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審決分類 審判 査定不服 発明同一 特許、登録しない。 H04N
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H04N
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04N
管理番号 1205600
審判番号 不服2008-10307  
総通号数 120 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-12-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-04-24 
確定日 2009-10-15 
事件の表示 特願2001-297624「画像合成方法および装置並びにプログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成15年 4月11日出願公開、特開2003-110832〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成13年9月27日の出願であって、平成20年3月21日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年4月24日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同年5月26日付けで手続補正がなされたものである。

2.平成20年5月26日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成20年5月26日付けの手続補正を却下する。

[理由]
2-1.補正後の本願発明
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、

「画像データを、該画像データを合成するための画像データ合成領域に
合成する画像合成方法であって、
前記画像データに対して、前記画像データ合成領域内の所定の基準点に一致させる前記画像データ上の基準点であって、ユーザーにより指定された画像データ基準点からなる合成情報を設定し、
前記画像データを該合成情報に基づいて前記画像データ合成領域と合成することを特徴とする画像合成方法。」

と補正された。(この記載の事項により特定される発明を以下、「本願補正発明」という。)
上記補正は、補正前の「前記画像データ合成領域内の所定の基準点に一致させる前記画像データ上の基準点である画像データ基準点」を「前記画像
データ合成領域内の所定の基準点に一致させる前記画像データ上の基準点であって、ユーザーにより指定された画像データ基準点」と限定することにより、特許請求の範囲を減縮するものである。
そこで、本願補正発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法(以下、「平成18年改正前特許法」という。)第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。

2-2.引用例
本願の出願前に出願公開された特開2000-261645号公報(平成21年4月22日付けの審尋に記載した前置報告書で引用されたもので、以下、「引用例」という。)には、図面とともに以下の記載がなされている。

(1)「【特許請求の範囲】
【請求項1】トリミング範囲に従って画像をトリミングする装置であって、画像表示手段と、前記画像表示手段に表示された原画像に対して必要範囲を指定すると共に、仕上がりサイズを指定する指定手段と、前記必要範囲を仕上がりサイズ内に収めるのに必要な変倍率を算出する変倍率算出手段と、仕上がりサイズに前記算出された変倍率の逆数を乗じて原画像中のトリミング範囲を決定する逆変倍手段と、を有することを特徴とする画像トリミング装置。
……
【請求項3】前記指定手段は、原画像上の必要範囲内の1点を基準点として指定する機能を有し、前記変倍率算出手段は、前記基準点が仕上がりサイズの中心に合うように前記必要範囲を仕上がりサイズ内に収めるのに必要な変倍率を算出するものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像トリミング装置。」

(2)「【0002】
【従来の技術】印刷の前工程や、デジタル出版等において、画像データを扱う場合には、入稿される画像データと最終的に製品において利用される画像データのサイズが異なるため、入稿された原画像データから必要な領域を切り抜く画像トリミングが行われている。」

(3)「【0016】(第2の実施形態)続いて、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、第1の実施形態に加えて、基準点の設定を行い、設定した基準点を有効範囲の中心点に合うようにしてトリミング範囲を決定することを特徴とする。第2の実施形態も300dpiの原画像から72dpiの仕上がり画像を作成する場合について説明する。
【0017】ここでは、図4に示すように、大きな星の左上に小さな星がある画像を選択したとする。オペレータは、この2つの星を必要だと考えて図4(a)に示す破線部分を必要範囲として選択する。ここで、指定手段2によりデータ処理装置3に対して、基準点を指定する指示を行う。すると、図4(a)に一点鎖線で示すような縦横の基準点設定ラインが表示される。この2本の設定ラインが交差した部分は、マウスの動きに合わせて動くようになっている。オペレータが大きな星の中心部分を基準点にしたいと考えた
ら、図に示す設定ラインの位置でマウスをクリックすることにより、その位置が基準点として設定される。このとき、第1の実施形態と同様に必須パラメータの設定も行う。
【0018】次に、解像度変換手段7により、第1の実施形態と同様に図4(a)で設定した必要範囲の位置情報から、72dpiの画像サイズにおける必要範囲の位置情報を算出する。このとき、第1の実施形態と異なるの
は、基準点の位置情報を有していることである。基準点の位置情報も解像度変換手段7により算出され、図5(a)に示すような情報がバッファ内部に作成される。
【0019】続いて、変倍率算出手段5により、必要範囲を有効範囲に納まるように変倍するための変倍率を算出する。このとき、必要範囲の縦横比は固定で、必要範囲の基準点が有効範囲の中心点と一致するようにし、かつ、必要範囲の基準点から遠い2辺が有効範囲の2辺と重なるようにするという条件で行う。このときの状態を図5(b)に示す。
【0020】次に、第1の実施形態と同様に、逆変倍手段6が、図5(c)に示すような仕上がりサイズを、変倍率の逆数により変倍して72dpiの画像サイズに配置する。このようにして、図5(d)の外側の破線のようなトリミング範囲が作成される。
【0021】解像度逆変換手段8は、第1の実施形態と同様に、作成された72dpi画像サイズ上のトリミング範囲を基に、図4(b)に示す300dpiの原画像にトリミング範囲を設定する。図4の(a)(b)を比較するとわかるように、オペレータは、必要な星2つを含むように必要範囲を設定し、基準点を指定することにより、最適なトリミング範囲を得ることができる。」

したがって、引用例には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているといえる。

「トリミング範囲に従って画像をトリミングする装置であって、
原画像に対して、オペレータが基準点を設定するための指定手段を有し、
設定した基準点を有効範囲の中心点に合うようにしてトリミング範囲を決定することを特徴とする画像トリミング装置。」

2-3.対比
トリミング範囲に従って画像をトリミングすることも、画像データを、該画像データを合成するための画像データ合成領域に合成することも、画像処理といえ、引用発明は画像トリミング装置により行われる画像処理方法も実質的に示されているといえるので、本願補正発明と引用発明とは、画像データを画像処理するための画像処理方法である点で共通する。
引用発明は、「原画像に対して、オペレータが基準点を設定するための指定手段」を有しており、その基準点は本願補正発明の「画像データ上の基準点」に対応し、引用発明は「設定した基準点を有効範囲の中心点に合うようにしてトリミング範囲を決定する」ので、「有効範囲の中心点」は画像処理のための基準点といえるものであり、本願補正発明の「画像データ合成領域内の所定の基準点」も画像処理のための基準点といえる。
引用発明の「オペレータ」は、本願補正発明の「ユーザー」に対応する。
したがって、本願補正発明と引用発明とを対比すると、次の点で一致す
る。

「画像データを、画像処理するための画像処理方法であって、
前記画像データに対して、画像処理のための基準点に一致させる前記画像データ上の基準点であって、ユーザーにより指定された画像データ基準点からなる情報を設定し、
前記画像データを該情報に基づいて画像処理することを特徴とする画像処理方法。」

また次の点で相違する。

相違点
本願補正発明は画像処理が「画像データを、該画像データを合成するための画像データ合成領域に合成する」ものであるのに対して、引用発明は「トリミング範囲に従って画像をトリミングする」ものであり、それにともない本願補正発明では画像処理のための基準点が「画像データ合成領域内の所定の基準点」であり、画像データ基準点からなる情報が「画像データ基準点からなる合成情報」であるのに対して、引用発明では合成に関する特定がなされていない点。

2-4.相違点に対する判断
引用例には、上記2-2.引用例の(2)のように、画像トリミングが他の処理の前処理として行われることが示されている。
また、画像をトリミングして合成領域(挿入領域)に合成(挿入)することは、下記に示すように周知のことである。

周知例 特開2000-261644号公報
「【0028】また、第2の実施形態をポストカードを作成するシステムに適用することもできる。この場合、ポストカードに人物を含む画像を挿入する場合、挿入する範囲のサイズに応じて画像の拡大率やトリミング範囲を設定すればよい。例えば、図13に示すような画像をポストカードに挿入する場合、挿入範囲のサイズに応じて拡大率およびトリミング範囲を変更すればよい。すなわち、図14(a)に示すように挿入範囲が比較的大きい場合
は、画像全体を挿入すれば問題ないが、図14(b)に示すように図14
(a)よりも小さい挿入範囲が設定されている場合は、上記第2の実施形態のように顔領域が挿入範囲の中心位置となり、かつ顔領域の面積が挿入範囲の面積の1/8となるように拡大率およびトリミング範囲をパラメータPとして決定し、このパラメータPに基づいて画素密度変換およびトリミングを行った画像をポストカードに挿入すればよい。」
等と記載されている。

引用発明において、画像処理を画像をトリミングするだけでなく、トリミングした画像を合成領域に合成する処理まで行うようにすることに困難な点はなく、それにともない、有効範囲の画像が合成領域に合成されることになるので、有効範囲の中心点は合成領域の中心点に等しく、「画像データ合成領域内の所定の基準点」といえるものとなり、オペレータが設定した基準点は、「ユーザーにより指定された画像データ基準点からなる合成情報」といえるものとなる。
したがって、本願補正発明は、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。

2-5.備考
上記のように、本願補正発明は、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるが、ほかにも本願補正発明と同様の発明があり、以下に示すこととする。
本願の出願前に出願公開された特開平5-336343号公報には、図面とともに以下の記載がなされている。

(4)「【特許請求の範囲】
【請求項1】 原稿領域指定用紙で指定された領域及び識別表示を読み取り記憶する原稿領域読取り手段と、前記原稿領域指定用紙で指定された領域の原稿を読み取り記憶する領域原稿読取り手段と、合成領域指定用紙で指定された領域及び識別表示を読み取り記憶する合成領域読取り手段と、前記合成領域指定用紙で指定された領域に指定された原稿を、指定された作像条件で画像形成する合成手段とを有することを特徴とするディジタル画像形成装
置。
……
【請求項6】 前記原稿領域指定用紙で指定された領域内に記入された基準点を読み取り記憶する基準点読取り手段と、前記原稿領域指定用紙で指定された領域の原稿を読み取り、前記基準点と一致する原稿基準点を決める基準点設定手段と、原稿と原稿基準点を記憶する記憶手段と、前記合成領域指定用紙で指定される領域に指定された原稿を、指定された基準点と合わせ指定された作像条件で画像形成する手段とを有することを特徴とする請求項1記載のディジタル画像形成装置。」

(5)「【0070】第3の実施例では、基準点読取り手段、設定記憶手
段、位置設定手段、第1の演算手段、第2の演算手段とをさらに設けた構成としてある。この基準点読取り手段は原稿領域指定用紙で指定した領域内に記入された基準点を読み取り記憶する機能を有し、設定記憶手段は、原稿領域指定用紙で指定した領域の原稿に前記基準点と一致する原稿基準点を設定し記憶する機能を有し、位置設定手段は、合成領域指定用紙で指定される領域の原稿の原稿基準点を前記基準点に一致させる機能を有し、第1の演算手段は、基準点と変倍指示点を読み取り、両者間の座標距離を演算する機能を有し、第2の演算手段は、原稿領域指定用紙と合成領域指定用紙の座標間距離から変倍率を演算する機能を有するものである。
【0071】第3の実施例のその他の部分の構成は、すでに説明した第1の実施例と同一である。
【0072】図3は第3の実施例による画像合成の説明図であり、同図
(a)、(b)は合成される2枚の原稿であり、(d)、(e)はそれぞれ(a)、(b)の原稿領域指定用紙である。この原稿領域指定用紙には、原稿基準点a0と倍率指示点bが設定されており、この原稿基準点a0は自由に設定することができるが、図3では左後端部に設定してある。倍率指示点は基準点a0とのX座標間距離比率で設定され、例えば同図(d)エリアNO1はx2/x1×100がエリアの倍率である。同図(f)は合成領域指定用紙であり、原稿基準点a0、倍率指示点b、エリアNO、作像モードが指定してある。」

上記ディジタル画像形成装置は、合成領域指定用紙で指定された領域に指定された原稿を合成するものであるから、「画像データを、該画像データを合成するための画像データ合成領域に合成する画像合成方法」を行うものである。
上記ディジタル画像形成装置の原稿領域指定用紙の原稿基準点は、自由に設定することができるものであり、原稿にその基準点と一致する原稿基準点を設定するものであるから、本願補正発明の「ユーザーにより指定された画像データ基準点」に対応する。
上記ディジタル画像形成装置の合成領域指定用紙の原稿基準点は、本願補正発明の「画像データ合成領域内の所定の基準点」に対応する。
したがって、上記公報には、本願補正発明と同様の発明が記載されているといえる。

2-6.むすび
以上のとおり、本件補正は、平成18年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、特許法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.本願発明について
3-1.本願発明
平成20年5月26日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、願書に最初に添付された明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。

「画像データを、該画像データを合成するための画像データ合成領域に合成する画像合成方法であって、
前記画像データに対して、前記画像データ合成領域内の所定の基準点に一致させる前記画像データ上の基準点である画像データ基準点からなる合成情報を設定し、
前記画像データを該合成情報に基づいて前記画像データ合成領域と合成することを特徴とする画像合成方法。」

3-2.先願発明
原査定の拒絶理由は、この出願の請求項に係る発明は、その出願の日前の特許出願であって、その出願後に出願公開がされた特願2000-112455号(特開2001-298607号)の願書に最初に添付された明細
書、又は図面に記載された発明と同一であり、しかも、この出願の発明者がその出願前の特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、またこの出願の時において、その出願人が上記特許出願の出願人と同一でもないの
で、特許法第29条の2の規定により、特許を受けることができないというものである。
特願2000-112455号(以下、「先願」という。)の願書に最初に添付された明細書には、以下の記載がなされている。

(6)「【特許請求の範囲】
【請求項1】 画像オブジェクトを表示画面上で合成する画像合成方法で
あって、
前記表示画面上に、画像オブジェクトを填め込み可能なマスク枠を有する第1の画像オブジェクトを作成し、目的とする第2の画像オブジェクトを填め込む際に、それぞれの画像オブジェクトの画像中心位置を重ね合わせるとともに、画像オブジェクトの片方もしくは双方を拡大又は縮小し、前記マスク枠に合わせて填め込むことを特徴とする画像合成方法。」

(7)「【0029】テンプレート記憶手段272は、背景画像と合成領域を設定する少なくとも1個のテンプレート画像のデータと、それに対応する番号にかかるデータが予め記憶されている。オペレータの操作により、又はプリント注文情報に含まれたテンプレート画像の番号に基づいて、テンプ
レート記憶手段272に予め記憶された複数のテンプレート画像から所定のテンプレート画像が特定され、画像データは選択されたテンプレート画像により合成されて、合成された画像データに基づきプリントが作成される。
……
【0033】通常のプリントP1は、1個の画像データを1枚のプリントとして作成するものである。この通常のプリントP1で、例えば所定の模様を有する背景画像(テンプレート画像)に所定の合成領域を設定し、この合成領域に1個の駒画像を合成して記憶され、フォトフレームで飾った通常のプリントサイズのプリントP1を作成することができる。このように1個の画像データを1枚のプリントP1に記憶することで、例えばポストカードやカレンダー、又は顧客の注文に応じて財布や定期等に入れたりすることが可能な好みの特殊プリントを作成することができる。」

(8)「【0047】まず、本画像合成方法の一態様において、図8(a)に示すごとき、縦寸法Y、横寸法Xの被写体画像(第2の画像オブジェク
ト)G1と、縦寸法b、横寸法aの楕円形縁取りであるテンプレート画像
(第1の画像オブジェクト)G2とを画像合成する場合を考える。テンプ
レート画像G2の周囲において、点線で示されたマスク枠MFは、縦寸法
b、横寸法aの矩形状となっている。ここで、被写体画像G1の幾何学的中心をO1とし、テンプレート画像G2の幾何学的中心をO2とする。画像の中心を求める方法については後述する。
……
【0056】次に、画像の幾何学的中心位置を求める方法について一例を説明するが、これに限定されない。図11(a)において、画像オブジェクトG1の枠座標を(V,W)とすると、Vの最小値Xmin、その最大値をXmax、Wの最小値Ymin、最大値Ymaxとしたとき、(Xmax-Xmin)/2,(Ymin-Ymax)/2)を中心座標とする。
【0057】一方、図11(b)において、画像オブジェクトG2の枠座標を(V,W)とすると、Vの最小値Xmin、その最大値をXmax、Wの最小値Ymin、その最大値Ymaxとし、Xmin、Xmaxの座標か
ら、それぞれY軸方向に線をひき、Ymin、Ymaxの座標から、X軸方向に線をひいた交点座標を(Xmin、Ymin)、(Xmin、Yma
x)、(Xmax、Ymin)、(Xmax、Ymax)としたとき、
((Xmax-Xmin)/2,(Ymin-Ymax)/2)を中心座標とする。」

したがって、先願には次の発明(以下、「先願発明」という。)が記載されているといえる。

「画像オブジェクトを合成する画像合成方法であって、
画像オブジェクトを填め込み可能なマスク枠を有する第1の画像オブジェクトに、目的とする第2の画像オブジェクトを填め込む際に、
第2の画像オブジェクトの画像中心位置を求め、
それぞれの画像オブジェクトの画像中心位置を重ね合わせるとともに、前記マスク枠に合わせて填め込むことを特徴とする画像合成方法。」

3-3.対比
先願発明は、画像オブジェクトを合成する画像合成方法であって、画像オブジェクトを填め込み可能なマスク枠を有する第1の画像オブジェクトに、目的とする第2の画像オブジェクトを填め込むものであるから、画像データを、該画像データを合成するための画像データ合成領域に合成する点で、本願発明と共通する。
先願発明の「第2の画像オブジェクトの画像中心位置」は画像オブジェクトを填め込み可能なマスク枠を有する第1の画像オブジェクトに、目的とする第2の画像オブジェクトを填め込む際に、それぞれの画像オブジェクトの画像中心位置を重ね合わせるものであるから、そのような「第2の画像オブジェクトの画像中心位置」を求めることは、本願発明の「前記画像データに対して、前記画像データ合成領域内の所定の基準点に一致させる前記画像
データ上の基準点である画像データ基準点からなる合成情報を設定し」とすることに対応する。
先願発明は、求めた「第2の画像オブジェクトの画像中心位置」により、それぞれの画像オブジェクトの画像中心位置を重ね合わせ、マスク枠に合わせて填め込むのであるから、この点は、本願発明の「前記画像データを該合成情報に基づいて前記画像データ合成領域と合成する」とすることに対応する。
したがって、本願発明は、先願発明と同一の発明である。

3-4.むすび
以上のとおり、本願発明は、先願発明と同一の発明であり、また、本願の発明者が先願の発明をした者と同一ではなく、また、本願の出願の時において、その出願人が先願の出願人と同一でもないので、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2009-08-12 
結審通知日 2009-08-18 
審決日 2009-08-31 
出願番号 特願2001-297624(P2001-297624)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H04N)
P 1 8・ 575- Z (H04N)
P 1 8・ 161- Z (H04N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 白石 圭吾  
特許庁審判長 加藤 恵一
特許庁審判官 畑中 高行
吉村 博之
発明の名称 画像合成方法および装置並びにプログラム  
代理人 佐久間 剛  
代理人 柳田 征史  

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