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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 E04D
管理番号 1210526
審判番号 不服2008-7146  
総通号数 123 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-03-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-03-24 
確定日 2010-01-20 
事件の表示 平成10年特許願第283059号「外囲体及び取付金具」拒絶査定不服審判事件〔平成12年 4月18日出願公開、特開2000-110308〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 【1】手続の経緯
本願は,平成10年10月5日の出願であって,平成20年2月26日付けで拒絶査定がなされ,これに対し,同年3月24日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに,同日受付けで手続補正がなされたものである。
その後,平成21年4月27日付けで,審判請求人に前置報告書の内容を示し意見を求めるための審尋を行ったところ,同年5月25日に回答書が提出された。

【2】平成20年3月24日付けの手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成20年3月24日付けの手続補正を却下する。
[理由]
1.補正後の本願発明
平成20年3月24日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)により,特許請求の範囲の請求項1は,次のとおりに補正された。
「下地材(2)上に、長手方向に延びる凸部(8a)が交互に形成された金属製波形の外囲板(8)を支承し、前記外囲板(8)の凸部(8a)に基板(12)をねじ止め固定する一方、前記外囲板(8)の凸部(8a)に複数のパネル状の構造物(10)を展開配置し、前記基板(10)上に押え板(14a)(14b)(14c)を配置し、ボルト(20)とナットの締付力によって前記押え板(14a)(14b)(14c)を前記基板(12)に結合し、前記ボルト(20)とナットの締付力によって前記押え板(14a)(14b)(14c)の押え部(28)(32)(36)を前記構造物(10)の縁部上面に圧接し、該構造物(10)の縁部を前記押え板(14a)(14b)(14c)の押え部(28)(32)(36)と前記基板(10)とで挟圧し、該構造物(10)の縁部を前記外囲板(8)の凸部(8a)に脱着可能に固定するようにしたことを特徴とする外囲体。」

本件補正は,請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「金属製の外囲板」を「金属製波形の外囲板」に限定したものと認められるから,本件補正は,少なくとも,平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とする補正事項を含むものである。

そこで,上記本件補正後の請求項1に係る発明(以下,「本件補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか,すなわち,平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項に規定する要件を満たしているか,について以下に検討する。

2.刊行物及びその記載内容
(1)刊行物1
本願出願前に頒布された刊行物である,特開平10-176403号公報(以下,「刊行物1」という。)には,次の記載がある。
(1a)「【発明の属する技術分野】この発明は、住宅等の屋根に太陽電池装置を設置する太陽電池装置の屋根上設置方法に関する。」(段落【0001】)
(1b)「図3に示すように、太陽電池モジュール1の枠体1aには、その底面から外方向に突出し更に上方向に延びた鉤状部1cがその4辺のうち少なくとも対向する2辺において形成されている。・・・
太陽電池モジュール1を支持固定する支持金具2は、取り付け板部2aと支柱部2bとからなる。図4に示すように、取り付け板部2aは、平板長方形状をなし、取り付け板部2aの孔から後述する桟木3に、例えば、釘2cを打つことにより固定される。・・・さらに、支柱部2bは、取り付け板部2aに例えば、溶接によって立設固定されたものであり、少なくとも先端部にはねじ部が形成されている。
太陽電池モジュール1…を取り付ける屋根には、図1及び図2に示すように、小屋組の野地板4上に支持金具2を取り付けるための桟木3が固定される。この桟木3は、小屋組のたる木5に重なる位置に、且つ、屋根面の勾配に沿って配置され、たる木5に対して釘により固定される。この桟木3は、太陽電池モジュール1…の配設に応じた配列と長さに配置している。
上記野地板4上には、アスファルトルーフィングなどの防水シート6を桟木3の側面まで立ち上がるようにして敷設し、桟木3の側面に水切り用として側縁を折り曲げた捨て水切り板金7を設ける。そして、桟木3の上部から前記捨て水切り板金7の一部まで達するブチル系防水テープなどの弾性ゴム防水テープ8を桟木3の上に設け、その上に水切り用として側縁を折り曲げたカバー板金9を被せ、桟木3の側面に釘を打ち、前記捨て水切り板金7とカバー板金9を桟木3に固定する。・・・」(段落【0026】?【0029】)
(1c)「桟木3上に弾性ゴム防水テープ8を介してカバー板金9を取り付けた後、支持金具2をカバー板金9の所定の箇所に配置し、スクリューネイルなどにより、カバー板金9、弾性ゴム防水テープ8を貫通させて、桟木3に固定する。
また、桟木3部分を除く屋根全面にカラーベスト20を屋根葺き材として敷設する。・・・
上記支持金具2を所定の個数桟木3に固定する。この実施の形態においては、太陽電池モジュール1の1辺を2つの支持金具2、2で固定する、すなわち、4個の支持金具2…で太陽電池モジュール1を支持固定する。
支持金具2を桟木3の所定位置に固定したら、太陽電池モジュール1…を桟木3のカバー板金9上に固定された支持金具2上に載せて、置いて行く。・・・
次に、太陽電池モジュール1…の縁(前述した鉤状部1c)が形成されている辺)を支持金具2の取り付け板部2aの上に位置させ、断面コ字型の押さえ板11にて、太陽電池モジュール1…を固定する。押さえ板11には、前記支柱部2bが挿通する穴が設けられており、この穴に支柱部2bを挿通させ、支柱部2bに設けたねじ部にナット12を螺合させ、このナット12を締め付けて行くとナット12にて押さえ板11が押さえられてこれを固定するようになっている。・・・」(段落【0032】?【0037】)
(1d)「更に、保守点検の際に太陽電池モジュール1を取り外す必要がある場合には、受光面側から、押さえ板11を外すだけで、簡単に太陽電池モジュール1を取り外すことができ、保守作業性が格段に向上する。・・・」(段落【0041】)
(1f)【図3】には,桟木3に固定された支持金具2上に太陽電池モジュール1の縁である鉤状部1cが載置され,該鉤状部1cの上に押さえ板11が配置されていることが記載されている。

上記記載事項(1a)?(1f)及び図面の記載からみて,刊行物1には,以下の発明が記載されているものと認められる。
「野地板4上に桟木3を固定し,所定の個数の支持金具2を桟木3に固定し,太陽電池モジュール1の縁である鉤状部1cを支持金具2上に載せて桟木3上に配置するとともに,支持金具2上の鉤状部1cの上に押さえ板11を配置し,押さえ板11を支持金具2の支柱部2bとナット12によって支持金具2に結合し,前記支柱部2bとナット12との締め付けにより押さえ板11を太陽電池モジュール1の鉤状部1cの上部に圧接し、該太陽電池モジュール1の鉤状部1cを前記押さえ板11と支持金具2とで挟圧し、該太陽電池モジュール1の鉤状部1cを前記桟木3に脱着可能に固定する太陽電池装置。」(以下,「刊行物1記載の発明」という。)

(2)刊行物2
本願出願前に頒布された刊行物である,特開平7-150704号公報(以下,「刊行物2」という。)には,次の記載がある。
(2a)「【産業上の利用分野】本発明は、金属製の屋根板を用いた屋根に関する。
【従来の技術】縦方向に延びる大型の屋根板を下地材の上面に複数並列配置し、吊子を用いて、屋根板を横方向に結合した構成の屋根が従来知られている。屋根の上に太陽電池モジュール板などの部材を取り付ける場合、釘を屋根板の上から垂木に打ち込み、これによって、屋根板の上に太陽電池モジュール板を取り付けるための取付金具を固定する構成が一般的である。
【発明が解決しようとする問題点】太陽電池モジュール板などの部材を取り付けるための取付金具を屋根に取り付けるために釘あるいはビスなどの固着具を屋根板に打ち込むと、そこから雨漏りがしてしまう。本発明は上記問題点を解決することを目的とするものである。」(段落【0001】?【0003】)
(2b)「【実施例】以下に本発明の構成を添付図面に示す実施例を参照して詳細に説明する。2は合板などから成る屋根の下地材であり、これに断熱材4が固着されている。6は長尺な金属帯板部材から成る屋根板接続用の吊子であり、これの下部水平部が下地材2に固定されている。8は鋼板などから成る縦方向に長い下位屋根板であり、図3に示すように両端部に立ち上り部8a,8cが形成されている。
10は、鋼板などから成る縦方向に長い上位屋根板であり、図4に示すように、両側部に立ち上り部10b,10cが形成され、中間部にはコ字状に屈折して形成した突起部10aが長手方向全長にわたって複数条形成されている。図3,4において、屋根板8,10の長手方向は、紙面垂直方向であり、雨水が屋根板8,10の長手方向に沿って流れるように屋根板8,10は、上位屋根板10を上にして、断熱材4の上に配置される。」(段落【0006】?【0007】)
(2c)「このようにして、断熱材4上に配置された、複数の下位屋根板8と上位屋根板10は、吊子6を介して互いに接続され、且つ下地材2に固定される。該状態において、雨水は、上位屋根板10の、長手方向に沿って形成された凹部を伝って軒先に導かれる。上記上下位屋根板10,8は、2重防水屋根板構造を構成する。12は、複数の取付金具であり、各々の下位水平部12aが上位屋根板10の突起部10aの上面にビスなどによって固定され、該取付金具12には、複数枚の太陽電池モジュール板14が固定されている。」(段落【0010】)

上記記載事項(2a)?(2c)及び図面の記載からみて,刊行物2には,以下の技術が記載されているものと認められる。
「鋼板からなり突起部10aが長手方向全長にわたって複数条形成されている屋根材が下地材2上に固定されてなる屋根において,前記突起部10aの上面に複数の取付金具12を固定し,該取付金具12により太陽電池モジュールを固定してなる屋根。」(以下,「刊行物2記載の技術」という。)

3.対比・判断
本願補正発明と刊行物1記載の発明とを対比すると,刊行物1記載の発明の「野地板4」は本願補正発明の「下地材」に相当し,以下同様に「支持金具2」は「基板」に,「太陽電池モジュール1」は「パネル状の構造物」に,「鉤状部1c」は「縁部」に,「押さえ板11」は「押え板」に,「支柱部2b」は「ボルト」に,「ナット12」は「ナット」に,「太陽電池装置」は「外囲体」に,それぞれ相当しており,刊行物1記載の発明の「押さえ板11」が本願補正発明の「押え部」に相当する部分(鉤状部と圧接している箇所)を有していることは自明である。
そして,刊行物1記載の発明の「桟木3」と本願補正発明の「外囲板(8)」とは,ともに,基板(支持金具)が固定されパネル状の構造物(太陽電池モジュール1)が配置される「部材」である点で共通している。
さらに,本願補正発明の「前記基板(10)上に押え板(14a)(14b)(14c)を配置し」という構成と刊行物1記載の発明の「支持金具2上の鉤状部1cの上に押さえ板11を配置し」という構成は,ともに,基板と押え板とでパネル状構造物の縁部を狭圧するために押え板を配置した位置を特定した構成であって,両者とも,「基板に対して上方の位置に押え板を配置した」点で共通している。

したがって,両者は,以下の点で一致している。
「下地材上に部材を設け,該部材に基板を固定し,該部材の上に複数のパネル状の構造物を配置し,基板に対して上方の位置に押え板を配置し,ボルトとナットの締付力によって前記押え板を前記基板に結合し,前記ボルトとナットの締付力によって前記押え板の押え部を前記構造物の縁部上面に圧接し,該構造物の縁部を前記押え板の押え部と前記基板とで挟圧し,該構造物の縁部を下地材上の部材に脱着可能に固定してなる外囲体。」

そして,以下の点で相違している。
(相違点1)
本願補正発明は,基板が固定されパネル状の構造物が配置される「部材」が「長手方向に延びる凸部が交互に形成された金属製波形の外囲板」であって,基板は「外囲板の凸部」に固定されるのに対して,刊行物1記載の発明は,該「部材」が「桟木3」である点。
(相違点2)
本願補正発明は,部材に基板が「ねじ止め」固定されているのに対して,刊行物1記載の発明は,部材に基板が「釘2c」によって固定されている点。
(相違点3)
基板に対して上方の位置に押え板を配置するに際して,本願補正発明は,押え板を基板上に配置しているのに対して,刊行物1記載の発明は,押え板を基板上のパネル状の構造物の縁部の上に配置している点。

上記各相違点について検討する。
(相違点1について)
刊行物1記載の発明は,野路板の上に屋根材としてカラーベストを敷設するタイプの屋根や瓦棒タイプの屋根を対象としてパネル状の構造物(太陽電池モジュール)を固定したものであって,カラーベストには基板を固定する適当な凸部がないために,下地上に桟木を固定して,該桟木の上に基板が固定されるように構成したものである。
これに対して,本願補正発明は,「下地材(野路板)上に長手方向に伸びる凸部が交互に形成された金属製波形の外囲材(屋根材)」を敷設するタイプの屋根を対象としてパネル状の構造物を固定したものであって,該波形の外囲材の凸部に基板が固定されるように構成したものである。
すなわち,本願補正発明と刊行物1記載の発明とは,パネル状の構造物を取り付ける屋根のタイプが異なることによって,基板が固定され構造物が配置される「部材」に相違が生じている。
しかしながら,刊行物2記載の技術の「鋼板からなり突起部10aが長手方向全長にわたって複数状形成されている屋根材」が本願補正発明の「長手方向に延びる凸部が交互に形成された金属製波形の外囲板」に相当しており,本願補正発明が対象としている「長手方向に延びる凸部が交互に形成された金属製波形の外囲板を敷設するタイプの屋根」は,従来より知られた屋根であって,さらに刊行物2記載の技術では,該タイプの屋根を対象として太陽電池モジュール板を取り付けるに際して,金属製波形の屋根材の凸部(突起部10a)に取付金具を固定して太陽電池モジュール板を取り付けることが開示されている。
そして,刊行物1記載の発明のパネル状の構造体の固定する対象となる屋根のタイプを,刊行物2記載の技術において開示されている「鋼板からなり突起部が長手方向全長にわたって複数状形成されている屋根材を敷設するタイプの屋根」とすることは,それを妨げる要因はみあたらず,当業者が適宜なし得たことであるから,刊行物1記載の発明の基板が固定され構造物が配置される「部材」を「長手方向に延びる凸部が交互に形成された金属製波形の外囲板」とし,基板を「外囲板の凸部」に固定するように構成することは,当業者が容易になし得たことである。
(相違点2について)
基板を取付対象に対してねじによって固定することは,当業者が適宜なし得た設計事項に過ぎない。(例えば,上記記載事項(2c)参照。)
(相違点3について)
基板と押え板とにより構造物の縁部を挟圧するために押え板を配置している点では,刊行物1記載の発明と本願補正発明との間に違いはなく,挟圧するために基板上に押え板を配置するように構成することは,当業者が適宜なし得ることに過ぎず,基板上に押え板を配置することによって格別の効果が生じるものでもない。
したがって,上記相違点3に係る本願補正発明の構成は,当業者が必要に応じて適宜なし得た設計事項である。

請求人は,刊行物1の太陽電池モジュール1の縁には,鉤状部1cが形成されている旨主張しているが,太陽電池モジュール1の縁部をどのような形状とするかは当業者が適宜決定すればよい設計事項であって,刊行物1の「鉤状部1c」が太陽電池モジュールの縁であることに誤りはない。
結局,本願補正発明と刊行物1記載の発明とは,太陽電池モジュールの縁部を基板と押え部とにより挟圧して点では相違するものではないから,上記請求人の主張により,本願補正発明が容易に発明をすることができたものではないとすることはできない。

そして,本願補正発明の作用効果が,刊行物1記載の発明及び刊行物2記載の技術から当業者が予測できないものであるとも認められない。
よって,本願補正発明は,刊行物1記載の発明及び刊行物2記載の技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

4.むすび
以上のとおり,本件補正は,平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので,同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

【3】本願発明について
1.本願発明
平成20年3月24日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので,本願の請求項1に係る発明は,平成20年1月16日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される,以下のとおりのものである。
「【請求項1】下地材(2)上に、長手方向に延びる凸部(8a)が交互に形成された金属製の外囲板(8)を支承し、前記外囲板(8)の凸部(8a)に基板(12)をねじ止め固定する一方、前記外囲板(8)の凸部(8a)に複数のパネル状の構造物(10)を展開配置し、前記基板(10)上に押え板(14a)(14b)(14c)を配置し、ボルト(20)とナットの締付力によって前記押え板(14a)(14b)(14c)を前記基板(12)に結合し、前記ボルト(20)とナットの締付力によって前記押え板(14a)(14b)(14c)の押え部(28)(32)(36)を前記構造物(10)の縁部上面に圧接し、該構造物(10)の縁部を前記押え板(14a)(14b)(14c)の押え部(28)(32)(36)と前記基板(10)とで挟圧し、該構造物(10)の縁部を前記外囲板(8)の凸部(8a)に脱着可能に固定するようにしたことを特徴とする外囲体。」(以下,「本願発明」という。)

2.引用刊行物
原査定の拒絶の理由に引用され,本願出願前に頒布された刊行物である,上記刊行物1及び2の記載内容は,前記「【2】2.」に記載したとおりである。

3.対比・判断
本願発明は,前記「【2】」で検討した本願補正発明から「金属製の外囲板」の限定事項である「波形」との構成を省いたものである。
そうすると,本願発明の構成要件を全て含み,さらに他の構成要件を付加したものに相当する本願補正発明が,前記「【2】3.」に記載したとおり,刊行物1記載の発明及び刊行物2記載の技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,本願発明も,同様の理由により,刊行物1記載の発明及び刊行物2記載の技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

4.むすび
以上のとおり,本願発明は,刊行物1記載の発明及び刊行物2記載の技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから,本願の他の請求項に係る発明を検討するまでもなく、本願は拒絶をすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2009-11-10 
結審通知日 2009-11-11 
審決日 2009-12-09 
出願番号 特願平10-283059
審決分類 P 1 8・ 121- Z (E04D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大谷 純  
特許庁審判長 神 悦彦
特許庁審判官 関根 裕
宮崎 恭
発明の名称 外囲体及び取付金具  
代理人 西島 綾雄  

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