通って前記インク供給口に至るインク流を生じさせることを特徴とするインクカートリッジ。
【請求項3】
請求項1または2記載のインクカートリッジにおいて、
前記第1および第2の室の間の仕切壁において、前記第2の室の第1の部分の天井面は、第2の部分に向かって上昇するように傾斜していることを特徴とするインクカートリッジ。」

第3 当審の判断
1.引用例
本願の優先権主張日前に頒布された刊行物であって、当審の拒絶の理由に引用された特開平8-216424号公報(以下、「引用例1」という。)には、以下の〈ア〉?〈エ〉の記載が図示とともにある。
〈ア〉「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット方式の記録装置において、インクジェットヘッドにインクを供給するインク供給装置に関するものである。」(段落【0001】参照)
〈イ〉「【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、インク室からプリントヘッドへのインク供給過程において、流路抵抗の増大なしにプリントヘッドへの気泡侵入を阻止したインク供給装置を提供することを目的とするものである。」(段落【0009】参照)
〈ウ〉「【0076】図13は、本発明のインク供給装置の第3の実施例を示す断面図である。図中、図1と同様の部分には同じ符号を付して説明を省略する。71はプリントヘッド、72は供給路である。この実施例では、プリントヘッド71とインクタンク1とが一体に構成された例を示している。
【0077】プリントヘッド71の周囲には、ヘッド自身が取り付けられた図示しないヒートシンク、プリントヘッド71に電気信号を供給する図示しないプリント配線基板等が存在している。プリントヘッド71には、図示しない多数のノズルが高密度で形成されている。例えば、128個のノズルを300spiの密度で形成することができる。各ノズルには、通電によって気泡を発生させ、インク滴を噴射するための図示しない発熱体が設けられている。図13において、インク滴の噴射は下向きに行なわれる。
【0078】インクタンク1の内部は、主インク室2と中間インク室4に分けられている。この実施例における中間インク室4は、第1および第2の実施例のように、不要な気泡を集積するだけのインク室ではなく、インクの収容室として用いられている。そのため、主インク室2と同等あるいはそれ以上の大きさを有するように構成することができる。上述の第1および第2の実施例では、主インク室2内の毛細管部材3が保持可能なインク量とほぼ同程度のインク量しか、インクタンク1内に収容できない。しかし、この実施例では、中間インク室4にはほぼ100%のインクが収容できるので、インクタンク1全体の体積効率を向上させることができる。
【0079】また、この実施例では、中間インク室4から供給路72を介してプリントヘッド71へインクが供給される。すなわち、連通路5は、主インク室2の下部に設けられている連通孔7と中間インク室4を結ぶのみである。連通路5の上面は、第1および第2の実施例と同様、連通孔7から中間インク室4へ向けて次第に高くなるように構成されている。これにより、主インク室2から第1のメニスカス形成部材8を通って侵入した気泡は、連通路5の斜面に沿って中間インク室4へと移動し、中間インク室4の上部に集積される。この構成では、気泡の移動方向とインクの移動方向が同じ方向であるが、気泡が供給路72まで到達する前に、気泡の浮力によって中間インク室4の上部へと浮き上がるので、プリントヘッド71への気泡の混入はほとんどない。
【0080】さらに、インク誘導部材9を支える複数のインク誘導部材押さえ13を設け、このインク誘導部材押さえ13を中間インク室4側が少なく、反対側が多くなるように配置する。これにより、インク誘導部材9と第1のメニスカス形成部材8との接合を確実にするとともに、主インク室2から侵入した気泡を中間インク室4へと導いている。
【0081】連通路5と供給路72の接続部には、第2のメニスカス形成部材10が設けられているが、プリントヘッド71とインクタンク1とが分離されることはないので、第2のメニスカス形成部材10は、インクタンク1にかかる振動および衝撃、加速度による圧力変動、および、プリントヘッド31のノズル側からの気泡混入の防止、ゴミなどの除去などのフィルタの機能を有するのみである。また、吸収材12も、インクタンクの着脱が行なわれないので、インクの吸収という機能はなく、最終的なゴミ、気泡の除去などを行なうのみである。第2のメニスカス形成部材10および吸収材12は、どちらか一方のみを設けたり、両方とも設けずに構成することも可能である。」(段落【0076】?【0081】参照)
〈エ〉インク供給装置の第3の実施例を示す断面図である【図13】において、インクタンク1を構成するケース内に仕切壁によって主インク室2と中間インク室4とが形成されていること、中間インク室4が主インク室2の下方に位置しかつ一端側の天井面に連通孔が開口した第1の部分と、その第1の部分の他端側から上方に延び主インク室2の側方とケースの側壁との間に位置する第2の部分からなること、プリントヘッド71へインクを供給する供給路72が中間インク室4の底面の上下方向から見て第2の部分と重なる第1の部分の領域に開口していること、主インク室2および中間インク室4の間の仕切壁において中間インク室の第1の部分の天井面が第2の部分に向かって上昇するように傾斜していること、が看取できる。

上記〈エ〉において、中間インク室4の底面の上下方向から見て第2の部分と重なる第1の部分の領域に設けられた供給路72の開口を、インク供給口と称することができる。

以上のことから、上記〈ア〉?〈エ〉の記載等を含む引用例1には、次の発明が記載されていると認めることができる。
「プリントヘッド71に供給するインクを収容するインクタンク1において、
インクタンク1を構成するケース内に、仕切壁によって、インクを吸収した毛細管部材3を収容する主インク室2と、その主インク室2の下部に設けた連通孔7を介して連通しインクを収容する中間インク室4とを形成し、
中間インク室4は、主インク室2の下方に位置しかつ一端側の天井面に連通孔が開口した第1の部分と、その第1の部分の他端側から上方に延び主インク室2の側方とケースの側壁との間に位置する第2の部分からなり、プリントヘッド71へインクを供給するインク供給口を中間インク室4の底面の上下方向から見て第2の部分と重なる第1の部分の領域に設け、
主インク室2および中間インク室4の間の仕切壁において、中間インク室の第1の部分の天井面は、第2の部分に向かって上昇するように傾斜しているインクタンク1。」(以下、「引用発明」という。)

2.対比
a.引用発明における「プリントヘッド71」、「インクタンク1」、「毛細管部材3」、「主インク室2」、「連通孔7」、及び「中間インク室4」は、それぞれ本願発明における「記録ヘッド」、「インクカートリッジ」、「多孔質材」、「第1の室」、「連通孔」、及び「第2の室」に相当する。
b.引用発明における「インク供給口」と本願発明における「インク供給口」とは、第2の室の底面の第1の部分の領域に設けられている点で共通する。

してみれば、本願発明と引用発明とは、
「記録ヘッドに供給するインクを収容するインクカートリッジにおいて、
カートリッジを構成するケース内に、仕切壁によって、インクを吸収した多孔質材を収容する第1の室と、その第1の室の下部に設けた連通孔を介して連通しインクを収容する第2の室とを形成し、
第2の室は、第1の室の下方に位置しかつ一端側の天井面に連通孔が開口した第1の部分と、その第1の部分の他端側から上方に延び第1の室の側方と前記ケースの側壁との間に位置する第2の部分からなり、記録ヘッドへインクを供給するインク供給口を前記第2の室の底面の第1の部分の領域に設け、
第1および第2の室の間の仕切壁において、第2の室の第1の部分の天井面は、第2の部分に向かって上昇するように傾斜しているインクカートリッジ。」
である点で一致し、以下の点で相違する。
〈相違点1〉
本願発明では「前記第2の室の第1の部分において前記天井面と第2の室の底面との一方から突設されて他方に接合され、かつ前記連通孔の側部から前記第2の部分の近くまで前記第1の部分のほぼ全長にわたって延びる障壁を設け、
その障壁を挟んで前記連通孔とは反対側に前記インク供給口を配置してなり、
前記記録ヘッドからのインク噴出にともない、前記第1の室から前記連通孔を出て、前記障壁の第2の部分がわの端部を迂回して前記第2の室の第2の部分を通って前記インク供給口に至るインク流を生じさせる」と特定されているのに対し、引用発明ではそのような特定がなされていない点。
〈相違点2〉
本願発明ではインク供給口が第2の室の底面の第1の部分における「上下方向から見て前記第2の部分とは重ならない」領域に設けると特定されているのに対し、引用発明ではそのような特定がなされていない点。

3.判断
〈相違点1〉について
本願の優先権主張日前に頒布された刊行物であって、当審の拒絶の理由に引用された実願昭60-122001号(実開昭62-30633号)のマイクロフィルム(以下、「引用例2」という。)には、
「第1図,第2図は本考案の実施例における断面斜視図でインクタンク20は……内タンク1と外タンク4及びインク供給室10とによって構成され、インク供給室10からヘッド(図示せず)へと継っている。
内タンク1は、開口部2を持ち、開口部2には……フィルタ9が取り付けられており、開口部2以外の側面には、フィン3が形成されて、外タンク4に内接している。また内タンク1底面外部は第2図に示すように、角度5?30°を持って上方に複数溝が溝壁7によって形成され、第3図(a)に示すように交互に反対向きに、あるいは第3図(b)に示すように両側に向かって上向底面5が作られている。溝壁7には連通孔6が交互の位置に設けられている。」(第4頁第2行?第5頁第2行参照)と、また、
「また第3図(a),(b)に示すようにインクが溶融した時にできる気泡8は、上向底面5があることによって上へと上昇し、フィン3によって形成されている通路を通って大気へと逃げる。すなわち、短時間にインクを溶融し、ヘッド(図示せず)にインク供給室10を通して気泡のないインクを供給できる。また第4図に示すように溝壁7には、連通孔6が交互に設けられ、内タンク1の内部で溶けたインクはフィルタ9を通り、この内タンク1と外タンク4によって作り出された流路を経てインク供給室10へと供給されるため、インク中にある気泡もその間には上昇またはインクへ溶解して消滅し内タンク1内部でインクに気泡等存在してもヘッド内には流れ込まない。」(第5頁第18行?第6頁第11行参照)と、それぞれ記載されており、またインクタンクの鉛直断面図である第3図(a)及び第3図(b)において、インク流路の途中に設けられた上向底面5によって気泡が上昇させられること、さらにインクタンクの水平断面図である第4図において連通孔6を有する溝壁7によって迂回させられながらインク供給室10に至るインク流が生じさせられること、がそれぞれ看取できる。
これらの記載等から、引用例2には、インクジェットヘッドに供給するインクを収容するインクタンクにおいて、内タンク(1)の開口部(2)から外タンク(4)を経てインク供給室(10)に至るインク流路に、内タンク外底面(天井面)から突設されて外タンク内底面に接合されるとともに連通孔(6)を有する溝壁(7)を設け、インクジェットヘッドからのインク噴出にともない、内タンクから開口部を出て連通孔を有する溝壁によって迂回させられながらインク供給室に至るインク流を生じさせ、その間に気泡を上昇させてインクジェットヘッドへの混入を防止する技術が記載されていると認めることができる。

他方、上記〈イ〉には「インク室からプリントヘッドへのインク供給過程において、流路抵抗の増大なしにプリントヘッドへの気泡侵入を阻止したインク供給装置を提供することを目的とする」と、また上記〈ウ〉に「連通路5の上面は、第1および第2の実施例と同様、連通孔7から中間インク室4へ向けて次第に高くなるように構成されている。これにより、主インク室2から第1のメニスカス形成部材8を通って侵入した気泡は、連通路5の斜面に沿って中間インク室4へと移動し、中間インク室4の上部に集積される。……気泡が供給路72まで到達する前に、気泡の浮力によって中間インク室4の上部へと浮き上がるので、プリントヘッド71への気泡の混入はほとんどない。」とそれぞれ記載されているように、引用発明における「第1および第2の室の間の仕切壁において、第2の室の第1の部分の天井面は、第2の部分に向かって上昇するように傾斜している」との構成は、インク流路の途中で気泡を浮上させることで、記録ヘッドへの気泡の混入を防止することを目的とするものである。
ここで、上記〈ウ〉に「この構成では、気泡の移動方向とインクの移動方向が同じ方向であるが、気泡が供給路72まで到達する前に、気泡の浮力によって中間インク室4の上部へと浮き上がる」との記載をみるに、引用例1には、気泡の移動方向とインクの移動方向が同じ方向である場合に問題を生じる可能性があることが示唆されているといえる。してみれば、引用発明において気泡を浮上させるための、第2の室の第1の部分の天井面が第2の部分に向かって上昇するように傾斜している部分に、上記引用例2に記載のような溝壁(障壁)を設けてインク流を迂回させることで、気泡の上昇による記録ヘッドへの混入の防止をより確実なものとなるよう構成することは、当業者が容易に想到し得ることである。そして、具体的にどのようにインク流を迂回させるか、すなわちどのように障壁を設けるかについては、当業者が設計変更等により適宜改変し得る程度の事項であるといえる。

このように、相違点1に係る本願発明の発明特定事項は、引用発明、並びに引用例1及び引用例2に記載の技術事項に基づいて当業者が容易に想到し得る程度の事項である。

〈相違点2〉について
前記「〈相違点1〉について」に記載のとおり、引用例2には「インクタンク20は……内タンク1と外タンク4及びインク供給室10とによって構成され、インク供給室10からヘッド(図示せず)へと継っている。」(第4頁第3行?第8行参照)と記載されている。また、インクタンクの斜視図である第1図、及びインクタンクの断面斜視図である第2図において、インク供給室10にはインク中の気泡を浮上させる部分が設けられていないことが看取できる。これらの記載等から、引用例2においては、ヘッドに向けてインクを供給する口(「インク供給口」)は「インク供給室10」に設けられていると解されるとともに、気泡を浮上させる部分とは重ならない領域に設けられているといい得る。
してみれば、引用例2に記載の上記技術を引用発明に適用し、相違点2に係る本願発明の発明特定事項となすことは、当業者が容易に想到し得る程度の事項であるといえる。

このように、相違点2に係る本願発明の発明特定事項は、引用発明及び引用例2に記載の技術事項に基づいて当業者が容易に想到し得る程度の事項である。

なお、請求人は平成21年2月9日付け意見書中で、
「引用発明2は、障壁に該当する構成として、内タンク1の溝壁7を有し、外タンク4の底面とともに、両端で交互に折り返す流路を形成しております。そして、流路の折り返し点にはフィン3によって形成された上方に向けて延在する流路が形成されており、この折り返し点において、インクに含まれた気泡を上方に浮上させて分離することが可能となっております。しかし、溝壁7によって形成される流路の出口(ヘッドに向けてインクを供給する口)は、第4図からすると、フィン3によって形成された上方に向けて延在する流路と一致しております。よって、インクの流れがヘッドに向けてインクを供給する口に近づいて速くなったとすると、その流れが速くなったインクに対して気泡を分離させることとなり、気泡の分離効率は良くありません。このような引用発明2の構成は、インクの流れが速くならない箇所で気泡を浮上させて分離する、という思想は有していないものと存じます。」
と主張している。しかしながら、引用例2に記載されたインクタンクにおいては上記のとおり、「ヘッドに向けてインクを供給する口」は「インク供給室10」に設けられているものであるから、引用例2において「ヘッドに向けてインクを供給する口」が「フィン3によって形成された上方に向けて延在する流路と一致」する旨の請求人の主張は採用できない。

以上のように、上記相違点1及び相違点2に係る本願発明の発明特定事項は、引用発明、並びに引用例1及び引用例2に記載の技術事項に基づいて当業者が想到容易な事項であり、かかる発明特定事項を採用したことによる本願発明の効果も当業者が容易に予測し得る程度のものである。

第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明、並びに引用例1及び引用例2に記載の技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は拒絶を免れない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2009-03-30 
結審通知日 2009-04-07 
審決日 2009-04-20 
出願番号 特願2002-370251(P2002-370251)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (B41J)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小牧 修藤本 義仁  
特許庁審判長 長島 和子
特許庁審判官 江成 克己
坂田 誠
発明の名称 インクカートリッジ  

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