• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G01N
管理番号 1200909
審判番号 不服2009-1833  
総通号数 117 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-09-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-01-23 
確定日 2009-07-16 
事件の表示 特願2008-205228「試料作製方法」拒絶査定不服審判事件〔平成20年10月30日出願公開、特開2008-261892〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1 手続の経緯・本願発明
本願は,平成12年11月6日に出願した特願2000-342372号の一部を,平成20年8月8日に新たな特許出願としたものであって,平成20年12月17日付けで拒絶査定がされ,これに対し,平成21年1月23日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
そして,本願の請求項1乃至9に係る発明は,平成20年11月25日付けの手続補正書によって補正された特許請求の範囲の請求項1乃至9に記載された事項により特定されるとおりのものであって,その請求項1に係る発明は次のとおりのものと認める(以下「本願発明」という)。

「【請求項1】
集束イオンビームの照射光学系を備えた試料作製装置を用いた試料作製方法であって、
水平面に対して30度から75度傾斜した集束イオンビームを水平の試料載置面に載置された試料に照射して、深さ方向に傾斜した切り欠き溝を試料に形成し、
集束イオンビーム照射軸と試料載置面とのなす角を固定して、試料載置面に対する垂直軸を回転軸として試料ステージを約180°回転させ、
集束イオンビーム照射軸と試料載置面とのなす角を固定して、集束イオンビームを試料に照射し、深さ方向に傾斜した切り欠き溝を試料に形成して微小試料の底を作成し、試料から微小試料を集束イオンビームの照射により分離または分離準備する試料作製方法。」

2 引用例
(1)引用例1
原査定の拒絶の理由に引用された,本願出願日前に頒布された刊行物である,国際公開第99/05506号(以下,「引用例1」という。)には,図面とともに次の事項が記載されている。(下線は当審にて付加した。)

(ア)「技術分野
本発明は、試料作製方法及び装置、さらに詳しくは、半導体ウエハや半導体デバイスチップ等からそれらの特定微小領域を含む微小試料片をイオンビームを用いて分離摘出し、上記特定微小領域の観察,分析,計測を行なうための試料を作製する方法及びそのための装置に関する。」(明細書第1頁第5行目から第9行目。)

(イ)「発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態について、実施例を挙げ、図面を参照して詳細に説明する。
<実施例1>
図1に、本発明による試料作製方法を実施するために用いられる試料作製装置の一実施例の基本構成を示す。
本実施例になる試料作製装置は、試料(観察対象)である半導体ウエハや半導体チップ等の基板2にイオンビーム13を照射するイオンビーム照射光学系1,基板2を載置して移動させる試料台3,基板2の観察しようとする箇所(観察領域)を特定するために試料台3の位置を制御する試料台位置制御装置3',プローブ11を保持して移動させるプローブ駆動装置4,プローブ駆動装置4を制御するプローブ駆動制御装置4',基板2の上記観察領域近傍に堆積性ガス(デポガス)を供給するためのデポガス供給源8,デポガス供給源8を制御するデポガス供給制御装置8',基板2表面に電子ビーム16を照射するための電子ビーム照射光学系9,および、基板2表面から放出される2次電子を検出する2次電子検出器12を含んで構成されている。なお、イオンビーム照射光学系1,試料台3,プローブ駆動装置4,デポガス供給源8,電子ビーム照射光学系9,および2次電子検出器12は、高真空排気される真空室77内に配置されていることは云うまでもない。
試料台3は、基板2を載置するための試料カセット17とこの試料カセットを固定保持するためのカセットホルダ18とから構成されている。また、試料台3上には基板2から分離された試料片を保持してTEM等の観察/分析装置(図示せず)内に導入するための試料片ホルダ(以下TEMホルダと云う)19を保持するためのホルダ保持具20が設けられている。試料台3は、試料台位置制御装置3'によって駆動制御され、基板2の3次元方向位置および基板2表面のイオンビーム軸に対する傾き角並びに回転方向角度を任意に設定できる。これによって、基板2表面上でのイオンビーム照射位置(加工位置)および基板2表面に対するイオンビームの照射角度並びに回転方向角度を任意に設定できる。
イオンビーム照射光学系1は、基板2の上記観察領域の周囲にイオンビーム13を照射して、イオンビームスパッタ加工法によって上記観察領域を含む試料片を分離する(切り出す)ために用いられる。また、イオンビーム13は、上記観察領域近傍の基板2表面にイオンビームアシストデポジション法(以下、IBAD法と略記する)によってプローブ11の先端部を固定接続する細のアシストイオンビームとして、および、基板2から分離された試料片をTEMホルダ19にIBAD法により固定接続する際のアシストイオンビームとして、さらには、TEMホルダ19に固定接続された試料片からプローブ11の先端部をイオンビームスパッタ加工法により分離する(切り離す)際の加工用イオンビームとしても用いられる。イオンビーム照射光学系1は、イオンビーム駆動装置7によって駆動制御される。
プローブ駆動装置4は、プローブ11先端部を基板2の観察領域近傍に接触させたり、基板2から分離された試料片をプローブ11先端部に固定接続してTEMホルダ19まで搬送したりするための、いわゆるマニュピュレータである。プローブ駆動装置4は、プローブ駆動制御装置4'により駆動制御される。
・・・
以下、上記試料作製装置の各部の具体的な構成、並びに、本装置を用いての試料作製方法の各工程について詳述する。
[イオンビーム照射光学系]
・・・
図5Cは、基板加工に集束イオンビームを用いる集束イオンビーム(FIB)照射光学系1の要部構成を示す。イオン源41から放出されたイオンビームをビーム制限アパーチャ42'、イオンビームの拡がりを抑制したり集束させたりする集束レンズ49,イオンビームを基板2上に集束させる対物レンズ50を通すことで集束イオンビーム52を形成する。この集束イオンビーム52を偏向器51を用いて基板2上で走査することにより、走査形状に合わせて基板2を加工する。このように集束イオンビーム(FIB)を用いる場合は、精密な加工が可能であり、また、基板2表面等の観察手段としても兼用できる。ただし、精密加工のために集束イオンビームの集束性を高く保つためには、色収差や球面収差を抑えるためにビーム制限アパーチャ42'によりイオンビームの開口角を制限しなければならない。このため、ビーム電流量を大きく取ることは難しく、加工速度があまり大きくならないという欠点がある。なお、加工速度を増すには、基板表面に反応性ガスを供給しながらスパッタを行なう集束イオンビームアシストエッチング法等の手法を用いてもよい。集束イオンビームを観察手段としても用いるには、集束イオンビーム52によって基板2表面を走査し、基板2表面からの2次電子53を2次電子検出器12で検出して、画像化表示させればよい。
上述したように、試料加工用イオンビームとして、PJIBを用いると高速加工が実現でき、FIBを用いると精密加工の実現及び観察手段としての兼用ができるという利点がある。
・・・
[TEMホルダ]
・・・
試料片40を基板2から分離するためには、試料片40の底面と基板2との分離(以下底浚いと呼ぶ)が必要であるが、イオンビームによる底浚いでは、基板表面に対してイオンビームを斜め方向から入射させて加工を行なうため、試料片40の底面には底浚い時のビーム入射角と加工アスペクト比からなる傾斜が付いている。
・・・
[イオンビーム加工による試料片の摘出]
試料片40を基板2から分離するためには、前述した底浚い加工の技術が必要である。この底浚い加工には、次の4つの方法がある。
第1の方法は、図1で示したように、加工用ビームとして1つのPJIB光学系からのイオンビーム(PJIB)のみを用いる方法であり、試料台3を傾斜させて基板2表面に対し斜め方向からPJIBを照射することにより、所望の底浚い加工を行なう。この方法は、先に図4で説明した方法、または、後ほど図17において説明する方法と同じである。
第2の方法は、図5Cで示したように、加工用のイオンビームとして集束イオンビーム(FIB)を用いる方法であり、この場合にも、上記第1の方法と同様に、試料台3を傾斜させて、FIBを斜め方向から照射(走査)することにより、試料片摘出のための底浚い加工を行なう。
第3の方法は、図15に示すように、試料基板2表面に所要深さの垂直溝を形成するための第1のPJIB光学系(カラムI)1の他に、上記した底浚い加工専用の斜方向に設置した第2のPJIB光学系(カラムII)97を設けて、該カラムIIを用いて所望の底浚い加工を行なう。斜方向のカラムIIとして、PJIB光学系の代わりにFIB光学系を用いてもよい。
・・・
上記した底浚い加工を行なうことで、基板2の上部の浅い領域だけの微小試料片を形成することができるため、加工時間が短くなる。特に、底浚い加工に上記した応力印加による剪断分離法を用いることにより、高速に試料片を分離摘出することができる。」(明細書第12頁第1行目から第26頁第5行目。)

(ウ)「<実施例5>
試料基板から微小試料片を摘出するためには、摘出する試料片の底面を基板から分離する工程(以下、底浚い工程と呼ぶ)が必須である。先に図4で説明した従来のFIBによる底浚い加工法(公知文献3参照)では、基板2表面に対し斜め方向からFIBを照射して底浚い加工をするため、摘出された試料片40の底面には、底浚い加工時のビーム入射角と加工アスペクト比によって決まる傾斜がつく。上記従来法では、底浚いする(分離用の溝34を形成する)ために、試料基板を大きく(約70゜)傾斜させている。FIBの集束性から要求される対物レンズと試料基板との間隔を考慮すると、このような大傾斜はFIB性能を劣化させてしまい、満足な加工ができないと推察される。通常用いられているFIB装置性能を維持するには、試料基板傾斜角は60゜程度が限度である。また、直径300mmにも及ぶ大口径ウエハ用の試料ステージを70゜も大きく傾斜させることは、機構的にも非常に困難である。また、たとえ70゜の大傾斜が可能であったとしても、摘出試料片の底面は20゜の傾斜を持つため、この摘出試料片を試料ホルダの水平保持面上に搭載すると、試料片表面は試料ホルダの水平保持面に対し20゜も傾斜してしまうことになり、該試料片にその表面に対しほぼ垂直な溝やウォールを形成することが困難となる。試料基板表面に対してほぼ垂直な溝やウォールを形成するためには、この試料片底面の傾斜を小さくし、試料片底面を試料片表面に平行に近くすることが必須である。しかし、そのためには、上述の底浚い加工時の試料基板の傾斜角をさらに大きくしなければならず、これは上述した装置構成上の制約からさらに困難になる。従って、本発明で目指すような摘出試料片を別の部材(試料ホルダ)上に搭載して観察装置や分析装置内に導入するためには、水平底面(または垂直側面)が形成できるような別の底浚い方法を検討しなければならない。(但し、公知文献3では、摘出試料片を試料ホルダ等に搭載することなく、試料移送装置のプローブ先端部に固定保持したままで観察しているため、試料底面の形状には何ら影響されない。)
このような状況から、本実施例では、試料台を極端に大きく傾斜させることなくして、底浚い加工法により微小試料を摘出できる方法を検討した。
以下に本実施例による試料作製方法の具体的手順について説明する。ここでは、TEM観察用試料の作製方法を例にとり、TEM観察すべき領域のマーキングから最終的なウォール加工までの全てをFIBを用いて行なう方法について説明する。また、手順を明確にするために、以下幾つかの工程に分けて、図27を用いて説明する。
(1)マーキング工程:
本試料作製方法では、試料基板からTEM観察すべき領域を含んだ微小試料片を分離摘出することを前提としている。このため、試料基板から分離摘出後の試料片にTEM観察すべき領域の薄片化加工(ウォール形成)を施す際に、上記のTEM観察すべき領域の位置が特定できなくなってしまうおそれがある。このため、観察領域の位置を特定するためのマーキングが必要となる。試料基板がウエハやチップそのままの状態では、CADデータ等からの位置割り出しや、光学顕微鏡像,走査イオン顕微鏡像(SIM像)等による位置確認が可能であるため、最初に試料基板上の観察領域(ウォール形成領域)にマーキングを施しておく。このマーキングは例えばウォール形成領域の両端にFIB加工やレーザ加工等でマークを施すことにより行なう。本実施例では、観察領域を挟んで10μm間隔で2個の十字状マーク134,134'を施した。上記2個のマーク間を結ぶ直線が試料台傾斜軸と平行になるように事前に試料台を回転調整しておく。また、このマーキング工程の際、ウオール146の保護の目的で、予めマーク134,134'間にデポジション膜(図示せず)を形成しておいてもよい。(図27の(a))
(2)矩形穴加工工程:
上記2個のマーク134,134'を結ぶ直線の延長上で、上記2個のマークの両外側にFIB135の照射により2個の矩形穴136,136'を設ける。この矩形穴の開口寸法は、例えば面積10μm×7μm,深さ15μm程度で、両矩形穴間の間隔は30μmとした。なお、短時間に穴加工ができるようにするために、ビーム径0.15μm程度,ビーム電流約10nAの大電流FIBで穴加工した。所要加工時間はおよそ7分であった。(図27の(a))
(3)垂直溝加工工程:
次に、上記マーク134,134'間を結ぶ直線より約2μmを隔てそれと平行に、かつ一端が矩形穴136'に達し他端が矩形穴136には僅かに達しないようにして、FIB走査によって幅約2μm,長さ約28μm,深さ約15μmの細長い垂直溝137を形成する。FIBの走査方向は、FIB照射により発生するスパッタ粒子が折角形成した垂直溝137や、矩形穴136,136'を埋めることがないようにする。一方の矩形穴136と垂直溝137との間に残された幅が2μm程度の残存領域138は、後に、上記観察領域を含む試料片40を試料基板2から分離する際、試料片40を仮保持しておくための支持部となる。(図27の(b))
(4)傾斜溝加工工程:
上記(2),(3)の工程で水平に保たれていた試料基板面を小さく傾斜(本例では20゜)させてから、上記マーク134,134'間を結ぶ直線から約2μmを隔てそれと平行に、かつ、先に形成した垂直溝137とは反対の側に、FIB照射によって傾斜溝139を形成する。ここで、上記した2個のマーク134,134'間を結ぶ直線は試料台(図示省略)の傾斜軸と平行に設定されているので、垂直溝137側に対し傾斜溝139側が上となるように試料基板面を傾斜させる。傾斜溝139は、両矩形穴136,136'間を結んで、幅約2μm,長さ約30μm,深さ約18μmで形成した。この際も、FIB照射により発生するスパッタ粒子が折角形成した矩形穴136,136'や垂直溝137や傾斜溝139を埋めることがないように留意する。傾斜溝139はその底部で先に形成した垂直溝137底部と交わり、その結果、マーク134,134'を含んだ、底部頂角が20゜の直角三角形断面のクサビ型試料片140が、支持部138だけを残し、試料基板2から分離され、支持部138によって片持ち支持された状態となる。(図27の(c))
(5)プローブ固定用デポ工程:
次に、試料基板面を水平に戻してから、試料片140の支持部138とは反対側端部に試料移送装置のプローブ141の先端部を接触させる。この接触状態は試料片140とプローブ141との間の導通や両者間の容量変化によって感知することができる。また、不注意なプローブ141の試料面への押付けにより試料片140やプローブ141が破損されるのを避けるために、プローブ141が試料片140に接触した時点で直ちにプローブ141の垂直方向駆動(押し下げ)を停止させる機能を設けておく。次いで、試料片140にプローブ141先端部を固定接続するために、プローブ141先端部を含む約2μm角の領域に、デポジション用ガスを供給しながら、FIB135を照射(走査)して、該FIB照射領域にデポ膜142を形成する。このデポ膜142を介してプローブ141先端部と試料片140とが固定接続される。(図27の(d),(e))
(6)試料片摘出工程:
試料片140を試料基板2から摘出するために、試料片140を仮保持している支持部138にFIB135を照射して、スパッタ加工により支持部138を除去して、試料片140を仮保持状態から開放させる。支持部134は、試料基板面上で2μm平方,深さ約15μmであるので、約2?3分のFIB照射(走査)で除去できる。これにより、試料片140は、試料基板2から完全に分離摘出された状態となる。(図27の(e),(f))
(7)摘出試料片移送(試料ステージ移動)工程:
次いで、試料基板2から分離摘出された試料片140をプローブ141先端部に固定接続した状態で試料ホルダ143上に移動させるが、これは、実際には試料台側を移動させて、該試料台上に載置された試料ホルダ143をFIB135の走査範囲内に移動させる。この時、不慮の事故を避けるため、試料片140をプローブ141とともに、矢印で示すように上方に退避させておく。ここで、試料台上への試料ホルダ143の設置方式には前述したように種々の方式があるが、本例では、サイドエントリ型のTEMステージ上に試料ホルダ143が設置されている場合を想定している。(図27の(f),(g))」(明細書第41頁第12行目から第45頁第13行目。)

(エ)また,図面第1図には,イオンビーム照射光学系1は,ステージが傾斜されていない,水平状態である試料に対し,垂直に配置され,図面第5C図には,イオンビーム照射光学系1の特に対物レンズ50の中心軸が,ステージが傾斜されていない,水平状態である試料に対し,垂直に配置されていることが示されている。

これらの記載から,引用例1には「集束イオンビーム(FIB)照射光学系を備えた試料作製装置を用いた試料作製方法であって,
水平状態である試料に対し垂直方向から集束イオンビームを水平に保たれている試料に照射して垂直溝を形成し,
試料面を小さく傾斜させ,
集束イオンビームが照射される方向は固定して,集束イオンビームを試料に照射して傾斜溝を形成し,傾斜溝はその底部で垂直溝底部と交わることでクサビ型試料片が試料から分離される試料作製方法。」の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。

(2)引用例5
原査定の拒絶の理由に引用された,本願出願日前に頒布された刊行物である,国際公開第99/41765号(以下,「引用例5」という。)には,図面とともに次の事項が記載されている。(日本語訳は,引用例5に対応する公表特許公報である特表2002-503870号公報の記載による。下線は当審にて付加した。)

(オ)「【0001】
発明の背景
本発明は、ワークを加工処理する(例えば、ワークの断面をエッチング及び結像する)ための集束粒子線システム及び方法に関わる。
【0002】
現在の集束粒子線(FIB)システムは、ワークに対して垂直に配向されたイオンビームコラムと、傾動式ワークステージとを一般に含む。こうしたシステムは、ワークに対する直角線からオフセットした電子コラムを含むこともできる。イオンコラムを用いてワークの断面を結像するには、現在のシステムでは、ワークにキャビティをエッチングして、更に、イオンビームがこのキャビティの側壁に衝突できるようにワークステージを傾動する。
【0003】
傾動式ステージを具備した既存のFIBシステムには幾つかの問題点がある。傾動式ワークステージは、FIBシステムのその他の多くの構成要素に比べるて大きく、システム全体が比較的嵩張るものになってしまう。このように嵩張ることは、クリーンルーム製作空間が高価なことから不利である。更に、傾動式ワークステージによりFIBシステムが不安定になるが、その理由は、傾動式ワークステージにより、FIBシステムが以下に詳しく述べるように低周波振動及び重力たるみを被りやすくなるからである。好ましくないことに、傾動式ワークステージの振動及び変化する形状が、レーザー干渉計などのシステムの構成部品の動作と干渉することがある。ワークの位置を正確に観測する補助に、レーザー干渉法を用いることができる。」(明細書第1頁第4行目から第21行目。)

(カ)「【0025】
本発明の一様態によれば、ワークと相互作用する第一粒子線源は、第一位置から第二位置へ傾動可能であって、この第一位置では、第一粒子線軸は第三軸に実質的に平行であって、第二位置では、第一粒子線軸は第三軸と角度をなす。この構成によれば、この粒子線システムは、ワークステージ軸を第三軸からオフセットすることなく、ワークの垂直断面をエッチング及び結像できる。」(明細書第4頁第25行目から第30行目。)

(キ)「【0038】
図示した実施例の詳細な説明
図1に示された、傾斜ビームコラム12を備えたシステム10は、サンプルにキャビティをエッチングして、ワークステージアッセンブリ25を傾動することなく垂直方向の断面を形成し、且つその垂直方向の断面を結像できる。図1は、ワーク30と相互作用を行うための本発明による集束粒子線システム10の一実施例を示す。図1のシステム10は、傾斜イオンコラム12と、真空室22と、ワークステージアッセンブリ25とを含む。システム10は、サンプルつまりワーク30(例えば、半導体デバイスを含んだウェーハ)の断面を正確にエッチング及び結像することが可能な集束粒子線システムである。サンプルは真空室22内部に設置され、また、傾斜イオンコラム12が発生した、断面像を形成するための粒子ビームによって加工される。これら像は、ウェーハ内に発見された材料欠陥を分析するのに用いられると共に、ウェーハを生産ラインから取り除くことなく時宜を得たデータをプロセス工学技術者に提供できる。
【0039】
イオンコラム12の一部は、真空室22の上方に位置し、この真空室はワークステージアッセンブリ25と、サンプルつまりワーク30と、二次粒子検出器28とを収容する。このシステムは、プロセッサ52と電子銃31とを具備したユーザ制御ステーション50を更に含む。
・・・
【0041】
図示したワークステージアッセンブリは、支持要素26と、支持要素回動アッセンブリ24とを含む。支持要素26は、第一軸13に沿って(例えば、水平面上において前後方向へ)、更に第二軸15に沿って(例えば、第一軸13に対して直角で、水平面上において左右方向へ)平行移動可能である。回動アッセンブリ24は、第一軸13及び第二軸15に対して垂直な第三軸17を中心として支持アッセンブリを回動させることができる。回動アッセンブリ24は、360度手動調節可能な回動要素23と、高速180度ハードストップ・ステージ回動要素27とを含むこともできる。イオンコラム12と、ワークステージアッセンブリ25と、二次粒子検出器28と、任意の電子銃31の動作は、制御ステーション50によって制御できる。
【0042】
図示したイオンコラム12は、その軸11が第三軸17からオフセットされるように垂直状態から傾斜している。言い換えれば、イオンコラム軸11は、第三軸17(この場合は、垂直軸)に対して鋭角35をなす。図示した実施例では、この角度35は45度である。電子銃31も、その軸21が第三軸17に対して鋭角36をなすように、垂直状態から傾斜させてもよい。図示した実施例では、この電子銃と第三軸との角度36は45度である。更に、イオンコラム軸11は第三軸17と共に第一垂直平面を形成し、電子銃軸21は第三軸17と共に第二垂直平面を形成する。好適な一実施例においては、第一平面は第二平面に対して実質的に垂直である。この構成は有利であり、その理由は、ワークを第三軸17を中心に回動させることなく、ワークをエッチングでき且つその垂直断面を結像できるからであり、更に、イオンコラム12及び電子銃31の目標点が実質的に一致する場合は、ワークを第一軸13と第二軸15とによって規定される平面上で平行移動させることなく、ワークをエッチングでき、且つその垂直断面を結像できるからである。
【0043】
例えば半導体デバイスを含んだウェーハなどのワーク又はサンプルは、15:1のアスペクト比を備えてたフィーチャーを含むことができる。図7を参照すると、構造体又はフィーチャーの少なくとも一部71が、ワーク30の垂直断面72に含まれている。構造体の露出部分71の高さ73は、その構造体の深さ又は幅の15倍であって良い。もしこの断面が十分に垂直(即ち、ワークが規定する平面に垂直)でなければ、問題の構造体は断面上に正確に反映されないことがある。よって、構造体の寸法を正確に推定するには、個々の構造体のアスペクト比が断面に正確に反映されるように、断面は十分に垂直であるべきである。ワークステージを傾動することなくワークの断面をエッチングし、且つその断面を結像する能力を以下に説明する。
【0044】
上述したように、図1に示した、傾斜ビームコラム12を備えたシステム10は、ワークステージアッセンブリ25を傾動することなくサンプルにキャビティをエッチングして、垂直方向の断面を形成し、且つその垂直方向の断面を結像できる。ワークステージを傾動することなく断面をエッチングし且つ結像するには、図1に示したシステムを用いて、図3A乃至3Eに示すと共に以下に説明するようにワーク30を第三軸17を中心に回動させる。傾斜ビームコラム12を備えた集束イオンビームシステムは、図3A乃至3Bに示すように、傾斜壁74及び垂直壁72を備えたキャビティ70をエッチングする。垂直壁とは、第三軸17に実質的に平行な壁である。
【0045】
キャビティ70のエッチングに続いて、ワークステージアッセンブリ25は、ワーク30を第三軸17を中心に回動させる。仮にワークステージアッセンブリ25が、ワーク30を180度回動させると、集束イオンビームは、実質的に垂直の入射角で傾斜壁74に衝突する。即ち、図3C及び3Dに示したように、ビーム20は傾斜壁74に対して垂直である。しかし、図3E及び3Fに示したように、ワークステージアッセンブリ25が、ワーク30を第三軸17を中心に90度回動させると、イオンビーム20は垂直壁72(即ち、ワーク30の垂直断面)に衝突する。よって、ワークステージアッセンブリの軸は第三軸17から傾斜しており、傾斜集束イオンビーム20は、ワークステージアッセンブリ25を傾動することなくワークの垂直方向の断面をエッチングし且つ結像できる。更に、電子コラム及びイオンコラムが、上述したように実質的に垂直平面に位置していれば、イオンビームは図3Aに示したようにワークをエッチングし、更に、ワークを第三軸17を中心に回動させることなく、電子ビームがキャビティ70の垂直壁72を結像できる。本発明のシステム及び方法には、以下に説明するように、多くの利点がある。
【0046】
ワークステージアッセンブリは、傾動アッセンブリを含まない場合は、非常に小型となる。ステージアッセンブリが小型になれば、図5に粒子線システムに関して略図で示したようにフットプリントが小さくなる。クリーンルーム製作空間は高価なことから、フットプリントが小型になれば費用の節約につながる。
【0047】
FIB作動距離が向上する。集束オンビームがワークに対して垂直で、電子ビームがこの垂線からオフセットされているような以前の構成においては、イオンビームと電子ビームとの特性(例えば、解像度及び流動密度)を最適化する同時作動距離を達成できなかった理由は、ワークステージと、イオンコラムの先端と、電子コラムの先端とが互いに物理的に干渉するからである。しかし、図4に示したように、垂直、即ち第三軸17からイオンコラム12をオフセットしたことで、イオンコラム及び電子コラム31の双方はワーク30に接近できる。例えば、5nm、50KeVの集束イオンビームコラム及び、アムレイ社製の電子コラムであるモデル3800は、どちらも45度ウェーハ視野を備えており、それぞれが約10mm及び約5mm多くの最適作動距離を同時に得られる。こうした同時最適化作動距離は、傾動ステージを備えたマイクリオン9500IL集束イオンビームシステムにおける、FIBコラムの垂直ウェーハ視野の16mmと、電子コラムの60度ウェーハ視野の20mmという最適化されていない同時作動距離とは対照をなすものである。
【0048】
更に、図4に示したように、集束イオンビーム12は傾斜可能であり、即ち、イオン集束光学素子79を第三軸17からオフセットできる。
【0049】
本発明による粒子線システムは、システムが傾動ステージを備える必要がないため、安定度が増す。ステージ傾動機構を取り除くことによってシステムの低周波振動に対する耐性が増すと共に、重力たるみも除去されるので、このシステムは安定性が増す。」(明細書第7頁第10行目から第10頁第10行目。)

3 対比
本願発明と引用発明とを対比する。

(1)引用発明の「集束イオンビーム(FIB)照射光学系を備えた試料作製装置を用いた試料作製方法」は,本願発明の「集束イオンビームの照射光学系を備えた試料作製装置を用いた試料作製方法」に相当する。
(2)引用発明の「水平状態である試料に対し垂直方向から集束イオンビームを水平に保たれている試料に照射して垂直溝を形成」することは,本願発明の「水平面に対して30度から75度傾斜した集束イオンビームを水平の試料載置面に載置された試料に照射して、深さ方向に傾斜した切り欠き溝を試料に形成」と,「水平面に対して特定の方向から集束イオンビームを水平の試料載置面に載置された試料に照射して、第1の溝を試料に形成」する点で共通する。
(3)引用発明の「試料面を小さく傾斜させ」ることは,本願発明の「集束イオンビーム照射軸と試料載置面とのなす角を固定して、試料載置面に対する垂直軸を回転軸として試料ステージを約180°回転させ」ることと,「試料とイオンビーム光学系を相対的に変位させ」る点で共通する。
(4)引用発明の「集束イオンビームを照射される方向は固定して,集束イオンビームを試料に照射して傾斜溝を形成し,傾斜溝はその底部で垂直溝底部と交わることでクサビ型試料片が試料から分離される」ことは,本願発明の「集束イオンビーム照射軸と試料載置面とのなす角を固定して、集束イオンビームを試料に照射し、深さ方向に傾斜した切り欠き溝を試料に形成して微小試料の底を作成し、試料から微小試料を集束イオンビームの照射により分離または分離準備する」ことと,「集束イオンビームを試料に照射し、深さ方向に傾斜した切り欠き溝を試料に形成して微小試料の底を作成し、試料から微小試料を集束イオンビームの照射により分離する」点で共通する。

そうすると,本願発明と引用発明とは,「集束イオンビームの照射光学系を備えた試料作製装置を用いた試料作製方法であって、
水平面に対して特定の方向から集束イオンビームを水平の試料載置面に載置された試料に照射して、第1の溝を試料に形成し,
試料とイオンビーム光学系を相対的に変位させ,
集束イオンビームを試料に照射し、深さ方向に傾斜した切り欠き溝を試料に形成して微小試料の底を作成し、試料から微小試料を集束イオンビームの照射により分離する試料作製方法。」である点で一致し,次の点で相違する。

(相違点1)第1の溝を試料に形成するにあたり,本願発明では「水平面に対して30度から75度傾斜した」集束イオンビームを試料に照射して「深さ方向に傾斜した切り欠き溝」を形成しているのに対し,引用発明では「垂直方向から」集束イオンビームを試料に照射して「垂直溝」を形成している点。

(相違点2)試料とイオンビーム光学系を相対的に変位させることを,本願発明では「集束イオンビーム照射軸と試料載置面とのなす角を固定して、試料載置面に対する垂直軸を回転軸として試料ステージを約180°回転させ」ることにより行っているのに対し,引用発明では「試料面を小さく傾斜させ」ている点。

(相違点3)深さ方向に傾斜した切り欠き溝を試料に形成する際に,本願発明では,上記相違点1及び2に示す構成を有することで,「集束イオンビーム照射軸と試料載置面とのなす角を固定して」いるのに対し,引用発明では「集束イオンビームが照射される方向は固定」されているが,本願発明のように集束イオンビーム照射軸と試料載置面とのなす角を固定してはいない点。

4 判断
上記相違点1乃至3についてあわせて判断する。
引用例5には,FIBシステムにおいて,傾動式ステージを具備した従来のFIBシステムにおける問題を解決するために,傾斜イオンコラムを備え,ワークに対して垂直な第三軸を中心としてワークを回動させることにより,次のような動作を行うことが示されている。すなわち,ワークステージを傾動することなく断面をエッチングし且つ結像するために,傾斜ビームコラムを備えた集束イオンビームシステムにより,まず傾斜壁及び垂直壁を備えたキャビティをエッチングし,次にワークを180度回動させ,そして集束イオンビームが実質的に垂直の入射角で傾斜壁に衝突するようにし,結像を行う。
ここで,引用例5では,傾斜ビームコラムからの集束イオンビームによって,エッチング及び結像の双方を行っているが,集束イオンビームの照射を大電流で行えばエッチングを行うことができ,小電流では走査イオン顕微鏡として試料の観察が行えることができることは,例えば特開平11-213934号公報(「【0009】・・・粗い穴あけは高電流ビーム(例えば2?10nA)でなされ、また、仕上げ加工は中電流ビーム(例えば30pA?2nA)で観察したい断面位置34に照射することにより行われ、図4に示すように、側壁断面37が形成される。【0010】次に、イオンビーム照射方向に試料9の加工断面37が露呈するように試料ステージ10を傾斜させる。この断面37を比較的低電流ビーム(例えば1pA以下)で走査イオン顕微鏡により観察する。」)にも記載されるように,当業者における周知の事項である。すると,引用例5において,ワークを180度回動させた後,集束イオンビームが実質的に垂直の入射角で傾斜壁に衝突するようにした際に,傾斜壁の結像を行うか,傾斜壁のエッチングを行うかは,当業者において,傾斜壁に対して何を行うかに応じて,集束イオンビームの電流量をどの程度にするかによって,適宜為し得たものであるといえる。
ところで,引用例1には,試料片を試料から分離するための底浚い加工を行う方法として,引用発明として認定したような試料台を傾斜させてイオンビームを斜め方向から照射することの他に,試料に垂直溝を形成するための第1のイオンビーム光学系に加え,底浚い加工専用の斜方向に設置した第2のイオンビーム光学系を設けることで,底浚い加工を行うことも記載されている(摘記事項(イ)「[イオンビーム加工による試料片の摘出]」)。このことを,摘記事項(ウ)に示されるような底浚い工程を有する試料作製方法の手順に敷衍してみると,第1のイオンビーム光学系からのイオンビームにより垂直溝を加工し,第2のイオンビーム光学系により傾斜溝を加工することで,試料片を試料から分離しようとするものといえる。してみると,試料片を試料から分離するためには,試料に対し,異なる方向からのビームをそれぞれ照射することで,試料片を分離しうるような試料の底を作成すればよいことは,当業者であれば容易に理解し得たものであり,上記引用例5に示されるようなワークを180度回動させる前後にワークに照射される集束イオンビームがそのような異なる方向からのビームであることも,当業者であれば当然に理解し得たものである。
そして,引用例5に示されたFIBシステムは,傾動式ステージを具備することによってシステム全体が比較的嵩張ること,FIBシステムが不安定になることを課題としたものであり(摘記事項(オ)【0003】),引用例1における従来のFIBで試料を大きく傾斜させて底浚いする時の,FIB性能の劣化,機構的に困難との課題(摘記事項(ウ))と同様の課題を有するものである。
そうすると,引用発明において,試料片を試料から分離させるために,垂直方向から集束イオンビームを試料に照射して垂直溝を形成し,試料面を小さく傾斜させ,傾斜溝を形成することに代えて,引用例5に示されたイオンビームを試料に対して傾斜して照射することを採用し,深さ方向に傾斜した第1の傾斜溝を試料に形成した後に,イオンビームの傾斜する角度は変えずに試料を180°回転させ,引き続きエッチングが行えるような電流量のイオンビームを試料に対して傾斜して照射することで,第2の傾斜溝を形成することによって,試料片を試料から分離させようとすることは,当業者であれば容易に為し得たものである。
その際,イオンビームを試料に対してどれほど傾斜して照射するかについて,引用例5には「45度」とすることが記載され(摘記事項(キ)【0042】),引用例1には引用発明として認定したように試料面を小さく傾斜させる角度として「20度」(この角度は,水平面に対して「70度」となる)とすることが記載され,また,通常用いられているFIB装置性能を維持するには,試料基板傾斜角は60度(この角度は,水平面に対して「30度」となる)程度が限度であることも記載されている(摘記事項(ウ))。してみると,イオンビームを傾斜させる角度として45度前後の角度は当業者において適宜に設定し得たものであり,その角度範囲として30度から70度程度とすることも,当業者において適宜に為し得たものである。

そして,本願発明の作用効果は,引用発明,引用例5に示された技術的事項及び周知の技術から,当業者であれば予測できる範囲のものである。

請求人は,平成21年4月15日付けの上申書にて,従来技術のステージ傾斜による方式に比べ,本願発明に関する技術であるステージ回転による方式は,一例として約20%の時間短縮効果が得られると主張している。しかし,この時間短縮効果は,請求人自ら,「その理由は、ステージ傾斜とステージ回転との違いによる時間短縮効果に加え、従来技術では、ステージ傾斜とステージ傾斜戻しで2回の動作が必要であるのに対し、本願発明では、ステージ回転のステージの動作が1回となることにより、このような時間短縮効果が得られます。」と記載しているように,加工をする際に,ステージを傾斜させずに,ステージを回転させることによって達成されているものである。一方,上記4 判断で示したように,試料片を試料から分離させるために,試料面を傾斜させるのではなく,試料を回転させる構成を採用することは,引用発明,引用例5に示された技術的事項及び周知の技術から当業者であれば容易に為し得たものであり,上記のような時間短縮効果はそのような構成であれば当然に奏されるものである。してみると,請求人の主張する本願発明の効果が特段のものであるとすることはできない。

5 むすび
以上の通り,本願発明は,引用発明,引用例5に示された技術的事項及び周知の技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

したがって,その余の請求項に係る発明について審理するまでもなく,本件出願は拒絶されるべきものである。

よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2009-05-14 
結審通知日 2009-05-19 
審決日 2009-06-01 
出願番号 特願2008-205228(P2008-205228)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G01N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 長谷 潮  
特許庁審判長 岡田 孝博
特許庁審判官 後藤 時男
田邉 英治
発明の名称 試料作製方法  
代理人 ポレール特許業務法人  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ