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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 E02D
管理番号 1206189
審判番号 不服2007-31173  
総通号数 120 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-12-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-11-19 
確定日 2009-10-28 
事件の表示 特願2003-356108「多液同時注入システム」拒絶査定不服審判事件〔平成17年 5月12日出願公開、特開2005-120673〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯及び本願発明
本願は、平成15年10月16日の出願であって、平成19年10月19日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年11月19日に審判請求がなされたものである。

そして、その請求項1に係る発明は、平成19年9月10日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものであると認める。
「【請求項1】
複数の注入液をグラウトミキサに接続する注入ポンプから地盤に挿入する注入管に同時に送る際に、圧力検出器、流量検出器、制御弁等を備え、液路を流れてくる注入液の圧力、流量をそれぞれ圧力検出器、流量検出器で検出するとともに、これら検出値に基いて、制御弁の開閉を制御することにより注入液を所望の圧力、流量で液路に送り出すグラウト流量制御装置を、少なくともA液(第1注入液)の注入ポンプから注入管への液路に配設し、グラウト流量制御装置には、グラウトミキサに、余剰の注入液を戻す戻し路を接続し、また、各注入液相互を所望の割合で供給するように前記グラウト流量制御装置を制御するものとして、仕様で定められた混合液の流量設定値と各注入液の混合割合を基にA液の流量設定値を算出し、それに基づいてA液の流量制御を行い、また、A液の流量の測定値とB液(第2注入液)の混合比率を基にB液の流量設定値を算出し、それに基づいてB液の流量制御を行うグラウト流量比率設定装置を設け、余剰の注入液をリターンさせることにより注入圧力を設計値で保持する機能を有し、地盤へのA液の注入量の制御値にB液の注入量を追随させることを特徴とする多液同時注入システム。」
(以下、「本願発明」という。)

2.引用刊行物に記載された発明
刊行物1:特開昭53-61111号公報
刊行物2:特開平6-257132号公報

(1)刊行物1
原査定の拒絶の理由に引用され、本願出願前に頒布された上記刊行物1には、図面とともに、以下の記載がある。
(1a)「本発明は複数種のグラウト素材をコントローラからの指令を受けて合流し、地盤の改良状況に応じたグラウトを自動的に調整して地盤に注入し、これによつて地盤を固結あるいは止水する地盤固結法(複合グラウト工法)ならびにこの方法を実施するための装置に関する。」(2頁右上欄18行?左下欄4行)

(1b)「本装置では、グラウト素材として、任意の反応剤を含む水ガラスグラウト(A液)およびセメント懸濁液、あるいは水ガラスをゲル化させる各種の塩、酸、エステル、グリオキザール等の反応剤水溶液(B液)を用いて説明する。
第1図示の装置は主として、グラウト素材用容器1,1’と、管系統2と、該管系統2に配設された、それぞれ、注入ポンプ3,3’と、コントロール弁4,4’と、流量計5,5’と、圧力計6,6’とを備えてなりさらに、コントローラ7および循環系統R,R’を備えてなる。
容器1にはA液を入れ、容器1’にはB液を入れる。本例では、グラウト素材をA,B液の2種類を使用するから、容器は2個必要とするが、もし、2種以上のグラウト素材を用いるならば、該素材の数に応じて任意の複数個用意する。
管系統2は注入ホース2a,2a’と、Y字管2bと、注入管2cとを直列に連結してなり、注入ホース2a,2a’の各々の一端2a″はそれぞれ容器1,1’と連結され、注入管2cの先端は地盤内に挿入される。
A液は容器1から注入ホース2aを経て、注入ポンプ3の作動によりさらに流量計5およびコントロール弁4、Y字管2bを経て注入管2cに供給され、同時に、B液は容器1’から注入ホース2a’を経て、注入ポンプ3’の作動によりさらに流量計5’およびコントロール弁4’を経て、Y字管2b部分でA液に間けつ的に合流される。
コントロール弁4,4’は遠隔操作によって自在に開閉でき、例えば、電磁弁や電動モーターや、油圧や圧縮空気等で作動する。もちろん、これらを併用することも出来る。本発明は前述の開閉をコントロールからの指令によつて行なう。
たとえば、本装置の場合、コントロール弁4は開いたままに保つが、コントロール弁4’はコントローラ7をセツトすることにより、一定の時間的間隔ごとに開閉を繰り返し、このため、B液は間けつ的にA液に合流する。
コントロール弁4’が閉じると、注入ポンプ3’とコントロール弁4’との聞のB液の圧力が上昇して弁O_(2)が開きB液はリターン管路R_(2)を通じて容器1’に戻り、注入ホース2a’、注入ポンプ3’、リターン管路R_(2)、弁O_(2)、リターン管路R_(2)および容器1’の回路を循環する。このため、B液としてセメント懸濁液のような配合液を用いても、常に循環しているため、セメントが沈澱して注入ポンプ3’が作動しなくなるような心配はない。また、逆にコントロール弁4が閉じたときも前述と同様である。この場合はA液が注入ホース2a、注入ポンプ3、リターン管路R_(1)、弁O_(1)、リターン管路R_(1)、および容器1の回路を循環する。」(3頁右上欄2行?右下欄13行)

(1c)「流量計5,5’および注入圧力計6,6’はいずれも管系統2内の任意の個所に配設され、グラウトの注入圧力および注入速度を測定して地盤の注入状況並びに間接的ではあるが地盤の改良状況に関する情報を把握する。・・・」(4頁左上欄15?19行)

(1d)「コントローラ7は前述の流量計5,5’あるいは注入圧力計6,6’からの注入状況に関する情報を受け、この情報をパルス信号等によつてコントロール弁4,4’に指令する。コントロール弁4,4’では、コントローラ7からの指令を受けコントロール弁4,4’を作動してA液およびB液の合流を自動的に制御しこれによつて地盤の注入状況に応じた所望のグラウトを自動的に調整する。・・・」(4頁右上欄9?17行)

(1e)第1?3図には、コントロール弁4,4’が注入ポンプ3,3’から注入管2cへの管系統2に配設された点、及びリターン管路R_(1),R_(2)は注入ポンプから注入管への液路に接続されている点が示されている。

以上の記載事項(1a)?(1e)から見て、刊行物1には、以下の発明が記載されているものと認められる。(以下、「刊行物1記載の発明」という。)

「複数種のグラウト素材をグラウト素材用容器1,1’に接続する注入ポンプ3,3’から先端が地盤内に挿入される注入管2cに送る際に、
注入圧力計6,6’、流量計5,5’、コントロール弁4,4’を備え、流量計5,5’および注入圧力計6,6’はグラウトの注入圧力および注入速度を測定し、コントローラ7は前述の流量計5,5’あるいは注入圧力計6,6’からの注入圧力および注入速度に関する情報を受け、この情報をコントロール弁4,4’に指令し、コントロール弁4,4’では、コントローラ7からの指令を受けコントロール弁4,4’を作動してA液およびB液の合流を自動的に制御しこれによつて地盤の注入状況に応じた所望のグラウトを自動的に調整し、流量計5,5’および圧力計6,6’はいずれも管系統2内に配設され、コントロール弁4,4’は注入ポンプ3,3’から注入管2cへの管系統2に配設し、
コントロール弁4,4’が閉じると、注入ポンプ3,3’とコントロール弁4,4’との間の圧力が上昇してリターン管路R_(1),R_(2)を通じてA液またはB液は容器1,1’に戻るようにした、複数グラウト工法を実施するための装置。」

(2)刊行物2
原査定の拒絶の理由に引用され、本願出願前に頒布された上記刊行物2には、図面とともに、以下の記載がある。
(2a)「2液硬化性材料のA液とB液とを別々に、リターンを行うことなくポンプ圧送して、吐出手段に至る手前において、吐出手段内において、または吐出手段から吐出された後において合流させ対象領域に対して適用する方法であって、
圧送ポンプと合流個所までの間において、A液およびB液の流量計を別々に設け、A液の流量に応じて、B液の流量を調節して、所定の流量比に制御するとともに、
前記B液の流量調節に際して、流量基準設定値に対して上下限値を設け、その上下限値内を推移するとき、前記流量基準設定値をもって;前記上下限値を外れるとき、前記流量基準設定値の固定を外して流量基準設定値に対する比例積分制御量をもって:B液の圧送ポンプの回転数制御を行うことを特徴とする2液硬化性材料の送給方法。
2液硬化性材料のA液とB液とを別々に、リターンを行うことなくポンプ圧送して、吐出手段に至る手前において、吐出手段内において、または吐出手段から吐出された後において合流させ対象領域に対して適用する設備にあって、
圧送ポンプと合流個所までの間において、A液およびB液の各流量計と、
前記B液の圧送ポンプの回転数制御手段と、
前記各流量計からの信号を受けて前記回転数制御手段へ制御信号を与える自動制御器とを備え:前記自動制御器は、前記A液の流量比として与えられる流量基準設定値に対して上下限値を有し、その上下限値内を推移するとき、前記流量基準設定値をもって;前記上下限値を外れるとき、前記流量基準設定値の固定を外して流量基準設定値に対する比例積分制御量をもって:前記回転数制御手段に対して制御信号を与えるように構成したことを特徴とする2液硬化性材料の送給装置。」(【請求項1】?【請求項2】)

(2b)「【産業上の利用分野】本発明は、軌道バラストの間隙充填、トンネル周囲の空隙充填、軟弱地盤に対する薬液注入などに用いる2液硬化性材料の送給方法とその装置に関する。」(段落【0001】)

(2c)「【実施例】以下本発明を図面を参照しながら前述の軌道路盤のバラストの間隙充填に対するアスファルト乳剤を含む急硬性複合材料の充填を例とする実施例により、さらに詳説する。
1は前述の主材としてのA液のミキサーであり、・・・
・・・A液は、圧送ポンプ7により流量計8および圧送ホース9を経て本発明にいう吐出手段としての、A液とB液を合流混合させる充填混合筒10に導かれる。充填混合筒10の内部にはラインミキサー10aを装備する。・・・
一方、前述の硬化剤としてのB液は、ミキサー20により混合調製された後、圧送ポンプ21から供給流量計22および圧送ホース23を経て、充填混合筒10に導かれ、A液との混合が図られた後、その先端から対象領域に吐出される。
この送液過程において、A液およびB液の各流量計8、22からの流量信号は、・・・その後自動制御器31にも与えられる。また、B液用の圧送ポンプ21に対しては回転数制御手段としてのインバーター32が設けられ、このインバーター32は、自動制御器31からの制御信号を受けて圧送ポンプ21の回転数制御を行うように構成されている。
自動制御器31は次述の動作を行う。すなわち、比率設定器31A、上下限比較器31B、およびPI制御器31Cを内蔵する。そして、B液のA液に対する所定の経時的な比率が比率設定器31Aを介して設定され、・・・」(段落【0022】?【0027】)

以上の記載事項(2a)?(2c)から見て、刊行物2には、以下の発明が記載されているものと認められる。(以下、「刊行物2記載の発明」という。)
「2液硬化性材料のA液とB液とを別々に、ミキサーからポンプ圧送して、吐出手段に至る手前において、吐出手段内において合流させ軟弱地盤に対して薬液注入する設備にあって、
圧送ポンプと合流個所までの間において、A液およびB液の各流量計と、
前記B液の圧送ポンプの回転数制御手段と、
前記各流量計からの信号を受けて前記回転数制御手段へ制御信号を与える自動制御器とを備え、
自動制御器は、B液のA液に対する所定の経時的な比率が設定される比率設定器31A内蔵し、
A液の流量に応じて、B液の流量を調節して、所定の流量比に制御する2液硬化性材料の送給装置。」

3.対比
本願発明と刊行物1記載の発明とを対比すると、
刊行物1記載の発明の「グラウト素材」が、本願発明の「注入液」に相当し、
以下、「注入ポンプ3,3’」が「注入ポンプ」に、
「注入管2c」が「注入管」に、
「注入圧力計6,6’」が「圧力検出器」に、
「流量計5,5’」が「流量検出器」に、
「コントロール弁4,4’」が「制御弁」に、
「管系統2」が「液路」に、
「リターン管路R_(1),R_(2)」が「戻し路」に、
「複数グラウト工法を実施するための装置」が「多液同時注入システム」に、
それぞれ相当する。
また、刊行物1記載の発明の「グラウト素材用容器1、1’」は、本願発明のようにミキサを備えているか不明であるが、本願発明の「グラウトミキサ」とは、「グラウト用容器」である点で共通している。

よって、両者は、
「複数の注入液をグラウト用容器に接続する注入ポンプから地盤に挿入する注入管に同時に送る際に、圧力検出器、流量検出器、制御弁等を備え、液路を流れてくる注入液の圧力、流量をそれぞれ圧力検出器、流量検出器で検出するとともに、これら検出値に基いて、制御弁の開閉を制御することにより注入液を所望の圧力、流量で液路に送り出し、グラウトミキサに、余剰の注入液を戻す戻し路を接続する多液同時注入システム。」
である点で一致し、以下の点で相違している。

(相違点1)
グラウト用容器について、本願発明はミキサを備えた「グラウトミキサ」であるのに対し、刊行物1記載の発明は、ミキサを備えているか不明である点。

(相違点2)
本願発明は、圧力検出器、流量検出器、制御弁等を備えたグラウト流量制御装置を少なくともA液(第1注入液)の注入ポンプから注入管への液路に配設し、該グラウト流量制御装置に戻し路を接続しているのに対し、刊行物1記載の発明は、圧力検出器、流量検出器、制御弁が1つの「グラウト流量制御装置」としてまとめられておらず、また、配設位置も、コントロール弁4、4’は少なくともA液の注入ポンプ3、3’から注入管2cへの液路に配設されているものの、圧力検出器及び流量検出器の配置位置は明確でなく、さらに、戻し路はグラウト流量制御装置に接続されていない点。

(相違点3)
本願発明は、余剰の注入液をリターンさせることにより注入圧力を設定値で保持する機能を有しているのに対し、刊行物1記載の発明は、戻し路を有しているものの、余剰の注入液をリターンさせることにより注入圧力を設定値で保持する機能を有しているものとはいえない点。

(相違点4)
本願発明は、各注入液相互を所望の割合で供給するようにグラウト流量制御装置を制御するものとして、仕様で定められた混合液の流量設定値と各注入液の混合割合を基にA液の流量設定値を算出し、それに基づいてA液の流量制御を行い、また、A液の流量の測定値とB液(第2注入液)の混合比率を基にB液の流量設定値を算出し、それに基づいてB液の流量制御を行うグラウト流量比率設定装置を設け、地盤へのA液の注入量の制御値にB液の注入量を追随させるのに対し、刊行物1記載の発明は、コントロール弁4、4’を作動してA液およびB液の合流を自動的に制御しこれによって地盤の注入状況に応じた所望のグラウトを自動的に調整するコントローラ7を設けているものの、A液の注入量の制御値にB液の注入量を追随させる制御を行うグラウト流量比率設定装置を設けていない点。

4.判断
相違点について検討する。
(相違点1について)
グラウト等の懸濁液を収容する容器にミキサを備えることは、例えば刊行物2にも記載されているように、慣用されている技術であり、この点を刊行物1記載の発明に適用することは、当業者が容易になし得たことである。
よって、上記相違点1にかかる事項は、刊行物1記載の発明及び慣用技術に基づいて、当業者が容易になし得たことである。

(相違点2について)
刊行物1記載の発明も、圧力検出器、流量検出器、制御弁は設けられており、これらの機器を1つにまとめてグラウト流量制御装置とすることは、当業者が適宜なし得たことに過ぎない。
そして、当該装置の配設位置について、刊行物1記載の発明における圧力検出器及び流量検出器も、管系統2内の任意の箇所に配設されるものであること(記載事項(1c)参照。)、及びグラウトの注入圧力を測定していることを勘案すると、これらを含む当該装置を少なくともA液の注入ポンプから注入管への液路に配置することは、当業者が容易に想到し得たことである。
さらに、刊行物1記載の発明のリターン管路R_(1)、R_(2)は、注入ポンプから注入管への液路に接続されている(記載事項(1e)参照。)ことを考慮すると、ここに配置された上記グラウト流量制御装置に、さらにリターン管路R_(1)、R_(2)も接続することも、当業者が容易になし得たことである。
よって、上記相違点2にかかる事項は、刊行物1記載の発明に基づいて、当業者が容易になし得たことである。

(相違点3について)
余剰の注入液をリターンさせて注入圧力を設計値で保持する機能を持たせることは、例えば特許第2548011号、特開平8-209674号公報(従来の技術参照)、特許第3096244号公報等に開示されているように、周知の技術であり、この点を刊行物1記載の発明に適用して、本願発明のようにすることは、当業者が容易になし得たことである。

(相違点4について)
刊行物2には、B液のA液に対する所定の経時的な比率が設定される比率設定器を内蔵した自動制御器を備え、A液の流量に応じて、B液の流量を調節して、所定の流量比に制御する2液硬化性材料の送給装置が記載されており、当該自動制御器が、本願発明の、各注入液相互を所望の割合で供給するように制御するものとして、A液の流量の測定値とB液(第2注入液)の混合比率を基にB液の流量設定値を算出し、それに基づいてB液の流量制御を行うグラウト流量比率設定装置に相当し、刊行物2記載の発明における「A液の流量に応じて、B液の流量を調節して、所定の流量比に制御」した点も、本願発明と同様、地盤へのA液の注入量の制御値にB液の注入量を追随させるものである。
ここで、本願発明の「仕様で定められた混合液の流量設定値と各注入液の混合割合を基にA液の流量設定値を算出し、それに基づいてA液の流量制御を行」った点について、刊行物2には明確には記載されていないが、刊行物2記載の発明も、2液を適切な量注入することが目的であり、その目的を達成するためにB液の流量を調節するものであるが、その前提としてA液の量が予め設定されていることは、当業者であれば自明の事項であり、該設定量に基づいて、A液の流量制御も行うことは、当業者が容易になし得たことである。
よって、上記相違点3にかかる事項は、刊行物1及び2記載の発明に基づいて、当業者が容易になし得たことである。

そして、本願発明の効果は、刊行物1及び2記載の発明、並びに周知・慣用技術から予測することができる程度のことである。

5.むすび
以上のとおり、本願発明は、刊行物1及び2記載の発明、並びに周知・慣用技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、本願の他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本件は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2009-06-29 
結審通知日 2009-07-21 
審決日 2009-08-05 
出願番号 特願2003-356108(P2003-356108)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (E02D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 苗村 康造郡山 順  
特許庁審判長 伊波 猛
特許庁審判官 草野 顕子
宮崎 恭
発明の名称 多液同時注入システム  
代理人 久保 司  
代理人 久保 司  

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