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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1202347
審判番号 不服2006-11354  
総通号数 118 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-10-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-06-05 
確定日 2009-08-13 
事件の表示 平成 8年特許願第253240号「文書読み上げ装置および文書読み上げ方法」拒絶査定不服審判事件〔平成10年 4月24日出願公開、特開平10-105370〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続きの経緯・本願発明
本願は,平成8年9月25日の出願であって,平成17年5月18日付けで拒絶理由通知がなされ,同年7月25日付けで手続補正がなされたが,平成18年4月28日付けで拒絶査定がなされ,これに対して同年6月5日に拒絶査定に対する審判請求がなされたものである。
そして,その請求項4に係る発明は,平成17年7月25日付けの手続補正書によって補正された明細書の記載からみて,本願の特許請求の範囲の請求項4に記載された次のとおりのものである(以下,「本願発明」という。)。

「【請求項4】 外部からの指示により所要の文書を合成音声で読み上げる文書読み上げ装置についての文書読み上げ方法であって,文書を指示された個所から読み上げるようにし,文書の先頭に戻る指示がなされた場合には,音声スピードを下げるようにパラメータ変更を行うことを特徴とする文書読み上げ方法。」

2.引用例
これに対して,原査定の拒絶の理由に引用された特開平7-199992号公報(以下,「引用例1」という。),及び特開平6-250815号公報(以下,「引用例2」という。)には,図面とともに,次の事項が記載されている。

(1)引用例1(特開平7-199992号公報)

「【0010】
【実施例】以下,図面を参照して,本発明の一実施例について説明する。図1は,本発明の一実施例による情報提供装置の構成を示すブロック図である。1は言語処理部であり,外部(速報記事システム)から新聞記者等が出稿したテキストメッセージを受信すると,当該テキストメッセージに言語処理を施して読み上げ用テキストメッセージに変換する。そして,読み上げ用テキストメッセージを,例えば,十分な記憶容量のRAMで構成されるメッセージ格納部2に記憶させるとともに,その格納アドレス(記憶位置)を,例えば,十分な記憶容量のRAMで構成される位置情報格納部3に記憶させる。
【0011】ここで,位置情報格納部3の記憶内容について,図2を参照して説明する。図2は,位置情報格納部3に記憶される各種情報の構成を説明するための概念図である。この図に示すように,1つの読み上げ用テキストメッセージは,複数の文により構成されている。例えば,メッセージ番号がi(iは自然数)である読み上げ用テキストメッセージはj(jは自然数)個の文から構成されている。
【0012】位置情報格納部3には,メッセージ番号およびメッセージ中の文の数以外に,各文固有の文番号(s11,s12,s13,……,si1,si2,…,sij)と,各文番号で表される文が格納されているメッセージ格納部2内の格納アドレス(add11,add12,add13,……,addi1,addi2,…,addij)が対応付けられて記憶されている。
【0013】上述した言語処理部1を実現する自然言語処理技術として,ここでは,「日本語訂正支援システム(REVISE)」(研究実用化報告,第36巻,第9号,PP.1159?PP.1167参照)を用いるものとする。この「日本語訂正支援システム(REVISE)」を規則合成の前段に用いることにより,「読み間違い」の防止,正しいイントネーションでの発声を実現することができる。
【0014】また,図1において,4は制御部,5は信号受信部,6は音声合成部であり,以下に各部4?6について説明する。信号受信部5は,利用者に操作される電話機内のPB信号発声器から送信される指示信号(PB信号)を受信し,対応する信号を制御部4へ供給する。
【0015】ここで,指示信号とは,利用者が要求する処理を表す信号であり,例えば,利用者が電話機のボタン“7”を押して送信される指示信号は読み上げ中のメッセージの未聴部分の「スキップ」を,ボタン“8”を押して送信される指示信号は読み上げ中の文の文頭,または前の文の文頭から読み上げ直す「バック」を,ボタン“9”を押して送信される指示信号は読み上げ中のメッセージの「リピート」を意味する。
【0016】制御部4は,例えば,図示せぬCPU,ROM,RAM,各種I/Oインタフェース等から構成され,読み上げ中のメッセージに対応する読み上げ用テキストメッセージおよび文に付与されたメッセージ番号および文番号を管理し,現在読み上げ中の文の文番号と,信号受信部5から供給される信号(利用者の指示を表す)とに応じて,次に読み上げるべき文の文番号を決定する。また,制御部4は,現在読み上げ中の文が終了した場合,または,信号受信部5から何らかの信号が供給された場合には,位置情報格納部3を参照して次に読むべき文の記憶位置情報を得た後,当該記憶位置情報に表される記憶位置に記憶された読み上げ用テキストメッセージをメッセージ格納部2から音声合成部6へ供給させる。
【0017】音声合成部6は,メッセージ格納部2から供給される読み上げ用テキストメッセージに規則合成を施して音声出力する。この音声合成部6で出力された音声信号は利用者の電話機の受話器から出力される。なお,利用者は,ある読み上げ用テキストメッセージが読み上げられている間に,電話機から指示信号を送信し,読み上げ用テキストメッセージ単位,或いは,読み上げ用テキストメッセージを構成している文単位で読み上げ順序の変更を指示する。
【0018】このような構成の情報提供装置の動作について,図3を参照して説明する。図3は,本発明の一実施例による情報提供装置が行う読み上げ処理の動作を示す処理図であり,この図に示す動作は,利用者が電話機を介して情報提供装置にアクセスするとステップS1から順に実行される。
【0019】まず,ステップS1は,利用者が電話機を介して情報提供装置にアクセスした直後に為される処理であり,情報提供装置は提供可能なメッセージと,そのメッセージを読み上げるために必要な操作内容を案内する。ここで,利用者が,所望のメッセージを選択し,当該メッセージに対応した操作を電話機に対して行うと,電話機から利用者の操作内容に応じた指示信号(PB信号)が送信される。そして,処理はステップS2へ進む。
【0020】ステップS2では,ステップS1で送信された指示信号を信号受信部5が受信し,対応する信号を制御部4へ供給する。すると,制御部4は,読み上げ中のメッセージのメッセージ番号および文番号を,内部RAMの作業領域に記憶する。次に,ステップS3では,制御部4が,信号受信部5から供給された信号と上記作業領域に記憶されたメッセージ番号および文番号とに基づいて,次に読み上げるべき読み上げ用テキストメッセージのメッセージ番号と文の文番号とを決定する。そして,当該メッセージ番号および文番号に対応付けて記憶された格納アドレスを位置情報格納部3から読み出し,メッセージ格納部2の当該格納アドレスに記憶された読み上げ用テキストメッセージを構成する文を,順次,音声合成部6へ供給させて音声出力を行う。
【0021】ステップS4は,ステップS3での音声出力に並行して行われる処理であり,利用者が,所望のメッセージの音声合成出力を聞いている間に,そのメッセージについて継続して聞く意志がなくなったり,そのテキストメッセージをもう一度最初から聞き直したいと思ったり,あるいは,現在読み上げ中の文で聞き漏らした部分を聞き直したいと思ったりした場合に,利用者が,読み上げるメッセージや文を変更するための指示を電話機を介して送信する。
【0022】ステップS5は,ステップS4に後続して為される処理であり,電話機,信号受信部5を介して制御部4へ供給された指示が,読み上げ中止を意味するものであるか否かを判断する。この判断結果が「Yes」であれば,読み上げ処理が終了する。すなわち,情報提供サービスが終了する。逆に当該判断結果が「No」であれば,処理はステップS6へ進む。
【0023】ステップS6では,制御部4は,ステップS4で供給された指示と,内部RAMの作業領域に保持している現在読み上げ中の読み上げ用テキストメッセージおよび文のメッセージ番号および文番号の情報とに基づいて,次に読み上げるべき読み上げ用テキストメッセージおよび文のメッセージ番号および文番号を決定する。そして,決定されたメッセージ番号および文番号に対応付けて位置情報格納部3に格納された格納アドレスを取得する。そして,処理はステップS3へ戻る。こうして,読み上げ処理が行われる。
【0024】以上説明したように,本発明の一実施例による情報提供装置は,自然言語処理および規則合成を用いて音声合成処理を行うようにしたために,優れた速報性と聞き易い音声出力を両立することができる。また,位置情報格納部3に読み上げ用テキストメッセージを構成する文の文番号および格納アドレスを記憶するようにしたため,制御部4が「スキップ」,「バック」,「リピート」の各指示に応じて次に読み上げる文を変更することができる。したがって,インタクティブ性に優れた情報提供サービスを行うことができる。」

よって,引用例1には以下の発明(以下,「引用例1記載の発明」という。)が記載されている。

「新聞記者等が出稿したテキストメッセージを受信して,複数の文により構成されている読み上げ用テキストメッセージに変換してメッセージ格納部に記憶させ,利用者の操作により電話機から送信される指示信号により複数の文により構成されるメッセージを指定して読み上げる情報提供装置によるメッセージ読み上げ方法であって,利用者がテキストメッセージをもう一度最初から聞き直したいと思った場合に,利用者が読み上げるメッセージや文を変更する指示を電話機から指示することができる,メッセージ読み上げ方法。」

(2)引用例2(特開平6-250815号公報)

(2a)「【0008】本発明はこのような事情を考慮してなされたもので,その目的は,受信したボイスメールの音声データ中の無音部分で区切られる文節や文などの区切りの位置を検出することにより,ボイスメールの音声出力期間に利用者から音声再出力が要求された場合には,上記の区切りの位置を用いて,その時点で出力していた文節や文などの単位の音声データ部分を再度音声出力することができるボイスメール端末を提供することにある。本発明の他の目的は,利用者が要求した音声データ部分を,利用者が聞き取り易い形態で再出力できるボイスメール端末を提供することにある。」

(2b)「【0016】また,音声再出力に際し,再出力開始位置から始まる1区間の音声データ部分を加工して,通常より大きい音声で,且つゆっくりと出力することにより,利用者が聞き返したかった音声部分を利用者にとって聞き取り易いものとすることができる。」

(2c)「【0031】このように本実施例では,音声出力の期間に利用者からの音声再出力要求がないとステップt3で判別される限りは,ステップt1,t2を音声データがなくなるまで繰り返し,ボイスメールを連続して音声出力することになる。これに対して,利用者からの音声再出力要求があった場合には,以下に述べる音声の再出力処理が行われる。
【0032】メール制御部2は,前記したように,音声出力の対象とする音声データ部分(ここでは,S2+M2であるとする)をD/A変換装置10に出力すると,その音声データ部分の音声出力の期間に利用者からの音声再出力要求があるか否かを,音声検出部9の音声検出結果により調べる(ステップt3)。もし,(S2+M2)の音声データ部分の音声出力期間中に,利用者がマイクロホン7から何等かの音声(例えば音声再出力を要求する音声)を入力すると,音声検出部9により音声再出力要求が検出され,ステップt3の判定はYESとなる。
【0033】メール制御部2は,音声検出部9の音声検出結果により利用者からの音声再出力要求があったことを判別すると,D/A変換装置10を制御してスピーカ11からの音声出力を直ちに停止させ(ステップt4),そのときスピーカ11から出力されていた音声データ部分を音声再出力の対象とする音声データと決定して,後続の処理(ステップt5,t6)を行う。ここで決定される音声再出力の対象となる音声データ部分の開始位置は,音声再出力要求が検出された直前の音声データ部分との(無音部分による)区切りの位置となる。したがって,図4に示す(S2+M2)の音声データ部分の音声出力期間に音声再出力要求があったものとすると,S2部分の先頭から次の無音部分M2の終端までの音声データ部分が,再出力すべき音声データ部分とされる。
【0034】さてメール制御部2は,ステップS5において,音声再出力の対象とする音声データ部分を音声加工部13に渡し,同音声データ部分を,大きい音声で且つゆっくりと出力されるように加工させる。ここで,出力音声を大きくするには,音声データ(ディジタルデータ)の値を大きくすることによって実現できる。また,音声をゆっくりと出力するには,音声データ(ディジタルデータ)を近似補間した後に,ローパスフィルタリングを施すことによって実現できる。」

(2d)「【0042】このように,本実施例に係わるボイスメール端末では,無音検出部12により受信ボイスメールから文節や文の区切りの位置を検出して,その検出位置で区切られた文節や文を単位にボイスメールを音声出力するようにしたので,そのボイスメールの音声出力の最中に利用者からの音声再出力の要求があれば,その時点で出力していた文節や文などを,要求された音声再出力の対象部分であると認識して再出力することができ,受信ボイスメールを最初から全て音声再出力しなければならなかった従来のボイスメール端末に比べ,利用者にとって極めて便利なものとなる。しかも,本実施例では,音声の再出力の対象部分を,大きな音声で且つゆっくりと再出力できるため,利用者にとって聞き取り易いものとなる。
【0043】また本実施例によれば,ボイスメールを保存する際には,文節や文などの単位で音声出力して,この単位で利用者が保存したいか否かを選択するというインタラクティブな保存処理が行えるため,音声データ保存用に大容量のファイルシステムを必要としないで済む。なお,本発明は上述した実施例に限定されるものではない。」

(2e)「【0045】またボイスメール端末の構成も図1に限定されるものではない。例えば利用者の音声再出力要求を入力するための手段として,マイクロホン7を用いた音声による入力に限らず,キーボードやマウスを用いた構成も可能である。音声データ保存の“YES”または“NO”の指示の入力に,音声認識部を設けることで,マイクロホン7を用いた音声による入力手段を実現することも可能である。更に,利用者が本ボイスメール端末を利用する手段として,電話を用いて利用者にボイスメールを音声出力して,音声再出力等をプッシュボタン等で指示するように構成することも可能である。」

よって,引用例2には以下の発明(以下,「引用例2記載の発明」という。)が記載されている。

「データを音声出力するコンピュータ装置において,音声出力の最中に利用者から音声再出力要求があると,聞き返したかった音声部分(その時点で出力していたデータ)を,再度ゆっくりと(スピードを下げて)音声出力すること。」

3.対比
本願発明と引用例1記載の発明とを対比する。

引用例1記載の発明の「指示」は,利用者の電話機から情報提供装置に送信されてくるから,本願発明の「外部からの指示」に相当する。

引用例1記載の発明の「テキストメッセージ」は,新聞記者等が出稿したものであるから,文書である。また,引用例1記載の発明において読み上げる「テキストメッセージ」は,利用者が指定(所望のメッセージを選択)したものであるから,利用者にとって必要な文書(メッセージ),すなわち「所要の文書」といえる。

引用例1記載の発明の読み上げ方法は,テキストメッセージに言語処理を施して変換した読み上げ用テキストメッセージを,音声合成出力しているから,「合成音声で読み上げ」ている。
そして,文書を合成音声で読み上げる引用例1記載の発明の「情報提供装置」は,「文書読み上げ装置」といえ,引用例1記載の発明の「メッセージ読み上げ方法」は,「文書読み上げ方法」といえる。

引用例1記載の発明の文書読み上げ方法は,例えば,「バック」指示に応じて,読み上げ中の文の文頭から読み上げ直すから,「文書を指示された個所から読み上げるようにし」ている。

引用例1記載の発明において,利用者がテキストメッセージをもう一度最初から聞き直したいと思った場合に行う「読み上げるメッセージや文を変更する指示」と,本願発明の「文書の先頭に戻る指示」は,文書を聞き直す指示である点で共通である。
また,引用例1記載の発明の「読み上げるメッセージや文を変更する」ことと,本願発明の「音声スピードを下げるようにパラメータ変更を行う」ことは,文書を聞き直す指示がなされた場合に行う所定の処理である点で共通である。

したがって,本願発明と引用例1記載の発明は,以下の点で一致し,また,相違している。

(一致点)
「外部からの指示により所要の文書を合成音声で読み上げる文書読み上げ装置についての文書読み上げ方法であって,文書を指示された個所から読み上げるようにし,文書を聞き直す指示がなされた場合には,所定の処理を行うことを特徴とする文書読み上げ方法。」

(相違点1)
本願発明の文書を聞き直す指示は,文書の先頭に戻る指示であるのに対して,
引用例1記載の発明では,読み上げるメッセージや文を変更する指示が,文書の先頭に戻る指示であるのかどうか明らかでない点。

(相違点2)
本願発明の所定の処理は,音声スピードを下げるようにパラメータ変更を行うことであるのに対して,
引用例1記載の発明の所定の処理は,次に読み上げる文を変更するだけで,音声スピードを下げるようにパラメータ変更を行うことは記載されていない点。

4.当審の判断

上記相違点について検討する。

(相違点1について)
文書読み上げ装置において,読み上げ(音声出力)中の文書を聞き直す指示として,文や文節の先頭に戻る指示の他に,文書の先頭に戻る指示があることは,特開平4-177526号公報の第6頁左上欄第11行?第8頁左上欄第1行,及び関連する図面,特開平5-281988号公報の段落【0011】?【0013】,及び関連する図面に記載されているように,本願の出願前に周知の技術(以下,「周知技術1」という。)である。
引用例1記載の発明に周知技術1を適用し,文書を聞き直す指示(読み上げるメッセージや文を変更する指示)に応じて戻る位置を,文書の先頭とすることで,上記相違点1に係る本願発明の構成とすることは,当業者が容易に想到し得たことである。

(相違点2について)
引用例2には,データを音声出力するコンピュータ装置において,音声出力の最中に利用者から音声再出力要求があると,聞き返したかった音声部分(その時点で出力していたデータ)を,再度ゆっくりと(スピードを下げて)音声出力することが記載されており,
引用例1記載の発明と引用例2記載の発明は,利用者が音声出力中のデータを聞き直し(聞き返し)できる点で共通している。

なお,文書読み上げ装置において,音声スピードの上げ下げをパラメータ変更を行って制御することは,特開平4-177526号公報の第4頁右下欄第12行?第5頁右上欄第2行,第6頁左上欄第11行?第8頁左上欄第1行,及び関連する図面,特開平1-266598号公報の第2頁左下欄第6行?右下欄第19行,第3頁右下欄第1行?第15行,及び関連する図面に記載されているように,本願出願前に周知の技術(以下,「周知技術2」という。)である。

そうすると,引用例1記載の発明において,周知技術2を参酌して引用例2記載の発明を適用し,文書を聞き直す指示がなされた場合に,再度ゆっくりと音声出力するように,音声スピードを下げるようにパラメータ変更を行って, 上記相違点2に係る本願発明の構成とすることは,当業者が容易に想到し得たことである。

そして,本願発明のように構成したことによる効果も引用例1,2記載の発明,及び周知技術から予想できる程度のものであって,格別のものではない。
したがって,本願発明(請求項4に係る発明)は,引用例1,2記載の発明,及び周知技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものである。

5.結び
以上のとおり,本願発明は,引用例1,2記載の発明,及び周知技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって,結論のとおり,審決する。
 
審理終結日 2009-06-09 
結審通知日 2009-06-16 
審決日 2009-07-02 
出願番号 特願平8-253240
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 田中 慎太郎  
特許庁審判長 大野 克人
特許庁審判官 近藤 聡
五十嵐 努
発明の名称 文書読み上げ装置および文書読み上げ方法  
代理人 丹羽 宏之  
代理人 野口 忠夫  

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