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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B41J |
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管理番号 | 1210240 |
審判番号 | 不服2007-4128 |
総通号数 | 123 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2010-03-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2007-02-08 |
確定日 | 2010-01-12 |
事件の表示 | 平成10年特許願第365513号「情報処理装置及びその制御方法」拒絶査定不服審判事件〔平成12年 7月 4日出願公開、特開2000-185445〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯・本願発明 本願は、平成10年12月22日の出願であって、平成18年7月8日付けで通知した拒絶理由に対し、同年9月19日付けで手続補正書が提出されたが、同年12月28日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成19年2月8日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同年3月9日付けで手続補正書が提出され、その後、当審の審尋に対する回答書が平成21年5月18日付けで提出されたものである。 上記の平成19年3月9日付けの手続補正により、請求項1が削除されるとともに、請求項2が請求項1となり、かつ「印刷装置の節約状態の設定を有効に復帰させる」ステップとコマンドが、それぞれ「節約機能設定コマンド発行ステップ」と「印刷制御コマンド」であることを明確化し、請求項3?6がそれぞれ請求項2?5に繰り上がり、請求項6についても、請求項1と同様の補正がなされ、請求項9?13がそれぞれ請求項7?11に繰り上がったものであるから、平成19年3月9日付けの手続補正は、不明りょうな記載の釈明及び請求項の削除を目的としたものに該当し、適法である。 そうすると、本願の請求項1?11に係る発明は、平成19年3月9日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1?11に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。 「【請求項1】 記録媒体上に印刷出力を行う印刷装置へ送信する印刷データを生成するプ リンタドライバを搭載した情報処理装置の制御方法であって、 前記プリンタドライバが提供する印刷設定画面において設定された、印刷データに対する中差し印刷設定と印刷順序設定を取得する印刷設定取得ステップと、 印刷データの各印刷ページに重ねて所定の媒体を付加出力するか否かを表わす前記中差し印刷設定をチェックする中差し印刷チェックステップと、 出力データのないページの出力を行わない節約状態が前記印刷装置に設定されているか否かをチェックする節約状態チェックステップと、 前記中差し印刷チェックステップにおいて前記付加出力を行うとの設定が検出され、かつ前記節約機能チェックステップにおいて前記節約状態に設定されていると検出された場合には、前記印刷装置の節約状態の設定を無効にする印刷制御コマンドを発行する節約機能設定コマンド発行ステップと、 印刷データを最終ページから出力するか、最初のページから出力するかを表わす前記印刷順序設定をチェックする印刷順序チェックステップと、 (1)前記中差し印刷設定が前記付加出力を行うとの設定で、かつ前記印刷順序設定が最初のページから出力する設定である場合には、前記印刷データの各ページを出力した後、次ページの出力までに前記付加出力を行うか、または、 (2)前記中差し印刷設定が前記付加出力を行うとの設定で、かつ前記印刷順序設定が最後のページから出力する設定である場合には、前記印刷データの各ページの出力に先立って前記付加出力を行うように、 選択的に制御を行う制御ステップとを有し、 前記印刷データの全ページの出力処理が終了したとき、前記節約機能設定コマンド発行ステップは、前記印刷装置の節約状態の設定を有効に復帰させる印刷制御コマンドを発行することを特徴とする情報処理装置の制御方法。」 2.引用刊行物の記載事項 これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された、特開平2-33063号公報(以下、「引用刊行物1」という。)には、以下の事項が記載されている(下線は当審で付与)。 (1-a)「2.特許請求の範囲 (1)供給された被印刷物に印刷を行う印刷手段と、 前記印刷手段にOHPフィルムを供給するOHPフィルム供給手段と、 前記印刷手段に台紙を供給する台紙供給手段と、 前記印刷手段を通過した被印刷物を、印刷面を表向きにして積み重ねるように排出する表面排出手段と、 前記印刷手段を通過した被印刷物を、印刷面を裏向きにして積み重ねるように排出する裏面排出手段と、 表面排出モードか裏面排出モードかを選択する排出モード選択手段と、 前記排出モード選択手段において表面排出モードが選択されている場合に、先ず台紙を、次にOHPフィルムを印刷手段に供給して排出するように、前記OHPフィルム供給手段、台紙供給手段、表面排出手段を制御する表面排出モード制御手段と、 前記排出モード選択手段において裏面排出モードが選択されている場合に、先ずOHPフィルムを、次に台紙を印刷手段に供給して排出するように、前記OHPフィルム供給手段、台紙供給手段、裏面排出手段を制御する裏面排出モード制御手段と、 を有する画像形成装置。」(第1ページ左下欄第3行?右下欄第10行) (1-b)「一方、ホストコンピュータ等からの画像情報に応じて光学系30に含まれるレーザ発振器からレーザ光が出射される。」(第3ページ右下欄第16?18行) (1-c)「このレーザプリンタ装置の印刷モードとしては、大きく分けて、カセットケース20bに収納された普通紙51に上述の動作によって印刷を行う普通印刷モードと、カセットケース20aに収納されたOHPフィルム50に印刷を行うOHP印刷モードとがある。OHP印刷モードには、OHPフィルム50のみに印刷を行う印刷モードと、普通紙51を台紙として使用する印刷モードとがある。さらに、台紙を使用するモードには、台紙にも対応するOHPフィルムの印刷と同じ印刷を行うモードと、台紙には印刷を行わないモードとがある。これらのモードは、図示しない操作パネルのキーを操作することによって、印刷動作を開始する前に予め設定される。」(第4ページ左上欄第13行?右上欄第6行) (1-d)「 OHP印刷モードが設定されている場合には、P1での判断はYesとなり、第4図のP5に進む。P5では、台紙を必要とするモードに設定されているか否かを判断する。台紙が不要の場合には、P6に進む。上記印刷動作に基づいて、P6ではOHPフィルムが給紙され、P1ではそのOHPフィルムに印刷が施され排出される。次に、P8において、設定枚数の印刷が終了したか否かを判断する。印刷枚数が設定枚数に達していない場合には、P6及びP1の動作を再び行う。P8において、設定枚数の印刷が終了したと判断した場合には、印刷動作を終了する。 OHP印刷モードにおいて、台紙機能が要求されている場合には、P5での判断はYesとなり、P9に進む。P9では、設定されている排出モードが表面排出モードか裏面排出モードかを判断する。表面排出モードであれば、P10に進む。上記印刷動作に基づいて、P10では普通紙が給紙される。次に、P11において、普通紙に印刷を行うか否かを判断する。台紙に印刷を行うモードが設定されている場合には、判断はYesとなり、P12に進む。P12では、供給された普通紙に、次に印刷を行うOHPフィルムへの印刷と同じ印刷を行い、P13に進む。一方、P11において、台紙に印刷を行わないモードが設定されている場合には、P14に進む。P14では、供給された普通紙には印刷を行わずにそのまま排出し、P13に進む。P13では、OHPフィルムが給紙され、P15では、そのOHPフィルムに印刷が施され排出される。この場合、OHPフィルム及び普通紙は、排紙トレイ部11a(第2図)上に排出され、表向きに順次積み重ねられる。すなわち、排出されたOHPフィルムの裏側にそれに対応する台紙が配置された状態で積み重ねられる。次に、Pl6において、設定枚数の印刷が終了したか否かを判断する。印刷枚数が設定枚数に達していない場合には、P10?P15の動作を再び行う。P16において、設定枚数の印刷が終了したと判断した場合には、印刷動作を終了する。 OHP印刷モードでしかも台紙機能が要求されている場合において、排出モードが裏面排出モードであれば、P9からP17に進む。上記印刷動作に基づいて、P17ではOHPフィルムが給紙され、P18ではそのOHPフィルムに印刷が施され排出される。P19では、普通紙が給紙される。次に、P20において、普通紙に印刷を行うか否かを判断する。台紙に印刷を行うモードが設定されている場合には、判断はYesとなり、P21に進む。P21では、供給された普通紙に、先に印刷を行ったOHPフィルムへの印刷と同じ印刷を行い、P22に進む。一方、P20において、台紙に印刷を行わないモードが設定されている場合には、P23に進む。P23では、供給された普通紙には印刷を行わず、そのまま排出し、P22に進む。この場合、普通紙及びOHPフィルムは、排出紙載置部14(第2図)に排出され、裏向きに順次積み重ねられる。すなわち、排出されたOHPフィルムの裏側にそれに対応する台紙が配置された状態で積み重ねられる。次に、P22において、設定枚数の印刷が終了したか否かを判断する。印刷枚数が設定枚数に達していない場合には、P17?P23の動作を再び行う。P22において、設定枚数の印刷が終了したと判断した場合には、印刷動作を終了する。」(第4ページ左下欄第2行?第5ページ右上欄第6行) ホストコンピュータ等から画像情報を送る際には、画像情報を生成するための、何らかのプリンタドライバに相当する機能を内部に有していることは当然のことであることを考慮すると、引用刊行物1には、次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されているものと認められる。 「供給された被印刷物に印刷を行うレーザプリンタ装置へ送信する画像情報を生成するプリンタドライバを搭載したホストコンピュータの制御方法であって、 操作パネルにおいて設定された、画像情報に対する、OHP印刷モードにおけるOHPのみに印刷を行う印刷モードと、普通紙を台紙として使用する印刷モードと、排出モードとして、表面排出モードか裏面排出モードかの設定を取得するステップ(便宜上「ステップa」とする)と、 台紙を必要とするモードに設定されているか否かを判断するステップ(便宜上「ステップb」とする)と、 画像情報の出力にあたって、表面排出モードか裏面排出モードかを判断するステップ(便宜上「ステップc」とする)と、 前記台紙を必要とするモードに設定されていて、かつ裏面排出モードの設定である場合には、前記画像情報を印刷した後、台紙である普通紙を排出し、 前記台紙を必要とするモードに設定されていて、かつ表面排出モードの設定である場合には、台紙である普通紙を排出した後、前記画像情報を印刷するように、 選択するステップ(便宜上「ステップd」とする)とを有し、 設定枚数の印刷が終了したと判断した場合には、印刷動作を終了するホストコンピュータの制御方法。」 3.対比、判断 本願発明と引用発明1とを対比すると、 引用発明1の 「供給された被印刷物」、 「レーザプリンタ装置」、 「画像情報」、 「ホストコンピュータ」、 「操作パネル」、 「OHPのみに印刷を行う印刷モードと、普通紙を台紙として使用する印刷モード」の「設定」、 は、それぞれ、本願発明の、 「記録媒体」、 「印刷装置」、 「印刷データ」、 「情報処理装置」、 「印刷設定画面」、 「中差し印刷設定」 に相当する。 また、引用発明1の、OHPへの印刷が、本願発明の各印刷ページへの印刷に相当し、それに伴い、引用発明1における、各印刷ページの間に挿入される台紙としての普通紙の排出が、本願発明における各印刷ページに重ねて所定の媒体の付加出力を行うことに相当する。 さらに、以上を踏まえると、中差し印刷設定を行う部分において、引用発明1のステップaは、本願発明の印刷設定取得ステップに相当し、引用発明1のステップbは、本願発明の中差し印刷チェックステップに相当する。また、各印刷ページの印刷と、中差し印刷の出力順序を決めるという点で、引用発明1のステップdと、本願発明の制御ステップは共通する(以下、このステップを便宜上「選択制御ステップ」とする。)。 してみると、両者は、 「記録媒体上に印刷出力を行う印刷装置へ送信する印刷データを生成するプリンタドライバを搭載した情報処理装置の制御方法であって、 印刷設定画面において設定された、印刷データに対する中差し印刷設定を取得する印刷設定取得ステップと、 印刷データの各印刷ページに重ねて所定の媒体を付加出力するか否かを表す前記中差し印刷設定をチェックする中差し印刷チェックステップと、 前記中差し印刷設定が前記付加出力を行うとの設定で、所定の条件を満たしたとき(便宜上「所定の条件1」とする)には、前記印刷ページの各ページを出力した後、次ページの出力までに前記付加出力を行うか、または、 前記中差し印刷設定が前記付加出力を行うとの設定で、所定の条件を満たしたとき(便宜上「所定の条件2」とする)には、前記印刷データの各ページの出力に先立って前記付加出力を行うように、 選択的に制御を行う選択制御ステップとを有する情報処理装置の制御方法。」 の点で一致し、以下の点で相違している。 ・相違点1 本願発明では、印刷設定画面がプリンタドライバによって提供され、印刷設定取得ステップにおいて取得する印刷設定画面において設定された設定として、本願発明では中差し印刷設定に加えて印刷順序設定を取得しているのに対し、引用発明1では、印刷設定画面がどのように提供されているか不明であり、かかる印刷設定画面において設定されるのは中差し印刷設定のみである点。 ・相違点2 本願発明では、出力データのないページの出力を行わない節約状態が前記印刷装置に設定されているか否かをチェックする節約状態チェックステップを有しているのに対し、引用発明1ではかかるステップを有しない点。 ・相違点3 本願発明では、中差し印刷チェックステップにおいて前記付加出力を行うとの設定が検出され、かつ前記節約機能チェックステップにおいて前記節約状態に設定されていると検出された場合には、前記印刷装置の節約状態の設定を無効にする印刷制御コマンドを発行する節約機能設定コマンド発行ステップを有しているのに対し、引用発明では節約機能チェックステップ自体を有していないため、節約機能設定コマンド発行ステップも有していない点。 ・相違点4 本願発明では、印刷データを最終ページから出力するか、最初のページから出力するかを表す前記印刷順序設定をチェックする印刷順序チェックステップを有し、前記印刷データの各ページを出力した後、次ページの出力までに前記付加出力を行う場合である所定の条件1として、印刷順序設定が最初のページから出力する設定の場合とし、逆に前記印刷データの各ページの出力に先立って前記付加出力を行う場合である所定の条件2として、印刷順序設定が最後のページから出力する設定の場合であるのに対し、引用発明では、印刷順序チェックステップは有せず、代わりに印刷物の排出モードとして、表面排出モードと裏面排出モードを有し、そのいずれかの排出モードであるかをチェックするステップであるステップcを有し、画像情報を印刷した後、台紙である普通紙を排出する場合である所定の条件1として、裏面排出モードの場合とし、逆に台紙である普通紙を排出した後、画像情報を印刷する場合である所定の条件2として、表面排出モードの場合としている点。 ・相違点5 本願発明では、印刷データの全ページの出力処理が終了したとき、節約機能設定コマンド発行ステップが、印刷装置の節約状態の設定を有効に復帰させる印刷制御コマンドを発行するのに対し、引用発明1ではかかるコマンドの発行が行われない点。 上記相違点について検討する。 ・相違点1について 印刷設定画面をホスト側から提供され、該印刷設定画面において、印刷順序を設定することは周知(必要であれば、下記の周知文献1及び2等参照)であり、引用発明1において、上記周知の技術を採用して、印刷設定画面において、中差し印刷設定に加えて印刷順序についても設定し、印刷設定取得ステップにおいて両者の設定を取得するようにすることは、当業者が適宜容易になし得ることである。 ・相違点2について 印刷データに、出力データのない白紙のページが存在するときに、該白紙のページの出力を行わないことも周知(必要であれば、下記の周知文献3及び4等参照)であり、引用発明1において、かかる周知技術を適用して、出力データのないページの出力を行わない節約状態を設け、かかる節約状態が印刷装置に設定されているかどうかをチェックするステップを設けることは、当業者が適宜容易になし得ることである。 ・相違点3について ホストコンピュータ側の設定と、プリンタ側の設定が、互いに両立しない設定となった場合に、プリンタの設定を無効化して、ホストコンピュータ側の設定によって動作させるようにすることは、下記の周知文献5及び6等にみられるように周知である。 例えば周知文献5として提示した特開平9-53290号公報には、プリンタ側でユーザーにより3色モードと4色モードのモード設定が行えるものの、ホストコンピュータ側から、かかる設定を無効化するための設定無効指令が出力されて、ホストコンピュータ側の設定が優先されてプリント動作が行われることが記載されている(特許請求の範囲、段落【0009】、【0017】、【0033】?【0039】、【0043】?【0048】等参照)。 同じく周知文献6として提示した特開平8-127166号公報には、ホスト側のプリンタドライバと、プリンタで設定されているプリント条件設定に違いがある場合に、ホスト側の設定条件を優先することが記載されている(段落【0003】等参照)。 ここで、上記相違点2について検討したように、引用発明1において周知技術を適用して、出力データのないページの出力を行わない節約状態を設けた場合に、付加出力として各印刷ページに重ねて出力される所定の媒体には特段の印刷は行わないのであるから、両者の設定は互いに両立しないことは明らかである。そこで、上記の周知技術を適用して、ホスト側で設定される付加出力を行う設定を、プリンタ側で設定される出力データのないページの印刷を行わない節約状態に優先させて、プリンタ側の節約状態の設定を無効化させるようにすることは、当業者が適宜容易になし得ることである。 ・相違点4について 印刷された用紙を排出するにあたって、用紙の印刷表面を上にして排出するときには、逆順で印刷を行い、用紙の印刷表面を下にして排出するときには、正順で印刷を行うことは、周知(必要であれば、下記の周知文献2及び7等参照)である。すなわち、排出時の印刷表面の上下と、印刷順序を正順とするか逆順とするかは、1対1で対応しているといえる。 してみると、上記周知技術を勘案して、引用発明1における排出時の印刷表面の上下である表面排出モードと裏面排出モードに代えて、印刷データを最終ページから出力するか、最初のページから出力するかを表す印刷順序設定をチェックすることとし、印刷データの各ページを出力した後、次ページの出力までに付加出力を行う場合である所定の条件1として、印刷順序設定が最初のページから出力する設定の場合とし、逆に前記印刷データの各ページの出力に先立って前記付加出力を行う場合である所定の条件2として、印刷順序設定が最後のページから出力する設定の場合とすることは、当業者が適宜容易になし得ることである。 ・相違点5について 印刷データの全ページの出力処理が終了すれば、互いに両立しない設定の一方が終了するのであるから、他方の設定の無効化を解除して、印刷装置の節約状態の設定を有効に復帰させるようにすることは通常行うことである。そのため、引用発明1において、周知技術を採用して、付加出力を行うために、印刷装置の節約状態の設定を無効とした場合に、印刷データの全ページの出力処理が終了したとき、印刷装置の節約状態の設定を有効に復帰させるようにするコマンドを発行させるようにすることは、当業者が適宜容易になし得ることである。 周知文献 1.特開平10-83262号公報 (請求項2等参照。操作手段を介して指定されたページ印刷順序で印刷を行うことが記載されている。) 2.特開平9-212320号公報 (請求項1等参照。出力条件設定画面において、出力順序を設定することが記載されている。また、段落【0002】、【0003】には、用紙の表面を上にしてページ逆順で印刷を行うことが記載されている。) 3.特開平4-220366号公報(請求項1等参照) 4.特開平7-264363号公報(請求項3等参照) 5.特開平9-52390号公報 6.特開平8-127166号公報 7.特開平10-149263号公報 (段落【0003】等参照。用紙の表面を下にしてページ順で印刷を行うことと、用紙の表面を上にしてページ逆順で印刷を行うことが記載されている。) また、これらの事項を備えた本願発明の作用効果は、引用刊行物1に記載された発明及び周知技術から予測し得る程度のものにすぎない。 よって、本願発明は、引用刊行物1に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明することができたものである。 4.むすび 以上のとおりであるから、本願の請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるので、他の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2009-11-02 |
結審通知日 | 2009-11-06 |
審決日 | 2009-11-27 |
出願番号 | 特願平10-365513 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(B41J)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 清水 康司、桐畑 幸▲廣▼、清水 督史 |
特許庁審判長 |
木村 史郎 |
特許庁審判官 |
一宮 誠 柏崎 康司 |
発明の名称 | 情報処理装置及びその制御方法 |
代理人 | 大塚 康弘 |
代理人 | 高柳 司郎 |
代理人 | 大塚 康徳 |
代理人 | 木村 秀二 |