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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 F21V
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F21V
管理番号 1209728
審判番号 不服2008-28227  
総通号数 122 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-02-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-11-05 
確定日 2010-01-07 
事件の表示 特願2004-256757号「照明装置、液晶装置及び電子機器」拒絶査定不服審判事件〔平成17年 1月20日出願公開、特開2005- 19417号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 【第1】手続の経緯

本願は、平成14年12月25日(優先権主張 平成14年 3月 5日)に出願した特願2002-375561号の一部を分割して平成16年 9月 3日に新たな特許出願としたものであって、平成20年 9月30日付けで拒絶査定がなされ、この拒絶査定を不服として、同年11月 5日に本件審判請求がなされるとともに、同年12月 3日付けで手続補正(前置補正)がなされたものである。

【第2】平成20年12月 3日付け手続補正についての補正却下の決定

[補正却下の決定の結論]
平成20年12月 3日付け手続補正を却下する。

[理由]
1.補正後の請求項1に記載された発明

平成20年12月 3日付けの手続補正により、本願の特許請求の範囲の請求項1は、
「透過表示が可能な液晶パネルのバックライトとして用いられる照明装置であって、
光源と、
前記光源からの光が入射される入光面と、面状に光を出射する出光面とを備えた導光板と、を有し、
前記入光面には、当該入光面において前記導光板の端面から前記光源側に山状に突出して形成された複数のプリズムと、隣り合う前記プリズムの間に設けられた平面とを含む光学パターンが形成され、
前記出光面側には、第1のプリズムパターンが形成された第1プリズムシートと、
前記第1のプリズムパターンと交差する方向の第2のプリズムパターンが形成された第2プリズムシートと、が重ねて配置されていることを特徴とする照明装置。」
と補正された。

上記補正は、補正前の請求項1に記載された発明の構成に欠くことができない事項である「導光板」について、下線部分の構成を付加することにより、入光面と「面状に光を出射する出光面」とを備えると限定し、また、該「入光面」に「入光面において前記導光板の端面から前記光源側に山状に突出して形成された複数のプリズムと、隣り合う前記プリズムの間に設けられた平面とを含む光学パターンが形成」されると限定するものであり、この限定した事項は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載されており、補正後の請求項1に記載された発明は、補正前の請求項1に記載された発明と、発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が異なるものではないから、上記補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号でいう特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、上記請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か(同法第17条の2第5項において準用する特許法第126条第5項の規定に適合するか)について、以下で検討する。

2.引用例等及びその記載事項

原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2002-42534号公報(以下「引用例1」という。)には、以下の事項が記載されている。

A:「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、点光源であるLED素子から入射される導光体の発光面で均一に発光させることが可能で、液晶バックライト、パネルメーター、表示灯や面発光スイッチなどに用いられる発光装置に関する。」

B:「【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、より均一、高輝度発光が求められる現在においては充分ではない。特に点光源としてより発光輝度の高い発光素子(LED素子)を用いた場合は、上述の構成だけでは面発光の均一化と高輝度化とはトレードオフの関係にあり両立させるのは難しいという問題があった。そこで、本発明は、上記の問題を解決して、より均一性に優れ、高輝度発光が可能な発光装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは種々の実験の結果、導光体の一端面に特定の形状の切り欠きを形成することにより、導光体の一端面から入射する光を導光体内により広く拡散させて、発光面からより均一でかつ高輝度に発光させることが可能なことを見いだし、本発明を成すに至った。」

C:「【0013】本発明の実施の形態の発光装置は、図1、図2に示すように、少なくとも対向する第1の主面及び第2の主面を有する導光体11と、導光体の第2の主面に設けられた反射体12と、導光体の一端面と対向配置された光源14とを備えている。光源の発光部の出射面から放出された光は、導光体の一端面である光入射端面11aから導光体内に導入された後、発光面である第1の主面から面発光される。
【0014】ここで、特に本実施の形態の発光装置の導光体11は、光源14の発光部の出射面と対向する光入射端面11aに互いに異なる形状の複数の切り欠き15を有している。この複数の切り欠き15は、それぞれ発光部の出射面と対向する面の中央から遠ざかるにしたがって前記導光体の光入射端面とのなす角度が大きくなる第1の面15aと、発光部の出射面と対向する面の中央から遠ざかるにしたがって前記導光体の光入射端面とのなす角度が小さくなる第2の面15bとを有することを特徴とし、これにより導光体の発光面から見て光入射端面近傍の輝度のムラを抑制して均一でかつ高輝度の面発光をさせることができる。」

D:「【0019】(変形例1)次に、本発明の変形例について説明する。本発明に係る変形例2の発光装置は、図4に示すように、第1の面415a及び第2の面415bの間に第3の面415eを有する切り欠き415が複数形成される以外は、実施の形態と同様に構成される。各切り欠きの第1の面及び第2の面と光入射端面とのなす角度は実施の形態と同様に変化させてあるので、光源からの光は実施の形態と同様に横方向に広く拡散される。第3の面415e(あるいはこれに第4の面等を加えてもよい)の角度及び幅等は任意とすることができ、また、切り欠きすべてに設けなくともよい。この第3の面は第1の面及び第2の面に比べてを光入射端面となす角度は小さいので、光入射端面から遠い方向への光の配分を多くすることができる。」

E:「【0023】本発明の発光装置は上述のように、切り欠きの形状を導光体の形状に応じて最も適切な形状を選択して、より効果的に入射光を拡散できるように構成できる。この場合、切り欠きの数を増やして側壁を増やすと光をより複雑に拡散させることができ、輝度の均一を向上させることができるが、金型構造が複雑となり、その結果その金型により作製される導光体の端面の形状が一定しなくなる等の問題も生じることがある。そのため、使用目的による要求仕様に加え、製造条件も考慮して用いる形状を選択することが好ましい。
【0024】すなわち、本発明では種々の形状を選択することができるので、どの形状の切り欠きを選択するかは、目標とする性能、金型の製作上の制約(製作精度及び製造コスト)及び成型精度等を総合的に検討して決定することができる。」

F:「【0032】(実施例2)導光体の材料としてアクリル樹脂を使用し、導光体端面に図4のような、第3の面を有する切り欠きが6つの切り欠きが2カ所に形成されるような金型を用い、成形温度を250℃、射出圧力1100kgf/cm2、金型温度80℃、冷却時間は約30秒で成型する以外は実施例1と同様に行い、本発明の発光装置を形成する。このようにして得られた発光装置において、LED素子に電流を流して面状発光させると、入射端面側の隅部及び光源間が他の部分と比べても発光輝度が劣ることなく均一に発光し、より均一な面状発光が得られる。」

第1図及び第4図と共に、上記摘記事項A?Fを総合すると、引用例1には、

「液晶バックライトに用いられる発光装置であって、点光源と、前記点光源から放出された光が導入される光入射端面11aと、面発光する発光面とを備えた導光体11と、を有し、前記光入射端面11aには、当該光入射端面11aにおいて第1の面415a及び第2の面415bの間に第3の面415eを有する切り欠き415が複数形成されている、発光装置。」
に関する発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

また、同じく原査定の拒絶の理由に引用文献2として引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開平9-113730号公報(以下「引用例2」という。)には、以下の事項が記載されている。

G:「【0002】
【従来の技術】近年、液晶表示装置は、軽量かつ薄型という特徴を有することから、ラップトップ型やブック型等のパーソナルコンピュータ用やワードプロセッサ用のディスプレイを始めとして、電子手帳、携帯電話、液晶テレビ、その他の携帯端末機器、ビデオカメラ等のディスプレイにも用いられている。さらには、タイマカウンタ等の計測機器の表示部やバーチャルリアリティのオーバーヘッドディスプレイ、液晶プロジェクタ等にも用いられている。
【0003】(直下型面光源装置)これらの液晶表示装置には、液晶表示パネル(以下、LCDパネルという)の背面に直下型面光源装置を配置したものと、エッジライト型面光源装置を配置したものとがある。・・・。
・・・・。
【0005】(エッジライト型面光源装置)これに対し、エッジライト型面光源装置では、線状光源は導光板の側面に位置しているため、光源を薄型化できるという特徴があり、最近では液晶表示装置の薄型化の要求がより一層高まるにつれ、比較的薄型に構成できるエッジライト型面光源装置を用いたものが主流となってきている。
【0006】図2は、このようなエッジライト型面光源装置6の一部破断した分解斜視図を示す。エッジライト型面光源装置6は、光学要素として、線状光源7、リフレクタ8、導光板9、反射板10、拡散板11および一対の集光レンズ板12,13から構成される。線状光源7とリフレクタ8は、光学的に透明な導光板9の入射側面に配置されており、線状光源7から出た光は直接に、あるいはリフレクタ8で反射された後に入射側面から導光板9の内部に入射する。・・・。
【0007】導光板9の下面には拡散層15が形成されており、その下方に反射板10が設けられている。拡散層15は、例えばスクリーン印刷によって光拡散性の塗料等をドット印刷したものであり、図3(a)もしくは図3(b)に示すように線状光源7から離れた側で拡散層15の面積が次第に大きくなっている。あるいは、拡散層15は、図4(a)(b)に示すように、導光板9の下面に設けられた凹凸部でもよく、この場合にも線状光源7から離れるほど拡散層15が幅広になっている。導光板9中の光は、導光板9の上面で全反射した後、あるいは導光板9下面の反射板10及び導光板9上面で反射した後、あるいは直接に拡散層15に入射して拡散層15で拡散され、拡散層15で反射された光のうち全反射条件から外れた光だけが導光板9の上面から出射される。また、線状光源7から遠い側で拡散層15の面積が大きくなっているため、導光板9の全体で均一な輝度で光が出射される。
【0008】導光板9の上面には、拡散板11と一対の集光レンズ板12,13が重ねられている。この拡散板11は、表面に微細な凹凸加工(マット加工、シボ加工、梨地加工)を施した合成樹脂製のシートもしくはフィルムである。導光板9の上面から出た光は、拡散板11によって拡散される。集光レンズ板12,13は、断面三角形状のプリズム部を平行に配列した構造となっており、上方の集光レンズ板13と下方の集光レンズ板12とは、互いに90゜回転させた向きに配置されている。しかして、拡散板11で拡散された光は、集光レンズ板12,13で2方向に集光され、導光板9の上面にほぼ垂直な光線として出射される。」

3.発明の対比

本願補正発明と引用発明とを対比すると、引用発明における「液晶バックライトに用いられる発光装置」は本願補正発明における「透過表示が可能な液晶パネルのバックライトとして用いられる照明装置」に相当し、以下同様に「点光源」は「光源」に、「点光源から放出された光が導入される光入射端面11a」は「光源からの光が入射される入光面」に、「面発光する発光面」は「面状に光を出射する出光面」に、及び「導光体11」は「導光板」にそれぞれ相当する。
そして、引用発明において、1つの切り欠き415の「第1の面415a」と、その切り欠きの第1の面415a側に隣接する別の切り欠き415の「第2の面415b」とにより形成される、山状の部分が、上記2.の摘記事項D及び第4図の記載からみて、本願補正発明における「光源側に山状に突出して形成された複数のプリズム」であることは明らかであり、且つ、「第1の面415a及び第2の面415bの間」の「第3の面415e」が、上記複数のプリズムからみた際に「隣り合う前記プリズムの間に設けられた」面であることも明らかであるから、引用発明における「光入射端面11aにおいて第1の面415a及び第2の面415bの間に第3の面415eを有する切り欠き415が複数形成され」は、本願補正発明における「入光面において前記導光板の端面から前記光源側に山状に突出して形成された複数のプリズムと、隣り合う前記プリズムの間に設けられた平面とを含む光学パターンが形成され」と、「入光面において前記光源側に山状に突出して形成された複数のプリズムと、隣り合う前記プリズムの間に設けられた面とを含む光学パターンが形成され」である限りにおいて一致する。
そうすると、本願補正発明と引用発明の一致点、相違点は以下のとおりであると認められる。

<一致点>
「透過表示が可能な液晶パネルのバックライトとして用いられる照明装置であって、
光源と、
前記光源からの光が入射される入光面と、面状に光を出射する出光面とを備えた導光板と、を有し、
前記入光面には、当該入光面において前記光源側に山状に突出して形成された複数のプリズムと、隣り合う前記プリズムの間に設けられた面とを含む光学パターンが形成されている、照明装置。」

<相違点1>
本願補正発明では、入光面に形成される光学パターンが「導光板の端面から光源側に山状に突出して」形成された複数のプリズムと、隣り合う前記プリズムの間に設けられた「平面」とを含むものであるが、引用発明では、入光面に形成される光学パターンにおいて、複数のプリズムが光源側に山状に突出して形成されるものの、「導光板の端面から…突出」するとの言及がなく、また、隣り合うプリズムの間に設けられた面が「平面」であるか否か言及がない点。

<相違点2>
本願補正発明では、照明装置が「前記出光面側には、第1のプリズムパターンが形成された第1プリズムシートと、前記第1のプリズムパターンと交差する方向の第2のプリズムパターンが形成された第2プリズムシートと、が重ねて配置されている」ものであるが、引用発明では、上記プリズムシートに関する記載がない点。

4.当審の判断(相違点の検討)

上記各相違点について検討する。

<相違点1>について
本願補正発明における、「導光板の端面から…突出」なる記載の意味は、本願明細書の記載(特に、審判請求書の請求の理由に補正の根拠として示された段落【0073】、図4、図5(a)及び図13(a))を参酌すると、本願補正発明における「複数のプリズム」が、「光源側に山状に突出」した形状であることを示す程度のもの、すなわち「端面」とは導光板の入光面のうち、「光源側に山状に突出して形成された複数のプリズム」の基端側の面を示す程度のものと解される。
そして、引用発明の「複数のプリズム」も、本願補正発明と同様に「光源側に山状に突出」して形成されたものであって、該プリズムにおける基端側の面が、「第3の面415e」に相当することは明らかであるから、該「第3の面415e」を「導光板の端面」と称して、上記複数のプリズムが「導光板の端面から」光源側に山状に突出して形成されたものという程度のことは、当業者が適宜なし得たことである。
また、引用例1の上記2.の摘記事項Dには、第3の面について「光入射端面となす角度は小さいので、光入射端面から遠い方向への光の配分を多くすることができる。」と記載されているから、該「光入射端面となす角度」を最も小さく、すなわち第3の面を平面とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

<相違点2>について
引用例2には、上記2.の摘記事項G及び第2図の記載からみて、「透過表示が可能な液晶パネルのバックライトとして用いられる照明装置であって、光源と、前記光源からの光が入射される入射側面と、面状に光を出射する上面とを備えた導光板と、を有し、前記上面側には、プリズム部を平行に配列した集光レンズ板12と、前記集光レンズ板12のプリズム部と交差する方向のプリズム部を平行に配列した集光レンズ板13と、が重ねて配置されている照明装置」が従来技術として記載されており、引用例2における「プリズム部を平行に配列した集光レンズ板12」及び「集光レンズ板12のプリズム部と交差する方向のプリズム部を平行に配列した集光レンズ板13」が、本願補正発明における「第1のプリズムパターンが形成された第1プリズムシート」及び「第1のプリズムパターンと交差する方向の第2のプリズムパターンが形成された第2プリズムシート」に相当することは明らかである。
よって、上記引用発明の照明装置において、導光板の出光面側に、上記引用例2に記載のような従来から知られている第1及び第2のプリズムシートを配置する程度のことは、当業者が容易に想到し得たことであり、該プリズムシートを適用することに、格別の技術的困難性はない。

そして、上記相違点1?2を併せ備える本願補正発明の作用・効果について検討しても、引用発明及び引用例2に記載の事項から当業者が予測し得る範囲を超えるものではない。

したがって、本願補正発明は引用発明及び引用例2に記載の事項に基づいて、当業者が容易に推考することができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

5.審判請求人の主張

請求人は審尋回答書で、以下の補正案を提示しているので、この補正案についても検討しておく。
「【請求項1】
透過表示が可能な液晶パネルのバックライトとして用いられる照明装置であって、
光源と、
前記光源からの光が入射される入光面と、面状に光を出射する出光面とを備えた導光板と、を有し、
前記入光面には、複数の平面と、前記平面の間に設けられて前記平面から光源側に突出して形成されると共に平行でない2つ以上の平らな面からなるプリズム面を備えた断面三角形状の複数のプリズムとからなり、互いに隣り合うプリズムの間に前記平面を介在させて、前記プリズム面と前記平面とが交互に連続する光学パターンが、当該入光面の全面に形成され、
前記出光面側には、第1のプリズムパターンが形成された第1プリズムシートと、
前記第1のプリズムパターンと交差する方向の第2のプリズムパターンが形成された第2プリズムシートと、が重ねて配置されていることを特徴とする照明装置。」

引用例1には、上記2.の摘記事項D及び第4図の記載からみて、導光板の入光面に、「複数の第3の面と、前記第3の面の間に設けられて前記第3の面から光源側に突出して形成されると共に平行でない2つ以上の平らな面からなるプリズム面を備えた断面三角形状の複数のプリズムとからなり、互いに隣り合うプリズムの間に前記第3の面を介在させて、前記プリズム面と前記第3の面とが交互に連続する光学パターン」が形成されることが記載されており、上記4.当審の判断(相違点の検討)の<相違点1について>で述べたごとく、引用例1に記載の「第3の面」を平面とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
また、上記引用発明においては、光源側に山状に突出して形成された複数のプリズムと、隣り合う前記プリズムの間に設けられた面とを含む光学パターンが、上記2.の摘記事項F及び第4図の記載からみて、点光源の配置にあわせて2カ所に形成されているが、例えば上記引用例2(段落【0225】及び第59図参照)や、本願の出願前に頒布された刊行物である特開平9-145936号公報(段落【0007】?【0009】及び第3図等参照)に記載のように、液晶パネルのバックライトとして用いられる照明装置において、導光板の入光面の全面に凹凸の光学パターンを形成することは周知技術であるから、上記引用発明において、光源の配置や光源の種類に応じて、上記光学パターンを導光板の入光面の全面に設けることは、当業者が容易になし得たことである。
よって、仮に補正案のように補正をしたとしても、該補正後の発明は上記引用例1、引用例2及び上記周知例に記載の事項に基づいて、当業者が容易に推考することができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものであり、結論を覆すものではない。

6.独立特許要件の欠如に伴う手続補正の却下

以上によれば、平成20年12月 3日付けの手続補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、補正却下の決定の結論のとおり決定する。

【第3】本願の発明について

1.本願発明

平成20年12月 3日付け手続補正は上記のとおり却下され、また平成20年 6月 5日付け手続補正は、平成20年 9月30日付け補正の却下の決定により却下されているから、本願の各請求項に係る発明は、平成19年10月19日付けの手続補正に係る特許請求の範囲の請求項1?5に記載された事項によって特定されるものと認められるが、そのうちの請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりである。

【請求項1】
「透過表示が可能な液晶パネルのバックライトとして用いられる照明装置であって、
光源と、
前記光源からの光が入射される入光面を備えた導光板と、を有し、
前記入光面には、当該入射面から突出して形成された複数のプリズムを含む光学パターンが形成され、
前記出光面側には、第1のプリズムパターンが形成された第1プリズムシートと、
前記第1のプリズムパターンと交差する方向の第2のプリズムパターンが形成された第2プリズムシートと、が重ねて配置されていることを特徴とする照明装置。」

2.引用例及びその記載事項

原査定の拒絶の理由に引用された引用例とその記載事項は、前記「【第2】の2.」に記載したとおりである。

3.対比・判断

本願発明の構成を全て含むとともに、本願発明の構成に更に限定を付加した本願補正発明(上記【第2】の1.の【請求項1】の下線部分が限定されたところ)が、上記【第2】で検討した如く、引用発明及び引用例2に記載の事項に基づいて、当業者が容易に推考することができたものであるから、本願補正発明を上位概念化した本願発明も、本願補正発明と同様の理由により、引用発明及び引用例2に記載の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

4.むすび

以上によれば、本願発明(請求項1に係る発明)は、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
そうすると、このような特許を受けることができない発明を包含する本願は、本願の他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2009-11-02 
結審通知日 2009-11-10 
審決日 2009-11-24 
出願番号 特願2004-256757(P2004-256757)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (F21V)
P 1 8・ 575- Z (F21V)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 土屋 正志  
特許庁審判長 寺本 光生
特許庁審判官 植前 津子
中川 真一
発明の名称 照明装置、液晶装置及び電子機器  
代理人 宮坂 一彦  
代理人 須澤 修  
代理人 上柳 雅誉  

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