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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04L 審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 H04L |
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管理番号 | 1206283 |
審判番号 | 不服2007-22141 |
総通号数 | 120 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2009-12-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2007-08-09 |
確定日 | 2009-10-29 |
事件の表示 | 平成10年特許願第 83384号「カラオケ装置」拒絶査定不服審判事件〔平成11年10月15日出願公開、特開平11-284680〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成10年3月30日の出願であって、平成18年8月9日付けで拒絶理由が通知され、同年10月23日付けで手続補正がされ、平成19年1月5日付けで拒絶理由が通知され、同年3月19日付けで手続補正がされたが、同年7月6日付けで拒絶査定され、これに対し、同年8月9日に拒絶査定不服の審判が請求され、同年9月10日付けで手続補正がされたものである。 第2 平成19年9月10日付け手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成19年9月10日付け手続補正を却下する。 [理由] (1)本件補正 平成19年9月10日付け手続補正(以下、「本件補正」という。)による特許請求の範囲は、以下のとおりである。 (補正後) 「【請求項1】 周辺機器又は周辺デバイスとの接続形態を任意に設定可能な複数の単位回路を有するインタフェースと、 前記接続形態を決定する回路構成情報をオンラインでダウンロードしてメモリに書き込むダウンロード手段と、 回路構成情報に基づいて、前記複数の単位回路の接続形態を変更する変更手段と、を備え、 前記ダウンロード手段は、周辺機器又は周辺デバイスの仕様の確定後、該仕様に応じて前記複数の単位回路の接続形態が変更される際に、その確定後の周辺機器又は周辺デバイスとの接続形態に応じた回路構成情報をメモリから読み出すことを特徴とするカラオケ装置。」 一方、本件補正前の特許請求の範囲は、平成19年3月19日付け手続補正による以下のとおりである。 (補正前) 「【請求項1】 周辺機器又は周辺デバイスとの接続形態を任意に設定可能な複数の単位回路を有するインタフェースと、 前記接続形態を決定する回路構成情報をオンラインでダウンロードするダウンロード手段と、 該回路構成情報に基づいて、前記複数の単位回路の接続形態を変更する変更手段と、を備え、 前記ダウンロード手段は、周辺機器又は周辺デバイスが変更される際に、その変更後の周辺機器又は周辺デバイスの接続形態に応じた回路構成情報をダウンロードすることを特徴とするカラオケ装置。」 したがって、本件補正は、以下の補正事項a.乃至c.を含むものである。 a.「ダウンロード手段」に関し、旧請求項1に記載した発明特定事項である「ダウンロードする」に、「メモリに書き込む」を追加して、新請求項1の「ダウンロードしてメモリに書き込む」に変更する補正。 b.「回路構成情報」に関し、旧請求項1に記載した発明特定事項である「該回路構成情報」から、「該」を削除する補正。 c.「ダウンロード手段」に関し、旧請求項1に記載した発明特定事項である「周辺機器又は周辺デバイスが変更される際に、その変更後の周辺機器又は周辺デバイスの接続形態に応じた回路構成情報をダウンロードする」を、新請求項1の「周辺機器又は周辺デバイスの仕様の確定後、該仕様に応じて前記複数の単位回路の接続形態が変更される際に、その確定後の周辺機器又は周辺デバイスとの接続形態に応じた回路構成情報をメモリから読み出す」に変更する補正。 (2)特許法第17条の2第4項に適合するかについての検討 上記補正事項a.及びc.は、「ダウンロード手段」のダウンロードのタイミングを「周辺機器又は周辺デバイスが変更される際に」と規定していたが、「メモリから読み出す」に変更し、また、上記補正事項b.は、「変更手段」が参照する「回路構成情報」に関し、補正前は、「ダウンロード手段」がダウンロードした「回路構成情報」と限定していたものを、補正後は当該限定を省いて、任意の「回路構成情報」と拡張し、特許請求の範囲を実質的に変更又は拡張するものであり、補正前の旧請求項1に記載した発明特定事項を限定するものであるということはできないから、特許請求の範囲の限定的減縮に該当しない。 また、上記補正事項a.乃至c.は、明らかに、請求項の削除に該当しない。さらに、誤った記載をその本来の意味内容に正すのもでもなく、不明りょうな記載についてその本来の意味内容を明らかにするものであるとも認められないから、誤記の訂正にも明りょうでない記載の釈明にも該当しない。 したがって、上記補正事項a.乃至c.は、特許法第17条の2第4項各号に掲げられた事項を目的とするものでないから、本件補正は、特許法第17条の2第4項の規定を満たすものではない。 (3)むすび したがって、本件補正は、平成14年法律第24号改正附則第2条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について (1)本願発明 平成19年9月10日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成19年3月19日付け手続補正による明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された以下のものと認める。 「【請求項1】 周辺機器又は周辺デバイスとの接続形態を任意に設定可能な複数の単位回路を有するインタフェースと、 前記接続形態を決定する回路構成情報をオンラインでダウンロードするダウンロード手段と、 該回路構成情報に基づいて、前記複数の単位回路の接続形態を変更する変更手段と、を備え、 前記ダウンロード手段は、周辺機器又は周辺デバイスが変更される際に、その変更後の周辺機器又は周辺デバイスの接続形態に応じた回路構成情報をダウンロードすることを特徴とするカラオケ装置。」 (2)引用発明 A 原審の拒絶の理由に引用された特開平9-204275号公報(以下、「引用例1」という。)には、「プリンタ装置」として、図面とともに以下の事項が記載されている。 イ.「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、プリンタ装置、より詳細には、レーザプリンタ,インテリジェント複写機,インテリジェントファクシミリ装置等における画像処理装置(コントローラ),画像形成装置(エンジン),操作部(操作パネル)等に関する。」(4頁5欄) ロ.「【0030】 【発明の実施の形態】図1は、請求項1乃至6の発明の目的を達成するため、ホストコンピュータからダウンロードする手段を備えたコントローラの一実施例を説明するためのブロック図で、図中、100はコントローラ、11はCPUで、該CPU11はプログラムROM14のプログラム、操作パネル20からのモード指示、ホストコンピュータからの情報によってコントローラ全体を制御する。12はフォントデータを外部から供給するメモリカード、13は操作パネル20からのモード指示の内容などを記憶しておく不揮発性の記憶媒体(NVRAM)である。14はコントローラの制御プログラムが格納されているBOOTROM、15はフォントのパターンデータなどを記憶するROM、16はワークメモリ、入力データのインプットバッファ,プリントデータのページバッファ,ダウンロード・データ用の書き換え可能な記憶媒体(RAM)である。17はエンジン18とコマンド、及び、ステータスや印字データ,ダウンロード・データの通信を行うエンジンインタフェース、18は実際に印字を行うエンジンである。また、エンジンの制御ブログラムは、書き替え可能な不揮発性のROMである。19は操作パネル20とコマンド、及び、ステータス,ダウンロード・データの通信を行うパネルインタフェースである。また、操作パネルの制御プログラムは、書き替え可能な不揮発性のROMである。 【0031】20は使用者に現在のプリンタの状態を知らせたり、モード指示,ダウンロード指示を行ったりする操作パネルである。21はホストコンピュータ22と通信を行うホストインタフェースであり、通常は、セントロI/FやRS232Cである。22はプリンタの上位装置であるホストコンピュータ、23はディスク装置24と通信を行うためのディスクインタフェース、24はフォントデータや、ダウンロード・プログラムや、印字データなどの様々のデータを記憶しておくディスク装置で、フロッピ・ディスク・ドライブユニットやハード・ディスク・ドライブユニットなどである。25はCPU11の内部バス、26は拡張インタフェース,拡張メモリ等の拡張ボードとのデータ通信を行うインタフェース、27は拡張インタフェース,拡張メモリ等の拡張ボードである。 【0032】本発明においては、予めプリンタ装置のコントローラ部、及び、内部制御基板部の実効プログラム,エミュレーションプログラム,内部制御基板のプログラマブル・ゲート・アレー等の回路情報等を記憶する記憶媒体を持つホストコンピュータ22と同一通信網に接続されたプリンタ装置からホストコンピュータ22に対してダウンロード・データの転送指示(予めホストコンピュータ22-コントローラ100間によって定められた制御コマンド)によってRAM16にダウンロードを行う。なお、このダウンロード・データに付随する種々の情報によってシステム装置内の機能,作用,効果が大きく異なる。 【0033】(請求項1の発明)コントローラ部のシステムプログラムを同一通信網に接続されたホストコンピュータ22からダウンロードして、コントローラ部の基本制御,対応するシステム制御,対応するインタフェース制御を変更し、もって、コントローラ部のシステムプログラムをバージョンアップすることで、既存のシステムプログラムのバグの修正を行うようにしたものである。また、新規に開発される拡張インタフェース・ボード,拡張メモリとの通信制御手段、及び、制御手段への対応を行う。」(8頁14欄?9頁15欄) ハ.「【0038】(請求項6の発明)プログラマブル・ゲート・アレーの回路情報を同一通信網に接続されたホストコンピュータ22からダウンロードして、内部回路の基本制御,対応するインタフェース制御,拡張インタフェース制御を変更し、もって、内部プログラマブル・ゲート・アレーの回路情報をバージョンアップすることで、既存の内部回路のバグの修正を行うようにしたものである。また、各種のホストコンピュータに応じてセントロニクス・インタフェース回路の変更を行う。」(9頁16欄) 上記引用例1の記載及び図面ならびにこの分野における技術常識を考慮すると、上記摘記事項イ.、ロ.の【0031】における「26は拡張インタフェース,拡張メモリ等の拡張ボードとのデータ通信を行うインタフェース、27は拡張インタフェース,拡張メモリ等の拡張ボードである。」との記載、及び図1によれば、プリンタ装置は、拡張インタフェース(26)を備えている。また、上記摘記事項ロ.の【0033】、及び上記摘記事項ハ.の【0038】における「対応するインタフェース制御,拡張インタフェース制御を変更し、もって、内部プログラマブル・ゲート・アレーの回路情報をバージョンアップする」との記載、また、プログラマブル・ゲート・アレーは、その内部に回路としては、複数の汎用的な単位回路を含むことが技術常識であることを考慮すると、拡張インタフェース(26)は、拡張ボード(27)との接続形態を任意に設定可能な複数の単位回路を有していることが読み取れる。 また、上記摘記事項ロ.の【0030】における「100はコントローラ、11はCPUで、該CPU11はプログラムROM14のプログラム、操作パネル20からのモード指示、ホストコンピュータからの情報によってコントローラ全体を制御する。」との記載、【0032】の記載、上記摘記事項ハ.の【0038】の記載、及び図1によれば、CPU(11)は、接続形態を決定するプログラマブル・ゲート・アレーの回路情報をオンラインでダウンロードしているから、これをダウンロード手段ということができる。 また、上記摘記事項ロ.の【0033】、及び上記摘記事項ハ.の【0038】における「プログラマブル・ゲート・アレーの回路情報を同一通信網に接続されたホストコンピュータ22からダウンロードして、内部回路の基本制御,対応するインタフェース制御,拡張インタフェース制御を変更し、もって、内部プログラマブル・ゲート・アレーの回路情報をバージョンアップする」との記載を参酌すれば、CPU(11)は、プログラマブル・ゲート・アレーの回路情報に基づいて、複数の単位回路の接続形態を変更しているから、これを変更手段ということができる。 また、上記摘記事項ロ.の【0033】における「・・・また、新規に開発される拡張インタフェース・ボード,拡張メモリとの通信制御手段、及び、制御手段への対応を行う。」、及び上記摘記事項ハ.の【0038】の記載によれば、前記ダウンロード手段は、拡張ボード(27)が変更される、その変更後の拡張ボード(27)の接続形態に応じたプログラマブル・ゲート・アレーの回路情報をダウンロードしていることが読み取れる。 したがって、引用例1には、以下の発明(以下、「引用発明1」という)が記載されている。 「拡張ボード(27)との接続形態を任意に設定可能な複数の単位回路を有する拡張インタフェース(26)と、 前記接続形態を決定するプログラマブル・ゲート・アレーの回路情報をオンラインでダウンロードするダウンロード手段と、 該プログラマブル・ゲート・アレーの回路情報に基づいて、前記複数の単位回路の接続形態を変更する変更手段と、を備え、 前記ダウンロード手段は、拡張ボード(27)が変更される、その変更後の拡張ボード(27)の接続形態に応じたプログラマブル・ゲート・アレーの回路情報をダウンロードするプリンタ装置。」 B 原審の拒絶の理由に引用された特開平10-78781号公報(以下、「引用例2」という。)には、「カラオケ装置」として、図面とともに以下の事項が記載されている。 ニ.「【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、カラオケ演奏時に拍手など各種の効果音を発音することのできるカラオケ装置に関する。」(2頁1欄) ホ.「【0010】 【発明の実施の形態】図1はこの発明の実施形態である効果音発生機能を備えたカラオケ装置のブロック図である。このカラオケ装置は、曲を予約する赤外線リモコンであるコマンダ3に3つの効果音キー333a?333cを備えており、これらのキーをオンすることによって、爆発音や拍手などの効果音を任意のタイミングに発生することができる。効果音は図5に示すように30種類程度が記憶されており、そのうち3つないし3グループを利用者のアサイン操作によって上記3つの効果音キーにアサインすることができる。 【0011】装置全体の動作を制御するCPU10には、バスを介してROM11、RAM12、ハードディスク記憶装置(HDD)14、通信制御部15、リモコン受信部16,表示パネル17、パネルスイッチ18、音源装置19、音声データ処理部20、DSP21、コントロールアンプ22、文字表示部23、LDチェンジャ24および表示制御部25が接続されている。また、コントロールアンプ22には歌唱用のマイク27が接続されており、コントロールアンプ22はスピーカ26を駆動する。表示制御部25にはモニタ28が接続されている。このうち、コントロールアンプ22,スピーカ26,ボーカル用マイク27,モニタ28および赤外線リモコンであるコマンダ3はカラオケ装置本体とは別体となっている。 【0012】前記ROM11には、システムプログラムなどが記憶されている。システムプログラムは、この装置の基本動作や周辺機器とのデータ送受を制御するプログラムである。RAM12には、図4(A)に示すように、実行プログラム記憶エリア121,実行データ記憶エリア122,実行効果音記憶エリア123およびアサインテーブル124が設定されている。実行プログラム記憶エリア121には、カラオケ演奏を実行するためのシーケンスプログラムなどが記憶される。シーケンスプログラムは装置の立ち上げ時にHDD14から読み込まれる。実行データ記憶エリア122には演奏される楽曲データ(カラオケ演奏データ)がHDD14から読み出し記憶される。シーケンスプログラムは、実行データ記憶エリア122に読み出されている楽曲データをクロック信号に基づいて音源装置19や文字表示部23などに順次出力することにより、楽音信号の発生や歌詞の表示などを行うプログラムである。また、アサインテーブルはこのカラオケ装置に付属するコマンダ3の効果音キー333a?333cにアサインされた効果音の番号を記憶するテーブルであり、実行効果音記憶エリア123はこのアサインされた効果音データを記憶するエリアである。 【0013】通信制御部15は、電話回線を介してセンタと交信する装置であり、センタからカラオケ演奏のための楽曲データ、CMや上記効果音のアサイン変更機能などを実行するICMデータ、上記効果音データそのものなどをダウンロードする。通信制御部15はDMA回路を内蔵しており、ダウンロードされた上記データをCPU10を介さずに直接HDD14に書き込むことができる。HDD14には、図4(B)に示すように楽曲データフォルダ141,ICMデータフォルダ142,効果音データフォルダ143およびアプリケーションプログラムフォルダ144が設定されている。楽曲データフォルダ141には数千曲?1万曲程度の楽曲データが記憶される。ICMデータフォルダ142には各種のICMデータが記憶される。ICMデータは楽曲データとほぼ同様のフォーマットのデータでカラオケ演奏の代わりに、カラオケ装置上で曲の検索や効果音の選択などの各種機能を実現するスクリプトデータである。効果音データフォルダ143には図5に示すように約30種類の効果音データが記憶されている。効果音データはADPCMデータであり、D/Aコンバータである音声データ処理部20によって再生される。アプリケーションプログラムフォルダ144には上述のシーケンスプログラムやセンタから各種データをダウンロードするためのロードプログラムなどが記憶されている。」(2頁2欄?3頁4欄) 上記引用例2の記載及び図面ならびにこの分野における技術常識を考慮すると、上記摘記事項ニ.、ホの【0013】における「通信制御部15は、電話回線を介してセンタと交信する装置であり、センタからカラオケ演奏のための楽曲データ、CMや上記効果音のアサイン変更機能などを実行するICMデータ、上記効果音データそのものなどをダウンロードする。通信制御部15はDMA回路を内蔵しており、ダウンロードされた上記データをCPU10を介さずに直接HDD14に書き込むことができる。」との記載、及び図1によれば、カラオケ装置は、通信制御部(15)により、カラオケ演奏のための楽曲データ、CMや上記効果音のアサイン変更機能などを実行するICMデータ、上記効果音データそのものなどをオンラインでダウンロードしているから、これをダウンロード手段ということができる。また、カラオケ演奏のための楽曲データ、CMや上記効果音のアサイン変更機能などを実行するICMデータ、上記効果音データそのものなどは、情報ということができる。 したがって、引用例2には、以下の発明(以下、「引用発明2」という)が記載されている。 「情報をオンラインでダウンロードするダウンロード手段を備える、 カラオケ装置。」 (3)対比・判断 そこで、本願発明と引用発明1とを対比すると、 a.引用発明1の「拡張ボード(27)」は、周辺機器又は周辺デバイスの一種である。 b.引用発明1の「拡張インタフェース(26)」は、本願発明の「インタフェース」に相当する。 c.引用発明1の「プログラマブル・ゲート・アレーの回路情報」は、本願発明の「回路構成情報」に相当する。 d.引用発明1の「プリンタ装置」と、本願発明の「カラオケ装置」とは、いずれも、「装置」という点で一致する。 したがって、本願発明と引用発明1は、以下の点で一致ないし相違している。 <一致点> 「周辺機器又は周辺デバイスとの接続形態を任意に設定可能な複数の単位回路を有するインタフェースと、 前記接続形態を決定する回路構成情報をオンラインでダウンロードするダウンロード手段と、 該回路構成情報に基づいて、前記複数の単位回路の接続形態を変更する変更手段と、を備え、 前記ダウンロード手段は、周辺機器又は周辺デバイスが変更される、その変更後の周辺機器又は周辺デバイスの接続形態に応じた回路構成情報をダウンロードする装置。」 <相違点1> 「ダウンロード」のタイミングに関し、 本願発明は、「周辺機器又は周辺デバイスが変更される『際に』、その変更後の周辺機器又は周辺デバイスの接続形態に応じた回路構成情報をダウンロードする」のに対し、引用発明1は、「拡張ボード(27)が変更される、その変更後の拡張ボード(27)の接続形態に応じたプログラマブル・ゲート・アレーの回路情報をダウンロードする」点。 <相違点2> 「装置」の用途に関し、 本願発明は、「カラオケ装置」であるのに対し、引用発明1は、プリンタ装置である点。 そこで、まず、上記相違点1について検討する。 引用例1の上記摘記事項ロ.の【0033】における「・・・また、新規に開発される拡張インタフェース・ボード,拡張メモリとの通信制御手段、及び、制御手段への対応を行う。」との記載によれば、引用発明1において、「周辺機器又は周辺デバイス」(拡張ボード)の「変更」(既存のものから、新規に開発されたものに入れ替えること)に伴って、「ダウンロード」(対応)することは引用例1で示唆されているといえ、さらに、ダウンロードのタイミングとして、「変更される際」とすることも適宜のことと認められるから、引用発明1において、本願発明のように「周辺機器又は周辺デバイスが変更される『際に』、その変更後の周辺機器又は周辺デバイスの接続形態に応じた回路構成情報をダウンロードする」ことに格別の困難性は認められない。 次に、上記相違点2について検討する。 引用発明1と引用発明2は、情報をオンラインでダウンロードするダウンロード手段を備える装置で共通し、引用発明1に引用発明2を採用することに特段の阻害要因は見あたらないから、「装置」の用途に関して、引用発明1の「プリンタ装置」を、本願発明の「カラオケ装置」とすることは当業者が容易に成し得ることである。 そして、本願発明の作用効果も、引用発明1及び2から当業者が容易に予測できる範囲のものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用発明1及び2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものと認められるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2009-08-28 |
結審通知日 | 2009-09-01 |
審決日 | 2009-09-17 |
出願番号 | 特願平10-83384 |
審決分類 |
P
1
8・
572-
Z
(H04L)
P 1 8・ 121- Z (H04L) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 佐々木 洋 |
特許庁審判長 |
山本 春樹 |
特許庁審判官 |
柳下 勝幸 萩原 義則 |
発明の名称 | カラオケ装置 |
代理人 | 特許業務法人 楓国際特許事務所 |
代理人 | 小森 久夫 |