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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1202890
審判番号 不服2008-1806  
総通号数 118 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-10-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-01-23 
確定日 2009-08-28 
事件の表示 特願2001-376512「カードゲーム」拒絶査定不服審判事件〔平成15年 6月24日出願公開、特開2003-175145〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第一.手続の経緯
本願は、平成13年12月10日の出願であって、拒絶理由通知に対応して平成19年9月25日に手続補正書が提出され、その後なされた拒絶査定に対し、平成20年1月23日に拒絶査定に対する審判請求がなされたものである。

第二.本願発明
本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成19年9月25日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
「ルールに従って二人以上のプレイヤでプレイするカードゲームであって、
前記二人以上のプレイヤがそれぞれ使用する複数枚のカードからなる2以上のデッキと、
前記2以上のデッキがそれぞれ配置される2以上のデッキ置き場及び前記二人以上のプレイヤのためにそれぞれ予め定められた複数のカード置き場からなる2以上のカードエリアを少なくとも含むプレイフィールドと、
前記2以上のデッキからそれぞれ引かれた複数枚の前記カードからなり、前記二人以上のプレイヤがそれぞれ使用する2以上の手札とを備え、
前記デッキ中の前記複数枚のカードには、前記カード置き場に置かれてプレイヤが支配するカード置き場を確定する複数枚のテリトリカードと、前記複数のカード置き場から選択された前記カード置き場に存在してカードの対戦に使用される複数枚のユニットカードとが少なくとも含まれ、
少なくとも前記複数枚のテリトリカード及び前記複数枚のユニットカードの表面には、視覚によって識別できる複数種類のシンボルから選択された1以上のシンボルがそれぞれ表示されており、
前記ルールには、前記プレイヤの1枚以上の前記ユニットカードが前記カード置き場に存在し得る条件として、前記ユニットカードに表示された前記1以上のシンボルと、1以上の前記カード置き場に存在する前記プレイヤの1枚以上の前記テリトリカードに表示された前記1以上のシンボルとが所定の関係を満たしていなければならないというカード存在条件が含まれており、
前記複数種類のシンボルは、色の相違により種類が識別可能に構成されており、
前記テリトリカードの前記表面には、前記1以上のシンボルが、複数箇所に表示されていることを特徴とするカードゲーム。」

第三.特許要件(特許法第29条第2項)の検討
1.引用刊行物記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された特開2000-288155号公報並びに周知事項を例示するための刊行物である特開平8-308980号公報及び特開2000-93573号公報には以下の事項が記載されている。
(A)特開2000-288155号公報(以下「刊行物A」という。)
「【0004】従って、本発明の目的は上記従来技術が有する問題を解消し、キャラクターの魅力と世界観を楽しむことができるトレーディングカードゲーム「ザ・ミラクルオブ ザ・ゾーン」のゲーム方法を提供することを目的としたものである。
【0016】図1に示す召喚師カード1は、中央に召喚師2の姿が描かれ、この召喚師カード1の「天」、「左」、「右」の3辺1a、1b、1cの各辺には、1辺につき最小1?最大3ケの「属性マーク」3i、3h、3cが配置してあり、この召喚師カード1の下辺1dには、当該召喚師2の名前4が記されており、この名前4の下の特徴エリア5には、当該召喚師2の特徴、能力、召喚獣(後述する)との相性6が記され、特徴エリア5の左辺5aには「抜き手」7が記され、特徴エリア5の右辺5bには当該召喚師2のレベル8、性別9及び年齢10が記されており、特徴エリア5の下辺5cには「+修正」11の内容が記されている。
【0020】図3に示す召喚獣カード20は、その中央に召喚獣22の姿が描かれており、その召喚獣カード20の下辺22aには当該召喚獣22の名前23が記され、その名前23の下方の特徴エリア24には当該召喚獣22の特徴が記され、その特徴エリア24の右辺24aには属性マーク3cやパワーの数値25が記されている。
【0032】次に、この「ザ・ミラクル オブ ザ・ゾーン」のゲームの手順を説明する。図9は「ザ・ミラクル オブ ザ・ゾーン」のカード配置エリアの説明図である。「召喚師カード置場」85は、自分が所有するカード55枚のうちの、召喚師カード1を5枚をまとめた山83を裏向きに置くエリアである。「山札置場」86は、自分が所有するカード55枚のうちの、召喚獣カード20及び補助カード30?70を適宜組み合わせて50枚をまとめた山84(以下、このことを「ゾーン」84という)を裏向きに置くエリアである。
【0033】「場」88は、手札(後述する)から召喚獣カード20や補助カード30?70を出すエリアであり、「場」88の中央88aは、山83の最上位の召喚師カード1を出すエリアである。「ホール」(墓場)90は、「山札置場」86の上方に位置し、1枚目の召喚師カード1のゲームが終わった後、「場」88に残された召喚師カード1以外のカードを裏向きにして横向きに置くエリアである。「使用済みの召喚師カード置場」92は、「山札置場」86の下方に位置し、対戦を終えた召喚師カード1を表向きに置くエリアである。・・・
【0034】第1ステップ
図10に示すように、ゲームは自分80と相手82との1対1(すなわち、2人対戦)で行う。先ず、好みの組み合わせにした(以下、このことを「チューニングした」という)自分80のカード(以下、これを「デッキ」という)55枚を、5枚の召喚師カード1の山83と、50枚の召喚獣カード20及び補助カード30?70のゾーン84とに分ける。
【0039】また、50枚の召喚獣カード20及び補助カード30?70の組み合わせは、下記の表4に示すように選択する。・・・なお、「召喚獣カード」20と「補助カード」30?70との枚数の割合は任意であるが、30:20が好ましい。
【0042】第2ステップ
図11に示すように、「山札置場」86のゾーン84の最上段からカードを7枚引いて、7枚のカードを自分80の手札87とする。このとき、相手82に自分80の手札87を見られないように手札87を確認する。次に、「召喚師カード置場」85の最上段の召喚師カード1を、お互いに同時に「場」88の中央88aに出し、自分80の召喚師2の名前を相手82に伝える。
【0044】第3ステップ
図12に示すように、先手は、ゾーン84の最上段のカードを1枚引き、手札87を8枚にする。次に、8枚の手札87の中から、召喚師カード1の「天」、「左」、「右」、「下」の4辺1a、1b、1c、1dの中の1辺の「場」88に出すための1枚のカードを選ぶ。
【0045】ここで、召喚獣カード20は、召喚師カード1の「天」、「左」、「右」についている属性マーク3a?3mに合えば、どこの「場」88でも出すことができる。また、helpカード30やhelp&SPカード50は、召喚師カード1の下辺1dの「場」88に出すことができる。例えば、召喚師カード1の「天」の属性マークが「黄金」3iとすると、8枚の手札87の中から、属性マークが「黄金」3iの召喚獣カード20を選ぶ。なお、出すカードと出す場所に順番はなく、任意に出すことができる。」

そして、刊行物Aの発明の詳細な説明は、主として自分80のカードについて説明しているが、同様のカードが相手82側にもあることは当然である。
以上の記載及び刊行物Aの図面等に基づけば、刊行物Aには次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認めることができる。
「自分80と相手82との2人対戦で行うトレーディングカードゲームであって、
前記自分80及び相手82のデッキである55枚のカードと、
前記自分80及び相手82が所有する召喚師カード1を置くエリアである召喚師カード置場85、前記自分80及び相手82が所有する召喚獣カード20及び補助カード30?70を置くエリアである山札置場86、召喚獣カード20や補助カード30?70を出すエリアである場88、ホール90、使用済みの召喚師カード置場92を含むカード配置エリアと、
前記山札置場86の山84の最上段からカードを7枚引いてなる前記自分80及び相手82の手札87とを備え、
前記デッキには、前記場88の中央88aに出す5枚の前記召喚師カード1と、30枚の前記召喚獣カード20と、20枚の補助カード30?70が含まれ、
5枚の前記召喚師カード1には最小1?最大3ケの属性マークが配置してあり、30枚の前記召喚獣カード20には1ケの属性マークが記されており、
前記召喚獣カード20は、前記召喚師カード1の前記属性マークに合えば、どこの場88でも出すことができ、
前記属性マークは、火3a、水3b、大地3c、大気3d、森3e、光3f、闇3g、機械3h、黄金3i、貝3jの10種類あり、
5枚の前記召喚師カード1には3辺の各辺に1辺につき最小1?最大3ケの属性マークが配置してあるトレーディングカードゲーム。」

(B)特開平8-308980号公報(以下「刊行物B」という。)
「【0005】【作用】ストップカードは、指定箇所を1周の間だけせき止めることが出来る機能を持つ。他の人は、ストップカードが出された箇所にカードを出すことが出来なくなる。パスカードは、数字カードを出す代わりにこのカードを出すことによって、パスをすることが出来る機能を持つ。オールマイティーカードは、任意の数字カードの代わりとなって、次の数宇カードを出すことが出来る機能を持つ。これらのカードを使用することによって、より高度な戦略を立てながらゲームを進めることが可能となる。また、数字カードを色分けすることによって、識別し易くなる。」

(C)特開2000-93573号公報(以下「刊行物C」という。)
「【0006】手持ちカードは、アクションカードを含む。アクションカードは、他のプレーヤーの点数カードを1枚横取りできるスチールカード、点数カードを他のプレーヤーの点数カードと1枚づつ交換できるチェンジカード、自身の点数カード又は他のプレーヤーの点数カードを1枚戻すことができるリリースカード、自分の点数カードを他のいずれかのプレーヤーの点数カードと全て交換できるオールチェンジカード及び他のアクションカードによるアクションを阻止できるストップカードのいずれか1つとする。手持ちカードと点数カードとの裏面の色を変える。これにより、カードを場に置いたときに、両者の区別が容易となる。」

2.引用発明と本願発明との対比
そこで、本願発明と引用発明とを比較すると、
引用発明の「自分80と相手82」は、本願発明の「二人以上のプレイヤ」に相当し、以下同様に、
「トレーディングカードゲーム」は「カードゲーム」に、
「55枚のカード」は「複数枚のカード」に、
「召喚師カード置場85」及び「山札置場86」は「デッキ置き場」に、
「場88」は「カード置き場」に、
「カード配置エリア」は「プレイフィールド」に、
「前記自分80及び相手82の手札87」は「前記二人以上のプレイヤがそれぞれ使用する2以上の手札」に、
「前記デッキ」は「前記デッキ中の前記複数枚のカード」に、
「前記場88の中央88aに出す」は「前記カード置き場に置かれ」に、
「召喚師カード1」は「テリトリカード」に、
「召喚獣カード20」は「ユニットカード」に、
「属性マーク」は「シンボル」に、
「記されており」は「表示されており」に、
「3辺の各辺」は「複数箇所」に、
「配置してある」は「表示されている」に、それぞれ相当する。
また、刊行物A全体の記載等からみて以下のことが言える。
なお、山括弧内の記載は、相当する本願発明の構成を示す。

a.引用発明の「2人対戦で行うトレーディングカードゲーム」がルールに従ってプレイするものであることは当然であるから、引用発明は本願発明の「ルールに従って二人以上のプレイヤでプレイするカードゲーム」に相当するカードゲームであるということができる。

b.引用発明の「自分80及び相手82のデッキ」はそれぞれ自分80及び相手82が使用するものであることが明らかであり、該デッキは55枚のカード<複数枚のカード>からなっているから、引用発明の「自分80及び相手82のデッキである55枚のカード」は本願発明の「二人以上のプレイヤがそれぞれ使用する複数枚のカードからなる2以上のデッキ」に相当するものということができる。

c.引用発明の「召喚師カード1」及び「召喚獣カード20及び補助カード30?70」は、1つのデッキとなっており、自分80及び相手82が使用するデッキがそれぞれ「召喚師カード置場85」及び「山札置場86」に置かれるのであるから、引用発明の「召喚師カード置場85」及び「山札置場86」は本願発明の「前記2以上のデッキがそれぞれ配置される2以上のデッキ置き場」に相当するものといえる。
また、引用発明の「場88」、「ホール90」及び「使用済みの召喚師カード置場92」に複数のカードが置けるようになっていることは図9等からみて明らかであるから、引用発明の「場88」、「ホール90」及び「使用済みの召喚師カード置場92」は本願発明の「前記二人以上のプレイヤのためにそれぞれ予め定められた複数のカード置き場」に相当するものといえる。
そして、以上を考え合わせると、引用発明は本願発明の「前記2以上のデッキがそれぞれ配置される2以上のデッキ置き場及び前記二人以上のプレイヤのためにそれぞれ予め定められた複数のカード置き場からなる2以上のカードエリアを少なくとも含むプレイフィールド」に相当する構成を有するものということができる。

d.引用発明の「カードを7枚引いてなる」手札87は本願発明の「引かれた複数枚の前記カードからな」る手札ということができ、引用発明の「前記山札置場86の山84」と本願発明の「前記2以上のデッキ」は“ゲームで使用する複数枚のカード”である点で共通しているから、引用発明と本願発明は、“ゲームで使用する複数枚のカードからそれぞれ引かれた複数枚の前記カードからなり、前記二人以上のプレイヤがそれぞれ使用する2以上の手札”を備える点で共通している。

e.引用発明の「召喚師カード1」は場88の中央88aに出されてその後「召喚獣カード20」が置けるか否かを決めるものであるから、本願発明における「前記カード置き場に置かれてプレイヤが支配するカード置き場を確定する」に相当する機能を有するカードということができ、引用発明の「召喚獣カード20」は「召喚師カード1」の左右及び上のいずれかの場88から選択されたところに置かれるものであるから、本願発明における「前記複数のカード置き場から選択された前記カード置き場に存在してカードの対戦に使用される」に相当する機能を有するカードということができる。

f.引用発明の「属性マーク」が視覚によって識別できるものであることや「召喚師カード1」及び「召喚獣カード20」の表面に表示されることは、図1?3の記載から明らかであり、それぞれのカードに表示される「属性マーク」が複数種類の属性マークから選択された1以上の属性マークであることも同じく図1?3の記載から明らかであるから、引用発明は本願発明における「少なくとも前記複数枚のテリトリカード及び前記複数枚のユニットカードの表面には、視覚によって識別できる複数種類のシンボルから選択された1以上のシンボルがそれぞれ表示されており」に相当する構成を有するものということができる。

g.引用発明の「召喚獣カード20」は該カードに記されている「属性マーク」が場88の中央88aに出されている「召喚師カード1」に配置してある属性マークに合えば前記場88に出すことができるものであるから、引用発明のカードゲームにおけるルールにおいても、「召喚獣カード20」<ユニットカード>が場88<カード置き場>に存在し得る条件としては、該「召喚獣カード20」に記されている「属性マーク」<ユニットカードに表示された前記1以上のシンボル>が場88の中央88aに出されている「召喚師カード1」に配置してある属性マーク<1以上の前記カード置き場に存在する前記プレイヤの1枚以上の前記テリトリカードに表示された前記1以上のシンボル>に合うという条件<所定の関係を満たしていなければならないというカード存在条件>が含まれているということができる。

以上を総合すると、両者は、
「ルールに従って二人以上のプレイヤでプレイするカードゲームであって、
前記二人以上のプレイヤがそれぞれ使用する複数のカードからなる2以上のデッキと、
前記2以上のデッキがそれぞれ配置される2以上のデッキ置き場及び前記二人以上のプレイヤのためにそれぞれ予め定められた複数のカード置き場からなる2以上のカードエリアを少なくとも含むプレイフィールドと、
ゲームで使用する複数枚のカードからそれぞれ引かれた複数枚の前記カードからなり、前記二人以上のプレイヤがそれぞれ使用する2以上の手札とを備え、
前記デッキ中の前記複数枚のカードには、前記カード置き場に置かれてプレイヤが支配するカード置き場を確定する複数枚のテリトリカードと、前記複数のカード置き場から選択された前記カード置き場に存在してカードの対戦に使用される複数枚のユニットカードとが少なくとも含まれ、
少なくとも前記複数枚のテリトリカード及び前記複数枚のユニットカードの表面には、視覚によって識別できる複数種類のシンボルから選択された1以上のシンボルがそれぞれ表示されており、
前記ルールには、前記プレイヤの1枚以上の前記ユニットカードが前記カード置き場に存在しうる条件として、前記ユニットカードに表示された前記1以上のシンボルと、1以上の前記カード置き場に存在する前記プレイヤの1枚以上の前記テリトリカードに表示された前記1以上のシンボルとが所定の関係を満たしていなければならないというカード存在条件が含まれており、
前記テリトリカードの前記表面には、シンボルが、複数箇所に表示されているカードゲーム。」
の点で一致し、以下の点で相違している。

[相違点1]
本願発明の「手札」がデッキから引かれたものであるのに対し、引用発明の「手札87」はデッキの一部である「山札置場86の山84」すなわち「召喚師カード1」を含まない複数枚のカードから引かれたものである点。
[相違点2]
本願発明の「複数種類のシンボル」は色の相違により種類が識別可能に構成されているのに対し、引用発明の10種類ある「属性マーク」<シンボル>は色の相違により種類が識別可能に構成されているか否か明らかでない点。
[相違点3]
本願発明の「前記1以上のシンボル」はテリトリカードの表面の複数箇所に表示されているのに対し、引用発明の「属性マーク」<シンボル>は「召喚獣カード20」<ユニットカード>の「3辺の各辺」<複数箇所>に配置してあるものの各辺の「属性マーク」はそれぞれ異なっていても良い点。

3.当審の判断
[相違点1について]
最初に場に出されて他のカードを場に出す際のもととなる種カードを手札中に存在可能とすることは、例えば、七並べにおいて種カードである4種類の7のカードも合わせて手札としているように従来周知の事項(以下「周知事項1」という。)であるから、引用発明において種カードである「召喚師カード1」を別扱いせずに該カードも手札中に存在可能となるように、デッキすなわち55枚のカードから引いて手札とすることは、カードゲームの分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に想到し得る事項である。
[相違点2について]
カードゲームに用いるカードを識別し易くする手段として色を相違させることは、上記刊行物B及びCに記載されるように従来周知の事項(以下「周知事項2」という。)であるから、引用発明において「属性マーク」<シンボル>の色を相違させて相違点2に係る本願発明の構成とすることは当業者が容易に想到し得る事項である。
[相違点3について]
カード表面の複数箇所に同じシンボルを表示することは、例えば、トランプカードに見られるように従来周知の事項(以下「周知事項3」という。)であるから、引用発明において「召喚獣カード20」の「3辺の各辺」に配置してある「属性マーク」を同じ属性マーク又は同じ属性マークの組み合わせとして相違点3に係る本願発明の構成とすることは当業者が容易に想到し得る事項である。

さらに、本願発明の作用効果も、引用発明及び周知事項1?3から当業者が予測できる範囲のものである。
したがって、本願発明は、引用発明及び周知事項1?3に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

第四.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知事項1?3に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
そして、他の請求項(請求項2?10)に係る発明については検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2009-06-18 
結審通知日 2009-06-23 
審決日 2009-07-08 
出願番号 特願2001-376512(P2001-376512)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 中澤 真吾  
特許庁審判長 小原 博生
特許庁審判官 川島 陵司
井上 昌宏
発明の名称 カードゲーム  
代理人 西浦 ▲嗣▼晴  

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