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審決分類 |
審判 訂正 判示事項別分類コード:83 訂正する B65D 審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する B65D 審判 訂正 1項3号刊行物記載 訂正する B65D 審判 訂正 2項進歩性 訂正する B65D |
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管理番号 | 1204014 |
審判番号 | 訂正2009-390084 |
総通号数 | 119 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2009-11-27 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2009-07-06 |
確定日 | 2009-09-04 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第4164135号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第4164135号に係る明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 |
理由 |
1.手続の経緯 本件特許第4164135号は、平成9年6月30日に出願(特願平9-174301号)されたものであって、平成20年8月1日に、その特許権の設定登録がされ、その後、本件訂正審判が請求されたものである。 2.請求人の主張 請求人は、審判請求書によれば、「本件特許の明細書を、添付した訂正明細書のとおり訂正する。」との審決を求め、甲第1号証として特開平8-324610号公報を提出している。 3.訂正の内容 本件訂正は、審判請求書及び添付した訂正明細書の記載から見て、以下の訂正事項a?gからなるものと認める。 訂正事項a;特許請求の範囲の記載につき、以下の旧特許請求の範囲を新特許請求の範囲と訂正する。(審決注;下線部分が訂正によって加わった記載である。) (旧特許請求の範囲) 【請求項1】略円筒形の口頸部を有し、該口頸部の外周面には雄螺条と該雄螺条の下方に位置する被係止手段とが配設されている容器に適用される、タンパーエビデント特性を有する合成樹脂製容器蓋であって、 合成樹脂製蓋本体と、該蓋本体内に組み込まれる合成樹脂製中栓とから構成され、 該蓋本体は、天面壁と、該天面壁の周縁から垂下する略円筒形のスカート壁とを有し、該スカート壁には周方向に延びる破断可能ラインが形成されており、該スカート壁は該破断可能ラインよりも上方の主部と該破断可能ラインよりも下方のタンパーエビデント裾部とに区画されており、該主部の内周面には該口頸部の該雄螺条に螺合せしめられる雌螺条が形成されており、該タンパーエビデント裾部には半径方向内方に突出して該口頸部の該被係止手段に係止せしめられる係止手段が形成されており、 該中栓は該蓋本体の該天面壁の内面に沿って延在せしめられる円形頂面壁と、該頂面壁から垂下する略円筒形の密封壁とを有し、該頂面壁は中央領域と張出周縁領域とを有し、該密封壁は該頂面壁の該中央領域と該張出周縁領域との境界から垂下し、該口頸部の内周面に密接せしめられ、該頂面壁の該張出周縁領域は該口頸部の頂面に密接せしめられる密接部と該口頸部を越えて半径方向外方に突出する突出部とを有し、 該中栓の該頂面壁の外径は、該蓋本体の該スカート壁の該主部の該内周面に形成されている該雌螺条のねじ山先縁によって規定される円の直径よりも大きく、且つ該蓋本体の該スカート壁の該主部の、該雌螺条よりも上方の部分の内径よりも小さく、該中栓の該頂面壁は該雌螺条よりも上方において軸線方向に自由に移動し得る合成樹脂製容器蓋において、 該突出部の下面には該密接部の下面を越えて下方に膨出せしめられ且つ周方向に連続して延在する環状である膨出突条が形成されている、ことを特徴とする合成樹脂製容器蓋。 【請求項2】該蓋本体の該スカート壁における該主部の内周面には、該雌螺条の上端に近接した或いはこれに接続された片端から、該雌螺条の上端から離れる方向に実質上水平に延びる弧状係合突条が形成されており、該係合突条の突出縁によって規定される円の直径は該中栓の該頂面壁の外径よりも小さい、請求項1記載の合成樹脂製容器蓋。 【請求項3】該中栓の該頂面壁における該中央領域の上面には、周方向に間隔をおいて半径方向に延びる複数個のリブが形成されている、請求項1又は2記載の合成樹脂製容器蓋。 (新特許請求の範囲) 【請求項1】略円筒形の口頸部を有し、該口頸部の外周面には雄螺条と該雄螺条の下方に位置する被係止手段とが配設されている容器に適用される、タンパーエビデント特性を有する合成樹脂製容器蓋であって、 合成樹脂製蓋本体と、該蓋本体内に組み込まれる合成樹脂製中栓とから構成され、 該蓋本体は、天面壁と、該天面壁の周縁から垂下する略円筒形のスカート壁とを有し、該スカート壁には周方向に延びる破断可能ラインが形成されており、該スカート壁は該破断可能ラインよりも上方の主部と該破断可能ラインよりも下方のタンパーエビデント裾部とに区画されており、該主部の内周面には該口頸部の該雄螺条に螺合せしめられる雌螺条が形成されており、該タンパーエビデント裾部には半径方向内方に突出して該口頸部の該被係止手段に係止せしめられる係止手段が形成されており、 該中栓は該蓋本体の該天面壁の内面に沿って延在せしめられる円形頂面壁と、該頂面壁から垂下する略円筒形の密封壁とを有し、該頂面壁は中央領域と張出周縁領域とを有し、該密封壁は該頂面壁の該中央領域と該張出周縁領域との境界から垂下し、該口頸部の内周面に密接せしめられ、該頂面壁の該張出周縁領域は該口頸部の頂面に密接せしめられる密接部と該口頸部を越えて半径方向外方に突出する突出部とを有し、 該中栓の該頂面壁の外径は、該蓋本体の該スカート壁の該主部の該内周面に形成されている該雌螺条のねじ山先縁によって規定される円の直径よりも大きく、且つ該蓋本体の該スカート壁の該主部の、該雌螺条よりも上方の部分の内径よりも小さく、該中栓の該頂面壁は該雌螺条よりも上方において軸線方向に自由に移動し得る合成樹脂製容器蓋において、 該突出部の下面には該密接部の下面を越えて下方に膨出せしめられ且つ周方向に連続して延在する環状である膨出突条が形成されており、該膨出突条の内周面は下方に向かって半径方向外方に傾斜せしめられていて、該膨出突条の該内周面は該容器の該口頸部の該外周面から離隔されている、ことを特徴とする合成樹脂製容器蓋。 【請求項2】該蓋本体の該スカート壁における該主部の内周面には、該雌螺条の上端に近接した或いはこれに接続された片端から、該雌螺条の上端から離れる方向に実質上水平に延びる弧状係合突条が形成されており、該係合突条の突出縁によって規定される円の直径は該中栓の該頂面壁の外径よりも小さい、請求項1記載の合成樹脂製容器蓋。 【請求項3】該中栓の該頂面壁における該中央領域の上面には、周方向に間隔をおいて半径方向に延びる複数個のリブが形成されている、請求項1又は2記載の合成樹脂製容器蓋。 訂正事項b;明細書の段落【0011】の記載につき、 「・・・(審決注;「・・・」は、記載の省略を示す。以下、同様。)本発明においては、中栓の張出周縁領域における突出部の下面に密接部の下面を超えて下方に突出せしめられ且つ周方向に連続して延在する環状である膨出突条を形成し、これによって突出部の剛性を増大せしめる。膨出突条は張出周縁領域の下面にのみ形成される・・・」とあるのを、 「・・・本発明においては、中栓の張出周縁領域における突出部の下面に密接部の下面を超えて下方に突出せしめられ且つ周方向に連続して延在する環状である膨出突条を形成し、これによって突出部の剛性を増大せしめる。膨出突条の内周面は下方に向かって半径方向外方に傾斜せしめて、容器の口頸部の外周面から離隔せしめる。膨出突条は張出周縁領域の下面にのみ形成される・・・」と訂正する。 訂正事項c;明細書の段落【0012】の記載につき、 「・・・該突出部の下面には該密接部の下面を越えて下方に膨出せしめられ且つ周方向に連続して延在する環状である膨出突条が形成されている、ことを特徴とする合成樹脂製容器蓋が提供される。」とあるのを、 「・・・該突出部の下面には該密接部の下面を越えて下方に膨出せしめられ且つ周方向に連続して延在する環状である膨出突条が形成されており、該膨出突条の内周面は下方に向かって半径方向外方に傾斜せしめられていて、該膨出突条の該内周面は該容器の該口頸部の該外周面から離隔されている、ことを特徴とする合成樹脂製容器蓋が提供される。」と訂正する。 訂正事項d;明細書の段落【0024】の記載につき、 「・・・かかる膨出突条56は周方向に連続して延在する環状であるのが好適である。所望ならば、周方向に間隔をおいて周方向に弧状に延びる複数個の膨出突条を形成することもできる。・・・」とあるのを、 「・・・かかる膨出突条56は周方向に連続して延在する環状である。・・・」と訂正する。 訂正事項e;明細書の段落【0034】の記載につき、 「実施例3 中栓の頂面壁における張出周縁領域の突出部に膨出突条が存在しないことを除いて、実施例1と同一の容器蓋を50個し、実施例1と同様の検査を遂行した。・・・」とあるのを、 「比較例1 中栓の頂面壁における張出周縁領域の突出部に膨出突条が存在しないことを除いて、実施例1と同一の容器蓋を50個し、実施例1と同様の検査を遂行した。・・・」と訂正する。 訂正事項f;明細書の段落【0035】の記載につき、 「比較例・・・」とあるのを、 「比較例2・・・」と訂正する。 訂正事項g;明細書の段落【0036】の【表1】の記載につき、 表中の「実施例3」及び「比較例1」を、それぞれ、「比較例1」及び「比較例2」と訂正する。 4.本件訂正の適否 ここでは、「願書に添付した明細書又は図面」を「訂正前明細書」という。また、訂正前の特許請求の範囲請求項1については「旧請求項1」と、訂正後については「新請求項1」といい、他の請求項についても同様とする。 4-1.訂正事項a?cの目的と記載根拠について 1)訂正の目的について検討する。 訂正事項aにおいて、新請求項1とする訂正は、旧請求項1を由来とするものと、また、新請求項2及び3とする訂正は、それぞれ、旧請求項2及び3を由来とするものということができる。そして、新請求項1とする訂正は、旧請求項1に係る発明において、膨出突条の内周面は下方に向かって半径方向外方に傾斜せしめられていて、該膨出突条の該内周面は容器の口頸部の外周面から離隔されているとの事項を、発明の発明特定事項として加えるもので、特許請求の範囲の減縮を目的とした明細書の訂正に該当する。また、新請求項2及び3とする訂正は、文言上の修正はないものの、新請求項2及び3は新請求項1を引用して記載する請求項で、これら訂正は、旧請求項2及び3に係る発明において、実質的に上記事項を発明特定事項として加えることになるから、特許請求の範囲の減縮を目的とした明細書の訂正に該当する。 訂正事項b及びcは、訂正事項aと整合を図るべく明細書の記載を訂正するもので、実質的に、特許請求の範囲の減縮を目的とした明細書の訂正に該当する。 2)次に、これら訂正が、訂正前明細書に記載した事項の範囲内においてしたものといえるかについて検討する。 2-1)訂正前明細書には、以下の記載a?gが認められる。 a;「上述した形態の合成樹脂製容器蓋における蓋本体は、天面壁とその周縁から垂下するスカート壁とを有する。スカート壁には周方向に延びる破断ラインが形成されており、スカート壁は破断ラインよりも上方の主部と破断ラインよりも下方のタンパーエビデント裾部とに区画されている。スカート壁の主部の内周面には容器の口頸部に形成されている雄螺条に螺合せしめられる雌螺条が形成されている。タンパーエビデント裾部には半径方向内方に突出して、容器の口頸部に形成されている被係止手段に係止せしめられる係止手段が形成されている。」(段落【0003】)、及び 「上述した形態の合成樹脂製容器蓋における中栓の典型例は、蓋本体の天面壁の内面に沿って延在せしめられる円形頂面壁とこの頂面壁から垂下する略円筒形の密封壁とを有する。頂面壁は中央領域と張出周縁領域とを有する。容器の口頸部の内周面に密接せしめられる密封壁は中央領域と張出周縁領域との境界から垂下している。頂面壁の張出周縁領域は、容器の口頸部の頂面に密接せしめられる密接部と口頸部を越えて半径方向外方に突出する突出部とを有する。」(段落【0004】) b;「容器の口頸部を開封する際には、蓋本体が開回転方向に回転せしめられる。かくすると、口頸部の被係止手段にタンパーエビデント裾部の係止手段が係止せしめられている故に上昇が阻止されているタンパーエビデント裾部に対してスカート壁の主部が回転と共に上昇せしめられることに起因して、スカート壁に形成されている破断ラインが破断されてタンパーエビデント裾部がスカート壁の主部から分離される・・・。しかる後に、スカート壁の主部が更に回転と共に上昇せしめられることによって、スカート壁の内周面に形成されている雌螺条の上端部が中栓の突出部の下面に当接し、スカート壁の上昇に付随せしめて中栓を上昇せしめ、これによって口頸部の密封が解除される。・・・。」(段落【0006】) c;「【発明が解決しようとする課題】 而して、本発明者等の経験によれば、上述した形態の従来の容器蓋には、次のとおりの解決すべき問題が存在する。特に雰囲気温度が比較的高い場合、蓋本体のスカート壁の内周面に形成されている雌螺条の上端部が中栓の頂面壁における張出周縁領域の突出部に当接すると、突出部が弾性的に上方に過剰に変形して半径方向内方に後退し、蓋本体の上昇に付随して中栓が上昇せしめられず、中栓を口頸部に残留せしめて蓋本体のみが口頸部から離脱せしめられてしまうことがある。中栓が口頸部に残留せしめられた場合には、口頸部から中栓を離脱せしめる煩雑な操作を付加的に遂行しなければならない。」(段落【0007】) d;「【課題を解決するための手段】 上記主たる技術的課題を解決するために、本発明においては、中栓の張出周縁領域における突出部の下面に密接部の下面を超えて下方に突出せしめられ且つ周方向に連続して延在する環状である膨出突条を形成し、これによって突出部の剛性を増大せしめる。・・・。」(段落【0011】) e;「・・・。膨出突条56の外周面は実質上鉛直に延びているが、内周面は40度程度でよい傾斜角度βで下方に向かって半径方向外方に傾斜せしめられている。」(段落【0024】) f;「【発明の効果】 本発明の容器蓋によれば、製造コストの大幅な増大等の別個の問題を発生せしめることなく、雰囲気温度が比較的高い場合でも中栓を口頸部に残留せしめて蓋本体のみが口頸部から離脱されることが充分に回避される。」(段落【0037】) g;「【図面の簡単な説明】 ・・・。 【図3】図1に示す容器蓋の中栓を示す断面図。 ・・・。 【図5】図1に示す容器蓋を容器の口頸部に装着した状態を、一部を断面で示す側面図。」並びに【図3】及び【図5】 2-2)記載eには、膨出突条の内周面が40度程度の傾斜角度で下方に向かって半径方向外方に傾斜せしめられていることが記載されている。 そこで、この膨出突条の内周面を下方に向かって半径方向外方に傾斜せしめことの技術的意義について検討する。 記載a及びbは、合成樹脂製容器蓋に関する従来の技術について記載するもので、記載aには、合成樹脂製容器蓋における蓋本体は、天面壁とその周縁から垂下するスカート壁とを有するもので、更に、合成樹脂製容器蓋における中栓の典型例は、蓋本体の天面壁の内面に沿って延在せしめられる円形頂面壁と、この円形頂面壁から垂下する略円筒形の密封壁とを有し、円形頂面壁は中央領域と張出周縁領域とを有し、この張出周縁領域は、容器の口頸部の頂面に密接せしめられる密接部と口頸部を越えて半径方向外方に突出する突出部とを有するものであることが、また、記載bには、容器の口頸部を開封する際には、上記蓋本体を回転せしめてスカート壁の主部を上昇させ、このことによって、スカート壁の内周面に形成されている雌螺条の上端部が中栓の突出部の下面に当接し、スカート壁の上昇に付随せしめて中栓を上昇せしめ、これによって口頸部の密封が解除されるものであることが記載されている。 しかしながら、記載cには、上記従来の技術には、スカート壁の雌螺条の上記上端部が中栓の上記突出部に当接すると、突出部が弾性的に上方に過剰に変形して半径方向内方に後退し、蓋本体の上昇に付随して中栓が上昇せしめられず、中栓を口頸部に残留せしめて蓋本体のみが口頸部から離脱せしめられてしまうことがあるとの解決すべき問題、が存在していたことが記載され、記載d及びfには、上記突出部の下面に下方に突出せしめられ且つ周方向に連続して延在する環状である膨出突条を形成することによって突出部の剛性を増大せしめ、上記問題を解決したことが記載されている。 以上の記載を踏まえると、突出部は、円形頂面壁の張出周縁領域に位置し、円形頂面壁の半径方向外方に突出するもので、その厚みは、ほぼ、均等の板状部位であって、膨出突条が該突出部の下面から突出するように形成されることによって、厚みの増大した部分が形成され、このことにより、突出部の剛性を増大せしめたものであることが窺え、膨出突条の内周面は、膨出突条を構成するための、突出部の下面からの立ち上がり面ということができ、該内周面を下方に向かって半径方向外方に傾斜せしめことの技術的意義は、単に、突出部の下面からの立ち上がり面を形成するということにあると認められる。 してみると、内周面は、突出部の下面からの立ち上がり面を形成するとの技術的意義を持つものであるから、記載eに、上述したように、内周面が40度程度の傾斜角度で下方に向かって半径方向外方に傾斜せしめられていることが記載されているものの、必ずしも、その傾斜角度には意味がなく、訂正前明細書の記載に接した当業者にしてみれば、その40度程度の傾斜角度に捕らわれることなく、ただ単に、内周面は下方に向かって半径方向外方に傾斜せしめられているとの思想を読み取ることができるといえる。 2-3)また、膨出突条の内周面は、先に「2-2)」で述べたように、突出部の下面からの立ち上がり面を形成するとの技術的意義を持つものであるから、容器の口頸部の外周面との間での技術的関係は無いと言っても良い程度のもので、しかも、記載gには、内周面は容器の口頸部の外周面から離隔されていることが示唆されているから、訂正前明細書の記載に接した当業者は、内周面は容器の口頸部の外周面から離隔されているとの思想を読み取ることができるといえる。 2-4)以上の検討から、訂正事項a?cは、訂正前明細書に記載した事項の範囲内においてしたものといえる。 4-2.訂正事項d?gの目的と記載根拠について 1)訂正の目的について検討する。 新請求項1?3に係る発明は、「該中栓は該蓋本体の該天面壁の内面に沿って延在せしめられる円形頂面壁と、該頂面壁から垂下する略円筒形の密封壁とを有し、該頂面壁は中央領域と張出周縁領域とを有し、該密封壁は該頂面壁の該中央領域と該張出周縁領域との境界から垂下し、該口頸部の内周面に密接せしめられ、該頂面壁の該張出周縁領域は該口頸部の頂面に密接せしめられる密接部と該口頸部を越えて半径方向外方に突出する突出部とを有し、」及び「該突出部の下面には該密接部の下面を越えて下方に膨出せしめられ且つ周方向に連続して延在する環状である膨出突条が形成されており、」と記載した事項、要すれば、「中栓は円形頂面壁を有し、該円形頂面壁の張出周縁領域は突出部を有し、該突出部の下面には周方向に連続して延在する環状である膨出突条が形成されている」との事項を、発明特定事項とするものである。 その一方で、訂正前の段落【0024】には、上記発明についての説明としては齟齬する、「所望ならば、周方向に間隔をおいて周方向に弧状に延びる複数個の膨出突条を形成することもできる」旨の記載があり、訂正事項dは、該記載を削除するもので、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るものといえる。 また、訂正前の段落【0034】?【0036】には、上記発明についての説明としては齟齬する、「膨出突条が存在しない容器蓋の具体例を実施例3とする」旨の記載があり、訂正事項e、f及びgは、上記実施例3を比較例1とすると共に、比較例を比較例2とし、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るものといえる。 以上のことから、訂正事項d?gは、明りようでない記載の釈明を目的とした明細書の訂正に該当する。 2)次に、これら訂正が、訂正前明細書に記載した事項の範囲内においてしたものといえるかについて検討すると、訂正事項d?gが、「1)」で述べたような、明りようでない記載の釈明を目的とした明細書の訂正に該当する以上、訂正前明細書に記載した事項の範囲内においてしたものであることは明らかである。 4-3.本件訂正の変更拡大、独立特許要件違反について 1)本件訂正が、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるとする理由は見当たらない。 2)次に、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明、即ち、先に「3」の訂正事項aにおいて、新特許請求の範囲として認定した請求項1?3に記載された発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるかについて検討する。 なお、上記請求項1?3に記載された発明を、ここにおいては、訂正発明1?3という。 2-1)本件特許に係る特許出願の出願前に頒布された刊行物と認められる甲第1号証には、以下の記載A?Dが認められる。 A;「【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、口部外周に雄ネジが形成された容器に螺子嵌合して該容器口部を閉止する合成樹脂製キャップに関し、そのタンパーエビデンス性を向上させた合成樹脂製キャップに関する。」 B;「【0013】図1は本発明の合成樹脂製キャップ(以下、キャップという)の一実施例を示すものであり、このキャップ21は、円形の天板部22とその周縁から垂下した筒部23とからなるキャップ本体24と、天板部22内面とネジ部30上端位置との間を移動可能に挿入された略円板状のライナー25とからなっている。」 C;「【0015】上記ライナー25は、比較的軟質の合成樹脂材料を略円板状に成形してなり、その下面側には、キャップ21を容器口部41aに装着した場合に、容器口部41aの上端に嵌着される環状の外側シール部35と、該外側シール部35の内側に、キャップ21を容器口部41aに装着した際に、容器口部41a内に嵌入される環状の内側シール部37とが下方に向けて突出形成されている。」 D;「【0019】このキャップ21の閉栓と開栓動作について図2を参照して説明する。・・・。キャップ21が容器口部41aに巻締められると、ライナー25が容器口部41aによって押し上げられ、ライナー25の上面がキャップ本体24の天板部22内面側に接触し、容器口部41a内にライナー25の内側シール部37が嵌入され、容器口部41aの上端部外周にライナー25の外側シール部35が嵌着される。この結果、図2に示すように容器口部41aは、その上端がライナー25に圧接され、上端部の内側に内側シール部37が嵌着され、さらに上端部外周に外側シール部35が嵌着された状態で密封される。このように容器口部41aの上端(トップシール)、上端部外周(サイドシール)及び上端部内側(インナーシール)の各部でライナー25を容器口部41aに圧接させることにより、このキャップ21の装着によって容器41をきわめて気密に閉止することができ、容器41内部が負圧であっても、或いは炭酸飲料を充填した場合のように加圧状態とされた場合であっても容器41内の気密状態を維持することができる。・・・。 【0020】」及び【図2】 2-2)甲第1号証には、記載Aによれば、タンパーエビデンス性を向上させた合成樹脂製キャップについての発明が記載されていると認められる。 そして、記載Bには、上記合成樹脂製キャップの具体例として、キャップ本体24とライナー25とから構成されているキャップ21が記載され、上記ライナー25は、記載C及びDによれば、合成樹脂材料を略円板状に成形したもので、容器口部41aの上端部の外周に嵌着される外側シール部35と、上記上端部の内側に嵌着される内側シール部37とを有していることが窺える。 また、記載Dの【図2】を見ると、「外側シール部35と内側シール部37との間の、ライナー25における部位」(以下、「密着部位」という。)は、その下面が容器口部41aの頂面に密接していることが、更に、ライナー25の周辺部には、容器口部41aを越えて半径方向外方に突出する周辺部位が見て取れ、前記外側シール部35は、この周辺部位の下面に形成されたもので、密着部位の下面を越えて下方に膨出せしめられ且つ周方向に連続して延在する環状であることも見て取れる。 以上のことから、甲第1号証には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「キャップ本体24とライナー25とから構成されているキャップ21おいて、上記ライナー25は、合成樹脂材料を略円板状に成形したもので、容器口部41aの上端部の外周に嵌着された外側シール部35、上記上端部の内側に嵌着される内側シール部37、その下面が容器口部41aの頂面に密接している密着部位、及び容器口部41aを越えて半径方向外方に突出する周辺部位を有し、上記外側シール部35は、この周辺部位の下面にに形成されたもので、密着部位の下面を越えて下方に膨出せしめられ且つ周方向に連続して延在する環状である、上記キャップ21」の、タンパーエビデンス性を向上させた合成樹脂製キャップに係る発明 2-3)訂正発明1と引用発明とは、タンパーエビデント特性を有する合成樹脂製容器蓋についての発明に関するものである点で一致し、引用発明の「ライナー25」は、訂正発明1の「合成樹脂製中栓」に対応していると認められる。 そして、引用発明の「内側シール部37」は、容器口部41aの上端部の内側に嵌着されるものであって、シール機能を果たすものであるから、容器口部41の内周面に密接せしめられていることは、記載Dの【図2】を参照しても、明らかで、また、引用発明の「密着部位」は、その下面が容器口部41aの頂面に密接しているものであって、引用発明は、訂正発明1の「密封壁」と「密接部」とに対応する部位を有しているのものと認められる。 また、引用発明の「周辺部位」は、容器口部41aを越えて半径方向外方に突出するもので、訂正発明1の「突出部」に対応しているということができる。 以上の検討を踏まえると、両者は、少なくとも、以下の相違点aで相違しているものと認められる。 相違点a;訂正発明1の合成樹脂製中栓は、突出部の下面には密接部の下面を越えて下方に膨出せしめられ且つ周方向に連続して延在する環状である膨出突条が形成されており、該膨出突条の内周面は下方に向かって半径方向外方に傾斜せしめられていて、該膨出突条の該内周面は容器の口頸部の外周面から離隔されている点。 2-4)次に、相違点aが容易になし得るかについて検討する。 相違点aは、要するに、訂正発明1の膨出突条は、引用発明の外側シール部35に対応関係にあるものの、膨出突条は、その内周面は下方に向かって半径方向外方に傾斜せしめられていて、該内周面は容器の口頸部の外周面から離隔されているのに対し、外側シール部35は、容器口部41aの上端部の外周に嵌着されたものである点ということができる。 そこで、検討すると、外側シール部35は、容器口部41aの上端部の外周に嵌着されたものである。そして、そうしたことの意義について検討すると、記載Dによれば、内側シール部37と協働して容器口部41aを密封することにあることが窺えるから、外側シール部35の内周面を下方に向かって半径方向外方に傾斜せしめ、加えて、容器口部41の外周面から離隔するよう構成することは、容易になし得るとはいえない。 2-5)してみると、訂正発明1は、引用発明であるということはできず、また、引用発明から容易に発明できたものともいえず、更に、訂正発明1の発明特定事項の全てを、その発明特定事項として有する訂正発明2及び3も、同様に、引用発明であるとも、また、引用発明から容易に発明できたものともいえない。 以上のことから、甲第1号証を根拠に、訂正発明1?3が特許出願の際独立して特許を受けることができないとはいえないし、他に、受けることができないとする理由は見当たらない。 4-4.まとめ 本件訂正は、特許法第126条第1?5項の規定に適合するので、これを認める。 5.むすび 本件訂正は、認められるものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 タンパーエビデント特性を有する合成樹脂製容器蓋 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】略円筒形の口頸部を有し、該口頸部の外周面には雄螺条と該雄螺条の下方に位置する被係止手段とが配設されている容器に適用される、タンパーエビデント特性を有する合成樹脂製容器蓋であって、 合成樹脂製蓋本体と、該蓋本体内に組み込まれる合成樹脂製中栓とから構成され、 該蓋本体は、天面壁と、該天面壁の周縁から垂下する略円筒形のスカート壁とを有し、該スカート壁には周方向に延びる破断可能ラインが形成されており、該スカート壁は該破断可能ラインよりも上方の主部と該破断可能ラインよりも下方のタンパーエビデント裾部とに区画されており、該主部の内周面には該口頸部の該雄螺条に螺合せしめられる雌螺条が形成されており、該タンパーエビデント裾部には半径方向内方に突出して該口頸部の該被係止手段に係止せしめられる係止手段が形成されており、 該中栓は該蓋本体の該天面壁の内面に沿って延在せしめられる円形頂面壁と、該頂面壁から垂下する略円筒形の密封壁とを有し、該頂面壁は中央領域と張出周縁領域とを有し、該密封壁は該頂面壁の該中央領域と該張出周縁領域との境界から垂下し、該口頸部の内周面に密接せしめられ、該頂面壁の該張出周縁領域は該口頸部の頂面に密接せしめられる密接部と該口頸部を越えて半径方向外方に突出する突出部とを有し、 該中栓の該頂面壁の外径は、該蓋本体の該スカート壁の該主部の該内周面に形成されている該雌螺条のねじ山先縁によって規定される円の直径よりも大きく、且つ該蓋本体の該スカート壁の該主部の、該雌螺条よりも上方の部分の内径よりも小さく、該中栓の該頂面壁は該雌螺条よりも上方において軸線方向に自由に移動し得る合成樹脂製容器蓋において、 該突出部の下面には該密接部の下面を越えて下方に膨出せしめられ且つ周方向に連続して延在する環状である膨出突条が形成されており、該膨出突条の内周面は下方に向かって半径方向外方に傾斜せしめられていて、該膨出突条の該内周面は該容器の該口頸部の該外周面から離隔されている、ことを特徴とする合成樹脂製容器蓋。 【請求項2】該蓋本体の該スカート壁における該主部の内周面には、該雌螺条の上端に近接した或いはこれに接続された片端から、該雌螺条の上端から離れる方向に実質上水平に延びる弧状係合突条が形成されており、該係合突条の突出縁によって規定される円の直径は該中栓の該頂面壁の外径よりも小さい、請求項1記載の合成樹脂製容器蓋。 【請求項3】該中栓の該頂面壁における該中央領域の上面には、周方向に間隔をおいて半径方向に延びる複数個のリブが形成されている、請求項1又は2記載の合成樹脂製容器蓋。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、合成樹脂製蓋本体とこの蓋本体内に組み込まれる合成樹脂製中栓とから構成されている、タンパーエビデント特性を有する合成樹脂製容器蓋に関する。 【0002】 【従来の技術】 清涼飲料等のための容器として、略円筒形の口頸部を有し、この口頸部の外周面には雄螺条とその下方に位置する被係止手段とが配設されている形態の容器が広く実用に供されている。かような容器は、ポリエチエレンテレフタレートの如き適宜の合成樹脂或いはガラスから形成されている。そして、上述したとおりの口頸部を有する容器のための容器蓋として、近時においては、合成樹脂製蓋本体とこの蓋本体内に組み込まれる合成樹脂製中栓とから構成されている、タンパーエビデント特性を有する合成樹脂製容器蓋が提案されている。かような形態の合成樹脂製容器蓋を開示している先行文献としては、特開平8-48350号公報、特開平8-169455号公報、特開平8-217101号公報及び特開平8-217104号公報を挙げることができる。 【0003】 上述した形態の合成樹脂製容器蓋における蓋本体は、天面壁とその周縁から垂下するスカート壁とを有する。スカート壁には周方向に延びる破断ラインが形成されており、スカート壁は破断ラインよりも上方の主部と破断ラインよりも下方のタンパーエビデント裾部とに区画されている。スカート壁の主部の内周面には容器の口頸部に形成されている雄螺条に螺合せしめられる雌螺条が形成されている。タンパーエビデント裾部には半径方向内方に突出して、容器の口頸部に形成されている被係止手段に係止せしめられる係止手段が形成されている。 【0004】 上述した形態の合成樹脂製容器蓋における中栓の典型例は、蓋本体の天面壁の内面に沿って延在せしめられる円形頂面壁とこの頂面壁から垂下する略円筒形の密封壁とを有する。頂面壁は中央領域と張出周縁領域とを有する。容器の口頸部の内周面に密接せしめられる密封壁は中央領域と張出周縁領域との境界から垂下している。頂面壁の張出周縁領域は、容器の口頸部の頂面に密接せしめられる密接部と口頸部を越えて半径方向外方に突出する突出部とを有する。 【0005】 上述した形態の容器蓋は、容器の口頸部に被嵌して閉回転方向に回転せしめ、口頸部の雄螺条に蓋本体の雌螺条を螺合せしめることによって、口頸部に装着される。蓋本体は閉方向への回転と共に下降せしめられ、蓋本体のタンパーエビデント裾部に配設されている係止手段は、弾性的に変形乃至変位して口頸部の被係止手段を通過し、しかる後に元の状態に復元して被係止手段に係止せしめられる。蓋本体の下降に付随して中栓も下降せしめられ、中栓の密封壁は口頸部内に進入して口頸部の内周面に密接せしめられ、中栓の張出周縁領域の密接部は口頸部の頂面に密接せしめられ、これによって口頸部が密封される。 【0006】 容器の口頸部を開封する際には、蓋本体が開回転方向に回転せしめられる。かくすると、口頸部の被係止手段にタンパーエビデント裾部の係止手段が係止せしめられている故に上昇が阻止されているタンパーエビデント裾部に対してスカート壁の主部が回転と共に上昇せしめられることに起因して、スカート壁に形成されている破断ラインが破断されてタンパーエビデント裾部がスカート壁の主部から分離される(タンパーエビデント裾部に軸線方向に延びる破断ラインが形成されている場合には、かかる軸線方向破断ラインが破断されてタンパーエビデント裾部が無端環状から有端帯状に展開され、スカート壁を周方向に延びている破断ラインはその一部が破断されることなく維持され、従ってタンパーエビデント裾部はスカート壁の主部から完全には分離されない)。しかる後に、スカート壁の主部が更に回転と共に上昇せしめられることによって、スカート壁の内周面に形成されている雌螺条の上端部が中栓の突出部の下面に当接し、スカート壁の上昇に付随せしめて中栓を上昇せしめ、これによって口頸部の密封が解除される。蓋本体、更に詳しくはその天面壁とスカート壁の主部とが更に回転と共に上昇せしめられると、タンパーエビデント裾部を口頸部に残留せしめて(タンパーエビデント裾部がスカート壁の主部から完全には分離されない場合は、タンパーエビデント裾部を含めて)蓋本体と中栓とが口頸部から離脱され、かくして口頸部が開封される。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】 而して、本発明者等の経験によれば、上述した形態の従来の容器蓋には、次のとおりの解決すべき問題が存在する。特に雰囲気温度が比較的高い場合、蓋本体のスカート壁の内周面に形成されている雌螺条の上端部が中栓の頂面壁における張出周縁領域の突出部に当接すると、突出部が弾性的に上方に過剰に変形して半径方向内方に後退し、蓋本体の上昇に付随して中栓が上昇せしめられず、中栓を口頸部に残留せしめて蓋本体のみが口頸部から離脱せしめられてしまうことがある。中栓が口頸部に残留せしめられた場合には、口頸部から中栓を離脱せしめる煩雑な操作を付加的に遂行しなければならない。 【0008】 従来の容器蓋における上記問題は、中栓の頂面壁の厚さを増大せしめて張出周縁領域における突出部の剛性を増大せしめることによって解決することができる。しかしながら、中栓の頂面壁の厚さを増大せしめると、中栓を形成するための必要材料量が増大し、中栓の製造コストが大幅に増大してしまう。また、中栓の頂面壁の厚さの増大に応じて蓋本体の高さ、従ってスカート壁の軸線方向長さも増大せしめることが必要であり、これに起因して蓋本体の製造コストも大幅に増大してしまう。 【0009】 従来の容器蓋における上述した問題は、スカート壁の内周面に、雌螺条とは別個に雌螺条の上方を環状に延びる環状係合突条を形成し、かかる環状係合突条が中栓の頂面壁の張出周縁領域における突出部に係合せしめられようになすことによって、ある程度は解決することができる。しかしながら、市場に広く流通している多くの容器の口頸部においては、口頸部の雄螺条と容器蓋の雌螺条との螺合量をできるだけ長くするために、口頸部の上端近傍まで雄螺条が形成されており、それ故に、雄螺条と雌螺条との螺合を阻害することなく、スカート壁の上端部に上記環状係合突条を形成することができない。 【0010】 本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、製造コストの大幅な増大等の別個の問題を発生せしめることなく、雰囲気温度が比較的高い場合でも中栓を口頸部に残留せしめて蓋本体のみが口頸部から離脱されることが充分に回避される、新規且つ改良された合成樹脂製容器蓋を提供することである。 【0011】 【課題を解決するための手段】 上記主たる技術的課題を達成するために、本発明においては、中栓の張出周縁領域における突出部の下面に密接部の下面を越えて下方に膨出せしめられ且つ周方向に連続して延在する環状である膨出突条を形成し、これによって突出部の剛性を増大せしめる。膨出突条の内周面は下方に向かって半径方向外方に傾斜せしめて、容器の口頸部の外周面から離隔せしめる。膨出突条は張出周縁領域の下面のみに形成されるので、中栓を形成するための必要材料量の増加は少量であり、中栓の製造コストが大幅に増大せしめられることはない。また、膨出突条は突出部の下面から下方に膨出する形態であるので、膨出突条の形成に起因して蓋本体の高さが増大せしめられることもない。 【0012】 従って、本発明によれば、上記主たる技術的課題を達成する合成樹脂製容器蓋として、略円筒形の口頸部を有し、該口頸部の外周面には雄螺条と該雄螺条の下方に位置する被係止手段とが配設されている容器に適用される、タンパーエビデント特性を有する合成樹脂製容器蓋であって、 合成樹脂製蓋本体と、該蓋本体内に組み込まれる合成樹脂製中栓とから構成され、 該蓋本体は、天面壁と、該天面壁の周縁から垂下する略円筒形のスカート壁とを有し、該スカート壁には周方向に延びる破断可能ラインが形成されており、該スカート壁は該破断可能ラインよりも上方の主部と該破断可能ラインよりも下方のタンパーエビデント裾部とに区画されており、該主部の内周面には該口頸部の該雄螺条に螺合せしめられる雌螺条が形成されており、該タンパーエビデント裾部には半径方向内方に突出して該口頸部の該被係止手段に係止せしめられる係止手段が形成されており、 該中栓は該蓋本体の該天面壁の内面に沿って延在せしめられる円形頂面壁と、該頂面壁から垂下する略円筒形の密封壁とを有し、該頂面壁は中央領域と張出周縁領域とを有し、該密封壁は該頂面壁の該中央領域と該張出周縁領域との境界から垂下し、該口頸部の内周面に密接せしめられ、該頂面壁の該張出周縁領域は該口頸部の頂面に密接せしめられる密接部と該口頸部を越えて半径方向外方に突出する突出部とを有し、 該中栓の該頂面壁の外径は、該蓋本体の該スカート壁の該主部の該内周面に形成されている該雌螺条のねじ山先縁によって規定される円の直径よりも大きく、且つ該蓋本体の該スカート壁の該主部の、該雌螺条よりも上方の部分の内径よりも小さく、該中栓の該頂面壁は該雌螺条よりも上方において軸線方向に自由に移動し得る合成樹脂製容器蓋において、 該突出部の下面には該密接部の下面を越えて下方に膨出せしめられ且つ周方向に連続して延在する環状である膨出突条が形成されており、該膨出突条の内周面は下方に向かって半径方向外方に傾斜せしめられていて、該膨出突条の該内周面は該容器の該口頸部の該外周面から離隔されている、ことを特徴とする合成樹脂製容器蓋が提供される。 【0015】 好ましくは、該蓋本体の該スカート壁における該主部の内周面には、該雌螺条の上端に近接した或いはこれに接続された片端から、該雌螺条の上端から離れる方向に実質上水平に延びる弧状係合突条が形成されており、該係合突条の突出縁によって規定される円の直径は該中栓の該頂面壁の外径よりも小さい。該中栓の該頂面壁における該中央領域の上面には、周方向に間隔をおいて半径方向に延びる複数個のリブが形成されているのが好適である。 【0016】 【発明の実施の形態】 以下、本発明に従って構成された合成樹脂製容器蓋の好適実施形態を図示している添付図面を参照して、更に詳細に説明する。 【0017】 図1を参照して説明すると、本発明に従って構成された全体を番号2で示す容器蓋は、合成樹脂製蓋本体4とこの蓋本体4内に組み込まれた合成樹脂製中栓6とから構成されている。蓋本体4はポリプロピレンの如き比較的硬質の合成樹脂から形成され、中栓6はポリエチレンの如き比較的軟質の合成樹脂から形成されているのが好ましい。 【0018】 蓋本体4は、円形の天面壁8とこの天面壁8の周縁から垂下する略円筒形のスカート壁10と有する。スカート壁10には周方向に延びる破断可能ライン12が形成されており、スカート壁10は破断可能ライン12よりも上方の主部14と破断可能ライン12よりも下方のタンパーエビデント裾部16とに区画されている。スカート壁10の内周面には下方を向いた環状肩面18が形成されており、そしてかかる環状肩面18から下方に延びる突条20が周方向に適宜の間隔をおいて複数個形成されている。上記破断可能ライン12は、突条20の軸線方向中間部において、スカート壁10の外周面から切断刃(図示していない)を作用せしめて、突条20の少なくとも一部を残留せしめて、スカート壁10を切断することによって形成される。突条20の各々の切断されることなく残留せしめられた部分が所謂橋絡部22を構成し、タンパーエビデント裾部16は橋絡部22を介してスカート壁10の主部14に接続されている。 【0019】 スカート壁10の主部14の外周面には、その下端部近傍に、下方に向かって外径が漸次増大する円錐台形状部24が形成されている。タンパーエビデント裾部16の外周面も、下方に向かって外径が漸次増大する円錐台形状にせしめられている。主部14の外周面における円錐台形状部24の上方の部分には、そこに掛けられる指の滑りを防止するための凹凸形状26が形成されている。主部14の内周面には雌螺条28が形成されている。かかる雌螺条28には、周方向に適宜の間隔をおいて軸線方向に延びる切欠30が形成されている。かかる切欠30は容器の口頸部が開封される際の所謂通気路を構成する。 【0020】 図1と共に図2を参照して説明を続けると、スカート壁10の主部14の内周面には、更に、弧状係合突条32が形成されている。かかる係合突条32は、雌螺条28の上端に近接して位置する片端、即ち図2において右端から、雌螺条28の上端から離れる方向、即ち図2において左方に、実質上水平に延びている。係合突条32の上記片端は、雌螺条28の上端に対して若干上方に変位して位置せしめられている。係合突条32の周方向延在角度αは70乃至110度、特に80乃至100度、程度であるのが好適である。後に更に言及する如くして容器の口頸部に形成されている雄螺条62(図5も参照されたい)に雌螺条28が螺合せしめられると、図2に二点鎖線で示す如く、雄螺条の上端部が係合突条32の下方に進入せしめられる。特に容器の口頸部に形成されている雄螺条の上端が雌螺条28の上端或いはそれより手前(下方)までしか延在しない場合には、所望ならば、雌螺条28の上端に係合突条32の上記片端を直接的に接続せしめることもできる。係合突条32の横断面形状は雌螺条28の横断面形状と実質上同一でよい。 【0021】 タンパーエビデント裾部16の内周面には係止手段34が形成されている。図示の実施形態における係止手段34は、周方向に連続して延在している環状突出片36から構成されている。この環状突出片36は、タンパーエビデント裾部16の内周面に接続されている基縁から半径方向内方に向かって上方に傾斜して突出せしめられている。環状突出片36には、その先端から基縁近傍まで延びるスリット38が周方向に間隔をおいて形成されている。所望ならば、環状突出片36に代えて、例えばフラップ片、弧状突条或いはラチェット爪(ラチェット爪の場合には、後述する容器の口頸部における被係止手段は環状あご部ではなくて対応するラチェット爪から構成される)等の他の適宜の形態の突出片、突条或いは突起等から係止手段を構成することもできる。 【0022】 図1と共に図3及び図4を参照して説明すると、中栓6は、円形頂面壁40とこの頂面壁40の下面から垂下する略円筒形の密封壁42とを有する。頂面壁40は中央領域44と張出周縁領域46とを有し、密封壁42は頂面壁40における中央領域44と張出周縁領域46との境界から下方に実質上鉛直に垂下せしめられている。 【0023】 中栓6の頂面壁40における中央領域44の中心には、円形凹部48が形成されている(この凹部48は、中栓6を射出成形する際の、合成樹脂素材進入口を構成する)。頂面壁40の中央領域44には、更に、図3及び図4に図示する如く、凹部48の周囲に配置された4個の隆起リブ50が形成されている。かかるリブ50は周方向に等角度間隔(即ち90度の角度間隔)をおいて配置され、半径方向に延在せしめられている。これらのリブ50は頂面壁40の中央領域44の剛性を増大せしめる。 【0024】 中栓6の頂面壁40における張出周縁領域46は密接部52と突出部54とを有する。後に言及するとおりにして容器蓋2が容器の口頸部に所要通りに装着されると、張出周縁領域46の密接部52の下面が容器の口頸部の頂面に密接せしめられ、張出周縁領域46の突出部54は容器の口頸部を越えて半径方向外方に突出する。図3に明確に図示する如く、張出周縁領域46の突出部54の下面には密接部52の下面を越えて下方に膨出せしめられた膨出突条56が形成されている。かかる膨出突条56は周方向に連続して延在する環状である。膨出突条56の下面は実質上水平に延在する平面であるのが好都合である。膨出突条56の外周面は実質上鉛直に延びているが、内周面は40度程度でよい傾斜角度βで下方に向かって半径方向外方に傾斜せしめられている。 【0025】 図3を参照して説明を続けると、中栓6の密封壁42の外周面には半径方向外方に膨出せしめられた環状密封突条58が形成されている。かかる密封突条58の膨出表面は横断面において弧状である。密封壁42の外径はその下端から密封突条58の最突出部位に向かって漸次増大し、次いで上方に向かって漸次減少せしめられている。 【0026】 図1に図示する如く、中栓6は蓋本体4内に組み込まれ、中栓6の頂面壁40は蓋本体4の天面壁8の内面に沿って延在せしめられる。中柱6の頂面壁40の外径は、蓋本体4のスカート壁10における主部14の内周面における、雌螺条28のねじ山先縁及び係合突条32の突出縁によって規定される円の直径よりも大きく設定されており、従って蓋本体4に中栓6を組み込んで図1に図示する状態にせしめる際には、中栓6の頂面壁40の周縁部が幾分弾性変形せしめられる。蓋本体4のスカート壁10における主部14の、雌螺条28及び係合突条32よりも上方の部分の内径は、中栓6の頂面壁40の外径よりも幾分大きく、従って雌螺条28及び係合突条32よりも上方において、中栓6は蓋本体4に対して軸線方向に自由に移動し得る。 【0027】 蓋本体4とこれに組み込まれた中栓6とから構成された容器蓋2は、ポリエチレンテレフタレートの如き適宜の合成樹脂或いはガラスから形成することができる容器に適用される。図5を参照して説明すると、容器蓋2が適用される容器は略円筒形の口頸部60を有する。口頸部60の外周面には雄螺条62とこの雄螺条62の下方に位置する環状あご部64が形成されている。環状あご部64は、蓋本体4における係止手段34が係止せしめられる被係止手段を構成する。 【0028】 容器の口頸部60に容器蓋2を装着して口頸部60を密封する際には、口頸部60に容器蓋2を被嵌し、蓋本体4を閉回転方向(図5において上方から見て時計方向)に回転せしめて、蓋本体4の雌螺条28を口頸部60の雄螺条に螺合せしめる。かくすると、蓋本体4は回転と共に下降せしめられ、蓋本体4のタンパーエビデント裾部16に形成されている係止手段34は弾性的に変形して口頸部60の環状あご部64を通過し、しかる後に弾性的に復元して環状あご部64の下面に係止せしめられる。蓋本体4が下降せしめられると、これに組み込まれている中栓6も下降せしめられる。蓋本体4が図5に図示する位置まで下降せしめられると、これに付随して下降せしめられた中栓6の密封壁42が口頸部60内に挿入せしめられ、密封壁42の外周面に形成されている密封突条58が口頸部60の内周面に密接せしめられ、そしてまた中栓6の頂面壁40における張出周縁領域46の密接部52の下面が口頸部60の頂面に密接せしめられ、これによって口頸部60が密封される。中栓6の頂面壁40における張出周縁領域46の突出部54は口頸部60の外周面よりも半径方向外側に位置し、突出部54が口頸部60の頂面に密接せしめられることはない。 【0029】 容器の口頸部60を開封するためには、蓋本体4を開回転方向(図5において上方から見て反時計方向)に回転せしめる。かくすると、タンパーエビデント裾部16は、その内周面に形成されている係止手段34が口頸部60の環状あご部64に係止されている故に、上昇が阻止されるが、蓋本体4のその他の部分は回転に応じて上昇せしめられ、これに起因してスカート壁10に形成されている破断可能ライン12、更に詳しくはその橋絡部22に相当な応力が生成されて、橋絡部22が破断され、タンパーエビデント裾部16がスカート壁10の主部14から分離される。次いで、蓋本体4の、タンパーエビデント裾部16以外の部分は回転と共に自由に上昇せしめられ、口頸部60から離脱される。而して、破断可能ライン12が破断された後に、蓋本体4の、タンパーエビデント裾部16以外の部分が回転と共に上昇せしめられる際には、図5に二点鎖線で図示する如く、スカート壁10の主部14に形成されている係合突条32が、中栓6の頂面壁40における張出周縁領域46の突出部54に、更に詳細には突出部54の下面に形成されている膨出突条56に当接せしめられ、これに起因して蓋本体4に付随して中栓6も上昇せしめられて口頸部60から離脱され、かくして口頸部60が開封される。本発明に従って改良された図示の容器蓋2においては、(1)中栓6の頂面壁40における張出周縁領域46の突出部54には膨出突条56が形成されていて、突出部54の剛性が増大せしめられており、それ故に頂面壁40の張出周縁領域46が弾性的に撓んで蓋本体4の係合突条32から離隔してしまうことが充分確実に防止され、そしてまた(2)70乃至110度、特に80乃至100度であるのが好ましい角度範囲αに渡って実質上水平に延びる弧状係合手段32が蓋本体4に形成されており、かかる係合手段32が上記角度範囲に渡って中栓4の頂面壁40における張出周縁領域46の突出部54に当接せしめられる故に、係合手段32と頂面壁40における張出周縁領域46の突出部54との当接が充分に安定している。それ故に、蓋本体4が口頸部60から離脱される際には、中栓6も口頸部60から充分確実に離脱され、中栓6を口頸部60に残留せしめて蓋本体4のみが口頸部60から離脱されてしまうことは充分に回避される。 【0030】 図示の実施形態においては、容器の口頸部60を開封する際には、蓋本体4のスカート壁10に形成されている破断可能ライン12における全ての橋絡部22が破断され、タンパーエビデント裾部16がスカート壁10の主部14から分離され、タンパーエビデント裾部16は口頸部60から離脱されることなく口頸部60に残留せしめられる。所望ならば、破断可能ライン10における橋絡部22の内の少なくとも1個を破断されることなく維持される強橋絡部にせしめると共に、タンパーエビデント裾部16に軸線方向に延びる破断可能ライン(図示していない)を形成し、口頸部60を開封する際には上記軸線方向破断ラインが破断されてタンパーエビデント裾部16が無端環状から有端帯状に展開され、破断されることなく維持される上記強橋絡部を介してスカート壁10の主部14に接続され続けるタンパーエビデント裾部16も口頸部60から離脱されるようになすこともできる。 【0031】 【実施例】 次に、本発明の容器蓋の実施例を比較例と共に説明する。 【0032】 実施例1 図1乃至4に図示するとおりの形態の容器蓋を50個製作した。蓋本体はポリプロピレンから圧縮成形し、中栓はポリエチレンから射出成形した。蓋本体及び中栓の主要部寸法は次のとおりであった。 蓋本体の全高さH・・・・・・・・・・・・・・・・・20.30mm 雌螺条のねじ山先端縁によって規定される直径D1・・25.70mm 係合突条の突出縁によって規定される直径D2・・・・25.70mm 係合突条の延在角度α・・・・・・・・・・・・・・・90度 中栓の頂面壁の外径D3・・・・・・・・・・・・・・27.25mm 頂面壁の張出周縁領域における密接部の外径D4・・・25.20mm 頂面壁の張出周縁領域における密接部の厚さT1・・・0.93mm 頂面壁の張出周縁領域における突出部の厚さT2・・・1.50mm (膨出突条を含む) 頂面壁の膨出突条の内周面の傾斜角度β・・・・・・・40度 頂面壁のリブの隆起厚さT3・・・・・・・・・・・・0.20mm 頂面壁のリブの長さL・・・・・・・・・・・・・・・2.80mm 頂面壁のリブの幅W・・・・・・・・・・・・・・・・1.20mm 40度の雰囲気中において、かような容器蓋を図5に図示するとりの形態の容器の口頸部に装着した。容器はポリエチレンテレフタレート製であった。そして40度の雰囲気中で、蓋本体を開回転方向に回転せしめて口頸部から離脱せしめ、中栓が口頸部に残留せしめられたか否かを検査した。その結果は下記表1に示すとおりであった。 【0033】 実施例2 蓋本体のスカート壁における主部の内周面に係合突条が存在しないことを除いて、実施例1と同一の容器蓋を50個し、実施例1と同様の検査を遂行した。その結果は下記表1に示すとおりであった。 【0034】 比較例1 中栓の頂面壁における張出周縁領域の突出部に膨出突条が存在しないことを除いて、実施例1と同一の容器蓋を50個し、実施例1と同様の検査を遂行した。その結果は下記表1に示すとおりであった。 【0035】 比較例2 蓋本体のスカート壁における主部の内周面に係合突条が存在しないこと、及び中栓の頂面壁における張出周縁領域の突出部に膨出突条が存在しないことを除いて、実施例1と同一の容器蓋を50個し、実施例1と同様の検査を遂行した。その結果は下記表1に示すとおりであった。 【0036】 【表1】 【0037】 本発明の容器蓋によれば、製造コストの大幅な増大等の別個の問題を発生せしめることなく、雰囲気温度が比較的高い場合でも中栓を口頸部に残留せしめて蓋本体のみが口頸部から離脱されることが充分に回避される。 【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明に従って構成された容器蓋の好適実施形態を、一部を断面で示す側面図。 【図2】 図1に示す容器蓋の蓋本体におけるスカート壁の主部に形成されている雌螺条及び係合突条を示す展開図。 【図3】 図1に示す容器蓋の中栓を示す断面図。 【図4】 図1に示す容器蓋の中栓を示す平面図。 【図5】 図1に示す容器蓋を容器の口頸部に装着した状態を、一部を断面で示す側面図。 【符号の説明】 2:容器蓋 4:蓋本体 6:中栓 8:天面壁 10:スカート壁 12:破断可能ライン 14:スカート壁の主部 16:タンパーエビデント裾部 28:雌螺条 32:係合突条 34:係止手段 40:頂面壁 42:密封壁 44:頂面壁の中央領域 46:頂面壁の張出周縁領域 50:リブ 52:張出周縁領域の密接部 54:張出周縁領域の突出部 56:膨出突条 60:容器の口頸部 62:雄螺条 64:環状あご部(被係止手段) |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審決日 | 2009-08-25 |
出願番号 | 特願平9-174301 |
審決分類 |
P
1
41・
83-
Y
(B65D)
P 1 41・ 121- Y (B65D) P 1 41・ 113- Y (B65D) P 1 41・ 856- Y (B65D) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 山口 直、柳田 利夫 |
特許庁審判長 |
鈴木 由紀夫 |
特許庁審判官 |
村山 禎恒 熊倉 強 |
登録日 | 2008-08-01 |
登録番号 | 特許第4164135号(P4164135) |
発明の名称 | タンパーエビデント特性を有する合成樹脂製容器蓋 |
代理人 | 奥貫 佐知子 |
代理人 | 小野 尚純 |
代理人 | 小野 尚純 |
代理人 | 奥貫 佐知子 |