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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 D06F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 D06F
管理番号 1209680
審判番号 不服2007-13555  
総通号数 122 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-02-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-05-10 
確定日 2010-01-07 
事件の表示 特願2005-122430号「衣類掛けハンガー」拒絶査定不服審判事件〔平成18年11月 2日出願公開、特開2006-296735号〕について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 
理由 1.本願の経緯

本件出願(以下「本願」という。)は,平成17年4月20日の出願であって,平成19年4月3日付け(発送日:同年4月10日)で拒絶査定がなされ,これに対し,同年5月10日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに,同年6月11日付けで手続補正がなされたものである。

2.平成19年6月11日付け手続補正についての補正却下の決定

[補正却下の結論]

平成19年6月11日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]

(1)補正後の本願発明

本件補正により,特許請求の範囲の請求項1は,次のように補正された。
「衣類を掛けるハンガー本体と,このハンガー本体の頂部に連結されたフック部とを備えた衣類掛けハンガーであって,
上記ハンガー本体は,ハンガー本体の頂部から両側に延び,衣類の肩部を掛ける肩掛け部と,その肩掛け部の長手方向に概ね断面一様なスライド部とを有し,
上記肩掛け部の上辺部には,左右一対の衣類を保持可能な外向きのクリップが設けられ,
このクリップは,上記スライド部にスライド自在に係止される係止部と,この係止部に基部を介して繋がったクリップ端と,上記クリップの後端に設けられた操作端とを有し,上記基部がクリップを,そのクリップ端で衣類を保持する保持姿勢と,クリップ端から衣類を脱着する解放姿勢との間で,姿勢変更可能とし,かつ保持姿勢にクリップ端を付勢する付勢手段として機能し,またこの基部が,上記係止部への付け根部分を上記フック部寄りに傾けた状態で,クリップ端側を凹状に,クリップ端とは反対側を凸状にして湾曲していることを特徴とする衣類掛けハンガー。」

(2)補正の適否

前記補正は,請求項1に記載した発明を特定するための必要な事項である「クリップ」について,「上記クリップの後端に設けられた操作端とを有し」との限定を付加するとともに,「基部」について,「上記係止部への付け根部分を上記フック部寄りに傾けた状態」との限定を付加するものである。 そして,補正後の請求項1に係る発明は,補正前の請求項1に係る発明と,産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので,本件補正は,平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

そこで,本件補正後の前記請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について,以下に検討する。

(3)引用文献記載の発明

(3-1) 原査定の拒絶の理由に引用された,実願昭62-20271号(実開昭63-129590号)のマイクロフィルム(以下「引用文献1」という。)には,図面とともに,次の事項が記載されている。

1a.「この考案はハンガーに掛けた洗濯物が風などにより落下することがあるので,従来は洗濯バサミなどを使ってそのつど衣類を落ちないようにしていたが,本案はハンガー本体に取り付けた衣類落下防止ストッパーをスライドさせどの位置においても固定することができる。」(第1ページ第12-17行)

1b.「4.図面の簡単な説明
第1図は本考案の側面図である。
第2図は正面図 第3図は平面図
第4図は姿図である。
1.ハンガー本体,2.衣類落下防止ストッパー,3.スプリング,4.上下に可動,5.上下に可動,6.左右にスライドする,7.ピン」(第2ページ第1-7行)

1c.第4図には,ハンガー本体の頂部に連結された「フック部材」,及び,ハンガー本体の頂部から両側に延び,衣類の肩部を掛ける「肩掛け部分」が図示されている。

1d.上記1aには「ハンガー本体に取り付けた衣類落下防止ストッパーをスライドさせ」と記載されており,また,第4図には,左右一対の衣類落下防止ストッパーが,「肩掛け部分」の上辺部に,衣類を挟む部分を外向きにして取り付けられていること,及び,衣類脱落防止ストッパーを取り付ける肩掛け部分は,衣類落下の防止ストッパーをスライド可能に支持するものであって,第2図のように断面で一様であり,ハンガー本体が,「肩掛け部分の長手方向に概ね断面一様なスライド部を有する」ことは,明らかである。
1e.第1-4図の図示内容及び上記1dの事項からみて,上記1bに記載された「6.左右にスライドする」ものは,スライド部にスライド自在に係止される「取り付け部」であり,同様に,「4.上下に可動」するものは「挟持部」,「5.上下に可動」するものは,上記挟持部の後端に設けられた「操作部」であることは明らかである。

1f.上記1dには「3.スプリング」及び「7.ピン」と記載されており,これらの記載,上記1eの記載事項及び第1-3図の図示内容からみて,ピン及びスプリングが,衣類落下防止ストッパーを,上記挟持部で衣類を保持する保持姿勢と,上記挟持部から衣類を脱着する解放姿勢との間で,姿勢変更可能とし,かつ保持姿勢に上記挟持部を付勢する付勢手段として機能することは,明らかである。

そこで,これらの記載事項及び第1-4図の図示内容を総合すると,引用文献1には,次の発明が(以下「引用文献1記載の発明」という。)が記載されている。

「衣類を掛けるハンガー本体と,このハンガー本体の頂部に連結されたフック部材とを備えたハンガーであって,上記ハンガー本体は,ハンガー本体の頂部から両側に延び,衣類の肩部を掛ける肩掛け部分と,その肩掛け部分の長手方向に概ね断面一様なスライド部とを有し,上記肩掛け部分の上辺部には,左右一対の衣類を保持可能な外向きの衣類落下防止ストッパーが設けられ,この衣類落下防止ストッパーは,上記スライド部にスライド自在に係止される取り付け部と,この取り付け部にピン及びスプリングを介して繋がった挟持部と,上記衣類落下防止ストッパーの後端に設けられた操作部とを有し,上記ピン及びスプリングが衣類落下防止ストッパーを,その挟持部で保持する保持姿勢と,上記挟持部から衣類を脱着する解放姿勢との間で,姿勢変更可能とし,かつ保持姿勢に上記挟持部を付勢する付勢手段として機能するハンガー。」

(3-2)本願出願前に頒布された刊行物である,実公昭57-24286号公報(以下「引用文献2」という。)には,図面とともに,次の事項が記載されている。

2a.「本案の一実施例を説明すると,1は弾性を有する合成樹脂製ハンガーにして1aはその横架部,2は吊孔,3は突条にして横架部1aと突条根本部3a部分にて一体成型により連結され,彎曲部3bで前方へ彎曲している。3cは挟持部にして突条3の先端部3dを横架部1aに接近させており,3eは指当部,3fは別様に実施した場合の指当部を示すものである。」 (第1欄第30行-第3欄第7行)

2b.「本案一実施例構成は以上の通りであるので,横架部1aと一体成型され前方へ彎曲した突条3はその彎曲のため成型後彎曲方向へ歪み収縮する結果増々彎曲部3bは横架部1aに近接し,挟持物挟持力を増々有するようになる。指当部3eに手指部を当て一実施例の場合下へ押すと,突条根部(「突条根本部」の誤記と認める。)3aを支点としてA方向に回動し,その結果,挟持部3cをB方向に浮上らせ横架部1aとの間隔を容易に拡げ得るので3c,1a間に容易に挟持物を挿入し得るものである。若し本案の指当部3eがない時には先端部3dを両手指で持ち上げて挟持物を挿入せざるを得ないので実に不便な操作となるのは明である。」(第2欄第8-20行)
2c.図には,ハンガーの横架部に突条根本部を介して繋がった彎曲部,挟持部及び先端部からなる部材(以下,「挟持片」という。)と,上記挟持片の後端に設けられた指当部とからなり,突条根本部が,ハンガーの横架部への付け根部分を指当部寄りに傾けた状態で,挟持片側を凹状に,挟持片とは反対側を凸状に彎曲している点が図示されている。

2d.上記2bには「彎曲部3bは横架部1aに近接し,挟持物挟持力を増々有するようになる」,「指当部3eに手指部を当て一実施例の場合下へ押すと,突条根(本)部3aを支点としてA方向に回動し,その結果,挟持部3cをB方向に浮上がらせ横架部1aとの間隔を容易に拡げ得る」と記載されており,「突条根本部」が,「挟持片で挟持物を挟持する保持姿勢と,挟持片から挟持物を脱着する解放姿勢との間で,姿勢変更可能とし,かつ保持姿勢に挟持片を付勢する付勢手段として機能」することは,明らかである。

そこで,これらの記載事項及び図面の記載内容を総合すると,引用文献2には,次の発明(以下「引用文献2記載の発明」という。)が記載されている。

「突条は,横架部に突条根本部を介して繋がった挟持片と,上記挟持片の後端に設けられた指当部とを有し,上記突条根本部が,突条を,その挟持片で挟持物を挟持する保持姿勢と,挟持片から挟持物を脱着する解放姿勢との間で,姿勢変更可能とし,かつ保持姿勢に挟持片を付勢する付勢手段として機能し,また,この突条根本部が,ハンガーの横架部への付け根部分を指当部寄りに傾けた状態で,挟持片側を凹状に,挟持片とは反対側を凸状に彎曲しているハンガー。」

(4)対比

本件補正発明と引用文献1記載の発明とを対比する。

引用文献1記載の発明における「フック部材」は本件補正発明の「フック部」に相当し,以下同様に,「ハンガー」は「衣類掛けハンガー」に,「肩掛け部分」は「肩掛け部」に,「衣類落下防止ストッパー」は「クリップ」に,「取り付け部」は「係止部」に,「挟持部」は「クリップ端」に,「操作部」は「操作端」に,それぞれ,相当する。
また,引用文献1記載の発明の「ピン及びスプリング」と,本件補正発明の「基部」は,ともに,クリップにおけるクリップ端の姿勢変更を可能とし,かつ,クリップ端を保持姿勢に付勢するための「連結部材」である点で共通している。

したがって,両者は,

「衣類を掛けるハンガー本体と,このハンガー本体の頂部に連結されたフック部とを備えた衣類掛けハンガーであって,上記ハンガー本体は,ハンガー本体の頂部から両側に延び,衣類の肩部を掛ける肩掛け部と,その肩掛け部の長手方向に概ね断面一様なスライド部とを有し,上記肩掛け部の上辺部には,左右一対の衣類を保持可能な外向きのクリップが設けられ,このクリップは,上記スライド部にスライド自在に係止される係止部と,この係止部に連結部材を介して繋がったクリップ端と,上記クリップの後端に設けられた操作端とを有し,上記連結部材がクリップを,そのクリップ端で衣類を保持する保持姿勢と,クリップ端から衣類を脱着する解放姿勢との間で,姿勢変更可能とし,かつ保持姿勢にクリップ端を付勢する付勢手段として機能する衣類掛けハンガー。」

である点で一致し,次の点で相違している。

[相違点]

連結部材が,本件補正発明では,「基部が,上記係止部への付け根部分を上記フック部寄りに傾けた状態で,クリップ端側を凹状に,クリップ端とは反対側を凸状にして湾曲している」ものであるのに対して,引用文献1記載の発明では,ピン及びスプリングを用いたものである点。

(5)判断

上記相違点について検討する。

引用文献2記載の発明の「突条根本部」は,本件補正発明の「基部」に相当し,以下同様に,「挟持片」は「クリップ端」に,「指当部」は「操作端」に,それぞれ相当する。
そして,引用文献2記載の発明の「彎曲」,「挟持」と,本件補正発明の「湾曲」,「保持」は,それぞれ,同義である。
また,引用文献2記載の発明の「ハンガー」を衣類を掛けるハンガーとして使用することができることは,明らかであって,引用文献2記載の発明における「挟持物」が「衣類」を含むことは,明らかである。
さらに,引用文献2記載の発明の「横架部」と,本件補正発明の「係止部」は,ともに,クリップが設けられる「設置部」である点で共通している。 そして,引用文献1記載の発明の「操作端寄りに傾けた状態」と,本件補正発明の「フック部寄りに傾けた状態」は,ともに,「クリップ端と反対側に傾けた状態」である点で共通している。

したがって,引用文献2記載の発明は,

「突条は,設置部に基部を介して繋がったクリップ端と,上記クリップ端の後端に設けられた操作端とを有し,上記クリップ端が,突条を,そのクリップ端で衣類を保持する保持姿勢と,クリップ端から衣類を脱着する解放姿勢との間で,姿勢変更可能とし,かつ保持姿勢にクリップ端を付勢する付勢手段として機能し,また,この基部が,設置部への付け根部分を上記クリップ端と反対側に傾けた状態で,クリップ端側を凹状に,クリップ端とは反対側を凸状に湾曲しているハンガー。」
と言い換えることができる。

そして,引用文献1記載の発明と引用文献2記載の発明は,ともに,ハンガーという同一の技術分野に属するものである。

よって,連結部材として,引用文献1記載の発明の,「ピン及びスプリングを用いたもの」に代えて,引用文献2記載の発明の「突条根本部」を適用し,「基部が,上記係止部への付け根部分を上記フック部寄りに傾けた状態で,クリップ端側を凹状に,クリップ端とは反対側を凸状にして湾曲しているもの」とすることは,当業者が容易に想到し得たことである。

そして,本件補正発明の効果は,引用文献1及び2記載の発明から,当業者が予測し得た程度のものであって,格別なものとはいえない。

したがって,本件補正発明は,引用文献1記載の発明及び引用文献2記載の発明に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものであるので,特許法第29条第2項の規定により,特許出願の際独立して特許を受けることができない。

(6)むすび

以上のとおり,本件補正は,平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので,同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.本願発明について

(1)本願発明

本件補正は,上記のとおり却下されたので,本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は,平成19年2月1日付けの手続補正により補正された,特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される,次のとおりのものである。

「衣類を掛けるハンガー本体と,このハンガー本体の頂部に連結されたフック部とを備えた衣類掛けハンガーであって,
上記ハンガー本体は,ハンガー本体の頂部から両側に延び,衣類の肩部を掛ける肩掛け部と,その肩掛け部の長手方向に概ね断面一様なスライド部とを有し,
上記肩掛け部の上辺部には,左右一対の衣類を保持可能な外向きのクリップが設けられ,
このクリップは,上記スライド部にスライド自在に係止される係止部と,この係止部に基部を介して繋がったクリップ端とを有し,上記基部がクリップ端を,そのクリップ端で衣類を保持する保持姿勢と,クリップ端から衣類を脱着する解放姿勢との間で,姿勢変更可能とし,かつ保持姿勢にクリップ端を付勢する付勢手段として機能し,この基部がクリップ端側を凹状に,クリップ端とは反対側を凸状にして湾曲していることを特徴とする衣類掛けハンガー。」

(2)引用文献記載の発明

原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1,及び,その記載事項は,前記2.(3)(3-1)に記載したとおりである。

(3)対比

本願発明と引用文献1記載の発明とを対比する。

引用文献1記載の発明における「フック部材」は本願発明の「フック部」に相当し,以下同様に,「ハンガー」は「衣類掛けハンガー」に,「肩掛け部分」は「肩掛け部」に,「衣類落下防止ストッパー」は「クリップ」に,「取り付け部」は「係止部」に,「挟持部」は「クリップ端」に,それぞれ,相当する。
また,引用文献1記載の発明の「ピン及びスプリング」と,本願発明の「基部」は,ともに,クリップにおけるクリップ端の姿勢変更を可能とし,かつ,クリップ端を保持姿勢に付勢するための「連結部材」である点で共通している。

したがって,両者は,

「衣類を掛けるハンガー本体と,このハンガー本体の頂部に連結されたフック部とを備えた衣類掛けハンガーであって,上記ハンガー本体は,ハンガー本体の頂部から両側に延び,衣類の肩部を掛ける肩掛け部と,その肩掛け部の長手方向に概ね断面一様なスライド部とを有し,上記肩掛け部の上辺部には,左右一対の衣類を保持可能な外向きのクリップが設けられ,このクリップは,上記スライド部にスライド自在に係止される係止部と,この係止部に連結部材を介して繋がったクリップ端とを有し,上記連結部材がクリップ端を,そのクリップ端で衣類を保持する保持姿勢と,クリップ端から衣類を脱着する解放姿勢との間で,姿勢変更可能とし,かつ保持姿勢にクリップ端を付勢する付勢手段として機能する衣類掛けハンガー。」

である点で一致し,次の点で相違している。

[相違点]

連結部材が,本願発明では,「基部がクリップ端側を凹状に,クリップ端とは反対側を凸状にして湾曲している」ものであるのに対して,引用文献1記載の発明では,ピン及びスプリングを用いたものである点。

(4)判断

上記相違点について検討する。

ハンガーに設けたクリップ部材において,クリップ部材の取付部とクリップ端とを繋ぐ連結部材として,「基部が,クリップ端側を凹状に,クリップ端とは反対側を凸状にして湾曲している」ものとすることは,本願出願前周知の技術事項である(例えば,実公昭57-24286号公報,特開2004-275346号公報,特開平9-252916号公報,特開平9-327368号公報,実願昭49-77564号(実開昭51-7228号)のマイクロフィルム参照。)。

よって,連結部材として,引用文献1記載の発明の「ピン及びスプリングを用いたもの」に代えて,上記周知技術を適用し,「基部がクリップ端側を凹状に,クリップ端とは反対側を凸状にして湾曲しているもの」とすることは,当業者が容易に想到し得たことである。

そして,本願発明の効果は,引用文献1記載の発明及び周知技術から,当業者が予測し得た程度のものであって,格別なものとはいえない。

したがって,本願発明は,引用文献1記載の発明及び周知技術に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものである。

(5)むすび

以上のとおり,本願発明は,引用文献1記載の発明及び周知技術に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法29条第2項の規定により,特許を受けることができない。

したがって,本願は,他の請求項に係る発明について検討するまでもなく拒絶すべきものである。

よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2009-11-06 
結審通知日 2009-11-10 
審決日 2009-11-24 
出願番号 特願2005-122430(P2005-122430)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (D06F)
P 1 8・ 121- Z (D06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 岡本 健太郎稲垣 浩司  
特許庁審判長 森川 元嗣
特許庁審判官 豊島 唯
長浜 義憲
発明の名称 衣類掛けハンガー  
代理人 伊藤 孝夫  
代理人 樋口 次郎  
代理人 小谷 悦司  

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