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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A61B
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A61B
管理番号 1209582
審判番号 不服2007-28129  
総通号数 122 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-02-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-10-15 
確定日 2010-01-04 
事件の表示 特願2003-431899「多数の検出器パネルを利用した空間測定CTシステム及び方法」拒絶査定不服審判事件〔平成16年 8月19日出願公開、特開2004-230154〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成15年12月26日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2002年12月31日 米国)の出願であって、平成19年8月2日付けで拒絶査定がされ、これに対し、同年10月15日に拒絶査定不服審判の請求がされるとともに、同日付けで手続補正(以下、「本件補正」という。)がなされたものである。


第2 本件補正の補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成19年10月15日付けの手続補正を却下する。
[理由]
1.補正後の本願発明
本件補正は、特許請求の範囲を補正するものであって、平成19年3月26日付けの手続補正書の特許請求の範囲の請求項1を以下のとおり補正するものである。(下線部は補正箇所を示す。)
「撮像目標物の内部特徴を表わす画像を形成することが可能なイメージング・システム(10)であって、
撮像目標物に向けてX線のビーム(16)を放出するように構成されているX線源(12)と、
構成設定可能な視野を包囲する2以上のフラット・パネルX線検出器(68)を含んでおり、前記X線のビーム(16)を検出して、該X線のビーム(16)に応答して2以上の信号を発生するように構成されている検出器(22)であって、前記視野は、前記イメージング・システム(10)で用いられる前記フラット・パネルX線検出器のパネル数によって決定される面内視野及び各々のフラット・パネルX線検出器から読み出される横列数によって決定される前記撮像目標物の軸に沿った視野により決定される前記検出器(22)と、
前記X線源(12)を制御するように構成されているX線コントローラ(30)と、
前記検出器(22)から前記2以上の信号を受け取るように構成されているデータ取得サーキットリ(34)と、
該データ取得サーキットリ(34)及びメモリ・サーキットリ(38)の少なくとも一方から前記2以上の信号を受け取って、前記撮像目標物の前記内部特徴(66)を表わす画像(64)を再構成するように構成されているコンピュータ(36)と、
該コンピュータ(36)、前記データ取得サーキットリ(34)及び前記X線コントローラ(30)の少なくとも1つに1以上の指令を伝達するように構成されている操作者ワークステーション(40)とを備え、
前記撮像目標物の軸に沿った視野及び前記面内視野は、所望の視野及び、所望の走査時間によって構成設定される、
イメージング・システム(10)。」(以下、「本願補正発明」という。)

上記補正は、検出器について「前記視野は、前記イメージング・システム(10)で用いられる前記フラット・パネルX線検出器のパネル数によって決定される面内視野及び各々のフラット・パネルX線検出器から読み出される横列数によって決定される前記撮像目標物の軸に沿った視野により決定される」という限定を付加し、視野について、目標物の軸に沿った視野及び面内視野が、補正前の請求項1を引用する請求項4に記載されていた「所望の視野及び所望の走査時間に基づいて構成設定される」という限定を付加するものであるから、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本願補正発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。

2.引用刊行物記載の発明
原査定の拒絶の理由に引用され、本願の優先日前の平成14年11月12日に頒布された刊行物である特開2002-325757号公報(以下、「引用例」という。)には、以下の記載がある。
[a]「【特許請求の範囲】
【請求項1】 幅及び厚みを有する放射線ファン・ビーム(16)を発生する放射線源(14)と共に用いられ、ビーム射線の強度信号を収集する計算機式断層写真法(CT)検出器装置であって、
パネル幅(W)及びパネル長(L)を各々有し、パネル・アレイ(18)を形成するように並設構成で並置されている少なくとも第一及び第二のディジタル検出器パネル(50、52)であって、各々のパネル長は本質的に全検出域の厚みにわたって延在しており、合計パネル幅は本質的に全検出域の幅にわたって延在している、少なくとも第一及び第二のディジタル検出器パネル(50、52)を備えた計算機式断層写真法検出器装置。」
[b]「【0005】CTイメージング・システムを構成する最良の方式を決定する際には、システムの相対経費及び得られる画像の画質を含めて幾つかの要因に配慮しなければならない。」
[c]「【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の例示的な実施形態は、相対的に小面積の複数のディジタル検出器パネルで構成された大面積のCT検出器を含む装置を含んでいる。パネルは、ファン・ビームを横断して延在するように並設態様で、且つデータ取得時に発生される共役射線が、共役対の他方の射線がパネル間の間隙に向かって配向している場合でも検出器パネルの範囲に入射(subtend)して収集される信号を発生する少なくとも一つの射線を必ず含むように寸法決定され構成されている。」
[d]「【0016】
【発明の実施の形態】図1及び図2には、計算機式断層写真(CT)イメージング・システム10が、「第3世代」CTスキャナに典型的なガントリ12を含むものとして示されている。ガントリ12はX線源14を有し、X線源14は、X線ビーム16をガントリ12の対向する側に設けられている検出器アレイ18に向かって投射する。検出器アレイ18は複数のX線パネル20によって形成されており、検出器パネル20は一括で、物体又は関心領域22、例えば患者の領域を通過した投射X線を検知する。X線投影データを取得するための1回の走査の間に、ガントリ12及びガントリ12に装着されている構成部品は、回転中心又はイソセンタ24の周りを回転する。
【0017】ガントリ12の回転及びX線源14の動作は、CTシステム10の制御機構26によって制御されている。制御機構26は、X線制御器28とガントリ・モータ制御器30とを含んでおり、X線制御器28はX線源14に電力信号及びタイミング信号を供給し、ガントリ・モータ制御器30はガントリ12の回転速度及び位置を制御する。制御機構26内に設けられているデータ取得システム(DAS)32が検出器パネル20からのアナログ・データをサンプリングして、各々のパネルの面を横断して何処でX線が検出されたかを決定し、検出位置をディジタルCT信号へ変換して、このディジタルCT信号をCT数として後続の処理のために大容量記憶装置38に記憶させる。データ取得中又はデータ取得後のいずれかに、画像再構成器34が、サンプリングされてディジタル化されたX線データをDAS32から受け取るか、或いは記憶装置38からデータを検索して、後に詳述する高速画像処理を実行し、1以上の画像を形成する。これらの画像はコンピュータ36へ供給され、コンピュータ36は後続の検査のために大容量記憶装置38に画像を記憶させる。
【0018】コンピュータ36はまた、キーボードを有するコンソール40を介して操作者から指令及び走査用パラメータを受け取る。付設されている表示器42によって、操作者は、画像及びコンピュータ36からのその他のデータを観測することができる。操作者が供給した指令及びパラメータはコンピュータ36によって用いられて、DAS32、X線制御器28及びガントリ・モータ制御器30に制御信号及び情報を供給する。加えて、コンピュータ36は、モータ式テーブル46を制御するテーブル・モータ制御器44を動作させて、患者22をガントリ12内でZ軸15に沿って配置する。このようにして、テーブル46は患者22の各部をガントリ開口48を通して軸15に沿って移動させる。
【0019】図2、図3及び図4には、本発明による例示的な検出器アレイ18が図示されている。検出器アレイ18は、X線検出器又はディジタル検出器の形式の複数のパネル50、52、54、56及び58を含んでいる。すべてのパネル50?58は同じように構築されており、従って、簡略化のため、ここでは中央のパネル54についてのみ若干詳細に説明する。ここで述べる以外の点でのパネル54のようなパネルの構築及び動作はCT業界で周知であるので、本書では立ち入らない。
【0020】一実施形態では、パネル54は、アモルファス・シリコン・アレイ62に結合されているCsIシンチレータ60を含んでいると述べておけば十分であろう。結晶60は、幅寸法W及び長さ寸法Lを有する本質的に平坦な入射表面64を画定している。X線が表面64に入射すると、結晶60は「閃光を発生(シンチレート)」して、アレイ62によって検出される光を生成する。光を吸収すると、アレイ62は信号を発生し、これらの信号を用いて吸収されたX線のエネルギを決定すると共に、X線が入射した表面64に沿った正確な位置を決定することができる。パネル54はまた、アレイ62に結合されており、検出されたX線に関連するエネルギ及びX線入射点の両方を識別するアレイ62からの信号を受け取る取得サーキットリ(図示されていない)を含んでいる。各々のX線のエネルギ及び入射点は、処理及び記憶のためにコンピュータ36へ供給される。このために、コンピュータ36は、データ処理及びシステム管理用のプロセッサ37を含んでいる。」
上記[a]、[c]、[d]の記載によれば、引用例には、
「幅及び厚みを有する放射線ファン・ビーム(16)を発生する放射線源(14)と共に用いられ、ビーム射線の強度信号を収集する計算機式断層写真法(CT)検出器装置であって、パネル幅(W)及びパネル長(L)を各々有し、パネル・アレイ(18)を形成するように並設構成で並置されている少なくとも第一及び第二のディジタル検出器パネル(50、52)であって、各々のパネル長は本質的に全検出域の厚みにわたって延在しており、合計パネル幅は本質的に全検出域の幅にわたって延在している、少なくとも第一及び第二の本質的に平坦な入射表面64を画定しているディジタル検出器パネル(50、52)、X線制御器28、データ取得システム(DAS)32を備え、画像再構成器34が、サンプリングされてディジタル化されたX線データをDAS32から受け取るか、或いは記憶装置38からデータを検索して、後に詳述する高速画像処理を実行し、1以上の画像を形成し、これらの画像はコンピュータ36へ供給され、コンピュータ36はまた、キーボードを有するコンソール40を介して操作者から指令及び走査用パラメータを受け取る計算機式断層写真法検出器装置。」の発明(以下、「引用例発明」という。)が記載されていると認められる。

3.対比
本願補正発明と引用例発明とを対比する。
(ア)引用例発明の「計算機式断層写真法検出器装置」は、本願補正発明の「撮像目標物の内部特徴を表わす画像を形成することが可能なイメージング・システム(10)」に相当する。
(イ)引用例発明の「幅及び厚みを有する放射線ファン・ビーム(16)を発生する放射線源(14)」は、本願補正発明の「撮像目標物に向けてX線のビーム(16)を放出するように構成されているX線源(12)」に相当する。
(ウ)引用例発明の「少なくとも第一及び第二の本質的に平坦な入射表面64を画定しているディジタル検出器パネル(50、52)」は、本願補正発明の「構成設定可能な視野を包囲する2以上のフラット・パネルX線検出器(68)」に相当する。そして、引用例発明の「パネル・アレイ(18)」は、少なくとも第一及び第二のディジタル検出器パネル(50、52)により形成されるものであるから、本願補正発明の「構成設定可能な視野を包囲する2以上のフラット・パネルX線検出器(68)を含んでおり、前記X線のビーム(16)を検出して、該X線のビーム(16)に応答して2以上の信号を発生するように構成されている検出器(22)」に相当する。
(エ)引用例発明の「データ取得システム(DAS)32」は、本願補正発明の「前記検出器(22)から前記2以上の信号を受け取るように構成されているデータ取得サーキットリ(34)」に相当する。
(オ)引用例発明の「X線制御器28」は、本願補正発明の「前記X線源(12)を制御するように構成されているX線コントローラ(30)」に相当する。
(カ)引用例発明の「サンプリングされてディジタル化されたX線データをDAS32から受け取るか、或いは記憶装置38からデータを検索して、後に詳述する高速画像処理を実行し、1以上の画像を形成」する「画像再構成器34」および画像が供給される「コンピュータ36」は、本願補正発明の「該データ取得サーキットリ(34)及びメモリ・サーキットリ(38)の少なくとも一方から前記2以上の信号を受け取って、前記撮像目標物の前記内部特徴(66)を表わす画像(64)を再構成するように構成されているコンピュータ(36)」に相当する。
(キ)引用例発明の「コンソール40」は、操作者からの指令及び走査用パラメータをコンピュータ36に伝達するものであるから、本願補正発明の「該コンピュータ(36)、前記データ取得サーキットリ(34)及び前記X線コントローラ(30)の少なくとも1つに1以上の指令を伝達するように構成されている操作者ワークステーション(40)」に相当する。
したがって、両者は、
「撮像目標物の内部特徴を表わす画像を形成することが可能なイメージング・システム(10)であって、撮像目標物に向けてX線のビーム(16)を放出するように構成されているX線源(12)と、構成設定可能な視野を包囲する2以上のフラット・パネルX線検出器(68)を含んでおり、前記X線のビーム(16)を検出して、該X線のビーム(16)に応答して2以上の信号を発生するように構成されている検出器(22)と、前記X線源(12)を制御するように構成されているX線コントローラ(30)と、前記検出器(22)から前記2以上の信号を受け取るように構成されているデータ取得サーキットリ(34)と、該データ取得サーキットリ(34)及びメモリ・サーキットリ(38)の少なくとも一方から前記2以上の信号を受け取って、前記撮像目標物の前記内部特徴(66)を表わす画像(64)を再構成するように構成されているコンピュータ(36)と、該コンピュータ(36)、前記データ取得サーキットリ(34)及び前記X線コントローラ(30)の少なくとも1つに1以上の指令を伝達するように構成されている操作者ワークステーション(40)とを備える、イメージング・システム(10)。」である点で一致し、以下の点で相違している。
[相違点]視野が、本願補正発明では、フラット・パネルX線検出器のパネル数によって決定される面内視野及び各々のフラット・パネルX線検出器から読み出される横列数によって決定される前記撮像目標物の軸に沿った視野により決定され、前記撮像目標物の軸に沿った視野及び前記面内視野は、所望の視野及び、所望の走査時間によって構成設定されるのに対し、引用例発明では、検出域がどのように決定され構成設定されるのかが不明である点。

4.判断
上記相違点について検討すると、引用例の[b]には、システムを構成する最良の方式を決定する際には、相対費用及び得られる画質を含めて幾つかの要因に配慮することが記載されている。そして、費用、画質や時間等を考慮して面内視野を設定することおよび撮像目標物の軸に沿った視野を設定することはそれぞれ周知である。例えば、実願平1-100174号(実開平3-39011号)のマイクロフィルムには、明細書第4頁第10?20行に、断層像を再構成するX線CT装置において「撮影部位を指定する手段」を備えることが記載されており、明細書第10頁第17行?第11頁第4行には、A/D変換に要する時間を短縮することができ、スキャン当たりのビュー数を多くすることができることが記載されている。また、特開昭60-119923号公報の第1頁右下欄第2?5行には、広い撮影領域での断層撮影を行う通常モードと限定された領域での高分解能の断層像を得る高分解能モードとを任意に切り換えることのできるX線CT装置が記載されている。さらに、特開平10-314159号公報の段落【0004】には、X線CT装置では、データ量がむやみに多くなると、それを用いて行う画像再構成演算時間が長くかかることが記載されており、段落【0006】には、各検出エレメントの出力をスライス面内方向において選択する選択手段を備えたX線CT装置が記載され、段落【0007】に、収集するデータ量を減少させることができると記載されている。また、コンピュータ断層撮影画像形成に関する特開平11-231062号公報の段落【0005】には、大量のデータが収集されると、走査に必要な時間が増し、コストの高騰とスループットの低下を招来することが記載されており、段落【0006】には、スライス数を変えてデータ伝送が可能な高密度半導体アレイを提供することが望ましいことが記載されており、段落【0026】には、操作に際してオペレータがスライス数および各スライスの厚さを決定する実施形態が記載されている。さらに、特開2000-175901号公報の段落【0005】および段落【0031】には、表示しようとする画像に対しオペレータが容易に且つ簡単に所望のスライス数及びスライス厚さを選択することができるスケーラブル・データ収集装置を備えたCT装置により、患者走査速度を高めること、画質を改善することなどが達成されることが記載されている。また、特開平10-127618号公報の段落【0019】?【0021】には、従来の技術として、マルチスライスCTにおいて、ポストコリメータで所望のスライス厚を有するX線ビームを生成し、生成されたX線ビームを検出器の各検出素子により検出して出力するようにし、高精細且つ広範囲な画像収集が実現できることが記載されている。
そして、内面視野を設定する際に、設定を行う単位をどのようにするかは、当業者が適宜設定しうることである。
したがって、引用例発明において、所望の視野及び所望の走査時間となるように、面内視野となる検出域の幅を決定するようにし、その際に引用例発明は検出器が複数のディジタル検出器パネルで構成されていることから検出域の幅をディジタル検出器パネル数によって決定し、撮像目標物の軸にそった視野となる検出域の厚みをディジタル検出器パネルから読み出される横列数によって決定することは、当業者が容易に想到しうることである。

そして、本願補正発明の効果は、引用例に記載された発明および上記周知技術から当業者が予測できる範囲のものであって、格別なものであるとはいえない。

したがって、本願補正発明は、引用例に記載された発明および上記周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

5.むすび
以上のとおり、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。


第3 本願発明
1.本願発明の認定
以上のとおり、本件補正は却下されることとなったので、本願の請求項1?8に係る発明は、平成19年3月26日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1?8に記載された事項により特定されるとおりのものと認められ、その請求項1に係る発明は以下のとおりである。
「撮像目標物の内部特徴を表わす画像を形成することが可能なイメージング・システム(10)であって、
撮像目標物に向けてX線のビーム(16)を放出するように構成されているX線源(12)と、
構成設定可能な視野を包囲する2以上のフラット・パネルX線検出器(68)を含んでおり、前記X線のビーム(16)を検出して、該X線のビーム(16)に応答して2以上の信号を発生するように構成されている検出器(22)と、
前記X線源(12)を制御するように構成されているX線コントローラ(30)と、
前記検出器(22)から前記2以上の信号を受け取るように構成されているデータ取得サーキットリ(34)と、
該データ取得サーキットリ(34)及びメモリ・サーキットリ(38)の少なくとも一方から前記2以上の信号を受け取って、前記撮像目標物の前記内部特徴(66)を表わす画像(64)を再構成するように構成されているコンピュータ(36)と、
該コンピュータ(36)、前記データ取得サーキットリ(34)及び前記X線コントローラ(30)の少なくとも1つに1以上の指令を伝達するように構成されている操作者ワークステーション(40)とを備え、
前記視野は、前記フラット・パネルX線検出器(68)の数によって構成設定可能である、
イメージング・システム(10)。」(以下、「本願発明」という。)

2.引用刊行物記載の発明
原査定の拒絶の理由に引用された引用例およびその記載事項は、前記「第2 2.引用刊行物記載の発明」に記載したとおりである。

3.対比・判断
本願発明は、本願補正発明において付加された限定を省いたものである。
そうすると、本願発明の構成要件をすべて含み、さらに限定を付加したものに相当する本願補正発明が、前記「第2 4.判断」に記載したとおり、引用例に記載された発明および上記周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も同様の理由により、当業者が容易に発明をすることができたものである。

4.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例に記載された発明および上記周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、その他の請求項に係る発明について言及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2009-08-03 
結審通知日 2009-08-04 
審決日 2009-08-17 
出願番号 特願2003-431899(P2003-431899)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (A61B)
P 1 8・ 121- Z (A61B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 谷垣 圭二松谷 洋平右▲高▼ 孝幸  
特許庁審判長 岡田 孝博
特許庁審判官 宮澤 浩
秋月 美紀子
発明の名称 多数の検出器パネルを利用した空間測定CTシステム及び方法  
代理人 黒川 俊久  
代理人 荒川 聡志  
代理人 小倉 博  

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