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審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G06F
審判 査定不服 特36条4項詳細な説明の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G06F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G06F
管理番号 1201580
審判番号 不服2005-20066  
総通号数 117 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-09-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-10-17 
確定日 2009-07-08 
事件の表示 平成 9年特許願第502835号「ユーザが情報項目の集合から特定の情報項目を引き出すことを可能にする方法と、このような方法を実行するシステム」拒絶査定不服審判事件〔平成 8年12月27日国際公開、WO96/42172、平成10年 4月14日国内公表、特表平10-504127〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由
1.手続の経緯
この出願は、平成8年5月23日(優先権主張平成7年6月9日、オランダ)を国際出願日とする出願であって、平成16年11月4日付けで拒絶理由が通知され、これに対して平成17年5月17日付けで手続補正がなされたが、同年7月8日付けで拒絶査定がなされ、これに対して同年10月17日に拒絶査定不服審判が請求され、同年11月16日付けで手続補正がなされた後、当審において平成20年7月2日付け(発送同月8日)で拒絶理由が通知され、これに対して平成21年1月8日付けで手続補正がなされたものである。

2.本願発明
本願の請求項に係る発明は、平成21年1月8日付け手続補正書により補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1乃至19に記載されたとおりのものであるところ、請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。
「【請求項1】
情報処理システムにおける情報項目格納部に格納された情報項目の集合から特定の情報項目をユーザに対して選択する、前記情報処理システムの情報処理装置によって実行されるコンピュータソフトウェアによる情報処理方法であって、各々の前記情報項目は1つ以上の項目属性を有し、前記情報処理システムは、前記情報処理装置によって実行されて前記情報項目の項目属性を評価する第1エージェントを具え、前記第1エージェントは、このような評価によって、前記第1エージェントと各々の前記情報項目との間のエージェント類似性を形成するコンピュータソフトウェアによる情報処理方法において、
前記ユーザと前記情報項目との間のユーザ類似性を表す情報を、前記ユーザと前記システムとの間の過去の相互作用のパターンから少なくとも形成し、このユーザ類似性を表す情報をユーザ属性の情報に記録するステップと、
前記第1エージェントによって、前記エージェント類似性に従うとともに前記ユーザ属性にも従って、特定の情報項目を選択するステップとを含むことを特徴とする、コンピュータソフトウェアによる情報処理方法。」

(ア)「ユーザとシステムの過去の相互作用のパターン」について
請求項1における「ユーザとシステムの過去の相互作用のパターン」との記載について、その技術的意義が明確ではないが、発明の詳細な説明の、段落0014の「前記ユーザ属性は、以前の相互作用を基礎として確立された、ユーザの前記情報項目に対する明らかな類似性を記録する。前記ユーザ属性は、以前に選択された情報項目に関係する複雑なユーザ履歴と、前記ユーザによって拒絶された項目と、各々の形式の項目において前記ユーザによって使用された時間とを含んでもよい。」との記載、及び、段落0032?0033の記載を参酌して、項目が表示された時間のような、ユーザによるシステムの(操作)履歴であると認定した。

(イ)「エージェント類似性」について
請求項1における「エージェント類似性」との記載の「類似性」という語について、その技術的意義が明確でない。すなわち、「エージェント類似性」とは、「ユーザ類似性」と区別される、「エージェント」に関連した何らかの「類似性」であると解され、「類似性」という記載からはなんらかの「類似している(似ている)」ことに関する性質を表すように解される。
一方、請求項1では「エージェント類似性」に関し、「前記第1エージェントは、このような評価によって、前記第1エージェントと各々の前記情報項目との間のエージェント類似性を形成する」とあり、「第1エージェント」と「情報項目」との間の類似性というように記載されている。請求項1において「情報項目」について具体的限定がされていないことから、「エージェント」と「情報項目」とは、そもそもその性質が異なるものといえ、そのような二者の「類似性」とはどのようなものであるのか、わからない。
そこで、発明の詳細な説明の記載を参酌する。
審判請求人は、平成21年1月8日付け意見書の「(2)拒絶理由に対する意見 1)理由1について」で、「さらに、従来からのシステムは、各エージェントによって、静的な情報項目の項目属性を評価して、ユーザに提示すべき静的な情報項目を選び出すように機能するものです。ここで云う評価とは、時間のメタファを使用し、互いに時間的順序において配置されている情報項目を選定する評価であり、本願発明で云う明細書中の評価は、段落0030で例示されている、その本質は、「前記ユーザと前記情報項目との間のユーザ類似性を表す情報を、前記ユーザと前記システムとの間の過去の相互作用のパターンから少なくとも形成し、このユーザ類似性を表す情報をユーザ属性の情報に記録するステップと、前記第1エージェントによって、前記エージェント類似性に従うとともに前記ユーザ属性にも従って、特定の情報項目を選択するステップとを含む」ことにあります。」として、本願発明における「評価」が、段落0030で例示されていると主張しているので、段落0030及び関連する記載を参照する。
段落0030には、「情報項目ごとの情報項目の評価に関して、前記項目、エージェントおよびユーザの上述した属性を基礎としてスコアを決定する。この決定を、前記種々の属性を変数として使用する、多少複雑な評価関数として実現することができる。」とあり、項目、エージェント、及び、ユーザの属性について、「pi =値(i番目の属性の値に関係するユーザ属性)×値(i番目の属性の値に関係するエージェント属性)」という式を用いた「位置=(p1 ,...,pn )」を「スコアまたは位置」としているように記載されているから、「評価」の結果、「スコアまたは位置」が生成されることが実施例には記載されているといえる。
してみると、請求項1の「前記第1エージェントは、このような評価によって、前記第1エージェントと各々の前記情報項目との間のエージェント類似性を形成する」との記載における、「エージェント類似性」とは、情報項目の選択に用いられる、エージェントが有する属性を用いて各情報項目を評価したそれぞれの結果のことを意味すると認定した。

(ウ)「ユーザ類似性を表す情報」について
請求項1における、「前記ユーザと前記情報項目との間のユーザ類似性を表す情報」との記載は、上記の「エージェント類似性」と同様に、「ユーザ」と「情報項目」という、本質的に異なる性質のものの間の「類似性」とは、どのようなものであるのか、その技術的意義が明確でない。
そのため、発明の詳細な説明の記載を参酌する。
審判請求人は、平成21年1月8日付け意見書で、段落0027?0030等の記載を根拠として、記載の内容が明確である旨主張していることから、該「ユーザ類似性を表す情報」とは、段落0029で「ユーザ属性の例」として例示されるようなものであると解される。ここで、段落0029に記載された「ユーザ属性の例」は、
「ユーザ1:
材料_木: 10
材料_鉄: 1
材料_無形: 5
メーカ_ジャンセン: 8
メーカ_ピーターセン(Pietersen ): 6
年代_中世: 10
年代_20_世紀: 0
・・・・
(後略)」
というように記載されており、「ユーザ1:」との記載は、該ユーザ属性が、「ユーザ1」という特定のユーザに関するものであることを示すと解され、「材料_木:」との記載は、先行する段落0027の記載を参照すると、情報項目が有する項目属性のうち「材料」の値が「木」であるものに対応すると解され、「材料_木:」に続く「10」との記載は、材料が木である情報項目に対するユーザの相互作用のパターンから形成された「値」であると解される。以下同様に、情報項目の項目属性の特定の値に対するユーザ属性の値が列挙されることが示されているといえる。
そして、これらの項目属性と項目属性の値の組み合わせに対する値が、特定の情報項目を選択するステップに用いられるといえる。
してみると、このような、特定のユーザについて、情報項目の各項目属性がとる特定の値に対する値が列挙される形式の情報が、請求項1における「前記ユーザと前記情報項目との間のユーザ類似性を表す情報」であると認定した。


3.引用例・周知例
(1)引用例
これに対し、平成20年7月2日付けの当審の拒絶理由(以下、単に「拒絶理由」という。)で引用文献1として引用した、特開平6-124309号公報(以下、「引用例」という。)には、図面とともに以下の記載がある。

(あ)「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子メールシステム、データベースシステム、テレビ受信機、ラジオ受信機等のように、複数の情報の内から、選択された情報を利用者に提供する情報サービスシステムに関するものである。」

(い)「【0006】
【発明が解決しようとする課題】
(中略)
【0008】本発明は、利用者が所望する情報を簡単により適切に提供できる情報サービスシステムを提供することを目的とする。」

(う)「【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本発明の特徴は、利用者のアクセス情報より当該利用者が興味をもっている分類を学習する学習手段と、学習した当該利用者の興味をもっている分類に基づいて当該分類に属する情報を情報源から取り出して提供する情報選択手段とを有することにある。」

(え)「【0012】
【作用】本発明の情報サービスシステムによれば、利用者のアクセス情報より当該利用者が興味をもっている分類を学習し、この学習した当該利用者の興味をもっている分類に基づいて当該分類に属する情報を情報源から取り出して提供するので、利用者が望む情報を簡単に推定でき、利用者が望む情報を適切に提供できる。」

(お)「【0014】
【実施例】以下、本発明に係る情報サ-ビスシステムの第1の実施例を説明する。
【0015】図1に、本第1実施例に係る情報サービスシステムの構成を示す。
【0016】図示するように、本第1実施例に係る情報サービスシステムは、利用者識別判定手段1、情報選択入力手段2、利用者別アクセス情報分類手段3、アクセス履歴管理手段4、興味情報判定手段5、情報源6、編集手段7、モニタ8、関心情報インデックス提示手段9、ひな型アクセス情報記憶手段10、比較手段11、個人別不足情報判定手段12、起動手段22、関心度入力手段60、およびアクセス履歴リセット手段70を有している。」

(か)「【0018】情報選択入力手段2は、後述するモ-ドの指定や、アクセスする情報の指定を受付ける。利用者アクセス情報分類手段3は、指定された情報の属する分類を判定する。また、情報選択入力手段2は、モニタ8に表示している情報のプリント出力、コピー出力、画面切換、画面スクロール等、種々の操作をも受付ける。
【0019】アクセス履歴管理手段4は、各利用者が、各分類の情報に、どの程度の関心度をもったかを示すアクセス履歴情報を管理する。この関心度の求め方については後述する。興味情報選択手段5は、自動モ-ド時、アクセス履歴管理手段4の管理内容(たとえば、該当する利用者に対する関心度)に応じて、情報源6から取り出し、選択情報15として編集手段7に出力する。手動モ-ド時、興味情報選択手段5は、利用者アクセス情報分類手段3で判定された分類に対応する情報を情報源6から取り出す。
【0020】情報源6は、たとえば、複数の分類に分類された複数の情報を記憶するデータベース(メモリ)であったり、複数の放送局である。編集手段7は、選択情報15を編集し、モニタ8に対して編集した情報内容を表示する。
【0021】関心度入力手段60は、利用者による直接の操作により、関心度に関する情報、および関心度を求める重みの情報を入力する。」

(き)「【0023】さて、情報源6は、たとえば、図2に示すように、冗長化構成、信号選択機能、伝送回路構成、伝送符号方式、洋服、和服等の複数の情報分類に、それぞれ属する複数の情報を有しているものとする。なお、図2では、各種分野に本第1実施例が適用可能であることを示すために、デ-タベ-スである情報源6は、制御技術、伝送技術等の科学技術分野と、衣服通信販売等の商業分野に属する情報分類の情報を有しているものとして示した。ところで、このように異なる分野の情報を含める場合、情報源6は、分野毎の情報源の集合として実現するようにしてもよい。」

(く)「【0025】まず、関心情報インデックス提示手段9、ひな形アクセス情報記憶手段10を利用しない場合の動作について説明する。
【0026】図3に、この場合の、情報サ-ビスシステムの動作の流れを示す。
【0027】図示するように、情報サ-ビスシステムは、利用者より直接、もしくは、図示せざる端末等を介して利用者識別用の情報の入力があると、利用者識別判定手段1で、利用者を判定し、判定して得た利用者を特定する利用者識別情報を利用者アクセス情報分類手段3に出力する(ステップ301)。次に、情報選択入力手段2は、モ-ドの指定や、アクセスする情報を指定する要求情報を利用者より受付け、その結果を利用者別アクセス情報分類手段3に出力する(ステップ302)。本第1実施例では、情報サ-ビスシステムに、「自動モ-ド」と「手動モ-ド」の二つのモ-ドを設けている。利用者は、「手動モ-ド」を指定する場合にのみ、アクセスする情報の指定を要求情報に含めるようにする。「自動モード」が指定された場合、情報サービスシステムは、利用者が関心度の高い情報を推測して、自動的に選択する。よって、利用者は、「自動モード」を指定する場合には、識別する情報と自動モードであることを示す情報のみを、利用者は入力すればよい。」

(け)「【0028】さて、次に、利用者別アクセス情報分類手段3は、情報選択入力手段2から要求情報で指定されたモ-ドが自動モードか手動モードかを判定する(ステップ303)。
【0029】手動モードが指定されていた場合は、利用者別アクセス情報分類手段3は入力される要求情報より、指定された情報を特定する情報を興味情報選択手段5に出力する。また、指定された情報が属する情報分類を判定し、判定した情報分類を指定する分類指定データとを作成し、利用者を特定する利用者識別情報と共に、アクセス履歴管理手段4に出力する(ステップ304)。利用者別アクセス情報分類手段3における指定された情報が属する情報分類の判定は、たとえば、あらかじめ各情報分類に1または複数のキーワードを割付け、各情報に当該情報が属する情報分類に割り付けられたキ-ワ-ドと一致もしくは一部一致を示すキ-ワ-ド割り付け、当該キ-ワ-ドにより情報の指定を受付けることとし、入力したキーワードと一致もしくは一部一致するキ-ワ-ドを有する情報分類を、当該情報が属する情報分類とすることにより行うことができる。具体的には、たとえばif-then型のような条件部と結論部をもつ推論手段などで実現できる。
【0030】アクセス履歴管理手段4は利用者別アクセス情報分類手段3からの情報(利用者識別情報および分類指定データ)を取り込み、これらの情報をメモリ4bに一時記憶する(ステップ305)。
【0031】一方、興味情報選択手段5は、利用者別アクセス情報分類手段3から出力された分類指定データにより特定された分類に属する情報を情報源6から取り出す(ステップ306)。その後、興味情報選択手段5は、情報源6から取り出した情報を選択情報15として編集手段7に出力し、その旨を示す確認情報19をアクセス履歴管理手段4に出力する。また、興味情報選択手段5は、情報源6に、指定された情報がなかった場合には、該当する情報が存在しないとして、その旨を示す情報を編集手段7に出力する(ステップ307)。
【0032】興味情報選択手段5より情報を受け取った編集手段7は、これを利用者が見やすい様に編集し、モニタ8に出力する(ステップ308)。
【0033】一方、アクセス履歴管理手段4は、興味情報選択手段5からの確認情報19が一定期間継続しているか、あるいはアクセス表示情報18を用いてモニタ8に表示されている情報を利用者がアクセスしているかを判定する(ステップ309)。この判定は、情報源6より選択した情報が、利用者が入手したいと希望していたものであったかを判定するためであり、上記のいずれかの場合に、利用者は希望した情報を入手したもの、すなわち希望した情報にアクセスしたものと判断するようにする。ここで、アクセス表示情報18は、利用者がモニタ8に表示している情報のプリント出力、コピー出力、画面切換、画面スクロール、などの操作をしたときに、情報選択入力手段2に入力される情報にもとづいて情報選択入力手段2から出力される情報である。つまり、アクセス表示情報18が発生すれば、利用者はこの情報に興味をもっていることになり、希望した情報であったと言える。また、確認信号19が一定時間以上発生しているということは、利用者が該表示情報を興味をもって見ているということである。希望する情報でなかったならば、利用者は情報選択入力手段2に、別な情報を入手するための情報を入力するので、この確認信号19の継続時間を判定すれば、利用者が希望していた情報を入手できたか否かを判断することができる。
【0034】確認情報19が一定期間継続している場合、あるいはモニタ8に表示されている情報を利用者がアクセスしている場合、アクセス履歴管理手段4は、先に、メモリ4bに一時記憶した利用者識別情報によって特定される利用者のアクセス履歴情報中の、分類指定データによって指定される情報分類の関心度を更新する(ステップ310)。すなわち、該当する利用者に対応する情報分類に対する関心度をメモリ4bから呼び出し、当該関心度を増加させる方向に更新する。更新により得られた新しい関心度は該当する情報分類に対応させ、アクセス履歴情報として、メモリ4bに記憶される。以上のようなステップ310び(審決注:「び」とあるが「の」の誤記と解される。)処理は、利用者のアクセス情報に基づいて、利用者が興味を持っている分類を学習する処理である。更新における関心度の求め方の詳細については後述する。アクセス履歴管理手段4は、もし、当該利用者のアクセス履歴情報が、まだ、作成されていない場合は、この時点で作成する。また、アクセス履歴情報に、分類指定データによって特定される情報分類の項目が存在しない場合には、この時点で当該情報分類の項目をアクセス履歴情報に作成し、求めた関心度をメモリ4bに登録する。」

(こ)「【0036】さて、ステップ303において、利用者別アクセス情報分類手段3が、情報選択入力手段2から要求情報で指定されたモ-ドが自動モードであると判定した場合には、利用者別アクセス情報分類手段3は、利用者を特定する利用者識別情報のみををアクセス履歴管理手段4に出力する(ステップ312)。これを受けたアクセス履歴管理手段4は、利用者識別情報で特定される利用者についてのアクセス履歴情報(メモリ4bに記憶)を参照し、特定された利用者に対する複数の情報分類のうち最も関心度が高い情報分類を分類指定データとして興味情報選択手段5に出力する(ステップ313)。この最も関心度が高い情報分類は、利用者が興味を持っている情報分類である。
【0037】興味情報選択手段5は、受け取った情報分類に属する情報を探索し、探索した情報を情報源6から取り出す(ステップ314)。ステップ314は、過去において、ステップ310で学習した当該利用者の興味を持っている分類に基づいて当該分類に属する情報を情報源から取り出す手段としての機能を発揮する。
【0038】その後は、ステップ307で最も関心度の高い情報分類に属する情報が情報源6に存在しなかった場合に、該当する情報が存在しないとして、その旨を示す情報を編集手段7に出力する点と、ステップ311で分類指定データをクリアする必要がない点を除き、前述した手動モ-ド時の動作ステップ307?ステップ311と同様の動作を行う。
【0039】なお、該当する情報分類に属する情報が情報源6に存在するか否かの判定は、たとえば、情報源6にある情報に情報分類に割付けたキ-ワ-ドと一致もしくは一部一致するキ-ワ-ドキ-ワ-ド(審決注:原文のまま)を付しておき、情報分類に割付けられているキ-ワ-ドと一致するものがあるか否かを判定することによって実現できる。
【0040】ここで、前述したように、各利用者毎に設けられるアクセス履歴情報の各情報分類の関心度の求め方を説明する。
【0041】まず、第1の求め方は、各情報分類毎に、当該利用者が、各分類に属する情報に、どの程度の頻度でアクセスしたかを求め、これを当該情報分類に対する関心度とする方法である。この場合、たとえば、ステップ310で関心度の値を増加させるようにする。または、ステップ310では、当該利用者が当該情報分類に属する情報にアクセスした時刻をアクセス履歴情報に記録し、ステップ313で過去の一定期間内のアクセス回数を関心度として用いるようにする。または、ステップ310では、当該利用者が当該情報分類に属する情報にアクセスした時刻をアクセス履歴情報に記録し、定期的に過去の一定期間内のアクセス回数を求め、この値で関心度を更新するようにする。
(中略)
【0044】このように、本第1実施例によれば、手動モード及び自動モードのいずれの場合でも情報を利用すれば、利用した情報の属する情報分類に対する関心度を該利用者に対して高くし、その後、該利用者が自動モードで情報入手をしようとした場合には、関心度の高い情報分類に属する情報を自動的に提示できることができる。
【0045】なお、以上の説明では、利用者別アクセス情報分類手段3で、指定された情報の属する情報分類を判定したが、利用者が情報分類を直接、情報選択入力手段2から入力するようにしてもよい。」

以上の、引用例の記載(あ)?(こ)から、引用例には、第1実施例として、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているといえる。
「自動モード及び手動モ-ドの指定や、アクセスする情報の指定を受付けるとともに、モニタ8に表示している情報のプリント出力、コピー出力、画面切換、画面スクロール等、種々の操作をも受付ける、情報選択入力手段2、
指定された情報の属する分類を判定する利用者別アクセス情報分類手段3、
各利用者が、各分類の情報に、どの程度の関心度をもったかを示すアクセス履歴情報を管理するアクセス履歴管理手段4、
自動モ-ド時、アクセス履歴管理手段4の管理内容(たとえば、該当する利用者に対する関心度)に応じて、情報源6から取り出し、選択情報15として編集手段7に出力するとともに、手動モ-ド時、利用者アクセス情報分類手段3で判定された分類に対応する情報を情報源6から取り出す興味情報選択手段5、
複数の分類に分類された複数の情報を記憶するデータベース(メモリ)あるいは複数の放送局である情報源6、
選択情報15を編集し、モニタ8に対して編集した情報内容を表示する編集手段7、
利用者による直接の操作により、関心度に関する情報、および関心度を求める重みの情報を入力する関心度入力手段60、
を備えた、情報サービスシステムであって、
情報選択入力手段2で手動モードが指定されていた場合は、利用者別アクセス情報分類手段3は入力される要求情報より、指定された情報を特定する情報を興味情報選択手段5に出力するとともに、指定された情報が属する情報分類を判定し、判定した情報分類を指定する分類指定データとを作成し、利用者を特定する利用者識別情報と共に、アクセス履歴管理手段4に出力し、
アクセス履歴管理手段4は利用者別アクセス情報分類手段3からの情報(利用者識別情報および分類指定データ)を取り込み、これらの情報をメモリ4bに一時記憶し、
興味情報選択手段5は、利用者別アクセス情報分類手段3から出力された分類指定データにより特定された分類に属する情報を情報源6から取り出し、その後、興味情報選択手段5は、情報源6から取り出した情報を選択情報15として編集手段7に出力し、その旨を示す確認情報19をアクセス履歴管理手段4に出力し、
興味情報選択手段5より情報を受け取った編集手段7は、これを利用者が見やすい様に編集し、モニタ8に出力し、
アクセス履歴管理手段4は、興味情報選択手段5からの確認情報19が一定期間継続しているか、あるいはアクセス表示情報18を用いてモニタ8に表示されている情報を利用者がアクセスしているかを判定し、
確認情報19が一定期間継続している場合、あるいはモニタ8に表示されている情報を利用者がアクセスしている場合、アクセス履歴管理手段4は、先に、メモリ4bに一時記憶した利用者識別情報によって特定される利用者のアクセス履歴情報中の、分類指定データによって指定される情報分類の関心度を更新する、利用者のアクセス情報に基づいて利用者が興味を持っている分類を学習する処理を行い、
情報選択入力手段2から要求情報で指定されたモ-ドが自動モードであると判定した場合には、
利用者別アクセス情報分類手段3は、利用者を特定する利用者識別情報のみをアクセス履歴管理手段4に出力し、
これを受けたアクセス履歴管理手段4は、利用者識別情報で特定される利用者についてのアクセス履歴情報(メモリ4bに記憶)を参照し、特定された利用者に対する複数の情報分類のうち最も関心度が高い情報分類を分類指定データとして興味情報選択手段5に出力し、
興味情報選択手段5は、受け取った情報分類に属する情報を探索し、探索した情報を情報源6から取り出し、
以後、手動モードが指定されていた場合と同様に、モニタへの出力、利用者が興味を持っている分類を学習する処理を行い、
該当する情報分類に属する情報が情報源6に存在するか否かの判定は、情報源6にある情報に情報分類に割付けたキーワードと一致もしくは一部一致するキーワードを付しておき、情報分類に割付けられているキ-ワ-ドと一致するものがあるか否かを判定するものである、
情報サービスシステム。」

(2)周知例1
また、拒絶理由で周知の技術(引用文献3)として引用した、特開平7-6142号公報(以下、「周知例1」という。)には、図面とともに以下の記載がある。
「【0002】
【従来の技術】ネットワークで結合された複数の計算機から構成される分散環境上で計算処理を行う複数のプロセス等の計算処理実体であるエージェントは、あるユーザからの、あるいは他のエージェントからのサービスの要求に応じて、そのサービスを提供する。
【0003】図19は、例えば特開平4-77827号公報、特開平4-279935号公報に示された、従来のマルチエージェント協調システムのブロック図を示している。図19において、種々のサービスを提供するエージェント101は、他のエージェントとの情報のやりとりを行うための通信部102と、やりとりすべき情報の内容、やりとりの手順、やりとりの相手などの決定の仕方の定義を格納しているデータベースである交渉定義格納部103と、交渉定義格納部103の内容を参照してやりとりすべき情報の内容、やりとりの手順、やりとりの相手などを決定するための通信先決定および交渉部104と、プランまたはプランニングの仕方やサービス内容の定義を格納しているルールベース105と、ルールベース105の内容を参照してプランニングやサービスの提供を行なうプランニングおよびサービス実行部106と、を有している。
【0004】次に従来システムの動作を図に基づいて説明する。図20は従来システムの動作の全体概要を示すフローチャートである。図20に示したように、従来システムにおける処理は、依頼されたサービス要求の実行の受託の可否を決定するステップ201と、依頼を実際に委託するかしないかを決定するステップ202と、依頼されたサービスを遂行するステップ203と、からなる。
【0005】ステップ201において、エージェント101は、他のエージェントあるいはユーザから要求されたサービスの内容(仕様)を評価し、そのサービスを提供するための実行の受託の可否を決定する。エージェント101が受託を希望する場合は受託の条件を他のエージェントあるいはユーザに返す。ステップ202において、他のエージェントあるいはユーザは、エージェント101より返された受託の条件を独自の評価基準によって評価し、サービスの実行を実際に委託するか否かを決定する。ステップ203において、エージェント101は、委託されたサービスを遂行する。
【0006】図21は図20におけるサービス要求の受託の可否を決定するステップ201の詳細のフローチャートである。サービス要求の受託の可否を決定するステップ201は、エージェント101が他のエージェントあるいはユーザから要求されたサービスの仕様を受信するステップ204と、エージェント101がステップ204において受信した要求サービス仕様を評価するステップ205と、エージェント101がステップ205の評価結果に基づいて受託を希望するか否かを決定するステップ206と、エージェント101がステップ206において受託を決定した場合、受託を希望する回答を送信するステップ207と、からなる。
【0007】ステップ204において、エージェント101は、他のエージェントあるいはユーザから通信部102を介して遂行して貰いたいサービスの仕様を受け取る。ステップ205において、エージェント101は、交渉定義格納部103に定義された交渉の手順や制約にしたがって、通信先決定および交渉部104が上記サービスの実行における種々の制約条件を評価し、プランニングおよびサービス実行部106においてルールベース105を参照し、上記サービスの仕様を実行するためのプランの生成を試みて上記サービスの実行可能性を評価する。ステップ206において、エージェント101は、ステップ205における評価結果に基づき、上記サービスの実行を受託するか否かを判定する。判定の結果、受託しないとなれば動作は終了する。受託する場合、エージェント101はステップ207において上記サービス実行に伴う条件を通信部102を介して上記他のエージェントあるいはユーザに送信する。
【0008】図22は図20における委託されたサービスを遂行するステップ203の詳細のフローチャートである。委託されたサービスを遂行するステップ203は、エージェント101が上記サービスを委託する旨を表すメッセージを受けるステップ208と、上記委託されたサービスを遂行するために必要であれば他のエージェントと交渉の上、部分的なサービスを委託するステップ209と、エージェント101が上記サービスの一部を実行するステップ210と、からなる。
【0009】ステップ208において、エージェント101は、ステップ202においてサービスの委託を決めた他のエージェントあるいはユーザからの上記サービスの委託通知を通信部102を介して受信する。ステップ209において、エージェント101は、上記サービスを遂行するためにプランニングおよびサービス実行部106において生成された上記プランを実行するために、必要に応じてプランの一部を実行できる他のエージェントとの間で交渉定義格納部103に定義された交渉の手順や制約に従って通信先決定および交渉部104が通信部102を介して交渉を行なう。ステップ210において、上記エージェント101自体で処理できるサービスについてはプランニングおよびサービス実行部106において実行する。」

(3)周知例2
また、拒絶理由で周知の技術(引用文献4)として引用した、この出願の出願前に頒布された刊行物である、朝倉敬喜,喜田弘司,垂水浩幸,宮下敏昭、エージェントによる情報フィルタリング、情報処理学会研究報告 95-IM-20、日本、1995.03.10発行、第95巻第30号、49?55頁(以下、「周知例2」という。)には、図面とともに以下の記載がある。
「1.はじめに
オフィスワークの生産性向上を計るために様々な試みがなされているが、OA化が急速に進み、これらの機器に縁がなかったユーザ層まで急速にその普及が進んでいる。
我々はネットワーク環境を前提とした総合的なオフィス業務支援を行うため、OA知的エージェント(INA/LI)の研究を行っている[1]。これはコンピュータ環境がある程度普及した電子化オフィスを対象とし、ホワイトカラーが行っている作業を代行することで、オフィス作業を可能な限り自動化し、その結果としてオフィスの生産性向上を計るものである。提供する各機能は部品化された複数の機能エージェントで提供され、核となる“ユーザエージェント“と通信しながら動作する。ユーザエージェントは利用者との対話、利用者の作業履歴の管理、各エージェントの制御を行うとともに、利用者の作業履歴から対話パターン等を獲得し、利用者に適応する秘書的インタフェースエージェントである。
これらの機能エージェントのうち、社内外のネットフークからの情報に対する処理(必要情報の選択や検索、他人への転送、不要情報の削除等)を支援するエージェントである情報フィルタリングエージェントに関する提案を本稿では行う。ここでエージェントとは、利用者に適応して代行処理を行うものであり、エージェント問の通信手段、利用者への適応手段、システムの状況を判定する手段を最低限保持するものである。」
(50頁左欄1?29行目)


4.対比
本願発明と引用発明とを対比する。
引用発明における「情報サービスシステム」は、情報処理システムによって実現されるものであるから、本願発明における「情報処理システム」に相当する。
引用発明における「情報源」、及び、情報源が記憶する「情報」は、それぞれ、本願発明における「情報項目格納部」、及び、「情報項目」に相当する。
引用発明における「利用者」は、本願発明における「ユーザ」に相当する。

引用発明における「興味情報選択手段」による情報の評価は、情報源6にある情報に情報分類に割付けたキーワードと一致もしくは一部一致するキーワードを付しておき、情報分類に割付けられているキ-ワ-ドと一致するものがあるか否かを判定する構成であるところ、「情報分類」の各々に、キーワードが割り付けられており、情報源にある情報に付されたキーワードと「情報分類」のキーワードとの一致の判定を行っているから、情報源にある情報に割り付けた「キーワード」が本願発明における「1つ以上の項目属性」の項目属性が1つの場合の「項目属性」に相当するといえる。
引用発明における、「該当する情報分類に属する情報が情報源6に存在するか否かの判定」の例として記載されている、情報源6にある情報に情報分類に割付けたキーワードと一致もしくは一部一致するキーワードを付しておき、情報分類に割付けたキ-ワ-ドと一致するものがあるか否かを判定する構成は、「情報」に付された「キーワード」を、「情報分類」に割付けたキーワードと一致するか判定しており、本願発明における「項目属性を評価する」構成に相当する。
そして、引用発明における「情報分類」は、キーワードを割り付けられた各々の「情報分類」のそれぞれについて、情報源にある情報に付されたキーワードと情報分類に割り付けられたキーワードとの一致を判定するものであるから、キーワードすなわち「1つ以上の項目属性」について特定の評価を行う単位である点で、本願発明における「第1エージェント」に対応する。
してみると、引用発明において、「該当する情報分類に属する情報が情報源6に存在するか否かの判定」の結果は、情報源に格納された各々の情報が、特定の情報分類に属するかどうかという、情報分類と情報との間の関係であるといえ、「項目属性を評価する」構成による評価の結果として形成されるものであるから、上記「2.本願発明(イ)「エージェント類似性」について」で認定した内容とあわせると、本願発明における「エージェント類似性」に相当するといえる。

引用発明において、アクセス履歴管理手段4が判定する、興味情報選択手段5からの確認情報19が一定期間継続しているか、あるいはアクセス表示情報18を用いてモニタ8に表示されている情報を利用者がアクセスしているかという事項は、システムが提示した情報に対する利用者の反応といえるから、本願発明における「ユーザとシステムとの間の相互作用」に相当する。
そして、引用発明における、該判定の結果を受けてアクセス履歴管理手段4によって更新される、分類指定データによって指定される情報分類の関心度は、アクセスの履歴という過去の相互作用のパターンを反映しているといえるから、本願発明でいう、ユーザとシステムとの間の過去の相互作用のパターンから「形成」したものであるといえる。してみると、引用発明における「分類指定データによって指定される情報分類の関心度」は、ユーザとシステムとの間の過去の相互作用のパターンから形成した、情報源から特定の情報を取り出すために用いられる情報である点で、本願発明における、「ユーザと情報項目との間のユーザ類似性を表す情報」に対応する。
ところで、上記「2.本願発明(ウ)「ユーザ類似性を表す情報」について」で認定したように、本願発明における「前記ユーザと前記情報項目との間のユーザ類似性を表す情報」は、特定のユーザについての情報項目の各項目属性がとる特定の値に対する値が列挙される形式の情報であるといえ、そこで列挙される値は、上記「2.本願発明(ア)「ユーザとシステムの過去の相互作用のパターン」について」での認定したように、項目が表示された時間のような、ユーザによるシステムの(操作)履歴に基づいて形成されるといえるから、提示された情報項目に関するユーザの関心の度合いを反映したものといえる。
一方、引用発明における「情報分類」は、「キーワード」が割り付けられており、その個々の「キーワード」は、「項目属性の特定の値」ということができる。してみると、「情報分類の関心度」は、「項目属性」の特定の値についてのユーザーの関心度を示すものといえる。
以上のことから、引用発明における、「情報分類の関心度」と、本願発明における「前記ユーザと前記情報項目との間のユーザ類似性を表す情報」とは、ともに、項目属性の特定の値に対するユーザの関心度を表す値である点で実質的に一致している。

引用発明の「確認情報19が一定期間継続している場合、あるいはモニタ8に表示されている情報を利用者がアクセスしている場合、アクセス履歴管理手段4は、先に、メモリ4bに一時記憶した利用者識別情報によって特定される利用者のアクセス履歴情報中の、分類指定データによって指定される情報分類の関心度を更新する」構成は、本願発明における「ユーザ類似性を表す情報をユーザ属性の情報に記録する」構成に相当する。また、該構成において「情報分類の関心度」が更新される「利用者のアクセス履歴情報」は、利用者(ユーザ)毎に管理される属性情報であるといえるから、本願発明における「ユーザ属性の情報」に相当する。

引用発明における「自動モード」の処理は、情報源から特定の情報を取り出すものである点で、本願発明における「特定の情報項目を選択する」構成に対応する。
そして、該「自動モード」では、特定された利用者に対する複数の情報分類のうち最も関心度が高い情報分類を分類指定データとして興味情報選択手段5に出力し、興味情報選択手段5は、受け取った情報分類に属する情報を探索し、探索した情報を情報源6から取り出すものであり、「利用者の最も関心度が高い情報分類」とは、それまでの利用者の「アクセス履歴情報」に基づくものであるから、本願発明における「ユーザ属性」の情報に従って選択が行われているといえる。
さらに、「情報分類」は、本願発明における「項目属性を評価する」構成に相当する「情報」に付された「キーワード」を、「情報分類」に割付けたキーワードと一致するか判定した結果に基づくものであるから、「自動モード」において「利用者の最も関心度が高い情報分類」として指定された「情報分類」に属する情報は、「項目属性を評価する」処理の結果に従っているという点で、本願発明における「エージェント類似性に従う」構成に相当する構成を有している。

してみると、本願発明と引用発明との一致点及び相違点は、以下のとおりである。

(一致点)
「情報処理システムにおける情報項目格納部に格納された情報項目の集合から特定の情報項目をユーザに対して選択する、前記情報処理システムの情報処理装置によって実行されるコンピュータソフトウェアによる情報処理方法であって、各々の前記情報項目は1つ以上の項目属性を有し、前記情報処理システムは、前記情報処理装置によって実行されて前記情報項目の項目属性を評価してエージェント類似性を形成する手段を具え、
前記ユーザと前記情報項目との間のユーザ類似性を表す情報を、前記ユーザと前記システムとの間の過去の相互作用のパターンから少なくとも形成し、このユーザ類似性を表す情報をユーザ属性の情報に記録するステップと、
前記エージェント類似性に従うとともに前記ユーザ属性にも従って、特定の情報項目を選択するステップとを含むことを特徴とする、コンピュータソフトウェアによる情報処理方法。」

(相違点1)
項目属性を評価してエージェント類似性を形成するのが、本願発明は「第1エージェント」であるのに対して、引用発明では、「興味情報選択手段」である点。

(相違点2)
特定の情報項目を選択するステップを実行するのが、本願発明は「第1エージェント」であるのに対して、引用発明ではそのようになっていない点。


5.判断
上記相違点1及び2について判断する。
(相違点1について)
相違点1は、本願発明と引用発明とは、本願発明がエージェントの技術を用いているのに対して、引用発明はそのようになっていない点で実質的に相違しているといえる。
一方、内部に評価のための情報を持ち、入力に対して所定の評価を行い、その結果に応じて所定の動作を行うエージェントの技術は、例えば周知例1に記載されているように、この出願の出願前において周知の手段である。
そして、エージェント技術を情報の抽出に適用することは、例えば周知例2に記載されているように、この出願の出願前において周知のことである。
してみると、「情報分類」の各々にキーワードを割り付けて、情報分類に属するか判断する構成を有する引用発明に、該周知の手段を適用し、特定の分類に属する情報を選択するエージェントとして構成することは、当業者が必要に応じて容易になし得たことである。

(相違点2について)
相違点1について述べたとおり、引用発明に周知のエージェント技術を適用することは当業者が容易になし得たことであり、その際に、「エージェント」が特定の情報項目を選択するように構成することも当業者が容易になし得たことである。

また、本願発明の効果は引用例及び周知の事項から当業者が予想可能な範囲内のものであり、格別のものではない。
以上のとおり、本願発明は、引用例に記載された発明及び周知の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。


6.むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
したがって、その余の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2009-02-06 
結審通知日 2009-02-10 
審決日 2009-02-23 
出願番号 特願平9-502835
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (G06F)
P 1 8・ 536- WZ (G06F)
P 1 8・ 537- WZ (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 鈴木 和樹鶴谷 裕二紀田 馨  
特許庁審判長 長島 孝志
特許庁審判官 手島 聖治
菅原 浩二
発明の名称 ユーザが情報項目の集合から特定の情報項目を引き出すことを可能にする方法と、このような方法を実行するシステム  
代理人 高見 和明  
代理人 来間 清志  
代理人 冨田 和幸  
代理人 岩佐 義幸  
代理人 杉村 興作  
代理人 藤谷 史朗  
代理人 徳永 博  
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