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審決分類 審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 取り消して特許、登録 G06Q
審判 査定不服 特29条特許要件(新規) 取り消して特許、登録 G06Q
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06Q
審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 取り消して特許、登録 G06Q
管理番号 1201299
審判番号 不服2007-14385  
総通号数 117 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-09-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-05-17 
確定日 2009-08-18 
事件の表示 特願2000-377668「顧客支援システム、顧客支援方法、顧客支援センター、顧客情報利用システム及び顧客に配置された機器」拒絶査定不服審判事件〔平成13年 9月14日出願公開、特開2001-250008、請求項の数(31)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1.手続の経緯
本願は、平成12年12月12日(優先権主張平成11年12月28日)の出願であって、平成19年4月12日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年5月17日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに、同年6月18日付けで手続補正がなされたものである。


第2.平成19年6月18日付けの手続補正についての補正却下の決定

[補正却下の決定の結論]
平成19年6月18日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1.平成19年6月18日付けの手続補正(以下、「本件補正」と呼ぶ。)の内容
本件補正は、請求項1の記載を
「【請求項1】 顧客に配置された機器に関する情報を活用して、顧客の支援を行う顧客支援センターにおいて、
故障していることを示す故障情報と故障ではないがメンテナンスを必要とする状態であることを示すアラーム情報とを含む情報であって、ネットワークを介して接続された前記機器の品質を示す品質情報を収集する収集部と、
前記故障情報又はアラーム情報を受信してから、所定時間後に、前記故障情報又はアラーム情報を発信した機器の品質情報を取得し、該品質情報により、前記故障情報又はアラーム情報を発信した機器が正常に稼働していると判断されるときは、前記故障情報又はアラーム情報をキャンセルする故障情報キャンセル処理部と、を有することを特徴とする顧客支援センター。」
から、
「【請求項1】 顧客に配置された機器に関する情報を活用して、顧客の支援を行う顧客支援センターであって、
ネットワークを介して接続された前記機器が故障していることを示す故障情報と故障ではないがメンテナンスを必要とする状態であることを示すアラーム情報とを含む情報であって、該機器の品質を示す品質情報を収集する収集部と、
該品質情報とともに発生時刻を合わせて記憶する記憶部と、
該記憶部に記憶された発生時刻から所定時間後に、前記故障情報又はアラーム情報を発信した機器の品質情報を取得し、該品質情報により、前記故障情報又はアラーム情報を発信した機器が正常に稼働していると判断されるときは、前記故障情報又はアラーム情報をキャンセルする故障情報キャンセル処理部と、を有することを特徴とする顧客支援センター。」
に変更する補正を含むものである(以下、上記補正後の請求項1に係る発明を「補正後発明」と呼ぶ。)。

2.本件補正の目的の適否について
上記請求項1の記載を変更する補正のうち、「該品質情報とともに発生時刻を合わせて記憶する記憶部と、」なる記載を追加する補正(以下、「補正事項1」と呼ぶ。)は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものと認められるが、該補正事項1は、補正前の請求項1のいずれかの発明特定事項を限定するものではなく、新たな発明特定事項を追加するものであるから、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号括弧内に規定される要件を満たしていない。
また、上記請求項1の記載を変更する補正のうち、補正前の「前記故障情報又はアラーム情報を受信してから、」を補正後の「該記憶部に記憶された発生時刻から」に変更する補正(以下、「補正事項2」と呼ぶ。)は、「故障情報キャンセル処理部」の内容を補正前のものとは異なるものに変更するものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものとはいえない。
そして、上記補正事項1、2が、上記改正前の特許法第17条の2第4項の第一、三、四号のいずれかに掲げられる事項を目的とするものでないことは、明らかである。
したがって、上記補正事項1、2を含む本件補正は、上記改正前の特許法第17条の2第4項の規定に違反する。

3.新規事項の追加の有無について
上記補正後発明において、「故障情報キャンセル処理部」が「故障情報又はアラーム情報を発信した機器の品質情報」を取得するタイミングを、「記憶部に記憶された発生時刻」から所定時間後とした点は、本願の出願当初の明細書又は図面(以下、「当初明細書等」と呼ぶ。)に記載されていないし、該当初明細書等の記載から自明な事項とも認められず、該点は、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものである。
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第3項の規定に違反する。

4.むすび
以上のとおり、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項の規定、及び特許法第17条の2第3項の規定に違反するので、特許法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。


第3.本願発明について
平成19年6月18日付の手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の特許請求の範囲に係る発明は、平成19年3月23日付手続補正書の特許請求の範囲に記載された事項により特定されるとおりのものである。

1.原査定の理由
原査定は、以下の理由(a)及び(b)により、本願は、拒絶すべきものであるとしている。
(a)請求項1?31に係る発明は、特許法第29条第1項柱書きに規定する要件を満たしていない。
(b)請求項1?31に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

2.当審の判断
(1)上記1.の(a)の理由(特許法第29条第1項柱書きの要件を満たしているか否か)について
本願請求項1?31には、そのいずれにも、「機器」からの情報の収集、取得、処理を、サーバ等のコンピュータによって構成されるものと解される「顧客支援センター」にて実行することが規定されているから、該請求項1?31に記載されるものは、いずれも、自然法則を利用した技術的思想の創作であると評価でき、特許法第29条第1項柱書きの要件を満たしている。

(2)上記1.の(b)の理由(特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものか否か)について
本願請求項1?31に係る発明のすべてに含まれる「故障情報又はアラーム情報を受信してから、所定時間後に、前記故障情報又はアラーム情報を発信した機器の品質情報を取得し、該品質情報により、前記故障情報又はアラーム情報を発信した機器が正常に稼働していると判断されるときは、前記故障情報又はアラーム情報をキャンセルする」なる発明特定事項に相当する事項は、原査定の理由に引用されたいずれの刊行物にも記載がなく、技術常識を考慮しても、当業者が容易に想到し得た事項ともいえない。
したがって、本願請求項1?31に係る発明は、いずれも、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるとはいえない。

(3)その他
当審は、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

3.むすび
以上の理由により、結論のとおり審決する。
 
審決日 2009-08-06 
出願番号 特願2000-377668(P2000-377668)
審決分類 P 1 8・ 561- WY (G06Q)
P 1 8・ 572- WY (G06Q)
P 1 8・ 1- WY (G06Q)
P 1 8・ 121- WY (G06Q)
最終処分 成立  
前審関与審査官 山下 達也  
特許庁審判長 小曳 満昭
特許庁審判官 池田 聡史
長島 孝志
発明の名称 顧客支援システム、顧客支援方法、顧客支援センター、顧客情報利用システム及び顧客に配置された機器  
代理人 伊東 忠彦  

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