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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01L
管理番号 1205647
審判番号 不服2006-13204  
総通号数 120 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-12-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-06-23 
確定日 2009-10-13 
事件の表示 平成 8年特許願第337496号「半導体装置の製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成 9年 7月15日出願公開、特開平 9-186102〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成8年12月2日(パリ条約による優先権主張1995年12月11日、韓国)の出願であって、平成18年3月23日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年6月23日に拒絶査定に対する審判請求がなされたものである。

第2 本願発明について
本願の請求項1ないし8に係る発明は、平成16年10月12日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1ないし8に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、そのうち、本願の請求項1に係る発明は、以下のとおりである。
「【請求項1】
半導体基板上にコンタクトホールを有する絶縁膜を形成する段階と、
前記絶縁膜が形成された前記半導体基板に対し、不活性ガスを使用したRFプラズマ又はECRプラズマによるプラズマ処理を施す段階と、
前記プラズマ処理された半導体基板の全面にタングステン窒化薄膜を蒸着することにより、表面が滑らかで段差塗布性が良好な前記タングステン窒化薄膜を形成する段階とを含めてなることを特徴とする半導体装置の製造方法。」

第3 引用刊行物及び該引用刊行物記載の発明
刊行物1.特開平6-260455号公報
原審の拒絶の理由に引用され、本願の優先権主張日前に日本国内において頒布された刊行物1(特開平6-260455号公報)には、図1、図3とともに、「窒化チタン成膜の前処理方法および窒化チタン膜の成膜方法」(発明の名称)に関して、以下の事項が記載されている。
ア 「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置を製造する際に用いる窒化チタン成膜の前処理方法および窒化チタン膜の成膜方法に関するものである。」
イ 「【0007】また、上記窒化チタン膜のカバリッジを改善するには、例えばCVD法によって、窒化チタン膜を成膜する。この方法では、コンタクトホールの内部に形成される窒化チタン膜はカバリッジ性良く成膜される。」
ウ 「【0016】
【実施例】本発明の窒化チタン成膜の前処理方法に関する実施例を、図1の前処理工程図により説明する。図1の(1)に示すように、半導体基板11の上層には拡散層12が形成されている。この半導体基板11は、例えばシリコン系基板で形成されている。上記半導体基板11の上面には絶縁膜13が成膜されている。上記拡散層12の上方の絶縁膜13にはコンタクトホール14が形成されている。通常、半導体基板11が大気中にさらされている場合には、コンタクトホール14の底部における半導体基板11の表面には、極薄い酸化膜31が形成される。
【0017】まず、上記半導体基板11を、温度雰囲気が例えば25℃の場合には、13.3μPa以下の真空度を有する圧力雰囲気に投入する。圧力雰囲気を上記のように設定することにより、コンタクトホール14の底部に露出している半導体基板11の表面には、上記圧力雰囲気に投入した後には、新たな酸化膜(図示せず)は形成されない。」
エ 「【0021】そして上記真空度に保持した圧力雰囲気に希ガス〔例えばアルゴン(Ar)〕を導入して、希ガス雰囲気にする。このときの希ガス雰囲気の圧力は、例えば13.3μPaに設定する。そして希ガスによる低エネルギーのプラズマを発生させる。そのプラズマによってコンタクトホール13の底部における半導体基板11の表面を低いエネルギーでエッチングする、いわゆるソフトエッチングを行う。プラズマの発生は、例えばICP(Induction Coupled Plasma)法またはECR(Electron Cyclotron Resonance)法による。」
オ 「【0023】また上記ECR法によるソフトエッチング条件は、例えば希ガスに流量が20sccmのアルゴン(Ar)ガスを用い、圧力雰囲気を例えば13.3μPaに設定する。またマイクロ波パワーを例えば700W、基板RFバイアスを例えば50Wに設定する。
【0024】図1に示すように、上記ソフトエッチングによって、露出している半導体基板11の表面に形成されている自然酸化膜のような極薄い酸化膜31(2点鎖線で示す部分)は除去され、その部分の半導体基板11の表面は清浄化される。」
カ 「【0028】次に本発明の窒化チタン膜の成膜方法に関する実施例を、図3の成膜工程図により説明する。なお前記図1で説明したと同様の構成部品には同一の符号を付す。図3の(1)に示すように、上記実施例で説明した窒化チタン成膜の前処理方法を行って、コンタクトホール14の底部における半導体基板11の表面に生成されている極薄い酸化膜31(2点鎖線で示す部分)を除去する。
【0029】そして上記希ガス雰囲気を半導体基板11が再酸化されない真空度(例えば温度が25℃の場合には13.3μPa)の圧力雰囲気にし、さらに連続してその圧力雰囲気に、窒化チタン膜を成膜するガスで酸化性ガスを含まないガスを導入する。このようにして図3の(2)示すように、コンタクトホール14の底部における半導体基板11の表面と当該コンタクトホール14の含む内壁と絶縁膜12の上面とに窒化チタン膜15を成膜する。
【0030】上記窒化チタン膜15の成膜方法では、図1で説明した前処理方法を行った後、希ガス雰囲気を半導体基板11が酸化されない真空度の圧力雰囲気にし、さらに連続して、その圧力雰囲気に窒化チタン膜15を成膜するガスで酸化性ガスを含まないガスを導入して窒化チタン膜15を成膜することにより、ガス系を変えるだけで窒化チタン膜15が成膜される。このため、コンタクトホール14の底部に露出している半導体基板11の表面を清浄な状態に保持した状態で窒化チタン膜15が成膜されるので、半導体基板11と窒化チタン膜15との接続は電気的接続性能が高いものになる。すなわち、電気的に優れたオーミック接合になる。」

以上の記載から、刊行物1には、以下の発明が記載されている。
「半導体基板11の上面にコンタクトホール14が形成された絶縁膜13を形成する段階と、前記コンタクトホール14の底部における前記半導体基板11の表面を、希ガスによる低エネルギーのECR法プラズマによってエッチングする段階と、続いて、窒化チタン膜15を成膜するガスで酸化性ガスを含まないガスを導入して、前記コンタクトホール14の底部における前記半導体基板11の表面と前記コンタクトホール14の内壁と前記絶縁膜13の上面とに前記窒化チタン膜15を成膜する段階とを含めてなることを特徴とする半導体装置の製造方法。」

刊行物2.特開平6-295904号公報
原審の拒絶の理由に引用され、本願の優先権主張日前に日本国内において頒布された刊行物2(特開平6-295904号公報)には、図1とともに、「配線の形成方法」(発明の名称)に関して、以下の事項が記載されている。
ア 「【0009】図1(a)?(c)は本発明の一実施例を説明するための工程順に示した半導体チップの断面図である。
【0010】まず、図1(a)に示すように、シリコン基板1の上に酸化シリコン膜2を形成し、酸化シリコン膜2を選択的にエッチングして接続孔3を形成する。
【0011】次に、図1(b)に示すように、接続孔3を含む酸化シリコン膜2の表面に窒化チタン膜4を形成して表面を被覆する。
【0012】次に、図1(c)に示すように、ジメチルアルミニウムハイドライドを原料とし、成長室の圧力1.3Torr,キャリア水素の流量300SCCMの気相化学成長法で、接続孔3を含む表面にアルミニウム膜5を堆積し、接続孔3内にアルミニウム膜5を充填する。」
イ 「【0017】なお、本実施例で用いたジメチルアルミニウムハイドライドの代りにトリイソブチルアルミニウム,トリメチルアミンアラン,ジエチルアルミニウムハイドライドのいずれかを用いても良く、窒化チタン膜の代りにチタン膜又は窒化タングステン膜を用いても良い。」

第4 対比
本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明1」という。)と刊行物1に記載された発明(以下、「刊行物1発明」という。)とを対比する。
(a)刊行物1発明の「半導体基板11」、「コンタクトホール14」、「絶縁膜13」は、それぞれ、本願発明1の「半導体基板」、「コンタクトホール」、「絶縁膜」に相当するので、刊行物1発明の「半導体基板11の上面にコンタクトホール14が形成された絶縁膜13を形成する段階」は、本願発明1の「半導体基板上にコンタクトホールを有する絶縁膜を形成する段階」に相当する。
(b)刊行物1発明の「希ガス」、「低エネルギーのECR法プラズマによってエッチングする」ことは、本願発明1の「不活性ガス」、「ECRプラズマによるプラズマ処理」に相当し、また、本願発明1の「RFプラズマ又はECRプラズマによるプラズマ処理」は、「RFプラズマ」「によるプラズマ処理」と「ECRプラズマによるプラズマ処理」との択一的な記載であるから、「RFプラズマ」「によるプラズマ処理」と「ECRプラズマによるプラズマ処理」のいずれか一つを選択することで足りるので、刊行物1発明の「前記コンタクトホール14の底部における前記半導体基板11の表面を、希ガスによる低エネルギーのECR法プラズマによってエッチングする段階」は、本願発明1の「前記絶縁膜が形成された前記半導体基板に対し、不活性ガスを使用したRFプラズマ又はECRプラズマによるプラズマ処理を施す段階」に相当する。
(c)刊行物1発明の「続いて、窒化チタン膜15を成膜するガスで酸化性ガスを含まないガスを導入して、前記コンタクトホール14の底部における前記半導体基板11の表面と前記コンタクトホール14の内壁と前記絶縁膜13の上面とに前記窒化チタン膜15を成膜する段階」において、刊行物1発明の「窒化チタン膜15を成膜するガスで酸化性ガスを含まないガスを導入」することは、刊行物1の摘記事項イの「CVD法によって、窒化チタン膜を成膜する」という記載を参酌すると、「CVD法」による「窒化チタン膜15を成膜するガスで酸化性ガスを含まないガスを導入」することであり、この「CVD法」は、本願の発明の詳細な説明の【0009】段落に記載の「低圧化学気相蒸着(LPCVD)」に対応し、かつ、本願発明1の「蒸着」に相当する。また、刊行物1発明の「前記コンタクトホール14の底部における前記半導体基板11の表面と前記コンタクトホール14の内壁と前記絶縁膜13の上面」は、本願発明1の「半導体基板の全面」に相当し、刊行物1発明では、「半導体基板11の表面を、希ガスによる低エネルギーのECR法プラズマによってエッチング」しているので、刊行物1発明の「半導体基板11」は、プラズマ処理されている。さらに、刊行物1発明の「窒化チタン膜15」と本願発明1の「タングステン窒化薄膜」は、「窒化薄膜」である点で共通する。よって、刊行物1発明の「続いて、窒化チタン膜15を成膜するガスで酸化性ガスを含まないガスを導入して、前記コンタクトホール14の底部における前記半導体基板11の表面と前記コンタクトホール14の内壁と前記絶縁膜13の上面とに前記窒化チタン膜15を成膜する段階」は、本願発明1の「前記プラズマ処理された半導体基板の全面に」「窒化薄膜を蒸着することにより、」「窒化薄膜を形成する段階」に相当する。
すると、本願発明1と刊行物1発明とは、
「半導体基板上にコンタクトホールを有する絶縁膜を形成する段階と、前記絶縁膜が形成された前記半導体基板に対し、不活性ガスを使用したRFプラズマ又はECRプラズマによるプラズマ処理を施す段階と、前記プラズマ処理された半導体基板の全面に窒化薄膜を蒸着することにより、窒化薄膜を形成する段階とを含めてなることを特徴とする半導体装置の製造方法。」である点で一致し、以下の点で相違する。

相違点1
本願発明1は、「前記プラズマ処理された半導体基板の全面にタングステン窒化薄膜を蒸着することにより、表面が滑らかで段差塗布性が良好な前記タングステン窒化薄膜を形成する段階」を備えているのに対して、刊行物1発明は、「窒化チタン膜15を成膜するガスで酸化性ガスを含まないガスを導入して、」「窒化チタン膜15を成膜する」段階を備えている点。

第5 当審の判断
以下において、相違点1について検討する。
(a)刊行物2の摘記事項アには、「接続孔3を含む酸化シリコン膜2の表面に窒化チタン膜4を形成して表面を被覆する。」(【0011】段落)ことが、記載されており、また、刊行物2の摘記事項イには、「窒化チタン膜の代りに」「窒化タングステン膜を用いても良い。」(【0017】段落)ことが、記載されている。
また、障壁金属層、すなわち、バリア層として、「窒化チタン」と「窒化タングステン」は、いずれも、周知の材料である。
(b)例えば、以下の周知文献1,2に記載されているように、半導体装置の製造方法において、障壁金属層、すなわち、バリア層として、窒化タングステン膜をCVD法により形成することは、周知技術である。
なお、CVD法は、本願発明1の「蒸着」に相当する。
(c-1)周知文献1.特開平5-129231号公報(原審の拒絶理由通知に引用)(図1?図3、図5、図6、及び、【0007】、【0010】、【0012】、【0014】、【0015】段落参照)には、「【0007】・・・窒化タングステン膜は、TiN,TiW膜と同様に高融点で緻密であり、Si基板とのオーミック接触も容易に得られるために、Al,Cu等の低抵抗金属のバリア層として用いることもできる。」、「【0010】その後に、図2に示す様に、NH_(3) ,WF_(6) ,H_(2) を用いた低圧CVD法により、形成温度400℃で窒化タングステン膜3を全面に厚さ5-50nm堆積させた。」こと、「【0012】・・・窒化タングステン膜3は、厚さ5nmでも接着層およびバリア層としての機能は十分・・・」、「【0014】・・・直径0.5μm のコンタクト孔hを形成した。 【0015】次に、図6に示す様に、HF溶液でコンタクト底部の自然酸化膜をエッチングした後、低圧CVD法により形成温度600℃で窒化タングステン膜3を20nm、全面に堆積させた。」ことが、記載されている。
(c-2)周知文献2.特開平6-314776号公報(原審の拒絶理由通知に引用)(図3、図4、及び、【0018】、【0031】段落参照)には、「【0018】また、本発明の第4、第5の発明に係るキャパシタ構造においては、ドープドポリSi層上に、段差被覆性の優れたCVD法により金属窒化物膜を下部電極として形成するので、プレーナ構造以外の電極の側壁をも使用するような複雑な電極構造にも対応することが可能となり、単位平面積当たりのキャパシタ容量の増大が図れる。更に、この金属窒化物膜は比抵抗が小さく、しかも酸素のバリア層として機能するので、多結晶シリコン層上に低誘電率のシリコン酸化膜が形成されることがなく、ペロブスカイト誘電体膜の高い誘電率による高いキャパシタ容量はそのまま維持される。」、「【0031】・・・次に、下部電極として金属窒化物である4の窒化チタン膜をCVD法で形成した後(図4(e))、ドライエッチングでパターニングすると図4(f) のようになる。この時、金属窒化物として、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウム、窒化バナジウム、窒化ニオブ、窒化タンタル、窒化クロム、窒化モリブデン、窒化タングステン、窒化パラジウムを用いることも可能である。」ことが、記載されている。
(d)刊行物1には、「コンタクトホール14の底部における半導体基板11の表面には、極薄い酸化膜31が形成される。」(【0016】段落)こと、「希ガス」による「ECR」「法による」「ソフトエッチング」によって、「極薄い酸化膜31」「を除去する」(【0021】、【0024】、【0028】段落)こと、その後に、「窒化チタン膜を成膜するガスで酸化性ガスを含まないガスを導入する。」(【0029】段落)ことが、記載されている。
そして、上記(a)に記載のように、刊行物2には、「窒化チタン膜の代りに」「窒化タングステン膜を用いても良い。」ことが記載され、また、障壁金属層、すなわち、バリア層として、「窒化チタン」と「窒化タングステン」は、いずれも、周知の材料であり、かつ、上記(b)に記載のように、窒化タングステン膜をCVD法により形成することも、周知技術であり、窒化タングステン膜をCVD法により形成する際にも、刊行物1発明と同様に、コンタクトホールの底部における半導体基板の表面の極薄い酸化膜を除去する処理を行うのが自然である。よって、半導体基板の表面の極薄い酸化膜の除去を、希ガスによるECR法プラズマによるソフトエッチングを用いて行っている刊行物1発明において、障壁金属層(バリア層)として「窒化チタン膜15」の代わりに「窒化タングステン膜」を採用することに格別の阻害要因は認められない。
(e)刊行物1発明の「前記コンタクトホール14の底部における前記半導体基板11の表面を、希ガスによる低エネルギーのECR法プラズマによってエッチングする段階」により、「半導体基板11の表面」のみならず、「コンタクトホール14」の内壁や「絶縁膜」の表面の汚染物質等も除去されることは明らかであるから、少なくとも、刊行物1発明の「前記コンタクトホール14の底部における前記半導体基板11の表面を、希ガスによる低エネルギーのECR法プラズマによってエッチングする段階」を行うと、それ以前よりは、「コンタクトホール14」の内壁や「絶縁膜」の表面が、一般的には滑らかになるものであり、形成されるどのような窒化薄膜の表面も、より滑らかになることは明らかである。
また、本願の図面の図3と図4を参照すると、本願発明1の「プラズマ処理を施」した、図4では、コンタクトホールの入口の角部分が、テーパー形状になっているので、図3と比較して、どのような窒化薄膜を形成した場合でも、段差塗布性がより良好になることが明らかであるが、刊行物1発明の「希ガスによる低エネルギーのECR法プラズマによってエッチングする」処理は、本願発明1の「プラズマ処理」と同等の処理であるから、当然ながら、刊行物1発明においても、上記処理によって、本願の図面の図4のように、コンタクトホール14の入口の角部分が、ある程度テーパー形状化するものと認められる。
よって、事前にプラズマ処理を行えば、どのような窒化薄膜を成膜した場合でも、表面がより滑らかになり、段差塗布性が良好になると認められるから、本願発明1の「表面が滑らかで段差塗布性が良好な」点は、「窒化チタン膜15」の代わりに「窒化タングステン膜」を採用したことによる特有の効果とは認められない。
(f)すると、刊行物1発明の「続いて、窒化チタン膜15を成膜するガスで酸化性ガスを含まないガスを導入して、前記コンタクトホール14の底部における前記半導体基板11の表面と前記コンタクトホール14の内壁と前記絶縁膜13の上面とに前記窒化チタン膜15を成膜する段階」の「窒化チタン膜15」の代わりに、上記(a)に記載のように、「窒化タングステン膜」を採用し、上記(b)に記載の周知技術である、窒化タングステン膜をCVD法により形成することを用い、また、上記(d)及び(e)の記載も考慮して、刊行物1発明が、本願発明1のごとく、「前記プラズマ処理された半導体基板の全面にタングステン窒化薄膜を蒸着することにより、表面が滑らかで段差塗布性が良好な前記タングステン窒化薄膜を形成する段階」を備えるようにすることは、当業者が適宜なし得たことである。

したがって、本願の請求項1に係る発明は、刊行物1及び2に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

第6 むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本願の他の請求項に係る発明についての検討をするまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2009-05-19 
結審通知日 2009-05-21 
審決日 2009-06-02 
出願番号 特願平8-337496
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 國島 明弘  
特許庁審判長 橋本 武
特許庁審判官 河合 章
安田 雅彦
発明の名称 半導体装置の製造方法  
代理人 服部 雅紀  

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