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審決分類 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する A63F
審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する A63F
管理番号 1205417
審判番号 訂正2009-390078  
総通号数 120 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-12-25 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2009-06-09 
確定日 2009-09-14 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第4263277号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第4263277号に係る明細書及び図面を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び図面のとおり訂正することを認める。 
理由 1 審判請求の要旨
本件審判の請求の要旨は、特許第4263277号発明(出願日:平成10年11月6日、設定登録日:平成21年2月20日)の明細書を審判請求書に添付した訂正明細書のとおり、すなわち、特許請求の範囲を以下のとおり訂正することを求めるものである。

訂正事項a
「【請求項1】
投入された遊技媒体を計数するための遊技媒体計数手段を備えた特定島および、前記遊技媒体計数手段が備えられていない一般島から島グループが構成されて、前記特定島の上部タンクから遊技媒体送出手段を介して前記一般島の上部タンクへ遊技媒体を搬送可能であって、該搬送された遊技球を貯留する一般島下部タンクと、を有する遊技島装置において、
前記一般島下部タンクは、前記遊技媒体送出手段に接続された送出遊技媒体誘導管と、該送出遊技媒体誘導管に接続された遊技媒体誘導手段を介して送出されてきた遊技媒体を貯留し、
前記遊技媒体誘導手段は、前記一般島下部タンクが上方に配され、短形状断面形状筒体により形成され、該遊技媒体誘導手段の筒上面に導入口を開設して成り、
前記一般島上部タンクから溢れた遊技球は、一般島オーバーフロー管を介して該下端部に設けられた一般島オーバーフロー分岐手段によって回収樋または前記筒上面に導かれ、
前記筒上面に導かれた遊技球は、前記導入口を通って前記遊技媒体誘導手段の筒内へ導く一方、前記導入口を通らないで前記一般島下部タンクへ導くことを特徴とする遊技島装置。」を、

「【請求項1】
投入された遊技媒体を計数するための遊技媒体計数手段を備えた特定島および、前記遊技媒体計数手段が備えられていない一般島から島グループが構成されて、前記特定島の上部タンクから遊技媒体送出手段を介して前記一般島の上部タンクへ遊技媒体を搬送可能であって、該搬送された遊技球を貯留する一般島下部タンクと、を有する遊技島装置において、
前記一般島下部タンクは、前記遊技媒体送出手段に接続された送出遊技媒体誘導管と、該送出遊技媒体誘導管に接続された遊技媒体誘導手段を介して送出されてきた遊技媒体を貯留し、
前記遊技媒体誘導手段は、前記一般島下部タンクの上方に配され、矩形状断面形状の筒体により形成され、該遊技媒体誘導手段の筒上面に導入口を開設して成り、
前記一般島上部タンクから溢れた遊技球は、一般島オーバーフロー管を介して該下端部に設けられた一般島オーバーフロー分岐手段によって回収樋または前記筒上面に導かれ、
前記筒上面に導かれた遊技球は、前記導入口を通って前記遊技媒体誘導手段の筒内へ導く一方、前記導入口を通らないで前記一般島下部タンクへ導くことを特徴とする遊技島装置。」と訂正する。

訂正事項b
「【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
[1]投入された遊技媒体を計数するための遊技媒体計数手段(150)を備えた特定島(10)および、前記遊技媒体計数手段(150)が備えられていない一般島(20)から島グループが構成されて、前記特定島(10)の上部タンク(130)から遊技媒体送出手段(110)を介して前記一般島(20)の上部タンク(230)へ遊技媒体を搬送可能であって、該搬送された遊技球を貯留する一般島下部タンク(240)と、を有する遊技島装置において、
前記一般島下部タンク(240)は、前記遊技媒体送出手段(110)に接続された送出遊技媒体誘導管(270)と、該送出遊技媒体誘導管(270)に接続された遊技媒体誘導手段(250)を介して送出されてきた遊技媒体を貯留し、
前記遊技媒体誘導手段(250)は、前記一般島下部タンク(240)が上方に配され、短形状断面形状の筒体により形成され、該遊技媒体誘導手段(250)の筒上面(251)に導入口(252)を開設して成り、
前記一般島上部タンク(230)から溢れた遊技球は、一般島オーバーフロー管(280)を介して該下端部に設けられた一般島オーバーフロー分岐手段(285)によって回収樋または前記筒上面(251)に導かれ、
前記筒上面(251)に導かれた遊技球は、前記導入口(252)を通って前記遊技媒体誘導手段(250)の筒内へ導く一方、前記導入口(252)を通らないで前記一般島下部タンクへ(240)導くことを特徴とする遊技島装置。」を、

「【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
[1]投入された遊技媒体を計数するための遊技媒体計数手段(150)を備えた特定島(10)および、前記遊技媒体計数手段(150)が備えられていない一般島(20)から島グループが構成されて、前記特定島(10)の上部タンク(130)から遊技媒体送出手段(110)を介して前記一般島(20)の上部タンク(230)へ遊技媒体を搬送可能であって、該搬送された遊技球を貯留する一般島下部タンク(240)と、を有する遊技島装置において、
前記一般島下部タンク(240)は、前記遊技媒体送出手段(110)に接続された送出遊技媒体誘導管(270)と、該送出遊技媒体誘導管(270)に接続された遊技媒体誘導手段(250)を介して送出されてきた遊技媒体を貯留し、
前記遊技媒体誘導手段(250)は、前記一般島下部タンク(240)の上方に配され、矩形状断面形状の筒体により形成され、該遊技媒体誘導手段(250)の筒上面(251)に導入口(252)を開設して成り、
前記一般島上部タンク(230)から溢れた遊技球は、一般島オーバーフロー管(280)を介して該下端部に設けられた一般島オーバーフロー分岐手段(285)によって回収樋または前記筒上面(251)に導かれ、
前記筒上面(251)に導かれた遊技球は、前記導入口(252)を通って前記遊技媒体誘導手段(250)の筒内へ導く一方、前記導入口(252)を通らないで前記一般島下部タンクへ(240)導くことを特徴とする遊技島装置。」
と訂正する。

2 当審の判断

(1)訂正事項aについて
訂正前の明細書の段落【0048】には「遊技媒体誘導手段250の通路は一般島下部タンク240内の上部にあって所定位置まで延びていて」という記載があり、下部タンクと遊技媒体誘導手段の位置関係を考慮すれば、訂正前の「遊技媒体誘導手段は、前記一般島下部タンクが上方に配され」は正しくは、「遊技媒体誘導手段は、前記一般島下部タンクの上方に配され」との記載であることは明らかであり、「遊技媒体誘導手段は、前記一般島下部タンクが上方に配され」を「遊技媒体誘導手段は、前記一般島下部タンクの上方に配され」と訂正することは誤記の訂正である。
また、訂正前の「短形状」は意味不明な語句であって、訂正前の明細書の段落【0051】には「矩形断面形状の筒体」という記載からみて、訂正前の「短形状」は正しくは「矩形状」であることは明らかであって、「短形状」を「矩形状」とすることは、誤記の訂正である。
更に、「断面形状筒体」は日本語として不明りょうなものであり、これを「断面形状の筒体」とすることは不明りょうな記載を明りょうにするものである。
以上により、訂正事項aは、誤記の訂正及び不明りょうな記載の釈明を目的とするものである。

(2)訂正事項bについて
訂正事項bは、訂正事項aによる請求項1の訂正に伴い、対応する明細書の発明の詳細な説明を訂正するものであるので、不明りょうな記載の釈明を目的とするものである。

また、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明は、実質的に特許請求の範囲の記載を変更するものではないので、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるとする理由を発見しない。

3 むすび

以上のとおりであるから、本件審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書き第2号、3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第3項及び第4項の規定に適合する。

よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
遊技島装置
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入された遊技媒体を計数するための遊技媒体計数手段を備えた特定島および、前記遊技媒体計数手段が備えられていない一般島から島グループが構成されて、前記特定島の上部タンクから遊技媒体送出手段を介して前記一般島の上部タンクへ遊技媒体を搬送可能であって、該搬送された遊技球を貯留する一般島下部タンクと、を有する遊技島装置において、
前記一般島下部タンクは、前記遊技媒体送出手段に接続された送出遊技媒体誘導管と、該送出遊技媒体誘導管に接続された遊技媒体誘導手段を介して送出されてきた遊技媒体を貯留し、
前記遊技媒体誘導手段は、前記一般島下部タンクの上方に配され、矩形状断面形状の筒体により形成され、該遊技媒体誘導手段の筒上面に導入口を開設して成り、
前記一般島上部タンクから溢れた遊技球は、一般島オーバーフロー管を介して該下端部に設けられた一般島オーバーフロー分岐手段によって回収樋または前記筒上面に導かれ、
前記筒上面に導かれた遊技球は、前記導入口を通って前記遊技媒体誘導手段の筒内へ導く一方、前記導入口を通らないで前記一般島下部タンクへ導くことを特徴とする遊技島装置。
【請求項2】
前記導入口を挟んだ両側の筒上面は、山形断面形状に形成され、該山形断面上の頂部を境に筒上面の両側縁の下方へ傾斜し、また、前記導入口側の下方へ傾斜した遊技媒体分散手段で構成されていることを特徴とする請求項1記載の遊技島装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定島および、一般島から島グループが構成されており、前記特定島から前記一般島へ遊技媒体を搬送可能な遊技島装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の遊技島装置としては、例えば、特開平6-39132号公報に開示されているものがある。
【0003】
すなわち、特定島および、一般島から島グループを形成し、島グループ内の特定島と一般島との間で遊技媒体を送受し、特定島および一般島には、各島のタンクの遊技媒体数を検出する遊技媒体検出手段が設けられ、特定島に遊技媒体計数手段が設けられ、前記遊技媒体検出手段は遊技媒体数が所定量を超えたことを検出すると、特定島に設けられた遊技媒体計数手段が一時的に稼動停止状態になり、所定量以下になると、遊技媒体計数手段は稼動停止状態が解除される。一般島のタンクの遊技媒体が不足すると、特定島の揚送装置が特定島のタンク内の遊技媒体を揚送し、揚送した遊技媒体を一般島に送出する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の技術では、島グループ内の全ての島(特定島および一般島)に遊技媒体検出手段がそれぞれ設けられているため、高価になるとともに、遊技媒体の送出の制御は、各遊技媒体検出手段から送られてくる、遊技媒体過剰検出信号や遊技媒体不足検出信号をそれぞれ適正に処理することによって実現されるので、遊技媒体検出手段や制御手段の構成が複雑になり、コストが嵩むという問題点があった。
【0005】
また、一般島には遊技媒体計数手段が設けられていないため、一般島内の遊技媒体が不足した場合に、前記特定島内の遊技媒体を特定島の揚送装置で揚送し、この揚送した遊技媒体を一般島に送出する必要があり、一般島への遊技媒体の補給が遅れる場合が生じるという問題点があった。
【0006】
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、安価であり、制御が簡単であり、かつ、一般島への遊技媒体の補給の遅れを防止することができる遊技島装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
[1]投入された遊技媒体を計数するための遊技媒体計数手段(150)を備えた特定島(10)および、前記遊技媒体計数手段(150)が備えられていない一般島(20)から島グループが構成されて、前記特定島(10)の上部タンク(130)から遊技媒体送出手段(110)を介して前記一般島(20)の上部タンク(230)へ遊技媒体を搬送可能であって、該搬送された遊技球を貯留する一般島下部タンク(240)と、を有する遊技島装置において、
前記一般島下部タンク(240)は、前記遊技媒体送出手段(110)に接続された送出遊技媒体誘導管(270)と、該送出遊技媒体誘導管(270)に接続された遊技媒体誘導手段(250)を介して送出されてきた遊技媒体を貯留し、
前記遊技媒体誘導手段(250)は、前記一般島下部タンク(240)の上方に配され、矩形状断面形状の筒体により形成され、該遊技媒体誘導手段(250)の筒上面(251)に導入口(252)を開設して成り、
前記一般島上部タンク(230)から溢れた遊技球は、一般島オーバーフロー管(280)を介して該下端部に設けられた一般島オーバーフロー分岐手段(285)によって回収樋または前記筒上面(251)に導かれ、
前記筒上面(251)に導かれた遊技球は、前記導入口(252)を通って前記遊技媒体誘導手段(250)の筒内へ導く一方、前記導入口(252)を通らないで前記一般島下部タンクへ(240)導くことを特徴とする遊技島装置。
【0008】
[2]前記導入口(252)を挟んだ両側の筒上面(251)は、山形断面形状に形成され、該山形断面上の頂部を境に筒上面(251)の両側縁の下方へ傾斜し、また、前記導入口側の下方へ傾斜した遊技媒体分散手段で構成されていることを特徴とする[1]に記載の遊技島装置。
【0017】
次に、前項に記載された発明の作用について説明する。
本発明の構成では、一般島(20)内で必要量の遊技媒体を適正に循環することができる。必要量の遊技媒体とは、一般島(20)を構成する各遊技機へ供給すべき遊技媒体であり、また、遊技機から排出され一般島下部タンク(240)に取り込むべき遊技媒体である。
【0018】
一般島上部タンク(230)から溢れ出て遊技媒体誘導手段(250)の筒上面(251)に落下した遊技媒体は、導入口(252)を通って遊技媒体誘導手段(250)の筒内へ落下するものと、導入口(252)を通らないで一般島下部タンク(240)へ落下するものとがある。
【0019】
このような構成の遊技媒体誘導手段(250)では、遊技媒体誘導手段(250)の筒内に遊技媒体が詰まって、導入口(252)をも塞いでいるような場合であっても、一般島上部タンク(230)から溢れ出て遊技媒体誘導手段(250)の筒上面(251)に落下した遊技媒体は、優先されて、一般島下部タンク(240)に取り込まれ、一般島上部タンク(230)から溢れ出た遊技媒体を支障なく取り込むことができ、かつ、一般島下部タンク(240)に取り込まれた遊技媒体を、再び各遊技機へ供給することができ、必要量の遊技媒体を一般島(20)内で循環させることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の各種実施の形態を説明する。
図1?図13は本発明の第1実施の形態を示している。
図1?図3に示すように、遊技場は、例えば4つの島グループから構成されている。各島グループは、1つの特定島10および、複数の一般島20とから構成されている。特定島10を中心に両側に一般島20がそれぞれ配されている。
【0030】
親島である特定島10と、他島である一般島20との間に遊技媒体送出手段110が橋渡しされている。遊技媒体送出手段110は、特定島10からの遊技媒体を一般島20へ送出するためのものである。
【0031】
また、特定島10には、特定島上部タンク130(図3において上部遊技媒体貯留部)および、特定島下部タンク140(同じく図3において下部遊技媒体貯留部)が設けられている。
【0032】
特定島上部タンク130および、特定島下部タンク140内には、遊技媒体の数量を検出するための上部遊技媒体検出手段131および、下部遊技媒体検出手段141がそれぞれ設けられている。上部遊技媒体検出手段131は、検出部S4,S5から構成され、下部遊技媒体検出手段141は、検出部S1,S2,S3から構成されている。上部遊技媒体検出手段131および、下部遊技媒体検出手段141は、遊技媒体数の過剰検出信号あるいは、遊技媒体数の不足検出信号を後述する島制御手段へ送信する。
【0033】
具体的には、図11および、図13に示すように、具体的には、下部遊技媒体検出手段141の検出部S1は、遊技媒体数の過剰検出信号を出力し、下部遊技媒体検出手段141の検出部S2および検出部S3は、遊技媒体数の不足検出信号を出力する。
【0034】
通常、特定島下部タンク140内の遊技媒体数の不足状態の検出は、下部遊技媒体検出手段141の検出部S2の不足検出信号に基づいて行っているが、特定島10の遊技機の稼動率が低い場合には、補給が検出部S3の不足検出信号によって行っても良い。
【0035】
特定島10の島端には遊技媒体計数手段150が備えられている。遊技媒体計数手段150は、投入された遊技媒体を計数するものであり、計数された遊技媒体は、特定島10内に回収される。遊技者が遊技機の遊技盤面に打ち込むアウト玉である遊技媒体も特定島10内に回収される。
【0036】
遊技媒体計数手段150は、特定島10の特定島下部タンク140の遊技媒体数が所定量を超えると、一時的に稼動停止状態になり、遊技媒体計数手段150が一時的に稼動停止状態にあるとき、特定島下部タンク140の遊技媒体数が所定量以下になると、その稼動停止状態を解除するように構成されている。
【0037】
特定島10内の下部にあって特定島10の端部から中央部へ向かって下方に斜設された回収樋は、前記遊技媒体計数手段150あるいは、遊技者が前記遊技機で打ち込んだ遊技媒体を回収する。特定島10のほぼ中央部には揚送研磨装置120が立設されている。揚送研磨装置120は、前記回収樋を通って特定島10の中央下部へ回収された遊技媒体を研磨しながら特定島上部タンク130へ揚送するものである。特定島上部タンク130は、揚送研磨された遊技媒体を一時的に貯留する。
【0038】
特定島10内の上部にあって、特定島10の中央部から端部へ向かって下方に斜設された補給樋は、特定島上部タンク130に貯留された遊技媒体を各遊技機へ補給する。
【0039】
図4?図6に示すように、特定島上部タンク130から溢れた遊技媒体は、オーバーフロー管160を介して上部分岐手段161により収集され、特定島下部タンク140へ導かれるとともに、貯留される。
【0040】
特定島下部タンク140に貯留された遊技媒体は、特定島上部タンク130の遊技媒体数が所定量以下になると、島制御手段により、下部分岐手段162を介して、揚送研磨装置120に送出され、揚送研磨装置120によって再び特定島上部タンク130へ揚送される。このようにして、遊技媒体は、特定島10内で循環する。
【0041】
遊技媒体送出手段110は、親島である特定島10の特定島上部タンク130と、他島である一般島20の一般島上部タンク230とを橋渡しするものである。
【0042】
一般島20は、特定島10と同様な構成になっている。一般島20は、上部遊技媒体貯留部である一般島上部タンク230と、下部遊技媒体貯留部である一般島下部タンク240と、上部遊技媒体検出手段231、一般島揚送研磨装置220が設けられている。
【0043】
図7および、図8に示すように、特定島上部タンク130と一般島上部タンク230とを橋渡ししている遊技媒体送出手段110は、送出遊技媒体誘導管270を介して一般島下部タンク240に接続されている。
【0044】
遊技媒体送出手段110を介して、特定島10側から一般島上部タンク230に送出された遊技媒体は、全て送出遊技媒体誘導管270により一般島下部タンク240まで落下する。
【0045】
一般島オーバーフロー管280は、送出遊技媒体誘導管270に沿って延ばされている。一般島オーバーフロー管280の下端部にはオーバーフロー分岐手段285が設けられている。オーバーフロー分岐手段285は、一般島オーバーフロー管280の下端通路を中央出口とその両側一対の出口とに分岐している。
【0046】
すなわち、一般島上部タンク230から溢れた遊技媒体は、一般島オーバーフロー管280を通り、その一部がオーバーフロー分岐手段285の両側一対の出口を通って遊技者が遊技機で打ち込んだ遊技球を各島(特定島(10)および一般島(20))に設けられた研磨機(220)に回収するための回収樋に流れ、他の一部がオーバーフロー分岐手段285の中央出口を通って一般島下部タンク240へ流れる。
【0047】
一般島上部タンク230から溢れた遊技媒体の一部が排出されるオーバーフロー分岐手段285の中央出口は、下部貯留部誘導管290を介して一般島下部タンク240に通じている。一方、特定島10側から一般島20側へ送出された全ての遊技媒体を導く送出遊技媒体誘導管270の出口は、送出遊技媒体誘導樋である遊技媒体誘導手段250を介して一般島下部タンク240に通じている。
【0048】
遊技媒体誘導手段250の通路は一般島下部タンク240内の上部にあって所定位置まで延びていて、さらに下方に曲げられている。その下方に曲げられた遊技媒体誘導手段250の通路の下端には通路先端口が開設されている。したがって、遊技媒体誘導手段250の通路先端口は、一般島下部タンク240の所定の高さ位置にある。
【0049】
図9(a)に示すように、遊技媒体が一般島下部タンク240の所定の高さ位置(遊技媒体誘導手段250の通路先端口)より高く貯留されている場合は、貯留された遊技媒体で遊技媒体誘導手段250の通路先端口が塞がれ、特定島10の特定島上部タンク130?遊技媒体送出手段110?一般島20の送出遊技媒体誘導管270?遊技媒体誘導手段250から構成される構成通路が塞がれ、特定島10から一般島20へ遊技媒体が送出不能に構成される。
【0050】
図9(b)に示すように、遊技媒体が一般島下部タンク240の所定の高さ位置(遊技媒体誘導手段250の通路先端口)より低く貯留されている場合は、貯留された遊技媒体で遊技媒体誘導手段250の通路先端口が塞がれることがなく、前記構成通路が塞がれることがなく、特定島10から一般島20へ遊技媒体が送出可能に構成される。
【0051】
図10に示すように、遊技媒体誘導手段250は、矩形状断面形の筒形に形成されている。筒上面251の筒幅方向の中央部には導入口252が開設されている。導入口252は、長手方向に沿って延ばされる長溝である。
【0052】
筒上面251の導入口252を挟んだ両側は、山形断面形状に形成されていて、下部貯留部誘導管290の通路にも成っている。従って、下部貯留部誘導管290の通路は、山形断面形状の頂部を境に筒上面251の両側縁の下方へ傾斜し、また、導入口252側の下方へ傾斜している。導入口252および、山形断面形状の筒上面251が遊技媒体分散手段を構成している。
【0053】
すなわち、遊技媒体分散手段は、一般島オーバーフロー管280の中央出口から遊技媒体誘導手段250の筒上面251上である下部貯留部誘導管290を通って、筒上面251上から直接的に一般島下部タンク240へ落下する遊技媒体と、導入口252を通って遊技媒体誘導手段250の通路に導入され、遊技媒体誘導手段250の通路先端口を通って一般島下部タンク240に落下する遊技媒体とに分離するように構成されている。
【0054】
図12に示すように、島グループの特定島10は、島全体を制御するための島制御手段を有している。特定島上部タンク130の遊技媒体を検出するための上部遊技媒体検出手段231が設けられ、上部遊技媒体検出手段131の遊技媒体の不足検出信号を島制御手段に送り、島制御手段は、特定島揚送研磨装置120に駆動信号を出力し、特定島揚送研磨装置120は、特定島上部タンク130に遊技媒体を揚送する。
【0055】
また、上部遊技媒体検出手段131の遊技媒体の不足検出信号は島制御手段から外部の全体制御手段(例えばホストコンピュータ)に送られる。全体制御手段は、島グループの特定島10の島制御手段を介して、島グループ全体(特定島10および、一般島20)の遊技媒体の数量を制御する。
【0056】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
図11、図13に示すように、島グループの特定島10内の遊技媒体の数量は次のように制御される。
すなわち、制御特定島上部遊技媒体検出手段131、特定島下部遊技媒体検出手段141の検出結果は、島グループ内部の全体制御手段に送信される。
【0057】
下部遊技媒体検出手段141の検出部S1が、特定島10の特定島下部タンク140内の遊技媒体数が所定量に達したことを検知し、遊技媒体の過剰検出信号を島グループ外部の島制御手段に出力すると、島制御手段が全体制御手段に制御信号を送り、全体制御手段が遊技媒体計数手段150を一時的に稼動停止状態にする。
【0058】
また、遊技媒体計数手段150が稼動停止状態にある間に、下部遊技媒体検出手段141の検出部S2(あるいは検出部S3)が、特定島10の特定島下部タンク140内の遊技媒体数が所定量以下になったことを検出し、遊技媒体の不足検出信号を島制御手段に出力すると、島制御手段が遊技媒体計数手段150の稼動停止状態を解除するよう制御する。
【0059】
このように構成したことにより、遊技媒体計数手段150を通して特定島10の外部から特定島10内に入る遊技媒体の数量は制限されるが、特定島10から一般島20への遊技媒体の送出は、適正に行われる。すなわち、一般島20内の遊技媒体の数量を適正な状態に容易に制御することができるとともに、一般島20内で必要量の遊技媒体を適正に循環させることができる。
【0060】
特定島10から一般島20への遊技媒体の送出は次のように行われる。
特定島10の特定島上部タンク130から一般島20の一般島上部タンク230へ遊技媒体送出手段110を通って送出される遊技媒体は、全て、送出遊技媒体誘導管270および、遊技媒体誘導手段250の筒内の通路を通り、遊技媒体誘導手段250の通路先端口を通って、一般島下部タンク240に落下する。一般島下部タンク240は、その遊技媒体を貯留する。
【0061】
一般島下部タンク240内の遊技媒体が所定量を超えると、その遊技媒体で遊技媒体誘導手段250の通路先端口が詰まり、遊技媒体誘導手段250の通路内に遊技媒体が一時的に溜まる。それにより、特定島10側から遊技媒体送出手段110を通って一般島20側の遊技媒体誘導手段250へ遊技媒体が物理的に送出不能な状態になる。
【0062】
一般島下部タンク内の遊技媒体が所定量以下になると、遊技媒体誘導手段250の通路内の遊技媒体は遊技媒体誘導手段250の通路先端口を通って一般島下部タンク240側へ流下し、遊技媒体誘導手段250の通路内には遊技媒体が溜まらないで、特定島10側から遊技媒体送出手段110を通って一般島20側の遊技媒体誘導手段250へ遊技媒体を送出可能な状態になる。
【0063】
一般島下部タンク240内の遊技媒体が過剰になると、遊技媒体誘導手段250の通路内に遊技媒体が物理的に詰まるような構成では、一般島下部タンク240の遊技媒体を検出するための特別な検出スイッチを設けずに済み、また、遊技媒体誘導手段240の通路を開閉するための開閉弁を設けずに済む。
【0064】
一般島20内において、遊技媒体の循環は次のように行われる。
一般島20内においては、一般島20の中央上部に設置された特定島上部タンク130から所定量の遊技媒体を各遊技機へ供給し、各遊技機から遊技媒体を回収し、揚送研磨装置120で遊技媒体を研磨して、特定島上部タンク130へ揚送し、特定島上部タンク130から再び、各遊技機へ供給するように、必要量の遊技媒体を循環させている。
【0065】
このとき、一般島上部タンク130から溢れ出た遊技媒体は、一般島オーバーフロー管280?下部貯留部誘導管290(遊技媒体誘導手段250の筒上面251上)に通し、筒上面251に形成された遊技媒体分散手段で、導入口252を通って遊技媒体誘導手段250の筒内へ落下するものと、導入口252を通らないで直接的に一般島下部タンク240へ落下する。すなわち、各遊技機への供給数量を超えた過剰な遊技媒体を一時的に一般島下部タンク240に貯留する。
【0066】
このような構成の遊技媒体誘導手段250では、遊技媒体誘導手段250の筒内に遊技媒体が詰まって、前記特定島上部タンク130からの過剰な遊技媒体が、遊技媒体誘導手段250の筒上面251上に落下し、導入口252を通って遊技媒体誘導手段250の通路内に導入不能な場合であっても、過剰な遊技媒体は、優先され、直接的に一般島下部タンク240に取り込まれ、一般島上部タンク130から溢れ出た遊技媒体を支障なく取り込むことができ、一般島オーバーフロー管280および、下部貯留部誘導管290が遊技媒体で詰まることがなく、一時的に過剰になり得る特定島上部タンク130内の遊技媒体を適正に処理される。
【0067】
また、一般島下部タンク240に取り込まれた遊技媒体を、再び各遊技機へ供給することができ、必要量の遊技媒体を一般島内で循環させることができる。
【0068】
次に、本発明の第2実施の形態を説明する。
図14および、図15は本発明の第2実施の形態を示している。
なお、第1実施の形態と同種の部位には同一符号を付し重複した説明を省略する。
【0069】
本第2実施の形態は、シャッター260を開閉することで、特定島10の特定島上部タンク130から遊技媒体送出手段110の通路を通って一般島上部タンク230へ送出される遊技媒体の数量を制御するものである。
【0070】
一般島上部タンク230内には、一般島上部タンク230内の遊技媒体数を検出するための上部遊技媒体検出手段231が設けられている。上部遊技媒体検出手段231の遊技媒体の不足検出信号は特定島10の島制御手段に送られるとともに、島制御手段を介して外部の全体制御手段に送られる。
【0071】
島制御手段は、一般島揚送研磨装置220に駆動信号を送り、一般島揚送研磨装置220は、遊技媒体を一般島上部タンク230に揚送する。このとき、島制御手段は、一般島揚送研磨装置220とシャッター260との各制御を行う。
【0072】
一般島揚送研磨装置220とシャッター260との各制御を独立して行っても良い。
【0073】
シャッター260は遊技媒体送出手段110の通路を開閉するものである。遊技媒体送出手段110は、特定島10側から一般島20側へ遊技媒体を橋渡しするためのものであり、特定島10側と一般島20側との境界(一般島20の直前)に位置している。
【0074】
シャッター260は、一般島上部タンク230が所定量を超えると、遊技媒体送出手段110の通路を閉じ、一般島上部タンク230が所定量以下になると、遊技媒体送出手段110の通路を開く。
【0075】
すなわち、遊技媒体は、一般島20の直前位置でシャッター260に止められる。この止められた状態では、補給用に待機している状態ともいえる。シャッター260が遊技媒体送出手段110の通路を開くと、待機状態の遊技媒体を一般島20側へ迅速に取り込むことができる。
【0076】
すなわち、一般島20への遊技媒体の補給が必要になると、シャッター260は遊技媒体送出手段110の通路を開いて、特定島側10から一般島20側へ遊技媒体を迅速に取り込むことができる。
【0077】
一方、一般島20内の遊技媒体が所定量を超え、遊技媒体の補給が不要になると遊技媒体送出手段110の通路を閉じて、一般島20側へ遊技媒体を即座に取り込み不能にして、一般島20内へ必要数量だけ迅速に補充して、不要な遊技媒体の取込を防止する。
【0078】
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、以下のような拡張及び変形をすることができる。
【0079】
例えば、島グループは、1つの特定島に対して、2つの一般島でもよく、1つの一般島でも、多数の一般島であってもよい。
また、遊技媒体数を検出するための検出手段は、その個数及び設置場所に限定されるものではないことはいうまでもない。
【0080】
また、前記全体制御手段で、隣り合う島グループ毎の特定島の遊技媒体数を比較し、島グループ内の遊技媒体数の少ない特定島に係る遊技媒体計数手段を一時的に稼働停止状態に制御するように構成してもよい。
また、特定島下部タンクは、一般島下部タンクよりも遊技媒体の貯留量が多い方がより好ましい。
【0081】
さらに、一般島20には、下部貯留部誘導管290に施される遊技媒体分散手段(遊技媒体誘導手段250の筒上面251と、誘導口52とからなる)を設けていたが、特定島10に設けても良い。それにより、特定島10内の遊技媒体の循環が円滑になる。
【0082】
【発明の効果】
本発明は、一般島上部タンクから溢れた遊技球は,一般島オーバーフロー管を介して該下端部に設けられた一般島オーバーフロー分岐手段によって回収樋または前記筒上面に導かれ、筒上面に導かれた遊技球は、前記導入口を通って前記遊技媒体誘導手段の筒内へ導く一方、前記導入口を通らないで前記一般島下部タンクへ導くので、遊技媒体誘導手段の筒内に遊技媒体が詰まって、導入口をも塞いでいるような場合であっても、一般島上部タンクから溢れ出て遊技媒体誘導手段の筒上面に落下した遊技媒体が優先的に一般島下部タンクに取り込まれ、一般島上部タンクから溢れ出た遊技媒体を支障なく取り込むことができ、かつ、一般島下部タンクに取り込まれた遊技媒体を、再び各遊技機へ供給することができ、必要量の遊技媒体を一般島内で循環させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態に係る遊技場全体の構成図である。
【図2】本発明の第1実施の形態に係る島グループの構成図である。
【図3】本発明の第1実施の形態に係る遊技場全体のブロック図である。
【図4】本発明の第1実施の形態に係る特定島の内部を示す正面図である。
【図5】本発明の第1実施の形態に係る特定島の内部を示す側面図である。
【図6】本発明の第1実施の形態に係る特定島の内部を示す平面図である。
【図7】本発明の第1実施の形態に係る一般島の内部を示す正面図である。
【図8】本発明の第1実施の形態に係るオーバーフロー分岐手段の断面図である。
【図9】本発明の第1実施の形態に係る一般島下部タンクの貯留状態図の説明図である。
【図10】本発明の第1実施の形態に係る遊技媒体誘導手段の断面図である。
【図11】本発明の第1実施の形態に係る特定島下部タンクの貯留状態図である。
【図12】本発明の第1実施の形態に係る全体制御手段のブロック図である。
【図13】本発明の第1実施の形態に係る全体制御手段の制御状態説明図である。
【図14】本発明の第2実施の形態に係る島グループ構成図である。
【図15】本発明の第2実施の形態に係る遊技場全体のブロック図である。
【符号の説明】
S1,S2,S3…検出部
10…特定島
20…一般島
110…遊技媒体送出手段
120…揚送研磨装置
130…特定島上部タンク
131…上部遊技媒体検出手段
140…特定島下部タンク
141…下部遊技媒体検出手段
150…遊技媒体計数手段
160…オーバーフロー管
161…上部分岐手段
162…下部分岐手段
220…一般島揚送研磨装置
230…一般島上部タンク
231…上部遊技媒体検出手段
240…一般島下部タンク
250…遊技媒体誘導手段
251…筒上面
252…導入口
260…シャッター
270…送出遊技媒体誘導管
280…一般島オーバーフロー管
285…オーバーフロー分岐手段
290…下部貯留部誘導管
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2009-09-02 
出願番号 特願平10-316194
審決分類 P 1 41・ 852- Y (A63F)
P 1 41・ 853- Y (A63F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 篠崎 正  
特許庁審判長 伊藤 陽
特許庁審判官 森 雅之
深田 高義
登録日 2009-02-20 
登録番号 特許第4263277号(P4263277)
発明の名称 遊技島装置  
代理人 柏原 健次  
代理人 柏原 健次  

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