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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G01N
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G01N
管理番号 1207992
審判番号 不服2007-35301  
総通号数 121 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-01-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-12-28 
確定日 2009-12-04 
事件の表示 特願2000-392490「全反射減衰を利用したセンサー」拒絶査定不服審判事件〔平成14年 7月10日出願公開,特開2002-195942〕について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は,平成12年12月25日の出願であって,平成19年5月22日付け拒絶理由通知に対して,同年7月26日付けで手続補正がされたが,同年11月30日付けで拒絶査定がなされ,これに対し,同年12月28日に拒絶査定不服審判の請求がされるとともに,平成20年1月8日付けの手続補正(以下,「本件補正」という。)がなされたものである。

第2 本件補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
本件補正を却下する。

[理由]
1 本願補正発明
本件補正は,特許請求の範囲及び発明の詳細な説明を補正するものであって,このうち,特許請求の範囲については,請求項1について補正前に

「誘電体ブロックと,
この誘電体ブロックの一面に形成されて試料に接触させられる薄膜層と,
光ビームを発生させる光源と,
前記光ビームを前記誘電体ブロックに対して,該誘電体ブロックと前記薄膜層との界面で全反射条件が得られ,かつ,該界面で収束光あるいは発散光の状態となるように入射させる入射光学系と,
前記界面で全反射した光ビームの強度を測定して,全反射減衰の状態を検出する光検出手段とを備えてなる全反射減衰を利用したセンサーにおいて,
前記光検出手段が,前記界面で全反射した光ビームを,反射角が異なる成分が一方向に連なる向きにライン状に集光するシリンドリカルレンズと,このライン状に集光された光ビームを検出する,該ラインの方向に延びる受光部を有するラインセンサとを含んで構成されていることを特徴とする全反射減衰を利用したセンサー。」

とあったものを,

「誘電体ブロックと,
この誘電体ブロックの一面に形成されて試料に接触させられる薄膜層と,
光ビームを発生させる光源と,
前記光ビームを前記誘電体ブロックに対して,該誘電体ブロックと前記薄膜層との界面で全反射条件が得られ,かつ,該界面で収束光の状態となるように入射させる入射光学系と,
前記界面で全反射した光ビームの強度を測定して,全反射減衰の状態を検出する光検出手段とを備えてなる全反射減衰を利用したセンサーにおいて,
前記光検出手段が,前記界面で全反射した光ビームを平行光化するコリメーターレンズと,このコリメーターレンズを通過した光ビームを,前記界面での反射角が異なる成分が一方向に連なる向きにライン状に集光するシリンドリカルレンズと,このライン状に集光された光ビームを検出する,該ラインの方向に延びる受光部を有するラインセンサとを含んで構成されていることを特徴とする全反射減衰を利用したセンサー。」

と補正することを含むものである。

すると,本件補正のうち,特許請求の範囲の請求項1についてする補正は,補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「入射光学系」に関して,「該界面で収束光あるいは発散光の状態となるように入射させる」と限定されていたものを,「該界面で収束光の状態となるように入射させる」と,発散光の状態となるように入射させるものを含まないように減縮するとともに,補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「光検出手段」に関して,「前記界面で全反射した光ビームを,反射角が異なる成分が一方向に連なる向きにライン状に集光するシリンドリカルレンズと,このライン状に集光された光ビームを検出する,該ラインの方向に延びる受光部を有するラインセンサとを含んで構成されている」と限定されていたものを,「前記界面で全反射した光ビームを平行光化するコリメーターレンズと,このコリメーターレンズを通過した光ビームを,前記界面での反射角が異なる成分が一方向に連なる向きにライン状に集光するシリンドリカルレンズと,このライン状に集光された光ビームを検出する,該ラインの方向に延びる受光部を有するラインセンサとを含んで構成されている」と,さらに減縮するものである。
そうすると,上記補正は,平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当すると認められる。

そこで,本件補正後の請求項1に係る発明(以下,「本願補正発明」という。)が特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであるかについて,以下に検討する。

2 引用文献及びその記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された,本願の出願前に頒布された刊行物である特開平9-292333号公報(以下,「引用文献1」という。)には,図面とともに以下の事項が記載されている。

(記載事項1-1)
「【請求項1】 プリズムと,
このプリズムの一面に形成されて,試料に接触させられる金属膜と,
複数の発光部を有し,各発光部からそれぞれ光ビームを発する半導体レーザーアレイと,
この半導体レーザーアレイから発せられた複数本の光ビームを前記プリズムに通し,該プリズムと金属膜との界面に対して,各光ビームの中で種々の入射角が得られるように入射させる光学系と,
前記界面で全反射した各光ビームの強度を,前記種々の入射角毎に検出可能な光検出手段とを備えてなる表面プラズモンセンサー。
【請求項2】 前記半導体レーザーアレイが,その複数の発光部から同時に光ビームを発するように駆動され,
前記光学系が,前記界面で全反射した複数の光ビームを互いに別の位置に集光するように構成され,
前記光検出手段として,集光された前記複数の光ビームをそれぞれ別個に受光する,各光ビーム毎に専用の受光部を有するものが用いられていることを特徴とする請求項1記載の表面プラズモンセンサー。」

(記載事項1-2)
「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,表面プラズモンの発生を利用して試料中の物質を定量分析する表面プラズモンセンサーに関し,特に詳細には,一度に複数試料についての分析を行なえるようにした表面プラズモンセンサーに関するものである。」

(記載事項1-3)
「【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで,以上説明したタイプの表面プラズモンセンサーを使用する場合,作業能率を高めるために,複数の試料についての分析を一度にまとめて行ないたいという要求がある。そのために,1つの光源から発生させた光ビームを複数本に分割し,それら複数本の光ビームをプリズムの金属膜形成面に同時入射させてマルチチャンネル化することが考えられる。
【0011】しかし,そのようにした場合は各チャンネルの光量を十分に確保できず,光検出信号のS/Nが低下し,分析精度が悪くなってしまうため,チャンネル数を余り多く設定できない場合がある。
【0012】本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり,多数の試料についての分析を一度にまとめて行なうことができ,そして各チャンネルに対するビーム光量を十分に確保して,高い分析精度を得ることができる表面プラズモンセンサーを提供することを目的とするものである。」

(記載事項1-4)
「【0022】図示されるようにこの表面プラズモンセンサーは,半円柱形のプリズム10と,このプリズム10の一面(図2中の下面)に形成されて,試料11に接触させられる例えば金,銀等からなる金属膜12と,一例として5個の発光部(ストライプ)14aを有してそれらから各々光ビーム13を発生させる半導体レーザーアレイ14と,上記光ビーム13をプリズム10に通し,該プリズム10と金属膜12との界面10aに対して,1本の光ビーム13毎に種々の入射角が得られるように入射させる光学系15と,上記界面10aで全反射した光ビーム13の強度を検出する光検出手段16とを備えている。
【0023】光学系15は,半導体レーザーアレイ14の各発光部14aから発散光状態で出射した光ビーム13をプリズム10の長軸に垂直な面内のみで集光する入射側シリンドリカルレンズ22,24と,この光ビーム13を平面視状態で平行光化する入射側シリンドリカルレンズ23と,全反射して上記面内で発散光状態となった光ビーム13を平行光化する出射側シリンドリカルレンズ25と,この光ビーム13を平面視状態で集光する出射側シリンドリカルレンズ26とから構成されている。なおシリンドリカルレンズ26による5本の光ビーム13の集光位置は,互いに異なるものとされている。
【0024】各光ビーム13は,入射側シリンドリカルレンズ22および24の作用により上述のように集束するので,図2に最小入射角θ_(1 )と最大入射角θ_(2) とを例示するように,界面10aに対して種々の入射角θで入射する成分を含むことになる。なおこの入射角θは,全反射角以上の角度とされる。そこで,各光ビーム13は界面10aで全反射し,この反射した光ビーム13には,種々の反射角で反射する成分が含まれることになる。
【0025】一方光検出手段16としては,種々の反射角で反射した全部の光ビーム13を受光できる方向,つまり図2の矢印A方向に多数の受光素子が並設されるとともに,このような受光素子列が図1の矢印B方向に5本並設されてなる,例えばCCDエリアセンサ等が用いられている。この光検出手段16は,上記5本の受光素子列がそれぞれ,シリンドリカルレンズ26による5本の光ビーム13の集光位置と整合するように配置されている。
【0026】そこで,該光検出手段16の各受光素子列毎に出力される光検出信号S_(1) ,S_(2),S_(3) ,S_(4) ,S_(5) は,5本の光ビーム13の強度を個別に示すものとなる。また1組の光検出信号Sm (m=1,2,3,4,5)における各受光素子毎の光検出信号は,上記種々の反射角毎に(つまり,種々の入射角毎に)光ビーム13の強度を示すものとなる。」

上記記載事項1-1?1-4及び図1?3の内容を総合すると,引用文献1には,次の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「プリズム10と,このプリズム10の一面に形成されて,試料11に接触させられる金属膜12と,複数の発光部14aを有し,各発光部14aからそれぞれ光ビーム13を発する半導体レーザーアレイ14と,この半導体レーザーアレイ14から発せられた複数本の光ビーム13を前記プリズム10に通し,該プリズム10と金属膜12との界面10aに対して,各光ビーム13の中で種々の入射角が得られるように入射させる光学系15と,前記界面10aで全反射した各光ビーム13の強度を,前記種々の入射角毎に検出可能な光検出手段16とを備えてなり,前記光学系15は,半導体レーザーアレイ14の各発光部14aから発散光状態で出射した光ビーム13をプリズム10の長軸に垂直な面内のみで集光する入射側シリンドリカルレンズ22,24と,この光ビーム13を平面視状態で平行光化する入射側シリンドリカルレンズ23と,全反射して上記面内で発散光状態となった光ビーム13を平行光化する出射側シリンドリカルレンズ25と,この光ビーム13を平面視状態で集光する出射側シリンドリカルレンズ26とから構成されるとともに,前記界面10aで全反射した複数の光ビーム13を互いに別の位置に集光するように構成され,前記光検出手段16として,種々の反射角で反射した全部の光ビーム13を受光できる方向に多数の受光素子が並設されるとともに,このような受光素子列がその直交方向に複数本並設されてなるCCDエリアセンサが用いられ,上記複数本の受光素子列がそれぞれ,シリンドリカルレンズ26による複数本の光ビーム13の集光位置と整合するように配置されている表面プラズモンセンサー。」

3 対比
本願補正発明と引用発明とを対比する。
引用発明の「プリズム10」は,本願補正発明の「誘電体ブロック」に相当する。
引用発明の「このプリズム10の一面に形成されて,試料11に接触させられる金属膜12」は,本願補正発明の「この誘電体ブロックの一面に形成されて試料に接触させられる薄膜層」に相当する。
引用発明の「複数の発光部14aを有し,各発光部14aからそれぞれ光ビーム13を発する半導体レーザーアレイ14」は,本願補正発明の「光ビームを発生させる光源」に相当する。
引用発明は「この半導体レーザーアレイ14から発せられた複数本の光ビーム13を前記プリズム10に通」すものであり,引用発明の「各光ビーム13」は「該プリズム10と金属膜12との界面10a」で「全反射」するものだから,引用発明の「半導体レーザーアレイ14の各発光部14aから発散光状態で出射した光ビーム13をプリズム10の長軸に垂直な面内のみで集光する入射側シリンドリカルレンズ22,24と,この光ビーム13を平面視状態で平行光化する入射側シリンドリカルレンズ23」は,本願補正発明の「前記光ビームを前記誘電体ブロックに対して,該誘電体ブロックと前記薄膜層との界面で全反射条件が得られ,かつ,該界面で収束光の状態となるように入射させる入射光学系」に相当する。
引用発明の「前記界面10aで全反射した各光ビーム13の強度を,前記種々の入射角毎に検出可能な光検出手段16」は,本願補正発明の「前記界面で全反射した光ビームの強度を測定して,全反射減衰の状態を検出する光検出手段」に相当する。
引用発明の「全反射して上記面内で発散光状態となった光ビーム13を平行光化する出射側シリンドリカルレンズ25」と,本願補正発明の「前記界面で全反射した光ビームを平行光化するコリメーターレンズ」とは,「前記界面で全反射した光ビームを平行光化するレンズ」である点で共通する。
引用発明の「CCDエリアセンサ」は,「種々の反射角で反射した全部の光ビーム13を受光できる方向に多数の受光素子が並設される」ものであり,「複数本の受光素子列がそれぞれ,シリンドリカルレンズ26による複数本の光ビーム13の集光位置と整合するように配置されている」ものだから,引用発明の「この光ビーム13を平面視状態で集光する出射側シリンドリカルレンズ26」と,本願補正発明の「このコリメーターレンズを通過した光ビームを,前記界面での反射角が異なる成分が一方向に連なる向きにライン状に集光するシリンドリカルレンズ」とは,「このレンズを通過した光ビームを,前記界面での反射角が異なる成分が一方向に連なる向きにライン状に集光するシリンドリカルレンズ」である点で共通する。
引用発明は「複数本の受光素子列がそれぞれ,シリンドリカルレンズ26による複数本の光ビーム13の集光位置と整合するように配置されている」ものだから,引用発明の「種々の反射角で反射した全部の光ビーム13を受光できる方向に多数の受光素子が並設されるとともに,このような受光素子列がその直交方向に複数本並設されてなるCCDエリアセンサ」と,本願補正発明の「このライン状に集光された光ビームを検出する,該ラインの方向に延びる受光部を有するラインセンサ」とは,「このライン状に集光された光ビームを検出する,該ラインの方向に延びる受光部を有する光検出センサ」である点で共通する。
引用発明の「表面プラズモンセンサー」は,本願補正発明の「全反射減衰を利用したセンサー」に相当する。

してみると,両発明は,

「誘電体ブロックと,この誘電体ブロックの一面に形成されて試料に接触させられる薄膜層と,光ビームを発生させる光源と,前記光ビームを前記誘電体ブロックに対して,該誘電体ブロックと前記薄膜層との界面で全反射条件が得られ,かつ,該界面で収束光の状態となるように入射させる入射光学系と,前記界面で全反射した光ビームの強度を測定して,全反射減衰の状態を検出する光検出手段とを備えてなる全反射減衰を利用したセンサーにおいて,前記光検出手段が,前記界面で全反射した光ビームを平行光化するレンズと,このレンズを通過した光ビームを,前記界面での反射角が異なる成分が一方向に連なる向きにライン状に集光するシリンドリカルレンズと,このライン状に集光された光ビームを検出する,該ラインの方向に延びる受光部を有する光検出センサとを含んで構成されている全反射減衰を利用したセンサー。」

である点で一致し,以下の点で相違している。

(相違点)
「前記界面で全反射した光ビームを平行光化するレンズ」が,本願補正発明では「コリメーターレンズ」であるのに対して,引用発明では「出射側シリンドリカルレンズ25」であり,「ライン状に集光された光ビームを検出する,該ラインの方向に延びる受光部を有する光検出センサ」が,本願補正発明では「ラインセンサ」であるのに対して,引用発明では「CCDエリアセンサ」である点。

4 判断
上記相違点について検討する。
上記記載事項1-3によれば,引用発明の目的は,「多数の試料についての分析を一度にまとめて行なうことができ,そして各チャンネルに対するビーム光量を十分に確保して,高い分析精度を得ることができる表面プラズモンセンサーを提供すること」であるが,「多数の試料についての分析を一度にまとめて行なう」ことよりも装置の小型軽量化やコストダウンを優先させる場合には,複数の光ビームでなく,全反射減衰を利用した通常のセンサーのように1本の光ビームを用いる構成を採用すればよいことは,当業者であれば自明の事項にすぎない。
そして,引用発明において「前記界面で全反射した光ビームを平行光化するレンズ」として「出射側シリンドリカルレンズ25」を用いたのは,複数の光ビームを平行光化するためであり,これが1本の光ビームの場合には,高価な「シリンドリカルレンズ」ではなく,安価な通常の「コリメーターレンズ」を用い得ることは,当業者にとって自明の事項である。また,引用発明は,複数の光ビームを互いに別の位置に集光するように構成したから,受光素子列をその直交方向に複数本並設して「CCDエリアセンサ」としているのであり,1本の光ビームの場合には,1本の受光素子列,すなわち,「ラインセンサ」で対応可能であることも,当業者にとって自明の事項である。
そうすると,引用発明において,優先すべき課題に応じて,複数の光ビームを用いる構成に代えて,全反射減衰を利用した通常のセンサーのように1本の光ビームを用いる構成を採用し,これに併せて,「前記界面で全反射した光ビームを平行光化するレンズ」として「出射側シリンドリカルレンズ25」に代えて「コリメーターレンズ」を,「ライン状に集光された光ビームを検出する,該ラインの方向に延びる受光部を有する光検出センサ」として「CCDエリアセンサ」に代えて「ラインセンサ」を採用すること,すなわち,上記相違点における本願補正発明の構成とすることは,当業者が容易に想到できたことというべきである。

そして,本願補正発明の作用効果も,引用文献1の記載事項から当業者が予測できる範囲のものであり,格別顕著なものとはいえない。

したがって,本願補正発明は,引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により,特許出願の際に独立して特許を受けることができないものである。

5 まとめ
以上のとおり,本願補正発明は,特許法第29条第2項の規定により,特許出願の際に独立して特許を受けることができないものであるから,本件補正は,平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項で準用する同法第126条第5項に規定する要件を満たさないものであり,特許法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
平成20年1月8日付けの手続補正は上記のとおり却下されることとなったので,本願の請求項1乃至5に係る発明は,平成19年7月26日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1乃至5に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ,その請求項1に係る発明(以下,「本願発明」という。)は,「第2[理由]1 本願補正発明」に本件補正前の請求項1として記載したとおりのものである。

2 引用文献及びその記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1の記載事項については,「第2[理由]2 引用文献及びその記載事項」に記載したとおりである。

3 対比・判断
本願発明は,上記「第2[理由]」で検討した本願補正発明から,構成要件である「入射光学系」に関する限定である「該界面で収束光の状態となるように入射させる」を,「該界面で収束光あるいは発散光の状態となるように入射させる」と,発散光の状態となるように入射させるものも含むように拡張するとともに,構成要件である「光検出手段」に関する限定である「前記界面で全反射した光ビームを平行光化するコリメーターレンズと,このコリメーターレンズを通過した光ビームを,前記界面での反射角が異なる成分が一方向に連なる向きにライン状に集光するシリンドリカルレンズと,このライン状に集光された光ビームを検出する,該ラインの方向に延びる受光部を有するラインセンサとを含んで構成されている」を,「前記界面で全反射した光ビームを,反射角が異なる成分が一方向に連なる向きにライン状に集光するシリンドリカルレンズと,このライン状に集光された光ビームを検出する,該ラインの方向に延びる受光部を有するラインセンサとを含んで構成されている」と,より拡張したものであるといえる。
そうすると,本願発明の構成要件を全て含み,更に一部の構成要件に関する限定をより減縮したものに相当する本願補正発明が前記「第2[理由]4 判断」に記載したとおり,引用発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,本願発明も,同様の理由により,引用発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものである。

4 むすび
以上のとおり,本願発明は,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから,その他の請求項について言及するまでもなく,本願は,拒絶すべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2009-09-28 
結審通知日 2009-10-06 
審決日 2009-10-19 
出願番号 特願2000-392490(P2000-392490)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (G01N)
P 1 8・ 121- Z (G01N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 西村 仁志  
特許庁審判長 岡田 孝博
特許庁審判官 後藤 時男
小島 寛史
発明の名称 全反射減衰を利用したセンサー  
代理人 柳田 征史  
代理人 佐久間 剛  

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