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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B32B
管理番号 1199682
審判番号 不服2006-12802  
総通号数 116 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-08-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-06-21 
確定日 2009-06-25 
事件の表示 平成11年特許願第144599号「化粧材」拒絶査定不服審判事件〔平成12年12月5日出願公開、特開2000-334892〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成11年5月25日の出願であって、平成17年6月17日付けで拒絶の理由が通知されたのち同年7月1日に意見書及び手続補正書が提出されたが、平成18年5月16日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年6月21日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに手続補正書が提出され、平成19年11月28日付けで審尋が通知され、平成20年1月24日付けで回答書が提出され、その後、平成21年1月6日付けで当審から拒絶理由が通知されたのち同年3月6日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。

第2 本願発明
本願に係る発明は、平成21年3月6日付けの手続補正により補正された明細書の特許請求の範囲における請求項1に記載された以下のとおりのものである。
「樹脂及び着色剤を少なくとも含有してなり、前記樹脂が塩素を含有しない樹脂である化粧材において、前記着色剤が塩素を含有しない着色剤であり、絵柄印刷用のウレタン系印刷インキに使用する顔料として、黄色顔料としてはベンズイミダゾロン(C.I.Pigment Yellow 180)、紅色顔料としてはキナクドリン系顔料(C.I.Pigment Violet 19)、藍色顔料(C.I.Pigment Blue 15:3)、墨色顔料としてはカーボンブラック及び下記化学式1で示されるポリアゾ系顔料を用いたことを特徴とする化粧材。
【式1】

」(以下、「本願発明」という。)

第3 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由の概要は、この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

1.特開平9-314791号公報

第4 刊行物に記載された事項
特開平9-314791号公報(以下、「刊行物1」という。)には、以下の事項が記載されている。
1-a 「表側より順に透明オレフィン系樹脂層、印刷絵柄層、着色隠蔽層よりなる化粧シートにおいて、透明オレフィン系樹脂層がヒンダードアミン系光安定剤を含有し、且つ印刷絵柄層及び着色隠蔽層が塩素を含まない樹脂からなる、耐候性のあるオレフィン系化粧シート。」(特許請求の範囲、請求項1)
1-b 「従来、住宅の外装用、内装用等の各種化粧材として、塩化ビニル樹脂シートを用いた化粧シートが多用されている。・・・ところが、近年、地球環境問題が重要視される様になり、化粧シート材としての塩化ビニル樹脂の代替材料が希求されている。それは、家屋、家具、家電製品等の廃材を焼却処分する際に、塩酸ガスが発生するからである。そこで、塩化ビニル樹脂の代替材料として、ポリオレフィン系樹脂を用いた化粧シートが各種試みられている。」(段落【0002】)
1-c 「本発明の化粧シートでは、表側より順に透明オレフィン系樹脂層、印刷絵柄層、着色隠蔽層よりなる構成において、透明オレフィン系樹脂層にヒンダードアミン系光安定剤等の光安定剤を含有させ、且つ印刷絵柄層及び着色隠蔽層に、塩素を含まない樹脂を用いる構成とした。・・・この結果、印刷絵柄層や着色隠蔽層の成分樹脂として従来多用していた、塩素化ポリプロピレンや塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体等の塩素含有樹脂の塩素成分による光安定剤への悪影響を無くした。」(段落【0004】)
1-d 「印刷絵柄層
印刷絵柄層2としては、必須成分としてヒンダードアミン系光安定剤等の光安定剤を含有する上記透明オレフィン系樹脂層1に接する為に、塩素を含有しない化合物で構成する。従って、従来、塩化ビニル樹脂シートの化粧シートで用いられていた、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリプロピレン等の分子中に塩素原子を含有する樹脂は用いない。これら塩素含有樹脂等の化合物は、紫外線による脱塩酸反応で生じた塩酸が透明オレフィン系樹脂層に達し、そこに存在するヒンダードアミン系の光安定剤を失活させ又その光安定化作用を阻害するので、所望の満足すべき耐候性が得られなくなる。このため、印刷絵柄層を構成する樹脂成分としては、インク化可能で塩素を含有しない樹脂であればいずれでも良く、熱可塑性樹脂、或いは、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂等の硬化性樹脂等の従来公知の各種樹脂を使用できる。」(段落【0012】)
1-e 「上記熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、酢酸ビニル樹脂、セルロース樹脂、ブチラール樹脂等の各種の塩素非含有の熱可塑性樹脂が挙げられる。」(段落【0013】)
1-f 「印刷絵柄層は、ビヒクルに上記の塩素非含有の樹脂を用いたインクを、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷等の公知の印刷法によって形成することができる。インク中の着色剤としては、従来公知の顔料、染料等の色材のいずれも使用できるが、特に耐候性の点では、例えば、ベンガラ、二酸化チタン、朱、群青、緑青(塩基性炭酸銅)、カーボンブラック等の無機質顔料や、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン系顔料やイソインドリノン系顔料等の縮合多環状顔料等の有機質顔料等が、優れた特性を発揮する。」(段落【0014】)
1-g 「《実施例1》透明オレフィン系樹脂層として、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)(出光石油化学(株)製、E-2900)100部に対し、光安定剤としてヒンダードアミン系光安定剤(旭電化工業(株)製、〔型番〕LA-63)を0.5部配合したものをTダイから溶融押出しして、0.1mm厚の透明樹脂シートを作製し、印刷面側をコロナ処理した。次いで、コロナ処理面に、2液硬化型ウレタン系樹脂によるメジウムインク(昭和インク工業(株)製、AFSメジウム)でプライマー層を、その上に、2液硬化型ウレタン系樹脂による柄インク(昭和インク工業(株)製、AFS)、同じく2液硬化型ウレタン系樹脂による隠蔽インク(昭和インク工業(株)製、AFS白)で、印刷絵柄層、着色隠蔽層を順次、グラビア印刷により形成して、本発明の化粧シートを得た。」(段落【0021】)

第5 当審の判断
1 刊行物1に記載された発明
刊行物1には
「表側より順に透明オレフィン系樹脂層、印刷絵柄層、着色隠蔽層よりなる化粧シートにおいて、透明オレフィン系樹脂層がヒンダードアミン系光安定剤を含有し、且つ印刷絵柄層及び着色隠蔽層が塩素を含まない樹脂からなる、耐候性のあるオレフィン系化粧シート。」(摘示1-a)
の発明が記載されており、また、以下の事項も記載されている。
・「印刷絵柄層を構成する樹脂成分としては、インク化可能で塩素を含有しない樹脂であればいずれでも良く、熱可塑性樹脂、或いは、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂等の硬化性樹脂等の従来公知の各種樹脂を使用できる。」(摘示1-d)
・「上記熱可塑性樹脂としては、・・・ウレタン樹脂・・・等の各種の塩素非含有の熱可塑性樹脂が挙げられる。」(摘示1-e)
・「印刷絵柄層は、ビヒクルに上記の塩素非含有の樹脂を用いたインクを、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷等の公知の印刷法によって形成することができる。インク中の着色剤としては、従来公知の顔料、染料等の色材のいずれも使用できるが、特に耐候性の点では、例えば、・・・カーボンブラック等の無機質顔料や、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン系顔料やイソインドリノン系顔料等の縮合多環状顔料等の有機質顔料等が、優れた特性を発揮する。」(摘示1-f)
・「《実施例1》透明オレフィン系樹脂層として、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー・・・100部に対し、光安定剤としてヒンダードアミン系光安定剤・・・を0.5部配合したものをTダイから溶融押出しして、0.1mm厚の透明樹脂シートを作製し・・・た。次いで、・・・2液硬化型ウレタン系樹脂によるメジウムインク(昭和インク工業(株)製、AFSメジウム)でプライマー層を、その上に、2液硬化型ウレタン系樹脂による柄インク(昭和インク工業(株)製、AFS)、同じく2液硬化型ウレタン系樹脂による隠蔽インク(昭和インク工業(株)製、AFS白)で、印刷絵柄層、着色隠蔽層を順次、グラビア印刷により形成して、本発明の化粧シートを得た。」(摘示1-g)

してみると、刊行物1には、
「表側より順に透明オレフィン系樹脂層、印刷絵柄層、着色隠蔽層よりなる化粧シートにおいて、透明オレフィン系樹脂層がヒンダードアミン系光安定剤を含有し、且つ印刷絵柄層及び着色隠蔽層が、2液硬化型ウレタン系樹脂による、塩素非含有の樹脂を用いたインクでグラビア印刷した、塩素を含まない樹脂からなる、耐候性のあるオレフィン系化粧シート。」
の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

2 本願発明と引用発明との対比
引用発明の「化粧シート」及び「印刷絵柄層・・・が、2液硬化型ウレタン系樹脂による・・・インク」は、本願発明の「化粧材」及び「絵柄印刷用のウレタン系印刷インキ」に対応する。
また、引用発明における「表側より順に透明オレフィン系樹脂層、印刷絵柄層、着色隠蔽層よりなる化粧シートにおいて、・・・塩素非含有の樹脂を用いたインクでグラビア印刷した、塩素を含まない樹脂からなる・・・オレフィン系化粧シート」は、本願発明の「樹脂及び着色剤を少なくとも含有してなり、前記樹脂が塩素を含有しない樹脂である化粧材」に対応する。
以上の点を考慮して本願発明と引用発明とを対比すると、両者は、
「樹脂及び着色剤を少なくとも含有してなり、前記樹脂が塩素を含有しない樹脂である化粧材において、絵柄印刷用のウレタン系印刷インキを用いた化粧材。」
の点で一致するが、以下の点において一応相違すると認められる。
(1) 着色剤について、本願発明が「前記着色剤が塩素を含有しない着色剤であり、・・・インキに使用する顔料として、黄色顔料としてはベンズイミダゾロン(C.I.Pigment Yellow 180)、紅色顔料としてはキナクドリン系顔料(C.I.Pigment Violet 19)、藍色顔料(C.I.Pigment Blue 15:3)、墨色顔料としてはカーボンブラック及び下記化学式1で示されるポリアゾ系顔料
【式1】


として規定される「具体的な着色剤」を用いたものであるのに対し、引用発明では、塩素非含有の樹脂を用いたインクを使用するものの、前記のような具体的な着色剤を用いることは明らかではない点
(2) 引用発明が「透明オレフィン系樹脂層がヒンダードアミン系光安定剤を含有し」と規定するのに対し、本願発明はかかる規定はなされていない点
(以下、上記の各相違点を、それぞれの項番号に対応して、「相違点(1)」及び「相違点(2)」という。)

3 相違点についての判断
(1) 相違点(1)について
まず、引用発明においては塩素非含有の樹脂を用いたインクでグラビア印刷するところ、グラビア印刷において、黄色、赤色(審決注.本願発明の「紅色」に対応するので、以下、「紅色」という。)、藍色及び墨色のインクを用いてグラビア印刷を行うのは周知である(必要なら、例えば、特開平10-230584号公報の段落【0031】参照。)。
そして、刊行物1には、廃材を焼却処分する際に塩酸ガスが発生するので、化粧シート材としての塩化ビニル樹脂の代替材料が希求されていること(摘示1-b)、印刷絵柄層や着色隠蔽層の成分樹脂として従来多用していた塩素含有樹脂の塩素成分による光安定剤への悪影響を無くすために、印刷絵柄層及び着色隠蔽層に塩素を含まない樹脂を用いる構成としたこと(摘示1-c及び同旨の記載として摘示1-d)が記載されており、また、刊行物1には、ビヒクルに上記の塩素非含有の樹脂を用いたインクを用いるに際し、「耐候性の点では、例えば、・・・カーボンブラック等の無機質顔料や、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン系顔料やイソインドリノン系顔料等の縮合多環状顔料等の有機質顔料等が、優れた特性を発揮する」(摘示1-f)ことが記載されている。
そこで、本願発明の着色剤である顔料をみるに、縮合多環状顔料等の有機質顔料として、黄色顔料であるC.I.Pigment Yellow 180、紅色顔料であるC.I.Pigment Violet 19、及び藍色顔料であるC.I.Pigment Blue 15:3は周知(必要なら、例えば、特開平7-175268号公報の段落【0033】?【0035】参照。)であるとともに、これらの顔料は塩素を含有しない着色剤であることが明らかである。さらに、墨色顔料である下記化学式1で示されるポリアゾ系顔料
【式1】

についても、その基本構造(ナトリウム塩等)をもつものは周知(必要なら、例えば、特開昭49-117780号公報7頁右上欄最下行参照。)であって、そのナトリウム塩等をカルシウムなどの金属塩で置換したものも、その基本構造(ナトリウム塩等)をもつものと同様に着色剤として用い得ることは明らかであり、これも塩素を含有しない着色剤である。また、墨色顔料である刊行物1に記載されたカーボンブラック(摘示1-f)も塩素を含有しない着色剤であることが明らかである。
してみると、焼却処分する際に塩酸ガスが発生するのを避けるとともに光安定剤への悪影響を無くすために、用途に応じて必要とされる耐候性や印刷適性等の各種性能を勘案するとともに、(インキに用いる樹脂を塩素非含有とするだけでなく)着色剤自体も塩素非含有とすることを考慮して、引用発明の着色剤として塩素を含有しない「具体的な着色剤」を用いること、は当業者が容易に想到し得ることである。

(2) 相違点(2)について
本願明細書には「シート状の化粧材である化粧シートを得るべく、上記基材層11、21、41、51をシート状の樹脂系材料から構成する場合には、熱可塑性樹脂を選ぶのが一般的であり、本発明では塩素原子を含有しない熱可塑性樹脂を採用する。例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブテン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、エチレン-α-オレフィン共重合体樹脂、プロピレン-α-オレフィン共重合体樹脂等のオレフィン系樹脂・・・等が挙げられる。これらは染料又は顔料等の着色剤の添加混合により着色されていても良い。」(段落【0008】)と記載されていることからみて、本願発明においては、化粧材が「透明オレフィン系樹脂層を含む化粧シート」である場合を包含していると認められる。また、化粧シートにヒンダードアミン系光安定剤を含有させることは周知慣用の技術手段である(必要なら、例えば、特開平4-94931号公報6頁右上欄2行?左下欄1行、特開平8-90736号公報の段落【0026】及び特開平10-67080号公報の段落【0021】参照。)。
してみると、ヒンダードアミン系光安定剤は、通常、塩素原子を含有しないことも勘案すれば、本願発明には透明オレフィン系樹脂層がヒンダードアミン系光安定剤を含有する態様を包含していると認められるので、相違点(2)は実質的な相違点であるとは認められない。

(3) 効果について
しかも、本願発明が上記各相違点に基づき格別顕著な技術的効果を奏し得たものとは認められない。
すなわち、本願発明の効果は「着色剤として塩素原子を含有しない着色剤を採用したことにより、火災又は焼却処分等による燃焼時に塩素ガスや塩化水素ガス、ダイオキシン等の有害物質を発生するおそれがなく、使用上又は廃棄処分上人体や環境に害を及ぼすことのない、極めて安全性の高い化粧材である。」(段落【0024】)点にあるが、塩素を含有する化粧シートを焼却処分する際に、塩酸ガス等が発生することは刊行物1にも記載されている(摘示1-b)し、また周知であるから、本願発明の効果は予想し得る程度のものである。
また、本願明細書のその他の記載をみても、本願発明が上記各相違点により格別顕著な技術的効果を奏し得たものとは認められない。

4 結論
以上のとおり、上記各相違点は、当業者が容易に想到し得るものであるか又は実質的な相違点であるとは認められないものであり、また、本願発明が上記各相違点により格別顕著な効果を奏するものとも認められないから、本願発明は、刊行物1に記載された発明(引用発明)及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものである。

5 請求人の主張について
請求人は、審判請求書の「5.引用文献との差異」の項において、以下のように主張している。
「引用文献1には本願発明の化粧材に使用する顔料としては、塩素原子を含まない点や堅牢性の点の他、色相(メタメリズムを含む)や濃度、分散媒たる樹脂との密着性や樹脂との反応性(化学反応による変褪色や樹脂劣化等)、また樹脂中に混練して熱成形する場合には熱流動特性、印刷インキ又は塗料の場合には印刷適性や塗工適性等を総合的に考慮して選定する、といったことに関する記載はなく、想定できるものでもない。さらに引用文献1には本願発明の上記特有の効果に関する記載はなく、また想定できるものでもない。」

しかしながら、顔料としては塩素原子を含まない点については、先に「3(1) 相違点(1)について」で述べたとおりである。また、堅牢性の点の他、色相(メタメリズムを含む)や濃度、分散媒たる樹脂との密着性や樹脂との反応性(化学反応による変褪色や樹脂劣化等)、また樹脂中に混練して熱成形する場合には熱流動特性、印刷インキ又は塗料の場合には印刷適性や塗工適性等を総合的に考慮して選定することは、当業者が当然に行うことである。そして、先に「3(3) 効果について」で述べたように、本願発明が上記各相違点に基づき格別顕著な技術的効果を奏し得たものとは認められない。
したがって、請求人の主張は、何れも上記4の判断を左右するものではない。

第6 結語
以上のとおり、本願は拒絶をすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2009-04-15 
結審通知日 2009-04-21 
審決日 2009-05-08 
出願番号 特願平11-144599
審決分類 P 1 8・ 121- Z (B32B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 常見 優岩田 行剛  
特許庁審判長 唐木 以知良
特許庁審判官 坂崎 恵美子
西川 和子
発明の名称 化粧材  

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