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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B66F
管理番号 1207807
審判番号 不服2008-17485  
総通号数 121 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-01-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-07-08 
確定日 2009-11-24 
事件の表示 特願2003- 80155「外マストロアステー装置」拒絶査定不服審判事件〔平成16年10月14日出願公開、特開2004-284761〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・本願発明
本願は、平成15年3月24日の出願であって、平成19年6月18日付けで拒絶理由が通知され、平成20年5月19日付けで拒絶査定がなされ、平成20年7月8日に同拒絶査定に対して審判請求がなされ、平成20年10月14日に手続補正書が提出されて審判請求の理由が補充されたものであって、その請求項1ないし4に係る発明は、出願当初の明細書及び図面の記載からみて、特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下、同項記載の発明を「本願発明」という。)は次のとおりである。
「外マスト(1)へ溶接するロアステー(3)の外形形状に、凹形円弧状の延出部(31)を上部に形成したことを特徴とする外マストロアステー装置。」

2.引用例
原査定の拒絶の理由に引用された特開平6-271294号公報(以下、「引用例」という。)には、次の事項が図面とともに記載されている。
(ア)「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フォークリフト等において、マストとフロントアクスルとを連結させるときに使用するマストサポート及びカラーに関するものである。」(段落【0001】)
(イ)「【0023】図1及び図2において、図示しないフォークリフトの車体前側には、荷役昇降を行うためのマスト1が配設され、該マスト1の下側前部には、荷物を下側から載置するフォーク2が取り付けられている。マスト1の基端部にはマストサポート3が固設されており、該マストサポート3には、斜め下方向に開口するような形でフロントアクスル取付凹部4が凹設されている。このフロントアクスル取付凹部4には、フォークリフトの車体前部に取着され、側断面が円形よりなるフロントアクスル5が嵌合・装着される。」(段落【0023】)
(ウ)図1ないし図3において、「マストサポート3、10」の外形形状に、凹形円弧状の延出部を上部に形成したものとして描かれている。

上記記載事項(ア)ないし(ウ)によると、引用例には、
「マスト1の基端部へ固設するマストサポート3、10の外形形状に、凹形円弧状の延出部を上部に形成した、マストとフロントアクスルとを連結するときに使用するマストサポート。」
の発明(以下、「引用例に記載された発明」という。)が記載されている。

3.対比
本願発明と引用例に記載された発明を対比すると、引用例に記載された発明における「マストサポート3、10」は、その技術的意義からみて、本願発明における「ロアステー」に相当する。また、引用例に記載された発明における「マスト1」と本願発明における「外マスト」とは、「マスト」の限りにおいて、同じく、「固設する」と「溶接する」とは、「固設する」の限りにおいて、同じく、「マストとフロントアクスルとを連結するときに使用するマストサポート」と「外マストロアステー装置」とは、「マストロアステー装置」の限りにおいて、それぞれ一致している。
してみると、本願発明と引用例に記載された発明は、
「マストへ固設するロアステーの外形形状に、凹形円弧状の延出部を上部に形成したマストロアステー装置。」
の点で一致し、次の[相違点]でのみ相違している。
[相違点]
本願発明においては、「ロアステー」を「外マスト」へ「溶接する」のに対し、引用例に記載された発明においては、「マストサポート3、10」を「マスト1」へ「固設する」が、「マスト1」が「外マスト」であるのか否か明らかでなく、また、「固設」が「溶接」によってなされているのか否か明らかでない点(以下、単に「相違点」という。)。

4.当審の判断
フォークリフト等の産業車両において、「マスト」と「フロントアクスル」とを連結するときに使用する「ロアステー」を「外マスト」へ「溶接する」ことは、従来一般の周知技術(以下、単に「周知技術」という。必要であれば、例えば、特開平3-147700号公報の第4図従来例記載のアウターマスト2、ロアビーム3、マストサポート4、特開平4-217593号公報の図5従来例記載のアウタマストレール2、マストサポート9、及び特開平8-295496号公報の図5、図6従来例記載のアウタマスト31、マストサポート33、参照。)である。
そうすると、引用例に記載された発明において、上記周知技術を参酌し、もって、「ロアステー」を「外マスト」へ「溶接する」ように構成することは、当業者が適宜なし得る設計的事項である。
また、上記周知技術であるフォークリフト等の産業車両の「外マストロアステー装置」において、引用例に記載された発明の「ロアステーの外形形状に、凹形円弧状の延出部を上部に形成した」構成を適用し、もって、本願発明のような構成とすることは、当業者が格別困難なく想到し得るものであるともいえる。

そして、本願発明の作用効果も、引用例に記載された発明及び上記周知技術から当業者が予測できる範囲のものである。

5.むすび
したがって、本願発明は、引用例に記載された発明及び上記周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2009-08-05 
結審通知日 2009-08-25 
審決日 2009-09-10 
出願番号 特願2003-80155(P2003-80155)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (B66F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 川上 益喜  
特許庁審判長 深澤 幹朗
特許庁審判官 金澤 俊郎
志水 裕司
発明の名称 外マストロアステー装置  
代理人 橋爪 良彦  

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