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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06Q |
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管理番号 | 1212046 |
審判番号 | 不服2007-28937 |
総通号数 | 124 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2010-04-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2007-10-25 |
確定日 | 2010-02-18 |
事件の表示 | 特願2002-315316「コンテンツ評価方法および装置並びにプログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成16年 5月27日出願公開、特開2004-151918〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は、平成14年10月30日の出願であって、平成19年9月14日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年10月25日に拒絶査定に対する審判請求がなされ、同年11月12日付けで手続補正がなされ、さらに、当審において平成21年7月28日付けで前置審尋がなされ、これに対し、同年9月16日付けで回答書が提出されたものである。 2.平成19年11月12日付けの手続補正について 平成19年11月12日付けで提出された手続補正書による手続補正(以下、「本件補正」という。)は、特許請求の範囲についての補正であり、その内容は、補正前の請求項1ないし3、請求項7ないし10及び請求項12の記載を削除し、補正前の請求項4の番号を繰り上げて請求項1とするとともに、補正前の請求項5、請求項6及び請求項11について、引用する他の請求項の引用番号を変更して補正後の請求項2ないし4としたものであり、特許法第17条の2第4項第1号に掲げる第36条第5項に規定する請求項の削除を目的とするものであるから、本件補正は、特許法第17条の2第4項に規定する要件を満たすものである。 3.本願発明について 本願の請求項1に係る発明(以下,「本願発明」という。)は、本件補正により補正された請求項1に記載された次のとおりのものである。 「【請求項1】 ウェブサイトに投稿された多数のコンテンツをデータベースに登録し、該多数のコンテンツに対する投票を受け付け、該投票による投票結果を前記データベースに登録し、該投票結果に基づいて前記多数のコンテンツのランクを決定するコンテンツ評価装置において、 ネットワークを介して接続された端末装置からの投票の指示を受け付け、該指示により前記データベースに登録された前記多数のコンテンツから該多数のコンテンツの数よりも少ない複数のコンテンツをランダムに選択する選択手段と、 該選択された複数のコンテンツを前記ネットワークを介して前記端末装置に送信することにより、該端末装置に該複数のコンテンツに対する、該複数のコンテンツの数に対応する所定数のページに亘る投票画面を表示し、複数の前記端末装置において行われた前記複数のコンテンツに対する投票結果に基づいて前記データベースを更新する投票受け付け手段と、 該データベースを参照して前記多数のコンテンツのランクを決定するランク決定手段とを備えたことを特徴とするコンテンツ評価装置。」 4.引用例について (1)引用例1 原査定の拒絶の理由Aとして引用された、国際公開第02/54311号(以下「引用例1」という。)には、図面とともに、以下の事項が記載されている。 (ア)「本発明に従えば、コンテストに応募する作品が登録され、これら登録された作品から所定数、例えば5?7件程度選択してコンテストに参加する参加人に配られ、この参加人が選択された作品を評価する。・・・(略)・・・そして、応募者が評価した作品に評価順位を付すことによって、ある程度公平な作品の評価をすることができ、評価順位の高い作品、例えば100?200件程度に絞った作品を一次評価をパスした優秀作品とし、これら優秀作品を専門家の審査員の審査対象とすることによって、応募作品全てについて公平な審査を効率よく行うことができる。作品数が膨大になった場合、このような応募者参加の評価を一次評価ステップ、二次評価ステップと行うことによって、膨大な応募数からある程度公平に優秀作品を絞り込むことができる。尚、このようなコンテストの対象作品としては、携帯電話の着信メロディ等の音楽、絵、写真、マンガ、イラスト、作文、建築設計図、アイデア、小話、歌(作詞、作曲)、その他の創作物、演奏等がある。」(2頁3?21行目) (イ)「このようにして応募のメールを送ると、コンテストサーバ4は、送られてきたメールを受け付けてメール情報及びそれに添付された着メロデータを当該装置内のメモリー手段26に仮登録する。そして、この仮登録の後、コンテストサーバ4は、同様に当該サーバ4内のメモリー手段26へ既に本登録されている多数の着メロの中から所定数(例えば2?10曲程度に設定されることが望ましい。この実施形態では5曲に設定されている)の着メロを選択して取り出し応募者に送り、送られた着メロデータの一部が携帯電話8の表示画面に表示される。コンテストサーバ4から送られる着メロ数は、評価数設定手段18により設定され、この設定数の着メロが評価対象の着メロとして応募者に送られる。コンテストサーバ4から着メロデータが送られてきたとき、携帯電話8の表示画面は図2(b)に示す通りとなり、例えば5曲の着メロの曲名が番号と共に表示される。」(4頁17?27行目) (ウ)「これにより、評価数設定手段が、例えば2?10の範囲内にて評価対象の数を決定することが出来る。これは評価する数が10個以上になると優劣の評価判断が一般に的確になし得ない場合が多くなると思われるからである。しかし、コンテストの内容によっては、必要に応じて、この数値をより多い範囲(10以上)に設定することも出来る。また、数量比較手段20は、得点された応募品のばらつきを検知し、再検査の必要性の有無を判断する機能をも有しているのであることが望ましい。 このように所定数の着メロが送られてくると、コンテストの応募者は、送られてきた例えば5曲の着メロを聞いてこれら着メロの評価を行い、その評価結果をコンテストサーバ4に送るようになる。着メロの評価は、例えば、各応募者の持点を「1」とし、最も優れていると思われる着メロに「1」点を投票する形式で行い、例えば図2(b)で示すように投票する着メロに「1」を付与することによって行う。・・・(略)・・・評価すべき着メロは、例えば、申込順に選択された5曲の着メロを選択するようにして行われる。」(5頁10行目?6頁4行目) (エ)「応募者はこのように着メロの評価をし、その評価結果をコンテストサーバ4に送信する。コンテストサーバ4には更に評価判定手段22が設けてある。この評価判定手段22は、コンテストサーバ4へ送られてきた評価結果を受け取って評価結果を逐次蓄積すると共に、応募者により評価された結果を集計し、評価結果を判定する。・・・(略)・・・ このようにして上述したように着メロに対する応募者による評価が行われる。そして、応募された全着メロを最終評価する段階で、着メロの評価順位が付けられ、例えば「5」点を獲得した着メロ、「4」点を獲得した着メロと順位を付し、最優秀作品(着メロ)、優秀作品等を決定する。」(6頁29行目?7頁21行目) (オ)「本発明では、図4に示すように、コンテストに応募する応募者がコンピュータPC6や携帯電話8等の応募手段を介してコンテストサーバ4へアクセスすることにより作品を応募する。・・・(略)・・・応募者は応募手段に送られた応募品に所定の点数を付与してコンテストサーバ4へ情報を送り返し、この評価結果がコンテストサーバ4のメモリー手段26へストックされる。そこで、コンテストサーバ4の評価判定手段22が応募者の情報を分析し評価判定を行う。・・・(略)・・・この方法によれば、コンテストがインターネットを介して世界レベルで行われ、応募数が例え100、000件又はそれ以上あっても、極めて迅速に且つかなりの客観性を持った選別が可能で、更に最終の判断を専門の審査員に任すことにより、極めて公平なコンテストを短時間で実行することが可能なのである。」(9頁8?26行目) 上記(イ)における「このようにして応募のメールを送ると、コンテストサーバ4は、送られてきたメールを受け付けてメール情報及びそれに添付された着メロデータを当該装置内のメモリー手段26に仮登録する。そして、この仮登録の後、コンテストサーバ4は、同様に当該サーバ4内のメモリー手段26へ既に本登録されている多数の着メロの中から所定数(例えば2?10曲程度に設定されることが望ましい。この実施形態では5曲に設定されている)の着メロを選択して取り出し応募者に送り」、上記(ウ)における「評価すべき着メロは、例えば、申込順に選択された5曲の着メロを選択するようにして行われる。」との記載から、コンテストサーバは、応募のメールを受け付けると、メモリー手段に登録された多数の着メロデータから複数の着メロデータを申込順に選択する手段を有することは明らかである。 また、上記(イ)における「コンテストサーバ4から着メロデータが送られてきたとき、携帯電話8の表示画面は図2(b)に示す通りとなり、例えば5曲の着メロの曲名が番号と共に表示される。」、上記(エ)における「応募者はこのように着メロの評価をし、その評価結果をコンテストサーバ4に送信する。コンテストサーバ4には更に評価判定手段22が設けてある。この評価判定手段22は、コンテストサーバ4へ送られてきた評価結果を受け取って評価結果を逐次蓄積する」との記載から、コンテストサーバは、選択された複数の着メロデータをインターネットを介してPCや携帯電話等の応募手段に送信することにより、PCや携帯電話等の応募手段に複数の着メロに対する、投票するための画面を表示し、複数のPCや携帯電話等の応募手段において行われた複数の着メロに対する投票により評価された評価結果をメモリー手段に蓄積する手段を有することは明らかである。 また、上記(エ)における「コンテストサーバ4へ送られてきた評価結果を受け取って評価結果を逐次蓄積すると共に、応募者により評価された結果を集計し、評価結果を判定する。・・・そして、応募された全着メロを最終評価する段階で、着メロの評価順位が付けられ、例えば「5」点を獲得した着メロ、「4」点を獲得した着メロと順位を付し、最優秀作品(着メロ)、優秀作品等を決定する。」との記載から、コンテストサーバは、メモリー手段を参照して多数の着メロデータに評価順位を付す手段を有することは明らかである。 これらの記載事項及び図面の内容を総合すると、引用例1には、 「インターネット網を介して応募された多数の着メロデータをメモリー手段に登録し、多数の着メロデータに対する投票を受け付け、投票により評価された評価結果をメモリー手段へ蓄積し、評価結果に基づいて多数の着メロデータの評価順位を付すコンテストサーバにおいて、 インターネットを介して接続されたPCや携帯電話等の応募手段から応募のメールを受け付けると、メモリー手段に登録された多数の着メロデータから複数の着メロデータを申込順に選択する手段と、 選択された複数の着メロデータをインターネットを介してPCや携帯電話等の応募手段に送信することにより、PCや携帯電話等の応募手段に複数の着メロに対する、投票するための画面を表示し、複数のPCや携帯電話等の応募手段において行われた複数の着メロに対する投票により評価された評価結果をメモリー手段に蓄積する手段と、 メモリー手段を参照して多数の着メロデータに評価順位を付す手段とを備えたことを特徴とするコンテストサーバ。」 との発明(以下「引用例1発明」という。)が開示されていると認めることができる。 (2)引用例2 原査定の拒絶の理由Aとして引用された、特開2002-92261号公報(以下「引用例2」という。)には、図面とともに、以下の事項が記載されている。 (カ)「【0001】 【発明が属する技術分野】本願発明は、複数のコンテンツ(音楽,静止画,動画,文章,プログラム等)に対し、コンピュータネットワークや電話回線などを用いて、公開審査あるいは人気投票あるいは公開オーディション等の複数の評価者による評価を行なうコンテンツ評価方法に関する。」 (キ)「【0065】本実施形態においては、全作品の一覧を表示させることなく、評価者はただ1つのみあるいは一部の作品のみの提示を受け、提示された作品の評価を行なう。第2実施形態はハードウェア構成ならびに主要な処理等は上記第1実施形態と同様であり、以下相違する箇所のみを説明する。上記第1実施形態においては、図3に例示した評価対象作品の一覧画面を表示した後、図4に例示した作品表示画面において作品の評価を行なうようにしたが、本第2実施形態においては、図6のステップSB2は最も評価頻度の低い作品IDを抽出するのみとし、続いて、図6のステップSB3?SB7を省略し、ステップSB2に続いて、この作品IDの作品について図7のステップSC2以降を実行する。したがって、評価者は、例えば図3に例示した態様でただ1つののみの評価対象作品の提示を受ける。 【0066】・・・(略)・・・あるいは単純に所定周期毎に無作為に(ランダムに)あるいは所定の順序(受付順等)で評価対象となる作品を所定数絞り込むようにしてもよい。 ・・・(略)・・・ 【0068】以上説明した本実施形態によれば、評価者が逐一評価対象作品の一覧から評価を行なおうとする作品を識別・決定する思考動作を極力省略することにより、各作品の評価が効率的に行なえるほか、評価対象となる限定された作品について評価者は集中して作品評価を行なうことができ、かつ、それぞれの作品に対する評価を公平に行なうことができる。」 これらの記載事項及び図面の内容を総合すると、引用例2には以下の事項が開示されていると認めることができる。 複数の評価者によりコンテンツの評価を行う技術分野において、「全作品の一覧を表示させることなく、無作為に(ランダムに)評価対象となる作品を所定数絞り込んで評価者に提示すること。」 5.対比 本願発明と引用例1発明とを対比すると、引用例1発明の「着メロデータ」は、投票により評価を受けるコンテンツであるから本願発明の「コンテンツ」に相当し、引用例1発明の「メモリー手段」と本願発明の「データベース」とは、「記憶手段」である点で共通し、引用例1発明の「投票により評価された評価結果」は、本願発明の「投票による投票結果」に相当し、引用例1発明の「評価順位」は、本願発明の「ランク」に相当し、また、引用例1発明の「コンテストサーバ」は、その機能からして本願発明の「コンテンツ評価装置」に相当する。 したがって、引用例1発明の「インターネット網を介して応募された多数の着メロデータをメモリー手段に登録し、多数の着メロデータに対する投票を受け付け、投票により評価された評価結果をメモリー手段へ蓄積し、評価結果に基づいて多数の着メロデータの評価順位を付すコンテストサーバ」と本願発明の「ウェブサイトに投稿された多数のコンテンツをデータベースに登録し、該多数のコンテンツに対する投票を受け付け、該投票による投票結果を前記データベースに登録し、該投票結果に基づいて前記多数のコンテンツのランクを決定するコンテンツ評価装置」とは、「投稿された多数のコンテンツを記憶手段に登録し、該多数のコンテンツに対する投票を受け付け、該投票による投票結果を記憶手段に登録し、該投票結果に基づいて多数のコンテンツのランクを決定するコンテンツ評価装置」である点で共通する。 また、引用例1発明の「インターネット」は、本願発明の「ネットワーク」に相当し、引用例1発明の「PCや携帯電話等の応募手段」は、本願発明の「端末装置」に相当し、引用例1発明は「応募のメール」を受け付けることにより評価を行わせるための着メロデータを選択することから、引用例1発明の「応募のメールを受け付ける」と本願発明の「投票の指示を受け付け」とは、「投票のための選択の契機を受け付け」である点で共通し、また、引用例1発明の選択する「複数の着メロデータ」は多数の着メロデータより少ないことから、引用例1発明の「該多数のコンテンツの数よりも少ない複数のコンテンツを申込順に選択する」と本願発明の「該多数のコンテンツの数よりも少ない複数のコンテンツをランダムに選択する」とは、「該多数のコンテンツの数よりも少ない複数のコンテンツを選択する」である点で共通する。 したがって、引用例1発明の「インターネットを介して接続されたPCや携帯電話等の応募手段から応募のメールを受け付けると、メモリー手段に登録された多数の着メロデータから複数の着メロデータを申込順に選択する手段」と本願発明の「ネットワークを介して接続された端末装置からの投票の指示を受け付け、該指示により前記データベースに登録された前記多数のコンテンツから該多数のコンテンツの数よりも少ない複数のコンテンツをランダムに選択する選択手段」とは、「ネットワークを介して接続された端末装置からの投票のための選択の契機を受け付け、該契機により記憶手段に登録された前記多数のコンテンツから該多数のコンテンツの数よりも少ない複数のコンテンツを選択する選択手段」である点で共通する。 また、引用例1発明の「投票するための画面を表示し」と本願発明の「該複数のコンテンツの数に対応する所定数のページに亘る投票画面を表示し」とは、「投票するための画面を表示し」である点で共通し、引用例1発明は投票された評価結果をメモリー手段に蓄積すると共に評価された結果を集計することから、引用例1発明の「評価結果をメモリー手段に蓄積する」と本願発明の「投票結果に基づいて前記データベースを更新する」とは、「投票結果に基づいて記憶手段を更新する」に相当する。 したがって、引用例1発明の「選択された複数の着メロデータをインターネットを介してPCや携帯電話等の応募手段に送信することにより、PCや携帯電話等の応募手段に複数の着メロに対する、投票するための画面を表示し、複数のPCや携帯電話等の応募手段において行われた複数の着メロに対する投票により評価された評価結果をメモリー手段に蓄積する手段」と本願発明の「該選択された複数のコンテンツを前記ネットワークを介して前記端末装置に送信することにより、該端末装置に該複数のコンテンツに対する、該複数のコンテンツの数に対応する所定数のページに亘る投票画面を表示し、複数の前記端末装置において行われた前記複数のコンテンツに対する投票結果に基づいて前記データベースを更新する投票受け付け手段」とは、「該選択された複数のコンテンツをネットワークを介して端末装置に送信することにより、該端末装置に該複数のコンテンツに対する、投票するための画面を表示し、複数の端末装置において行われた複数のコンテンツに対する投票結果に基づいて記憶手段を更新する投票受け付け手段」である点で共通する。 また、引用例1発明の「メモリー手段を参照して多数の着メロデータに評価順位を付す手段」と本願発明の「該データベースを参照して前記多数のコンテンツのランクを決定するランク決定手段」とは、「該記憶手段を参照して前記多数のコンテンツのランクを決定するランク決定手段」である点で共通する。 そうすると、両者は、 「投稿された多数のコンテンツを記憶手段に登録し、該多数のコンテンツに対する投票を受け付け、該投票による投票結果を記憶手段に登録し、該投票結果に基づいて多数のコンテンツのランクを決定するコンテンツ評価装置において、 ネットワークを介して接続された端末装置からの投票のための選択の契機を受け付け、該契機により記憶手段に登録された前記多数のコンテンツから該多数のコンテンツの数よりも少ない複数のコンテンツを選択する選択手段と、 該選択された複数のコンテンツをネットワークを介して端末装置に送信することにより、該端末装置に該複数のコンテンツに対する、投票するための画面を表示し、複数の端末装置において行われた複数のコンテンツに対する投票結果に基づいて記憶手段を更新する投票受け付け手段と、 該記憶手段を参照して前記多数のコンテンツのランクを決定するランク決定手段とを備えたことを特徴とするコンテンツ評価装置。」 である点で一致し、以下の点で相違する。 [相違点1] 本願発明においては、多数のコンテンツの投稿先が「ウェブサイト」であり、また、多数のコンテンツが登録され、投票による投票結果が登録される記憶手段が「データベース」であるのに対し、引用例1発明においては、多数のコンテンツの投稿先がウェブサイトであるのか言及されておらず、また、記憶手段がメモリー手段である点。 [相違点2] 本願発明においては、投票のための選択の契機が「投票の指示」であり、複数のコンテンツを「該指示」により選択するのに対し、引用例1発明においては、投票のための選択の契機が応募のメールの受け付けであり、応募のメールを受け付けることにより複数のコンテンツを選択する点。 [相違点3] 本願発明においては、複数のコンテンツを「ランダム」に選択するのに対し、引用例1発明においては、複数のコンテンツを申込順に選択する点。 [相違点4] 本願発明においては、表示される投票するための画面が「該複数のコンテンツの数に対応する所定数のページに亘る投票画面」であるのに対し、引用例1発明においては、そのようになっていない点。 6.判断 [相違点1について] インターネット上のウェブサイトに文書や画像等を登録し公開することは周知の事項であり、ウェブサイトはウェブサーバにより管理されるから、引用例1発明の応募された着メロデータを管理するインターネット網に接続されたコンテストサーバを、ウェブサイトを管理するウェブサーバとし、着メロデータの応募先をウェブサイトとすることに、技術上何ら格別な困難性は認められない。 また、記憶手段としてデータベースを用いて記憶管理することも周知の事項である。 そうすると、引用例1発明において、多数のコンテンツの投稿先をウェブサイトとし、また、多数のコンテンツが登録され、投票による投票結果が登録される記憶手段をデータベースとすることは当業者が容易になし得たことである。 したがって、相違点1に係る本願発明の構成は、引用例1発明及び周知の事項に基づいて、当業者が容易に想到し得たものである。 [相違点2について] 引用例1発明は、応募のメールを受け付けると添付された着メロデータをメモリー手段に登録し、投票を行わせるための複数の着メロデータを選択するものであるが、応募のメールを受け付けるときのみ複数の着メロデータを選択して投票を行わせることに代えて、投票したいときに「投票の指示」により複数の着メロデータを選択して投票を行わせることは当業者が容易になし得たことである。 そうすると、引用例1発明において、投票のための選択の契機の受け付けを応募のメールの受け付けに代えて、投票の指示の受け付けとし、複数のコンテンツを該指示により選択することは当業者が容易になし得たことである。 したがって、相違点2に係る本願発明の構成は、引用例1発明に基づいて、当業者が容易に想到し得たものである。 [相違点3について] 複数の評価者によりコンテンツの評価を行う技術である引用例2には、「全作品の一覧を表示させることなく、無作為に(ランダムに)評価対象となる作品を所定数絞り込んで評価者に提示すること。」との事項が記載され、引用例2記載の「作品」は、本願発明の「コンテンツ」に対応し、引用例2記載の「無作為に(ランダムに)」絞り込むことは、本願発明の「ランダムに」選択することに対応する。 そして、引用例2は、ランダムにあるいは受付順等で絞り込むものであるから、複数のコンテンツを申込順に選択する引用例1発明に、引用例2記載の事項を適用し、複数のコンテンツを申込順に選択することに代えて、複数のコンテンツをランダムに選択することは当業者が適宜なし得たことである。 そうすると、引用例1発明に、引用例2記載の事項を適用して、複数のコンテンツを申込順に選択することに代えて、複数のコンテンツをランダムに選択することは当業者が容易になし得たことである。 したがって、相違点3に係る本願発明の構成は、引用例1発明及び引用例2記載の事項に基づいて、当業者が容易に想到し得たものである。 [相違点4について] 引用例1発明の投票するための画面は、上記(イ)における「表示画面は図2(b)に示す通りとなり、例えば5曲の着メロの曲名が番号と共に表示される。」との記載から、5つの着メロデータであるコンテンツが1つのページに表示されるものであり、また、引用例1発明の投票する対象の数は、上記(ウ)における「評価数設定手段が、例えば2?10の範囲内にて評価対象の数を決定することが出来る。」「コンテストの内容によっては、必要に応じて、この数値をより多い範囲(10以上)に設定することも出来る。」との記載から、必要に応じて適宜設定されるものである。 そして、投票する対象が1画面に納まらない場合、複数のページに亘って表示することは周知(例えば、特開平7-302289号公報(段落【0050】には、「立候補者名が1画面分の立候補者一覧に納まらないとき(複数頁にまたがる際)は立候補者一覧に「次画面」の選択釦を設ければよい。」との事項が記載されている。)、等を参照)であるから、引用例1発明の投票する対象である複数のコンテンツが1画面で納まらない場合に、投票するための画面をコンテンツの数に応じて複数のページに亘るように構成することに、技術上何ら格別な困難性は認められない。 そうすると、引用例1発明において、表示される投票するための画面を、該複数のコンテンツの数に対応する所定数のページに亘る投票画面とすることは当業者が容易になし得たことである。 したがって、相違点4に係る本願発明の構成は、引用例1発明及び周知の事項に基づいて、当業者が容易に想到し得たものである。 そして、本願発明の作用効果も、引用例1発明、引用例2記載の事項及び周知の事項から当業者が予測できる範囲のものである。 7.むすび したがって、本願発明は、引用例1発明、引用例2記載の事項及び周知の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2009-12-17 |
結審通知日 | 2009-12-22 |
審決日 | 2010-01-05 |
出願番号 | 特願2002-315316(P2002-315316) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(G06Q)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 川口 美樹 |
特許庁審判長 |
赤穂 隆雄 |
特許庁審判官 |
小山 満 須田 勝巳 |
発明の名称 | コンテンツ評価方法および装置並びにプログラム |
代理人 | 柳田 征史 |
代理人 | 佐久間 剛 |