ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード![]() |
審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G01T 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G01T |
---|---|
管理番号 | 1207149 |
審判番号 | 不服2008-10481 |
総通号数 | 121 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2010-01-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2008-04-24 |
確定日 | 2009-11-12 |
事件の表示 | 特願2001-245571「放射線検出器、放射線検出システム、X線CT装置」拒絶査定不服審判事件〔平成15年 3月 5日出願公開、特開2003- 66149〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本件出願は特許法第41条第1項の規定による優先権の主張を伴う平成13年8月13日(優先日:平成12年8月14日、平成12年12月8日、平成13年6月12日、優先権主張の基礎出願:特願2000-245873号、特願2000-375144号、特願2001-177308号)の出願であって、平成19年5月31日付けで拒絶理由が通知され、同年8月6日付けで意見書及び手続補正書が提出されたが、平成20年3月6日付けで拒絶査定がなされたため、これを不服として同年4月24日に本件審判請求がされるとともに、同年5月23日付けで明細書について手続補正がなされたものである。 第2 補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 平成20年5月23日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正の内容 本件補正は、平成19年8月6日付けの手続補正により補正された明細書の特許請求の範囲についての 「【請求項1】 入射されるX線を光に変換するシンチレータと、 前記変換された光を電気信号に変換する複数の第1フォトダイオードと、 前記変換された光を電気信号に変換する複数の第2フォトダイオードと、 前記第1,第2のフォトダイオードに接続された複数のスイッチング素子とを具備し、 前記第1フォトダイオードは、スライス方向に関して、n個連続的に配列され、 前記第2フォトダイオードは、スライス方向に関して、前記第1フォトダイオードの配列の両側にそれぞれ、m個(m<n)ずつ連続的に配列され、 前記第2フォトダイオードは、前記第1フォトダイオードよりも、スライス方向に関する有感域幅が広いことを特徴とする放射線検出器。 【請求項2】 前記スライス方向に関する前記第2フォトダイオードの個数(2・m)は、前記スライス方向に関する前記第1フォトダイオードの個数(n)よりも、多いことを特徴とする請求項1記載の放射線検出器。 【請求項3】 前記第2フォトダイオードのスライス方向に関する有感域幅は、前記第1フォトダイオードのスライス方向に関する有感域幅の略2倍であることを特徴とする請求項2記載の放射線検出器。 【請求項4】 前記第2フォトダイオードのスライス方向に関する有感域幅は、略1mmであり、前記第1フォトダイオードのスライス方向に関する有感域幅は略0.5mmであることを特徴とする請求項3記載の放射線検出器。 【請求項5】 前記第1フォトダイオードは前記スライス方向に関して16個配列され、前記第2フォトダイオードは前記スライス方向に関して、前記第1フォトダイオードの配列の両側にそれぞれ12個ずつ連続的に配列されることを特徴とする請求項4記載の放射線検出器。 【請求項6】 前記第2フォトダイオードのチャンネル方向に関する有感域幅は、前記第1フォトダイオードのそれと略同じであることを特徴とする請求項3記載の放射線検出器。 【請求項7】 前記第2フォトダイオードのチャンネル方向に関する有感域幅は、前記第2フォトダイオードのスライス方向に関する有感域幅と略同じであることを特徴とする請求項6記載の放射線検出器。 【請求項8】 被検体の周囲を回転しながらX線を曝射するX線源と、 前記被検体を透過したX線を検出する検出素子が行・列方向に複数個配列されて成る放射線検出器と、 前記放射線検出器の出力に基づいて被検体のCT像を再構成する再構成手段とを具備し、 前記放射線検出器は、入射されるX線を光に変換するシンチレータと、 前記変換された光を電気信号に変換する複数の第1フォトダイオードと、 前記変換された光を電気信号に変換する複数の第2フォトダイオードと、 前記第1,第2のフォトダイオードに接続された複数のスイッチング素子とを有し、 前記第1フォトダイオードは、スライス方向に関して、n個連続的に配列され、 前記第2フォトダイオードは、スライス方向に関して、前記第1フォトダイオードの配列の両側にそれぞれ、m個(m<n)ずつ連続的に配列され、 前記第2フォトダイオードは、前記第1フォトダイオードよりも、スライス方向に関する有感域幅が広いことを特徴とするX線CT装置。 【請求項9】 前記第1フォトダイオードと前記第2フォトダイオードと前記スイッチング素子を実装する多層配線板をさらに備え、 前記第1フォトダイオードと前記第2フォトダイオードとに対して前記スイッチング素子は前記多層配線板を介して接続されることを特徴とする請求項1記載の放射線検出システム。 【請求項10】 前記請求項1記載の放射線検出器と、 この放射線検出器からの出力データを収集するデータ収集手段と、 前記放射線検出器と前記データ手段を実装する基板と、 前記放射線検出器、前記データ収集手段、前記基板を積層構造とする手段、とを備えた放射線検出システム。 【請求項11】 被検体の周囲を回転しながらX線を曝射するX線源と、 前記被検体を透過したX線を検出する前記請求項1記載の放射線検出器と、 前記放射線検出器の出力を用いて前記被検体に関する投影データを収集するデータ収集手段と、 前記複数の検出素子から前記データ収集手段へ出力されるデータを選択するスイッチ手段と、 前記投影データに基づいて被検体のCT像を再構成する再構成手段と、 前記放射線検出器に対して、前記データ収集手段と前記スイッチの少なくとも一方を積層構造とする手段とを備えたX線CT装置。 【請求項12】 スライス方向に配列された複数の第1検出素子列から構成される第1の検出素子アレイ群であって、前記第1検出素子列各々はスライス方向に関して第1の幅を有する複数の第1検出素子アレイを有する第1の検出素子アレイ群と、 スライス方向に配列された複数の第2検出素子列から構成される第2の検出素子アレイ群であって、前記第2検出素子列各々はスライス方向に関して前記第1の幅より広い第2の幅を有する複数の第1検出素子アレイを有し、前記第2検出素子列は前記第1検出素子列の両側に配置され、前記第2検出素子列の各側の列数は、前記第1検出素子列よりも少ない第2の検出素子アレイ群とを具備する放射線検出器。 【請求項13】 前記第2検出素子列の両側の列数合計は、前記第1検出素子列の列数よりも多いことを特徴とする請求項12記載の放射線検出器。 【請求項14】 X線を発生するX線源と、 第1の幅を有する検出素子列をスライス方向に複数列設した第1の検出素子列群と、前記第1の幅より大きい幅を有する第2の検出素子列を、前記第1の検出素子列群の列設数より少ない列設数で、前記スライス方向に、かつ、前記第1の検出素子列群の両側それぞれに列設した第2の検出素子列群とから成る放射線検出器と、 記放射線検出器の出力を用いて被検体に関する透過データを収集するデータ収集手段と、 このデータ収集手段から得られた透過データに基づいて、画像データを再構成する再構成装置と、 前記再構成された画像データを表示する表示装置とを具備することを特徴とするX線CT装置。 【請求項15】 前記再構成装置は、等方位性のボクセルデータから成るボリュームデータを再構成することを特徴とする請求項14記載のX線CT装置。 【請求項16】 前記X線源が被検体の周囲を螺旋状の軌道を描くよう前記X線源又は前記被検体を移動させる移動手段を更に備え、 前記再構成装置は、撮影領域、前記データ収集に用いる検出素子列、ヘリカルピッチ、スキャン範囲、スキャン時間、管電流の少なくともいずれかを含む撮影条件に基づく前記等方位性のボクセルデータから成るボリュームデータを再構成することを特徴とする請求項14記載のX線CT装置。」 の記載を、 「【請求項1】 入射されるX線を光に変換するシンチレータと、 前記変換された光を電気信号に変換する複数の第1フォトダイオードと、 前記変換された光を電気信号に変換する複数の第2フォトダイオードと、 前記第1,第2のフォトダイオードに接続された複数のスイッチング素子とを具備し、 前記第1フォトダイオードは、スライス方向に関して、16個連続的に配列され、 前記第2フォトダイオードは、スライス方向に関して、前記第1フォトダイオードの配列の両側にそれぞれ、12個ずつ連続的に配列され、 前記第2フォトダイオードのスライス方向に関する有感域幅は、前記第1フォトダイオードのスライス方向に関する有感域幅の略2倍であることを特徴とする放射線検出器。 【請求項2】 前記第2フォトダイオードのスライス方向に関する有感域幅は、略1mmであり、前記第1フォトダイオードのスライス方向に関する有感域幅は略0.5mmであることを特徴とする請求項1記載の放射線検出器。 【請求項3】 前記第2フォトダイオードのチャンネル方向に関する有感域幅は、前記第1フォトダイオードのそれと略同じであることを特徴とする請求項1記載の放射線検出器。 【請求項4】 前記第2フォトダイオードのチャンネル方向に関する有感域幅は、前記第2フォトダイオードのスライス方向に関する有感域幅と略同じであることを特徴とする請求項3記載の放射線検出器。 【請求項5】 被検体の周囲を回転しながらX線を曝射するX線源と、 前記被検体を透過したX線を検出する検出素子が行・列方向に複数個配列されて成る放射線検出器と、 前記放射線検出器の出力に基づいて被検体のCT像を再構成する再構成手段とを具備し、 前記放射線検出器は、入射されるX線を光に変換するシンチレータと、 前記変換された光を電気信号に変換する複数の第1フォトダイオードと、 前記変換された光を電気信号に変換する複数の第2フォトダイオードと、 前記第1,第2のフォトダイオードに接続された複数のスイッチング素子とを有し、 前記第1フォトダイオードは、スライス方向に関して、16列連続的に配列され、 前記第2フォトダイオードは、スライス方向に関して、前記第1フォトダイオードの配列の両側にそれぞれ、12列ずつ連続的に配列され、 前記第2フォトダイオードのスライス方向に関する有感域幅は、前記第1フォトダイオードのスライス方向に関する有感域幅の略2倍であることを特徴とするX線CT装置。 【請求項6】 前記第1フォトダイオードと前記第2フォトダイオードと前記スイッチング素子を実装する多層配線板をさらに備え、 前記第1フォトダイオードと前記第2フォトダイオードとに対して前記スイッチング素子は前記多層配線板を介して接続されることを特徴とする請求項1記載の放射線検出器。 【請求項7】 前記請求項1記載の放射線検出器と、 この放射線検出器からの出力データを収集するデータ収集手段と、 前記放射線検出器と前記データ手段を実装する基板と、 前記放射線検出器、前記データ収集手段、前記基板を積層構造とする手段、とを備えた放射線検出システム。 【請求項8】 被検体の周囲を回転しながらX線を曝射するX線源と、 前記被検体を透過したX線を検出する前記請求項1記載の放射線検出器と、 前記放射線検出器の出力を用いて前記被検体に関する投影データを収集するデータ収集手段と、 前記複数の検出素子から前記データ収集手段へ出力されるデータを選択するスイッチ手段と、 前記投影データに基づいて被検体のCT像を再構成する再構成手段と、 前記放射線検出器に対して、前記データ収集手段と前記スイッチの少なくとも一方を積層構造とする手段とを備えたX線CT装置。 【請求項9】 スライス方向に配列された16列の第1検出素子列から構成される第1の検出素子アレイ群であって、前記第1検出素子列各々はスライス方向に関して第1の有感域幅を有する複数の第1検出素子アレイを有する第1の検出素子アレイ群と、 スライス方向に配列された複数の第2検出素子列から構成される第2の検出素子アレイ群であって、前記第2検出素子列各々はスライス方向に関して前記第1の有感域幅の略2倍の第2の有感域幅を有する複数の第1検出素子アレイを有し、前記第2検出素子列は前記第1検出素子列の両側にそれぞれ12列ずつ配置される第2の検出素子アレイ群とを具備する放射線検出器。 【請求項10】 前記第2検出素子列の両側の列数合計は、前記第1検出素子列の列数よりも多いことを特徴とする請求項9記載の放射線検出器。 【請求項11】 X線を発生するX線源と、 スライス方向に第1の有感域幅を有する検出素子列をスライス方向に16列設けた第1の検出素子列群と、前記スライス方向に関して前記第1の有感域幅の略2倍の第2の有感域幅を有する第2の検出素子列を、前記第1の検出素子列群の両側それぞれに12列設けた第2の検出素子列群とから成る放射線検出器と、 記放射線検出器の出力を用いて被検体に関する透過データを収集するデータ収集手段と、 このデータ収集手段から得られた透過データに基づいて、画像データを再構成する再構成装置と、 前記再構成された画像データを表示する表示装置とを具備することを特徴とするX線CT装置。 【請求項12】 前記再構成装置は、等方位性のボクセルデータから成るボリュームデータを再構成することを特徴とする請求項11記載のX線CT装置。 【請求項13】 前記X線源が被検体の周囲を螺旋状の軌道を描くよう前記X線源又は前記被検体を移動させる移動手段を更に備え、 前記再構成装置は、撮影領域、前記データ収集に用いる検出素子列、ヘリカルピッチ、スキャン範囲、スキャン時間、管電流の少なくともいずれかを含む撮影条件に基づく前記等方位性のボクセルデータから成るボリュームデータを再構成することを特徴とする請求項11記載のX線CT装置。」 と補正することを含むものである。 2 本件補正の適否の検討 (1)目的要件についての検討 ア 本件補正が、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項(以下単に「特許法第17条の2第4項」という。)に規定する要件を満たすか否かを検討する。 イ(ア)特許法第17条の2第4項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」は、補正前後の請求項に係る発明が一対一又はこれに準ずるような対応関係に立つものでなければならない(東京高裁平成15年(行ケ)第230号、知財高裁平成17年(行ケ)第10192号、知財高裁平成17年(行ケ)第10156号参照。)。 (イ)a これを本件についてみると、本件補正後の請求項1,2,3,4,6,7,8は、それぞれ、本件補正前の請求項1,4,6,7,9,10,11と一対一の対応関係に立ち、本件補正後の請求項5は、本件補正前の請求項8と一対一の対応関係に立ち、本件補正後の請求項9,10は、それぞれ、本件補正前の請求項12,13と一対一の対応関係に立ち、本件補正後の請求項11,12,13は、それぞれ、本件補正前の請求項14,15,16と一対一の対応関係に立つものである。 b すると、本件補正のうち本件補正前の請求項2,3,5を削除する補正は、特許法第17条の2第4項第1号に掲げる「請求項の削除」を目的とする補正に該当する。 c 本件補正のうち本件補正前の請求項1を本件補正後の請求項1とする補正は、(c-1)本件補正前の請求項1の「スライス方向に関して」「連続的に配列され」る「第1フォトダイオード」の個数が「n個」であったものを「16個」と補正し、(c-2)本件補正前の請求項1の「スライス方向に関して」「連続的に配列され」る「第2フォトダイオード」の個数が「m個」であったものを「12個」と補正するとともに、(c-3)本件補正前の請求項1の「前記第2フォトダイオードは、前記第1フォトダイオードよりも、スライス方向に関する有感域幅が広いこと」を、「前記第2フォトダイオードのスライス方向に関する有感域幅は、前記第1フォトダイオードのスライス方向に関する有感域幅の略2倍であること」と補正するものである。 そして、本件補正のうち上記(c-1)及び(c-2)の補正は、「第1フォトダイオード」の個数及び「第2フォトダイオード」の個数を限定する補正であるから、特許法第17条の2第4項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。また、本件補正のうち上記(c-3)の補正は、本件補正前の請求項1の「有感域幅が広いこと」を「有感域幅の略2倍であること」と限定する補正であるから、同号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。 d 本件補正前の請求項4,6は本件補正前の請求項1を引用する本件補正前の請求項3を引用し、本件補正後の請求項2,3は本件補正後の請求項1を引用している。そして、本件補正前の請求項3の「前記第2フォトダイオードのスライス方向に関する有感域幅は、前記第1フォトダイオードのスライス方向に関する有感域幅の略2倍であること」は、本件補正後の請求項1の「前記第2フォトダイオードのスライス方向に関する有感域幅は、前記第1フォトダイオードのスライス方向に関する有感域幅の略2倍であること」に相当する。したがって、本件補正のうち本件補正前の請求項4,6を本件補正後の請求項2,3とする補正は、上記cと同様の理由により、特許法第17条の2第4項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。 また、本件補正前の請求項7は本件補正前の請求項6を引用し、本件補正後の請求項4は本件補正後の請求項3を引用している。そして、既に検討したとおり、本件補正のうち本件補正前の請求項6を本件補正後の請求項3とする補正は、上記cと同様の理由により、同号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。したがって、本件補正のうち本件補正前の請求項7を本件補正後の請求項4とする補正も、上記cと同様の理由により、同号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。 さらに、本件補正前の請求項9,10,11は本件補正前の請求項1を引用し、本件補正後の請求項6,7,8は本件補正後の請求項1を引用している。したがって、本件補正のうち本件補正前の請求項9,10,11を本件補正後の請求項6,7,8とする補正は、上記cと同様の理由により、同号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。 e 本件補正のうち本件補正前の請求項8を本件補正後の請求項5とする補正は、上記cと同様の理由により、特許法第17条の2第4項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。 f 本件補正のうち本件補正前の請求項12,13を本件補正後の請求項9,10とする補正は、(f-1)本件補正前の請求項12,13の「スライス方向に配列された」「第1検出素子列」の列数が「複数」であったものを「16列」と補正し、(f-2)本件補正前の請求項12,13の「第1検出素子列の両側に」「配置され」る「第2検出素子列の各側の列数は、前記第1検出素子列よりも少ない」ことを「第1検出素子列の両側に」「配置される」「第2検出素子列はそれぞれ12列ずつ」であることと補正し、(f-3)本件補正前の請求項12,13の「幅」を「有感域幅」と補正するとともに、(f-4)本件補正前の請求項12,13の「前記第2検出素子列各々はスライス方向に関して前記第1の幅より広い第2の幅を有する」ことを、「前記第2検出素子列各々はスライス方向に関して前記第1の有感域幅の略2倍の第2の有感域幅を有する」ことと補正するものである。 そして、本件補正のうち上記(f-1)及び(f-2)の補正は、「第1検出素子列」の列数及び「第2検出素子列」の列数を限定する補正であるから、特許法第17条の2第4項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。また、本件補正のうち上記(f-3)の補正は、本件補正前の請求項12,13の「幅」を「有感域幅」と限定する補正であるから、同号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。さらに、本件補正のうち上記(f-4)の補正は、「幅」が「より広い」ことを「幅」が「略2倍」であることと限定する補正であるから、同号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。 g 本件補正のうち本件補正前の請求項14,15,16を本件補正後の請求項11,12,13とする補正は、(g-1)本件補正前の請求項14,15,16の「幅」を「スライス方向に」ついての「有感域幅」と補正し、(g-2)本件補正前の請求項14,15,16の「スライス方向に列設」された「第1の幅を有する検出素子列」の列数が「複数」であったものを「16列」と補正し、(g-3)本件補正前の請求項14,15,16の「第2の検出素子列を、前記第1の検出素子列群の列設数より少ない列設数で」「列設した」ことを「第2の検出素子列を」「12列設けた」と補正するとともに、(g-4)本件補正前の請求項14,15,16の「前記第1の幅より大きい幅を有する第2の検出素子列」を、「前記第1の有感域幅の略2倍の第2の有感域幅を有する第2の検出素子列」と補正するものである。 そして、本件補正のうち上記(g-2)及び(g-3)の補正は、「第1の幅を有する検出素子列」の列数及び「第2の検出素子列」の列数を限定する補正であるから、特許法第17条の2第4項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。また、本件補正のうち上記(g-1)の補正は、本件補正前の請求項14,15,16の「幅」を「スライス方向に」ついての「有感域幅」と限定する補正であるから、同号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。さらに、本件補正のうち上記(g-4)の補正は、「幅」が「より大きい」ことを「幅」が「略2倍」であることと限定する補正であるから、同号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。 ウ 以上検討したとおりであるから、本件補正は、同法第17条の2第4項の規定に適合する。 (2)独立特許要件についての検討 上記(1)で検討したとおり、本件補正のうち本件補正前の請求項1を本件補正後の請求項1とする補正は、特許法第17条の2第4項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。 そこで、本件補正が平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項(以下、単に「特許法第17条の2第5項」という。)において準用する同法第126条第5項に規定する要件を満たすか否か、すなわち、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるか否かを検討する。 ア 本件補正発明の認定 本件補正発明は、本件補正によって補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項によって特定される次のとおりのものと認める。 「入射されるX線を光に変換するシンチレータと、 前記変換された光を電気信号に変換する複数の第1フォトダイオードと、 前記変換された光を電気信号に変換する複数の第2フォトダイオードと、 前記第1,第2のフォトダイオードに接続された複数のスイッチング素子とを具備し、 前記第1フォトダイオードは、スライス方向に関して、16個連続的に配列され、 前記第2フォトダイオードは、スライス方向に関して、前記第1フォトダイオードの配列の両側にそれぞれ、12個ずつ連続的に配列され、 前記第2フォトダイオードのスライス方向に関する有感域幅は、前記第1フォトダイオードのスライス方向に関する有感域幅の略2倍であることを特徴とする放射線検出器。」 イ 引用刊行物の記載事項 原査定の拒絶理由に引用され、本件出願の優先日前に頒布された刊行物である奥村美和 他3名,「CT用マルチスライス検出器」,蛍光体同学会講演予稿,1999年11月19日,279巻,41?46頁(以下「引用例1」という。)には、以下の(a)?(b)の記載が図面とともにある。 (a)「3.マルチスライス検出器 CT用検出器は、X線を光に変換する機能を有するシンチレータ、および光を電気信号に変換する光センサ機能を有するフォトダイオードで構成されている。すなわち、X線管球から人体に照射され、人体を透過したX線をシンチレータにより吸収し、その吸収により発生した蛍光をフォトダイオードによって電荷(電気信号)に変換し出力するようになっている。シンチレータは、人体を透過したX線の強さに応じた光を発する。その信号強度により人体がどのようなX線吸収物を持っているか、という情報と、X線吸収物の形態情報を得ることができる。 マルチスライス検出器は、散乱線除去用コリメータ、2次元のX線検出器アレイ、スイッチ、データ収集装置(AD変換部)で構成される。X線検出器アレイがX線を電荷に変換して出力し、スイッチがX線検出器アレイの出力電荷を体軸方向に加算して基本スライス厚を制御する。最後にAD変換部が、スイッチが束ねた電荷をディジタルデータに変換して画像再構成に供する。散乱線除去用コリメータは、スライス面内の散乱線を除去するための機能をもっている。散乱X線とは、画像情報に寄与しないX線のことで、これが多いと、画像の密度分解能を悪くする原因となる。図3左上に検出器の外観を示す。 X線検出器アレイは、検出素子が格子状に配列されている(図3右下)。1チャンネル分の検出素子は34分割されており、合計で3万以上の検出素子が使われている。体軸方向34素子の中央4素子は0.5mmスライス、外側の各素子が1mmスライスの幅を持つ。この0.5mm?1mmという小さなシンチレータには、高感度でかつ組み立て性が良いことが要求され、セラミックシンチレータを用いている。 スイッチは、検出素子の出力電荷を束ねる機能を持つ。この束ねる素子の数により、スライス厚を決めている。当社はこの方式をSSMD(Selectable Slice-thickness Multi-row Detector)方式と呼んでいる(図4)。 撮影スライス厚は、世界最小の0.5mmスライスから、世界最大の8mmスライスまで設定可能である。体軸方向の分解能を上げて観察したい場合には0.5mmスライスを使用し、スキャン時間の短縮をねらうときには8mmスライスを使用する。」(43頁1行?44頁3行) (b)図4には、「SSMD方式」と記載されるとともに、「0.5mmスライス」、「1.0mmスライス」、「2.0mmスライス」、「8.0mmスライス」の図が記載されている。 ウ 引用例1記載の発明の認定 引用例1の上記記載事項(a)?(b)から、引用例1には次の発明が記載されていると認めることができる。 「人体を透過したX線を吸収して光を発生させるシンチレータ及び前記光を電荷(電気信号)に変換し出力するフォトダイオードで構成される2次元のX線検出器アレイ、散乱線除去用コリメータ、前記X線検出器アレイの出力電荷を体軸方向に加算して基本スライス厚を制御するスイッチ、データ収集装置(AD変換部)で構成され、 前記X線検出器アレイは検出素子が格子状に配列されていて、1チャンネル分の検出素子は34分割されており、体軸方向34素子の中央4素子は0.5mmスライス、外側の各素子が1mmスライスの幅を持ち、 前記スイッチは、前記検出素子の出力電荷を束ねる機能を持ち、この束ねる素子の数により、スライス厚を0.5mmから8.0mmまで変化させることができる、 X線CT用マルチスライス検出器。」(以下「引用発明」という。) エ 本件補正発明と引用発明の一致点及び相違点の認定 (ア)引用発明の「人体を透過したX線を吸収して光を発生させるシンチレータ」は、本件補正発明の「入射されるX線を光に変換するシンチレータ」に相当する。 (イ)引用発明の「検出素子が格子状に配列され」た「2次元のX線検出器アレイ」において「0.5mmスライス」「の幅を持」つ「体軸方向34素子の中央4素子」の「光を電荷(電気信号)に変換し出力するフォトダイオード」は、本件補正発明の「前記変換された光を電気信号に変換する複数の第1フォトダイオード」に相当する。 そして、引用発明の「検出素子が格子状に配列され」た「2次元のX線検出器アレイ」において「0.5mmスライス」「の幅を持」つ「検出素子」の「フォトダイオード」が「体軸方向34素子の中央4素子」の「フォトダイオード」であることと、本件補正発明の「前記第1フォトダイオードは、スライス方向に関して、16個連続的に配列され」ることとは、「前記第1フォトダイオードは、スライス方向に関して、複数個連続的に配列され」る点で一致する。 (ウ)引用発明の「検出素子が格子状に配列され」た「2次元のX線検出器アレイ」において「1mmスライスの幅を持」つ「体軸方向34素子の中央4素子」の「外側の各素子」の「光を電荷(電気信号)に変換し出力するフォトダイオード」は、本件補正発明の「前記変換された光を電気信号に変換する複数の第2フォトダイオード」に相当する。 そして、引用発明の「検出素子が格子状に配列され」た「2次元のX線検出器アレイ」において「1mmスライスの幅を持」つ「検出素子」の「フォトダイオード」が「体軸方向34素子の中央4素子」の「外側の各素子」の「フォトダイオード」であることと、本件補正発明の「前記第2フォトダイオードは、スライス方向に関して、前記第1フォトダイオードの配列の両側にそれぞれ、12個ずつ連続的に配列され」ることとは、「前記第2フォトダイオードは、スライス方向に関して、前記第1フォトダイオードの配列の両側にそれぞれ、複数個ずつ連続的に配列され」る点で一致する。 (エ)引用発明の「2次元のX線検出器アレイ」を構成する「フォトダイオード」は、「シンチレータ」で発生した「光を電荷(電気信号)に変換し出力する」ものであり、引用発明の「スイッチ」は、「前記X線検出器アレイの出力電荷を体軸方向に加算して基本スライス厚を制御する」ものであるから、引用発明の「スイッチ」が「フォトダイオード」に接続されていることは明らかである。 また、引用発明の「スイッチ」は、「格子状に配列され」た「検出素子の出力電荷を束ねる機能を持ち、この束ねる素子の数により、スライス厚を0.5mmから8.0mmまで変化させることができる」から、引用発明の「スイッチ」の個数が複数であることも明らかである。 したがって、引用発明の「前記X線検出器アレイの出力電荷を体軸方向に加算して基本スライス厚を制御」し、「格子状に配列され」た「検出素子の出力電荷を束ねる機能を持ち、この束ねる素子の数により、スライス厚を0.5mmから8.0mmまで変化させることができる」「スイッチ」は、本件補正発明の「前記第1,第2のフォトダイオードに接続された複数のスイッチング素子」に相当する。 (オ)本件補正発明の「有感域幅」の定義について、本件明細書の段落【0069】には、「フォトダイオードの有感域の幅は、X線管の回転中心軸上での換算値として定義する。つまり、『1mmの有感域幅を有するフォトダイオード』とは、『X線管の回転中心軸上で1mmに相当する有感域幅を有するフォトダイオード』を意味し、X線が放射状に拡散することを考慮すると、フォトダイオードの実際の有感域の幅は、X線焦点と回転中心軸との距離に対するX線焦点とフォトダイオードの有感域との実際の距離の比率に従って、1mmより若干広くなる。」と記載されている。すると、引用発明の「検出素子が格子状に配列され」た「2次元のX線検出器アレイ」において「1mmスライスの幅を持」つ「体軸方向34素子の中央4素子」の「外側の各素子」の「フォトダイオード」の有感域幅は、引用発明の「検出素子が格子状に配列され」た「2次元のX線検出器アレイ」において「0.5mmスライス」「の幅を持」つ「体軸方向34素子の中央4素子」の「フォトダイオード」の有感域幅の略2倍であることは明らかである。 したがって、引用発明の「検出素子が格子状に配列され」た「2次元のX線検出器アレイ」において「1mmスライスの幅を持」つ「体軸方向34素子の中央4素子」の「外側の各素子」の「フォトダイオード」の有感域幅は、引用発明の「検出素子が格子状に配列され」た「2次元のX線検出器アレイ」において「0.5mmスライス」「の幅を持」つ「体軸方向34素子の中央4素子」の「フォトダイオード」の有感域幅の略2倍であることは、本件補正発明の「前記第2フォトダイオードのスライス方向に関する有感域幅は、前記第1フォトダイオードのスライス方向に関する有感域幅の略2倍である」ことに相当する。 (カ)引用発明の「X線CT用マルチスライス検出器」は、本件補正発明の「放射線検出器」に相当する。 (キ)以上から、本件補正発明と引用発明とは、 「入射されるX線を光に変換するシンチレータと、 前記変換された光を電気信号に変換する複数の第1フォトダイオードと、 前記変換された光を電気信号に変換する複数の第2フォトダイオードと、 前記第1,第2のフォトダイオードに接続された複数のスイッチング素子とを具備し、 前記第1フォトダイオードは、スライス方向に関して、複数個連続的に配列され、 前記第2フォトダイオードは、スライス方向に関して、前記第1フォトダイオードの配列の両側にそれぞれ、複数個ずつ連続的に配列され、 前記第2フォトダイオードのスライス方向に関する有感域幅は、前記第1フォトダイオードのスライス方向に関する有感域幅の略2倍である放射線検出器。」 である点で一致し、以下の点で相違する。 〈相違点〉 本件補正発明では「第1フォトダイオード」の「スライス方向」についての配列個数、「第2フォトダイオード」の「スライス方向」についての配列個数が、それぞれ、「16個」、「12個」であるのに対し、引用発明の「検出素子が格子状に配列され」た「2次元のX線検出器アレイ」において「0.5mmスライス」「の幅を持」つ「検出素子」の「フォトダイオード」の「体軸方向」の配列個数、引用発明の「検出素子が格子状に配列され」た「2次元のX線検出器アレイ」において「1mmスライスの幅を持」つ「体軸方向34素子の中央4素子」の「外側の各素子」の「フォトダイオード」の「体軸方向」の配列個数が、それぞれ、4個、15個(=(34-4)/2)である点。 オ 相違点についての判断 分解能やスキャン時間等を考慮して、引用発明の「検出素子が格子状に配列され」た「2次元のX線検出器アレイ」において「0.5mmスライス」「の幅を持」つ「検出素子」の「フォトダイオード」の「体軸方向」の配列個数、及び、引用発明の「検出素子が格子状に配列され」た「2次元のX線検出器アレイ」において「1mmスライスの幅を持」つ「体軸方向34素子の中央4素子」の「外側の各素子」の「フォトダイオード」の「体軸方向」の配列個数を適宜定めることは、当業者が適宜なし得る設計的事項である。 すると、引用発明の「検出素子が格子状に配列され」た「2次元のX線検出器アレイ」において「0.5mmスライス」「の幅を持」つ「検出素子」の「フォトダイオード」の「体軸方向」の配列個数を16個とするとともに、引用発明の「検出素子が格子状に配列され」た「2次元のX線検出器アレイ」において「1mmスライスの幅を持」つ「体軸方向34素子の中央4素子」の「外側の各素子」の「フォトダイオード」の「体軸方向」の配列個数を12個とすることは、当業者が適宜なし得る設計的事項である。 したがって、引用発明に上記相違点に係る本件補正発明の発明特定事項を採用することは、当業者にとって想到容易である。 カ 本件補正発明の独立特許要件の判断 以上のとおり、引用発明に上記相違点に係る本件補正発明の発明特定事項を採用することは、当業者にとって想到容易である。 また、本件補正発明の効果も、引用例1に記載された発明から当業者が予測し得る程度のものに過ぎない。 したがって、本件補正発明は引用例1に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。 (3)むすび 以上検討したとおり、本件補正は、特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本件審判請求についての判断 1 本件発明の認定 本件補正が却下されたから、平成19年8月6日付けの手続補正により補正された明細書及び図面に基いて審理すると、本件出願の請求項1に係る発明は、平成19年8月6日付けの手続補正によって補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項によって特定される次のとおりのものと認める。 「入射されるX線を光に変換するシンチレータと、 前記変換された光を電気信号に変換する複数の第1フォトダイオードと、 前記変換された光を電気信号に変換する複数の第2フォトダイオードと、 前記第1,第2のフォトダイオードに接続された複数のスイッチング素子とを具備し、 前記第1フォトダイオードは、スライス方向に関して、n個連続的に配列され、 前記第2フォトダイオードは、スライス方向に関して、前記第1フォトダイオードの配列の両側にそれぞれ、m個(m<n)ずつ連続的に配列され、 前記第2フォトダイオードは、前記第1フォトダイオードよりも、スライス方向に関する有感域幅が広いことを特徴とする放射線検出器。」(以下「本件発明」という。) 2 引用刊行物の記載事項及び引用例1記載の発明の認定 原査定の拒絶理由に引用され、本件出願の優先日前に頒布された刊行物である引用例1には、上記第2の2(2)イに摘記したとおりの事項が記載されており、引用例1に記載された発明は、上記第2の2(2)ウに記載したとおりである。 3 対比・判断 本件発明は、本件補正発明の発明特定事項から、上記第2の2(1)イ(イ)cで述べた限定事項を省いたものである。 そして、本件発明の発明特定事項をすべて含み、他の発明特定事項を付加したものに相当する本件補正発明が、上記第2の2(2)に記載したとおり、引用例1に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件発明も、上記第2の2(2)で示した理由と同様の理由により、引用例1に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 4 むすび 以上のとおり、本件発明は引用例1に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件発明は特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 そして、本件発明が特許を受けることができない以上、本件出願のその余の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本件出願は、拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2009-09-02 |
結審通知日 | 2009-09-08 |
審決日 | 2009-09-28 |
出願番号 | 特願2001-245571(P2001-245571) |
審決分類 |
P
1
8・
575-
Z
(G01T)
P 1 8・ 121- Z (G01T) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 山口 敦司、村川 雄一 |
特許庁審判長 |
北川 清伸 |
特許庁審判官 |
日夏 貴史 村田 尚英 |
発明の名称 | 放射線検出器、放射線検出システム、X線CT装置 |
代理人 | 中村 誠 |
代理人 | 河井 将次 |
代理人 | 橋本 良郎 |
代理人 | 鈴江 武彦 |
代理人 | 村松 貞男 |
代理人 | 河野 哲 |