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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04Q
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H04Q
管理番号 1203085
審判番号 不服2007-5433  
総通号数 118 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-10-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-02-21 
確定日 2009-09-03 
事件の表示 特願2004-209707「遠方監視システム」拒絶査定不服審判事件〔平成18年 2月 2日出願公開、特開2006- 33441〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯
本願は,平成16年7月16日の出願であって,平成19年1月18日付けで拒絶査定がなされ,これに対し,同年2月21日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに,同年3月23日付けで審判請求時の手続補正がなされたものである。

第2.補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成19年3月23日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1.本願発明と補正後の発明
上記手続補正(以下,「本件補正」という。)は補正前の平成18年12月22日付けの手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された
「遠方に位置する電気設備の状態を少なくとも1台の監視端末で監視し,この監視情報を通信回線を介して監視用コンピュータ等の上位装置に送信する遠方監視システムであって,
前記監視端末は,
監視対象の監視アナログ信号はディジタル信号に変換して取得し,接点信号又は画像・音声信号はディジタル信号として取得する監視対象インタフェースと,
携帯無線回線を介して上位のネットワークの通信端点に接続され,監視データの送受信とシステム上の制御データの送受信をIPソケット通信で行う通信インタフェースと,
電源の停電検出で装置電源を一次電池に切替える停電検出・電源切替回路と,
前記両インタフェースがバス接続され,監視対象インタフェースによるデータ収集処理と,前記通信インタフェースによるIPソケット通信の処理,および前記停電検出・電源切替回路による停電検出信号で前記上位装置に停電通知の処理を行うマイクロプロセッサと,
を備えたことを特徴とする遠方監視システム。」
という発明(以下,「本願発明」という。)を,補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された
「遠方に位置する電気設備の状態を少なくとも1台の監視端末で監視し,この監視情報を通信回線を介して監視用コンピュータ等の上位装置に送信する遠方監視システムであって,
前記監視端末は,
監視対象の監視アナログ信号はディジタル信号に変換して取得し,接点信号又は画像・音声信号はディジタル信号として取得する監視対象インタフェースと,
携帯無線回線を介して上位のネットワークの通信端点に接続され,監視データの送受信とシステム上の制御データの送受信をIPソケット通信で行う通信インタフェースと,
電源の停電検出で装置電源を一次電池に切替え,一次電池から間歇的に装置電源に電源供給する停電検出・電源切替回路と,
前記両インタフェースがバス接続され,監視対象インタフェースによるデータ収集処理と,前記通信インタフェースによるIPソケット通信の処理,および前記停電検出・電源切替回路による停電検出信号で前記上位装置に間歇的に停電通知の処理を行うマイクロプロセッサと,
を備えたことを特徴とする遠方監視システム。」
という発明(以下,「補正後の発明」という。)に変更することを含むものである。

2.新規事項の有無,補正の目的要件について
本件補正は,願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内において,補正前の「装置電源を一次電池に切替える停電検出・電源切替回路」という構成を「装置電源を一次電池に切替え,一次電池から間歇的に装置電源に電源供給する停電検出・電源切替回路」という構成に,また補正前の「停電通知の処理を行う」という構成を「間歇的に停電通知の処理を行う」という構成に,それぞれ限定することにより特許請求の範囲を減縮するものである。
したがって,本件補正は,平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第3項(新規事項)及び平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号(補正の目的)の規定に適合している。

3.独立特許要件について
本件補正は特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから,上記補正後の発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるのかどうかについて以下に検討する。

(1)補正後の発明
上記「1.本願発明と補正後の発明」の項で「補正後の発明」として認定したとおりである。

(2)引用発明及び周知技術
A.原審の拒絶理由に引用された特開平6-141369号公報(以下,「引用例」という。)には図面とともに以下の事項が記載されている。
イ.「【請求項1】 親局装置は子局装置に無線で接続され,子局装置を通じて監視対象から監視データを採取する遠隔監視装置において,
子局装置は,
予め定める時間分の監視データをストアするメモリと,
電源からの電力供給状態を監視する電源監視手段と,
電源監視手段からの出力に応答して,電源電圧が低下する異常が親局装置とのデータ通信中を除いて発生するとき,当該異常の内容とともにメモリのストア内容を親局装置に発信するように制御する制御手段とを含むことを特徴とする遠隔監視装置。」(2頁1欄,請求項1)
ロ.「【0010】
【実施例】図1は,本発明の一実施例についての概略的な電気的構成を示す。子局装置1においては,子局テレメータ装置2がバッテリまたはAC/DC電源装置によって実現される子局電源3から電力の供給を受ける。バッテリとしてはたとえば自動車用蓄電池が好適に使用され,その出力電圧は直流(以下「DC」と略称することもある)13.8Vである。AC/DC電源装置としては,商用交流であるAC100Vを整流してDC13.8Vに変換する。子局テレメータ装置2内には,テレメータ伝送回路4,電源受電回路5,テレターミナル無線端末6および液晶表示素子(以下「LCD」と略称する)によって実現されるLCD表示器7などが含まれる。テレターミナル無線端末6は,送受信用のアンテナ8と,受信専用のアンテナ9とに接続される。子局電源3は,子局テレメータ装置2に対してコネクタ10を介して着脱可能に接続される。DC13.8Vは電源端子10aを介して与えられ,停電警報出力は,電源監視端子10bを介して与えられる。
【0011】子局テレメータ装置2には,監視データを発生させる圧力発信器11,12が,センサ接続用コネクタ13,14を介してそれぞれ接続される。センサ接続用コネクタ13,14は,電気的絶縁を行い信号のみを伝達するバリアターミナル15,16を介してテレメータ伝送回路4に接続される。
【0012】電源受電回路5内には,昇圧回路17,電源監視手段である電源監視回路18および定電圧回路19が含まれる。昇圧回路17は,スイッチングレギュレータなどによって実現され,子局電源3からのDC13.8VをDC24Vに昇圧する。このDC24Vは,圧力発信器11,12を動作させるために必要な電圧である。
【0013】テレメータ伝送回路4内には,制御手段である中央処理装置(以下「CPU」と略称する)20,ランダムアクセスメモリ(以下「RAM」と略称する)21,読出専用メモリ(以下「ROM」と略称する)22,インタフェース回路(以下「I/F」と略称する)23およびタイマ24が含まれる。CPU20は,ROM22に予め設定されているプログラムに従って動作する。
【0014】電源監視回路18は,子局電源3から電源監視端子10aを介して与えられる電源電圧を監視し,電源電圧が低下するような異常が発生すると制御手段であるCPU20への割込みなどによって知らせる。定電圧回路19にはリチウム乾電池やニッケル・カドミウムなどの蓄電池がバックアップ用電池27として設けられている。子局電源3からの電力供給が停止されたとき,定電圧回路19は,バックアップ用電池27から供給される電力によって一定時間テレメータ伝送回路4およびテレターミナル無線端末6を動作させることが可能である。
【0015】図2は,図1図示の子局装置を用いて構成されるガス供給情報監視システムの概略的な構成を示す。図1図示に対応する部分には同一の参照符を付す。都市ガスを供給するためのガス供給管28には,必要に応じてガスの供給圧を調整するためのガバナ29が設けられる。ガバナ29の2次圧を監視するため,計装設備30がガバナ29の近傍に設置される。計装設備30には圧力発信器11が含まれ,ガバナの2次圧を検出する。計装設備30の近傍には子局テレメータ装置2および子局電源3が設けられる。圧力発信器11は,子局テレメータ装置2内の電源受電回路5から,DC24Vが供給され,検出圧力に対応するアナログデータをテレメータ伝送回路4に与える。このデータは,図1図示のI/F24を介してCPU20に入力される。計装設備30には,ガバナの開度などが異常に大きくなったときに開閉する接点などからのSVデータも発生される。このような計装設備30および子局テレメータ装置2を含む監視ステーション31?35が,デジタル無線網であるテレターミナルシステム40を介して親局テレメータ装置41と無線で接続される。テレターミナルシステム40と親局テレメータ装置41との間は,電話回線などの有線で接続されることがある。監視ステーション31?35とテレターミナルシステム40との間は,800MHz帯の無線電波で接続される。
【0016】親局テレメータ装置41は,800MHz帯の電波の送受信用のアンテナ42にテレターミナル無線端末43が接続される。テレターミナル無線端末43にはパーソナルコンピュータ44が接続される。パーソナルコンピュータ44には,陰極線管(略称「CRT」)などの表示装置45,キーボード(略称「KB」)などの入力装置46およびプリンタ(略称「PRT」)などの出力装置47などが接続される。またパーソナルコンピュータ44は,ハードディスク装置(略称「HD」)を記憶装置48として内蔵する。テレターミナル無線端末43には,スイッチングレギュレータ49から電力を供給する。パーソナルコンピュータ44およびスイッチングレギュレータ49には,商用交流のAC100Vから定電圧定周波数装置(略称「CVCF」)50を介して電圧および周波数が安定化された交流電力が供給される。
【0017】図3は,図1図示の子局電源3として使用可能なAC電源の一例を示す。商用交流電源60から供給される交流電力は,AC/DC変換回路61によって直流に変換され,DC13.8Vがコネクタ10を介して子局テレメータ装置2に供給される。子局電源3内には,ニッケル・カドミウム蓄電池などによって実現されるバックアップ用バッテリ62が含まれる。リレースイッチ63は,リレーコイル64が励磁されているときには開いており,励磁が停止されるときに閉じる。したがって,商用交流電源60が停電になると電源監視端子10bには停電情報が出力される。図1図示の電源監視回路18は,電源監視端子10bの電圧がたとえば11V以下に低下すると,停電と判定する。コネクタ10には,図1においては図示を省略した接地端子10cも設けられる。子局電源3としてバッテリを使用するときには,正極側を電源端子10aに接続し,負極側を接地端子10cに接続する。また正極は電源監視端子10bにも接続する。
【0018】図4は,図1図示のテレメータ伝送回路4の動作を示す。ステップa1から動作を開始し,ステップa2では子局電源3がバッテリで構成されるときには,バッテリ電圧が低下しているか否かが判断される。子局電源3がAC電源のときには,AC100Vが断になっているか否かが判断される。バッテリ電圧低下が検出されるときにはステップa3に移る。AC100V断が検出されたときにはステップa6に移る。ステップa3では,その子局装置が親局装置と通信中であるか否かを判断する。親局装置からポーリングによって子局装置が呼出されているときや,子局装置から緊急に親局装置を呼出しているときには,テレターミナル無線端末6が送信状態となり,かなりの電力を消費するので,子局電源3の電源電圧が低下しやすい。子局電源3に異常が発生していなければ通信終了後電源電圧の低下は回復する筈である。
【0019】ステップa3で通信中でないときには,ステップa4に移り,2?3分間待機する。この時間は図1図示のタイマ24によって計時される。ノイズなどの影響によって,バッテリ電圧低下と判断されることを防止するためである。ステップa5では,ステップa2と同様に,バッテリ電圧低下か否かが判断される。ステップa3で通信中であると判断されるとき,およびステップa5でバッテリ電圧低下でないと判断されるときにはステップa2に戻る。ステップa5でバッテリ電圧低下と判断されるときにはステップa6に移る。ステップa6では,電源に異常が生じたという当該情報およびRAM21にストアされている蓄積データを親局装置へ発信する。ステップa6における動作は,図1図示のバックアップ用電池27から供給される電池によって行われる。この動作が終了するとステップa7で処理を終了する。
【0020】以上の実施例では,本発明をガス情報監視システムに適用しているけれども,テレターミナルシステムを用いることによって,車両などに搭載されて移動中の監視対象を遠隔監視したり,自動販売機などの可動状態を遠隔的に監視したり,各種プラントの動作を監視したりしてもよいことは勿論である。」(2頁2欄,段落10?4頁5欄,段落20)

上記引用例の記載及び関連する図面ならびにこの分野における技術常識を考慮すると,上記「遠隔監視装置」は「ガス情報監視システム」における「ガス供給」の状態等を遠方に位置する少なくとも1台の「監視ステーション31?35」(即ち,監視端末)で監視し,この監視情報を「デジタル無線網」(即ち,通信回線)を介して監視用の「パーソナルコンピュータ44」等の上位装置に送信するいわゆる「遠方監視システム」である。
また前記「監視端末」は「検出圧力に対応するアナログデータ」や「接点などからのSVデータ」を受け取り,該データを「CPU」に送出する監視対象側の「インタフェースI/F」及びデジタル無線網を介して上位のネットワークの通信端点である親局テレメータ装置41と無線で接続され,監視情報及び停電情報等を含む制御情報の送受信を行う「テレターミナル無線端末」を有している。
また上記「電源監視回路」は「停電」を検出する装置であって,「停電」が検出されると監視端末は何らかの手段により装置電源を例えば「リチウム乾電池」(即ち,一次電池)からなるバックアップ用電池27に切替えるものであるから,前記「監視端末」は「電源の停電検出で装置電源を一次電池に切替え,一次電池から装置電源に電源供給する停電検出・電源切替手段」を備えている。
したがって,上記引用例には以下の発明(以下,「引用発明」という。)が開示されている。
(引用発明)
「遠方に位置するガス供給の状態を少なくとも1台の監視端末で監視し,この監視情報を通信回線を介して監視用コンピュータ等の上位装置に送信する遠方監視システムであって,
前記監視端末は,
監視対象の監視アナログ信号,接点信号を取得し,CPUに送出する監視対象インタフェースと,
デジタル無線網を介して上位のネットワークの通信端点に接続され,監視データの送受信とシステム上の制御データの送受信を行うテレターミナル無線端末と,
電源の停電検出で装置電源を一次電池に切替え,一次電池から装置電源に電源供給する停電検出・電源切替手段と,
前記インタフェース及びテレターミナル無線端末が接続され,監視対象インタフェースによるデータ収集処理と,前記テレターミナル無線端末の処理,および前記停電検出・電源切替手段による停電検出信号で前記上位装置に間歇的に停電通知の処理を行うCPUと,
を備えた遠方監視システム。」

B.原審の拒絶理由に引用された特開平11-122679号公報(以下,「引用例2」という。)には図面とともに以下の事項が記載されている。
イ.「【0012】図1および図2により示した本発明の遠隔監視制御によれば,パソコン等のクライアント側端末4はまず,LAN,WANあるいはインターネット等を介し,現場側監視制御システム1にアクセスしこれと接続する。そうすると,現場側監視制御システム1は,その配下の電力設備あるいは機器等(例えば各地の放送用電力設備)のレイアウトをクライアント側端末4に送信し,クライアント側端末4では,当該レイアウト画面をパソコン等のディスプレイ部に表示する。上記の放送用電力設備であれば,例えば遮断器等の投入状態や,電圧,電流,電力,力率等をグラフィカルな形式で表示する。
【0013】このグラフィカルな表示では,遮断器等の操作状態(オン/オフ)が上記のレイアウト中に操作動作のシンボルで表記される。その他押しボタンスイッチのオン/オフ等もこれを表すシンボルで表記される。クライアント側端末4を操作するオペレータは,上記の各種表記をクリックするだけで,所望の操作状態に変更することができる。」(3頁4欄,段落12?4頁5欄,段落13)

上記引用例2に開示されているように「電力設備あるいは機器等(例えば各地の放送用電力設備)を監視制御の対象とした遠隔監視制御システム」は公知である。

C.原審の拒絶理由に引用された特開2002-32885号公報(以下,「周知例1」という。)又は例えば特開2002-197582号公報(以下,「周知例2」という。)又は特開平9-36850号公報(以下,「周知例3」という。)又は例えば特開2001-274844号公報(以下,「周知例4」という。)には図面とともに以下の事項が記載されている。
(周知例1)
イ.「【0012】本発明は携帯電話のiモード(登録商標)やEzweb(登録商標)などの携帯電話向けオンラインサービスにおける携帯電話の簡易ブラウザ機能を活用し,火災警報等の接点信号や温度,気圧,圧力,流量,流速等の計測情報,カメラ等の画像情報を遠隔から収集,監視し,必要に応じて簡易ブラウザ機能と電話端末呼出機能を用い,接点のオン,オフ等の制御情報をセンターから携帯電話端末に送信し,テレメータ(遠隔計量,遠隔監視)並びにテレコントロール(遠隔監視制御)を行なうようにしたものである。
【0013】図3は簡易ブラウザ活用の遠隔監視制御装置におけるネットワーク構成例を示すものであり,端末側として上述の接点信号情報,計測情報,画像情報等を収集する被監視制御装置10と,この被監視制御装置10から情報を入手してホスト側としてのセンター設備14へ送信したり,センター設備14からの制御情報により被監視制御装置10を制御する遠隔監視制御装置12で構成されている。
【0014】上記遠隔監視制御装置12とセンター設備14とは,携帯電話網16及びインターネット18からなるネットワークで接続されており,センター設備14はインターネット上で作動するサーバーとしての装置である。
【0015】携帯電話網16は周知のように,アンテナを有する基地局20と,基地局制御装置22と,データ通信装置24と,携帯電話交換機28と,IP( InternetProtocol )ゲートウエイ28と,IP網内のWAN( Wide Area Network )ルータ30等で構成されている。そして,このWANルータ30によりインターネット18を介してセンター設備14側と接続されるようになっている。」(2頁2欄段落12?3頁3欄段落15)

(周知例2)
イ.「【0011】さらに,本発明のログ端末は,ログ端末のアドレス宛の通信を受信でき,また,アドレスがわかる状態で受信先に通信することができる通信手段で通報および記録データを出力する手段を備えている。たとえば,アドレスが電話番号であれば通信手段は公衆電話回線を介して通信するモデムが採用でき,アドレスがIPアドレスであれば通信手段はインターネットを介して通信するネットワークインタフェースを採用できる。これらの通信手段であれば,発信元の電話番号あるいはIPアドレスが標準的な機能あるいはプロトコルにしたがって判明する。このため,ログ端末から通報(警報)を出力するだけで,受信側が通信手段で得られるアドレスからどのログ端末からの通報であるかを判断することが可能であり,そのアドレスが設置位置と関連して通報を出力することができる。したがって,電話番号あるいはIPアドレスという,通信手段を用いるために必要なアドレスだけで,他に,余分なアドレスを付加せずにログ端末を識別できる。また,これらのアドレスは汎用的なものであるので,様々なソフトウェアあるいはアプリケーションで本発明のログ端末を使用することができる。このため,低コストでデータロガーシステムを構築することが可能となる。」(4頁5欄段落11)
ロ.「【0017】このデータロガーシステム1においては,ホストシステム4は,パーソナルコンピュータ4aと,モデム4bとを備えており,電話端末4cを通じて公衆電話網3に接続されている。コンピュータ4aには,CD-ROM4dなどのコンピュータ4aで読み取り可能な適当な記録媒体に記憶された専用通信ソフト9がインストールされており,電話回線3を利用してログ端末10の各種設定や記録データを吸い上げ,コンピュータ4aで吸い上げたデータに基づく処理を行うことができる。また,ログ端末10から伝送される警報は,電話回線3を通じてコンピュータ4aに受信され,その際に通知される電話番号からログ端末10を識別し,専用通信ソフト9が警報と,その出力場所を特定することができる。さらに,ログ端末10には,コンピュータ4aのモデム4b以外にも通報先をセットすることが可能であり,たとえば,携帯電話5の局番をセットすることにより,携帯電話5に通報することも可能である。さらに,本例では,ログ端末10は有線で公衆電話網に接続されているが,携帯電話あるいはPHSなどの無線を介して公衆電話網に接続することが可能である。」(5頁7欄,段落17)
ハ.「【0043】図6に戻って,さらに,本例のログ端末10では,ステップ69で停電を検出すると,ステップ70で停電処理を行う。停電処理では,上述したように,記録部34がメモリ34aに停電した時刻(第1の時刻)と,復帰した時刻(第2の時刻)を記録する。それと共に,計測部35,記録部34,監視部36,通報部37などの機能を全て停止し,バックアップ用のリチウム電池25でCPU33は間欠動作を行う。この間,1秒間隔で記録開始からの経過時間の更新と,停電復帰の監視を行う。また,同期処理は消費電力が大きくなるので行われない。したがって,停電している間に親機および増設機の時計は各自で動作し,時差が発生する可能性があるが,停電が発生する機会がすくないことを考慮するとほとんど影響は現れない。一方,停電した時間をメモリ34aに記録することにより,その間が停電であったことは記録データφ2をホストシステム4に出力するだけでホストシステム4は把握することが可能であり,それに応じた処理を行うことができる。したがって,ログ端末10では,停電している間の不安定なデータを記録する必要が無く,そのためにメモリ34aの領域を浪費したり,バックアップ電池25の出力を浪費するのを防ぐことができる。」(8頁14欄,段落43)

(周知例3)
イ.「【0002】
【従来の技術】従来の通信装置の一例を図7に示す。これは,従来の無線通信装置を電話回線を利用したガスメータ等の自動検針システムに応用した一例である。周波数帯は特定小電力無線を利用する。図7において1は流量値を測定したり,遠隔制御を行う外部との通信機能を持ったメータである。2はメータ1と接続され,無線通信機能を持つ無線通信手段Aである。3は電話回線との通信を行うための電話回線網制御装置(T-NCU)である。4はT-NCU3により電話回線を介して通信を行うデータ収集手段である。5はT-NCU3と接続され無線通信手段A2と無線通信を行う無線通信手段Bである。
【0003】ここで,無線通信手段A2と無線通信手段B5はそれぞれメータ1とT-NCU3を内部に持つ構成も考えられる。6は無線通信手段B5が送信した最初の同期合わせ信号を受信したり最初の同期合わせ信号に対する応答信号を送信したりするための無線送受信手段Aである。9は無線通信手段B5が最初の同期合わせ信号を送信したり無線通信手段A2からの最初の同期合わせ信号に対する応答信号を受信したりするための無線送受信手段Bである。10は空間のキャリアの有無を調べるキャリア検出手段である。11は予め定められた一定時間を繰り返し計測し計測が完了する毎にその旨の信号を出力するタイマーBである。
【0004】メータ1,無線通信手段A2,無線通信手段B5,T-NCU3は一般的に電池によって駆動される。これは,これらの装置は各家庭に設置され配線等の問題や停電時での動作確保のためであり,これらの装置の電池寿命は10年程度である。よって,電池寿命10年確保のためには無線通信手段A2と無線通信手段B5の間の通信は間欠通信を行わなければならない。すなわち,メータ1やデータ収集手段4から必要に応じて通信が開始された場合のみ無線通信手段A2と無線通信手段B5はその情報を相手側に伝送する。そのためには,無線通信手段A2と無線通信手段B5は定期的に同期合わせを行いお互いの通信のタイミングを調整しておかなくてはならない。このような間欠通信を行うためには,無線通信手段A2と無線通信手段B5は起動時等の動作復帰時に最初の同期合わせ動作を行う必要がある。」(5頁7欄,段落2?4)

(周知例4)
イ.「【0018】[(機器組込型)Webサーバ]さらに,電力会社,ガス会社なども,検針の自動化とともに,ネットワーク経由でにサービスを付加する実験を進めており,情報家電機器を端末とするサービスをはじめ,従来,独立した住宅情報盤,防災機器,分電盤などのHA/BA機器のネットワークもオープン化(TCP/IPプロトコル)あるいはこれらの機器も含めて8ビットCPUでも動作するTCP/IPソケットICおよびWebサーバ機能(HTTPサーバ機能)の組み込みの動きもある。機器組み込み用では,リアルータイムOSとの組み合わせも行われている。」(3頁4欄?4頁5欄段落18)

例えば上記周知例1,2に開示されているように「遠隔監視制御装置とセンター設備とを携帯電話網及びインターネットからなるネットワークで接続する」ことは周知であり,また上記周知例2,3に開示されているように「遠隔監視装置の停電時の動作を間歇動作とし,バックアップ電源の浪費を防ぐ」ことも周知である。
また例えば上記周知例4に開示されているように「インタネット接続を行うためのTCP/IPプロトコルにおいて,IPソケットを用いる」ことも周知である。

(3)対比・判断
補正後の発明と引用発明を対比すると,補正後の発明の「電気設備」と引用発明の「ガス供給」はいずれも「所定の監視対象」である点で一致している。
また引用発明の「監視対象の監視アナログ信号,接点信号を取得し,CPUに送出する監視対象インタフェース」における送出信号は送出先がCPUであるから当該信号がディジタル信号であることは自明のことであり,接点信号がディジタル信号であることも自明のことであるから,当該引用発明の構成は「監視対象の監視アナログ信号はディジタル信号に変換して取得し,接点信号はディジタル信号として取得する監視対象インタフェース」に他ならず,当該引用発明の構成と補正後の発明の「監視対象の監視アナログ信号はディジタル信号に変換して取得し,接点信号又は画像・音声信号はディジタル信号として取得する監視対象インタフェース」はいずれも「監視対象の監視アナログ信号はディジタル信号に変換して取得し,接点信号はディジタル信号として取得する監視対象インタフェース」である点で一致しており,かつ両者の間に実質的な差異はない。
また補正後の発明の「携帯無線回線を介して上位のネットワークの通信端点に接続され,監視データの送受信とシステム上の制御データの送受信をIPソケット通信で行う通信インタフェース」と引用発明の「デジタル無線網を介して上位のネットワークの通信端点に接続され,監視データの送受信とシステム上の制御データの送受信を行うテレターミナル無線端末」はいずれも「所定の無線回線を介して上位のネットワークの通信端点に接続され,監視データの送受信とシステム上の制御データの送受信を行う通信ユニット」である点で一致している。
また補正後の発明の「電源の停電検出で装置電源を一次電池に切替え,一次電池から間歇的に装置電源に電源供給する停電検出・電源切替回路」と引用発明の「電源の停電検出で装置電源を一次電池に切替え,一次電池から装置電源に電源供給する停電検出・電源切替手段」はいずれも「電源の停電検出で装置電源を一次電池に切替え,一次電池から装置電源に電源供給する停電検出・電源切替手段」である点で一致している。
また補正後の発明の「前記両インタフェースがバス接続され,監視対象インタフェースによるデータ収集処理と,前記通信インタフェースによるIPソケット通信の処理,および前記停電検出・電源切替回路による停電検出信号で前記上位装置に間歇的に停電通知の処理を行うマイクロプロセッサ」と引用発明の「前記インタフェース及びテレターミナル無線端末が接続され,監視対象インタフェースによるデータ収集処理と,前記テレターミナル無線端末の処理,および前記停電検出・電源切替手段による停電検出信号で前記上位装置に停電通知の処理を行うCPU」はいずれも「前記インターフェイス及び通信ユニットが接続され,監視対象インタフェースによるデータ収集処理と,前記通信ユニットの処理,および前記停電検出・電源切替手段による停電検出信号で前記上位装置に停電通知の処理を行う制御装置」である点で一致している。
したがって,補正後の発明と引用発明は,以下の点で一致し,また,相違している。
(一致点)
「遠方に位置する所定の監視対象の状態を少なくとも1台の監視端末で監視し,この監視情報を通信回線を介して監視用コンピュータ等の上位装置に送信する遠方監視システムであって,
前記監視端末は,
監視対象の監視アナログ信号はディジタル信号に変換して取得し,接点信号はディジタル信号として取得する監視対象インタフェースと,
所定の無線回線を介して上位のネットワークの通信端点に接続され,監視データの送受信とシステム上の制御データの送受信を行う通信ユニットと,
電源の停電検出で装置電源を一次電池に切替え,一次電池から装置電源に電源供給する停電検出・電源切替手段と,
前記インタフェース及び通信ユニットが接続され,監視対象インタフェースによるデータ収集処理と,前記通信ユニットの処理,および前記停電検出・電源切替手段による停電検出信号で前記上位装置に停電通知の処理を行う制御装置と,
を備えた遠方監視システム。」

(相違点1)「所定の監視対象」に関し,補正後の発明は「電気設備」であるのに対し,引用発明は「ガス供給」である点。
(相違点2)「所定の無線回線を介して上位のネットワークの通信端点に接続され,監視データの送受信とシステム上の制御データの送受信を行う通信ユニット」に関し,補正後の発明は「携帯無線回線を介して上位のネットワークの通信端点に接続され,監視データの送受信とシステム上の制御データの送受信をIPソケット通信で行う通信インタフェース」であるのに対し,引用発明は「デジタル無線網を介して上位のネットワークの通信端点に接続され,監視データの送受信とシステム上の制御データの送受信を行うテレターミナル無線端末」である点。
(相違点3)「電源の停電検出で装置電源を一次電池に切替え,一次電池から装置電源に電源供給する停電検出・電源切替手段」に関し,補正後の発明は「電源の停電検出で装置電源を一次電池に切替え,一次電池から間歇的に装置電源に電源供給する停電検出・電源切替回路」であるのに対し,引用発明は「電源の停電検出で装置電源を一次電池に切替え,一次電池から装置電源に電源供給する停電検出・電源切替手段」である点。
(相違点4)「前記インタフェース及び通信ユニットが接続され,監視対象インタフェースによるデータ収集処理と,前記通信ユニットの処理,および前記停電検出・電源切替手段による停電検出信号で前記上位装置に停電通知の処理を行う制御装置」に関し,補正後の発明は「前記両インタフェースがバス接続され,監視対象インタフェースによるデータ収集処理と,前記通信インタフェースによるIPソケット通信の処理,および前記停電検出・電源切替回路による停電検出信号で前記上位装置に間歇的に停電通知の処理を行うマイクロプロセッサ」であるのに対し,引用発明は「前記インターフェイス及びテレターミナル無線端末が接続され,監視対象インタフェースによるデータ収集処理と,前記テレターミナル無線端末の処理,および前記停電検出・電源切替手段による停電検出信号で前記上位装置に停電通知の処理を行うCPU」である点。

そこで,まず,上記相違点1の「所定の監視対象」について検討するに,引用例には例えば「本発明をガス情報監視システムに適用しているけれども,テレターミナルシステムを用いることによって,車両などに搭載されて移動中の監視対象を遠隔監視したり,自動販売機などの可動状態を遠隔的に監視したり,各種プラントの動作を監視したりしてもよいことは勿論である。」と記載されている(上記摘記事項ロ段落20参照)ところ,例えば引用例2に開示されているように「電力設備あるいは機器等(例えば各地の放送用電力設備)を監視制御の対象とした遠隔監視制御システム」は公知であり,当該公知の技術手段を,引用発明に適用する上での阻害要因は何ら見あたらないから,当該公知技術に基づいて,引用発明の監視対象である「ガス供給」を補正後の発明のような「電気設備」とする程度のことは当業者であれば適宜なし得ることである。

ついで,上記相違点2の「所定の無線回線を介して上位のネットワークの通信端点に接続され,監視データの送受信とシステム上の制御データの送受信を行う通信ユニット」について検討するに,例えば上記周知例1,2に開示されているように「遠隔監視制御装置とセンター設備とを携帯電話網及びインターネットからなるネットワークで接続する」ことは周知であり,また「遠隔監視制御装置」と「携帯電話網及びインターネットからなるネットワーク」を接続する装置である「テレターミナル無線端末」はいわゆる「通信インタフェース」を構成している。また例えば上記周知例4に開示されているように「インタネット接続を行うためのTCP/IPプロトコルにおいて,IPソケットを用いる」ことも周知であり,これらの周知の技術手段を引用発明に適用する上での阻害要因は何ら見あたらないから,これらの周知の技術手段に基づいて,引用発明の「デジタル無線網」及び「テレターミナル無線端末」をそれぞれ「携帯無線回線」及び「通信インタフェース」とするとともに,IPソケットを用いたTCP/IPプロトコルに基づく周知のインタネットを介した接続方式を採用ことにより,引用発明の「デジタル無線網を介して上位のネットワークの通信端点に接続され,監視データの送受信とシステム上の制御データの送受信を行うテレターミナル無線端末」を補正後の発明のような「携帯無線回線を介して上位のネットワークの通信端点に接続され,監視データの送受信とシステム上の制御データの送受信をIPソケット通信で行う通信インタフェース」とする程度のことも当業者であれば適宜なし得ることである。

ついで,上記相違点3の「電源の停電検出で装置電源を一次電池に切替え,一次電池から装置電源に電源供給する停電検出・電源切替手段」について検討するに,例えば上記周知例2,3に開示されているように「遠隔監視装置の停電時の動作を間歇動作とし,バックアップ電源の浪費を防ぐ」ことは周知であり,また引用発明の「停電検出・電源切替手段」を「停電検出・電源切替回路」として構成することは当業者であれば適宜なし得ることであるから,これらの周知の技術手段に基づいて,引用発明の「電源の停電検出で装置電源を一次電池に切替え,一次電池から装置電源に電源供給する停電検出・電源切替手段」を補正後の発明のような「電源の停電検出で装置電源を一次電池に切替え,一次電池から間歇的に装置電源に電源供給する停電検出・電源切替回路」とする程度のことも当業者であれば適宜なし得ることである。
なお,「一次電池」について,審判請求人は平成20年11月11日付け審尋に対する平成21年1月19日付け回答書の中で「引用例のリチウム乾電池は一次電池ではない」旨の主張をしているが,引用例の「バックアップ用電池27」が「バッテリまたはAC/DC電源装置3」から独立して配置された停電等電源異常時の予備電源であることは引用例の図面及び詳細な説明の項の記載から明らかであるので,前記請求人の主張は採用できない。

ついで,上記相違点4の「前記インタフェース及び通信ユニットが接続され,監視対象インタフェースによるデータ収集処理と,前記通信ユニットの処理,および前記停電検出・電源切替手段による停電検出信号で前記上位装置に停電通知の処理を行う制御装置」について検討するに,まず,引用発明の「CPU」はいわゆる「マイクロプロセッサ」のことであり,CPUと周辺機器を「バス接続」するか否かは単なる設計的事項であり,インタネット接続において,「IPソケット」を用いることや,停電時の処理は間欠的に行うものであることは前記したとおりであるから,これらの周知の技術手段に基づいて,引用発明の「前記インタフェース及びテレターミナル無線端末が接続され,監視対象インタフェースによるデータ収集処理と,前記テレターミナル無線端末の処理,および前記停電検出・電源切替手段による停電検出信号で前記上位装置に停電通知の処理を行うCPU」を補正後の発明のような「前記両インタフェースがバス接続され,監視対象インタフェースによるデータ収集処理と,前記通信インタフェースによるIPソケット通信の処理,および前記停電検出・電源切替回路による停電検出信号で前記上位装置に間歇的に停電通知の処理を行うマイクロプロセッサ」とする程度のことも当業者であれば適宜なし得ることである。

以上のとおりであるから,補正後の発明は,引用発明及び公知技術ないしは周知技術に基づいて容易に発明できたものであり,特許法第29条第2項の規定により,特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

4.結語
以上のとおり,本件補正は,補正後の発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから,平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する特許法第126条第5項の規定に適合していない。
したがって,本件補正は,特許法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3.本願発明について
1.本願発明
本件補正(審判請求時の手続補正)は上記のとおり却下されたので,本願発明は,上記「第2.補正却下の決定」の「1.本願発明と補正後の発明」の項で「本願発明」として認定したとおりである。

2.引用発明
引用発明は,上記「第2.補正却下の決定」の項中の「3.独立特許要件について」の項中の「(2)引用発明及び周知技術」の項で認定したとおりである。

3.対比・判断
そこで,本願発明と引用発明とを対比するに,本願発明は上記補正後の発明から当該補正に係る限定を省いたものである。
そうすると,本願発明の構成に当該補正に係る限定を付加した補正後の発明が,上記「第2.補正却下の決定」の項中の「3.独立特許要件について」の項で検討したとおり,引用発明及び公知技術ないしは周知技術に基づいて容易に発明できたものであるから,上記補正後の発明から当該補正に係る限定を省いた本願発明も,同様の理由により,容易に発明できたものである。

4.むすび
以上のとおり,本願発明は,上記引用発明及び公知技術ないしは周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものと認められるから,特許法第29条第2項の規定により,特許を受けることができない。

よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2009-06-25 
結審通知日 2009-06-30 
審決日 2009-07-22 
出願番号 特願2004-209707(P2004-209707)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H04Q)
P 1 8・ 575- Z (H04Q)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 萩原 義則  
特許庁審判長 山本 春樹
特許庁審判官 小宮 慎司
新川 圭二
発明の名称 遠方監視システム  
代理人 橋本 剛  

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