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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A61B
管理番号 1207020
審判番号 不服2007-25827  
総通号数 121 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-01-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-09-20 
確定日 2009-11-12 
事件の表示 特願2004-130099「生体磁場計測装置」拒絶査定不服審判事件〔平成16年 9月 9日出願公開、特開2004-249124〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯・本願発明
本願は、平成11年2月2日に出願した特願平11-24918号(以下、「原出願」という。)の一部を平成16年4月26日に新たな出願としたものであって、平成19年8月8日付けで拒絶査定され、これに対し同年9月20日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
そして、本願の請求項1?3に係る発明は、平成19年2月13日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1?3に記載された事項により特定されるとおりのものと認められ、その請求項1に係る発明は以下のとおりである。
「 【請求項1】
被検者の心筋活動に関係して生じる磁場を計測する生体磁場計測装置において、
計測された信号波形から繰り返し表れる心拍に相当する波形の一点に対応する時刻を特定し、この時刻を基準にして定めた時間範囲にある信号波形を1心拍毎に切り出し、この切り出した波形と参照波形との相違度を評価して相違度が許容値内であれば、この切り出した波形をアベレージングの加算データとして取り込むデータ抽出手段と、
前記取り込んだ加算データに基づき信号波形のアベレージング処理を行う演算手段と、
を備えたことを特徴とする生体磁場計測装置。」(以下、「本願発明」という。)


第2 引用刊行物記載の発明
(1)引用例1
原査定の拒絶の理由に引用され、原出願の出願前に頒布された刊行物である特開平6-7313号公報(以下、「引用例1」という。)には、以下の記載がある。
[1a]「【0014】
【実施例】以下、実施例を示す添付図面によって詳細に説明する。図1はこの発明の生体磁束計測装置の一実施例を示す概略図であり、心磁波の計測に適用した場合を示している。この生体磁束計測装置は、複数段の冷却ステージを含む冷凍機1の最終冷却ステージ(例えば、約4Kの冷却ステージ)1aに、SQUID2aおよび磁束入力回路2bを含むSQUID磁束計2を配置し、SQUID磁束計2からの出力信号を信号処理部3に供給している。また、運転周波数制御部4により冷凍機1の運転周波数を制御している。但し、1段の冷却ステージのみでSQUID2a等の超伝導転移温度を得ることができる冷凍機1を採用することが可能である。
【0015】図2は運転周波数制御部4の構成を詳細に示すブロック図であり、現時点における冷凍機1の運転周波数と心拍周波数検出部4dにより検出された心拍周波数との差周波数を算出する差周波数算出部4aと、差周波数の絶対値が所定の閾値以下であるか否かを判別する判別部4bと、差周波数の絶対値が所定の閾値以下であることを示す判別部4bの判別結果に応答して、差周波数の絶対値を増加させるべく冷凍機1に運転周波数指令を供給し、差周波数の絶対値が所定の閾値より大きいことを示す判別部4bの判別結果に応答して、冷凍機1に従前の運転周波数指令を供給する運転周波数指令供給部4cとを有している。尚、運転周波数指令は、例えば、冷凍機1のバルブモータに供給する電源周波数を所定周波数に設定すべきことを指示するものである。
【0016】即ち、心磁信号の周波数は心拍周波数(通常0.8?2Hz)として検出可能であり、しかも心拍周波数は心電図等により正確に検出できる。また、冷凍機1の現時点における運転周波数(通常2?2.4Hz)は例えばバルブモータの電源周波数により正確に検出できる。したがって、両周波数の差周波数を差周波数算出部4aにより算出し、差周波数の絶対値が所定の閾値以下(通常、所定の閾値は著しく小さい値に設定されるのであるから、差周波数の絶対値が著しく小さい)であると判別部4bにより判別された場合にのみ、差周波数の絶対値を増加させるべく運転周波数指令供給部4cにより冷凍機1に新たな運転周波数指令を供給し、心拍周波数と冷凍機1の運転周波数とがほぼ一致する状態を排除できる。
【0017】図3は信号処理部3の構成を示すブロック図であり、心磁波計測信号を心磁波の所定のタイミングに合せて加算平均することにより周期性雑音および非周期性雑音が除去された心磁波信号を得る第1加算平均部3aと、心磁波計測信号から第1加算平均部3aにより得られた心磁波信号を減算して雑音信号を得る第1減算部3bと、第1減算部3bにより得られる雑音信号を冷凍機1の振動周期分ずつ加算平均して雑音テンプレートを得る第2加算平均部3cと、心磁波計測信号から雑音テンプレートを減算する第2減算部3dと、第2減算部3dにより得られた信号を心磁波の所定のタイミングに合せて加算平均して雑音成分が除去された心磁波信号を得る第3加算平均部3eとを有している。
【0018】図4は図3の信号処理部3における処理を説明する信号波形図であり、本件特許出願人が既に特許出願した処理を示す信号波形と同じである。SQUID磁束計2から同図(A)に示す心磁波計測信号が得られた場合に、第1加算平均部3aにより心磁波計測信号を心磁波の所定のタイミングに合せて加算平均すれば、同図(B)に示すように、周期性雑音および非周期性雑音がかなり除去された心磁波信号を得ることができる。したがって、第1減算部3bにより同図(A)の心磁波計測信号から同図(B)の心磁波信号を減算すれば、同図(C)に示すように、かなり高精度の雑音信号を得ることができる。次いで、第2加算平均部3cにより同図(C)の雑音信号を冷凍機1の振動周期分ずつ加算平均して、同図(D)に示すように、周期性雑音のみからなる雑音テンプレートを得ることができる。その後、第2減算部3dにより同図(A)の心磁波計測信号から同図(D)の雑音テンプレートを減算すれば、同図(E)に示すように、周期性雑音成分が高精度に除去された心磁波信号を得ることができる。最後に、第3加算平均部3eにより同図(E)の心磁波信号を心磁波の所定のタイミングに合せて加算平均すれば、同図(F)に示すように、非周期性雑音成分が除去された心磁波信号を得ることができる。」
上記[1a]の記載によれば、引用例1には、
「心磁波計測信号を心磁波の所定のタイミングに合せて加算平均することにより周期性雑音および非周期性雑音が除去された心磁波信号を得る第1加算平均部を有している信号処理部を備えた心磁波の計測に適用した生体磁束計測装置。」の発明(以下、「引用例1発明」という。)が記載されていると認められる。

(2)引用例2
原査定の拒絶の理由に引用され、原出願の出願前に頒布された刊行物である国際公開第97/41773号(以下、「引用例2」という。)には、以下の記載がある。なお、提示した翻訳文は、対応する日本語出願の公表公報である特表2000-509618号公報の記載に基づく。
[2a]「The invention relates to electrocardiography (ECG), and more particularly to an improved electrocardiographic apparatus and method for predicting potential ventricular tachycardia and other forms of cardiac arrhythmia by the analysis of all ECG segments and intervals through the use of computer-supported analysis of selected signal components in ECGs, wherein, after preamplification and impedance transformation, signals are incrementally amplified, normalized, analog to digital converted, stored in memory, and manipulated by computer to provide frequency information about selected components of the signals.」(明細書第1頁第3?14行)
「本発明は、心電図記録(ECG)に関し、さらに詳しくは、心電図記録において選択された信号成分のコンピュータ支援分析を使用して、ECGセグメントと間隔のすべてを分析することによって、可能性のある心室性頻拍症およびその他の形態の心臓不整脈を予知するための、改善された心電図装置および方法であって、事前増幅とインピーダンス変成を行った後に、信号を増幅し、正規化し、アナログディジタル変換し、記憶機構に記憶し、コンピュータによって操作して、信号の選択された成分に関する周波数情報を提供する、心電図装置および方法に関する。」(翻訳文)
[2b]「The digital samples thus collected represent successive ECG waveforms. These samples are initially stored in the RAM memory 43. In a manner similar to that which is fully described in U.S. Patent No. 4,442,459 to Simson, the samples for successive ECG waveforms each may be matched to a QRS template, and those samples corresponding to waveforms which do not match the template or which are otherwise abnormal are not retained. The remaining multiple digital samples representing a succession of input ECG waveforms can then be broken up into a plurality of arrays of digitized signals each containing the samples for one input ECG waveform. The digitized signals within each of these arrays are placed into phase with the signals from the other arrays, and the amplitudes of signal values representing waveform amplitude at corresponding points in time (relative to the QRS waveform) within the arrays are then averaged over many waveforms (for example, over 200 waveforms) to reduce the noise from muscle potentials and power line interference and the like to a minimum. This averaging process is preferably carried out with a resolution of at least 12 data bits. The resulting single array of averaged signals is ultimately transferred out of the RAM 43 conveyed across the I/O port 35, and stored on the surface of the optical disk 31 or the hard disk 32.」(明細書第16頁第7?32行)
「こうして収集されたディジタルサンプルは、連続したECG波形を示す。これらのサンプルは先ずRAMメモリ43の中に記憶される、Simsonに付与された米国特許第4,442,459号に完全に記載されたものと同様な方法で、連続ECG波形の各々をQRSテンプレートに合わせることができ、テンプレートに合わない波形またはその他の異常な波形に該当するサンプルは保持されない。次いで、入力ECG波形の連続を示す残りの複数ディジタルサンプルは、複数のディジタル化された信号アレイに分割され、各アレイは1つのECG波形のためのサンプルを含む。これらのアレイの各々におけるディジタル化された信号は、他のアレイからの信号と同位相に置かれ、それから、アレイ中の(QRS波形に対して)該当する時点における波形振幅を表す信号値の振幅を、多くの波形にわたって(例えば200波形にわたって)平均化し、筋肉電位や電力線などからのノイズを最小に抑える。この平均化過程は、少なくとも12データビットの解像度で実施することが好ましい。結果的に得られる平均化された信号の単一アレイを、最終的にRAM43から転送して入出力ポート35を通して光ディスク31またはハードディスク32の表面に記憶する。」(翻訳文)


第3 対比
本願発明と引用例1発明とを対比する。
(ア)引用例1発明の「心磁波の計測に適用した生体磁束計測装置」は、本願発明の「被検者の心筋活動に関係して生じる磁場を計測する生体磁場計測装置」に相当する。
(イ)引用例1発明の「心磁波計測信号を心磁波の所定のタイミングに合せて加算平均することにより周期性雑音および非周期性雑音が除去された心磁波信号を得る第1加算平均部」と本願発明の「前記取り込んだ加算データに基づき信号波形のアベレージング処理を行う演算手段」は、「信号波形のアベレージング処理を行う演算手段」である点で共通する。
したがって、両者は、
「被検者の心筋活動に関係して生じる磁場を計測する生体磁場計測装置において、信号波形のアベレージング処理を行う演算手段を備えた生体磁場計測装置。」である点で一致し、以下の点で相違する。
[相違点]本願発明は「計測された信号波形から繰り返し表れる心拍に相当する波形の一点に対応する時刻を特定し、この時刻を基準にして定めた時間範囲にある信号波形を1心拍毎に切り出し、この切り出した波形と参照波形との相違度を評価して相違度が許容値内であれば、この切り出した波形をアベレージングの加算データとして取り込むデータ抽出手段」を備え、取り込んだ加算データに基づき演算を行うのに対し、引用例1発明は心磁波計測信号を心磁波の所定のタイミングに合せて加算平均を行うものの参照波形との相違度を評価して相違度が許容値内であれば取り込むデータ抽出手段を備えていない点。


第4 判断
上記相違点について検討する。
引用例2の[2a]および[2b]には、心電図装置において、連続ECG波形をQRSテンプレートに合わせ、テンプレートに合わない波形またはその他の異常な波形に該当するサンプルは保持しないで、該当する時点における波形振幅を表す信号値の振幅を平均化することが記載されている。引用例1発明と引用例2に記載された発明とは、電気信号と磁気信号とで異なるものの、どちらも心筋活動に関係して生じる信号を計測する装置であり、どちらも心筋活動をノイズのない状態で得るための、心拍に相当する波形の平均値の演算に関するものである。
したがって、引用例1発明において、加算平均に用いる心磁波の所定のタイミングに合せた心磁波計測信号を、引用例2に記載された、テンプレートに合わせ、テンプレートに合わない波形またはその他の異常な波形に該当するサンプルは保持しない手段を用いて抽出し、本願発明の構成とすることは、当業者が容易に想到しうることである。

そして、本願発明の効果は、引用例1および引用例2に記載された発明から当業者が予測できる範囲のものであって、格別なものであるとはいえない。


第5 付言
請求人は、平成19年10月24日付けの上申書において補正案を提示しているので、以下に検討する。
請求人が提示する補正案は以下のとおりである。(下線部は補正箇所を示す。)
「【請求項1】
被検者の心筋活動に関係して生じる磁場を計測する生体磁場計測装置において、
計測された信号波形から繰り返し表れる心拍に相当する波形の一点に対応する時刻を特定し、この時刻を基準にして定めた時間範囲にある各チャンネルの信号波形を1心拍毎に切り出し、この切り出した波形と参照波形との相違度を評価して相違度が許容値内であれば、この切り出した波形をアベレージングの加算データとして取り込むデータ抽出手段と、
前記取り込んだ加算データに基づき信号波形のアベレージング処理を行う演算手段と、前記切り出した波形が参照波形と比較して相違度が許容値外であれば、この許容値外の波形を異常波として登録する手段と、前記異常波形に関する指定項目を有し、画面表示が可能なデータ解析メニューと、を備え、前記データ解析メニューの前記異常波形の項目を指定すると、その指定される異常波形を、センサ位置に対応させて全チャンネルの時間波形をグリッド状に表示するグリッドマップを介して表示するよう設定したことを特徴とする生体磁場計測装置。
【請求項2】
前記心拍に相当する波形の一点に対応する時刻は、R波の極大値に対応する時刻である請求項1記載の生体磁場計測装置。」(以下、「補正案発明1」および「補正案発明2」という。)

補正案は、本願発明を上記補正案発明1に補正するものであって、(i)本願発明の信号波形を「各チャンネルの」信号波形と限定し、(ii)「前記切り出した波形が参照波形と比較して相違度が許容値外であれば、この許容値外の波形を異常波として登録する手段」を付加し、(iii)「前記異常波形に関する指定項目を有し、画面表示が可能なデータ解析メニュー」を付加し、(iv)「前記データ解析メニューの前記異常波形の項目を指定すると、その指定される異常波形を、センサ位置に対応させて全チャンネルの時間波形をグリッド状に表示するグリッドマップを介して表示するよう設定した」と限定するものである。
上記補正のうち、(i)は発明特定事項の信号波形を限定するものであり、(ii)も請求項3において特定されていた事項を請求項1に係る発明に付加するものであるから、両者ともに特許請求の範囲の限定を目的とするものといえる。しかし、(iii)および(iv)は、画面表示に関する事項を特定するものであり、補正前の請求項1?3に係る発明はいずれも画面表示に関するものではないから、補正前の請求項に記載されていた発明と補正後の請求項に記載される発明の解決しようとする課題が同一であるとはいえない。
以上のとおり、上記補正案は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項の規定に違反するものである。
仮に、上記補正案が特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるとして、上記補正案の請求項1?2に係る発明が独立して特許を受けることができるものであるかについて検討する。
まず補正案発明1について検討すると、上記補正案発明1に係る発明は本願発明に上記(i)?(iv)の限定を付加したものであるといえる。
(i)心磁場を計測する磁束計を複数設け、各チャンネルの信号波形を利用することは、例えば、特開平10-323335号公報の段落【0041】や、内川義則ら、「正常者心磁図の三次元計測」、日本応用磁気学会誌、第21巻、第797-800頁の第797頁右欄第14?16行に記載されているように周知であるから、周知の複数の磁束計を用いることにより引用例1発明の信号波形を各チャンネルの信号波形とすることは、当業者が適宜なし得ることである。
(ii)心筋活動に関係して生じる波形を測定する際に、参照波形と比較して相違度が許容値外であれば、この許容値外の波形を異常波として登録することは周知である。例えば特開平8-86819号公報の段落【0014】?【0015】には、QRS波形を既存のテンプレートと比較し、差が大きい場合には形の違うQRSとして新しいテンプレートを登録することが記載されており、特開平9-168521号公報の段落【0032】?【0033】には、活動関数の部分を鼓動の周りに正規化して分類する際に、鼓動を比較してテンプレートで分類し、テンプレートが波形について未だ作成されていない場合にこの鼓動を保存することにより新しいテンプレートを作成することが記載されている。引用例1発明において、相違度が許容値外の波形を異常波として登録する手段を設けることは、当業者が容易に想到しうることである。
(iii)画面に表示されるメニューをどのように設定するかは当業者が適宜設定しうることであり、登録されたデータを表示することも一般に行われていることである。したがって、引用例1発明において、登録したデータを表示できるようにメニューを設定することは、当業者が適宜なし得ることである。
(iv)生体磁場の計測データを、各磁束計の時間波形をグリッド状に表示することは、例えば、内川義則ら、「正常者心磁図の三次元計測」、日本応用磁気学会誌、第21巻、第797-800頁のFig.2?Fig.4、野村昌弘ら、「心磁図法による陳旧性下壁梗塞の心室再分極ベクトルの検討」、心臓、第20巻、第813?822頁の図3および図4に記載されているように周知であるから、引用例1発明において、波形の表示を全チャンネルの時間波形をグリッド状とすることは当業者が適宜なしうることである。
補正案発明2について検討すると、補正案発明2は、補正案発明1に「前記心拍に相当する波形の一点に対応する時刻は、R波の極大値に対応する時刻である」とする限定を付したものであるが、R波の極大値に対応する時刻に基づいて心筋活動に関係して生じる信号を抽出することは周知である。例えば、特開平9-28687号公報の図4には、R波を検出し、R波の最大値となる時刻trを検出し、区間tr-350?tr+450[ms]の心電図を切り出すステップからなる変換区間切り出し部の流れが記載されており、特開平7-227384号公報の段落【0025】には、時系列心電図信号からR波を検出し、R波をトリガとした加算平均処理を行うことが記載されている。引用例1発明において、所定のタイミングを極大値を生じるR波のタイミングとすることは当業者が容易に想到しうることである。
そして、補正案発明1および補正案発明2の効果は、引用例1、2および上記周知技術から当業者が容易に予測できる範囲のものであって、格別なものであるとはいえない。
したがって、補正案発明1および補正案発明2は、いずれも、引用例1および引用例2に記載された発明および上記周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。


第6 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例1および引用例2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、その他の請求項に係る発明に言及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2009-09-08 
結審通知日 2009-09-15 
審決日 2009-09-28 
出願番号 特願2004-130099(P2004-130099)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A61B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 谷垣 圭二  
特許庁審判長 後藤 時男
特許庁審判官 宮澤 浩
秋月 美紀子
発明の名称 生体磁場計測装置  
代理人 ポレール特許業務法人  

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