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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G02B
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G02B
管理番号 1213379
審判番号 不服2008-23674  
総通号数 125 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-05-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-09-16 
確定日 2010-03-10 
事件の表示 特願2003-392692「オートフォーカスシステム」拒絶査定不服審判事件〔平成17年 6月16日出願公開、特開2005-156737〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯

本願は、平成15年11月21日になされた出願である。平成20年5月15日付けで拒絶理由が通知され、これに対して同年7月11日付けで意見書及び手続補正書が提出されたが、同年8月13日付けで拒絶査定がなされた。この査定に対し、同年9月16日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、同年10月14日付けで手続補正書が提出された。



第2 平成20年10月14日付け手続補正についての補正の却下の決定

〔補正却下の決定の結論〕

平成20年10月14日付け手続補正を却下する。

〔理由〕

1.本件補正
(1-1)本件補正後の特許請求の範囲
平成20年10月14日付け手続補正(以下、「本件補正」という。)は、本件補正前(平成20年7月11日付け手続補正によって補正した。以下、同じ。)の特許請求の範囲の記載を以下のとおり補正することを含むものである(下線は補正箇所を示す)。

(本件補正後の特許請求の範囲)
「 【請求項1】
撮影レンズに入射した被写体光を動画再生用の映像信号を取得する映像用撮像手段の撮像面へと導く光路と異なる光路に分岐する分岐手段と、該分岐手段により分岐された被写体光を撮像し、前記撮像レンズのピント合わせをオートフォーカスで行うための映像信号を取得するAF用撮像手段と、該AF用撮像手段の撮像面のうち一部領域のAFエリアから得られた映像信号に基づいてコントラスト方式によるオートフォーカスの処理を実行するAF処理手段とを備えたオートフォーカスシステムにおいて、
前記AFエリアの範囲を指定して、前記AFエリアをCPUに設定させるAFエリア設定部と、
前記AF用撮像手段から出力された輝度信号から、CPUによって設定された前記AFエリアの範囲内の信号のみを抽出するゲート回路と、
前記ゲート回路により出力された前記AFエリアの輝度信号を取得し、1フィールドごとに1フィールド分の期間内で得られた前記輝度信号の最大値を検出する最大輝度検出回路と、
該検出された輝度信号の最大値が飽和しない値となるように前記AF用撮像手段における電子シャッター時間を制御するシャッターコントロール回路とから構成され、前記検出された輝度信号の最大値に基づいて前記AF用撮像手段に対してのみの露光調整を行う露光調整手段と、
を備えたことを特徴とするオートフォーカスシステム。
【請求項2】
撮影レンズに入射した被写体光を動画再生用の映像信号を取得する映像用撮像手段の撮像面へと導く光路と異なる光路に分岐する分岐手段と、該分岐手段により分岐された被写体光を撮像し、前記撮像レンズのピント合わせをオートフォーカスで行うための映像信号を取得するAF用撮像手段と、該AF用撮像手段の撮像面のうち一部領域のAFエリアから得られた映像信号に基づいてコントラスト方式によるオートフォーカスの処理を実行するAF処理手段とを備えたオートフォーカスシステムにおいて、
前記AFエリアの範囲を指定して、前記AFエリアをCPUに設定させるAFエリア設定部と、
前記AF用撮像手段から出力された輝度信号から、CPUによって設定された前記AFエリアの範囲内の信号のみを抽出するゲート回路と、
前記ゲート回路により出力された前記AFエリアの輝度信号を取得し、1フィールドごとに1フィールド分の期間内で得られた前記輝度信号の最大値を検出する最大輝度検出回路と、
該検出された輝度信号の最大値が飽和しない値となるように前記AFエリア内の輝度信号に対するゲインを調整するゲインコントロール手段とから構成され、前記検出された輝度信号の最大値に基づいて前記AF用撮像手段に対してのみの露光調整を行う露光調整手段と、
を備えたことを特徴とするオートフォーカスシステム。
【請求項3】
前記AF用撮像手段は光路長差を有する複数の撮像面を備え、前記AF処理手段は、各撮像面のAFエリアから得られた複数の映像信号に基づいて撮影レンズのフォーカスを合焦位置に設定することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のオートフォーカスシステム。」


(1-2)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の特許請求の範囲は、平成20年7月11日付けの手続補正により、下記のとおりのものとなっていた。

(本件補正前の特許請求の範囲)
「 【請求項1】
撮影レンズに入射した被写体光を動画再生用の映像信号を取得する映像用撮像手段の撮像面へと導く光路と異なる光路に分岐する分岐手段と、該分岐手段により分岐された被写体光を撮像し、前記撮像レンズのピント合わせをオートフォーカスで行うための映像信号を取得するAF用撮像手段と、該AF用撮像手段の撮像面のうち一部領域のAFエリアから得られた映像信号に基づいてコントラスト方式によるオートフォーカスの処理を実行するAF処理手段とを備えたオートフォーカスシステムにおいて、
前記AF用撮像手段から出力された輝度信号から、CPUによって設定された前記AFエリアの範囲内の信号のみを抽出するゲート回路と、
前記ゲート回路により出力された前記AFエリアの輝度信号の最大値を検出する最大輝度検出回路と、該検出された輝度信号の最大値が飽和しない値となるように前記AF用撮像手段における電子シャッター時間を制御するシャッターコントロール回路とから構成され、前記検出された輝度信号の最大値に基づいて前記AF用撮像手段に対してのみの露光調整を行う露光調整手段と、
を備えたことを特徴とするオートフォーカスシステム。
【請求項2】
撮影レンズに入射した被写体光を動画再生用の映像信号を取得する映像用撮像手段の撮像面へと導く光路と異なる光路に分岐する分岐手段と、該分岐手段により分岐された被写体光を撮像し、前記撮像レンズのピント合わせをオートフォーカスで行うための映像信号を取得するAF用撮像手段と、該AF用撮像手段の撮像面のうち一部領域のAFエリアから得られた映像信号に基づいてコントラスト方式によるオートフォーカスの処理を実行するAF処理手段とを備えたオートフォーカスシステムにおいて、
前記AF用撮像手段から出力された輝度信号から、CPUによって設定された前記AFエリアの範囲内の信号のみを抽出するゲート回路と、
前記ゲート回路により出力された前記AFエリアの輝度信号の最大値を検出する最大輝度検出回路と、該検出された輝度信号の最大値が飽和しない値となるように前記AFエリア内の輝度信号に対するゲインを調整するゲインコントロール手段とから構成され、前記検出された輝度信号の最大値に基づいて前記AF用撮像手段に対してのみの露光調整を行う露光調整手段と、
を備えたことを特徴とするオートフォーカスシステム。
【請求項3】
前記最大輝度検出回路は、前記ゲート回路により出力された前記AFエリアの輝度信号を取得し、1フィールドごとに1フィールド分の期間内で得られた前記輝度信号の最大値を検出することを特徴とする請求項1または2に記載のオートフォーカスシステム。
【請求項4】
前記AF用撮像手段は光路長差を有する複数の撮像面を備え、前記AF処理手段は、各撮像面のAFエリアから得られた複数の映像信号に基づいて撮影レンズのフォーカスを合焦位置に設定することを特徴とする請求項1?3のいずれかに記載のオートフォーカスシステム。」


(1-3)本件補正の目的について
請求項1に係る補正は、補正前の「前記AF用撮像手段から出力された輝度信号から、CPUによって設定された前記AFエリアの範囲内の信号のみを抽出するゲート回路と、」の記載の前に「 前記AFエリアの範囲を指定して、前記AFエリアをCPUに設定させるAFエリア設定部と、」という記載を挿入することにより、「CPUがAFエリア設定部から与えられるAFエリア制御信号によりAFエリアを設定する」旨の限定をする補正及び最大輝度検出回路が検出する最大値について、「1フィールドごとに1フィールド分の期間内で得られた前記輝度信号の最大値」に限定する補正を内容とするものであるから、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2(以下、単に「特許法第17条の2」という。)第4項第2号に掲げる、特許請求の範囲の減縮を目的とする補正を含むものである。

そこで、本件補正後の請求項1に記載されている発明特定事項により特定される発明(以下、「本願補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か、すなわち、特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項に規定する要件を満たすか否かについて、以下に検討する。


2.本願補正発明

本願補正発明は、次のとおりのものである。
「 撮影レンズに入射した被写体光を動画再生用の映像信号を取得する映像用撮像手段の撮像面へと導く光路と異なる光路に分岐する分岐手段と、該分岐手段により分岐された被写体光を撮像し、前記撮像レンズのピント合わせをオートフォーカスで行うための映像信号を取得するAF用撮像手段と、該AF用撮像手段の撮像面のうち一部領域のAFエリアから得られた映像信号に基づいてコントラスト方式によるオートフォーカスの処理を実行するAF処理手段とを備えたオートフォーカスシステムにおいて、
前記AFエリアの範囲を指定して、前記AFエリアをCPUに設定させるAFエリア設定部と、
前記AF用撮像手段から出力された輝度信号から、CPUによって設定された前記AFエリアの範囲内の信号のみを抽出するゲート回路と、
前記ゲート回路により出力された前記AFエリアの輝度信号を取得し、1フィールドごとに1フィールド分の期間内で得られた前記輝度信号の最大値を検出する最大輝度検出回路と、
該検出された輝度信号の最大値が飽和しない値となるように前記AF用撮像手段における電子シャッター時間を制御するシャッターコントロール回路とから構成され、前記検出された輝度信号の最大値に基づいて前記AF用撮像手段に対してのみの露光調整を行う露光調整手段と、
を備えたことを特徴とするオートフォーカスシステム。」


3.刊行物及び各刊行物の記載事項

(3-1)引用例1
原査定の拒絶の理由に引用された、本願出願前に頒布された刊行物である特開2002-365518号公報(以下、「引用例1」という。)には、図面とともに、以下の事項の記載がある(なお、下記「(3-3)引用発明の認定」において直接関連した箇所に下線を付した。)。

(3-1-a)【特許請求の範囲】
「 【請求項1】 撮影レンズに入射した被写体光を、映像用の画像を撮像する映像用撮像素子とは別に設けられた複数の撮像素子であって、互いに光路長が異なる位置に配置された複数のピント状態検出用撮像素子により撮像し、該各ピント状態検出用撮像素子から得られる輝度信号の高域周波数成分に基づいてピント状態を検出する撮影レンズのピント状態検出装置において、前記映像用撮像素子から得られた輝度信号のゲインとは無関係に、前記各ピント状態検出用撮像素子から得られた輝度信号のゲインを調整し、前記各ピント状態検出用撮像素子から得られた輝度信号が飽和することを防止する輝度信号飽和防止手段を備えたことを特徴とする撮影レンズのピント状態検出装置。
【請求項2】 撮影レンズに入射した被写体光を、映像用の画像を撮像する映像用撮像素子とは別に設けられた複数の撮像素子であって、互いに光路長が異なる位置に配置された複数のピント状態検出用撮像素子により撮像し、該各ピント状態検出用撮像素子から得られる輝度信号の高域周波数成分に基づいてピント状態を検出する撮影レンズのピント状態検出装置において、
前記映像用撮像素子の電荷蓄積時間とは無関係に、前記各ピント状態検出用撮像素子の電荷蓄積時間を調整し、前記各ピント状態検出用撮像素子から得られた輝度信号が飽和することを防止する輝度信号飽和防止手段を備えたことを特徴とする撮影レンズのピント状態検出装置。
……(中略)……
【請求項4】 前記撮影レンズのオートフォーカス制御における合焦検出に適用されることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1の撮影レンズのピント状態検出装置。」

(3-1-b)段落【0001】?【0010】
「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は撮影レンズのピント状態検出装置に係り、特に撮影レンズのオートフォーカス制御における合焦検出に適用可能な撮影レンズのピント状態検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ビデオカメラなどのオートフォーカスは、コントラスト方式によるものが一般的である。このコントラスト方式は、撮像素子から得られた映像信号(輝度信号)のうちある範囲(フォーカスエリア)内の映像信号の高域周波数成分を積算して焦点評価値とする。そして、その焦点評価値が最大となるようにピント調整を自動で行う。これによって、撮像素子で撮像された画像の鮮鋭度(画像のコントラスト)が最大となる最良ピント(合焦)が得られる。
【0003】また、従来、光路長の異なる複数の撮像素子を用いて撮影レンズのピント状態(前ピン、後ピン、合焦)を検出する方法が提案されている(特開昭55-76312号公報、特公平7-60211号公報)。例えば、映像用の画像を撮像する撮像素子(映像用撮像素子)に対して同一撮影範囲の画像を撮像する2つのピント状態検出用撮像素子を、それぞれ映像用撮像素子よりも光路長が長くなる位置と短くなる位置に配置する。そして、これらのピント状態検出用撮像素子から得られた映像信号の高域周波数成分に基づいて各ピント状態検出用撮像素子の各撮像面に対する焦点評価値を上述と同様にして求め、比較する。これによって、焦点評価値の大小関係から映像用撮像素子の撮像面におけるピント状態、即ち、前ピン、後ピン、合焦のどの状態にあるかが検出される。このようなピント状態の検出方法は、オートフォーカスのための合焦検出等に適用することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のようなコントラスト方式におけるピント状態検出においては、高輝度被写体を撮影した際に輝度信号が飽和すると、正確な焦点評価値を得ることができないため、ピント状態を誤検出することになり、オートフォーカスの誤作動を招くことが知られている。特に、上述のように映像用撮像素子以外の撮像素子を用いて撮影レンズのピント状態を検出する場合には、映像用撮像素子のみにNDフィルターを使用することが可能となるため、その利点の代わりにピント状態検出用撮像素子から得られる輝度信号が飽和する可能性が更に大きくなる。このため、ピント状態検出用撮像素子の映像信号に飽和が生じないような飽和防止手段を設けることが必要となる。
【0005】本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、映像用撮像素子と異なる複数のピント状態検出用撮像素子を用いてピント状態を検出する装置において、高輝度被写体の撮影時におけるピント状態の誤検出を防止することができる撮影レンズのピント状態検出装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、撮影レンズに入射した被写体光を、映像用の画像を撮像する映像用撮像素子とは別に設けられた複数の撮像素子であって、互いに光路長が異なる位置に配置された複数のピント状態検出用撮像素子により撮像し、該各ピント状態検出用撮像素子から得られる輝度信号の高域周波数成分に基づいてピント状態を検出する撮影レンズのピント状態検出装置において、前記映像用撮像素子から得られた輝度信号のゲインとは無関係に、前記各ピント状態検出用撮像素子から得られた輝度信号のゲインを調整し、前記各ピント状態検出用撮像素子から得られた輝度信号が飽和することを防止する輝度信号飽和防止手段を備えたことを特徴としている。
【0007】また、請求項2に記載の発明は、撮影レンズに入射した被写体光を、映像用の画像を撮像する映像用撮像素子とは別に設けられた複数の撮像素子であって、互いに光路長が異なる位置に配置された複数のピント状態検出用撮像素子により撮像し、該各ピント状態検出用撮像素子から得られる輝度信号の高域周波数成分に基づいてピント状態を検出する撮影レンズのピント状態検出装置において、前記映像用撮像素子の電荷蓄積時間とは無関係に、前記各ピント状態検出用撮像素子の電荷蓄積時間を調整し、前記各ピント状態検出用撮像素子から得られた輝度信号が飽和することを防止する輝度信号飽和防止手段を備えたことを特徴としている。
……(中略)……
【0009】また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のうちいずれか1に記載の発明において、前記撮影レンズのオートフォーカス制御における合焦検出に適用されることを特徴としている。
【0010】本発明によれば、各ピント状態検出用撮像素子から得られた輝度信号のゲイン、又は、各ピント状態検出用撮像素子の電荷蓄積時間を、映像用撮像素子とは無関係に調整し、輝度信号が飽和することを防止するようにしたため、高輝度被写体を撮影した場合でもピント状態の誤検出を防止することができ、また、本発明におけるピント状態検出をオートフォーカスの制御に使用した場合のオートフォーカスの誤動作を防止することができる。」

(3-1-c)段落【0011】?段落【0019】
「【0011】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に従って本発明に係る撮影レンズのピント状態検出装置の好ましい実施の形態について詳説する。
【0012】図1は、例えばテレビカメラシステムに使用される撮影レンズに適用された本発明に係るピント状態検出装置の構成を示した構成図である。同図に示すテレビカメラシステムは、カメラ本体10と交換可能な撮影レンズ12等からなり、カメラ本体10には、放映用の映像を撮影し、所定形式の映像信号を出力又は記録媒体に記録するための撮像素子(映像用撮像素子)や所要の回路等が内蔵されている。一方、撮影レンズ12は、カメラ本体10の前面側に着脱自在に装着され、撮影レンズ12の光学系には、公知のように前端側から固定フォーカスレンズF′、移動可能なフォーカスレンズF、変倍系と補正系とからなるズームレンズZ、アイリスI、前側リレーレンズR1と後側リレーレンズR2とからなるリレーレンズ(リレー光学系)等が配置される。尚、図中の各レンズの構成は簡略化しており、複数のレンズから成るレンズ群を1つのレンズで示したものもある。
【0013】また、同図に示すようにリレー光学系の前側リレーレンズR1と後側リレーレンズR2との間の被写体光の光路上には撮影レンズ12の光軸Oに対して略45度に傾斜し、被写体光(光束)を透過光と反射光に分割するハーフミラー24が配置される。
【0014】撮影レンズ12の前端側から入射した被写体光のうちハーフミラー24を透過した透過光、即ち、映像用の被写体光は、撮影レンズ12の後端側から射出され、カメラ本体10の撮像部20に入射する。撮像部20の構成については省略するが、撮像部20に入射した被写体光は、例えば色分解光学系により、赤色光、緑色光、青色光の3色に分解され、各色ごとの撮像素子(映像用撮像素子)の撮像面に入射する。これによって放映用のカラー映像が撮影される。尚、図中のピント面22は、各映像用撮像素子の撮像面に対して光学的に等価な位置を撮影レンズ12の光軸O上に示したものである。
【0015】一方、ハーフミラー24で反射した反射光、即ち、ピント状態検出用の被写体光は、撮影レンズ12の光軸Oに対して略垂直な光軸O′に沿ってピント状態検出用の撮像部26に導かれる。ここで、前側リレーレンズR1と後側リレーレンズR2の間では被写体光は略平行光の状態であり、ハーフミラー24で反射した被写体光は、後側リレーレンズR2と同様の性格を有する集光のためのリレーレンズR3を通過してピント状態検出用の撮像部26に入射する。
【0016】図2は、撮像部26の構成を示した構成図である。同図に示すように撮像部26は、光分割光学系を構成する3つのプリズムP1、P2、P3とピント状態検出用の3つの撮像素子(2次元CCD)A、B、Cから構成される。上述のようにハーフミラー24で反射し、光軸O′に沿って進行した被写体光は、まず、第1プリズムP1に入射し、第1プリズムP1のハーフミラー面40で反射光と透過光に分割される。このうち反射光は、撮像素子Cの撮像面に入射する。一方、透過光は、次いで第2プリズムP2に入射し、第2プリズムP2のハーフミラー面42で更に反射光と透過光に分割される。このうち反射光は撮像素子Bに入射される。一方、透過光は第3プリズムP3を通過して撮像素子Aに入射する。尚、撮像素子A、B、Cのそれぞれに入射する被写体光の光量が等しくなるように第1プリズムP1のハーフミラー面40及び第2プリズムP2のハーフミラー面42で被写体光が分割される。また、これらのピント状態検出用の撮像素子A、B、Cは本実施の形態では白黒画像を撮像するCCDである。
【0017】撮像素子A、B、Cに入射する被写体光の光軸(各撮像素子の光軸)を同一直線上で示すと、図3に示すように、各撮像素子A、B、Cに入射するまでの被写体光に対して撮像素子Bの光路長が最も短く、撮像素子Cの光路長が最も長くなっており、撮像素子Aの光路長は撮像素子Bと撮像素子Cの光路長の中間の長さとなっている。即ち、撮像素子Aの撮像面に対して前後の等距離の位置に撮像素子Bと撮像素子Cの撮像面が平行に配置される。また、撮像素子Aの撮像面は、カメラ本体10のピント面22(図1参照)と共役の関係にあり、撮影レンズ12に入射した被写体光に対する光路長がカメラ本体10の映像用撮像素子の撮像面と一致している。尚、被写体光を撮像素子A、B、Cに分割する光分割光学系は、上述のようなプリズムP1?P3を使用した構成に限らない。
【0018】以上のように構成された光学系により、撮影レンズ12に入射した被写体光が、カメラ本体10のピント面22と共役の位置の近傍に配置された光路長の異なる3つのピント状態検出用の撮像素子A、B、Cにより撮像される。
【0019】次に、ピント状態検出に基づくオートフォーカスの制御について概略を説明すると、図1に示すようにピント状態検出用の撮像部26の3つの撮像素子A、B、Cにより撮像された画像は、信号処理部28に取り込まれる。信号処理部28は、後述のように各撮像素子A、B、Cから取得した画像の高域周波数成分に基づいてカメラ本体10のピント面22に対して撮影レンズ12のピント状態が合焦となるフォーカスレンズFの位置(フォーカス位置)を求める。そして、そのフォーカス位置へのフォーカスレンズFの移動を指令する制御信号をフォーカスモータ駆動回路30に出力する。フォーカスモータ駆動回路30は、図示しないフォーカスモータを駆動し、ギア等からなる動力伝達機構32を介してフォーカスレンズFを移動させ、フォーカスレンズFを信号処理部28によって指示されたフォーカス位置に設定する。このような処理が連続的に行われることによってオートフォーカスの制御が行われる。」

(3-1-d)段落【0020】?【0023】
「【0020】続いて、信号処理部28の構成及びピント状態検出の処理について説明する。図4は、信号処理部28の構成を示したブロック図である。同図に示すようにピント状態検出用の各撮像素子A、B、Cで撮像された被写体の画像は所定形式のビデオ信号として出力され、各撮像素子A、B、Cに対して同様に構成されたハイパスフィルタ50、60、70、A/D変換器52、62、72、ゲート回路54、64、74、及び、加算器56、66、76によって画像の鮮鋭度(画像のコントラスト)を示す焦点評価値の信号に変換されてCPU86に入力される。焦点評価値を求めるまでの処理を撮像素子Aに対して設けられた回路で説明すると、本実施の形態における撮像素子Aは白黒画像を撮影するCCDであることから撮像素子Aから出力されるビデオ信号は画面を構成する各画素の輝度を示す輝度信号として出力される。撮像素子Aから出力された輝度信号は、まず、ハイパスフィルタ(HPF)50に入力され、その輝度信号の高域周波数成分が抽出される。HPF50で抽出された高域周波数成分の信号はA/D変換器52によってデジタル信号に変換される。そして、撮像素子Aにより撮像された画像の1画面分(1フィールド分)のデジタル信号のうち所定のフォーカスエリア内(例えば、画面中央部分)の画素に対応するデジタル信号のみがゲート回路54によって抽出された後、その抽出された範囲のデジタル信号の値が加算器56によって加算される。これにより、フォーカスエリア内における輝度信号の高域周波数成分の値の総和が求められる。加算器56によって得られた値は、フォーカスエリア内における画像の鮮鋭度の高低を示す焦点評価値である。
【0021】また、信号処理部28には、同図のように各撮像素子A、B、Cからの輝度信号が飽和するのを防止等するための最大レベル検出回路80、オートゲインコントロール(AGC)回路82、飽和検出回路84が設置される。ここで、輝度信号が飽和する場合の不具合について説明すると、図5及び図6は、輝度信号が飽和しないような被写体を撮影しているときの輝度信号及びその高域周波数成分の状態を示した図であり、図7及び図8は、輝度信号が飽和するような高輝度被写体を撮影しているときの輝度信号及びその高域周波数成分の状態を示した図である。図5(A)、図6(A)に示すように画面内にピント状態検出対象の被写体がある場合、その被写体がある撮像素子(例えば撮像素子A)に対して合焦状態となっているときには、その撮像素子から出力される輝度信号は、図5(B)のように被写体の輪郭部分において鋭く変化する。そして、その高域周波数成分(の絶対値)は、図5(C)のように高い値を示す。これに対して非合焦状態となっているときには、輝度信号は、図6(B)のように被写体の輪郭部分において合焦状態のときよりも緩やかに変化し、その高域周波数成分は、図6(C)のように低い値を示す。従って、この場合に得られる焦点評価値は合焦状態において最大値を示すため適切である。
【0022】一方、図7(A)、図8(A)に示すように、画面内にピント状態検出対象の高輝度被写体がある場合、その被写体の輪郭部分における輝度信号は、図7(B)、図8(B)のように合焦状態のときと非合焦状態のときとでその変化の様子がほとんど変わらず、図7(C)、図8(C)のように輝度信号の高域周波数成分の大きさもほどんど差異がない。むしろ非合焦状態のときの方が像の面積が大きくなるため高域周波数成分が大きくなる場合がある。このような場合、合焦状態のときに焦点評価値が最大とならないため適切ではない。
【0023】そこで、本発明では、上記最大レベル検出回路80、オートゲインコントロール(AGC)回路82、飽和検出回路84により次のような処理を行う。まず、最大レベル検出回路80は、各撮像素子A、B、Cから出力された輝度信号を取得し、どの撮像素子から出力された輝度信号が最大レベルかを検出する。例えば、各撮像素子から出力された1画面分の輝度信号を取得し、各輝度信号ごとに最大値を検出する。そして、その各輝度信号ごとの最大値のなかで最も大きな最大値を示した輝度信号を最大レベルの輝度信号とする。この最大レベル検出回路80によって検出された最大レベルの輝度信号は次いでAGC回路82に入力される。AGC回路82は、入力された輝度信号に基づいて、輝度信号の適切なゲインを求め、そのゲインとなるように各撮像素子A、B、Cにおいて輝度信号を生成する際のゲインを設定する。ここで適切なゲインとして、例えば、最大レベル検出回路80から入力された1画面分の輝度信号のうちの最大値が所定のしきい値を超えない(例えば飽和とならない)範囲で、最大のゲインを設定する。これによって、各撮像素子A、B、Cから出力される輝度信号の飽和が防止される。」

(3-1-e)段落【0025】?【0026】
「【0025】尚、上記構成では、輝度信号が飽和するのを防止するために輝度信号のゲインを調整するようにしたが、これに限らず、各撮像素子A、B、Cの電荷蓄積時間の調整、いわゆる電子シャッターの機能により、輝度信号のレベルを適切に調整することもできる。例えば、図4において、AGC回路82の代わりに電子シャッター制御回路を設置する。そして、上述と同様に最大レベル検出回路80から出力された輝度信号に基づいて、各撮像素子A、B、Cの適切な電荷蓄積時間を求め、その電荷蓄積時間となるように各撮像素子A、B、Cの電荷蓄積時間を設定する。適切な電荷蓄積時間は、上記ゲインの調整の場合と同様に、例えば、最大レベル検出回路80から入力された1画面分の輝度信号のうちの最大値が所定のしきい値を超えない(例えば飽和とならない)範囲で、最長の蓄積時間を設定する。これによって、各撮像素子A、B、Cから出力される輝度信号の飽和が防止される。【0026】また、上述のオートゲインコントロールの機能や電子シャッターの機能等は、映像用の撮像素子に対するオートゲインコントロールの機能や電子シャッターの機能等の処理とは全く無関係に実行されるもので、ピント状態検出用の撮像素子A、B、Cに対する輝度信号のゲインや電荷蓄積時間が、映像用の撮像素子に対する輝度信号のゲインや電荷蓄積時間と異なるという状況は当然あり得る。」

(3-1-f)【図1】?【図8】
【図1】には、テレビカメラシステムに使用される撮影レンズに適用されたピント状態検出装置の構成を示した構成図が、【図2】には、ピント状態検出用の撮像部の構成を示した構成図が、【図3】には、ピント状態検出用の撮像素子A、B、Cを同一光軸上で示した図が、【図4】には、ピント状態検出の処理を行う信号処理部の構成を示したブロック図が、【図5】には、輝度信号が飽和しないような被写体を撮影しているときの合焦状態での輝度信号及びその高域周波数成分の状態を示した図が、【図6】には、輝度信号が飽和しないような被写体を撮影しているときの非合焦状態での輝度信号及びその高域周波数成分の状態を示した図が、【図7】には、輝度信号が飽和するような高輝度被写体を撮影しているときの合焦状態での輝度信号及びその高域周波数成分の状態を示した図が、【図8】には、輝度信号が飽和するような高輝度被写体を撮影しているときの非合焦状態での輝度信号及びその高域周波数成分の状態を示した図が、それぞれ図示されている。


(3-2)引用例2

同じく原査定の拒絶の理由に引用された、本願出願前に頒布された刊行物である、特開2001-245198号公報(以下、「引用例2」という。)には、図面とともに、以下の事項の記載がある。

(3-2-a)【特許請求の範囲】
「【請求項1】コントラスト検出に基づくオートフォーカス調整機能を有するテレビジョンカメラにおいて、オートフォーカス調整用の映像信号検出領域の映像信号レベルに応じてアイリス制御または電子シャッタ制御を行う手段を有することを特徴とするテレビジョンカメラ。」

(3-2-b)段落【0001】?【0005】
「【0001】
【発明の属する技術分野】テレビジョンカメラのオートフォーカス調整時に、そのテレビジョンカメラにより撮像されたオートフォーカス調整用の映像信号領域のレベル制御に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のコントラスト検出方法によるオートフォーカス機能を有するテレビジョンカメラにおいては、例えば、オートフォーカス検出領域に高照度の被写体がある場合には、オートフォーカス調整用の映像信号領域であるコントラスト検出領域の映像信号、特に、輝度信号がクリップしてしまう。また、オートフォーカス検出領域に低照度の被写体がある場合には、コントラスト検出領域の輝度信号が黒つぶれ状態になってしまう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そのため、上述の従来の技術によっては、テレビジョンカメラが撮像映像信号に基いて焦点調整を行う動作、すなわち、オートフォーカス動作を所望の精度で作動させるために必要なコントラストを有する映像信号を上述の領域内で得られるようにすることが困難な場合があった。
【0004】本発明の目的は、オートフォーカス動作時に、オートフォーカス検出領域の輝度信号がコントラスト検出に適するように、テレビジョンカメラへの入射光量の制御や入射光量に対する映像信号出力の感度を制御し、その検出領域においてクリップや黒つぶれ状態にならないようにするものてである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の課題を解決するために、コントラスト検出に基づくオートフォーカス調整機能を有するテレビジョンカメラにおいて、オートフォーカス調整用の映像信号検出領域の映像信号レベルに応じてアイリス制御または電子シャッタ制御を行う手段を有するものである。」

(3-2-c)段落【0007】?【0012】
「【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係わるテレビジョンカメラのブロック構成の一例について、図2を用いて説明する。この図において、レンズ11を通して入射された被写体からの光はCCD(charge coupled device)撮像素子12に結像される。CCD撮像素子12はその結像光を光電変換して映像信号を生成し、次段のCDS(相関二重サンプリング回路)、AGC(自動利得制御回路)、ADC(アナログ/デジタル変換回路)の各機能を有するCCD出力信号処理回路14へ映像信号を出力する。
【0008】CCD出力映像信号処理回路14から出力された映像信号は、信号処理回路15へ入力される。信号処理回路15では、マイクロコントローラ16からの制御信号に応じて、色分離、白バランス制御、輪郭補正、ガンマ補正などの信号処理を行い、それら信号処理が施された映像信号が後段(図示せず)へ出力される。ところで、このようなテレビジョンカメラにおいて、通常はCCD撮像素子12から出力される映像信号の全領域(図3のA)の映像信号レベルの平均値に応じて入射光量を可変するためのレンズ11のアイリス制御や、CCD撮像素子12の電子シャッタ機能による感度制御等の全領域露光量制御動作を行っている。
【0009】一方、オートフォーカス動作は、オートフォーカス検出領域(図3のB)における映像信号の各コントラスト部分のコントラスト差が焦点調節に応じて変化することを用いて焦点距離の自動調節を行っている。従って、もし、オートフォーカス検出領域に高照度の被写体が撮像され、それ以外の領域では低照度の被写体が撮像されている場合に、全領域露光量制御動作がなされているとすると、図1(a)の出力輝度信号波形4に示すように、輝度信号上のオートフォーカス検出領域3の映像信号部分がクリップ(飽和)するため、この信号波形4を用いてオートフォーカス動作としてのコントラスト検出を行うことは困難となる。
【0010】そのため本発明では、上述の様なオートフォーカス検出領域に高照度の被写体が撮像され、それ以外の領域では低照度の被写体が撮像されている場合であっても、オートフォーカス動作を高精度に行うことを可能とするため、オートフォーカス動作時にのみ、CCD撮像素子12から出力される映像信号のうちオートフォーカス検出領域(図3のB)のみの映像信号レベルの平均値に応じて入射光量を可変するためのレンズ11のアイリス制御や、CCD撮像素子12の電子シャッタ機能による感度制御等の全領域露光量制御動作行う。そうすることで、図1(b)の出力輝度信号波形5に示すように、輝度信号上のオートフォーカス検出領域3の映像信号部分がクリップ(飽和)することなく、所望のコントラストを有する映像信号となることで、オートフォーカス検出領域3でのコントラスト検出が可能となる。
【0011】また、上述とは逆に、もし、オートフォーカス検出領域に低照度の被写体が撮像され、それ以外の領域では低照度の被写体が撮像されている場合に、全領域露光量制御動作がなされているとすると、図1(c)の出力輝度信号波形6に示すように、輝度信号上のオートフォーカス検出領域3の映像信号部分が黒つぶれ状態となるため、この信号波形6を用いてオートフォーカス動作としてのコントラスト検出を行うことは困難となる。
【0012】そのため本発明では、上述の様なオートフォーカス検出領域に低照度の被写体が撮像され、それ以外の領域では高照度の被写体が撮像されている場合であっても、オートフォーカス動作を高精度に行うことを可能とするため、オートフォーカス動作時にのみ、CCD撮像素子12から出力される映像信号のうちオートフォーカス検出領域(図3のB)のみの映像信号レベルの平均値に応じて入射光量を可変するためのレンズ11のアイリス制御や、CCD撮像素子12の電子シャッタ機能による感度制御等の全領域露光量制御動作行う。そうすることで、図1(d)の出力輝度信号波形7に示すように、輝度信号上のオートフォーカス検出領域3の映像信号部分が黒つぶれ状態となることなく、所望のコントラストを有する映像信号となることで、オートフォーカス検出領域3でのコントラスト検出が可能となる。」

(3-2-d)【図1】?【図3】
【図1】には映像信号レベル制御の様子を説明するための図が、【図2】にはテレビジョンカメラのブロック構成例を示す図が、【図3】にはオートフォーカス検出領域の一例を示す図が、それぞれ図示されている。


(3-3)引用発明の認定

引用例1には、(撮影レンズ12に入射した)被写体光を透過光と反射光に分割するハーフミラー24が記載されている(前記摘記事項(3-1-c)段落【0013】参照。)。そして、透過光は、撮像部20の映像用撮像素子の撮像面に入射する(前記摘記事項(3-1-c)段落【0014】参照。)。映像用撮像素子は、放映用の映像を撮影し、所定形式の映像信号を出力する(前記摘記事項(3-1-c)段落【0012】参照。)。したがって、引用例1には「撮影レンズ12に入射した被写体光を放映用の映像信号を出力する映像用撮像素子の撮像面へと導く光路と異なる光路に分割するハーフミラー24」が記載されていると言うことができる。
また、ハーフミラー24で反射した反射光は、ピント状態検出用の撮像部26に導かれる(前記摘記事項(3-1-c)段落【0015】参照。)。ピント状態検出用の撮像部26は、ピント状態検出用の3つの撮像素子を備えている(前記摘記事項(3-1-c)段落【0016】参照。)。ピント状態検出用の撮像部26の撮像素子により撮像された画像は、信号処理部28に取り込まれ、信号処理部28は、撮像素子から取得した画像の高域周波数成分に基づいてカメラ本体10のピント面22に対して撮影レンズ12のピント状態が合焦となるフォーカスレンズFの位置(フォーカス位置)を求める(前記摘記事項(3-1-c)段落【0019】参照。)。したがって、引用例1には「ハーフミラー24により分割された被写体光を撮像し、前記撮影レンズ12をオートフォーカスするための映像信号を取得するピント状態検出用の撮像部26の撮像素子」が記載されていると言うことができる。
引用例1においては、前提となる従来技術の説明として、「ビデオカメラなどのオートフォーカスは、コントラスト方式によるものが一般的である。このコントラスト方式は、撮像素子から得られた映像信号(輝度信号)のうちある範囲(フォーカスエリア)内の映像信号の高域周波数成分を積算して焦点評価値とする。そして、その焦点評価値が最大となるようにピント調整を自動で行う。これによって、撮像素子で撮像された画像の鮮鋭度(画像のコントラスト)が最大となる最良ピント(合焦)が得られる。」との記載がある(前記摘記事項(3-1-b)段落【0002】参照。)。また、引用例1においては、「撮像素子Aにより撮像された画像の1画面分(1フィールド分)のデジタル信号のうち所定のフォーカスエリア内(例えば、画面中央部分)の画素に対応するデジタル信号のみがゲート回路54によって抽出された後、その抽出された範囲のデジタル信号の値が加算器56によって加算される。これにより、フォーカスエリア内における輝度信号の高域周波数成分の値の総和が求められる。」との記載もある(前記摘記事項(3-1-d)の段落【0020】参照。)。引用例1の発明の「フォーカス」システムがその従来技術の「コントラスト方式による」「オートフォーカス」システムを用いていることは明らかであるから、引用例1の記載からは「ピント状態検出用の撮像部26の撮像素子の撮像面のうちのある範囲内のフォーカスエリアから得られた映像信号に基づいてコントラスト方式によるオートフォーカスの処理を実行するオートフォーカス制御手段を備えたオートフォーカスシステム」が把握できる。
引用例1には、「最大レベル検出回路80は、各撮像素子A、B、Cから出力された輝度信号を取得し、どの撮像素子から出力された輝度信号が最大レベルかを検出する。例えば、各撮像素子から出力された1画面分の輝度信号を取得し、各輝度信号ごとに最大値を検出する。」と記載されている(前記摘記事項(3-1-d)の段落【0023】参照)。この部分は、「1画面分」と記載されているのみで、「1フィールド分」とは記載されていない。しかし、引用例1には、「撮像素子Aにより撮像された画像の一画面分(1フィールド分)のデジタル信号のうち所定のフォーカスエリア内(例えば、画面中央部分)の画素に対応するデジタル信号のみがゲート回路54によって抽出された後」との記載がある(前記摘記事項(3-1-d)の段落【0020】参照)。したがって、引用例1の記載から「ピント状態検出用の撮像部26の撮像素子から1フィールド分の輝度信号を取得し、各輝度信号ごとに最大値を検出する最大レベル検出回路80」が把握できる。
引用例1には、ピント状態検出用の撮像部26の撮像素子から出力された輝度信号は、まず、ハイパスフィルタ(HPF)50に入力され、その輝度信号の高域周波数成分が抽出され、当該HPF50で抽出された高域周波数成分の信号はA/D変換器52によってデジタル信号に変換され、その後、撮像素子により撮像された画像の1画面分(1フィールド分)のデジタル信号のうち所定のフォーカスエリア内(例えば、画面中央部分)の画素に対応するデジタル信号のみがゲート回路54によって抽出される旨の記載がある(前記摘記事項(3-1-d)の段落【0020】参照)。したがって、引用例1には「ハイパスフィルタ(HPF)50及びA/D変換器52を経た、ピント状態検出用の撮像部26の撮像素子から出力された輝度信号から、フォーカスエリアの範囲内の信号のみを抽出するゲート回路54」が記載されているということができる。
引用例1には「上記構成では、輝度信号が飽和するのを防止するために輝度信号のゲインを調整するようにしたが、これに限らず、各撮像素子A、B、Cの電荷蓄積時間の調整、いわゆる電子シャッターの機能により、輝度信号のレベルを適切に調整することもできる。例えば、図4において、AGC回路82の代わりに電子シャッター制御回路を設置する。そして、上述と同様に最大レベル検出回路80から出力された輝度信号に基づいて、各撮像素子A、B、Cの適切な電荷蓄積時間を求め、その電荷蓄積時間となるように各撮像素子A、B、Cの電荷蓄積時間を設定する。適切な電荷蓄積時間は、上記ゲインの調整の場合と同様に、例えば、最大レベル検出回路80から入力された1画面分の輝度信号のうちの最大値が所定のしきい値を超えない(例えば飽和とならない)範囲で、最長の蓄積時間を設定する。これによって、各撮像素子A、B、Cから出力される輝度信号の飽和が防止される。また、上述のオートゲインコントロールの機能や電子シャッターの機能等は、映像用の撮像素子に対するオートゲインコントロールの機能や電子シャッターの機能等の処理とは全く無関係に実行される」との記載がある(前記摘記事項(3-1-e)参照)。したがって、引用例1の記載から「検出された輝度信号の最大値が飽和しない値となるようにピント状態検出用の撮像部26の撮像素子における電荷蓄積時間を制御する電子シャッター制御回路とから構成され、検出された輝度信号の最大値に基づいてピント状態検出用の撮像部26の撮像素子に対してのみ電荷蓄積時間の調整を行う輝度信号飽和防止手段」が把握される。

以上、引用例1の記載及び図面内容を参酌すると、引用例1には、下記の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

<引用発明>
「 撮影レンズ12に入射した被写体光を放映用の映像信号を出力する映像用撮像素子の撮像面へと導く光路と異なる光路に分割するハーフミラー24と、該ハーフミラー24により分割された被写体光を撮像し、前記撮影レンズ12をオートフォーカスするための映像信号を取得するピント状態検出用の撮像部26の撮像素子と、該ピント状態検出用の撮像部26の撮像素子の撮像面のうちのある範囲内のフォーカスエリアから得られた映像信号に基づいてコントラスト方式によるオートフォーカスの処理を実行するオートフォーカス制御手段とを備えたオートフォーカスシステムにおいて、
ピント状態検出用の撮像部26の撮像素子から1フィールド分の輝度信号を取得し、各輝度信号ごとに最大値を検出する最大レベル検出回路80と、
ハイパスフィルタ(HPF)50及びA/D変換器52を経た、前記ピント状態検出用の撮像部26の撮像素子から出力された輝度信号から、前記フォーカスエリアの範囲内の信号のみを抽出するゲート回路54と、
該検出された輝度信号の最大値が飽和しない値となるように前記ピント状態検出用の撮像部26の撮像素子における電荷蓄積時間を制御する電子シャッター制御回路とから構成され、前記検出された輝度信号の最大値に基づいて前記ピント状態検出用の撮像部26の撮像素子に対してのみ電荷蓄積時間の調整を行う輝度信号飽和防止手段と、
を備えたことを特徴とするオートフォーカスシステム。」


4.本願補正発明と引用発明との対比

本願補正発明と引用発明とを対比する。
引用発明における「放映用の映像信号」、「フォーカスエリア」、「電荷蓄積時間」、「電子シャッター制御回路」及び「前記ピント状態検出用の撮像部26の撮像素子に対してのみ電荷蓄積時間の調整を行う輝度信号飽和防止手段」がそれぞれ、本願補正発明における「動画再生用の映像信号」、「AFエリア」、「電子シャッター時間」、「シャッターコントロール回路」及び「検出された輝度信号の最大値に基づいて前記AF用撮像手段に対してのみの露光調整を行う露光調整手段」に相当することは当業者には明らかである。
また、引用発明における「撮影レンズ12に入射した被写体光を放映用の映像信号を出力する映像用撮像素子の撮像面へと導く光路と異なる光路に分割するハーフミラー24」、「該ハーフミラー24により分割された被写体光を撮像し、前記撮影レンズ12をオートフォーカスするための映像信号を取得するピント状態検出用の撮像部26の撮像素子」及び「該ピント状態検出用の撮像部26の撮像素子の撮像面のうちのある範囲内のフォーカスエリアから得られた映像信号に基づいてコントラスト方式によるオートフォーカスの処理を実行するオートフォーカス制御手段」が、それぞれ、本願補正発明における「撮影レンズに入射した被写体光を動画再生用の映像信号を取得する映像用撮像手段の撮像面へと導く光路と異なる光路に分岐する分岐手段」、「該分岐手段により分岐された被写体光を撮像し、前記撮像レンズのピント合わせをオートフォーカスで行うための映像信号を取得するAF用撮像手段」及び「該AF用撮像手段の撮像面のうち一部領域のAFエリアから得られた映像信号に基づいてコントラスト方式によるオートフォーカスの処理を実行するAF処理手段」に相当することも当業者には明らかである。
さらに、引用発明の「1フィールド分の輝度信号を取得し、各輝度信号ごとに最大値を検出する」ことと、本願補正発明の「1フィールドごとに1フィールド分の期間内で得られた前記輝度信号の最大値を検出する」ことが同等であることは当業者には明らかである。したがって、引用発明の「ピント状態検出用の撮像部26の撮像素子から1フィールド分の輝度信号を取得し、各輝度信号ごとに最大値を検出する最大レベル検出回路80」と、本願補正発明の「前記ゲート回路により出力された前記AFエリアの輝度信号を取得し、1フィールドごとに1フィールド分の期間内で得られた前記輝度信号の最大値を検出する最大輝度検出回路」とは、「1フィールドごとに1フィールド分の期間内で得られた輝度信号の最大値を検出する最大輝度検出回路」の点で一致する。
引用発明の「ハイパスフィルタ(HPF)50及びA/D変換器52を経た、前記ピント状態検出用の撮像部26の撮像素子から出力された輝度信号から、前記フォーカスエリアの範囲内の信号のみを抽出するゲート回路54」と、本願補正発明の「前記AF用撮像手段から出力された輝度信号から、CPUによって設定された前記AFエリアの範囲内の信号のみを抽出するゲート回路」とは、「輝度信号から、前記AFエリアの範囲内の信号のみを抽出するゲート回路」の点で一致する。

そうすると、本願補正発明と引用発明とは、
「 撮影レンズに入射した被写体光を動画再生用の映像信号を取得する映像用撮像手段の撮像面へと導く光路と異なる光路に分岐する分岐手段と、該分岐手段により分岐された被写体光を撮像し、前記撮像レンズのピント合わせをオートフォーカスで行うための映像信号を取得するAF用撮像手段と、該AF用撮像手段の撮像面のうち一部領域のAFエリアから得られた映像信号に基づいてコントラスト方式によるオートフォーカスの処理を実行するAF処理手段とを備えたオートフォーカスシステムにおいて、
輝度信号から、前記AFエリアの範囲内の信号のみを抽出するゲート回路と、
1フィールドごとに1フィールド分の期間内で得られた輝度信号の最大値を検出する最大輝度検出回路と、
該検出された輝度信号の最大値が飽和しない値となるように前記AF用撮像手段における電子シャッター時間を制御するシャッターコントロール回路とから構成され、前記検出された輝度信号の最大値に基づいて前記AF用撮像手段に対してのみの露光調整を行う露光調整手段と、
を備えたことを特徴とするオートフォーカスシステム。」
の点で一致し、下記の相違点1及び相違点2の点で相違する。

<相違点1>
本願補正発明においては、輝度信号からAFエリアの範囲内の信号のみを抽出するゲート回路は、AF用撮像手段から出力された輝度信号から抽出し、最大輝度検出回路は前記ゲート回路により出力された前記AFエリアの輝度信号を取得するのに対して、引用発明においては、ゲート回路54が、ハイパスフィルタ(HPF)50及びA/D変換器52を経た、前記ピント状態検出用の撮像部26の撮像素子から出力された輝度信号から抽出し、最大レベル検出回路80(本願補正発明の「最大輝度検出回路」に相当する。)は、ピント状態検出用の撮像部26の撮像素子からの輝度信号を取得する点。

<相違点2>
本願補正発明においては、前記AFエリアの範囲を指定して、前記AFエリアをCPUに設定させるAFエリア設定部を備えるのに対して、引用発明はこのような発明特定事項を備えていない点。


5.検討・判断

上記各相違点について検討する。

(5-1)相違点1について
引用例2の記載から当業者は、オートフォーカス検出領域(本願補正発明の「AFエリア」に相当する。)以外の全撮影領域の輝度信号に基づいてオートフォーカス動作としてのコントラストの検出を行うと、オートフォーカス検出領域の輝度が他の領域に比較して高輝度又は低輝度である場合にオートフォーカス動作としてのコントラストの検出が困難であるという技術課題が存在することを認識し、オートフォーカス検出領域の輝度信号に基づいて光量の制御を行うべきことが把握できる。
引用発明においても、引用例2から認識される上記技術課題が存在することは、引用例2の技術内容を理解する当業者には自明である。してみれば、引用発明において、オートフォーカス動作のための光量調整をAFエリア領域の輝度信号に基づいてのみ行うように変更することは当業者にとって自明な変更に過ぎない。そして、引用例2の開示事項にしたがって、引用発明を具体的に変更するに際しては、引用発明においては、ゲート回路54が輝度信号からフォーカスエリアの範囲内の信号のみを抽出するのであるから、このような作用をするゲート回路54をデジタル回路からアナログ回路に変更するなどの必要な設計変更を行いつつ、ピント状態検出用の撮像部26の撮像素子(本願補正発明の「AF用撮像手段」に相当する。)と最大レベル検出回路80(本願補正発明の「最大輝度検出回路」に相当する。)の間に設けるように変更すること、すなわち、「ゲート回路はAF用撮像手段から出力された輝度信号から抽出し、最大輝度検出回路は前記ゲート回路により出力された前記AFエリアの輝度信号を取得する」ように変更することは当業者にとって自明な設計変更に過ぎない。
したがって、上記相違点1に進歩性を見いだすことはできない。

(5-2)相違点2について
AFエリアの範囲を変更できるようにすることは、当業者には周知の事項である(例えば、特開平9-159906号公報、特開平8-317274号公報等を参照。)
してみれば、引用発明において、AFエリアの範囲を変更できるようにするために必要な手段である、AFエリアの範囲を指定するAFエリア設定部を備えるようにすることは、当業者にとって自明な設計変更に過ぎない。そして、一般に、設定手段により指定された動作・機能をCPUによって制御することは技術常識に過ぎないのであるから、「AFエリアの範囲を指定して、前記AFエリアをCPUに設定させるAFエリア設定部を備える」ようにすること、すなわち、引用発明に上記相違点2に係る本願補正発明の発明特定事項を付加することは、引用発明、周知の事項及び技術常識に基いて当業者が容易になし得ることである。

(5-3)本願補正発明の進歩性についての総括
上記のとおり、相違点1及び相違点2の点は、引用発明、引用例2に記載された事項、周知の事項及び技術常識に基いて当業者が容易に想到し得たものである。
そして、本願補正発明が奏する作用効果も、引用発明、引用例2に記載された事項、周知の事項及び技術常識から、当業者が予測できる範囲のものである。

よって、本願補正発明は、引用発明、引用例2に記載された事項、周知の事項及び技術常識に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。


6.本件補正についての結び

以上のとおり、本願補正発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、本件補正は、特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項に規定する要件を満たさないものであり、特許法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。



第3 本願発明について

1.本願発明

平成20年10月14日付け手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1から4に係る発明は、本件補正前の、平成20年7月11日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1から4に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は次のとおりである。

「撮影レンズに入射した被写体光を動画再生用の映像信号を取得する映像用撮像手段の撮像面へと導く光路と異なる光路に分岐する分岐手段と、該分岐手段により分岐された被写体光を撮像し、前記撮像レンズのピント合わせをオートフォーカスで行うための映像信号を取得するAF用撮像手段と、該AF用撮像手段の撮像面のうち一部領域のAFエリアから得られた映像信号に基づいてコントラスト方式によるオートフォーカスの処理を実行するAF処理手段とを備えたオートフォーカスシステムにおいて、
前記AF用撮像手段から出力された輝度信号から、CPUによって設定された前記AFエリアの範囲内の信号のみを抽出するゲート回路と、
前記ゲート回路により出力された前記AFエリアの輝度信号の最大値を検出する最大輝度検出回路と、該検出された輝度信号の最大値が飽和しない値となるように前記AF用撮像手段における電子シャッター時間を制御するシャッターコントロール回路とから構成され、前記検出された輝度信号の最大値に基づいて前記AF用撮像手段に対してのみの露光調整を行う露光調整手段と、
を備えたことを特徴とするオートフォーカスシステム。」


2.刊行物及び各刊行物の記載事項

原査定の拒絶の理由に引用された引用例1及び2の記載事項は、前記「第2」の「3.」に記載したとおりである。


3.対比・判断

本願発明は、前記「第2」の「2.」?「5.」で検討した本願補正発明において、「前記AFエリアの範囲を指定して、前記AFエリアをCPUに設定させるAFエリア設定部と、」という限定を省くとともに、最大輝度検出回路が検出する最大値に関して「1フィールドごとに1フィールド分の期間内で得られた前記輝度信号の最大値」という限定を省くものに相当する。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに限定したものに相当する本願補正発明が、前記「第2」の「5.」に記載したとおり、引用発明、引用例2に記載された事項、周知の事項及び技術常識に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用発明、引用例2に記載された事項、周知の事項及び技術常識に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。


(3)むすび

以上のとおり、本願発明は、引用発明、引用例2に記載された事項、周知の事項及び技術常識に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、その余の請求項に係る発明について論及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2010-01-14 
結審通知日 2010-01-15 
審決日 2010-01-27 
出願番号 特願2003-392692(P2003-392692)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (G02B)
P 1 8・ 121- Z (G02B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 吉川 陽吾  
特許庁審判長 北川 清伸
特許庁審判官 森林 克郎
岡田 吉美
発明の名称 オートフォーカスシステム  
代理人 松浦 憲三  

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