• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B60T
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 B60T
管理番号 1204514
審判番号 不服2008-8382  
総通号数 119 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-11-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-04-04 
確定日 2009-09-24 
事件の表示 特願2003-536079「パーキングブレーキ用制御装置及びこのような装置を備えたパーキングブレーキシステム」拒絶査定不服審判事件〔平成15年 4月24日国際公開、WO03/33322、平成17年 2月24日国内公表、特表2005-505468〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由
【1】手続の経緯

本願は、2002年10月11日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2001年10月17日、フランス国)を国際出願日とする出願であって、平成19年12月26日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成20年4月4日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同日付けで手続補正がなされたものである。

【2】補正却下の決定

[補正却下の決定の結論]

平成20年4月4日付けの手続補正を却下する。

[理由]

1.補正後の本願発明

平成20年4月4日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)により、特許請求の範囲の請求項1は、
「【請求項1】
作動レバー(20)をディスクブレーキ(12)に連結するケーブル(22)、及びこのケーブル(22)と別体であり、前記ケーブルの基端ストランド(22P)を先端ストランド(22D)に連結する機械的エネルギ蓄積手段(28)を含み、この機械的エネルギ蓄積手段は、前記ケーブルの前記基端ストランド(22P)及び前記先端ストランド(22D)に連結されたばね(34)を含み、この連結は、ばねが弾性的に押圧される休止位置とエネルギを蓄積する位置との間でこれらのストランドが互いに対して移動するときに弾性変形できるように行われる、種類の車輛のパーキングブレーキ用制御装置において、前記エネルギ蓄積手段(28)のばね(34)の剛性は、前記一次ケーブルの前記先端ストランド(22D)に平行に連結された二つのディスクブレーキ(12)を含むアッセンブリの全剛性よりも低く、前記ばね(34)はその休止位置に予応力が加えられている、ことを特徴とする装置。」
と補正された。(なお、下線は補正箇所を示す。)
上記補正は、請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「ばね(34)」について、「前記ばね(34)はその休止位置に予応力が加えられている」との限定を付加するものであって、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の上記請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について、以下に検討する。

2.引用刊行物とその記載事項

原査定の拒絶の理由に引用された
(1)実願昭61-4596号(実開昭62-115962号)のマイクロフィルム(以下「刊行物1」という。)
(2)特開2000-39042号公報(以下「刊行物2」という。)
には、それぞれ、次の事項が記載されている。

(1)刊行物1(実願昭61-4596号(実開昭62-115962号)のマイクロフィルム)の記載事項
刊行物1には、「駐車ブレーキ装置」に関して、図面とともに次の事項が記載されている。

ア 「(産業上の利用分野)
本考案は、サービスブレーキ装置とは別ユニットで構成される駐車ブレーキ装置に関する。」(明細書第1ページ第14?16行)

イ 「(考案が解決しようとする問題点)
しかしながら、このような従来装置にあっては、パーキングブレーキレバーからドラムブレーキまでの制動操作力伝達系がブレーキワイヤだけによって連結されていたものであったため、坂道にてサービスブレーキ装置で停止した後、駐車ブレーキ装置にて停止しようとする場合と、駐車ブレーキ装置だけで停止しようとする場合とでは、同じ制動力を得るためには制動操作力に大きな差異が生じるという問題点があった。
つまり、サービスブレーキ装置で停止した後、駐車ブレーキ装置で停止しようとすると、サービスブレーキ装置解除によるユニットのディストーションや車両姿勢の変化で、車輪位置とパーキングブレーキレバーとの相対間隔が縮み、ブレーキワイヤにゆるみが発生する。
そして、急な坂道等の場合では、このワイヤストロークSのゆるみ量ΔSに対し、ブレーキワイヤ自体ではこのゆるみ量ΔSを吸収することができないために、ワイヤストロークのゆるみ量ΔSによる制動力低下を駐車ブレーキ装置への操作力で補わなければならず、第7図に示すように、制動操作力F_(A)に大きな差ΔF_(A)’を生じていたものであった。
尚、第7図の線図Cは従来の駐車ブレーキ装置での制動操作力F_(A)とワイヤストロークSとの特性線図である。」(明細書第2ページ第6行?第3ページ第12行)

ウ 「(問題点を解決するための手段)
本考案は、上述のような問題点を解決することを目的としてなされたもので、この目的達成のために本考案では、ブレーキ操作手段とブレーキ手段とがブレーキワイヤにより接続されている駐車ブレーキ装置において、前記ブレーキ操作手段からブレーキ手段までの制動操作力伝達系路の途中に、坂道停止時のワイヤストローク領域でブレーキワイヤに引張力を与える弾性体を介装させた。」(明細書第4ページ第4?12行)

エ 「(作用)
従って、本考案の駐車ブレーキ装置では、上述のように、坂道停止時のワイヤストローク領域でブレーキワイヤに引張力を与える弾性体を介装させたことで、坂道停止時に制動操作の相違によりワイヤストロークにゆるみ量が発生しても、前記弾性体による弾性復元力でブレーキワイヤに引張力が与えられ、この引張力がワイヤストロークのゆるみ量を吸収する。
そして、ブレーキワイヤに作用する引張力は、制動力の一部となることで、ワイヤストロークのゆるみ量による制動力低下も小さく抑えられ、結果的には、坂道停止時に制動操作が異なっても、制動操作力に大きな差を生じさせることがない。」(明細書第4ページ第13行?第5ページ第6行)

オ 「まず、第1実施例の構成を説明する。
第1実施例の駐車ブレーキ装置Aは、第1図及び第2図に示すように、パーキングブレーキレバー(ブレーキ操作手段)1、ドラムブレーキ(ブレーキ手段)2,2、フロントブレーキケーブル3、リヤブレーキケーブル4、イコライザ5、クロスワイヤ6、ディシュプレート弾性体7を主な構成要素としている。」(明細書第5ページ第11?18行)

カ 「ドラムブレーキ2,2は、左右のリヤホイール部に設けられたブレーキ手段で、第8図に示すように、バックプレート21、アンカーピン22、アジャスティングスクリュー23、ブレーキシュー24,24、シューストラット25、ブレーキレバー26を備えている。
尚、前記パーキングブレーキレバー1を引き上げてのブレーキ操作を行なうと、その操作力がブレーキワイヤ(インナワイヤ31,41及びクロスワイヤ6)を介してブレーキレバー26へ伝達され、ブレーキレバー26の作動で両ブレーキシュー24,24が外側に拡張し、ブレーキドラム(図示していない)の内面に圧接して制動力が与えられる。
フロントブレーキケーブル3は、前記パーキングブレーキレバー1と前記ディシュプレート弾性体7とを接続するケーブルで、リヤブレーキケーブル4は、ディシュプレート弾性体7と前記イコライザ5とを接続するケーブルである。
尚、両ケーブル3,4は、インナワイヤ31,41とアウタチューブ32,42により構成されている。」(明細書第6ページ第17行?第7ページ第18行)

キ 「ディシュプレート弾性体7は、制動操作力伝達系路のうちブレーキワイヤの途中に設けられた弾性体で、第2図に示すように、コ字状の弾性体ケース71と、皿バネ状のディシュプレート72を重ね合せた組立弾性体73と、連結ピン74と、を備えている。
尚、前記フロントケーブル3側のインナワイヤ31は、組立弾性体73を挿通したワイヤ端部にストッパピン33を設けて支持され、前記リヤケーブル4側のインナワイヤ41は、ワイヤ端部が連結ピン74に接続され、両ケーブル3,4への制動操作力は組立弾性体73を縮める方向に作用する。」(明細書第8ページ第5?17行)

ク 「次に、第1実施例の作用を説明する。
(イ)駐車ブレーキ装置Aだけで坂道停止する時
まず、ディシュプレート72のバネ定数特性は、外力を加えての変形初期には高バネ定数を示し、その後、形状変形で一時的に低バネ定数を示し、さらに、外力を加えると再び高バネ定数を示すという特性をもつ。
従って、第7図の線図Bに示すように、パーキングブレーキレバー1を引いての制動初期の高バネ定数領域b_(1)では、制動操作力F_(A)の上昇に対してワイヤストロークSの上昇が小さく、その後の一時的な低バネ定数領域b_(2)では、ワイヤストロークSが急上昇し、さらに、その後の高バネ定数領域b_(3)では、ディシュプレート弾性体7の変形による弾性復元力がブレーキワイヤに引張力を与え、ワイヤストロークSを増大させるように作用するので、制動操作力F_(A)の上昇に対してワイヤストロークSの上昇率が高い特性となり、さらに、ディシュプレート弾性体7の変形限界を超えた領域b_(4)では、従来装置とほぼ平行なストローク特性となる。
このストローク特性において、坂道停止に必要な制動力F_(B0)が得られるワイヤストロークSは、S_(1)の位置であり、このワイヤストロークS_(1)位置の時には、高バネ定数領域b_(3)にあるので制動操作力F_(A)はF_(A1)となる。
(ロ)サービスブレーキ装置で停止した後、駐車ブレーキ装置Aで停止しようとする時
この時は、前に述べたように、ブレーキワイヤにゆるみが生じ、坂道停止に必要な制動力F_(B0)を得るためには、ワイヤストロークSがゆるみ量ΔSだけ長くなってS_(2)(=S_(1)+ΔS)となってしまう。
これに対し、第1実施例では、このワイヤストロークS_(2)時には、前述の駐車ブレーキ装置Aだけで停止する場合と同様に、高バネ定数領域b_(3)にあるので、制動操作力F_(A)はF_(A2)となる。
このように、第1実施例の駐車ブレーキ装置Aでは、ブレーキワイヤの途中に、坂道停止時のワイヤストロークSの領域でブレーキワイヤに引張力を与えるディシュプレート弾性体7を介装させたことで、前述の(イ)と(ロ)の場合のように異なる制動操作によりワイヤストロークSにゆるみ量ΔSが発生しても、このゆるみ量ΔSによる制動力低下の一部がディシュプレート弾性体7により補われることになり、ゆるみ量ΔSによる制動力低下を全て制動操作力F_(A)にて補わなければならない従来装置に比較して、制動操作力F_(A)の差ΔF_(A)(<ΔF_(A)’)も小さくなる。」(明細書第8ページ第18行?第11ページ第6行)

ケ 「(考案の効果)
以上説明してきたように、本考案の駐車ブレーキ装置にあっては、坂道停止時のワイヤストローク領域でブレーキワイヤに引張力を与える弾性体を介装させたため、坂道停止時に制動操作の相違によりワイヤストロークにゆるみ量が発生しても、ブレーキワイヤに与えられる引張力によりワイヤストロークのゆるみ量を吸収することができるという効果が得られる。」(明細書第13ページ第14行?第14ページ第2行)

上記記載事項ア?ケ及び図面の記載によれば、刊行物1記載の駐車ブレーキ装置Aは、パーキングブレーキレバー(ブレーキ操作手段)1をドラムブレーキ(ブレーキ手段)2,2に連結するフロントブレーキケーブル3及びリヤブレーキケーブル4(以下、両者をまとめて「ブレーキケーブル3,4」という。)と、上記ブレーキケーブル3,4とは別体であって、上記ブレーキケーブル3,4のフロントブレーキケーブル3をリヤブレーキケーブル4に連結するディシュプレート弾性体7を含んでおり、このディシュプレート弾性体7は、上記ブレーキケーブル3,4の上記フロントブレーキケーブル3及び上記リヤブレーキケーブル4に連結された組立弾性体73を含んでいる。そして、パーキングブレーキレバー1を引き上げてのブレーキ操作を行なう以前の状態を「休止状態」とすると、当該休止状態からパーキングブレーキレバー1を引き上げてのブレーキ操作を行なうと、上記フロントブレーキケーブル3及び上記リヤブレーキケーブル4は互いに対して移動して、組立弾性体73を縮める方向に弾性変形させ、ブレーキワイヤに引張力を与える状態の「エネルギを蓄積する位置」になるものと認められる。
よって、上記記載事項ア?ケ及び図面の記載を総合すると、刊行物1には、
「パーキングブレーキレバー(ブレーキ操作手段)1をドラムブレーキ(ブレーキ手段)2,2に連結するブレーキケーブル3,4、及びこのブレーキケーブル3,4と別体であり、前記ブレーキケーブル3,4のフロントブレーキケーブル3をリヤブレーキケーブル4に連結するディシュプレート弾性体7を含み、このディシュプレート弾性体7は、前記ブレーキケーブル3,4の前記フロントブレーキケーブル3及び前記リヤブレーキケーブル4に連結された組立弾性体73を含み、この連結は、休止位置とエネルギを蓄積する位置との間でこれらのフロントブレーキケーブル3及びリヤブレーキケーブル4が互いに対して移動するときに弾性変形できるように行われる、種類の駐車ブレーキ装置Aにおいて、ブレーキケーブル3,4のリヤブレーキケーブル4に連結された2つのドラムブレーキ(ブレーキ手段)2,2を含む装置。」
の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。

(2)刊行物2(特開2000-39042号公報)の記載事項
刊行物2には、「車両用駐車制動機」に関して、図面とともに次の事項が記載されている。

コ 「【特許請求の範囲】
【請求項1】 駐車制動機(1)の操作部材(4)の操作力が伝達装置(6)により引張り力として車輪制動機(2)の引張り装置へ伝達され、伝達装置(6)が少なくとも1つのばね素子(7)を含み、操作部材(4)の操作の際ばね素子(7)及び引張り装置が、ばね組合わせ体の前後に接続されるばねのように操作部材(4)と車輪制動機(2)の間で作用するものにおいて、操作部材(4)の初期位置でばね素子(7)が機械的に予荷重をかけられていることを特徴とする、車両用駐車制動機。
・・・(中略)・・・
【請求項8】 連結部材(36)に案内体(25)が枢着され、この案内体(25)に第1の締付け支持片(23)が予荷重方向に対して平行に移動可能に案内体(25)に支持されていることを特徴とする、請求項7に記載の駐車制動機。
・・・(以下、略)」

サ 「【0006】本発明によれば、伝達装置は、操作部材の既に初期位置で機械的に予荷重をかけられている少なくとも1つのばね素子を含んでいる。
【0007】この場合述べておくべきことは、初期位置は不動作位置(釈放位置)を意味し、この位置で操作部材従って駐車制動機は操作又は拘束されていない。この初期位置で操作部材は拘束されず、釈放されるか、又は例えば係止拘束機構の歯付き弧片から切離されている。これに反し駐車制動機が操作されると、操作部材が例えば拘束爪により歯付き弧片にかみ合う。」

シ 「【0038】手動制御レバー4は、ただ1つのばね素子7を介して、それぞれ車輪制動機2用の2つの引張り綱13の形の引張り手段に連結されている。図3,図4及び図5からわかるように、引張り綱13は支持板14に綱長さ方向15に可動に支持されている。支持板14は、断面U字状で簡単にするため図5にのみ示す車両固定支持具16の構成部分である。支持板14は支持具16の両方のU脚辺を一体に結合している。各引張り綱13は、支持板14の範囲で、支持板14をその板面に対して直角に貫通する接続キヤツプ17により包囲されている。綱の長さ方向15においてばね素子7から遠い方の支持板14の側で接続キヤツプ17に引張り綱ホース18が続き、運動案内部及び機械的保護部として引張り綱13を包囲している。手動制動レバー4に近い方にある引張り綱13の端部はそれぞれ綱ニツプル19を持っている。これらの綱ニツプル19は、平衡湾曲片21の半径方向外側範囲に設けられている係留溝(図7参照)に係合している。これにより引張り綱13は平衡湾曲片21に係留されている。
【0039】伝達装置6は2つの互いに対応する締付け支持片22,23を持ち、これらの締付け支持片22,23は、ばね素子7をその予荷重力の方向にこれらの締付け支持片の間に2つの締付け爪のように固定している。ばね素子7の予荷重方向24は、隣接する引張りばね部分の長さ方向15に対してほぼ平行に延びている。両方の締付け支持片22,23は予荷重方向24に相対移動可能に支持されている。
【0040】図3では、第1の締付け支持片22がほぼ円筒状の案内体25に一体に形成されている。その円筒軸線は予荷重方向24に対して平行に延びている。第1の締付け支持片22は、予荷重方向24において第2の締付け支持片23から遠い方にある案内体25の周面26の端部に設けられ、周面26に対して直角に案内体25から突出している。第1の締付け支持片22は案内体25の周方向になるべく環状板のように閉じられ、それによりコイルばね8のこの支持片に近い方の作用端部を均一に支持している。予荷重方向24におけるコイルばね8の運動案内のため、案内体25は第2の締付け支持片23に可動に支持されている。このため案内体25は、ほぼ同一面で充分な運動遊隙をもって第2の締付け支持片23の中心受入れ口27を貫通している。受入れ口27は、断面U字状の第2の締付け支持片23のU脚辺をつなぐ結合辺を貫通している。第2の締付け支持片23の予荷重方向24に延びるU脚辺の自由端は、平衡湾曲片21の予荷重方向24に対して直角に設けられる湾曲片部分28に支持されるか、湾曲片部分28に固定的に結合されている。」

上記記載事項コ?シ及び図面(特に、図1,3及び4)の記載を総合すると、刊行物2には、次の技術事項(a),(b)を含む発明が記載されているものと認められる。
(a)伝達装置(6)のばね素子(7)は操作部材(4)の初期位置で機械的に予荷重をかけられている。
(b)手動制御レバー(4)は、ただ1つのばね素子(7)を介して、それぞれ車輪制動機(2)用の2つの引張り綱(13)の形の引張り手段に連結され、引張り綱(13)は平衡湾曲片(21)に係留されていることから、車輪制動機(2)用の2つの引張り綱(13)は、連結部材(36)に平行に連結されている。

3.発明の対比

本願補正発明と引用発明とを対比すると、引用発明の「パーキングブレーキレバー(ブレーキ操作手段)1」は本願補正発明の「作動レバー(20)」に相当し、以下同様に、「ブレーキケーブル3,4」は「ケーブル(22)」に、「フロントブレーキケーブル3」は「基端ストランド(22P)」に、「リヤブレーキケーブル4」は「先端ストランド(22D)」に、「ディシュプレート弾性体7」は「機械的エネルギ蓄積手段(28)」に、「組立弾性体73」は「ばね(34)」に、「駐車ブレーキ装置A」は、その機能からみて実質的に「車輛のパーキングブレーキ用制御装置」に、それぞれ相当する。さらに、引用発明の「ブレーキケーブル3,4のリヤブレーキケーブル4に連結された2つのドラムブレーキ(ブレーキ手段)2,2を含む」は、ドラムブレーキかディスクブレーキかというブレーキの形式、及び「平行に」連結されている点を別途検討することとすると、本願補正発明の「前記一次ケーブルの前記先端ストランド(22D)に(平行に)連結された二つの(ディスク)ブレーキ(12)を含むアッセンブリ」を有する「装置」である限りにおいて共通するものである(審決注:「前記一次ケーブル」の「前記」は参照箇所が前の文に記載されていないが、この「一次ケーブル」は「ケーブル(22)」を指していることは明らかである)。
また、引用発明の「ドラムブレーキ(ブレーキ手段)2,2」及び本願補正発明の「ディスクブレーキ(12)」は、上述のとおり形式の相違を別途検討することとすると、ともに「ブレーキ」である限りにおいて共通するものである。

よって、本願補正発明と引用発明とは、
[一致点]
「作動レバーをブレーキに連結するケーブル、及びこのケーブルと別体であり、前記ケーブルの基端ストランドを先端ストランドに連結する機械的エネルギ蓄積手段を含み、この機械的エネルギ蓄積手段は、前記ケーブルの前記基端ストランド及び前記先端ストランドに連結されたばねを含み、この連結は、休止位置とエネルギを蓄積する位置との間でこれらのストランドが互いに対して移動するときに弾性変形できるように行われる、種類の車輛のパーキングブレーキ用制御装置において、前記一次ケーブルの前記先端ストランドに連結された二つのブレーキを含むアッセンブリを有する装置。」
である点で一致し、次の点で相違する。

[相違点1]
本願補正発明は、上記「ブレーキ」ないし「二つのブレーキ」が、「ディスクブレーキ(12)」であり、上記「アッセンブリ」が、一次ケーブルの先端ストランドに「平行に」連結されているのに対して、引用発明は、上記「ブレーキ」ないし「二つのブレーキ」が、ディスクブレーキではなく「ドラムブレーキ(ブレーキ手段)2,2」であって、上記アッセンブリが、一次ケーブルの先端ストランドに平行に連結されているか否か明らかではない点。

[相違点2]
本願補正発明では、「前記エネルギ蓄積手段(28)のばね(34)の剛性は、前記一次ケーブルの前記先端ストランド(22D)に平行に連結された二つのディスクブレーキ(12)を含むアッセンブリの全剛性よりも低く」されているのに対して、引用発明では、ディシュプレート弾性体7の組立弾性体73の剛性と本願補正発明のアッセンブリに相当するものの全剛性との大小関係が明らかでない点。

[相違点3]
本願補正発明では、「ばねが弾性的に押圧される」休止位置であって、「前記ばね(34)はその休止位置に予応力が加えられている」のに対して、引用発明では、休止位置で組立弾性体73が弾性的に押圧されるのか明らかでなく、また、組立弾性体73がその休止位置に予応力が加えられているか明らかでない点。

4.当審の判断

そこで、前記各相違点について検討する。

(1)相違点1について
一般に、ばね鋼でできたケーブルを用いて操作力や制御力を伝達する、いわゆるボーデンケーブルは、車輌においてもパーキングブレーキ装置、クラッチ装置、窓ガラスの昇降装置などに広く利用されている(参考:特開昭57-123429号公報第2ページ右上欄第6?9行)。この中で、ボーデンケーブルを用いたパーキングブレーキ装置は、従来、ドラムブレーキが一般的であったが、近年ではディスクブレーキに適用したものも広く知られており、周知といえる技術である(必要であれば、特開平10-141397号公報の段落【0001】?【0004】、特開平10-73137号公報の段落【0001】?【0003】、特公平6-58126号公報の第2ページ第3欄第2?18行、及び特開昭62-46032号公報の第1ページ左下欄第19行?第2ページ左上欄第9行、を参照)。
したがって、一次ケーブルの基端ストランド及び先端ストランドに連結されたばねを含み、一次ケーブルの先端ストランドに連結された二つのブレーキを含むアッセンブリを有するパーキングブレーキ用制御装置をドラムブレーキに適用した引用発明を、ディスクブレーキに適用する動機は、上記周知の技術に照らせば、十分に存在したということができる。すなわち、技術分野の関連性から見て、引用発明をディスクブレーキに適用する動機が存在するのである。
ところで、引用発明は、「サービスブレーキ装置で停止した後、駐車ブレーキ装置で停止しようとすると、サービスブレーキ装置解除によるユニットのディストーションや車両姿勢の変化で、車輪位置とパーキングブレーキレバーとの相対間隔が縮み、ブレーキワイヤにゆるみが発生する。」(上記記載事項イ)ことを課題として、その課題を解決するための手段として、上記引用発明に係る構成を採用することにより、「ワイヤストロークSにゆるみ量ΔSが発生しても、このゆるみ量ΔSによる制動力低下の一部がディシュプレート弾性体7により補われる」(上記記載事項ク)ようにしたものである。このことは、上記パーキングブレーキ用制御装置の制御対象であるブレーキにおけるパーキング時の緩みを機械的エネルギ蓄積手段によって補償することにほかならない。そうすると、パーキング時のブレーキの緩みの原因が、サービスブレーキ装置の解除によるものか(上記記載事項イ)、ディスクブレーキのディスクの冷却によるものか、という差異はあるとしても、パーキング時にブレーキが緩むことが認識されている事項であるとすれば、当業者が上記機械的エネルギ蓄積手段によって緩みを補償するような構成を適用することは容易に想到できるということができる。そこで、ディスクブレーキについてさらに検討するに、停車後にパーキングブレーキを作用させる場合、冷却の影響を受けてブレーキが緩むことは、本願の優先日当時、当業者に良く理解されていた現象である(例えば、国際公開第99/48738号の第11ページ第2?15行(参考:特表2002-507520号公報の段落【0029】及び【0030】が対応する。)、特開2000-213574号公報の段落【0011】、及び特開2000-185647号公報の段落【0013】参照)。そうすると、ディスクブレーキにおけるパーキング時のブレーキの冷却に伴う緩みが生じるという課題は、当業者が容易に認識できたことであるから、ドラムブレーキに対する引用発明の緩みを補償する構成をディスクブレーキに適用することが当業者に格別の困難性を伴うこととはいえず、かつ、適用にあたって、本願補正発明が、構成上、引用発明と異なる特段の工夫をした点も見あたらない以上、上記動機付けを妨げる事情は何ら見あたらない。すなわち、上記技術分野の関連性のみならず、パーキングブレーキに生じる緩みを解決するという課題の共通性から見ても、引用発明をディスクブレーキに適用する動機が存在するのである。
さらに、二つのディスクブレーキを一次ケーブルの先端ストランドに「平行に」連結することは、ブレーキ装置のレイアウトやケーブルの操作系の具体的構成を考慮して当業者が適宜決定できる設計的事項にすぎないものというべきところ、刊行物2には、車輪制動機(2)用の2つの引張り綱(13)が連結部材(36)に平行に連結されている車両用駐車制動機(上記技術事項(b))が記載されていることに照らせば、これを上記ケーブルの連結に適用して、二つのディスクブレーキを上記先端ストランドに平行に連結する程度のことは、当業者が容易に想到できることである。
したがって、上記引用発明における構成を上記周知のディスクブレーキに適用して適宜設計変更を加えることにより、上記相違点1に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到できることである。

(2)相違点2について
相違点2に係る「剛性」の意味について検討するに、剛性とは、一般に「可変形弾性体上に働く定常力の,その結果生ずる変位に対する比」(マグローヒル科学技術用語大辞典第2版:株式会社日刊工業新聞社 1994年2月8日発行 第503ページ)、又は、「剛性=こわさ 荷重に対する材料の変形抵抗。ねじりこわさ,曲げこわさなどがあり,材料の横弾性係数,縦弾性係数が関係する。」(機械用語大辞典 社団法人実践教育訓練研究協会編 株式会社日刊工業新聞社 1997年11月28日初版1刷発行 第283ページ)、を意味するものと解される。
そこで、本願補正発明の「剛性」について、念のために本願の明細書の記載を見ておくと、次のような記載がある。
「【0021】
なお、ばね34用の支承座S1には、一次ケーブルの先端ストランド22Dを通すための通孔36が設けられている。
制御装置18がブレーキ12を適用位置に押圧するとき、ブレーキ12の定置部分の様々な部材、更に詳細にはキャリパ16に弾性変形が加わる。かくして、ブレーキは、全剛性に関して通常の特性を有する。これは、ブレーキを適用した場合のブレーキの定置部分の変形を表す。このような全剛性は、一般的には「ブレーキ剛性」と呼ばれる。
【0022】
本発明によれば、機械的エネルギ蓄積手段28のばね34の剛性は、一次ケーブルの先端ストランド22Dと平行に連結された両ブレーキ12を含むアッセンブリの全剛性(平行に連結されたブレーキの剛性値を合計する)よりも小さい。
・・・(中略)・・・
【0025】
実質的に垂直な曲線の第2部分F2は、制御装置18の内部の様々な隙間の吸収と対応する。
曲線の第3部分F3は、両ブレーキ12を含むアッセンブリの剛性によって設定されているように全体に上方に傾いている。
【0026】
曲線のこのような部分F3は、機械的エネルギ蓄積手段28の剛性による上方への傾斜を示す第4部分F4に連結される。前記第4部分F4の傾斜は第3部分F3よりも大きい。これは、ばね34の剛性が、両ブレーキ12を含むアッセンブリの剛性よりも低いためである。
【0027】
曲線の第4部分F4は、作動レバーに及ぼされる力の二つの値E1とE2との間にあるということに着目されるべきである。力の第1の値E1は、ばね34の予応力と実質的に対応するのに対し、力の第2の値E2は、ばね34を図3に示すそのエネルギ蓄積位置に向かって移動するのに必要な力と実質的に対応する。
【0028】
部分F4は、両ブレーキ12を含むアッセンブリの剛性のため、勾配が部分F4よりも小さい曲線の第5部分F5に連結する。
図4には、エネルギ蓄積手段28が設けられていない場合の曲線の部分F’が破線で示してある。これから明らかなように、曲線の第5部分は、破線部分F’と実質的に平行である。」
これらの記載に照らせば、本願補正発明における「剛性」も上記一般的に解される意味と本質的な差異はないものと解されることから、「前記エネルギ蓄積手段(28)のばね(34)の剛性は、前記一次ケーブルの前記先端ストランド(22D)に平行に連結された二つのディスクブレーキ(12)を含むアッセンブリの全剛性よりも低く」した点は、結局、エネルギ蓄積手段のばねの剛性を、ばねが作用する二つのディスクブレーキを含むアッセンブリの全剛性よりも低くしたことにほかならず、それ以外の構成は本願補正発明に特定されていない。
そうすると、ばねの剛性が、仮に、ブレーキを含むアッセンブリの全剛性より高いと、パーキングブレーキを操作する力が加わった際、ばねが変形することなく二つのディスクブレーキを含むアッセンブリが変形することになって、ばねを設ける技術的意義が失われることになる(ばねを設けていないものと実質的に同様)ことは、力学的に自明であると同時に、容易に理解できることである。すなわち、ばねの剛性を二つのディスクブレーキを含むアッセンブリの全剛性よりも低く設定することは、バネを設ける主旨に従えば当然のことであり、当業者にとって技術常識ともいえる事項であって、引用発明が一次ケーブルの前記先端ストランドに連結された二つのブレーキを含むアッセンブリに対して弾性体(組立弾性体73)を介して制動する操作力を伝達しているものである(上記記載事項カ)ことに照らせば、引用発明のディシュプレート弾性体7の組立弾性体73の剛性は、当然に上記アッセンブリの全剛性よりも低いものとなっているものと解されることから、上記相違点2は、実質的な相違点ではないことに帰着する。

(3)相違点3について
刊行物2には、車両用駐車制動機において、引張り綱(13)を含む伝達装置(6)のばね素子(7)は操作部材(4)の初期位置で機械的に予荷重をかけられている(上記技術事項(a))。すなわち、上記刊行物2記載の技術事項(a)は、前記相違点3に係る本願補正発明の「前記ばね(34)はその休止位置に予応力が加えられている」ことに実質的に相当するものであって、ばね素子(7)が操作部材(4)の初期位置で機械的に予荷重をかけられていれば、当該操作部材(4)の初期位置で前記ばね素子(7)は弾性的に押圧されることは明らかである。そうだとすると、引用発明と上記刊行物2に記載された発明は、ケーブルを用いた車輌(審決注:ここでは「車両」と「車輌」を同義に扱う。)のパーキングブレーキ用制御装置という点で共通の技術分野に属するものであるから、引用発明に刊行物2に記載された発明を適用して、上記相違点3に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到できることである。

(4)作用効果について
本願補正発明が奏するディスクの冷却時に誤って解放できないようにするなどの効果は、引用発明、刊行物2に記載された発明及び上記周知の技術から当業者が直ちに予測できるものである。

(5)審判請求人の主張について
審判請求人は、平成20年4月4日付けの審判請求書、及び平成20年9月11日付けの上申書において、本願補正発明が上記ばねの剛性をブレーキを含むアッセンブリの全剛性よりも低く設定したことが重要な技術的特徴であることなどを主張して(審判請求書の「請求の理由(3)本願発明が特許されるべき理由」の項、上申書の「上申の内容」の項参照)、本願は特許されるべき旨主張している。
しかしながら、引用発明においても、上記ばねの剛性を、ブレーキを含むアッセンブリの全剛性よりも低く設定することは、ばねを設けた主旨に照らし、技術的に当然のことであることは、上記に説示したとおりである。
さらに、審判請求人は、平成21年2月2日付けの回答書において、「本願発明では、ばねの剛性と与応力とを組み合わせることにより、ブレーキの解放を防止しています。即ち、ばねの剛性をブレーキアッセンブリの全剛性よりも低く設定し、且つ、通常のパーキングブレーキ操作時の作動レバーの位置範囲と与応力を対応させることにより、通常のパーキングブレーキ操作時に機械的エネルギを蓄積させることを可能にしています。」(回答書の「回答の内容」の項参照)と主張している。
しかしながら、この主張に対する判断は、上記相違点2及び3に説示したとおりであり、他に審判請求人の上記主張を裏付けるような構成は、本願補正発明には特定されていない。また、審判請求人の主張どおりに解するとしても、通常のパーキングブレーキ操作時の作動レバーの位置範囲と与応力をどのように対応させるかは、当業者が作動レバーの位置範囲などを考慮して適宜設定できる設計的事項にすぎないものである。そうすると、伝達装置(6)のばね素子(7)が操作部材(4)の初期位置で機械的に予荷重をかけられている上記刊行物2に記載された構成(上記技術事項(a))を引用発明に適用して、組立弾性体73がその休止位置に予応力が加えられているものとし、休止位置で組立弾性体73が弾性的に押圧されるものとすることは、当業者が容易に想到することができたものといわざるを得ない。
以上のとおり、請求人の主張は採用できない。

5.むすび
以上のとおり、本願補正発明は、刊行物1及び刊行物2に記載された発明並びに上記周知の技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
よって、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

【3】本願発明について

1.本願発明

平成20年4月4日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし11に係る発明は、平成19年6月1日付けの手続補正書によって補正された特許請求の範囲の請求項1ないし11に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。
「【請求項1】
作動レバー(20)をディスクブレーキ(12)に連結するケーブル(22)、及びこのケーブル(22)と別体であり、前記ケーブルの基端ストランド(22P)を先端ストランド(22D)に連結する機械的エネルギ蓄積手段(28)を含み、この機械的エネルギ蓄積手段は、前記ケーブルの前記基端ストランド(22P)及び前記先端ストランド(22D)に連結されたばね(34)を含み、この連結は、ばねが弾性的に押圧される休止位置とエネルギを蓄積する位置との間でこれらのストランドが互いに対して移動するときに弾性変形できるように行われる、種類の車輛のパーキングブレーキ用制御装置において、前記エネルギ蓄積手段(28)のばね(34)の剛性は、前記一次ケーブルの前記先端ストランド(22D)に平行に連結された二つのディスクブレーキ(12)を含むアッセンブリの全剛性よりも低い、ことを特徴とする装置。」

2.引用刊行物とその記載事項

原査定の拒絶の理由に引用された刊行物1及び2とその記載事項は、上記【2】2.に記載したとおりである。

3.対比・判断

本願発明は、上記【2】で検討した本願補正発明から、「ばね(34)」の限定事項である「前記ばね(34)はその休止位置に予応力が加えられている」との事項を省いたものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項をすべて含み、さらに限定を付加したものに相当する本願補正発明が、上記【2】4.に記載したとおり、刊行物1及び刊行物2に記載された発明並びに上記周知の技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、刊行物1及び刊行物2に記載された発明並びに上記周知の技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

4.むすび

以上のとおり、本願発明、すなわち、本願の請求項1に係る発明は、刊行物1及び刊行物2に記載された発明並びに上記周知の技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
そして、本願の請求項1に係る発明が特許を受けることができないものである以上、請求項2ないし11に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。



 
審理終結日 2009-04-30 
結審通知日 2009-05-01 
審決日 2009-05-12 
出願番号 特願2003-536079(P2003-536079)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (B60T)
P 1 8・ 121- Z (B60T)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山本 健晴  
特許庁審判長 川上 益喜
特許庁審判官 大山 健
山岸 利治
発明の名称 パーキングブレーキ用制御装置及びこのような装置を備えたパーキングブレーキシステム  
代理人 富田 博行  
代理人 小野 新次郎  
代理人 社本 一夫  
代理人 小林 泰  
代理人 千葉 昭男  
代理人 田上 靖子  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ