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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06Q
管理番号 1200878
審判番号 不服2007-10401  
総通号数 117 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-09-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-04-12 
確定日 2009-07-16 
事件の表示 特願2002-263563「保守作業業務支援システム」拒絶査定不服審判事件〔平成16年 4月 2日出願公開、特開2004-102643〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯

本願は、平成14年9月10日の出願であって、平成19年3月9日付けで拒絶査定がなされ(発送日同年3月13日)、これに対し、同年4月12日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。




第2 本願発明について

1.本願発明

本願の請求項1乃至7に係る発明は、平成19年1月4日付けの手続補正書によって補正された明細書及び図面の記載からみて、特許請求の範囲の請求項1乃至7に記載されたとおりのものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。

「 【請求項1】
複数の設備の保守管理業務を支援する保守作業業務支援システムにおいて、
前記設備の状況データを受信する通信手段と、
前記設備の状況データを記憶する格納部と、
作業員の状況データを受信する通信手段と、
前記作業員の状況データを記憶する格納部と、
前記設備の属性データを記憶するデータベースと、
前記作業員の属性データを記憶するデータベースと、
業務ルールを記憶する業務ルールデータベースと、
前記設備の状況データおよび属性データ、前記作業員の状況データおよび属性データを用いて前記業務ルールデータベースに記憶された業務ルールを選択し、作業支援ガイダンスの作成および前記作業支援ガイダンスを配信する作業員の選定を行うルール処理手段と、
作成された作業支援ガイダンス及び前記作業支援ガイダンスを配信する作業員を記憶するデータベースと、
前記選定された作業員に対応する情報端末に前記作業支援ガイダンスを送信する通信手段と、
送信された前記作業支援ガイダンスを記憶する情報端末のデータベースと、
前記作業支援ガイダンスに基づき前記作業員の意思または作業状況に関する選択肢を情報端末に表示する表示手段と、
前記表示された選択肢に対し前記作業員の選択を受付ける入力手段と、
前記選択を記憶する情報端末のデータベースと、
前記選択を前記ルール処理手段に送信する通信手段とを備え、
前記ルール処理手段は、前記選択を用いて作業支援ガイダンスの作成および前記作業支援ガイダンスを配信する作業員の選定を再度行うことを特徴とする保守作業業務支援システム。」


なお、特許請求の範囲の請求項1の「作成された作業ガイダンス及び前記作業ガイダンスを配信する作業員を記憶するデータベース」中にある「作業ガイダンス」は「作業支援ガイダンス」の誤記であることは明らかであるので、上記の如く認定する。



2.引用例

原査定の拒絶の理由に引用文献5として引用された、PHSで実現する企業のコミュニケーション革命,ビジネスコミュニケーション,日本,株式会社ビジネスコミュニケーション社,1999年7月1日,第36巻 第7号,P30?33(以下、「引用例1」という。)には、次の事項が記載されている。
(なお、以下、表記上、丸数字を括弧付きの数字で表わしている。例として、「○」で囲まれた「1」を「(1)」で代用している。)

(ア)
「ロケーションマネージャー概要
NTTデータでは、モバイルコンピューティングソリューションのひとつとして、「位置情報」をキーワードに「モバイリスト ロケーションマネージャー」を展開している。
ロケーションマネージャーは、ドコモの提供するPHS位置情報サービスセンタから緯度経度等の位置情報を取得し、1,000台程度までのPHS端末の現在位置をパソコン等の電子地図上に表示することができる(図1)。
この位置情報はオフィス内のLAN上のパソコンだけではなく、屋外で活動するスタッフの所持するモバイルパソコンの電子地図上にドコモの「いまどこサービス」に契約されたPHS端末を持っている人の位置を表示することができる。」
(第30頁左下欄第1行から同頁中下欄第6行)

(イ)
「これまで、主にOA機器のメンテナンスやエレベータの保守などのメンテナンス業務に活用されてきているが、フィールドで活躍する作業員の現在位置が電子地図上に表示されるため、お客様に近いエンジニアを容易に選択することができるようになる。
ロケーションマネージャーの導入事例では、最大規模で約700名の保守員にPHS端末を持たせ、お客様の派遣依頼に対し、最適な人員を派遣するためのツールとして活用されている。」
(第30頁中下欄第7行から同頁右下欄第6行)

(ウ)
「自動手配への適用
NTTデータでは、「位置情報」活用のファーストステップとして「位置情報」を表示するロケーションマネージャーを展開してきたが、次の段階としては、「位置情報」を利用し、応用したシステムの展開を考え、そのソリューションのひとつとして、「自動手配」への適用を試みている。」
(第31頁第1乃至9行)

(エ)
「前述のメンテナンス業務においては、故障などのお客様から派遣の依頼があった場合、どの作業員を派遣するかを決定するときに、様々な要因を考慮しなければならない。作業者の位置/お客様の位置/道路状況/といった地理的条件のほかに、作業員のスキル(該当機種に対応できるかなど)、スケジュール/稼働状況など、判断条件は複雑です。お客様から電話を受け付けたセンターでは、これら複雑な状況を判断し、作業員をピックアップし、連絡を取るといった作業をこなさなければならない。」
(第31頁第10行から第32頁左上欄第9行)

(オ)
「現在、NTTデータで開発を進めている「状況適応型手配支援システム」では、以下の機能により、手配の自動化を実現する(図2)。」
(第32頁左上欄第10乃至13行)

(カ)
「図2 状況適応型手配支援システム」には、
・「手配支援サーバー」は「受付DB」を介して「故障状況」というデータを受信していること、
・「手配支援サーバー」から、「文字で指示内容を確認」できるように「作業者A」のPDAに「モバイルデータ通信」によって送信したり、「ポケベルへアラームメッセージ送信」したりすること、
・「手配支援サーバー」から、「文字・画像で指示内容を確認」できるように「作業者B」のノート型PCに「モバイルデータ通信」によって送信したり、「ポケベルへアラームメッセージ送信」したりすること、
が図示されている。
(第31頁)

(キ)
「(1)候補者選出機能
以下の条件により、候補者を抽出し、連絡をとる順番を自動計算します。
・位置情報(作業者の位置及びお客様の位置)
・作業員のスキル
・作業員のスケジュール」
(第32頁左上欄第14行から同頁中上欄第3行)

(ク)
「(2)自動連絡機能
(1)の機能により選択された作業員の携帯電話、PHS、ポケベルなどに自動連絡をする。」
(第32頁中上欄第4乃至7行)

(ケ)
「(3)連絡進捗確認/送達確認機能
電波状況や作業情報などの要因で、連絡を取っている作業員から応答がない場合や、手配連絡を確認した作業員が駆けつけ不可の連絡を返した場合、自動的に次の候補者へ連絡する。」
(第32頁中上欄第8乃至14行)

(コ)
「センタでは、現在どの候補者まで連絡を取っているかなどの進捗状況を管理し、センターの画面に表示する。また、最終的に誰にも連絡がつかない場合や、候補者全員が駆けつけ不可であった場合、センタへはアラームを発する。一方、センタからお客様の所へ駆け付けるように連絡を受けた作業員は、PDAやノートPCなどのモバイル端末によりセンタへアクセスし、依頼内容(メールやWebなどで伝達する)やお客様の住所などを確認する。また、作業員はお客様への対応が無事終了すると、日報などの報告書をセンタへ送信する。」
(第32頁中上欄第15行から同頁右上欄第14行)


以上の引用例1の記載によれば、引用例1には以下の事項が開示されていると認められる。


(a)
引用例1の上記(イ)の
「これまで、主にOA機器のメンテナンスやエレベータの保守などのメンテナンス業務に活用されてきているが、フィールドで活躍する作業員の現在位置が電子地図上に表示されるため、お客様に近いエンジニアを容易に選択することができるようになる。
ロケーションマネージャーの導入事例では、最大規模で約700名の保守員にPHS端末を持たせ、お客様の派遣依頼に対し、最適な人員を派遣するためのツールとして活用されている。」
という記載、
(なお、「OA機器」や「エレベータ」が設備の一種であることは明らかである。)

引用例1の上記(オ)の「現在、NTTデータで開発を進めている「状況適応型手配支援システム」では、以下の機能により、手配の自動化を実現する(図2)。」という記載から、

引用例1には、「複数の設備のメンテナンス業務を支援する状況適応型手配支援システム」が開示されていると認められる。


(b)
上記(a)の「複数の設備のメンテナンス業務を支援する状況適応型手配支援システム」という開示、

引用例1の上記(カ)の「図2 状況適応型手配支援システム」によれば、「手配支援サーバー」は「受付DB」を介して「故障状況」というデータを受信していることが図示されていること、

コンピュータがデータを受信するためには通信手段を必要とすることは情報処理分野における技術常識であることから、

引用例1には、「前記設備の故障状況を受信する通信手段」が開示されていると認められる。


(c)
引用例1の上記(ア)の
「ロケーションマネージャーは、ドコモの提供するPHS位置情報サービスセンタから緯度経度等の位置情報を取得し、1,000台程度までのPHS端末の現在位置をパソコン等の電子地図上に表示することができる(図1)。
この位置情報はオフィス内のLAN上のパソコンだけではなく、屋外で活動するスタッフの所持するモバイルパソコンの電子地図上にドコモの「いまどこサービス」に契約されたPHS端末を持っている人の位置を表示することができる。」
という記載、

引用例1の上記(イ)の「これまで、主にOA機器のメンテナンスやエレベータの保守などのメンテナンス業務に活用されてきているが、フィールドで活躍する作業員の現在位置が電子地図上に表示されるため、お客様に近いエンジニアを容易に選択することができるようになる。」という記載、

引用例1の上記(ウ)の「NTTデータでは、「位置情報」活用のファーストステップとして「位置情報」を表示するロケーションマネージャーを展開してきたが、次の段階としては、「位置情報」を利用し、応用したシステムの展開を考え、そのソリューションのひとつとして、「自動手配」への適用を試みている。」という記載、

コンピュータがデータを受信するためには、通信手段を必要とすることは情報処理分野における技術常識であることから、

引用例1には、「作業員の現在位置を受信する通信手段」が開示されていると認められる。


(d)
上記(c)の「作業員の現在位置を受信する通信手段」という開示、

引用例1の上記(ウ)の「NTTデータでは、「位置情報」活用のファーストステップとして「位置情報」を表示するロケーションマネージャーを展開してきたが、次の段階としては、「位置情報」を利用し、応用したシステムの展開を考え、そのソリューションのひとつとして、「自動手配」への適用を試みている。」という記載、

引用例1の上記(エ)の「前述のメンテナンス業務においては、故障などのお客様から派遣の依頼があった場合、どの作業員を派遣するかを決定するときに、様々な要因を考慮しなければならない。作業者の位置/お客様の位置/道路状況/といった地理的条件のほかに、作業員のスキル(該当機種に対応できるかなど)、スケジュール/稼働状況など、判断条件は複雑です。お客様から電話を受け付けたセンターでは、これら複雑な状況を判断し、作業員をピックアップし、連絡を取るといった作業をこなさなければならない。」という記載、

コンピュータが情報処理を行うためには、各種データをデータベースなどの記憶手段に記憶しておく必要があることは情報処理分野における技術常識であることから、

引用例1には、
「お客様の位置を記憶するデータベースと、
前記作業員のスキルを記憶するデータベース」
が開示されていると認められる。


(e)
上記(b)の「前記設備の故障状況を受信する通信手段」という開示、

上記(c)の「作業員の現在位置を受信する通信手段」という開示、

上記(d)の
「お客様の位置を記憶するデータベースと、
前記作業員のスキルを記憶するデータベース」
という開示、

引用例1の上記(ウ)の「NTTデータでは、「位置情報」活用のファーストステップとして「位置情報」を表示するロケーションマネージャーを展開してきたが、次の段階としては、「位置情報」を利用し、応用したシステムの展開を考え、そのソリューションのひとつとして、「自動手配」への適用を試みている。」という記載、

引用例1の上記(エ)の「前述のメンテナンス業務においては、故障などのお客様から派遣の依頼があった場合、どの作業員を派遣するかを決定するときに、様々な要因を考慮しなければならない。作業者の位置/お客様の位置/道路状況/といった地理的条件のほかに、作業員のスキル(該当機種に対応できるかなど)、スケジュール/稼働状況など、判断条件は複雑です。お客様から電話を受け付けたセンターでは、これら複雑な状況を判断し、作業員をピックアップし、連絡を取るといった作業をこなさなければならない。」という記載、
(なお、メンテナンス業務という業務内容、及び「作業員のスキル(該当機種に対応できるかなど)」という記載から、「設備の故障状況」が判断条件に含まれることは明らかである。)

引用例1の上記(カ)の「図2 状況適応型手配支援システム」には、
・「手配支援サーバー」から、「文字で指示内容を確認」できるように「作業者A」のPDAに「モバイルデータ通信」によって送信したり、「ポケベルへアラームメッセージ送信」したりすること、
・「手配支援サーバー」から、「文字・画像で指示内容を確認」できるように「作業者B」のノート型PCに「モバイルデータ通信」によって送信したり、「ポケベルへアラームメッセージ送信」したりすること、
が図示されていること、

引用例1の上記(オ)の「現在、NTTデータで開発を進めている「状況適応型手配支援システム」では、以下の機能により、手配の自動化を実現する(図2)。」 という記載、
(なお、当該「以下の機能」には、引用例1の上記(キ)の「(1)候補者選出機能」、上記(ク)の「(2)自動連絡機能」、上記(ケ)の「(3)連絡進捗確認/送達確認機能」が含まれる。)

引用例1の上記(キ)の
「(1)候補者選出機能
以下の条件により、候補者を抽出し、連絡をとる順番を自動計算します。
・位置情報(作業者の位置及びお客様の位置)
・作業員のスキル
・作業員のスケジュール」
という記載、

引用例1の上記(ク)の
「(2)自動連絡機能
(1)の機能により選択された作業員の携帯電話、PHS、ポケベルなどに自動連絡をする。」
という記載、

引用例1の上記(ケ)の
「(3)連絡進捗確認/送達確認機能
電波状況や作業情報などの要因で、連絡を取っている作業員から応答がない場合や、手配連絡を確認した作業員が駆けつけ不可の連絡を返した場合、自動的に次の候補者へ連絡する。」
という記載から、

引用例1には、「前記設備の故障状況およびお客様の位置、前記作業員の現在位置及びスキルを用いて判断し、手配連絡を送信する作業員を決定する自動手配手段」が開示されていると認められる。


(f)
上記(e)の「前記設備の故障状況およびお客様の位置、前記作業員の現在位置及びスキルを用いて判断し、手配連絡を送信する作業員を決定する自動手配手段」という開示、

引用例1の上記(コ)の
「一方、センタからお客様の所へ駆け付けるように連絡を受けた作業員は、PDAやノートPCなどのモバイル端末によりセンタへアクセスし、・・・」という記載、

コンピュータがデータを送信するためには、通信手段を必要とすることは情報処理分野における技術常識であることから、

引用例1には、「前記決定された作業員に対応するモバイル端末に前記手配連絡を送信する通信手段」が開示されていると認められる。


(g)
上記(e)の「前記設備の故障状況およびお客様の位置、前記作業員の現在位置及びスキルを用いて判断し、手配連絡を送信する作業員を決定する自動手配手段」という開示、

上記(f)の「前記決定された作業員に対応するモバイル端末に前記手配連絡を送信する通信手段」という開示、

引用例1の上記(カ)の「図2 状況適応型手配支援システム」には、
・「手配支援サーバー」から、「文字で指示内容を確認」できるように「作業者A」のPDAに「モバイルデータ通信」によって送信したり、「ポケベルへアラームメッセージ送信」したりすること、
・「手配支援サーバー」から、「文字・画像で指示内容を確認」できるように「作業者B」のノート型PCに「モバイルデータ通信」によって送信したり、「ポケベルへアラームメッセージ送信」したりすること、
が図示されていること、

引用例1の上記(オ)の「現在、NTTデータで開発を進めている「状況適応型手配支援システム」では、以下の機能により、手配の自動化を実現する(図2)。」 という記載、
(なお、当該「以下の機能」には、引用例1の上記(ケ)の「(3)連絡進捗確認/送達確認機能」が含まれる。)

引用例1の上記(ケ)の
「(3)連絡進捗確認/送達確認機能
電波状況や作業情報などの要因で、連絡を取っている作業員から応答がない場合や、手配連絡を確認した作業員が駆けつけ不可の連絡を返した場合、自動的に次の候補者へ連絡する。」
という記載、
(なお、「作業員が駆けつけ不可の連絡」を返している事例が例示されているのであるから、駆けつけ可能か否かという作業員の意思選択を求める情報を作業員が持つモバイル端末に表示することによって、作業員に当該意思選択を入力させていることは明らかである。)

コンピュータがデータを送信するためには、通信手段を必要とすることは情報処理分野における技術常識であることから、

引用例1には、
「前記手配連絡に基づき前記作業員が駆けつけ可能か否かという意思選択を求める情報をモバイル端末に表示する表示手段と、
前記表示された意思選択を求める情報に対し前記作業員の意思選択を受付ける入力手段と、
前記意思選択を前記自動手配手段に送信する通信手段」
が開示されていると認められる。


(h)
上記(e)の「前記設備の故障状況およびお客様の位置、前記作業員の現在位置及びスキルを用いて判断し、手配連絡を送信する作業員を決定する自動手配手段」という開示、

上記(g)の
「前記手配連絡に基づき前記作業員が駆けつけ可能か否かという意思選択を求める情報をモバイル端末に表示する表示手段と、
前記表示された意思選択を求める情報に対し前記作業員の意思選択を受付ける入力手段と、
前記意思選択を前記自動手配手段に送信する通信手段」
という記載、

引用例1の上記(オ)の「現在、NTTデータで開発を進めている「状況適応型手配支援システム」では、以下の機能により、手配の自動化を実現する(図2)。」 という記載、
(なお、当該「以下の機能」には、引用例1の上記(ケ)の「(3)連絡進捗確認/送達確認機能」が含まれる。)

引用例1の上記(ケ)の
「(3)連絡進捗確認/送達確認機能
電波状況や作業情報などの要因で、連絡を取っている作業員から応答がない場合や、手配連絡を確認した作業員が駆けつけ不可の連絡を返した場合、自動的に次の候補者へ連絡する。」
という記載から、

引用例1には、「前記自動手配手段は、前記意思選択を用いて手配連絡を送信する作業員の決定を再度行う」ことが開示されている。


以上の引用例1の記載によれば、引用例1には下記の発明(以下、「引用例1発明」という。)が開示されていると認められる。

「複数の設備のメンテナンス業務を支援する状況適応型手配支援システムにおいて、
前記設備の故障状況を受信する通信手段と、
作業員の現在位置を受信する通信手段と、
お客様の位置を記憶するデータベースと、
前記作業員のスキルを記憶するデータベースと、
前記設備の故障状況およびお客様の位置、前記作業員の現在位置及びスキルを用いて判断し、手配連絡を送信する作業員を決定する自動手配手段と、
前記決定された作業員に対応するモバイル端末に前記手配連絡を送信する通信手段と、
前記手配連絡に基づき前記作業員が駆けつけ可能か否かという意思選択を求める情報をモバイル端末に表示する表示手段と、
前記表示された意思選択を求める情報に対し前記作業員の意思選択を受付ける入力手段と、
前記意思選択を前記自動手配手段に送信する通信手段とを備え、
前記自動手配手段は、前記意思選択を用いて手配連絡を送信する作業員の決定を再度行うことを特徴とする状況適応型手配支援システム。」



3.対比

本願発明と引用例1発明とを対比する。

(1)
引用例1発明の
「メンテナンス業務」、
「意思選択」、
「モバイル端末」は、それぞれ、

本願発明の
「保守管理業務」、
「選択」、
「情報端末」に相当する。


(2)
本願の特許請求の範囲の請求項5に、
「請求項1において、
前記設備の状況データは、前記設備から発信される警報、故障発生信号または自己監視機能の出力であることを特徴とする保守作業業務支援システム。」
と記載されていることから、本願発明の「設備の状況データ」とは、「前記設備から発信される警報、故障発生信号または自己監視機能の出力」に例示されるような、設備の故障状況に関する情報であることは明らかである。

したがって、引用例1発明の「設備の故障状況」は、

本願発明の「設備の状況データ」に相当する。


(3)
本願の特許請求の範囲の請求項2に、
「請求項1において、
前記作業員の状況データとして、作業員の位置情報および作業有無を用いることを特徴とする保守作業業務支援システム。」
と記載されていることから、本願発明の「作業員の状況データ」とは、「作業員の位置情報」を含むものである。

したがって、引用例1発明の「作業員の現在位置」は、

本願発明の「作業員の状況データ」に相当する。


(4)
本願の特許請求の範囲の請求項6に、
「請求項1において、
前記設備の属性データは、前記設備の位置情報,稼動休止状態または管理責任部署であることを特徴とする保守作業業務支援システム。」
と記載されていることから、本願発明の「設備の属性データ」とは、「設備の位置情報」を含むものである。

しかも、メンテナンス業務における「お客様の位置」がメンテナンス業務の対象となる設備の位置と関連付けられていることは世間常識である。

したがって、引用例1発明の「お客様の位置」は、

本願発明の「設備の属性データ」に相当する。


(5)
本願の特許請求の範囲の請求項4に、
「請求項1において、
前記作業員の属性データは、前記作業員の所属部署情報または保有技術免許であることを特徴とする保守作業業務支援システム。」
と記載されていることから、本願発明の「作業員の属性データ」とは、「前記作業員の所属部署情報または保有技術免許」に例示されるような、作業員のスキルに関する情報であることは明らかである。

したがって、引用例1発明の「作業員のスキル」は、

本願発明の「作業員の属性データ」に相当する。


(6)
本願発明の「作業支援ガイダンス」とは、特許請求の範囲第1項の、
「・・・(前略)・・・
前記設備の状況データおよび属性データ、前記作業員の状況データおよび属性データを用いて前記業務ルールデータベースに記憶された業務ルールを選択し、作業支援ガイダンスの作成および前記作業支援ガイダンスを配信する作業員の選定を行うルール処理手段と、
・・・(中略)・・・
前記選定された作業員に対応する情報端末に前記作業支援ガイダンスを送信する通信手段と、
・・・(中略)・・・
前記作業支援ガイダンスに基づき前記作業員の意思または作業状況に関する選択肢を情報端末に表示する表示手段と、
前記表示された選択肢に対し前記作業員の選択を受付ける入力手段と、
・・・(中略)・・・とを備え、
前記ルール処理手段は、前記選択を用いて作業支援ガイダンスの作成および前記作業支援ガイダンスを配信する作業員の選定を再度行うことを特徴とする保守作業業務支援システム。」
という記載から、「作業員の意思」に関する選択肢を表示するものであることは明らかである。
しかも、当該「作業員の意思」とは、本出願明細書段落の、
「 【0038】
画面表示入力エージェント1007が、巡回員への意思決定支援画面および入力画面を実現する。画面入出力が必要となった巡回員には、この画面表示入力エージェント1007が配布される。このエージェントは、オンデマンドで配信されるページ記述言語などで表現された画面データ1008を表示する機能を有している。例えば、図5や図6のような入出力を備えた画面を扱うことができる。巡回員によって入力された値は、ページ記述言語の記載に従って変数に代入され、データ更新1009としてサーバにアップロードされる。サーバは、この更新データを、巡回員状況DBに属する画面情報として、画面データテーブル1006に格納する。」(なお、下線部は当審において付加)
という記載、及び、本出願の【図5】にある「近隣巡回員急行依頼アクション設定」に関する記載から、作業員への手配連絡に対する意思確認であることは明らかである。

したがって、引用例1発明の「手配連絡」は、

本願発明の「作業支援ガイダンス」に相当する。


(7)
引用例1発明の「複数の設備のメンテナンス業務を支援する状況適応型手配支援システム」は、

本願発明の「複数の設備の保守管理業務を支援する保守作業業務支援システム」に対応する。


(8)
引用例1発明の「前記設備の故障状況を受信する通信手段」と、

本願発明の
「前記設備の状況データを受信する通信手段と、
前記設備の状況データを記憶する格納部」とは、

「前記設備の状況データを受信する通信手段」で一致し、

本願発明では、受信した「前記設備の状況データを記憶する格納部」を備えているのに対し、引用例1発明では、「前記設備の状況データを記憶する格納部」を備えていることが明記されていない点、
で相違する。


(9)
引用例1発明の「作業員の現在位置を受信する通信手段」と、

本願発明の
「作業員の状況データを受信する通信手段と、
前記作業員の状況データを記憶する格納部」とは、

「作業員の状況データを受信する通信手段」で一致し、

本願発明では、受信した「前記作業員の状況データを記憶する格納部」を備えているのに対し、引用例1発明では、「前記作業員の状況データを記憶する格納部」を備えていることが明記されていない点、
で相違する。


(10)
引用例1発明の「お客様の位置を記憶するデータベース」は、

本願発明の「前記設備の属性データを記憶するデータベース」に相当する。


(11)
引用例1発明の「前記作業員のスキルを記憶するデータベース」は、

本願発明の「前記作業員の属性データを記憶するデータベース」に相当する。


(12)
引用例1発明の
「前記設備の故障状況およびお客様の位置、前記作業員の現在位置及びスキルを用いて判断し、手配連絡を送信する作業員を決定する自動手配手段」であって、
「前記自動手配手段は、前記選択を用いて手配連絡を送信する作業員を再度行う」ことと、

本願発明の
「業務ルールを記憶する業務ルールデータベースと、
前記設備の状況データおよび属性データ、前記作業員の状況データおよび属性データを用いて前記業務ルールデータベースに記憶された業務ルールを選択し、作業支援ガイダンスの作成および前記作業支援ガイダンスを配信する作業員の選定を行うルール処理手段と、
作成された作業支援ガイダンス及び前記作業支援ガイダンスを配信する作業員を記憶するデータベース」であって、
「前記ルール処理手段は、前記意思選択を用いて作業支援ガイダンスの作成および前記作業支援ガイダンスを配信する作業員の選定を再度行う」こととは、

「前記設備の状況データおよび属性データ、前記作業員の状況データおよび属性データを用いて、作業支援ガイダンスを配信する作業員の選定を行うルール処理手段」であって、
「前記ルール処理手段は、前記選択を用いて作業支援ガイダンスを配信する作業員の選定を再度行う」ことで一致し、

・本願発明では、「業務ルールを記憶する業務ルールデータベース」を備え、「前記業務ルールデータベースに記憶された業務ルールを選択」することによって、作業員の選定を行っているのに対し、引用例1発明では、「業務ルールデータベース」によって作業員の選定を行っているのか不明である点、
・本願発明では、「作業支援ガイダンスの作成」を行うのに対し、引用例1発明では、「作業支援ガイダンスの作成」を行うことが明記されていない点、
・そのため、本願発明では、「作成された作業支援ガイダンス及び前記作業支援ガイダンスを配信する作業員を記憶するデータベース」を備えているのに対し、引用例1発明では、「作成された作業支援ガイダンス及び前記作業支援ガイダンスを配信する作業員を記憶するデータベース」を備えることが明記されていない点、
で相違する。


(13)
引用例1発明の「前記決定された作業員に対応するモバイル端末に前記手配連絡を送信する通信手段」と、

本願発明の
「前記選定された作業員に対応する情報端末に前記作業支援ガイダンスを送信する通信手段と、
送信された前記作業支援ガイダンスを記憶する情報端末のデータベース部」とは、

「前記選定された作業員に対応する情報端末に前記作業支援ガイダンスを送信する通信手段」で一致し、

本願発明では、「送信された前記作業支援ガイダンスを記憶する情報端末のデータベース部」を備えているのに対し、引用例1発明では、「送信された前記作業支援ガイダンスを記憶する情報端末のデータベース部」を備えていることが明記されていない点、
で相違する。


(14)
本願発明の「前記作業支援ガイダンスに基づき前記作業員の意思または作業状況に関する選択肢を情報端末に表示する表示手段」という規定では、
「前記作業支援ガイダンスに基づき前記作業員の意思・・・に関する選択肢を情報端末に表示する表示手段」である場合を発明特定事項として含むことから、

引用例1発明の
「前記手配連絡に基づき前記作業員が駆けつけ可能か否かという意思選択を求める情報をモバイル端末に表示する表示手段と、
前記表示された意思選択を求める情報に対し前記作業員の意思選択を受付ける入力手段と、
前記意思選択を前記自動手配手段に送信する通信手段」と、

本願発明の
「前記作業支援ガイダンスに基づき前記作業員の意思または作業状況に関する選択肢を情報端末に表示する表示手段と、
前記表示された選択肢に対し前記作業員の選択を受付ける入力手段と、
前記選択を記憶する情報端末のデータベースと、
前記選択を前記ルール処理手段に送信する通信手段」とは、


「前記作業支援ガイダンスに基づき前記作業員の意思または作業状況に関する選択を求める情報を情報端末に表示する表示手段と、
前記表示された選択を求める情報に対し前記作業員の選択を受付ける入力手段と、
前記選択を前記ルール処理手段に送信する通信手段」で一致し、

・本願発明では、「選択肢」を用いて情報表示及び情報入力を行わしめているのに対し、引用例1発明では、その点が不明瞭である点、
・本願発明では、「前記選択を記憶する情報端末のデータベース」を備えているのに対し、引用例1発明では、「前記選択を記憶する情報端末のデータベース」を備えていることが明記されていない点、
で相違する。


(15)
以上のことから、本願発明と引用例1発明とは、

「前記選択を前記ルール処理手段に送信する通信手段において、
前記設備の状況データを受信する通信手段と、
作業員の状況データを受信する通信手段と、
前記設備の属性データを記憶するデータベースと、
前記作業員の属性データを記憶するデータベースと、
前記設備の状況データおよび属性データ、前記作業員の状況データおよび属性データを用いて、作業支援ガイダンスを配信する作業員の選定を行うルール処理手段と、
前記選定された作業員に対応する情報端末に前記作業支援ガイダンスを送信する通信手段と、
前記作業支援ガイダンスに基づき前記作業員の意思または作業状況に関する選択を求める情報を情報端末に表示する表示手段と、
前記表示された選択を求める情報に対し前記作業員の選択を受付ける入力手段と、
前記選択を前記ルール処理手段に送信する通信手段とを備え、
前記ルール処理手段は、前記選択を用いて作業支援ガイダンスを配信する作業員の選定を再度行うことを特徴とする保守作業業務支援システム。」

という点で一致し、

(相違点1)
本願発明では、受信した「前記設備の状況データを記憶する格納部」を備えているのに対し、引用例1発明では、「前記設備の状況データを記憶する格納部」を備えていることが明記されていない点、


(相違点2)
本願発明では、受信した「前記作業員の状況データを記憶する格納部」を備えているのに対し、引用例1発明では、「前記作業員の状況データを記憶する格納部」を備えていることが明記されていない点、


(相違点3)
・本願発明では、「業務ルールを記憶する業務ルールデータベース」を備え、「前記業務ルールデータベースに記憶された業務ルールを選択」することによって、作業員の選定を行っているのに対し、引用例1発明では、「業務ルールデータベース」によって作業員の選定を行っているのか不明である点、

及び、

・本願発明では、「作業支援ガイダンスの作成」を行うのに対し、引用例1発明では、「作業支援ガイダンスの作成」を行うことが明記されていない点、

そのため、

本願発明では、「作成された作業支援ガイダンス及び前記作業支援ガイダンスを配信する作業員を記憶するデータベース」を備えているのに対し、引用例1発明では、「作成された作業支援ガイダンス及び前記作業支援ガイダンスを配信する作業員を記憶するデータベース」を備えることが明記されていない点、


(相違点4)
本願発明では、「送信された前記作業支援ガイダンスを記憶する情報端末のデータベース部」を備えているのに対し、引用例1発明では、「送信された前記作業支援ガイダンスを記憶する情報端末のデータベース部」を備えていることが明記されていない点、


(相違点5)
本願発明では、「選択肢」を用いて情報表示及び情報入力を行わしめているのに対し、引用例1発明では、その点が不明瞭である点、

(相違点6)
本願発明では、「前記選択を記憶する情報端末のデータベース」を備えているのに対し、引用例1発明では、「前記選択を記憶する情報端末のデータベース」を備えていることが明記されていない点、


で相違する。



4.判断

(1)相違点1について

受信したデータを格納部などの記憶手段に一旦格納しておくことは、情報処理分野における周知技術である。

したがって、引用例1発明に対して、当該周知技術を適用することによって、受信した「前記設備の状況データを記憶する格納部」を備えるように構成することは、当業者が容易に想到し得ることである。


(2)相違点2について

受信したデータを格納部などの記憶手段に一旦格納しておくことは、情報処理分野における周知技術である。

したがって、引用例1発明に対して、当該周知技術を適用することによって、受信した「前記作業員の状況データを記憶する格納部」を備えるように構成することは、当業者が容易に想到し得ることである。


(3)相違点3について

所定の作業を自動化するために、作業ルールを記憶するルールデータベースを用意した上で、与えられたデータに合致する作業ルールを選択することによって、行うべき作業を決定することは、
情報処理分野における周知技術(例えば、原査定の拒絶の理由に引用文献6として引用された特開平11-265368号公報(特に、【図3】等に記載された「優先度ノウハウデータベース4」に関する記載)を参照)であるから、
引用例1発明に対して、当該周知技術を適用することによって、
「業務ルールを記憶する業務ルールデータベース」を備え、「前記業務ルールデータベースに記憶された業務ルールを選択」することによって、作業員の選定を行うように構成することは、当業者が容易に想到し得ることである。

また、引用例1発明において「モバイル端末に前記手配連絡を送信する」場合、送信する「手配連絡」として、宛先(「作業者」)や行き先(「お客様の位置」又は「設備の位置」)などの情報が必要となることは技術常識である。
そして、宛先と行き先の組み合わせは多数あることから、当該組み合わせの全てを網羅した手配連絡を事前に作成しておくことは、非現実的であることを鑑みれば、
例えば、情報処理分野(特に、文書処理分野)における周知のテンプレート(決まったレイアウトや定型文が入力されていて、必要な情報を入力したり修正したりするだけで完成するひな形のこと。)を利用する等して、決定された宛先と行き先に基づいて手配連絡を(その都度)作成するように構成することは、当業者が容易に想到し得ることである。

その際、作成されたデータを、その後の処理で利用可能とするべくデータベース部などの記憶手段に格納しておくことは、情報処理分野における周知技術であるから、
引用例1発明においても、作成された作業支援ガイダンス及び前記作業支援ガイダンスを配信する作業員というデータを、その後の処理で利用可能とするべく、
引用例1発明に対して、当該周知技術を適用することによって、「作成された作業支援ガイダンス及び前記作業支援ガイダンスを配信する作業員を記憶するデータベース」を備えるように構成することは、当業者が容易に想到し得ることである。


(4)相違点4について

情報端末に送信されたデータ(情報端末が受信したデータ)をデータベース部などの記憶手段に格納しておくことは、情報処理分野における周知技術である。

したがって、引用例1発明に対して、当該周知技術を適用することによって、「送信された前記作業支援ガイダンスを記憶する情報端末のデータベース部」を備えるように構成することは、当業者が容易に想到し得ることである。


(5)相違点5について

「選択肢」を用いた情報表示及び情報入力を行うことによって操作者の情報入力を容易にする技術は、情報処理分野における周知技術である。

したがって、引用例1発明に対して、当該周知技術を適用することによって、「選択肢」を用いて情報表示及び情報入力を行わしめるように構成することは、当業者が容易に想到し得ることである。


(6)相違点6について

入力されたデータをデータベースなどの記憶手段に一旦格納しておくことは、情報処理分野における周知技術である。

したがって、引用例1発明に対して、当該周知技術を適用することによって、「前記選択を記憶する情報端末のデータベース」を備えるように構成することは、当業者が容易に想到し得ることである。



5.むすび

したがって、本願発明は、引用例1発明および周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2009-05-14 
結審通知日 2009-05-19 
審決日 2009-06-01 
出願番号 特願2002-263563(P2002-263563)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06Q)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 金子 幸一  
特許庁審判長 田口 英雄
特許庁審判官 立川 功
和田 財太
発明の名称 保守作業業務支援システム  
代理人 井上 学  

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