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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1202954
審判番号 不服2007-2933  
総通号数 118 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-10-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-01-25 
確定日 2009-08-27 
事件の表示 特願2001-340578「企業情報提供ページ作成支援システム及びサーバ装置」拒絶査定不服審判事件〔平成15年 5月16日出願公開、特開2003-141103〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成13年11月6日の出願であって、平成18年12月8日付けで拒絶査定がされ、これに対し、平成19年1月25日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに、同年2月26日付けで手続補正がなされたものである。

2.平成19年2月26日付け手続補正書についての補正却下の決定

[補正却下の決定の結論]
平成19年2月26日付けの手続補正を却下する。

[理由]
(1)補正後の本願発明
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、
「企業の情報を公開するウェブページの作成を行う企業情報提供ページ作成支援システムであって、
通信ネットワークを介して任意のノードと通信を行う通信手段と、
前記ウェブページ作成のための、少なくともウェブページ作成のためのテキスト情報を含み、行または列を指定するフォーム、静止画像、画像(ロゴ)、静止画像および動画像、ファイルのいずれかを含みうる入力情報、確認指示、クリア指示を所定の画面構成で表示させるため、複数の企業に関する情報を、少なくともウェブページ作成のためのテキスト情報を所定のフォーマットで提供するための所定の画面構成のウェブページの、当該画面構成に関わる情報を有するページテンプレートデータを、ウェブページ毎に複数記憶するページテンプレートデータ記憶手段と、
前記通信手段を介して企業情報を公開すべきウェブページ開設に関わるノードと通信を行い、前記複数のページテンプレートデータの中から前記ウェブページ開設に関する前記企業に関する情報を提供するためのページテンプレートデータを選択させるページ選択手段と、
前記通信手段を介して前記ウェブページ開設に関わるノードと通信を行い、前記選択されたページテンプレートデータを含むウェブページに前記ウェブページ開設に関わる前記企業の所望の情報として、前記所定の画面構成の下で、少なくともウェブページ作成のためのテキスト情報を含み、行または列を指定するフォーム、静止画像、画像(ロゴ)、静止画像および動画像、ファイルのいずれかを含みうる前記入力情報を前記表示画面の固定位置から入力させ、前記表示画面における確認指示、クリア指示を行う、情報入力手段と、
入力された前記所望の情報および前記ページテンプレートデータに基づいて、前記情報を提供するウェブページデータを生成するページデータ生成手段と
を有する企業情報提供ページ作成支援システム。」

と補正された。
なお、前記補正後の請求項1中の「前記ウェブページ作成のための、少なくともウェブページ作成のためのテキスト情報を含み、行または列を指定するフォーム、静止画像、画像(ロゴ)、静止画像および動画像、ファイルのいずれかを含みうる入力情報、確認指示、クリア指示を所定の画面構成で表示させるため、複数の企業に関する情報を、少なくともウェブページ作成のためのテキスト情報を所定のフォーマットで提供するための所定の画面構成のウェブページの、当該画面構成に関わる情報を有するページテンプレートデータを、ウェブページ毎に複数記憶するページテンプレートデータ記憶手段」なる記載は、修飾語句の係り受けが複雑で文意を把握しにくいが、本審決では、発明の詳細な説明の記載、技術常識、補正の経緯等を参酌して、以下の事項を規定しているものと解釈した。

ア.「ページテンプレートデータ記憶手段」は、「複数の企業に関する情報を所定のフォーマットで提供するための所定の画面構成のウェブページの、当該画面構成に関わる情報を有するページテンプレートデータ」を、「ウェブページ毎に複数記憶する」ものである。

イ.前記「ページテンプレートデータ」は、「前記ウェブページ作成のための」ものである。

ウ.前記「ページテンプレートデータ」は、「少なくともウェブページ作成のためのテキスト情報を含み、行または列を指定するフォーム、静止画像、画像(ロゴ)、静止画像および動画像、ファイルのいずれかを含みうる入力情報」、「確認指示」、「クリア指示」を所定の画面構成で表示させるため、「当該画面構成に関わる情報」を有する。

エ.前記「当該画面構成」は、「少なくともウェブページ作成のためのテキスト情報を所定のフォーマットで提供するための所定の画面構成のウェブページ」の、「画面構成」である。

前記補正は、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「ページテンプレートデータ記憶手段」について前記イ.?エ.の限定を付加し、同じく「情報入力手段」について「前記所定の画面構成の下で、少なくともウェブページ作成のためのテキスト情報を含み、行または列を指定するフォーム、静止画像、画像(ロゴ)、静止画像および動画像、ファイルのいずれかを含みうる前記入力情報を前記表示画面の固定位置から入力させ、前記表示画面における確認指示、クリア指示を行う」との限定を付加するものであって、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。

(2)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された「特開平10-254969号公報」(以下「引用例1」という。)には、以下の事項が記載されている。
(ア)「【請求項1】予めサービス提供者によりサービス処理情報内容がプログラム設定され、ユーザー側の端末操作を介してセンターサーバーにアクセスし、該センターサーバーからコントロール情報を得るための通信ソフトであって、ユーザー側からのアクセスによりWWWブラウザに所定のホームページを表示させ、該WWWブラウザ側からWWWサーバへユーザー側の新規および変更要求の情報が伝わると、該WWWサーバ側で新規および更新のためのフォーム用HTML文が自動的に作成され、WWWブラウザ側にて入力されたユーザーの新規および更新情報に基づきWWWサーバ側にて自動的にHTML文を作成させ、WWWブラウザに自動更新されたホームページを表示させることを特徴とするホームページ自動作成システム。」

(イ)「また、センターサーバ6からWWWブラウザ3側へ入力に必要な入力ホーム用HTML情報を送り、該WWWブラウザ3側において入力された内容に基づき、自動的にHTML文を生成させ、WWWブラウザ3を介してユーザー側のパソコン端末1に自動更新されたホームページを表示させる。このとき、ホームページについてある程度のバリエーションを持たせながらも配置を統一化することでプログラムを単純化させた。この情報配置の統一はそのホームページを閲覧するものにとってもどこを見れば何に関する情報が記載されているかが解っているために分かり易いというメリットをもたらせる。」(【0006】)

(ウ)図1には、「センター」と「ユーザーの端末(パソコン)」とが「インターネット」を介して情報をやり取りしているシステム構成図が記載されている。

これらの記載事項によれば、引用例1には、以下の発明(以下「引用例1発明」という。)が記載されているといえる。
「ユーザーに入力された情報に基づいてホームページの作成を行うホームページ自動作成システムであって、
インターネットを介してユーザーの端末と通信を行うセンターを有し、
前記センターが前記ホームページを新規に作成するためのフォーム用HTML文を作成し、
前記センターが前記ユーザーの端末にて入力された新規情報に基づき、HTML文を作成する、
ホームページ自動作成システム。」

同じく、原査定の拒絶の理由に引用された「特開平10-301923号公報」(以下「引用例2」という。)には、以下の事項が記載されている。
(エ)「【請求項1】HTMLファイルを作成するための入力項目を備えた複数種類のHTMLファイル作成用テンプレートを記憶した記憶手段と、
前記複数種類のHTMLファイル作成用テンプレートから1のHTMLファイル作成用テンプレートを指定する指定手段と、
指定されたHTMLファイル作成用テンプレートに含まれる入力項目を入力画面として表示手段に表示させる第1表示制御手段と、
表示された入力項目に対応するデータを入力するデータ入力手段と、
前記入力されたデータを前記指定されたHTMLファイル作成用テンプレートの対応する場所に格納し、データが格納されたHTMLファイル作成用テンプレートに基づいてHTMLファイルを作成するHTMLファイル作成手段と、
を備えたことを特徴とするデータ処理装置。」

(オ)「【0018】図3は、上記図2に示すRAM4内の入力画面メモリ4Bに格納される入力画面データの1例を示す図である。入力画面メモリ4Bには、複数種類のHTMLファイル作成用テンプレートに各々対応した複数種類の入力画面のデータが格納されている。より具体的には、各入力画面は、対応するHTMLファイル作成用テンプレートの入力項目と、データ入力欄とから構成されている。入力画面の種類としては、例えば、ホテル、レストラン、ショップ、プレイスポット、・・・、がある。
【0019】図3に示す例は、ホテルの入力画面を示しており、“入力項目”と、入力項目に対応するデータが入力される“データ入力欄”とからなる。具体的には、“入力項目”としては、“ジャンル”、“ホテル名”、“電話番号”、“郵便番号”、“住所”、“URL”、“交通”、“画像データ”、“宿泊費”、“付帯設備”、及び“駐車場”が設定されている。これは、ホテルのHTMLファイル作成用テンプレート(図4参照)に対応している。
【0020】使用者は、上記した入力画面の入力項目内容い(原文ママ)従い、文字、画像ファイル名、表ファイル名などを入力又は選択し、入力項目を埋めていくことにより、使用者が入力した内容がHTMLファイル作成用テンプレートの対応位置に自動的に入力されてHTMLファイルが作成される。」

(3)対比
本願補正発明と引用例1発明を対比すると、以下の対応関係が認められる。
(a)ホームページが情報を公開するものであることは自明であるから、引用例1発明の「ホームページ」は本願補正発明の「情報を公開するウェブページ」に相当するものである。
(b)引用例1発明の「ホームページ自動作成システム」は、ウェブページで情報を公開する者が当該ウェブページを作成する際にシステムがその作成を支援するという点において、本願補正発明の「情報提供ページ作成支援システム」に相当するものである。
(c)引用例1発明の「インターネット」は本願補正発明の「通信ネットワーク」に相当するものであり、インターネットに接続された機器(ノード)が何らかの通信手段を有して他の機器(任意のノード)と通信を行い得ることは自明であるから、引用例1発明のインターネットに接続されている「センター」も本願補正発明の「通信ネットワークを介して任意のノードと通信を行う通信手段」に相当する手段を有しているといえる。
(d)引用例1発明の「ユーザーの端末」は、前記(b)と同様に、ウェブページで情報の公開する者が当該ウェブページを作成する際に利用するという点において、本願補正発明の「ウェブページ開設に関わるノード」に相当するものである。
(e)引用例1発明の「入力された新規情報に基づき、作成されるHTML文」は本願補正発明の「入力された所望の情報及びページテンプレートデータに基づいて、生成されるウェブページデータ」に相当するものである。

したがって、本願補正発明と引用例1発明の間には、以下の一致点、相違点があるといえる。
(一致点)
「情報を公開するウェブページの作成を行う情報提供ページ作成支援システムであって、
通信ネットワークを介して任意のノードと通信を行う通信手段と、
ウェブページ開設に関わるノードにて入力された所望の情報に基づき、ウェブページデータを生成する手段と
を有する情報提供ページ作成支援システム。」である点。
(相違点1)
本願補正発明はウェブページで公開する情報が企業の情報であるのに対し、引用例1発明はウェブページで公開する情報がユーザーの情報であって、企業の情報ではない点。
(相違点2)
本願補正発明は「少なくともウェブページ作成のためのテキスト情報を含み、行または列を指定するフォーム、静止画像、画像(ロゴ)、静止画像および動画像、ファイルのいずれかを含みうる入力情報、確認指示、クリア指示を所定の画面構成で表示させるため、少なくともウェブページ作成のためのテキスト情報を所定のフォーマットで提供するための所定の画面構成のウェブページの、当該画面構成に関わる情報を有するページテンプレートデータを、ウェブページ毎に複数記憶するページテンプレートデータ記憶手段」、「複数のページテンプレートデータの中から前記ウェブページ開設に関する情報を提供するためのページテンプレートデータを選択させるページ選択手段」、及び「選択されたページテンプレートデータを含むウェブページに、所定の画面構成の下で、少なくともウェブページ作成のためのテキスト情報を含み、行または列を指定するフォーム、静止画像、画像(ロゴ)、静止画像および動画像、ファイルのいずれかを含みうる入力情報を前記表示画面の固定位置から入力させ、前記表示画面における確認指示、クリア指示を行う、情報入力手段」を備えているのに対し、引用例1発明は上記ページテンプレートデータ記憶手段、上記ページ選択手段、及び上記情報入力手段のいずれも備えていない点。

(4)判断
(相違点1)について
企業の情報をウェブページで公開することは、ユーザーの情報をウェブページで公開することと同様に一般的に行われていることであるから、引用例1発明におけるウェブページで公開する情報を企業の情報とすることは当業者が容易に想到し得たことであるといえる。
なお、引用例1の前記(イ)の「このとき、ホームページについてある程度のバリエーションを持たせながらも配置を統一化することでプログラムを単純化させた。この情報配置の統一はそのホームページを閲覧するものにとってもどこを見れば何に関する情報が記載されているかが解っているために分かり易いというメリットをもたらせる。」という記載から、複数の企業が引用例1発明を利用して情報配置の統一化された情報をウェブページで公開することによって、閲覧者が前記ウェブページを閲覧する際に企業ごとの情報の比較が容易になることは明らかである。

(相違点2)について
引用例1発明の「ホームページ自動作成システム」と引用例2に記載の「データ処理装置」とは、ともに専門的な知識を持たない利用者がホームページ(HTMLファイル)を作成することを支援するという共通の技術分野に属するものであるから、引用例2の前記(エ)の「HTMLファイルを作成するための入力項目を備えた複数種類のHTMLファイル作成用テンプレートを記憶した記憶手段」、「前記複数種類のHTMLファイル作成用テンプレートから1のHTMLファイル作成用テンプレートを指定する指定手段」、「指定されたHTMLファイル作成用テンプレートに含まれる入力項目を入力画面として表示手段に表示させる第1表示制御手段」、及び「表示された入力項目に対応するデータを入力するデータ入力手段」を引用例1発明に付加することは、当業者が容易に想到し得たことである。
また、前記HTMLファイル作成用テンプレートがホームページを所定のフォーマットで提供するための所定の画面構成を規定していることは引用例2の図4(HTMLファイル作成用テンプレートの一例)、及び図9(HTMLファイルの表示例)の記載から明らかであるから、引用例1発明に前記HTMLファイル作成用テンプレートを記憶した記憶手段を付加する際に前記HTMLファイル作成用テンプレートにホームページを所定のフォーマットで提供するための所定の画面構成を規定させること、すなわち引用例1発明に付加する前記記憶手段に記憶するHTMLファイル作成用テンプレートを「少なくともウェブページ作成のためのテキスト情報を含む入力情報を所定の画面構成で表示させるため、少なくともウェブページ作成のためのテキスト情報を所定のフォーマットで提供するための所定の画面構成のウェブページの、当該画面構成に関わる情報を有するページテンプレートデータ」とすることは引用例2の前記記載に基づいて当業者が容易に想到し得たことである。
さらに、引用例2の前記(オ)の「文字、画像ファイル名、表ファイル名などを入力又は選択し、入力項目を埋めていくことにより、使用者が入力した内容がHTMLファイル作成用テンプレートの対応位置に自動的に入力されてHTMLファイルが作成される。」との記載から明らかなように、引用例2にはユーザーが入力する情報として文字(テキスト)、画像ファイル名、及び表ファイル名が例示されており、引用例1発明に前記「指定されたHTMLファイル作成用テンプレートに含まれる入力項目を入力画面として表示手段に表示させる第1表示制御手段」を付加する際に、前記入力項目を「少なくともウェブページ作成のためのテキスト情報を含み、行または列を指定するフォーム、静止画像、画像(ロゴ)、静止画像および動画像、ファイルのいずれかを含みうる入力情報」とすることは当業者が容易に想到し得たことである。
また、入力画面に「確認指示」及び「クリア指示」を含ませることは周知技術であるから、前記HTMLファイル作成用テンプレートに、前記入力情報と共に「確認指示」、「クリア指示」を所定の画面構成で表示させるための画面構成に関わる情報を含ませることは上記周知技術の付加に過ぎない。
してみれば、引用例1発明に「選択されたページテンプレートデータを含むウェブページに、所定の画面構成の下で、少なくともウェブページ作成のためのテキスト情報を含み、行または列を指定するフォーム、静止画像、画像(ロゴ)、静止画像および動画像、ファイルのいずれかを含みうる入力情報を前記表示画面の固定位置から入力させ、前記表示画面における確認指示、クリア指示を行う、情報入力手段」に相当する手段を設けることは引用例2の記載及び周知技術に基づいて当業者が容易に想到し得たことである。
また、上記のように引用例1発明に付加するページテンプレート記憶手段に記憶するHTMLファイル作成用テンプレートを「少なくともウェブページ作成のためのテキスト情報を含む入力情報を所定の画面構成で表示させるため、少なくともウェブページ作成のためのテキスト情報を所定のフォーマットで提供するための所定の画面構成のウェブページの、当該画面構成に関わる情報を有するページテンプレートデータ」とする際、前記のような構成を持つ情報入力手段に合わせて、「ウェブページ作成のための、少なくともウェブページ作成のためのテキスト情報を含み、行または列を指定するフォーム、静止画像、画像(ロゴ)、静止画像および動画像、ファイルのいずれかを含みうる入力情報、確認指示、クリア指示を所定の画面構成で表示させるため、少なくともウェブページ作成のためのテキスト情報を所定のフォーマットで提供するための所定の画面構成のウェブページの、当該画面構成に関わる情報を有するページテンプレートデータ」とすることは当業者が当然行うであろう事項であるといえる。
さらに、引用例2の前記(エ)の「前記複数種類のHTMLファイル作成用テンプレートから1のHTMLファイル作成用テンプレートを指定する指定手段」は本願発明の「複数のページテンプレートデータの中から前記ウェブページ開設に関する情報を提供するためのページテンプレートデータを選択させるページ選択手段」に相当するものである。
したがって、引用例1発明に「ウェブページ作成のための、少なくともウェブページ作成のためのテキスト情報を含み、行または列を指定するフォーム、静止画像、画像(ロゴ)、静止画像および動画像、ファイルのいずれかを含みうる入力情報、確認指示、クリア指示を所定の画面構成で表示させるため、少なくともウェブページ作成のためのテキスト情報を所定のフォーマットで提供するための所定の画面構成のウェブページの、当該画面構成に関わる情報を有するページテンプレートデータを、ウェブページ毎に複数記憶するページテンプレートデータ記憶手段」、「複数のページテンプレートデータの中から前記ウェブページ開設に関する情報を提供するためのページテンプレートデータを選択させるページ選択手段」、及び「選択されたページテンプレートデータを含むウェブページに、所定の画面構成の下で、少なくともウェブページ作成のためのテキスト情報を含み、行または列を指定するフォーム、静止画像、画像(ロゴ)、静止画像および動画像、ファイルのいずれかを含みうる入力情報を前記表示画面の固定位置から入力させ、前記表示画面における確認指示、クリア指示を行う、情報入力手段」を備えさせることは当業者が容易に想到し得たことである。

よって、本願補正発明は、引用例1発明及び引用例2の記載、並びに周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(5)むすび
以上のとおり、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.補正却下の決定を踏まえた検討

(1)本願発明について
平成19年2月26日付けの手続補正は前記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は,平成18年10月10日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。
「企業の情報を公開するウェブページの作成を行う企業情報提供ページ作成支援システムであって、
通信ネットワークを介して任意のノードと通信を行う通信手段と、
複数の企業に関する情報を所定のフォーマットで提供するための所定の画面構成のウェブページの、当該画面構成に関わる情報を有するページテンプレートデータを、ウェブページ毎に複数記憶するページテンプレートデータ記憶手段と、
前記通信手段を介して企業情報の公開を意図する所定の企業に属するウェブページ開設者に関わるノードと通信を行い、前記複数のページテンプレートデータの中から前記ウェブページ開設者が属する前記企業に関する情報を提供するのに適切な所望のページテンプレートデータを選択させるページ選択手段と、
前記通信手段を介して前記ウェブページ開設者に関わるノードと通信を行い、前記選択されたページテンプレートデータを含むウェブページに前記ウェブページ開設者に関わる前記企業の所望の情報を入力させる情報入力手段と、
入力された前記所望の情報および前記ページテンプレートデータに基づいて、前記情報を提供するウェブページデータを生成するページデータ生成手段と、
を有する企業情報提供ページ作成支援システム。」

(2)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された引用例、及びその記載事項は、前記2.(2)に記載したとおりである。

(3)対比・判断
本願発明は、前記2.で検討した本願補正発明から「ページテンプレートデータ記憶手段」の限定事項である前記2.(1)イ.?エ.の事項を省き、「情報入力手段」の限定事項である「前記所定の画面構成の下で、少なくともウェブページ作成のためのテキスト情報を含み、行または列を指定するフォーム、静止画像、画像(ロゴ)、静止画像および動画像、ファイルのいずれかを含みうる前記入力情報を前記表示画面の固定位置から入力させ、前記表示画面における確認指示、クリア指示を行う」との構成を省いたものである。
そうすると、本願発明の構成要件をすべて含み、さらに他の構成要件を付加したものに相当する本願補正発明が、前記2.(4)に記載したとおり、引用例1発明及び引用例2の記載、並びに周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も同様の理由により、引用例1発明及び引用例2の記載、並びに周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(4)むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例1発明及び引用例2の記載、並びに周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、他の請求項について検討するまでもなく、拒絶されるべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2009-06-29 
結審通知日 2009-06-30 
審決日 2009-07-13 
出願番号 特願2001-340578(P2001-340578)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06F)
P 1 8・ 575- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 今村 剛  
特許庁審判長 小曳 満昭
特許庁審判官 池田 聡史
飯田 清司
発明の名称 企業情報提供ページ作成支援システム及びサーバ装置  
代理人 佐藤 隆久  

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