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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G01G
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G01G
管理番号 1199732
審判番号 不服2007-20691  
総通号数 116 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-08-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-07-26 
確定日 2009-06-25 
事件の表示 特願2000- 51344「遠隔アクセス可能な組合せ秤及び組合せ秤システム」拒絶査定不服審判事件〔平成13年 9月 7日出願公開、特開2001-242005〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成12年2月28日の出願であって、平成19年6月19日付け(発送日:同月26日)で拒絶査定がなされ、これに対して、同年7月26日に拒絶査定に対する審判請求がなされ、同年8月23日付けで手続補正がなされたものである。

第2 平成19年8月23日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成19年8月23日付けの手続補正を却下する。
[理由]
1 平成19年8月23日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)の内容
本件補正は、以下の(1)に示される本件補正前の特許請求の範囲を、以下の(2)に示される本件補正後の特許請求の範囲に補正するものである。
(1)本件補正前の特許請求の範囲
「【請求項1】
組合せ秤を構成する秤本体と、
該秤本体の運転条件の設定及び運転状態の記録を行う秤制御部と、
前記運転条件の設定情報及び/又は前記運転状態の記録情報を包含する電子情報の送信及び受信を通信媒体を介して行う通信装置と
を備えた遠隔アクセス可能な組合せ秤であって、
前記電子情報は電子メールの形式であることを特徴とする遠隔アクセス可能な組合せ秤。
【請求項2】
前記通信媒体は、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、公衆回線、インターネット、付加価値通信網、商用ネットワーク及びこれらの組合せからなる群から選択されるものを含んでいることを特徴とする請求項1記載の遠隔アクセス可能な組合せ秤。
【請求項3】
前記通信装置は、モデム、ターミナルアダプタ及びルータからなる群から選択される装置を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の遠隔アクセス可能な組合せ秤。
【請求項4】
前記運転条件の設定情報及び前記運転状態の記録情報を記憶する記憶手段を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の遠隔アクセス可能な組合せ秤。
【請求項5】
前記運転状態の記録情報は、制御設定値、入力キー履歴、プロセス間通信、運転エラー情報及び画像情報からなる群から選択されるものを包含していることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の遠隔アクセス可能な組合せ秤。
【請求項6】
前記運転条件の設定情報は、制御設定値を包含していることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の遠隔アクセス可能な組合せ秤。
【請求項7】
前記運転条件の設定情報を所定の形式で組み込んだ電子情報を分析して前記運転条件の設定情報を取り出す電子情報分析手段を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の遠隔アクセス可能な組合せ秤。
【請求項8】
前記運転状態の記録情報を所定の形式で電子情報に組み込む電子情報作成手段を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の遠隔アクセス可能な組合せ秤。
【請求項9】
組合せ秤を構成する秤本体、該秤本体の運転条件の設定及び運転状態の記録を行う秤制御部、並びに前記運転条件の設定情報及び前記運転状態の記録情報を包含する電子情報の送信及び受信を行う通信装置を有する組合せ秤と、
前記通信装置との通信を行う中央通信装置を有し、前記電子情報に於ける前記運転条件の設定情報及び前記運転状態の記録情報の管理を行うサーバーコンピュータと、
前記通信装置と前記中央通信装置との間の通信を行うための通信媒体と、
を備えた組合せ秤システムであって、
前記電子情報は電子メールの形式であることを特徴とする組合せ秤システム。
【請求項10】
前記通信媒体は、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、公衆回線、インターネット、付加価値通信網、商用ネットワーク及びこれらの組合せからなる群から選択されるものを含んでいることを特徴とする請求項9記載の組合せ秤システム。
【請求項11】
前記組合せ秤に於ける前記通信装置は、モデム、ターミナルアダプタ及びルータからなる群から選択される装置を有している請求項9又は10に記載の組合せ秤システム。
【請求項12】
前記組合せ秤は、前記運転条件の設定情報及び前記運転状態の記録情報を記憶する記憶手段を更に備えたことを特徴とする請求項9乃至11の何れかに記載の組合せ秤システム。
【請求項13】
前記運転状態の記録情報は、制御設定値、入力キー履歴、プロセス間通信、運転エラー情報及び画像情報からなる群から選択されるものを包含していることを特徴とする請求項9乃至12の何れかに記載の組合せ秤システム。
【請求項14】
前記運転条件の設定情報は、制御設定値を包含していることを特徴とする請求項9乃至13の何れかに記載の組合せ秤システム。
【請求項15】
前記サーバーコンピュータは、前記運転条件の設定情報を所定の形式で電子情報に組み込む電子情報作成手段を更に備え、
前記組合せ秤は、前記運転条件の設定情報を所定の形式で組み込んだ電子情報を分析して前記運転条件の設定情報を取り出す電子情報分析手段を更に備えたことを特徴とする請求項9乃至14の何れかに記載の組合せ秤システム。
【請求項16】
前記組合せ秤は、前記運転状態の記録情報を所定の形式で電子情報に組み込む電子情報作成手段を更に備え、
前記サーバーコンピュータは、前記運転状態の記録情報を所定の形式で組み込んだ電子情報を分析して前記運転状態の記録情報を取り出す電子情報分析手段を更に備えたことを特徴とする請求項9乃至15の何れかに記載の組合せ秤システム。」

(2)本件補正後の特許請求の範囲
「【請求項1】
組合せ秤を構成する秤本体と、
該秤本体の運転条件の設定及び運転状態の記録を行う秤制御部と、
前記運転条件の設定情報及び/又は前記運転状態の記録情報を包含する電子情報の送信及び受信を電子メールの形式で通信媒体を介して行う通信装置と、 前記運転条件の設定情報を電子メールの形式で組み込んだ電子情報を分析して前記運転条件の設定情報を取り出す電子情報分析手段と、 前記運転状態の記録情報を電子メールの形式で電子情報に組み込む電子情報作成手段と を備えた遠隔アクセス可能な組合せ秤。
【請求項2】
前記通信媒体は、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、公衆回線、インターネット、付加価値通信網、商用ネットワーク及びこれらの組合せからなる群から選択されるものを含んでいることを特徴とする請求項1記載の遠隔アクセス可能な組合せ秤。
【請求項3】
前記通信装置は、モデム、ターミナルアダプタ及びルータからなる群から選択される装置を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の遠隔アクセス可能な組合せ秤。
【請求項4】
前記運転条件の設定情報及び前記運転状態の記録情報を記憶する記憶手段を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の遠隔アクセス可能な組合せ秤。
【請求項5】
前記運転状態の記録情報は、制御設定値、入力キー履歴、プロセス間通信、運転エラー情報及び画像情報からなる群から選択されるものを包含していることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の遠隔アクセス可能な組合せ秤。
【請求項6】
前記運転条件の設定情報は、制御設定値を包含していることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の遠隔アクセス可能な組合せ秤。
【請求項7】
組合せ秤を構成する秤本体、該秤本体の運転条件の設定及び運転状態の記録を行う秤制御部、並びに前記運転条件の設定情報及び前記運転状態の記録情報を包含する電子情報の送信及び受信を電子メールの形式で行う通信装置を有する組合せ秤と、
前記通信装置との通信を行う中央通信装置を有し、前記電子情報に於ける前記運転条件の設定情報及び前記運転状態の記録情報の管理を行うサーバーコンピュータと、
前記通信装置と前記中央通信装置との間の通信を行うための通信媒体と、
を備えた組合せ秤システムであって、
前記サーバーコンピュータは、前記運転条件の設定情報を電子メールの形式で電子情報に組み込む電子情報作成手段と、前記運転状態の記録情報を電子メールの形式で組み込んだ電子情報を分析して前記運転状態の記録情報を取り出す電子情報分析手段とを更に備えるとともに、 前記組合せ秤は、前記運転状態の記録情報を電子メールの形式で電子情報に組み込む電子情報作成手段と、前記運転条件の設定情報を電子メールの形式で組み込んだ電子情報を分析して前記運転条件の設定情報を取り出す電子情報分析手段と を更に備えたことを特徴とする組合せ秤システム。
【請求項8】
前記通信媒体は、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、公衆回線、インターネット、付加価値通信網、商用ネットワーク及びこれらの組合せからなる群から選択されるものを含んでいることを特徴とする請求項7記載の組合せ秤システム。
【請求項9】
前記組合せ秤に於ける前記通信装置は、モデム、ターミナルアダプタ及びルータからなる群から選択される装置を有している請求項7又は8に記載の組合せ秤システム。
【請求項10】
前記組合せ秤は、前記運転条件の設定情報及び前記運転状態の記録情報を記憶する記憶手段を更に備えたことを特徴とする請求項7乃至9の何れかに記載の組合せ秤システム。
【請求項11】
前記運転状態の記録情報は、制御設定値、入力キー履歴、プロセス間通信、運転エラー情報及び画像情報からなる群から選択されるものを包含していることを特徴とする請求項7乃至10の何れかに記載の組合せ秤システム。
【請求項12】
前記運転条件の設定情報は、制御設定値を包含していることを特徴とする請求項7乃至11の何れかに記載の組合せ秤システム。」
なお、アンダーラインは、補正箇所を示すために請求人が付したものである。

2 本件補正についての当審の判断
本件補正は、補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「組合せ秤」、「送信及び受信を」に関して、「前記運転条件の設定情報を電子メールの形式で組み込んだ電子情報を分析して前記運転条件の設定情報を取り出す電子情報分析手段と、前記運転状態の記録情報を電子メールの形式で電子情報に組み込む電子情報作成手段とを備えた」、「電子メールの形式で」との限定を付加することを含むものである。
したがって、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第1号に規定する請求項の削除及び同第2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものと認められる。

(1)本願補正発明
そこで、本件補正後の請求項1に記載された事項により特定される発明(以下、「本願補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかどうか(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する特許法第126条第5項の規定に適合するか)について、以下検討する。

(2)引用刊行物
原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に頒布された刊行物である特開平5-288596号公報(以下、「引用刊行物」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。

ア 「【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、複数台の組合せ秤を1台の操作表示装置により操作制御することができる複数台の組合せ秤における操作表示装置に関する。」

イ 「【0002】
【従来の技術】組合せ秤を操作制御するための従来の操作表示装置は、1台の組合せ秤に対して1台づつ設けられている。この操作表示装置により操作制御する組合せ秤は、例えば図19に示すように、計量機構部2とメインコントロール装置4とを備えている。・・・・・操作表示装置6は、図19に示すようにメインコントロール装置4と接続しており、その外観の一例を図20に示す。この操作表示装置6は、図20に示すように、計量物品名(例えばPOTATOCHIPS)、目標重量(例えば100.0g)、選択された組合せ重量(例えば100.4g)、組合せで選択した計重ホッパのNo.(ナンバー)及び運転パラメータ、情報等を表示する表示部7?10及び12を備えている。そして、表示部10の下側には、キーボード11を設けてある。キーボード11は、組合せ秤を制御するためのプログラムや、目標重量及び各種運転定数等の運転パラメータをメインコントロール装置4に設定したり、組合せ秤の運転スタート、運転停止の指令をするためのものである。
【0003】次に、例えば複数台の上記操作表示装置を1箇所に設置し、これら複数台の操作表示装置により対応する夫々の組合せ秤を遠隔操作して、夫々異なる種類の物品の計量を行わせ、これら複数台の組合せ秤から同時に排出される物品を1つにまとめて、この1つにまとめた物品の重量(総合計重量)が所定の重量範囲内となるように計量を行う場合についての作業者の作業手順を説明する。」

ウ 「【0004】
【発明が解決しようとする課題】・・・・・従って、例えば操作表示装置6を1箇所にまとめて取り付けて、これら複数台の組合せ秤を遠隔操作する場合、これら複数台の操作表示装置6を取り付ける為のスペースが必要であるという問題がある。そして、このように1箇所で遠隔操作をする場合において、本発明のように、複数台の組合せ秤を1台の操作表示装置により操作制御するものと比較して、操作表示装置の費用が嵩むという問題がある。・・・・・
【0007】本発明は、上記問題点を解決する複数台の組合せ秤における操作表示装置を提供することを目的とする。
【0008】
【発明の概要】第1の発明の複数台の組合せ秤における操作表示装置によると、複数台の組合せ秤に対して少なくとも1台の操作表示装置が電気的に接続されており、このうちの1台の操作表示装置により複数台の組合せ秤の操作制御を行うことができる。・・・・・また、この操作表示装置の操作手段は、例えば目標重量、運転速度等の運転パラメータを夫々の組合せ秤ごとに設定することができるし、夫々の組合せ秤を別個にスタート(又は停止)させることができる運転スタート指令(又は運転停止指令)を対応する組合せ秤に送信することができる。つまり、この1台の操作表示装置により複数台の組合せ秤を操作制御することができる。」

エ 「【0011】
【実施例】本発明の一実施例の複数台の組合せ秤における操作表示装置は、図2に示すように、平面型の画面型表示器13(以下、単に「画面13」という。)を備えており、画面13には、画面13に指で触れることにより所定の信号を入力することができるタッチスイッチ21が設けられている。そして、この操作表示装置14は、図4に示すように、第1乃至第3の組合せ秤15?17と電気的に接続されている。また、これら各組合せ秤は、図4に示すように、複数の計量ホッパ(図示せず)を備える計量機構部15a?17aと、対応する組合せ秤を駆動制御するためのメインコントロール装置15b?17bと、ローカルネットワークインターフェース15c?17c(以下、単に「LAN I/F15c?17c」という。)と、からなっている。そして、これら3つの各LAN I/F15c?17cと後述する操作表示装置14のLAN I/F18は、直列に接続されており、操作表示装置14は、これら第1乃至第3の組合せ秤15?17との間で種々の情報の受け渡しすることができるように構成されている。なお、第1乃至第3の各組合せ秤15?17は、従来のものと同様に物品の組合せ計量を自動的に行うものであり、詳細な説明を省略する。」

オ 「【0012】操作表示装置14は、プログラムされたマイクロコンピュータにより構成されている。即ち、図3に示すように、CPU19(中央処理部)を備えている。CPU19には、プログラムが格納されたROM20と、制御用データが格納されたRAM23、EEPROM22と、操作手段(入力手段)としてタッチスイッチ21と、表示データ用RAM24とが接続されており、更に、シフトレジスタ25を介してローカルネットワークインターフェース18(以下、単に「LANI/F18」という。)と、表示器用コントローラ26を介して画面13とが接続されている。
【0013】・・・・・なお、図1の画面13には、第1乃至第4のウィンドウ28?31がオーバーラップして表示されており、画面13の一番手前(上側)の第1のウィンドウ28には第1の組合せ秤から送られてくるデータが表示される。つまり、このデータは、図1に示すように、第1の組合せ秤に設けられている第1乃至第8の計量ホッパのうち、組合せに選択された計量ホッパの番号(計量ホッパの番号の下に○印が表示される。)、選択された組の物品の合計重量(100.4g)及び運転速度(92.5組/分=92.5P/M)等である。同様に、第2及び第3のウィンドウ29、30には第2及び第3の組合せ秤から送られてくるデータが表示される」

カ 「【0022】次に、この操作表示装置14により第1乃至第3の組合せ秤15?17を運転操作する手順を説明する。ただし、図16に示すNo.1の「POTETO CHIPS 目標重量100g」と名称が付けられている運転パラメータを第1の組合せ秤に設定して計量を行わせ、No.2の「クッキー 120g」と名称が付けられている運転パラメータを第2の組合せ秤に設定して計量を行わせ、No.3の「スナック 60.5」と名称が付けられている運転パラメータを第3の組合せ秤に設定して計量を行わせる場合について説明する。なお、図3に示すEEPROM22には、図18に示すように、No.1?No.200の運転パラメータが記憶されており、これら運転パラメータには、図16に表示されているように「No.1 POTETO CHIPS 100.0g」・・・等のように夫々に名称(見出し)が付けられている。・・・・・そして、各々のNo.の運転パラメータには、図15に表示されているような「TARGET WEIGHT」、「HIGH LIMIT」等についてのデータ(「100g」、「10g」等)が書き込まれている。
【0023】まず、組合せ秤を起動させるために、操作表示装置14の電源をONにする。そして、このときに現れる画面13(表示内容は図示せず)で計量に使用する組合せ秤の台数(この場合は3台)を選択する。すると、図11に示す画面13が現れる。そして、この画面13に「プログラム選択」と表示されている区画の内側・・・・・を指で触れると、図16に示す表示が画面13に現れる。次に、同図に示すタッチスイッチ35を指で触れてカーソル36(図の斜線部分)を上下方向に移動させて、同図に示すように、カーソル36をNo.1の「POTETO CHIPS 目標重量100g」の位置に移動させる。そして、「ENT」スイッチ37を指で触れることにより、No.1の運転パラメータを第1の組合せ秤15に設定することができる。
【0024】・・・・・このようにして、第1乃至第3の組合せ秤15?17にNo.1?No.3の運転パラメータの設定が終了すると、図16に示すリターンスイッチ38を指で触れて、図11に示すメニュー表示に戻す。次に、「自動」スイッチ39を指で触れると、図1に示す表示が画面13に現れる。そして、図1の第1のウィンドウ28に示す起動停止スイッチ40を指で触れると、同図に示すようにこのスイッチ40の区画内に「START」の文字が現れて、第1の組合せ秤が起動する。また、同様に、図1の第2及び第3のウィンドウ29、30に示す各起動停止スイッチ40を指で触れると、夫々のスイッチ40の区画内に「START」の文字が現れて(図示せず)、第1及び第2の組合せ秤を起動させることができる。」

・摘記事項エから、複数の計量ホッパを備える計量機構部と、組合せ秤を駆動制御するためのメインコントロール装置と、ローカルネットワークインターフェースとからなる組合せ秤が読み取れる。
・摘記事項ウの「この操作表示装置の操作手段は、例えば目標重量、運転速度等の運転パラメータを夫々の組合せ秤ごとに設定することができる」、摘記事項カの「No.1の「POTETO CHIPS 目標重量100g」と名称が付けられている運転パラメータを第1の組合せ秤に設定して計量を行わせ」及び「各々のNo.の運転パラメータには、図15に表示されているような「TARGET WEIGHT」、「HIGH LIMIT」等についてのデータ(「100g」、「10g」等)が書き込まれている。」との記載から、組合せ秤の目標重量、運転速度等の運転パラメータを組合せ秤に設定して計量を行わせることが読み取れる。
そして、組合せ秤のどの部分に運転パラメータが設定されるかについて検討するに、組合せ秤は、上述のように、複数の計量ホッパを備える計量機構部と、組合せ秤を駆動制御するためのメインコントロール装置と、ローカルネットワークインターフェースとからなるものであるから、運転パラメータがメインコントロール装置に設定されることは明らかである。
したがって、組合せ秤の目標重量、運転速度等の運転パラメータの設定を行うメインコントロール装置が読み取れる。
・摘記事項オから、組合せ秤に設けられている計量ホッパのうち組合せに選択された計量ホッパの番号、選択された組の物品の合計重量及び運転速度等のデータが組合せ秤から操作表示装置に送信されることが読み取れる。
これらのデータを送信するためには、組合せ秤において、予めこれらのデータを取得、すなわち、記録する必要があるが、これを組合せ秤のメインコントロール装置が行うことは明らかである。
したがって、組合せ秤に設けられている計量ホッパのうち組合せに選択された計量ホッパの番号、選択された組の物品の合計重量及び運転速度等のデータの記録を行うメインコントロール装置が読み取れる。
・摘記事項ウの「複数台の組合せ秤に対して少なくとも1台の操作表示装置が電気的に接続されており」、摘記事項エの「この操作表示装置14は、図4に示すように、第1乃至第3の組合せ秤15?17と電気的に接続されている。」、「ローカルネットワークインターフェース15c?17c(以下、単に「LAN I/F15c?17c」という。)と、からなっている。そして、これら3つの各LAN I/F15c?17cと後述する操作表示装置14のLAN I/F18は、直列に接続されており、操作表示装置14は、これら第1乃至第3の組合せ秤15?17との間で種々の情報の受け渡しすることができるように構成されている。」との記載から、組合せ秤と操作表示装置との間の種々の情報の受け渡しはこれらの種々の情報をローカルネットワークを介して送受信するローカルネットワークインターフェースにより行われることが読み取れる。
そして、これらの種々の情報とは、上述したことから、組合せ秤の目標重量、運転速度等の運転パラメータに関する情報及び組合せ秤に設けられている計量ホッパのうち組合せに選択された計量ホッパの番号、選択された組の物品の合計重量及び運転速度等のデータに関する情報である。
したがって、組合せ秤の目標重量、運転速度等の運転パラメータに関する情報及び組合せ秤に設けられている計量ホッパのうち組合せに選択された計量ホッパの番号、選択された組の物品の合計重量及び運転速度等のデータに関する情報の送信及び受信をローカルネットワークを介して行うローカルネットワークインターフェースが読み取れる。
・摘記事項イ及びウから、遠隔操作可能な組合せ秤が読み取れる。

したがって、引用刊行物には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。
「複数の計量ホッパを備える計量機構部と、
組合せ秤の目標重量、運転速度等の運転パラメータの設定及び組合せ秤に設けられている計量ホッパのうち組合せに選択された計量ホッパの番号、選択された組の物品の合計重量及び運転速度等のデータの記録を行うメインコントロール装置と、
前記組合せ秤の目標重量、運転速度等の運転パラメータに関する情報及び組合せ秤に設けられている計量ホッパのうち組合せに選択された計量ホッパの番号、選択された組の物品の合計重量及び運転速度等のデータに関する情報の送信及び受信をローカルネットワークを介して行うローカルネットワークインターフェースと、
を備えた遠隔操作可能な組合せ秤。」

(3)対比・判断
本願補正発明と引用発明とを対比する。
・引用発明の「複数の計量ホッパを備える計量機構部」、「組合せ秤の目標重量、運転速度等の運転パラメータ」、「組合せ秤に設けられている計量ホッパのうち組合せに選択された計量ホッパの番号、選択された組の物品の合計重量及び運転速度等のデータ」、「メインコントロール装置」、「ローカルネットワーク」、「ローカルネットワークインターフェース」、「遠隔操作可能な組合せ秤」は、それぞれ、本願補正発明の「組合せ秤を構成する秤本体」、「秤本体の運転条件」、「秤本体の運転状態」、「秤制御部」、「通信媒体」、「通信装置」、「遠隔アクセス可能な組合せ秤」に相当する。
・引用発明の「組合せ秤の目標重量、運転速度等の運転パラメータに関する情報及び組合せ秤に設けられている計量ホッパのうち組合せに選択された計量ホッパの番号、選択された組の物品の合計重量及び運転速度等のデータに関する情報」とは、前者については運転パラメータをメインコントロール装置に設定するための情報であるから本願補正発明の「運転条件の設定情報」に相当するものであり、後者についてはメインコントロール装置が記録した情報であるから本願補正発明の「運転状態の記録情報」に相当するものであり、さらに、両者はローカルネットワークを介して電気的に接続された組合せ秤と操作表示装置の間で送受信される情報であるから(上記摘記事項ウ、エ参照。)、本願補正発明と同様に「電子情報」に包含されて送信及び受信されるものである。
したがって、本願補正発明と引用発明とは、
「組合せ秤を構成する秤本体と、
該秤本体の運転条件の設定及び運転状態の記録を行う秤制御部と、
前記運転条件の設定情報及び前記運転状態の記録情報を包含する電子情報の送信及び受信を通信媒体を介して行う通信装置と、
を備えた遠隔アクセス可能な組合せ秤。」
である点で一致し、次の相違点で相違する。

[相違点] 通信装置が通信媒体を介して行う電子情報の送信及び受信の形式及び該電子情報の分析、作成に関して、本願補正発明が「電子メールの形式」であり、「運転条件の設定情報を電子メールの形式で組み込んだ電子情報を分析して前記運転条件の設定情報を取り出す電子情報分析手段と、運転状態の記録情報を電子メールの形式で電子情報に組み込む電子情報作成手段とを備え」るのに対し、引用発明は、「電子メールの形式」との限定がなく、上記電子情報分析手段、電子情報作成手段についても明示がない点。

上記相違点について検討する。
遠隔地に設置された機器と該機器にアクセスするセンターとの間の送受信を電子メールの形式で行うことは、例えば、特開平10-308983号公報、特開平11-122276号公報に示されるように本願出願前周知であるから、該周知技術を遠隔操作可能な組合せ秤に係る引用発明に適用して電子情報の送信及び受信を「電子メールの形式」で行うことは当業者が適宜なし得たことである。
その際、引用発明において、運転パラメータの設定情報を包含する電子情報を電子メールの形式で受信してメインコントロール装置に設定することになるが、当該設定のためには、その電子メールの形式で受信した電子情報にどのような運転パラメータの設定情報が含まれているのか分析し、含まれている各運転パラメータの設定情報をそれぞれ取り出す必要があることは明らかである。
また、同様に、引用発明において、組合せ秤に設けられている計量ホッパのうち組合せに選択された計量ホッパの番号、選択された組の物品の合計重量及び運転速度等のデータの記録情報を包含する電子情報を電子メールの形式で送信するためには、これらのデータの記録情報を電子メールの形式で電子情報に組み込む必要があることも明らかである。
したがって、引用発明において、電子情報の送信及び受信を「電子メールの形式」で行い、「運転条件の設定情報を電子メールの形式で組み込んだ電子情報を分析して前記運転条件の設定情報を取り出す電子情報分析手段と、運転状態の記録情報を電子メールの形式で電子情報に組み込む電子情報作成手段とを備え」ることは当業者が容易になし得たことである。

そして、本願補正発明の奏する効果は、引用発明及び周知技術から当業者が予測し得る範囲内のものであり、格別のものではない。
したがって、本願補正発明は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(4)むすび
以上のとおり、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する特許法第126条第5項の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
平成19年8月23日付けの手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし16に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成19年5月22日付け手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし16に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、上記「第2」の「1」の「(1)」の本件補正前の特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものである。

第4 引用刊行物
原査定の拒絶の理由に引用された引用刊行物の記載事項及び引用発明は、上記「第2」の「2」の「(2)」に記載したとおりのものである。

第5 本願発明と引用刊行物に記載された発明との対比・判断
本願発明は、上記「第2」で検討した本願補正発明の発明特定事項から発明を特定するために必要な事項についての上記限定を省いたものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項をすべて含み、さらに他の限定事項を付加したものに相当する本願補正発明が前記「第2」の「2」の「(2)」に記載したとおり、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

第6 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
そして、本願発明(請求項1に係る発明)が特許を受けることができないものであるから、その余の請求項2ないし16に係る発明について検討するまでもなく、本願は、拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2009-04-24 
結審通知日 2009-04-28 
審決日 2009-05-12 
出願番号 特願2000-51344(P2000-51344)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G01G)
P 1 8・ 575- Z (G01G)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 森 雅之  
特許庁審判長 江塚 政弘
特許庁審判官 西島 篤宏
下中 義之
発明の名称 遠隔アクセス可能な組合せ秤及び組合せ秤システム  
代理人 特許業務法人 有古特許事務所  
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