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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1212205
審判番号 不服2006-21604  
総通号数 124 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-04-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-09-27 
確定日 2010-02-17 
事件の表示 特願2000- 90213「ネットワークシステム」拒絶査定不服審判事件〔平成13年10月12日出願公開、特開2001-282665〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯

本願は,平成12年3月29日の出願であって,平成18年5月15日付けで拒絶理由通知がなされ,同年7月20日付けで手続補正がなされたが,同年8月18日付けで拒絶査定がなされ,これに対し,同年9月27日に拒絶査定不服審判が請求され,同年10月27日付けで手続補正がなされ,平成21年6月26日付けで審尋がなされ,同年8月26日に回答書が提出されたものである。

2.平成18年10月27日付けの手続補正についての補正却下の決定

〔結論〕

平成18年10月27日付けの手続補正(以下,「本件補正」という。)を却下する。

〔理由〕

本件補正は,補正事項として,特許請求の範囲の請求項1を,次のように補正することを含むものである。(下線部は補正箇所を示す。)

「【請求項1】
ユーザ端末と,当該ユーザ端末にネットワークを介して接続された変換サーバ装置とを備えたネットワークシステムにおいて, 前記変換サーバ装置は,インターネット上のアドレスと,当該アドレスに対応づけて当該アドレスに関連する電話番号を記録した変換テーブルを備えており,
ユーザ端末から送られてきた電話番号を受けて,対応するインターネット上のアドレスをユーザ端末に返すように構成されており,
前記ユーザ端末は,前記変換テーブルの全部または一部を記録しており,
前記ユーザ端末は,電話番号が入力されると,前記ユーザ端末に備えられた前記変換テーブルに,当該電話番号が存在するか否かを判断し,
当該電話番号が存在するならば,前記ユーザ端末に備えられた前記変換テーブルに記録された当該電話番号に対応するインターネット上のアドレスを用いて,当該アドレスに対する処理を行い,
当該電話番号が存在しないならば,当該電話番号を前記変換サーバ装置に送信し,その結果返送されるインターネット上のアドレスを用いて,当該アドレスに対する処理を行うものであって,
前記インターネット上のアドレスは,URLであり,
前記変換テーブルが記録する電話番号は,「接続相手の電話番号および接続ユーザの電話番号」であり,
前記変換サーバ装置がユーザ端末から受ける電話番号は,「接続相手の電話番号および接続ユーザの電話番号」であり,
前記ユーザ端末が入力を受けて前記変換テーブルに存在するか否かを判断する電話番号は,「接続相手の電話番号および接続ユーザの電話番号」であることを特徴とするもの。」

しかしながら,「前記変換テーブルが記録する電話番号は,「接続相手の電話番号および接続ユーザの電話番号」であり,前記変換サーバ装置がユーザ端末から受ける電話番号は,「接続相手の電話番号および接続ユーザの電話番号」であり,前記ユーザ端末が入力を受けて前記変換テーブルに存在するか否かを判断する電話番号は,「接続相手の電話番号および接続ユーザの電話番号」であること」は,本願の願書に最初に添付した明細書又は図面(以下,「当初明細書等」という。)に記載されておらず,かつこれらから自明な事項でもない。

なお,本審判請求人は,本件補正に関して,審判請求書において,
「a.請求項1?3および6における「接続相手の電話番号および接続ユーザの電話番号」の補正は,段落番号[0045]の記載「また,この実施形態の変換サイトページ26は,一つの電話番号しか入力できないが,複数の電話番号を入力することができるようにしてもよい。」および,段落番号[0043]の記載「また,口座番号,保険番号等に基づいて,URLの特定を行ってもよい。この場合,銀行取引窓口,保険業務窓口等に接続することができる。」に基づくものであり,当該補正は,補正前における「電話番号」を限定するものである。
すなわち,段落番号[0045]には,複数の電話番号を用いる例が記載されており,段落番号[0043]には,口座番号や保険番号等のようなユーザ固有の番号を用いて特定ページに接続する例が記載されている。そして,段落番号[0035]には,接続相手である会社Aの電話番号に対応するURLを用いて会社Aのホームページを閲覧する例が記載されていることにより,上記「会社Aの電話番号」に対応する「接続相手の電話番号」と,上記「ユーザを特定することのできる番号」に対応する「接続ユーザの電話番号」の双方を用いて,特定のサイトに接続できるように構成することは自明な事項といえる。」
と主張しているが,複数の電話番号として「接続相手の電話番号および接続ユーザの電話番号」を用いることについての説明が当初明細書等に何ら記載されておらず,当初明細書等の記載から自明のことでもない。
また,同審判請求書において,
「請求項1の発明は,このような背景のもと,「特定サイトにおけるユーザ固有の特定ページに簡単に接続すること」を目的としている。
この目的を達成するため,本願請求項1のネットワークシステムにおいては,「接続相手の電話番号および接続ユーザの電話番号により,相手のURLにおけるユーザのページを簡単に取得できる」という点に着目し,」
とも主張しているが,複数の電話番号の双方を用いて1つのURLを抽出するようなことは,当初明細書等に何ら記載されておらず,当初明細書等の記載から自明のことでもない。当初明細書等の段落【0045】には「複数の電話番号を入力することができるようにしてもよい。」と記載されているが,当初明細書等を参照しても,複数の電話番号を入力した後にどのような処理が行われるのかについての説明が何ら記載されておらず,複数の電話番号の双方を用いて1つのURLを抽出するのか,或いは複数の電話番号のそれぞれに対応する複数のURLを抽出するのか等も不明である。

したがって,当該補正事項を含む本件補正は,当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において,新たな技術的事項を導入するものである。

以上のとおりであるから,本件補正は,平成14年法律第24号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第3項の規定に違反するので,同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.本願発明について

平成18年10月27日付けの手続補正は,上記のとおり却下されたので,本願の請求項3に係る発明(以下「本願発明」という。)は,平成18年7月20日付けの手続補正書の請求項3に記載された,以下のとおりのものである。

「【請求項3】
インターネット上のアドレスと,当該アドレスに対応づけて当該アドレスに関連する電話番号を記録した変換テーブルを備えており,ユーザ端末から送られてきた電話番号を受けて,対応するインターネット上のアドレスをユーザ端末に返すように構成されていることを特徴とする変換サーバ装置。」

4.引用例

原査定の拒絶の理由に引用された特開2000-82074号公報(以下,「引用例」という。)には,図面とともに以下の事項が記載されている。

(A)「【特許請求の範囲】
【請求項1】 氏名又は住所,又は電話番号,又は住所など,インターネットのWWWサイトの所有者または運営者を特定するための条件項目を参照することにより,インターネットのWWWサイトのURL検索をするシステムを持つWWWサイト。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】条件項目と蓄積されたデータを参照して,該当件をWWWブラウザに出力するため,インターネットのWWWサーバに用意するコンピュータプログラムおよびWWWデータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のURL検索のためのWWWサイトは一般に「サーチエンジン」と呼ばれており,日本では「Yahoo!Japan」や「goo」が有名である。それら従来のURL検索サイトは,各WWWサイトの主な情報内容をもとに,カテゴリー分類やその情報内容と関連したキーワードによって検索できるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】WWWサイトのタイトルと,そのWWWサイトの所有者または運営者の名称が異なることや名称が重複していることも多く,従来のURL検索サイトのようにWWWサイトの主な情報内容をもとにした検索では,特定の所有者または運営者のWWWサイトを即座に検索することは困難であった。また,サーチエンジンによっては,名称では検索されない場合も多い。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は,従来のようにWWWサイトの主な情報内容を参照する検索方法ではなく,WWWサイトを所有または運営する個人,法人またはグループを特定するためのデータおよび条件項目により検索できるシステムを持つWWWサイトである。氏名又は名称,電話番号,住所など,入力または選択された条件項目を受取り,予め蓄積された各個人,法人またはグループのデータを参照して,該当するURLを再びWWW閲覧ソフト等の画面上に出力するための検索プログラムを稼動させる。
【0005】
【発明の実施の形態】利用者は,氏名又は名称,電話番号,住所など,ある個人,法人またはグループを特定するための条件項目をWWWサイトの画面上で入力または選択し,検索開始のボタンをクリックするなどして,検索の実行を開始する(図1)。利用者が入力または選択した条件項目をもとに,検索プログラムが稼動し,予め蓄積された各個人,法人またはグループのデータを参照して,該当するWWWサイトURLを利用者のWWW閲覧ソフト等の画面上に出力する(図2)。利用者は,そのURLをクリックするなどして目的のWWWサイトにアクセスできることとなる。また,各個人,法人またはグループ自らが,自身の名称,住所,電話番号,WWWサイトURLを登録するための申請を電子メールやWWW閲覧ソフト等の画面上からの入力により行なえるものとする。
【0006】
【発明の効果】氏名または企業等の名称を知っている場合,またその電話番号や住所のどれかを知っている場合など,インターネットのWWWサイトの所有者または運営者を特定するための条件項目を知っている場合には,その条件項目で該当するWWWサイトを検索するほうが,従来のようにWWWサイト自体の主な情報内容をもとに検索するよりも早く検索でき,検索されたURLが目的のものである確率も高い。電話番号などは重複するものではないので,特定の個人,法人またはグループを特定するには最良の条件項目である。」(第2頁)
(B)第3頁【図1】の条件項目入力画面の画面内には,「WWWサイトの所有者または運営者の名称,電話番号,住所から,そのWWWサイトのURLを検索できます。」及び「以下の全てまたはいずれかの項目に入力して,下の検索ボタンをクリックしてください。」との説明が記載され,その説明の下側には,「氏名または名称」を入力する欄,「電話番号」を入力する欄,「住所」を入力する欄が設けられている。

これらの記載によれば引用例には,次の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「インターネットのWWWサイトのURL検索をするシステムを持つWWWサイトであって,
利用者が,氏名又は名称,電話番号,住所などの条件項目の全てまたはいずれかの項目を前記WWWサイトの画面上で入力し,検索開始のボタンをクリックすることで検索の実行を開始し,
前記利用者が入力した条件項目をもとに,検索プログラムが稼働し,予め蓄積された各個人,法人またはグループのデータを参照して,該当するWWWサイトURLを利用者のWWW閲覧ソフト等の画面上に出力するWWWサイト。」

5.対比

本願発明と引用発明とを対比すると,引用発明の「WWWサイトURL」は,本願発明の「インターネット上のアドレス」に相当する。

引用発明における「画面上」は,利用者が操作する装置のものであることは自明であり,当該利用者が操作する装置は,インターネットのWWWサイトに接続可能であるから,端末装置といえ,引用発明は,本願発明における「ユーザ端末」に相当する構成を有している。引用発明の「URL検索をするシステムを持つWWWサイト」は,ユーザ端末から送られてきた氏名又は名称,電話番号,住所などを受けて,対応するインターネット上のアドレスをユーザ端末に返すように構成されているといえる。

引用発明におけるURL検索は,利用者が氏名又は名称,電話番号,住所のいずれかの項目を画面上で入力すればよいものであるから,電話番号だけを入力して検索開始ボタンをクリックした場合でもURL検索を行えることは明白である。
したがって,引用発明の「URL検索をするシステムを持つWWWサイト」と本願発明の「変換サーバ装置」はともに,ユーザ端末から送られてきた電話番号を受けて,対応するインターネット上のアドレスをユーザ端末に返すように構成されている点で共通であり,引用発明の「URL検索をするシステムを持つWWWサイト」は,本願発明の「変換サーバ装置」に相当する。

したがって,本願発明と引用発明とは,以下の点で一致し,また,相違している。

[一致点]
ユーザ端末から送られてきた電話番号を受けて,対応するインターネット上のアドレスをユーザ端末に返すように構成されていることを特徴とする変換サーバ装置。

[相違点]
本願発明の「変換サーバ装置」は,「インターネット上のアドレスと,当該アドレスに対応づけて当該アドレスに関連する電話番号を記録した変換テーブル」を備えているのに対して,
引用発明の「URL検索をするシステムを持つWWWサイト」は,電話番号をもとに該当するWWWサイトURLを検索しているが,電話番号と,該当するWWWサイトURLをどのような構成に基づいて対応付けて管理しているのか明示されていない点。

6.判断

[相違点]について
特開平11-146083号公報の【0034】?【0035】,及び関連する図面,特開平10-78928号公報の【請求項1】,【請求項18】,【請求項19】,【0040】,【0048】?【0056】,及び関連する図面に記載があるように,電話番号をURLに変換するシステムにおいて,URLと当該URLに関連する電話番号を対応付けた変換テーブルを用いることは,本願出願前に周知(以下,「周知技術」という。)である。
テーブルを用いた情報検索は通常に行われていることであるから,引用発明のURL検索に上記周知技術を適用し,引用発明の変換サーバ装置(URL検索をするシステムを持つWWWサイト)が,電話番号をもとに該当するURLを検索するために,インターネット上のアドレス(URL)と,当該アドレスに対応付けてアドレスに関連する電話番号を記録した変換テーブルを備えるように構成することは当業者が容易に想到し得ることである。
そして,本願発明のように構成したことによる効果も引用発明及び周知技術から予想できる程度のものであって,格別のものではない。

したがって,本願発明(請求項3に係る発明)は,引用発明及び周知技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものである。

7.むすび
以上のとおり,本願発明は,引用発明及び周知技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって,その余の請求項に係る発明について論及するまでもなく,本願は拒絶すべきものである。

よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2009-12-04 
結審通知日 2009-12-07 
審決日 2010-01-04 
出願番号 特願2000-90213(P2000-90213)
審決分類 P 1 8・ 561- Z (G06F)
P 1 8・ 121- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 石井 茂和  
特許庁審判長 江口 能弘
特許庁審判官 五十嵐 努
清水 稔
発明の名称 ネットワークシステム  
代理人 松下 正  
代理人 古谷 栄男  
代理人 鶴本 祥文  
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