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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 B05B
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B05B
審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 B05B
管理番号 1211857
審判番号 不服2008-12949  
総通号数 124 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-04-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-05-22 
確定日 2010-02-12 
事件の表示 平成10年特許願第106158号「粉体塗装ブースのエアーブロー装置」拒絶査定不服審判事件〔平成11年11月 2日出願公開、特開平11-300249〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯
本件出願は、平成10年4月16日の出願であって、平成19年12月28日付けの拒絶理由通知に対して平成20年3月10日付けで意見書とともに手続補正書が提出されたが、平成20年4月16日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成20年5月22日付けで拒絶査定不服審判が請求されるとともに平成20年6月23日付けの手続補正書によって明細書を補正する手続補正がなされ、その後、当審の平成21年8月3日付けの書面による審尋に対し平成21年10月1日付けで回答書が提出されたものである。

第2.平成20年6月23日付けの手続補正についての補正却下の決定

〔補正却下の決定の結論〕
平成20年6月23日付けの手続補正を却下する。

〔理由〕
1.本件補正の内容
(1)平成20年6月23日付けの手続補正書による手続補正(以下、単に「本件補正」という。)は、特許請求の範囲に関して、本件補正により補正される前の(すなわち、平成20年3月10日付けの手続補正書により補正された)特許請求の範囲の下記の(a)に示す請求項1及び2を、下記の(b)に示す請求項1及び2と補正するものである。

(a)本件補正前の特許請求の範囲
「【請求項1】 エアー供給源に接続されるブローヘッドに、エアーノズルを設けた粉体塗装ブースのエアーブロー装置において、上記エアーノズルを、内径が2.0mmφ以下の複数のチューブによって形成し、この複数のチューブが20mm以下のピッチで並び、ブローヘッドの外面に、10?50mmの長さで突き出していることを特徴とする粉体塗装ブースのエアーブロー装置。
【請求項2】 上記ブローヘッドの背面を、粉体塗料の飛散防止カバーによって囲み、この飛散防止カバーに吸引装置を接続したことを特徴とする請求項1に記載の粉体塗装ブースのエアーブロー装置。」

(b)本件補正後の特許請求の範囲
「【請求項1】 エアー供給源に接続されるブローヘッドに、エアーノズルを設けた粉体塗装ブースのエアーブロー装置において、上記エアーノズルを、内径が2.0mmφ以下の複数のチューブによって形成し、この複数のチューブが、20mm以下のピッチで並び、ブローヘッドの外面に、10?50mmの長さで突き出し、エアー圧力が0.5?2.0kg/cm^(2)であることを特徴とする粉体塗装ブースのエアーブロー装置。
【請求項2】 上記ブローヘッドの背面を、粉体塗料の飛散防止カバーによって囲み、この飛散防止カバーに吸引装置を接続したことを特徴とする請求項1に記載の粉体塗装ブースのエアーブロー装置。」

(2)すなわち、本件補正は、本件補正後の請求項1に関して、本件補正前の請求項1の記載に対して、「エアー圧力が0.5?2.0kg/cm^(2)である」との文言を新たに追加する補正事項を含むものである。

2.本件補正の適否についての判断
(1)請求項1において、「エアー圧力が0.5?2.0kg/cm^(2)である」の文言を新たに追加する補正事項について検討するに、本件補正前の請求項1に係る発明は、(a)『エアー供給源に接続されるブローヘッドに、エアーノズルを設けた粉体塗装ブースのエアーブロー装置』に関する発明の発明を特定するために必要な事項として、(b)『上記エアーノズルを、内径が2.0mmφ以下の複数のチューブによって形成する』構成、(c)『この複数のチューブが20mm以下のピッチで並ぶ』構成、及び(d)『(複数のチューブが)ブローヘッドの外面に10?50mmの長さで突き出している』構成を備えており、本件補正後の請求項1においては、発明を特定するために必要な事項としての(a)ないし(d)の構成に、「エアー圧力が0.5?2.0kg/cm^(2)である」構成を発明を特定するために必要な事項に追加するものである。
この「エアー圧力が0.5?2.0kg/cm^(2)である」構成を新たに追加する補正事項は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である(a)ないし(d)の構成のいずれかを、例えば概念的に下位の事項とすることなどによって、限定するものとは認められず、前記の補正事項は、発明を特定するために必要な事項である(a)ないし(d)の構成のいずれの限定とも認められない。
したがって、本件補正における「エアー圧力が0.5?2.0kg/cm^(2)である」構成を新たに追加する補正事項は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項を追加するものであることから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものではあるとはいえ、「本件補正前の請求項1に係る発明の発明を特定するために必要な事項を限定するもの」とは認められず、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号に規定する「特許請求の範囲の減縮(第36条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであって、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業状の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る。)」(以下、単に「特許請求の範囲の限定的減縮」ともいう。)を目的とするものとは認められない。
また、前記の補正事項は、同じく改正前の特許法第17条の2第4項に掲げる請求項の削除、誤記の訂正、及び明りょうでない記載の釈明のいずれの事項をも目的とするものでもないことは明らかである。

(2)なお、請求項1に関する本件補正が、仮に、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項を限定するものであって、特許請求の範囲の限定的減縮を目的とするものであると解されるとしても、本件補正後の請求項1に係る発明(以下、単に「本願補正発明」という。)は、以下に述べるように、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(ア)引用文献の記載内容
(a)原査定の拒絶理由に引用された実願昭52-71319号(実開昭53-165854号)のマイクロフィルム(以下、単に「引用文献1」という。)には、図面とともに次のような事項が記載されている。
1)「本考案は、粉体塗装ブース(1)内に上下方向に架設せる昇降用チェーン(2)にエアノズル付パイプ(3)を設け、昇降用チェーン(2)を外部からの操作にて駆動する駆動部(4)を粉体塗装ブース(1)に附設して成る粉体塗装ブース内自動エアブロー装置に係るものであって、その目的とするところは粉体塗装において被塗装物に塗着せず塗装ブース内壁に付着した塗料を外部から自動的に除去できる粉体塗装ブース内自動エアブロー装置を提供するにある。」(明細書第1頁11ないし19行)
2)「(1)は内部の空間で粉体塗装を行なう粉体塗装ブースであって、箱状に形成されている。粉体塗装ブース(1)の上面の左右には夫々モータのような駆動部(4)を配設してあり、粉体塗装ブース(1)内の下部両側に設けたスプロケット(5)と各駆動部(4)に設けたスプロケット(6)との間に昇降用チェーン(2)を架設してある。また、粉体塗装ブース(1)内で一対の昇降用チェーン(2)間にエアノズル付パイプ(3)を架け渡してあり、エアノズル付パイプ(3)に外部からエア供給管(7)を連結してある。」(同第2頁6ないし16行)
3)「しかして外部から駆動部(4)を作動させると共にエアノズル付パイプ(3)からエアを噴射すると、エアノズル付パイプ(3)が上下動しながらエアが噴射され、粉体塗装ブース(1)内壁の粉体塗料が落される。」(同第2頁19行ないし同第3頁3行)
4)「本考案は、叙述の如く粉体塗装ブース内のエアノズル付パイプを外部からの操作にて上下動できるようになっているので、粉体塗装ブース内に作業者が入ることなく短時間で粉体の除去ができるものである。」(同第3頁4ないし8行)

したがって、上記の各記載事項及び図面の記載を総合すると、引用文献1には、次のような発明(以下、「引用文献1に記載された発明」という。)が記載されているものと認められる。
「エア供給源にエア供給管を介して接続されるエアノズル付パイプに、エアノズルを設けた粉体塗装ブースの自動エアブロー装置。」

(b)同じく原査定の拒絶理由に引用された実願平4-68480号(実開平6-24781号)のCD-ROM(以下、単に「引用文献2」という。)には、図面とともに次のような事項が記載されている。
1)「【0001】
【産業状の利用分野】
この考案は、製品を製造する際、製品に付着している成形粉,金属粉,繊維くず,ダスト等の異物をエアーによって取り除く装置に関するものである。」(段落【0001】)
2)「【0006】
【実施例】
以下本実施例を図1?図2にもとづき説明する。
製品12を搬送するベルトコンベアライン11の途中に洗浄工程が設けられており、ベルトコンベアライン11を通過させるトンネル形の洗浄箱体13は図2に示すように天井部が半円形に形成されている。この洗浄箱体13の長さは製品の大きさ,コンベアの速度,洗浄時間等により適宜に決められる。洗浄箱体13の上部には製品の流れに沿って空気ノズル14を多数配列したノズル管15が取付けられており、このノズル管15には圧力空気源と接続された管路16が接続されていて、その途中に介装されたエアフィルタ群17によって塵埃,湿気等を99.9999%程度にも除去された清浄な空気が供給される。」(段落【0006】)
3)「【0008】
…(中略)…
空気ノズル14の穴径は連続運転時の空気圧及び流量を確保するため通常0.8φ?1.0φmmとされ、空気圧は製品により変更されるが通常2kg/cm^(2)?7kg/cm^(2)が使用される。そして空気ノズル14は製品の上部10mm?30mmの距離に設置される。」(段落【0008】)
4)「【0011】
このような構成になる本考案の作用を説明する。
ベルトコンベアライン11に載せられて通常1分間に4m?6mの速度で移動させられる製品は静電気除去装置22により静電気が除去されて洗浄箱内に送り込まれる。洗浄箱体13内を通過するとき製品の流れ方向に設置されたノズル管15の多数の空気ノズル14より製品に向かって清浄にされた圧力空気が連続的又は間欠的に噴射されているので、製品に付着した異物は静電気が除去されていることにより噴出空気流によって容易に引き離され吹き飛ばされる。」(段落【0011】)

したがって、上記の各記載事項及び図面の記載を総合すると、引用文献2には、次のような発明(以下、「引用文献2に記載された発明」という。)が記載されているものと認められる。
「圧力空気源に接続されるノズル管に複数の空気ノズルを所定の間隔をもって設け、洗浄箱体内で製品に付着している成形粉、金属粉、繊維くず、ダスト等の異物を空気ノズルから噴出されるエアーによって取り除く製品洗浄装置において、空気ノズルの穴径を0.8?1.0mmφとし、空気ノズルから噴出する空気圧を製品により変更されるが通常2kg/cm^(2)?7kg/cm^(2)として、洗浄箱体内で製品に付着している成形粉、金属粉、繊維くず、ダスト等の異物を空気ノズルから噴出するエアー噴出流によって取り除く製品洗浄装置。」

(イ)対比・判断
(a)本願補正発明と引用文献1に記載された発明とを対比すると、引用文献1に記載された発明における「エア供給源にエア供給管を介して接続される」、「エアノズル付パイプ」、「エアノズル」、及び「自動エアブロー装置」は、それらの形状、構造及び機能等からみて、それぞれ、本願補正発明における「エアー供給源に接続される」、「ブローヘッド」、「エアーノズル」、及び「エアーブロー装置」に相当するので、本願補正発明と引用文献1に記載された発明は、
「エアー供給源に接続されるブローヘッドにエアーノズルを設けてなる粉体塗装ブースのエアーブロー装置。」
である点で一致し、次の点でのみ相違する。
〈相違点〉本願補正発明においては、エアーノズルは、「内径が2.0mmφ以下の複数のチューブによって形成し、この複数のチューブが、20mm以下のピッチで並び、ブローヘッドの外面に、10?50mmの長さで突き出し」ており、また、「エアー圧力が0.5?2.0kg/cm^(2)である」のに対し、引用文献1に記載された発明においては、エアノズルの内径、配列ピッチ及び突出長さが明確にされておらず、また、エアー圧力の数値も明確にされていない点(以下、「相違点」という。)。

(b)前記相違点について検討する。
引用文献2に記載された発明は、洗浄箱体内で製品に付着している成形粉、金属粉、繊維くず、ダスト等の異物を空気ノズルから噴出するエアーによって取り除き除去する製品洗浄装置に関するものであって、圧力空気源(本願補正発明の「エアー供給源」に相当する。)に接続されるノズル管に複数の空気ノズルを所定の間隔をもって設け、穴径を0.8?1.0mmφとした複数の空気ノズルから空気圧を2kg/cm^(2)?7kg/cm^(2)として製品表面に対して圧力空気を噴出流として噴出するようになし、製品表面に付着している種々の異物を除去して清掃するように構成されている。したがって、引用文献2に記載された発明は、(本願補正発明の「ブローヘッド」に相当する)ノズル管に所定の間隔をもって設けられた穴径(すなわち、内径)を0.8?1.0mmφ(すなわち、2.0mmφ以下)とする複数の(同じく「チューブで形成されたエアーノズル」に相当する)空気ノズルから空気圧(すなわち、エアー圧力)を2kg/cm^(2)とする圧力空気をエアー噴出流として製品表面に対して噴出して製品表面に付着している異物を除去し清掃するようにした技術手段(以下、「引用文献2に記載された技術手段」という。)といい代えることができる。ところで、引用文献2に記載された技術手段は、洗浄箱体内で製品表面に付着している異物を除去し清掃するものであり、本願補正発明のような粉体塗装ブースのエアーブロー装置とは異なるとはいえ、両者は、ほぼ同等のエアー噴出流(すなわち、内径を2.0mmφ以下とする複数のエアーノズルからエアー圧力を2kg/cm^(2)として噴出するエアー噴出流)によって表面に付着している異物を除去して清掃するという点では軌を一にするものであり、引用文献2に記載された技術手段を引用文献1に記載された粉体塗装ブースのエアーブロー装置に採用することに格別な困難性は認められず、当業者であれば容易に想到し設定しうる程度のものと認められる。
また、本願補正発明においては、「内径が2.0mmφ以下の複数のチューブによって形成し、この複数のチューブが、20mm以下のピッチで並び、ブローヘッドの外面に、10?50mmの長さで突き出し」と特定しているものの、ノズル間のピッチやノズルの突出長さ等は、エアー噴出流によって除去しようとする異物の付着している状態や付着の形態、その領域や範囲、さらには異物の種類等に応じて、当業者が適宜設定しうる程度のものであり、それらの数値範囲を実験等により最適化あるいは好適化することは当業者にとって通常の創作能力の発揮にすぎないものである。
してみると、引用文献1に記載された発明において引用文献2に記載された技術手段を採用するとともに、その採用に際してノズル間のピッチやノズルの突出長さ等を適宜設定して、前記相違点に係る本願補正発明のような構成とすることは、当業者が格別な創意工夫を要することなく容易に想到し発明しうる程度のものと認められる。

(c)しかも、本願補正発明は、全体としてみても、引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された技術手段から予測できる作用効果以上の格別な作用効果を奏するものとも認められない。

(3)むすび
本件補正は、上記(1)において検討したように、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項に違反するので、特許法第159条第1項の規定により読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。
また、本件補正が特許請求の範囲の限定的減縮を目的とするものであると解されるとしても、上記(2)において検討したように、本願補正発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであって、改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、本件補正は、特許法第159条第1項の規定により読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。
よって、結論のとおり決定する。

第3.本願発明について
1.本願発明
平成20年6月23日付けの手続補正は前述したとおり却下されたので、本件出願の請求項1及び2に係る発明は、平成20年3月10日付けの手続補正書により補正された明細書及び願書に最初に添付された図面の記載からみて、特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定されるものであり、そのうち、請求項1に係る発明(以下、単に「本願発明」という。)は、前記第2.の〔理由〕1.の(a)に記載したとおりのものである。

2.引用文献
原査定の拒絶理由に引用された引用文献1(実願昭52-71319号(実開昭53-165854号)のマイクロフィルム)及び引用文献2(実願平4-68480号(実開平6-24781号)のCD-ROM)の記載事項は、前記第2.の〔理由〕2.の(2)の(ア)の(a)及び(b)にそれぞれ記載したとおりである。

3.対比・判断
本願発明は、前記第2.の〔理由〕1.の(2)において検討したように、本願補正発明における発明特定事項について「エアー圧力が0.5?2.0kg/cm^(2)である」の構成を省いたものに実質的に相当する。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含む本願補正発明が、前記第2.の〔理由〕2.の(2)において検討したように引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された技術手段に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された技術手段に基いて当業者が容易に発明をすることができたものと認められる。
(なお、審判請求人は、平成21年10月1日付けの回答書において、請求項1に関する補正案を提示している。しかしながら、引用文献2(実願平4-68480号(実開平6-24781号)のCD-ROM)には、前述したように、ノズル管に所定の間隔をもって設けられた内径を2.0mmφ以下とする複数の空気ノズルからエアー圧力を2kg/cm^(2)とするエアー噴出流を製品表面に向けて噴出して製品表面に付着している異物等を除去し清掃するように構成された技術手段が記載されており、このような技術手段を引用文献1に記載された粉体塗装ブースのエアーブロー装置に採用することにより、エアーノズルから噴出するエアー噴出流によって粉体塗装ブースに付着した粉体塗料層に穴をあけて、その穴の周囲の粉体塗料を穴に連鎖するように剥離させる作用効果を同様に奏することと認められる。したがって、補正案として提示された発明においても、引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された技術手段に比して格別な作用効果を奏するものとは認められず、引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された技術手段に基いて当業者が容易に発明をすることができたものと認められる。したがって、上記補正案を受け入れることはできない。)

4.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された技術手段に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2009-12-02 
結審通知日 2009-12-08 
審決日 2009-12-21 
出願番号 特願平10-106158
審決分類 P 1 8・ 575- Z (B05B)
P 1 8・ 561- Z (B05B)
P 1 8・ 121- Z (B05B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 土井 伸次  
特許庁審判長 深澤 幹朗
特許庁審判官 加藤 友也
八板 直人
発明の名称 粉体塗装ブースのエアーブロー装置  
代理人 鳥居 和久  
代理人 鎌田 文二  
代理人 東尾 正博  

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