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審決分類 審判 査定不服 4項3号特許請求の範囲における誤記の訂正 取り消して特許、登録 C08F
審判 査定不服 4項4号特許請求の範囲における明りょうでない記載の釈明 取り消して特許、登録 C08F
審判 査定不服 4項1号請求項の削除 取り消して特許、登録 C08F
審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 取り消して特許、登録 C08F
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 取り消して特許、登録 C08F
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 C08F
管理番号 1210742
審判番号 不服2007-14714  
総通号数 123 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-03-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-05-23 
確定日 2010-02-09 
事件の表示 平成 9年特許願第272145号「微粒子およびその製造方法と利用」拒絶査定不服審判事件〔平成11年 4月 6日出願公開、特開平11- 92534、請求項の数(4)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成9年9月17日の出願であって、平成16年8月31日に手続補正書が提出され、平成18年2月22日付けで拒絶理由が通知され、同年4月28日に意見書及び手続補正書が提出されたが、平成19年4月17日付けで拒絶査定がなされ、それに対して、同年5月23日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに、同年6月8日に手続補正書が提出され、同年8月7日に審判請求書の手続補正書(方式)が提出され、同年12月14日付けで前置報告がなされ、当審において平成21年3月4日付けで審尋がなされ、同年4月30日に回答書が提出されたものである。

2.平成19年6月8日付けの手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成19年6月8日付けの手続補正を却下する。

[理由]
(1)補正の内容
平成19年6月8日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)は、特許請求の範囲を本件補正前の
「【請求項1】
低級アルキルアクリレート80?99重量%と、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート及びトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートからなる群から選択される1種以上の多官能ビニル系モノマー1?20重量%とを共重合して得られたゴム様弾性を有する芯材部と、該芯材部の表面に形成されたメタクリレート系樹脂からなる表層部とを有する微粒子であって、
前記表層部は、低級アルキルメタクリレートと、多官能ビニル系モノマーとを共重合して得られた共重合体であり、前記表層部に使用する全モノマー量は、前記芯材部に使用する全モノマー量の5?30重量%であり、
前記微粒子全体としてゴム様弾性を有し、前記微粒子の平均粒子径は3.1?14μmであることを特徴とする微粒子。
【請求項2】
芯材部となる樹脂を形成する低級アルキルアクリレート80?99重量%と、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート及びトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートからなる群から選択される1種以上の多官能ビニル系モノマー1?20重量%とを水性媒体に分散させて重合反応を行い、次いで該水性媒体中に低級アルキルメタクリレートと多官能ビニル系モノマーとを、その合計量が前記芯材部に使用した全モノマー量の5?30重量%追加して添加して、上記工程で生成したゴム状ポリマー粒子の表面にメタクリレート系樹脂層を形成する前記モノマーを重合させることを特徴とする微粒子の製造方法。
【請求項3】
芯材部となる樹脂を形成する低級アルキルアクリレートと多官能ビニル系モノマーとを、懸濁重合またはシード重合にて重合する請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
請求項1に記載の微粒子を配合したことを特徴とする化粧料。」から、本件補正後の
「【請求項1】
低級アルキルアクリレート80?99重量%と、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート及びトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートからなる群から選択される1種以上の多官能ビニル系モノマー1?20重量%とを共重合して得られたゴム様弾性を有する芯材部と、該芯材部の表面に形成されたメタクリレート系樹脂からなる表層部とを有する微粒子粉体が配合されてなる化粧料であって、
前記表層部は、低級アルキルメタクリレートと、前記多官能ビニル系モノマーとを共重合して得られた共重合体であり、前記表層部に使用する全モノマー量は、前記芯材部に使用する全モノマー量の5?30重量%であり、
前記微粒子全体としてゴム様弾性を有し、前記微粒子の平均粒子径は3.1?14μmであることを特徴とする化粧料。
【請求項2】
低級アルキルアクリレート80?99重量%と、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート及びトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートからなる群から選択される1種以上の多官能ビニル系モノマー1?20重量%とを共重合して得られたゴム様弾性を有する芯材部と、該芯材部の表面に次いで形成されたメタクリレート系樹脂からなる表層部とを有する微粒子粉体が配合されてなる化粧料であって、
前記表層部は、低級アルキルメタクリレートと、前記多官能ビニル系モノマーとを共重合して得られた共重合体であり、前記表層部に使用する全モノマー量は、前記芯材部に使用する全モノマー量の5?30重量%であり、
前記微粒子全体としてゴム様弾性を有し、前記微粒子の平均粒子径は3.1?14μmであることを特徴とする化粧料。」へと補正するものである。

そこで、本件補正後の請求項(以下、「新請求項」という。)と本件補正前の請求項(以下、「旧請求項」という。)との対応関係をみると、その発明を特定するために必要な事項からみて、新請求項1が旧請求項4に対応し、新請求項2が、旧請求項1?3のいずれにも対応していないことは明らかである。
したがって、本件補正は、以下の補正事項1を含むものである。

[補正事項1]
新請求項2を新たに設ける補正事項。

(2)補正の目的
補正事項1は、補正前の請求項と補正後の請求項とが、一対一又はこれに準ずるような対応関係に立つものではないから、実質的に増項補正に該当する。
したがって、補正事項1は、いわゆる請求項の限定的減縮を目的とするものではない。
また、補正事項1が、請求項の削除、誤記の訂正、明りょうでない記載の釈明のいずれかを目的とするものでないことは明らかである。

(3)まとめ
したがって、補正事項1を含む本件補正は、平成14年法律第24号改正附則第2条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.本願発明について
平成19年6月8日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1?4に係る発明は、平成18年4月28日に提出された手続補正書により補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1?4に記載された事項により特定されるとおりのものであると認める。
そして、本願については、原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2010-01-25 
出願番号 特願平9-272145
審決分類 P 1 8・ 121- WY (C08F)
P 1 8・ 571- WY (C08F)
P 1 8・ 113- WY (C08F)
P 1 8・ 573- WY (C08F)
P 1 8・ 574- WY (C08F)
P 1 8・ 572- WY (C08F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 橋本 栄和佐々木 秀次  
特許庁審判長 小林 均
特許庁審判官 松浦 新司
内田 靖恵
発明の名称 微粒子およびその製造方法と利用  
代理人 堀川 かおり  
代理人 小野 由己男  

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