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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F16K
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 F16K
管理番号 1209207
審判番号 不服2008-23573  
総通号数 122 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-02-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-09-16 
確定日 2009-12-21 
事件の表示 特願2002- 67227「チェックバルブ」拒絶査定不服審判事件〔平成15年 9月25日出願公開、特開2003-269631〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 【1】手続の経緯の概要
本願は、平成14年3月12日の出願であって、平成20年8月13日(起案日)付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成20年9月16日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに、平成20年10月14日付けで明細書の手続補正がなされたものである。

【2】平成20年10月14日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成20年10月14日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1.本件補正後の本願発明
本件補正により、特許請求の範囲は、
「【請求項1】
流路の上流側に配置される上流側ボディと、前記上流側ボディの下流側に配置され、上流側部分が前記上流側ボディ内に螺入される下流側ボディと、前記下流側ボディの上流側部分内に収められる筒状弁体と、前記下流側ボディの上流側と前記筒状弁体との間に装入されるスプリングとから成り、
前記スプリングを受ける前記下流側ボディの上流側部分の内奥部と前記筒状弁体の内奥部に、前記スプリングを保持する螺旋受座がそれぞれ配置され、
前記螺旋受座は、前記下流側ボディの上流側部分の内奥部並びに前記筒状弁体の内奥部に当接する当接面が平坦に形成され、また、その前記スプリングを保持する側には、前記スプリングに対応する約1巻分の螺旋形であって、断面がほぼ半円形の窪みが形成されていて、前記スプリングの各端部は、その約1巻分が前記窪みに収まるように配置され、
更に、前記筒状弁体の頭部周面は曲面にされ、その曲面部が、前記上流側ボディの内奥部に装填されたOリングに当接するようにされたことを特徴とするチェックバルブ。
【請求項2】
前記螺旋受座は、前記下流側ボディの上流側部分の内奥部、並びに、前記筒状弁体の内奥部にそれぞれ一体に成形される請求項1に記載のチェックバルブ。
【請求項3】
前記螺旋受座は、前記下流側ボディの上流側部分、並びに、前記筒状弁体とは別体に成形される請求項1に記載のチェックバルブ。」に補正された。
上記補正は、請求項1についてみると、本願の願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内において、本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「筒状弁体」について「筒状弁体の頭部周面は曲面にされ、その曲面部が、前記上流側ボディの内奥部に装填されたOリングに当接するようにされた」と構成を限定するものであるから、新規事項を追加するものではなく、発明を特定するために必要な事項を限定するものであって、発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題を変更することのない範囲で、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
したがって、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号に規定する補正の目的に合致する。
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか (平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。

2.引用刊行物とその記載事項
(刊行物1)
原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開平8-189575号公報(以下、「刊行物1」という。)には、「逆止弁」に関して、下記の事項が図面(特に、図2参照)とともに記載されている。

(ア)「【0002】
【従来の技術】従来の逆止弁の一例を図2に示す。この逆止弁は、流入流路11と管接続ねじ12を備えた弁本体1と流出流路21と管接続ねじ22を備えた弁本体2をワッシャ7を介してユニオンナット3でねじ締結した所謂インライン式の逆止弁である。そして内部には弁本体1の開口端に一体的に成形した弁座部13と開閉自在に対向配置した弁体4が、通常ばね部材5によって閉弁方向に付勢されている。弁体4には安定した開閉動作を行えるように弁本体2の開口内面23と摺動するガイド部41と前記弁座部13と直接当接して密封シールするシール部材、一般にOリング6が凹溝42内に装着されている。尚、31は漏れ検査用のリークポートである。」

(イ)「【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような逆止弁は、半導体製造装置における各種ガス配管系にも使用されるが、この種の配管系においても比較的高圧のガスを扱う場合や逃し弁として使用することがある。また二次側流路が真空引きされて使用することもある。このような場合、開弁時に流入した流体が凹溝42の背面側に入り込みOリング6を凹溝42から押し出そうとする力が、また流体の流れに押されて抜け出ようとする力が作用する。これらによって最悪Oリングが抜け出てしまうことも考えられるし、抜け出ないまでも変形をともなうので閉弁時のシール性が低下するという問題がある。
【0004】本発明は、このような問題を解決するもので高圧流体がOリングに作用してもシール機能を損うことも、また抜け出ることもない逆止弁を提供することを目的とする。」

(ウ)図2から、弁本体1及びユニオンナット3が流路の上流側に、弁本体2が下流側にそれぞれ配置され、弁本体2の上流側部分が弁本体1及びユニオンナット3内にねじ締結される点、弁体4は弁本体2の上流側部分内に収められる点、ばね5は弁本体2の上流側と弁体4との間に装入される点、ばね5を受ける弁本体2の上流側部分の内奥部並びに弁体4の内奥部に、ばね5を保持する受け部がそれぞれ設けられている点が看取できる。

以上の記載事項及び図面の記載からみて、刊行物1には次の発明(以下、「刊行物1記載の発明」という。)が記載されていると認められる。
[刊行物1記載の発明]
「流路の上流側に配置される弁本体1及びユニオンナット3と、前記弁本体1及びユニオンナット3の下流側に配置され、上流側部分が前記弁本体1及びユニオンナット3内にねじ締結される弁本体2と、前記弁本体2の上流側部分内に収められる弁体4と、前記弁本体2の上流側と前記弁体4との間に装入されるばね5とから成り、
前記ばね5を受ける前記弁本体2の上流側部分の内奥部並びに前記弁体4の内奥部に、前記ばね5を保持する受け部がそれぞれ設けられ、
弁体4に形成された凹溝42内にOリング6が装着された逆止弁。」

(刊行物2)
原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である国際公開第94/15129号(以下、「刊行物2」という。)には、「湯水混合装置」に関して、下記の事項が図面とともに記載されている。

(エ)「図13に示すように、このばね受け部材180の底面部182には、感温ばね130の左支持端部132に倣った形状の螺旋段部186が形成されている。
この螺旋段部186は端面処理がされていない感温ばね130の左支持端部132を位置決めして感温ばね130を底面部182に対して垂直に起立保持する。このように垂直に保持された感温ばね130は、可動弁体160に対して軸方向と同じ方向へばね力を加え、可動弁体160を傾かせることなく摺動させることになる。」(第33ページ第28行?第34ページ第6行)

(刊行物3)
原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2001-82519号公報(以下、「刊行物3」という。)には、「コイルバネの受け部を備えた自動車用のバネ脚部」に関して、下記の事項が図面とともに記載されている。

(オ)「【0017】図3?6のバネキャップ6,6a は案内溝13を有する傾いているバネ支持面12に合ったバネ3のピッチを有する。…(略)…」

(刊行物4)
原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である特公昭59-26813号公報(以下、「刊行物4」という。)には、「コイルばね用座」に関して、下記の事項が図面とともに記載されている。なお、大文字を小文字で表記した箇所がある。

(カ)「図において、31は平面円形の本体であって、その上面中央に背の高いガイド32が突成されているとともに、本体31の上面外周部には螺旋形の斜面33が形成されていて、その斜面33に半円形断面の装置溝34が穿設されている。」(第1ページ第2欄第9行?13行)

(キ)「第3図において、41は平面円形の本体、42はその上面に突成されたガイドであって、本体41の上面外周部に螺旋形の斜面43が形成され、その斜面43に半円径より少し深い装置溝44が穿設されている。」(第1ページ第2欄第30行?35行)

3.対比・判断
本願補正発明と刊行物1記載の発明を対比すると、その機能からみて、刊行物1記載の発明の「弁本体1及びユニオンナット3」は本願補正発明の「上流側ボディ」に相当し、以下同様に、「ねじ締結」は「螺入」に、「弁本体2」は「下流側ボディ」に、「弁体4」は「筒状弁体」に、「ばね5」は「スプリング」に、「逆止弁」は「チェックバルブ」にそれぞれ相当する。 また、刊行物1記載の発明の「受け部」と本願補正発明の「螺旋受座」は、スプリングを保持する点において共通している。

したがって、本願補正発明の用語を使用して記載すると、両者は、
「流路の上流側に配置される上流側ボディと、前記上流側ボディの下流側に配置され、上流側部分が前記上流側ボディ内に螺入される下流側ボディと、前記下流側ボディの上流側部分内に収められる筒状弁体と、前記下流側ボディの上流側と前記筒状弁体との間に装入されるスプリングとから成り、
前記スプリングを受ける前記下流側ボディの上流側部分の内奥部と前記筒状弁体の内奥部に、前記スプリングを保持する受け部がそれぞれ設けられたチェックバルブ。」
である点で一致し、以下の点で相違している。

[相違点1]
本願補正発明は、受け部が「螺旋受座」であり、「螺旋受座は、下流側ボディの上流側部分の内奥部並びに筒状弁体の内奥部に当接する当接面が平坦に形成され、また、そのスプリングを保持する側には、前記スプリングに対応する約1巻分の螺旋形であって、断面がほぼ半円形の窪みが形成されていて、前記スプリングの各端部は、その約1巻分が前記窪みに収まるように配置され」ているのに対し、刊行物1記載の発明は、受け部がそのような螺旋受座ではない点。

[相違点2]
本願補正発明は、「筒状弁体の頭部周面は曲面にされ、その曲面部が、上流側ボディの内奥部に装填されたOリングに当接するようにされ」ているのに対し、刊行物1記載の発明の弁体4の頭部周面は曲面にされているのか不明であり、Oリング6は弁体4に形成された凹溝42内に装着されている点。

上記各相違点について以下に検討する。
(相違点1について)
刊行物2には、「ばね受け部材180の底面部182には、感温ばね130の左支持端部132に倣った形状の螺旋段部186が形成されている。」と記載され、その効果として「感温ばね130を底面部182に対して垂直に起立保持」し、「可動弁体160に対して軸方向と同じ方向へばね力を加え、可動弁体160を傾かせることなく摺動させる」と記載されている(上記記載事項(エ)参照)。さらに、刊行物2の図3から判断するに、螺旋段部186は、感温ばね130の約1巻分に形成されていると認められる。
また、刊行物3には、バネキャップ6のバネ支持面12が傾いていることが記載されている(上記記載事項(オ)参照)とともに、図3ないし図6からバネ支持面12はバネ3の約1巻分に形成されていること、及びバネ支持面12にバネ3が収められる断面略半円形の案内溝13(窪み)が形成されていることが看取でき、刊行物4には、コイルばねSの受け部材である本体31,41の斜面33,43が螺旋形であること、及びコイルばねSが収められる装置溝34,44(窪み)が断面略半円形であることが記載されている(上記記載事項(カ)、(キ)参照)ことからも分かるように、コイルスプリングの受け部を約1巻分の螺旋形とすること、及び受け部に断面略半円形のコイルスプリングが収められる窪みを設けることは、従来周知の事項であるといえる。そして、受け部を螺旋形とすることにより、被押圧体に作用するコイルスプリングの押圧力が均等となることも、当業者であれば容易に理解できることである。
そうすると、刊行物1記載の発明においても、弁体4に作用する押圧力は均等であることが当然に好適であることを考慮すると、刊行物1記載の発明のばね5の受け部に、上記周知の事項を採用することは、当業者であれば容易に想到し得るものである。その際に、該周知の事項を、2つあるばね5の受け部の両方に採用するかどちらか一方に採用するかは当業者が適宜決定し得る設計的事項であり、また、ばね受け(受座)の当接面を平坦面とすることも当業者が適宜なし得る設計的事項にすぎない。

(相違点2について)
チェックバルブにおいて、弁体の頭部周面を曲面とし、その曲面部がハウジングに装填されたOリングに当接するような構成とすることは、従来周知の事項(例えば、米国特許第5065790号明細書のFIG5、特開昭48-47616号公報のFIG.4、実願昭62-161378号(実開平1-67380号)のマイクロフィルムの第1、3図等参照)であることから、刊行物1記載の発明において、 弁体4の頭部周面を曲面とし、その曲面部が本体1に装填されたOリングに当接するような構成とすることは、当業者が適宜なし得る設計的事項にすぎない。

また、本願補正発明の奏する効果についてみても、刊行物1に記載された発明及び周知の事項から当業者が予測できるものであって、格別顕著な効果を奏するものとは認められない。

したがって、本願補正発明は、刊行物1に記載された発明及び周知の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

なお、審判請求人は、前置審尋に対する平成21年9月8日付けの回答書において、「2)確かに引用文献2には、独立して成形されたばね受け部材(180)が記載されていますが、このばね受け部材(180)は、可動弁体(160)に対して感温ばね(130)の逆側端にしか配置されておらず、本発明に係るチェックバルブにてたとえるならば、下流側ボディ4の内奥部にのみ配置して、筒状弁体7の内奥部には配置していない状態と同じです。
一方、本願請求項1に係る発明のチェックバルブでは、スプリング10の両端に螺旋受座11を配置することによって、リークや振動の発生がないという、上述した作用効果を発揮するものであって(段落[0015]ご参照)、片側にのみ配置しただけでは、筒状弁体7が部分的に押されて傾き、リークを起こしたり、微振動によって騒音を発したりすることを完全に防止することができないことは明らかです。このことは、引用文献2が、本願発明のような、筒状弁体7の傾きによるリークの発生や微振動による騒音の発生防止を目的としていないことの必然的結果であります。
そして、このように、「筒状弁体7の傾きによるリークの発生や微振動による騒音の発生防止」を技術的課題としておらず、且つ、その技術的課題を解決すべき構成とはなっていない引用文献2の発明の構成を、同じくそのような技術的課題を有しない引用文献1の発明に組み合わせる必然性は全く見出し得ません。従って、仮に引用文献2の発明の構成を引用文献1に組み合わせたところで、上記効果を奏し得る本願発明の構成が導き出され得ないことは、言うまでもないところです。」、「5)要するに、本願請求項1に係る発明においては、主に、「Oリング8が、上流側ボディ1の内奥部に装填され、筒状弁体7のOリング8に当接する頭部周面が曲面にされる」という構成と、「スプリングの両端を、下流側ボディの上流側部分の内奥部並びに筒状弁体の内奥部に当接する当接面が平坦に形成され、そのスプリングを保持する側に、スプリングに対応する約1巻分の螺旋形であって断面がほぼ半円形の窪みが形成されていて、スプリングの各端部の約1巻分が窪みに収まるように配置された螺旋受座で支持する」という構成の相互作用並びに相乗効果として、筒状弁体7に対してスプリング10の押圧力が常に適正に作用し、以て所定圧以下においてリークを起こすトラブルが発生する虞がなく、また、振動によって騒音を発することもなく、チェックバルブとしての機能を確実に且つ長期的に果たし得るという効果がもたらされますが、このような作用効果を有する発明は、いずれの引用文献にも、明示的のみならず、示唆的にさえも開示されていないのであり、もちろん、かかる技術的思想が、各引用文献から自明と言うことはできません。」(【回答の内容】3.本願発明と引用文献との対比の項を参照。)と主張している。
しかしながら、螺旋形の支持面を有するばね受けをばね5の両方のばね受け部に設けることが設計的事項にすぎないことは、上述のとおりであり、審判請求人が主張する上記作用効果も、刊行物1記載の発明及び周知の事項から当業者が当然に予測し得るものであり、それぞれの効果の総和以上の格別顕著な効果を奏するものとは認められない。
よって、審判請求人の上記主張は採用できない。

4.むすび
本願補正発明について以上のとおりであるから、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定違反するものであり、本件補正における他の補正事項を検討するまでもなく、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

【3】本願発明
平成20年10月14日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成19年4月9日付けの手続補正により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。なお、平成20年4月22日付けの手続補正は、原審において平成20年8月13日(起案日)付けで決定により却下されている。

「【請求項1】
流路の上流側に配置される上流側ボディと、前記上流側ボディの下流側に配置され、上流側部分が前記上流側ボディ内に螺入される下流側ボディと、前記下流側ボディの上流側部分内に収められる筒状弁体と、前記下流側ボディの上流側と前記筒状弁体との間に装入されるスプリングとから成り、
前記スプリングを受ける前記下流側ボディの上流側部分の内奥部と前記筒状弁体の内奥部に、前記スプリングを保持する螺旋受座がそれぞれ配置され、
前記螺旋受座は、前記下流側ボディの上流側部分の内奥部並びに前記筒状弁体の内奥部に当接する当接面が平坦に形成され、また、その前記スプリングを保持する側には、前記スプリングに対応する約1巻分の螺旋形であって、断面がほぼ半円形の窪みが形成されていて、
前記スプリングの各端部は、その約1巻分が前記窪みに収まるように配置されることを特徴とするチェックバルブ。」

1.本願発明について
(1)本願発明
上記のとおりである。

(2)引用刊行物とその記載事項
上記【2】2.に記載したとおりである。

(3)対比・判断
本願発明は、上記【2】3.で検討した本願補正発明の「筒状弁体」について「筒状弁体の頭部周面は曲面にされ、その曲面部が、前記上流側ボディの内奥部に装填されたOリングに当接するようにされた」という事項を削除し、構成を拡張したものに相当する。
そうすると、本願発明の構成要件をすべて含み、さらに構成要件を減縮したものに相当する本願補正発明が、上記【2】に記載したとおり、刊行物1に記載された発明及び周知の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、実質的に同様の理由により、刊行物1に記載された発明及び周知の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

2.むすび
以上のとおり、本願発明(請求項1に係る発明)は、刊行物1に記載された発明及び周知の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に基づいて特許を受けることができない。
そして、本願の請求項1に係る発明が特許を受けることができないものである以上、本願の請求項2ないし4に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2009-10-27 
結審通知日 2009-10-28 
審決日 2009-11-10 
出願番号 特願2002-67227(P2002-67227)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (F16K)
P 1 8・ 121- Z (F16K)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 刈間 宏信渡邉 洋  
特許庁審判長 川本 真裕
特許庁審判官 山岸 利治
藤村 聖子
発明の名称 チェックバルブ  
代理人 齋藤 晴男  

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