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審決分類 |
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G02B 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G02B |
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管理番号 | 1206095 |
審判番号 | 不服2008-590 |
総通号数 | 120 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2009-12-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2008-01-10 |
確定日 | 2009-10-29 |
事件の表示 | 平成11年特許願第 27456号「光学ヘッド用光学系」拒絶査定不服審判事件〔平成12年 8月11日出願公開、特開2000-221445〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成11年2月4日に特許出願したものであって、平成19年11月7日付けで手続補正がなされたが、同年12月6日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成20年1月10日付けで拒絶査定不服審判請求がなされた後、同年1月25日付けで手続補正(以下「本件補正」という。)がなされたものである。 第2 本件補正についての却下の決定 1 結論 本件補正を却下する。 2 理由 (1)補正の内容 本件補正は、特許請求の範囲につき、補正前(平成19年11月7日付け手続補正後のもの。)の請求項1及び請求項10を新たな請求項1及び請求項9として、 「【請求項1】 樹脂で形成され、光軸を一致させたレンズを両端に有するレンズ体を、光軸に対して垂直な方向に配列した2n(n:正の整数)枚のレンズアレイと、 黒色のプラスチックで構成され、各レンズアレイ間で対向するレンズ以外からの光を遮断する遮断手段と、 前記レンズの焦点距離に応じて各レンズアレイを所定の距離に保つように、前記2n枚の前記レンズアレイと前記遮断手段とを挟持するレンズ筺体と を備え、 前記2n枚の前記レンズアレイが、前記光軸方向に配列され、 前記遮断手段の光軸方向の両端面に前記レンズアレイがそれぞれ配列され、 1200dpi以上の解像度に対応するピッチで配列された光源からの光を結像することを特徴とする光学ヘッド用光学系。」 及び 「【請求項9】 LED素子を有するLEDアレイが実装されてホルダに取り付けられた基板と、前記LEDアレイからの光を集光させるため前記ホルダに取り付けられた光学系とを備えるLEDアレイヘッドであって、 前記光学系は、 樹脂で形成され、光軸を一致させたレンズを両端に有するレンズ体を、光軸に対して垂直な方向に配列した2n(n:正の整数)枚のレンズアレイと、 黒色のプラスチックで構成され、各レンズアレイ間で対向するレンズ以外からの光を遮断する遮断手段と、 前記レンズの焦点距離に応じて各レンズアレイを所定の距離に保つように、前記2n枚の前記レンズアレイと前記遮断手段とを挟持するレンズ筺体と を備え、 前記2n枚の前記レンズアレイが、前記光軸方向に配列され、 前記遮断手段の光軸方向の両端面に前記レンズアレイがそれぞれ配列され、 1200dpi以上の解像度に対応するピッチで配列された光源からの光を結像することを特徴とするLEDヘッドアレイ。」 に補正する内容を含むものである。 (2)補正の目的 上記(1)の補正の内容は、補正前の請求項1及び請求項10における、2n枚の「レンズアレイを所定の距離に保つように」する手段が、2n枚のレンズアレイと遮断手段とを挟持するレンズ筺体であることを特定するとともに、補正前の請求項10における「基板」と「光学系」とが「ホルダに取り付けられた」ものであることを特定するものであるから、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法(以下「平成18年改正前特許法」という。)第17条の2第4項第2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当すると認められる。 (3)独立特許要件 ア 本件補正後の請求項1に係る発明について 本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本願補正発明1」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかについて検討する。 (ア)刊行物の記載 原査定の拒絶の理由に引用した、この出願前に頒布された刊行物である特開昭56-74207号公報(以下「引用例」という。)には、以下の記載がある。 a 「この発明は複写機等の光学結像素子として用いられる板状レンズアレイに係り、特にレンズアレイ長を調節可能とした板状レンズアレイに関する。」(1頁左下欄11行?13行)、 「第1図は各板状レンズアレイ10をその長手方向に接続した状態を示す図であり、板状レンズアレイ10は多数のレンズエレメント11,12を列状に配列し、板状に一体成形したものである。図示例ではレンズエレメント11,12を2列に交互に配列した例を示す。板状レンズアレイ10は、アクリル樹脂等のプラスチック材料あるいはガラス材料を素材とする。・・・ 一方、レンズアレイエレメント11,12は第2図乃至第4図に示すように共通軸線13上に配列された複数枚のレンズを組み合せた公知のもので、等倍正立実像を作像するようになつている。このうち、第2図は2枚のレンズ14を、・・・組み合せた例を示す。」(2頁左上欄3行?右上欄2行)。 b 板状レンズアレイに組み込まれるレンズアレイエレメントを示す原理図である第2図から、レンズアレイエレメント11,12であるレンズ14は、共通軸線13と光軸が一致する凸状のレンズを両端に有するレンズであることがみてとれる。 また、第2図と合わせて第1図をみると、板状レンズアレイ10のレンズアレイエレメント11,12は、共通軸線13に対して垂直な方向に配列されることが理解できる。 c さらに、上記aによれば、第2図に示される2枚のレンズ14は、第1図に示されるレンズアレイエレメント11,12を構成するものと認められるところ、第6図(A)及び(B)をみると、板状レンズアレイ10に配列されたレンズアレイエレメント11,12は、第2図において、共通軸線13上に配列される2枚のレンズのうちの1枚のレンズを構成するものであることが理解でき、このことを踏まえて第2図をみると、2枚のレンズ14が共通軸線13上に配列されるように2枚の板状レンズアレイ10が配置されることが理解できる。 (イ)引用発明 上記(ア)によれば、引用例には、次の発明が記載されているものと認められる。 「アクリル樹脂等のプラスチック材料を素材とし、光軸が共通軸線13と一致する凸状のレンズを両端に有するレンズ14で構成される多数のレンズアレイエレメント11,12を、共通軸線13に対して垂直な方向に列状に配列し、板状に一体成形した板状レンズアレイ10を備え、2枚の前記レンズ14が共通軸線13方向に配列されるように、2枚の前記板状レンズアレイ10が配置され、等倍正立実像を作像するようになっている、複写機等に用いられる光学的結像素子。」(以下「引用発明」という。) (ウ)対比 本願補正発明1と引用発明とを対比する。 a 引用発明の「凸状のレンズ」の「光軸」は「共通軸線13と一致する」ものであるから、引用発明の「共通軸線13」は、本願補正発明1の「光軸」に相当し、引用発明の「光軸が共通軸線13と一致する凸状のレンズを両端に有するレンズ14」は、本願補正発明1の「光軸を一致させたレンズを両端に有するレンズ体」に相当する。 そして、引用発明の「板状レンズアレイ10」は、「アクリル樹脂等のプラスチック材料を素材とし、光軸が共通軸線13と一致する凸状のレンズを両端に有するレンズ14で構成される多数のレンズアレイエレメント11,12を、共通軸線13に対して垂直な方向に列状に配列し、板状に一体成形した」ものであるから、「樹脂で形成され、光軸を一致させたレンズを両端に有するレンズ体を、光軸に対して垂直な方向に配列」した、本願補正発明1の「レンズアレイ」に相当する。 b 引用発明は、「2枚の前記板状レンズアレイ10が、2枚の前記レンズ14が共通軸線13方向に配列されるように配置され」たものであるから、「2n(n:正の整数)枚のレンズアレイ」を備え、「前記2n枚の前記レンズアレイが、前記光軸方向に配列され」る点において、本願補正発明1と一致する。 c 引用発明の「光学的結像素子」は、本願補正発明1の「光学系」に相当する。 d 以上によれば、両者は、 「樹脂で形成され、光軸を一致させたレンズを両端に有するレンズ体を、光軸に対して垂直な方向に配列した2n(n:正の整数)枚のレンズアレイを備え、前記2n枚の前記レンズアレイが、前記光軸方向に配列された光学系。」 である点で一致し、下記(a)ないし(c)の点で相違するものと認められる。 (a)本願補正発明1は、黒色のプラスチックで構成され、各レンズアレイ間で対向するレンズ以外からの光を遮断する遮断手段を備え、前記遮断手段の光軸方向の両端面に前記レンズアレイがそれぞれ配列されているのに対して、引用発明では、このような構成を有しない点(以下「相違点1」という。)。 (b)本願補正発明1は、レンズの焦点距離に応じて各レンズアレイを所定の距離に保つように、前記2n枚の前記レンズアレイと前記遮断手段とを挟持するレンズ筐体を備えるのに対して、引用発明では、2枚のレンズ14が共通軸線13方向に配列されるように、2枚の板状レンズアレイ10が配置され、等倍正立実像を作像するようになっているものの、レンズ筐体を備えるかどうか不明である点(以下「相違点2」という。)。 (c)光学系が、本願補正発明1は、1200dpi以上の解像度に対応するピッチで配列された光源からの光を結像する光学ヘッド用であるのに対して、引用発明は、複写機等に用いられるものである点(以下「相違点3」という。)。 (エ)判断 a 相違点1について (a)対向するレンズ以外からの光を遮断するために、各レンズアレイ間に、遮光性プラスチックで構成された遮光手段を備え、前記遮光手段の光軸方向の両端面に前記レンズアレイがそれぞれ配列されるようにすることは、本願出願時において周知の技術である(例えば、原査定において、周知例として引用した実願昭59-181757号(実開昭61-9915号)のマイクロフィルムの5頁18行?6頁1行及び第1図(b)、特開昭56-128910号公報の5頁左上欄10行?右上欄10行及び第5図(B)、特開平7-248404号公報の【0014】、【0029】及び図4を参照。)。 また、遮光部材として、黒色のプラスチックを用いることも、本願出願時において周知の技術である(例えば、原査定の拒絶の理由に引用した、特開平1-124801号公報の3頁左上欄5?8行を参照。)。 (b)してみると、上記(a)の各周知技術に基づいて、引用発明における2枚の板状レンズアレイ間に、対向するレンズ以外からの光の入射を遮断するために、「黒色のプラスチックで構成され、各レンズアレイ間で対向するレンズ以外からの光を遮断する遮断手段を備え、前記遮断手段の光軸方向の両端面に前記レンズアレイがそれぞれ配列されている」とする、相違点1に係る本願補正発明1の構成を得ることは当業者が容易になし得る程度のことである。 b 相違点2について 引用発明においては、2枚のレンズ14を共通軸線13方向に、すなわち、光軸上に配列し、等倍正立実像を作像するようにされているのであるから、この2枚のレンズを、その焦点距離に応じて、等倍正立実像を作像するような位置に正確に位置決めする必要があることは自明であり、そのために適宜の保持手段を設けることは、当業者が設計上当然考慮する事項である。 そして、光学系において所望の像を結像させるよう、レンズをレンズの焦点距離に応じて所定の正確な位置に位置決めするためにレンズ筐体を用いることは慣用手段であるから、上記a(b)のとおり、引用発明において「黒色のプラスチックで構成され、各レンズアレイ間で対向するレンズ以外からの光を遮断する遮断手段を備え、前記遮断手段の光軸方向の両端面に前記レンズアレイがそれぞれ配列されている」構成とする際にあっても、「レンズの焦点距離に応じて各レンズアレイを所定の距離に保つように、前記2n枚の前記レンズアレイと前記遮断手段とを挟持するレンズ筐体を備える」とする、相違点2に係る本願補正発明1の構成を得ることは当業者が適宜設計的になし得る程度のことである。 c 相違点3について (a)LEDアレイ等の光源からの光を結像する電子写真方式の光学ヘッドに結像用レンズアレイを用いることは、本願出願時において周知の技術である(例えば、原査定において、周知例として引用した特開昭62-38485号公報の特許請求の範囲を参照。)から、引用発明の光学系を、光源からの光を結像する光学ヘッドに用いることは、当業者が適宜なし得る程度のことである。 (b)しかるところ、本願明細書には、以下の記載がある。 「 【0008】 【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、ロッドレンズアレイの解像度は、高解像度の光学ヘッドに使用するには不十分である。 【0009】 例えば典型的なロッドレンズでは、解像度を示すMTF(ModulationofTransferFunction)が24ライン/mm(609.6ライン/インチ)に対して約40%であり、1200DPI程度の光学ヘッドに使用するには不十分な解像度である。 【0010】 本発明は、上述のような問題点に鑑みてなされたものであり、解像度を向上させた光学ヘッド用光学系を提供することを目的とする。」、 「 【0046】 以上説明したように、この実施形態に係る光学系は、レンズアレイを組み合わせた光学系であるため、従来のロッドレンズアレイに比較して解像度を高くすることができ、例えば1200DPI、2400DPI程度の高解像度の光ヘッドにも使用することができる。」、 「 【0057】 【発明の効果】 本発明に係る光学ヘッド用光学系では、各レンズアレイ内に配置された対応するレンズによって、光源からの光を結像させることにより、従来のロッドレンズアレイを用いた光学系に比較して解像度を向上させることができる。」 (c)上記(b)によれば、本願補正発明1が、1200dpi以上の解像度の光ヘッドにも使用することができるようになったのは、ロッドレンズアレイに変えて、レンズアレイを組み合わせた光学系を用いたことによるものと理解できる。 (d)他方、前記(ウ)dによれば、引用発明も、レンズアレイを組み合わせた光学系である点において、本願補正発明1と変わるところはないから、上記(a)のように、これを光学ヘッドに用いれば、1200dpi以上の解像度に対応できる点においても、本願補正発明1と変わるところはないものといわなければならない。 (e)そして、光学ヘッド用光学系において、解像度を向上させることは一般的に要請されるところであるから、引用発明を光学ヘッドに用いる際に、「1200dpi以上の解像度に対応するピッチで配列された光源からの光を結像する」ようにすることは、当業者が設計上の必要に応じて適宜なし得る程度のことである。 (f)以上の検討によれば、相違点3に係る本願補正発明1の構成とすることは、当業者が適宜なし得る程度のことである。 (オ)小括 以上のとおりであるから、本願補正発明1は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 イ 本件補正後の請求項9に係る発明について 本件補正後の請求項9に係る発明(以下「本願補正発明2」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかについて検討する。 (ア)刊行物の記載及び引用発明 前記ア(ア)及び(イ)のとおりである。 (イ)対比 本願補正発明2と引用発明とを対比するに、前記ア(ウ)で検討したところに照らして、両者は、光学系について、 「樹脂で形成され、光軸を一致させたレンズを両端に有するレンズ体を、光軸に対して垂直な方向に配列した2n(n:正の整数)枚のレンズアレイを備え、前記2n枚の前記レンズアレイが、前記光軸方向に配列された光学系。」 である点で一致し、前記ア(ウ)d(a)及び(b)の相違点1及び相違点2に加えて、次の点で相違するものと認められる。 本願補正発明2は、LED素子を有するLEDアレイが実装されてホルダに取り付けられた基板と、前記LEDアレイからの光を集光させるため前記ホルダに取り付けられた光学系とを備えるLEDアレイヘッドであって、前記光学系が、1200dpi以上の解像度に対応するピッチで配列された光源からの光を結像するのに対して、引用発明は、複写機等に用いられる光学系である点(以下「相違点4」という。)。 (ウ)判断 a 相違点1及び相違点2について 前記ア(エ)a及びbにおいて検討したとおりである。 b 相違点4について (a)前記ア(エ)cのとおり、LEDアレイ等の光源からの光を結像する電子写真方式の光学ヘッドに結像用レンズアレイを用いることは、本願出願時において周知の技術であるから、引用発明の光学系を、LEDアレイヘッドに備えるものとすることは、当業者が適宜なし得る程度のことである。 そして、LEDアレイヘッドにおいて、LED素子を有するLEDアレイを基板に実装することは慣用手段であるところ、光学ヘッドにおいて、LEDアレイとその光を集光させるための光学系は、正確に位置合わせして固定する必要があるから、これらを適宜の手段により固定することは、当業者が設計上当然考慮する事項であり、これらをホルダに取り付けることに格別の困難があるものとは認められない。 (b)さらに、前記ア(エ)c(b)ないし(e)での検討と同様に、引用発明をLEDアレイヘッドに備えるものとする際に、「1200dpi以上の解像度に対応するピッチで配列された光源からの光を結像する」ようにすることは、当業者が設計上の必要に応じて適宜なし得る程度のことである。 (c)以上の検討によれば、相違点4に係る本願補正発明1の構成とすることは、当業者が適宜なし得る程度のことである。 (エ)小括 以上のとおりであるから、本願補正発明2は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 ウ まとめ 以上のとおり、本願補正発明1及び本願補正発明2は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 したがって、本件補正は、平成18年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであるから、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1 本願発明 上記のとおり、本件補正は却下されたので、本願の請求項に係る発明は、平成19年11月7日付けで補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし請求項18に記載された事項によって特定されるものであるところ、請求項1及び請求項10に係る発明は、次のとおりのものである(以下、請求項1に係る発明を「本願発明1」といい、請求項10に係る発明を「本願発明2」という。)。 「【請求項1】 樹脂で形成され、光軸を一致させたレンズを両端に有するレンズ体を、光軸に対して垂直な方向に配列した2n(n:正の整数)枚のレンズアレイと、 黒色のプラスチックで構成され、各レンズアレイ間で対向するレンズ以外からの光を遮断する遮断手段とを備え、 前記2n枚の前記レンズアレイが、前記光軸方向に配列され、 前記レンズの焦点距離に応じて各レンズアレイを所定の距離に保つように、前記遮断手段の光軸方向の両端面に前記レンズアレイがそれぞれ配列され、 1200dpi以上の解像度に対応するピッチで配列された光源からの光を結像することを特徴とする光学ヘッド用光学系。」 「【請求項10】 LED素子を有するLEDアレイが実装された基板と、前記LEDアレイからの光を集光させる光学系とを備えるLEDアレイヘッドであって、 前記光学系は、 樹脂で形成され、光軸を一致させたレンズを両端に有するレンズ体を、光軸に対して垂直な方向に配列した2n(n:正の整数)枚のレンズアレイと、 黒色のプラスチックで構成され、各レンズアレイ間で対向するレンズ以外からの光を遮断する遮断手段とを備え、 前記2n枚の前記レンズアレイが、前記光軸方向に配列され、 前記レンズの焦点距離に応じて各レンズアレイを所定の距離に保つように、前記遮断手段の光軸方向の両端面に前記レンズアレイがそれぞれ配列され、 1200dpi以上の解像度に対応するピッチで配列された光源からの光を結像することを特徴とするLEDヘッドアレイ。」 2 判断 (1)本願発明1について 前記第2、2(3)アで検討したとおり、本願発明1に係る特許請求の範囲を減縮したものである本願補正発明1が、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである以上、減縮前の本願発明1も、本願補正発明1と同様の理由により、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 (2)本願発明2について 前記第2、2(3)イで検討したとおり、本願発明2に係る特許請求の範囲を減縮したものである本願補正発明2が、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである以上、減縮前の本願発明2も、本願補正発明2と同様の理由により、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明1及び本願発明2は、引用例に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2009-08-27 |
結審通知日 | 2009-09-01 |
審決日 | 2009-09-14 |
出願番号 | 特願平11-27456 |
審決分類 |
P
1
8・
575-
Z
(G02B)
P 1 8・ 121- Z (G02B) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 河原 正 |
特許庁審判長 |
服部 秀男 |
特許庁審判官 |
里村 利光 田部 元史 |
発明の名称 | 光学ヘッド用光学系 |
代理人 | 前田 実 |
代理人 | 山形 洋一 |