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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1204415
審判番号 不服2006-14562  
総通号数 119 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-11-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-07-06 
確定日 2009-09-24 
事件の表示 平成11年特許願第 39948号「デバイス装置に対する出力設定を行う情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを格納した記憶媒体」拒絶査定不服審判事件〔平成12年 9月 8日出願公開、特開2000-242597〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 出願の経緯
この出願は、平成11年2月18日の出願であって、平成17年10月7日付け拒絶理由通知に対して、平成17年12月19日付けで手続補正がなされたが、平成18年6月1日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成18年7月6日に拒絶査定不服の審判請求がなされるとともに、平成18年8月7日に手続補正がなされたものである。

第2 平成18年8月7日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成18年8月7日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1.本件補正前及び本件補正後の本願発明
本件補正は、特許請求の範囲及び発明の詳細な説明についてするもので、特許請求の範囲の請求項1については、補正前(平成17年12月19日付け手続補正書参照。)に
「【請求項1】 複数の設定の組合せからなる複合設定を用いて、デバイス装置を制御する情報処理装置であって、
複数の複合設定の中から、指定されたデバイス装置に対して利用する前記複合設定を選択する選択手段と、
前記選択手段が複合設定を選択するのに応答して、前記選択手段により選択された前記複合設定を用いて指定された前記デバイス装置に対する出力設定を行う場合に、当該デバイス装置において、当該複合設定の各設定の内容で出力を行えるかを当該デバイス装置の機能に応じて判断する判断手段と、
前記判断手段が、当該デバイス装置において当該複合設定の設定の内容で出力を行えないと判断した場合は、前記複合設定の内容を前記デバイスに転送しないよう転送処理を制御する転送制御手段とを備えることを特徴とする情報処理装置。」
とあったものを、
「【請求項1】 複数の印刷処理に関する設定の組合せである複合設定を用いて、デバイス装置を制御する情報処理装置であって、
複数の複合設定の中から、指定されたデバイス装置に対して利用するひとつの複合設定を選択する選択手段と、
前記選択手段が複合設定を選択するのに応答して、前記選択手段により選択された前記複合設定が有する複数の設定を抽出し、指定された前記デバイス装置に対する出力設定を行う場合に、前記複合設定から抽出された複数の印刷設定のそれぞれについて、該デバイス装置において出力を行えるかを当該デバイス装置の機能に応じて判断する判断手段と、
当該デバイス装置において前記複合設定から抽出された設定の内容で出力を行えないと前記判断手段により判断された設定については、前記複合設定の内容を前記デバイスに転送せず、当該デバイス装置において当該複合設定の設定の内容で出力を行えると前記判断手段により判断された設定については、前記デバイスに転送するよう転送処理を制御する転送制御手段とを備えることを特徴とする情報処理装置。」
と補正し、請求項3については、補正前に、
「【請求項3】 デバイス装置と通信可能な情報処理装置において、
デバイス装置に対する複数の設定を含む複合設定を選択する選択手段と、
指定されたデバイス装置の機能を特定する特定手段と、
前記特定手段が特定したデバイス装置の機能を用いて実現できない処理に対応する設定が前記複合設定に含まれる場合に、前記複合設定を、前記出力機能が実現できる処理に対応する印刷設定の範囲に適合させるように情報処理装置を制御する制御手段と、
を備える情報処理装置。」
とあったものを、
「【請求項3】 デバイス装置と通信可能な情報処理装置において、
デバイス装置に対する複数の設定を含むひとつの複合設定を選択する選択手段と、
指定されたデバイス装置の機能を特定する特定手段と、
複合設定から前記選択手段により選択された前記複合設定が有する複数の設定を抽出し、抽出された設定の中に、前記特定手段が特定したデバイス装置の機能を用いて実現できない処理に対応する設定が複数存在した場合に、当該複数の設定のそれぞれを、前記出力機能が実現できる処理に対応する印刷設定の範囲に適合させるように情報処理装置を制御する制御手段と、を備える情報処理装置。」
と補正しようとするものである。

2.補正の適否
(1)請求項3について
請求項3についての補正は、
(イ)「デバイス装置に対する複数の設定を含む複合設定」とあったところを「デバイス装置に対する複数の設定を含むひとつの複合設定」と補正し、
(ロ)「前記特定手段が特定したデバイス装置の機能を用いて実現できない処理に対応する設定が前記複合設定に含まれる場合」とあったところを「 複合設定から前記選択手段により選択された前記複合設定が有する複数の設定を抽出し、抽出された設定の中に、前記特定手段が特定したデバイス装置の機能を用いて実現できない処理に対応する設定が複数存在した場合」と補正し、
(ハ)「前記複合設定を」とあったところを「当該複数の設定のそれぞれを」と補正するものである。
したがって、請求項3に係る補正(イ)、(ロ)及び(ハ)は、少なくとも特許法第17条の2第4項第2号に掲げる事項を目的とするものである。
そこで、本件補正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が、特許出願の際、独立して特許を受けられるものであるか(特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項に規定する要件を満たすか)否かを、請求項3に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)について以下検討する。

(i)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された、本願出願前に頒布された刊行物である特開平10-49318号公報(以下、「引用例1」という。)には、図面とともに、以下の技術事項が記載されている。
「【請求項11】 複数の項目を含む制御情報を印刷装置に送り付けて制御する印刷制御装置であって、
前記制御情報の項目の値を設定する設定手段と、
前記印刷装置から、その設定状態を取得する設定取得手段と、
前記設定手段により設定された項目と、前記設定取得手段により取得された設定状態とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較の結果、設定された項目の値と、取得された設定状態とが異なる場合、異なる項目については、前記設定取得手段により取得した状態を設定する再設定手段とを備えることを特徴とする印刷制御装置。」
(第2欄第19?30行)、
「【請求項13】 前記設定手段は、設定項目として、用紙のサイズを含むことを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の印刷制御装置。
【請求項14】 前記設定手段は、設定項目として、印刷色を含むことを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の印刷制御装置。
【請求項15】 前記設定手段は、設定項目として、用紙の種類(メディアタイプ)を含むことを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の印刷制御装置。
【請求項16】 前記設定手段は、設定項目として、印刷品位を含むことを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の印刷制御装置。
【請求項17】 前記設定手段は、設定項目として、給紙方法を含むことを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の印刷制御装置。
【請求項18】 前記設定手段は、設定項目として、ディザリング方法を含むことを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の印刷制御装置。」
(第2欄第44行?第3欄第11行)、
「【請求項21】 前記設定手段は、設定項目として、カートリッジの種類を含むことを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の印刷制御装置。」(第3欄第19?21行)、
「<第5の実施の形態>次にプリンタドライバの設定とプリンタの設定が異なる場合、エラー表示ではなくプリンタの設定に合わせて、プリンタドライバの設定を変更する印刷システムを説明する。例として第1の実施の形態と同様に印刷ヘッドが異なる場合を説明する。
【0083】まずプリンタドライバの画面上の動きから説明する。図33は印刷ダイアログである。印刷ダイアログとは印刷に関する各種設定を行い印刷を実行するダイアログである。この中の「Cartridge」メニューがヘッド選択のメニューである。本印刷システムでは、プリンタには3種類のヘッドが存在する。1つはモノクロ印刷用ヘッド、2つ目はカラー印刷用ヘッド、3つ目はフォトグレード印刷用ヘッドである。プリンタドライバは「Print」ボタンを押したときの「Cartridge」メニューの設定に合わせて印刷コマンドを生成する。そしてプリンタに印刷コマンドを送信する前にプリンタに装着しているヘッドを確認し一致していれば送信する。一致していなければ図34のエラーダイアログを表示する。この中で「Stop」を押すと印刷は中止される。「OK」を選ぶとプリンタに装着されているヘッドに合わせて印刷コマンドを生成する。
【0084】次にプリンタドライバの動きをフローチャートで説明する。図35は本実施形態における図33の「Print」ボタンを押されて、印刷実行の指示が出されてから印刷コマンドを送信するまでのフローチャートである。
【0085】ステップS351では図19のプリンタインターフェースH07を経由して、プリンタH08に装着されているヘッドの種類を得る。ステップS352では、プリンタドライバに対して「Cartridge」項目の値として設定された値を得る。ステップS353ではプリンタH08に装着されているヘッドとプリンタドライバに対する設定とが一致しているか調べる。一致していれば印刷処理に移行する。一致していなければステップS354に進む。ステップS354は、設定されたヘッドと実際に取り付けられたヘッドとが異なる旨を表示する。本実施の形態では、図34のエラーダイアログを表示する。ステップS355とステップS356はエラーダイアログの処理となる。ステップS355では「Stop」ボタンが押されたか調べる。もし押されたらステップS357へ移行する。もし押されないならステップS355へ戻る。ステップS357ではプリンタドライバの設定をプリンタに装着しているヘッドに合わせる。以後の印刷のステップは、プリンタドライバの設定に合わせてコマンドを生成するため、装着ヘッドに合ったコマンドが生成される。
【0086】なお、本実施の形態ではカートリッジの種類を対象としているが、用紙のサイズなどでも同様に処理できる。
【0087】以上のように、プリンタ本体に対する設定に、プリンタドライバに対する設定を合わせることで、印刷時の設定誤りによる印刷ミスを防止することができる。
【0088】なお、以上の第2?第5実施形態以外にも、例えば用紙タイプや給紙口の設定とプリンタドライバの設定が異なる場合でも、同じような処理を行うことで正しく印刷できるようになる。また、プリンタからホストへ設定情報を伝えることができるなら物理的なIFとして何を使っても良い。」(第24欄第39行?第25欄第47行)、
従って、引用例1には
「複数の項目を含む制御情報を印刷装置に送り付けて制御する印刷制御装置(ホスト)であって、
前記制御情報の項目の値を設定する設定手段と、
前記印刷装置から、その設定状態を取得する設定取得手段と、
前記設定手段により設定された項目と、前記設定取得手段により取得された設定状態とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較の結果、設定された項目の値と、取得された設定状態とが異なる場合、異なる項目については、前記設定取得手段により取得した状態を設定する再設定手段とを備え、
前記設定手段は、設定項目として、用紙のサイズ、印刷色、用紙の種類(メディアタイプ)、印刷品位、給紙方法、ディザリング方法、カートリッジの種類を含む、印刷制御装置(ホスト)。」
の発明(以下、「引用例1記載発明」という。)が記載されている。

(ii)対比・判断
引用例1記載発明の「印刷装置」が本願補正発明の「デバイス装置」に相当する。
次に、引用例1記載発明において、「制御情報の項目」は「用紙のサイズ、印刷色、用紙の種類(メディアタイプ)、印刷品位、給紙方法、ディザリング方法、カートリッジの種類」を「設定項目」として含むものであるから、引用例1記載発明の「複数の項目を含む制御情報」が本願補正発明の「複数の設定を含む」「複合設定」に相当するといえる。
次に、引用例1記載発明において、「印刷装置」の「設定状態」のうち少なくとも「用紙のサイズ」、「給紙方法」、「カートリッジの種類」に関する「設定状態」は印刷装置の機能に関する「設定状態」であるから、引用例1記載発明において、「前記印刷装置から」少なくとも「用紙のサイズ」、「給紙方法」、「カートリッジの種類」の「設定状態を取得する設定取得手段」が、本願補正発明の「デバイス装置の機能を特定する特定手段」に相当するといえる。
次に、引用例1記載発明において、「前記設定手段により設定された項目と、前記設定取得手段により取得された設定状態とを比較する比較手段」による比較の結果、設定された項目の値と、取得された設定状態とが異なる場合、とは、少なくとも「用紙のサイズ」、「給紙方法」、「カートリッジの種類」についていえば、これらの「設定された項目」と印刷装置の設定状態とを比較し、これらの「設定された項目」の中に印刷装置の設定状態では実現できない「設定された項目」が含まれている場合、を意味するから、引用例1記載発明におけるかかる場合と、本願補正発明の「複合設定から前記選択手段により選択された前記複合設定が有する複数の設定を抽出し、抽出された設定の中に、前記特定手段が特定したデバイス装置の機能を用いて実現できない処理に対応する設定が複数存在した場合に、」とは、「前記複合設定が有する複数の設定中に、前記特定手段が特定したデバイス装置の機能を用いて実現できない処理に対応する設定が存在した場合」の点で一致する。同様に、引用例1記載発明の「前記設定手段により設定された項目と、前記設定取得手段により取得された設定状態とを比較する比較手段」と本願補正発明の「制御手段」とは、「前記複合設定が有する複数の設定中に、前記特定手段が特定したデバイス装置の機能を用いて実現できない処理に対応する設定が存在する場合」を識別しうる手段である点で一致する。
次に、引用例1記載発明の「印刷制御装置(ホスト)」が、以下に示す相違点は別として、本願補正発明の「情報処理装置」に相当する。
次に、引用例1記載発明において、「前記設定取得手段により取得した状態を設定する」ことは、少なくとも「用紙のサイズ」、「給紙方法」、「カートリッジの種類」についていえば、印刷装置の設定状態、すなわち印刷装置の機能によって実現できる処理に対応する設定の範囲に「制御情報の項目」の「設定」を適合させることであるから、引用例1記載発明の「印刷制御装置(ホスト)」が備える「異なる項目については、前記設定取得手段により取得した状態を設定する再設定手段」と本願補正発明の「制御手段」とは、「当該複数の設定のそれぞれを、前記デバイス装置の出力機能が実現できる処理に対応する印刷設定の範囲に適合させるように情報処理装置を制御する制御手段」である点で一致するといえる。
(なお、請求項3には、「前記出力機能」なる用語中の「前記」に対応する記載が見いだせないので、該「前記」とは「前記デバイス装置の」を意味するものとして解釈して上記のとおり認定した。以下同じ。)
次に、引用例1記載発明の「印刷制御装置(ホスト)」は「複数の項目を含む制御情報を印刷装置に送り付けて制御する」から、「印刷装置」と「通信可能な」装置であることは明らかである。

従って、本願補正発明と引用例1記載発明とは、
「デバイス装置と通信可能な情報処理装置において、
デバイス装置に対する複数の設定を含む複合設定と、
デバイス装置の機能を特定する特定手段と、
前記複合設定が有する複数の設定中に、前記特定手段が特定したデバイス装置の機能を用いて実現できない処理に対応する設定が存在した場合に、当該設定を、前記デバイス装置の出力機能が実現できる処理に対応する印刷設定の範囲に適合させるように情報処理装置を制御する制御手段と、を備える情報処理装置。」
の点で一致し、次の点で相違する。

相違点1:本願補正発明では「ひとつの複合設定を選択する選択手段」を備え、「複合設定」が「前記選択手段により選択された」ものとされているのに対し、引用例1記載記載発明では、「ひとつの複合設定を選択する選択手段」を備えているか否か明らかでなく、従って「複合設定」が「前記選択手段により選択された」ものであるか否か明らかでない点。

相違点2:「前記特定手段が特定したデバイス装置の機能を用いて実現できない処理に対応する設定」の数が、本願補正発明では「複数」であるのに対し、引用例1記載発明では「1つ」であるのか「複数」であるのか明らかでない点。

相違点3:「機能を特定」されるデバイス装置が、本願補正発明では、「指定された」デバイス装置であるのに対し、引用例1記載発明では「指定された」デバイス装置であるか否か明らかでない点。

相違点4:複合設定が有する複数の設定を、本願補正発明では、制御手段が「抽出」しているのに対し、引用例1記載発明では、「比較手段」もしくは「再設定手段」が「抽出」しているか否か明らかでない点。

そこで上記相違点について判断すると、
相違点1について、
複数の設定を含む複合設定の中からひとつの複合設定を選択する選択手段を備えること、は周知技術である(例えば、引用例1には、「【0033】図6はメインプロパティと呼ばれる画面である。この画面において、ユーザは、自分の使用しているアプリケーションソフトに適している印字方法をワンタッチで選択する「オートパレット」欄を設定できる。更に、印字する紙の厚さに応じて「紙間選択レバー」欄や「用紙選択レバー」欄を移動させるべき位置や、「メディアタイプ」と「給紙方法」欄の設定を表すメッセージが表示されている。それぞれの設定項目のデフォルト設定値は「オートパレット」=“ワープロ”が選択され、「紙間選択レバー」=“奥へ”、「用紙選択レバー」=“中央へ”、「メディア」=“普通紙”、「給紙方法」=“オートシートフィーダ”であり、これらが表示装置上に表示されている。」(第13欄第24?36行)と記載されている。また、特開平8-278865号公報(以下、「周知例」という。)には、「【0099】この指示ファイル・ビューパネル42において、利用者のオーダーファイルの選択を受け付ける(ステップS4)。そして、利用者が“選択”のコマンドボタン42dを押下すると、それが確認され(ステップS5)、機能設定手段106により、オーダーファイル保存手段108から、ステップS4で選択されたオーダーファイルの内容が取り出される(ステップS6)。
【0100】オーダーファイルの内容の概念図を図7に示す。図7は概念図であり、実際には、図1の機能ブロック図の各手段が扱えるようにコード化されたものとなっている。」(第16欄第37?47行)と記載され、周知例の図7には、「オーダーファイルのフォーマットの内容の概念図」とのタイトルとともに、「部数:1 両面:なし 排出:コピー受け 丁合い:あり 用紙サイズ:A4 拡大・縮小:100 スタートシート:あり エンドシート:あり セパレートシート:あり ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」と記載されている。)。
よって、引用例1記載発明において、「複数の項目を含む制御情報」(複合設定)を選択する選択手段を備え、「複数の項目を含む制御情報」(複合設定)が「前記選択手段から選択されたもの」とすることは当業者にとって容易である。

相違点2について、
前記「(i)引用例」にて摘示したとおり、引用例1には、「【0088】なお、以上の第2?第5実施形態以外にも、例えば用紙タイプや給紙口の設定とプリンタドライバの設定が異なる場合でも、同じような処理を行うことで正しく印刷できるようになる。」と記載されている。
よって、該記載より、引用例1記載発明において、「プリンタドライバの設定が異なる場合」を、「カートリッジの種類」の設定のみならず、「用紙タイプ」の設定や「給紙口」の設定も異なる場合とすること、すなわち、「前記特定手段が特定したデバイス装置の機能を用いて実現できない処理に対応する設定」の数を「複数」とすることは当業者が容易になしうることである。

相違点3について、
印刷装置を指定することは普通に知られていることである(例えば、周知例第2欄第6?19行の「【0002】【従来の技術】LAN(ローカルエリアネットワーク)などの通信ネットワーク上に複数の印刷出力装置を分散配置し、その内の一つを利用者が切り換え選択して利用することができる分散型のネットワーク印刷システムが知られている。
【0003】この種の分散型のネットワーク印刷システムにおいては、利用者が印刷指示装置において、印刷出力装置例えばプリンタを選択し、印刷指示設定をし、印刷要求の操作を行なうと、印刷指示装置は、その選択したプリンタに向けて、印刷指示情報(例えば用紙サイズ、拡大率/縮小率、片面/両面指定、印刷部数、オプション機能の使用/不使用など)と印刷データとからなる印刷ジョブ(以下単にジョブという)を発行する。」参照。)。
よって、引用例1記載発明において印刷装置(デバイス装置)を「指定された」印刷装置(デバイス装置)とすることは当業者にとって容易である。

相違点4について、
複合設定から複数の設定内容を「抽出」により取り出すことは情報処理において普通に知られている技術であるから、引用例1記載発明において、「比較手段」もしくは「再設定手段」(制御手段)が、「複数の項目を含む制御情報」(「複合設定」)から、少なくとも「用紙のサイズ」、「給紙方法」、「カートリッジの種類」を含む、複数の「設定された項目」(複数の設定)を「抽出」すること、は当業者が容易になし得ることである。

(iii)まとめ
従って、本願補正発明は、引用例1に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反する。

(2)請求項1について
補正後の請求項1に記載された「当該デバイス装置において前記複合設定から抽出された設定の内容で出力を行えないと前記判断手段により判断された設定については、前記複合設定の内容を前記デバイスに転送せず、当該デバイス装置において当該複合設定の設定の内容で出力を行えると前記判断手段により判断された設定については、前記デバイスに転送するよう転送処理を制御する」とは本願の願書に最初に添付された明細書または図面(以下、「出願当初明細書等」という。)に記載されていない事項である。
なぜなら、補正後の請求項1に係る発明は、文言上、「複合設定」から抽出された「複数の印刷設定」のうち「当該デバイス装置において前記複合設定から抽出された設定の内容で出力を行えないと前記判断手段により判断された設定」(以下、「出力不能な印刷設定」という。)については前記デバイスに転送せず、「当該デバイス装置において当該複合設定の設定の内容で出力を行えると前記判断手段により判断された設定」(以下、「出力可能な印刷設定」という。)については、前記デバイスに転送すること、言い換えると、「複合設定」から抽出された「複数の印刷設定」のうち、「出力不能な印刷設定」についてはデバイスに転送せず、残りの「出力可能な印刷設定」の部分にいてはデバイスに転送する、という転送制御を包含するものと解釈されるが、かかる転送制御は出願当初明細書等に何ら記載されていない。
従って、平成18年8月7日付けでした手続補正は、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものではないから,特許法第17条の2第3項の規定に違反する。

(3)結論
以上のとおり、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反し、また、特許法第17条の2第3項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1.本願発明
平成18年8月7日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1?37に係る発明は、平成17年12月19日付け手続補正書によって補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1?37に記載されたとおりのものであるところ、請求項3に係る発明は、前記「第2[理由]1.本件補正前及び本件補正後の本願発明」に「補正前」の請求項3として記載されたとおりのものである(以下、「本願発明3」という。)。

2.引用例
原査定の拒絶の理由で引用された引用例1及びその記載事項は、前記「第2[理由]2.(1)(i)引用例」に記載したとおりである。

3.対比・判断
本願発明3は、上記「第2[理由]2.(1)請求項3について」で検討した本願補正発明から、
(1)「デバイス装置に対する複数の設定を含むひとつの複合設定」とあったところを「デバイス装置に対する複数の設定を含む複合設定」と限定を解除し、
(2)「複合設定から前記選択手段により選択された前記複合設定が有する複数の設定を抽出し、抽出された設定の中に、前記特定手段が特定したデバイス装置の機能を用いて実現できない処理に対応する設定が複数存在した場合」とあったところを、「前記特定手段が特定したデバイス装置の機能を用いて実現できない処理に対応する設定が前記複合設定に含まれる場合」と限定を解除し、
(3)「当該複数の設定のそれぞれを」とあったところを「前記複合設定を」と限定を解除したものに相当する。
そうすると、本願発明3の発明特定事項を全て含み、さらに他の要件を付加したものに相当する本願補正発明が、「第2[理由]2.(1)請求項3について」に記載したとおり、引用例1に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明3も、同様の理由により、引用例1に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

4.むすび
以上のとおり、本願の請求項3に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
したがって、その余の請求項について論及するまでもなく、本願は、拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2009-07-16 
結審通知日 2009-07-21 
審決日 2009-08-12 
出願番号 特願平11-39948
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06F)
P 1 8・ 561- Z (G06F)
P 1 8・ 575- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 横山 佳弘  
特許庁審判長 江口 能弘
特許庁審判官 清水 稔
圓道 浩史
発明の名称 デバイス装置に対する出力設定を行う情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを格納した記憶媒体  
代理人 内尾 裕一  
代理人 西山 恵三  

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