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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H03H
管理番号 1212621
審判番号 不服2007-12384  
総通号数 124 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-04-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-04-27 
確定日 2010-03-08 
事件の表示 平成 8年特許願第353706号「圧電共振子」拒絶査定不服審判事件〔平成 9年 7月31日出願公開、特開平 9-199981〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続きの経緯・本願発明
本願は、平成8年12月18日(パリ条約による優先権主張1995年12月28日、フランス)の出願であって、その請求項1に記載された発明(以下、「本願発明」という。) は、平成21年4月22日付けの手続補正書によって補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである。
「【請求項1】 電極(7)を備えた振動素子(2)と、
細長い形の緊密にシールされたハウジング(1)と
を備え、
前記ハウジング(1)は、
前記振動素子を内蔵するとともに、
長手の方向に円筒状盲穴(14)を備える長方形の平行6面体の形の部品によって形成されている金属キャップ(9)と、
前記キャップが固定されるベース(10)と、
前記ベースを貫通し、内側の端子(11a)が前記振動素子の前記電極に電気的に接続された内側端子を有する結合導電体(11)と
を有し、
前記ベース(10)は、
それを前記結合導電体(11)が貫通し、電気的に絶縁する材料からなる中央の円筒状の部分(15)と、
前記中央の円筒状の部分を取り囲む金属リング(16)と、
前記金属リング(16)の外表面を覆い、前記ハウジング(1)の緊密なシーリングを確実にするために、前記キャップ(9)が前記ベース(10)の上に被されるとき、圧縮され、弾性的に変形可能である少なくとも一つの金属層(17)であって、それ自身金の薄いメッキ層(18)で覆われている金属層(17)と
を有し、そして
前記結合導電体(11)は、前記ベース(10)の前記金属リング(16)と同じ材料の金属ベースと、その金属ベースのメッキ処理によって得られるメッキ金属層及び金の薄いメッキ層とからなる、
ことを特徴とする圧電共振子。」

2.引用例
(1)当審の拒絶の理由に引用された特開昭53-93794号公報(以下、「刊行物1」という。)には、
ア 「2.特許請求の範囲
水晶振動片を備えた気密端子をケースに圧入して気密封止を行う水晶振動子において、前記気密端子およびケースの少なくとも一方の表面に軟質金属の薄膜層を形成し、該軟質金属の液相線以下の温度の加熱雰囲気中で気密端子をケースに圧入することを特徴とする水晶振動子の気密封止法。」(1頁左下欄4行?11行)、
イ 「上記の欠点を除去する本発明の実施例を説明すると、第2図において1はケース、2は気密端子、3は水晶振動片であり、1aはケース表面の半田又は錫等の軟質金属のメッキ層、2aは気密端子の外リング、2bは絶縁ガラス、2cはステム、2dは気密端子表面の金メッキ層である。第3図は気密封止前の予備加熱の状態を示しているが、この作業はケース1と気密端子2を高真空中に置いて行われ、加熱温度はケース1表面にメッキされた軟質金属の液相線よりもわずかに低い温度で行われる。又、この作業は容器内の表面排気を十分に行う必要性があることから1時間程度の時間を要するので、真空加熱容器5の中に多数の容器を1度に入れてバッチ処理することが望ましい。次に第4図で真空を解除せずに加熱を続けながら圧入による気密封止をする。」(2頁左上欄14行?右上欄11行)が記載され、
ウ 図面第2図(本発明による水晶振動子の気密容器を示す断面図)には、水晶振動子の気密容器が細長い形状をしており、水晶振動片3を内蔵し、ケース1と気密端子2を有していること、水晶振動片3が音叉型をしていること、1対のリード2c(審決注:刊行物1では、2cの部分をステムとしているが、一般に、2cの部分は、リードと呼ばれているので、本件で「2cの部分を「リード」とした。)が外部から気密端子2の絶縁ガラス2bを貫通し、水晶振動片3と部材3aにて結合していること、また、金メッキ層2dが気密端子の外リング2a及びリード2cの外側の部分を覆っていることが図示されている。(3頁)

これらの記載ア?ウ及び図面第1図?第6図によれば、刊行物1には、
「水晶振動片3と、細長い形状の気密容器と、を備え、前記気密容器は、前記水晶振動片3を内蔵するとともに、ケース1と、気密端子2と、気密端子の絶縁ガラス2bを貫通するリード2cとを有し、前記気密端子2は、前記リード2cが貫通する絶縁ガラス2bと、気密端子の外リング2aとを有し、前記気密端子2およびケース1の少なくとも一方の表面に軟質金属の薄膜層を形成したことを特徴とする水晶振動子。」の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
また、刊行物1には、水晶振動子において、「金メッキ層2dが気密端子の外リング2a及びリード2cの外側の部分を覆」う技術事項が開示されている。

(2)当審の拒絶の理由に引用された実願昭51-170631号(実開昭53-89179号公報参照)のマイクロフィルム(以下、「刊行物2」という。)には、
エ 「実用新案登録請求の範囲
1.外形形状が多角形としたことを特徴とする圧電振動子ユニット。
2.圧電振動子容器1及び圧電振動子プラグ2の外部形状が4角柱である実用新案登録請求の範囲第1項記載の圧電振動子ユニット。」(2頁4行?9行)、
オ 「振動子3においては、水晶石を通状使用されている音叉形状型に加工、表面に金メッキを施し、レーザー電分により、電極部、周波数調整用重り部が構成されている。」(3頁12行?16行)、
カ 「本考案は上記欠点を除去すべく意図に開発されたものであり、振動子ユニット外形形状を多角形に構成し姿勢の安定を計れるようにしたことを目的とする。第2図は本発明の4角柱型圧電素子ユニットにおける斜面図と断面図及び拡大図であり、第2図の1?4部品の形状ならびに構成相互関係は次の通りである。容器1においては、外形形状は4角柱であり、第2図におけるl^(C)l^(D)寸法はl^(C)≧l^(D)の関係に、容器内部は円筒の片空き空間を有する。又材質は円形型と同様に洋白を使用、表面は半田メッキをする。次にプラグ2であるが、容器1との圧縮結合部の円筒形状部とツバ部の4角柱形状を有し、又リード端子4を有している内部形状は円柱の突き抜け空間にリング状のコパーガラス使用溶解し、リード端子4を固定する構成をとり、材質は円形型同様にプラグ体、リード端子共にコパー材を使用し、表面はSnPメッキをする。振動子3は円形型に使用されている振動子3と同形、同質のものである。構成相互関係においては、第2図の如く容器におけるC面、プラグ2のA面、リード端子4のG面、振動子3のF面は平行な状態に、又リード端子4と振動子3の固定接続には、円形型同様半田付けが最適である。容器1とプラグ2との接合には、やはり円形型同様、圧縮結合を採用する。
尚、第2図におけるd_(1)d_(2)寸法は、d_(2)-d_(1)=締め代の関係にあり、円形型と同条件にある。又容器1とプラグ2の圧縮結合後のユニット内部は真空となっている。以上が本発明の4角柱型圧電振動子構成部品及び組合わせ相互関係であるが、本考案の如く外形形状を4角柱によることにより、次のような効果が考えられる。作業性の向上、すなわち従来の円形型に比較して、平面上容易にユニットを置くことが可能となり、又ユニットが作業台からの落下を防止することができ、落下による振動子3の折レ、歩度シフト不良の減少に寄与することができる。さらに保管スペースの有効活用及びユニット持ち運び時におけるユニットと保管容器との衝撃による振動子3の折レ、歩度シフト防止に効果あり、すなわち保管容器をユニット形状に合せて密着性良く容易に製作でき、その為にユニットと保管容器とのガタは解消され衝撃力は弱まる。又本考案の特に大きい効果として、ユニット製造システムの自給装置の活用、無人化が容易になされることである。」(5頁3行?7頁7行)が記載されている。

(3)当審の拒絶の理由に引用された特開平2-166910号公報(以下、「刊行物3」という。)には、
キ 「第1図に本発明の一実施例として、音叉型水晶振動片を用いた圧電振動子の構造を示す。洋白等の金属素材で形成されたケースlの内面に溶融半田メッキ2がされている。溶融半田メッキは、半田ディップや半田リフロー等により行なう。同様に、2本のリード3及びそれが貫通するガラス部4の外周の金属環5によって構成されるプラグ体にも溶融半田メッキ6がされている。音叉型水晶振動片7はリード3の半田6を再溶融して半田付けにより固着されている。この時、溶融半田メッキ2、6はケース1のしまり嵌めによって気密封止されるパッキンとして存在している。溶融半田メッキは封入部8のみにあればよいのだが、実際には図の様に内部全体又は、封入部付近の部分にあり、パッキンの役目以外の部分にも存在してしまう。電気メッキにより半田メッキを行なう場合は、前述の余分な部分よりメッキ内に取り込まれた有機成分がガスとして放出され真空度が劣化してしまう。半田の電気メッキは、メッキ液内の有機物が必ずとり込まれるため、これはさけられない。しかし、本発明では、溶融半田メッキであるためガスの放出はない。よって、高真空が維持でき、高品質の水晶振動子が得られる。」(2頁右上欄3行?左下欄5行)が記載されている。

(4)当審の拒絶の理由に引用された特開昭63-227109号公報(以下、「刊行物4」という。)には、
ク 「またケースが半田メッキされていること及びマウント部にハンダが使われるため、高温下(120℃×240H)におかれるとガス放出があり、共振周波数が悪くなる。」(1頁右下欄末行?2頁左上欄3行)、
ケ 「ステム14の金属環5の外側に、同様なベーキングをほどこした少なくとも内面に金をメッキ等の方法で付着させたケース(図示せず)を圧入等の方法で封止してバーAT水晶振動子を完成する。」(2頁右下欄10行?14行)、
コ 「以上に示す本発明によれば、・・・、ケースに金を付着させたこと及びマウント方法に金を用いたことおよび300℃以上でベーキングすることにより高温時のガス放出がなく、耐高温特性が優れ、・・・バーAT水晶振動子が得られる。」(3頁左上欄12行?右上欄7行)が記載されている。

3.対比
そこで、本件発明と引用発明とを対比すると、引用発明の「水晶振動片3」、「リード2c」、「気密端子の外リング2a」及び「軟質金属の薄膜層」は、本願発明の「振動素子(2)」、「結合導電体(11)」、「金属リング(16)」及び「金属層(17)」に相当する。
引用発明の「細長い形状の気密容器」は、気密封止されているから、緊密にシールされたといえ、本願発明の「細長い形の緊密にシールされたハウジング(1)」に相当する。
引用発明の「ケース1」は、水晶振動子の技術分野で従前から一般に使用されているキャップ状の金属容器と異なるものとは認められず、また、軟質金属がメッキされる特性を持つものであるから、本願発明の「金属キャップ(9)」に相当する。
引用発明の「気密端子2」は、気密封止が完成後、気密容器が固定されるものであるから、本願発明のキャップが固定される「ベース(10)」に相当する。
引用発明の「リード2c」は、気密端子の絶縁ガラス2bを貫通するものであるから、気密端子を貫通する「リード2c」といえる。
引用発明の「前記リード2cが貫通する絶縁ガラス2b」は、水晶振動子の技術分野で従前から一般的に使用されている中央の円筒状と異なるとは認められず、また、外リング2aがその外部でリング形状をしていることから、本願発明の「それを前記結合導電体(11)が貫通し、電気的に絶縁する材料からなる中央の円筒状の部分(15)」に相当する。
引用発明の「気密端子の外リング2a」は、その内側に絶縁ガラス2bを有するものでり、水晶振動子の技術分野で従前から一般的に使用されている絶縁ガラスを取り囲む構成であるといえる。
引用発明の「軟質金属の薄膜層」は、気密端子2の表面に形成されて、気密封止に使用されるものであり、そして、該気密端子2の表面は外リング2aの表面であるから、「軟質金属の薄膜層」は、該外リング2aの該表面を覆うものであるといえる。また、「軟質金属の薄膜層」は、少なくとも一つの金属層であるといえる。
引用発明の「水晶振動子」は、圧電振動子の一種であり、共振子として利用することは一般的であるから、本願発明の「圧電共振子」に相当する。
したがって、本願発明と引用発明は、「振動素子と、細長い形の緊密にシールされたハウジングとを備え、前記ハウジングは、前記振動素子を内蔵するとともに、金属キャップと、前記キャップが固定されるベースと、前記ベースを貫通する結合導電体とを有し、前記ベースは、それを前記結合導電体が貫通し、電気的に絶縁する材料からなる中央の円筒状の部分と、前記中央の円筒状の部分を取り囲む金属リングと、前記金属リングの外表面を覆い、少なくとも一つの金属層を有することを特徴とする圧電共振子」の点で一致し、以下の点1?4で相違する。
相違点1
本願発明の振動素子は、「電極(7)」を備えるのに対して、引用発明は、その点が記載されていない点。
また、本願発明の結合導電体は、「内側の端子(11a)が前記振動素子の前記電極に電気的に接続された内側端子」を有するのに対して、引用発明は、その点が記載されていない点。
相違点2
本願発明の金属キャップは、「長手の方向に円筒状盲穴(14)を備える長方形の平行6面体の形の部品によって形成されている」のに対して、引用発明では、その点が記載されていない点。
相違点3
本願発明の金属層は、「前記ハウジング(1)の緊密なシーリングを確実にするために、前記キャップ(9)が前記ベース(10)の上に被されるとき、圧縮され、弾性的に変形可能である」、「それ自身金の薄いメッキ層(18)で覆われている」のに対して、引用発明は、それらの点が記載されていない点。
相違点4
本願発明の結合導電体は、「前記ベース(10)の前記金属リング(16)と同じ材料の金属ベースと、その金属ベースのメッキ処理によって得られるメッキ金属層及び金の薄いメッキ層とからなる」のに対して、引用発明は、その点が記載されていない点。

4.当審の判断
以下、相違点1?4について検討する。
相違点1について
引用発明は、水晶振動片とリードを備える水晶振動子である。
また、当該技術分野において、水晶振動子が動作するための基本構成として、水晶振動片である振動素子に電極を設け、該電極にリードの内側の端子を電気的に接続させておくことは、周知の技術的事項である。なお、刊行物2には、振動素子に電極を設けることが記載されている(2.(2)記載オ参照。)。
そして、引用発明の水晶振動子において、その水晶振動片が電極を備え、リードの内側の端子が該水晶振動片の電極に電気的に接続する構成とすることは、自然なことである。
してみると、引用発明に上記周知の技術的事項を採用し、「振動素子は、電極を備え」、「結合導電体は、内側の端子が振動素子の電極に電気的に接続された内側端子を有する」としたことは、当業者が、容易に想到できたことである。
相違点2について
引用発明と同一技術分野に属する刊行物2には、「容器1においては、外形形状は4角柱であり、第2図におけるl_(C)l_(D)寸法はl_(C)≧l_(D)の関係に、容器内部は円筒の片空き空間を有する。」と記載されており、該容器1は金属キャップに相当するものであり、該4角柱は長方形の平行6面体であり、「容器内部は円筒の片空き空間」は「長手の方向に円筒状盲穴を備える」に相当することから、刊行物2には、「金属キャップは、長手の方向に円筒状盲穴を備える長方形の平行6面体の形の部品によって形成されている」構成が開示されているといえる。
そして、同一技術分野に属する刊行物2に記載された事項は、当業者が、引用発明の水晶発振子においても、同様の作用効果を奏することを期待し、ケース1の構成を変更することで格別困難なく達成できることは、明らかである。
してみると、引用発明に刊行物2に記載された事項を採用し、「金属キャップは、長手の方向に円筒状盲穴を備える長方形の平行6面体の形の部品によって形成されている」としたことは、当業者が、容易になし得たことである。
相違点3について
引用発明の水晶振動子の「軟質金属の薄膜層」は、「圧入」時に緊密にシールする作用を奏するものであるから、ケース1が気密端子の上に被されるとき(圧入時)、軟質金属(固相)が、一般に有している圧縮され、弾性的に変形する特性を利用しているものといえる。さらに、軟質金属の薄膜層として複数層の金属層で構成し、より緊密にシールさせることも周知な技術的事項である(特開昭52-63095公報、実願平4-35952号(実開平6-7318号)のCD-ROM参照。)。
また、刊行物1には「金メッキ層2d」を用いる技術事項が記載されているが、金メッキ層は、軟質金属であり、耐酸化性・耐蝕性に優れ、その表面が綺麗という性質を備えていることは技術常識である。そして、同一技術分野に属する刊行物4には、半田メッキ層上に金メッキ層をほどこし、半田メッキ層からのガス放出を防ぐ技術が開示されており、該技術は、引用発明の気密端子におけるメッキ層からのガス放出にも効果が期待できることは明らかである。
してみると、引用発明に上記周知な技術事項、技術常識、刊行物4に記載された事項を採用し、金属層は、「前記ハウジングの緊密なシーリングを確実にするために、前記キャップが前記ベースの上に被されるとき、圧縮され、弾性的に変形可能である」、「それ自身金の薄いメッキ層で覆われている」こととすることは、当業者が、容易になし得たことである。
相違点4について
引用発明と同一技術分野に属する刊行物2には、「次にプラグ2であるが、容器1との圧縮結合部の円筒形状部とツバ部の4角柱形状を有し、又リード端子4を有している内部形状は円柱の突き抜け空間にリング状のコパーガラス使用溶解し、リード端子4を固定する構成をとり、材質は円形型同様にプラグ体、リード端子共にコパー材を使用し、表面はSnPメッキをする。」と記載されており、材料の観点でいえば、前記プラグ(2)、リード端子(4)はそれぞれベースの金属リング、結合導電体の金属ベース部分に相当するから、結合導電体は、ベースの金属リングと同じ材料であるコパー材の金属ベース部分と、その金属ベースのメッキ処理によって得られるメッキ金属層とからなる」構成が開示されているといえる。
そして、引用発明と同一技術分野において、ベースの金属リングと結合導電体とに同種のメッキ処理を行うことは、周知な技術事項であり(例えば、刊行物3、実願平4-35952号(実開平6-7318号)のCD-ROM参照。)、また、金の薄いメッキ層については、相違点3で述べたとおりであり、これを結合導電体の部分に採用することに格別困難性は認められない。
してみると、引用発明に上記刊行物2、3、4に記載された事項、周知な技術事項を採用し、結合導電体は、「前記ベース(10)の前記金属リング(16)と同じ材料の金属ベースと、その金属ベースのメッキ処理によって得られるメッキ金属層及び金の薄いメッキ層とからなる」としたことは、当業者が、容易になし得たことである。

5.むすび
以上のとおり、本願発明は、刊行物1?4に記載された発明に基づき当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、他の請求項に記載された発明について検討するまでもなく、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する 。
 
審理終結日 2009-06-04 
結審通知日 2009-06-16 
審決日 2009-06-29 
出願番号 特願平8-353706
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (H03H)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 井上 弘亘  
特許庁審判長 田口 英雄
特許庁審判官 飯田 清司
池田 聡史
発明の名称 圧電共振子  
代理人 黒川 弘朗  
代理人 山川 政樹  
代理人 西山 修  
代理人 紺野 正幸  

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