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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F |
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管理番号 | 1213756 |
審判番号 | 不服2007-29288 |
総通号数 | 125 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2010-05-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2007-10-29 |
確定日 | 2010-03-19 |
事件の表示 | 特願2000-397731「情報通知システム及びその方法」拒絶査定不服審判事件〔平成14年 7月12日出願公開、特開2002-197111〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は、平成12年12月27日の出願であって、平成19年9月27日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成19年10月29日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに、平成19年11月12日付けで手続補正がなされたものである。 2.本願発明 本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成19年11月12日付けの手続補正書によって補正された明細書及び図面の記載からみて、特許請求の範囲の請求項1に記載された、次のとおりのものである。 「【請求項1】 利用者が存在する位置と利用者のプロフィールとに基づいて、店舗のサービス情報を利用者に通知する情報通知システムであって、 利用者自身の性別、誕生日又は職業を示す情報を含むプロフィール情報及びサービス情報の通知時刻又はサービス情報の通知時間間隔を前記サーバに入力する第1の入力手段と、 前記入力した通知時刻又は所定の通知時間間隔で利用者が存在する位置を検出する位置検出手段と、 予め利用者が存在する位置及び、利用者のプロフィール情報に関連付けて前記店舗のサービス情報を記録する記録手段と、 前記入力されたプロフィール及び前記検出した利用者が存在する位置に基づいて、前記記録手段に記録されている前記店舗のサービス情報を検索して選出する検索手段と、 前記選出した店舗のサービス情報を、前記入力した通知時刻又は所定の通知時間間隔で表示して利用者に通知する表示手段と、 を備えたことを特徴とする情報通知システム。」 3.引用例 原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用された、特開平11-265398号公報(以下、「引用例」という。)には、次の事項が記載又は図示されている。 (ア) 「【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、広告,イベント情報などの様々な情報をパソコンや携帯情報端末(PDA)等を所持するユーザに提供する情報提供システム及びその制御プログラムを記録した記録媒体に関する。」 (イ) 「【0002】 【従来の技術】 パソコンや携帯情報端末等を所持するユーザは、例えばインターネットを介して、それに接続された膨大な情報源の何れかに順次にアクセスできる。膨大な情報源の中からユーザが必要とする特定の情報源を探しだして選択するために、一般にユーザは試行錯誤により様々な入力操作を繰り返す。」 (ウ) 「【0003】 例えば、特定のキーワードに対応づけられた情報源をインターネット上に設けられた検索システムを用いて抽出したり、取得した情報に含まれるリンクを順次にたどって目的とする情報源を探すことになる。この種の情報アクセス方法は、プル(pull)技術と呼ばれる。一方、プッシュ(push))技術と呼ばれるアクセス方法では、予めユーザが必要とする情報のカテゴリなどを登録しておくことにより、登録されたカテゴリの最新の情報のみが自動的に選択されて定期的に情報源からユーザに届けられる。」 (なお、当審において、半角文字と全角文字の表記の揺れについて、全角文字に表記を統一する誤記修正を行っている。) (エ) 「【0005】 【発明が解決しようとする課題】 上記のプル技術を用いて情報源にアクセスする場合には、ユーザの能動的な入力操作が不可欠である。しかも、ユーザが必要とする情報源を見つけられない場合も多い。すなわち、検索システムを用いる場合には、システムに未登録の情報源は検索できないし、入力するキーワードが不適当な場合にも目的の情報源は見つけられない。 【0006】 また、検索により抽出された情報源の数が多すぎる場合には、時間的に余裕がある場合を除き、それらの全ての情報源にはユーザはアクセスしないので、最適な情報源を見逃す可能性が考えられる。一方、従来のプッシュ技術においては、予めユーザが選択したカテゴリ等と一致する情報だけが選択されてユーザに届くので、必要な情報が登録されたカテゴリを外れている場合には、必要な情報がユーザに届かない。 【0007】 また、予め多くのカテゴリを選択しておくと、ユーザに届く情報の量が膨大になるので、ユーザは届いた情報の全てに目を通すことができなくなる。しかも、ユーザの必要としない無駄な多数の情報がユーザに届けられるので、通信コストの無駄や通信回線のトラヒックの増大を招く。例えば、広告やイベント情報等をユーザに届ける場合には、提供する情報と関係の深い特定のユーザに限定してその情報を届けるのが望ましい。また、情報を必要としているユーザがその情報の存在の有無及び所在を知っているとは限らないので、ユーザが意識的に情報に対するアクセス操作を実施しなくても、必要な情報がユーザに届くのが望ましい。 【0008】 本発明は、上記のような情報提供システムにおいて、必要な情報にアクセスするためにユーザが実施する入力操作を削減もしくは不要にするとともに、ユーザの必要とする情報がユーザに届く確率を改善し、ユーザが必要としない情報がユーザに届く確率を減らすことを目的とする。」 (オ) 「【0009】 【課題を解決するための手段】 図1は、請求項1並びに請求項3?請求項9の発明を示す原理ブロック図である。図2は、請求項2?請求項9の発明を示す原理ブロック図である。 ・・・(中略)・・・ 【0013】 請求項2の情報提供システムは、予め登録されたユーザの位置情報の取得に必要な位置管理情報及びユーザの連絡先を示す連絡先情報を保持するユーザ管理情報保持手段25と、前記ユーザ管理情報保持手段25に登録された位置管理情報に基づいて、各ユーザの現在位置情報を取得する位置認識手段26と、広告,イベント情報などの提供情報と各々の提供情報に対応づけられる少なくとも位置に関する提供対象範囲を示す範囲情報とを複数保持する提供情報テーブル23と、前記位置認識手段26が認識したユーザの現在位置と前記提供情報テーブル23の各々の提供情報の範囲情報との比較の結果に応じて、前記提供情報テーブル23上の一部の提供情報を抽出する情報抽出手段27と、前記ユーザ管理情報保持手段25から前記ユーザの連絡先情報を取得して、取得した連絡先情報に応じた宛先に前記情報抽出手段27が抽出した提供情報を送出する情報送出手段28とを設けたことを特徴とする。 【0014】 位置認識手段26は、ユーザ管理情報保持手段25に保持される位置管理情報に基づき、必要に応じてユーザの現在位置を認識する。例えば、PHS端末装置を所持しているユーザについては、PHS端末装置の位置を検出するサービスを利用することにより、ユーザの現在位置を把握できる。その場合には、位置管理情報としてPHS端末装置の電話番号などを利用できる。 【0015】 情報抽出手段27は、位置認識手段26が認識したユーザの現在位置と提供情報テーブル23の各々の提供情報の範囲情報との比較の結果に応じて、前記提供情報テーブル23上の一部の提供情報を抽出する。抽出された提供情報は、情報送出手段28により、ユーザ管理情報保持手段25に保持されたユーザの連絡先情報の宛先に届けられる。」 (カ) 「【0016】 例えば、広告やイベントなどの情報を必要としている人が歩行等により移動している場合には、その人の現在位置の付近に存在する商店の広告やその付近で開催されているイベントの情報は、有用である可能性が高い。つまり、ユーザの現在位置に近い特定の位置に対応付けられた広告やイベントの情報をユーザに提供することは非常に好ましいことである。 【0017】 本発明によれば、認識されたユーザの現在位置に近い特定の位置に対応付けられた情報だけを選択的に抽出して、ユーザの所持する端末装置(PDA,PHS等)に届けることができる。しかも、ユーザが特別な操作を行わなくても、自動的に必要な情報がユーザに届けられる。請求項3は、請求項1又は請求項2記載の情報提供システムにおいて、現在の日付及び時刻を検出する日時検出手段29を設けるとともに、前記提供情報テーブル23が、各々の提供情報に対応づけられる有効期間を示す期間情報を保持し、前記情報抽出手段24,27が、前記日時検出手段29の検出した現在の日付及び時刻と前記提供情報テーブル23上の各々の提供情報の期間情報との比較の結果に応じて、前記提供情報テーブル23から抽出される提供情報を限定することを特徴とする。 【0018】 広告やイベント情報は特定の期間に限って有効である場合が多い。既に効力を失った過去の情報は勿論であるが、近い将来(例えば数日先)に予定されたイベント等の情報についても、ユーザが必要としない場合は多い。例えば当日以外はその地域に滞在しない旅行者にとっては、当日以外で有効なイベントの情報は無意味である。 【0019】 本発明によれば、現在の日時において有効な提供情報だけが自動的に選別されてユーザに提供される。従って、ユーザに提供される情報がユーザの希望する情報と一致する可能性が高まる。請求項4は、請求項1又は請求項2記載の情報提供システムにおいて、予め登録されたユーザの特性を示す個人情報を保持する個人情報保持手段30を設けるとともに、前記提供情報テーブル23が、各々の提供情報に対応づけられる提供対象者の属性を示す属性情報を保持し、前記情報抽出手段24,27が、情報提供対象ユーザの個人情報を前記個人情報保持手段30から取得して、取得した個人情報と前記提供情報テーブル23上の各々の提供情報の属性情報との比較の結果に応じて、前記提供情報テーブル23から抽出される提供情報を限定することを特徴とする。」 (キ) 「【0029】 【発明の実施の形態】 本発明の実施の形態を図3?図16に示す。この形態は全ての請求項に対応する。図3は、情報提供システム全体の構成を示すブロック図である。図4は、図3に示す各サーバの内部構成を示すブロック図である。図5は、図3の情報提供システムにより実行される地図情報検索時の情報提供処理の内容を示すフローチャートである。」 (ク) 「【0033】 ・・・(中略)・・・ 図3に示す情報提供システムは、情報提供サーバ110,テレフォニーサーバ120,ユーザ管理サーバ130,地図サーバ140,店情報サーバ150及び広告イベント情報サーバ160を備えている。 【0034】 図3に示すように、情報提供サーバ110,テレフォニーサーバ120,ユーザ管理サーバ130,地図サーバ140,店情報サーバ150及び広告イベント情報サーバ160は、LAN(ローカルエリアネットワーク)170を介して互いに接続されている。また、情報提供サーバ110はインターネット180に接続されている。テレフォニーサーバ120は通信回線250と接続されている。ユーザ管理サーバ130は位置情報提供サービス190と接続されている。」 (ケ) 「【0035】 この形態で利用している位置情報提供サービス190は、PHS(パーソナルハンディホンシステム)端末からの信号に基づいてそのPHS端末の存在位置(緯度及び経度)を検出するサービスである。この形態においては、ユーザはパソコンや携帯情報端末(PDA)などのユーザ端末200からインターネット180を介してこの情報提供システムにアクセスできる。また、通信回線250を介して、この情報提供システムからユーザの所持する携帯情報端末や特定のFAX,ポケベル,携帯電話などに対して情報を自動送出することもできる。」 (コ) 「【0036】 情報提供サーバ110は、この情報提供システムに保持されている膨大な情報の中からユーザが必要としている特定の情報等を、ユーザ管理サーバ130,地図サーバ140,店情報サーバ150,広告イベント情報サーバ160と連携して抽出する。抽出された情報は、インターネット180又は通信回線250を介してユーザ端末200に提供される。」 (サ) 「【0037】 図4に示すように、情報提供サーバ110は、WWWサーバ118,データ合成装置114,セッション管理部115,制御部116及び内部時計117を備えている。WWWサーバ118は通信部111,ゲートウェイ112及びデータ管理部113で構成されている。制御部116は、情報提供サーバ110及びこれに接続されたテレフォニーサーバ120,ユーザ管理サーバ130,地図サーバ140,店情報サーバ150及び広告イベント情報サーバ160を統括して制御する。 【0038】 制御部116の制御により、各サーバにおける情報の検索,検索結果のフィルタリング,抽出された情報の合成,ユーザ端末200への情報の配信などが実施される。WWWサーバ118は、データ管理部113に保持されるHTML形式データをインターネット180に送出したり、インターネット180からのユーザの入力を処理する。 【0039】 セッション管理部115は、この情報提供システムと接続しているユーザのユーザID(ユーザ識別コード)やユーザに提供する地図などを管理する。内部時計117は、現在時刻及び日付の情報を制御部116に出力する。 【0040】 テレフォニーサーバ120は、メディア変換装置121,回線接続装置122,課金管理部123及びモデムプール124を備えている。テレフォニーサーバ120は、通信回線250と接続されたモデムプール124を介して、各種通信手段、すなわち電話,FAX,ポケベル,PHS,携帯電話などに情報を配信できる。 【0041】 地図サーバ140は、地図データ制御部141,地図データファイル142及びアイコンデータファイル143を備えている。地図データファイル142は様々な縮尺の膨大な地図データを保持している。アイコンデータファイル143は、様々なアイコン(絵文字),文字列,図形などの情報を保持している。地図データ制御部141は、情報提供サーバ110を介して入力されるユーザからの入力に従って、特定の範囲に限定された特定の縮尺の地図データを地図データファイル142から検索して抽出する。」 (シ) 「【0042】 また、地図データ制御部141は抽出した地図上に地名や代表的な目標物を表示するために、特定の図形や文字列をアイコンデータファイル143から抽出して地図データに合成し、合成されたデータを情報提供サーバ110に出力する。店情報サーバ150は、RDBMS(リレーショナルデータベース管理システム)151と店情報ファイル152を備えている。店情報ファイル152には、様々な店について、名称,住所,営業時間,料金,地図上の座標などの情報を保持している。」 (ス) 「【0043】 ユーザからの検索指示が情報提供サーバ110を介して入力されると、RDBMS151は該当する店を検索し、その店に関する詳細な情報を情報提供サーバ110に出力する。ユーザ管理サーバ130は、RDBMS131,ユーザ情報ファイル132,ログデータファイル133及び現在地情報取得管理部134を備えている。ユーザ情報ファイル132には、図13に示すようなユーザ情報テーブルが登録されている。 【0044】 図13に示すように、このユーザ情報テーブルにはデータ項目として、「ユーザID」,「パスワード」,「氏名」,「氏名よみ」,「生年月日」,「性別」,「電子メールアドレス」,「住所1」,「住所2」,「電話番号1」?「電話番号5」,「FAX1」,「FAX2」,「受信方法順位」,「興味対象1」?「興味対象10」,「年収」,「職種コード」,「職業管理コード」及び「役職管理コード」の各項目が含まれている。」 (なお、当審において、半角文字と全角文字の表記の揺れについて、全角文字に表記を統一する誤記修正を行っている。) (セ) 「【0049】 図4に示すように、広告イベント情報サーバ160にはRDBMS161,広告イベント情報ファイル162及びログ情報ファイル163が備わっている。広告イベント情報ファイル162には、図14,図15に示すような広告イベント情報テーブルが登録されている。図14を参照すると、この広告イベント情報テーブルのデータ項目には、「広告イベントID」,「名称」,「名称よみ」,「住所」,「郵便番号」,「電話番号」,「連絡先名称」,「連絡先住所」,「連絡先郵便番号」,「連絡先電話番号」,「分類」,「開始日時」,「終了日時」,「掲載開始日時」,「掲載終了日時」,「掲載緯度MIN」,「掲載緯度MAX」,「掲載経度MIN」,「掲載経度MAX」,「キャッチフレーズ」,「URL」,「表示雛形ファイル」,「緯度」,「経度」,「アイコンNo.」,「対象ユーザ1」?「対象ユーザ5」,「対象年齢MIN」,「対象年齢MAX」,「対象性別」,「対象年収MIN」,「対象年収MAX」,「対象職種」及び「対象職業」が含まれている。」 (なお、当審において、半角文字と全角文字の表記の揺れについて、全角文字に表記を統一する誤記修正を行っている。) (ソ) 「【0057】 ステップS17においては、ユーザIDに基づいて、ユーザ管理サーバ130に登録されている様々なユーザ情報のうち、ユーザの属性と趣向の情報を取得する。ここで使用するユーザIDは、ユーザがこの情報提供システムと接続する際にユーザがIDとして入力した情報である。このユーザIDはステップS11で取得される。 【0058】 ステップS17で取得するユーザの属性には、年齢,性別,年収,職種及び職業が含まれる。なお、年齢の情報については、生年月日の情報に基づき計算により取得する。また、ステップS17で取得するユーザの趣向には、図13のデータ項目に示される「興味対象1」?「興味対象10」の各項目のデータレコードが含まれる。 【0059】 ステップS18では、情報提供サーバ110の内部時計117から、現在の日時の情報を入力する。ステップS19では、ステップS16で取得した注目位置の情報と、ステップS17で取得したユーザの属性及び趣向の情報と、ステップS18で取得した現在の日時に基づいて、広告イベント情報D3の検索を実施する。 【0060】 ステップS19の詳細が図6に示されている。図6のステップS32においては、次に示す9個の条件の全てに適合する提供情報(広告イベント情報)を、広告イベント情報サーバ160の広告イベント情報ファイル162の中から検索する。 1.注目位置の経度Cxが広告イベント情報テーブルのデータ項目(図14参照)の「掲載経度MIN」(Cxmin)と「掲載経度MAX」(Cxmax)との範囲内にあること。 【0061】 2.注目位置の緯度Cyが広告イベント情報テーブルのデータ項目の「掲載緯度MIN」(Cymin)と「掲載緯度MAX」(Cymax)との範囲内にあること。 3.現在日時が広告イベント情報テーブルのデータ項目の「掲載開始日時」(Tmin)と「掲載終了日時」(Tmax)との範囲内にあること。 4.ユーザの趣向Z1?Z10(図13のデータ項目の「興味対象1」?「興味対象10」に相当)と、広告イベント情報テーブルのデータ項目の「対象ユーザ1」,「対象ユーザ2」,「対象ユーザ3」,「対象ユーザ4」,「対象ユーザ5」とが少なくとも1つは一致すること。 【0062】 5.ユーザの性別Psが広告イベント情報テーブルのデータ項目の「対象性別」と一致すること。「対象性別」が「男女」の場合には、全てのユーザがこの条件を満たす。 6.ユーザの年齢Paが広告イベント情報テーブルのデータ項目の「対象年齢MIN」と「対象年齢MAX」との範囲内にあること。 【0063】 7.ユーザの年収Pgが広告イベント情報テーブルのデータ項目の「対象年収MIN」と「対象年収MAX」との範囲内にあること。 8.ユーザの職種Pfが広告イベント情報テーブルのデータ項目の「対象職種」と一致すること。 【0064】 9.ユーザの職業Ppが広告イベント情報テーブルのデータ項目の「対象職業」と一致すること。 上記の全ての条件を満足する広告イベント情報が、ステップS32で全て抽出される。次のステップS33では、抽出された広告イベント情報の数を、予め定めた上限値と比較する。抽出数が上限値より大きい場合には、次のステップS34を実行する。」 (なお、当審において、半角文字と全角文字の表記の揺れについて、全角文字に表記を統一する誤記修正を行っている。) (タ) 「【0065】 ステップS34では、出力する情報数をステップS33の上限値まで減らすために、乱数を用いて情報を選別する。例えば、上限値が1の場合にステップS32で5個の情報が抽出された場合には、ステップS34で1?5の範囲内の整数に限定された乱数を生成して、この乱数と一致する番号の情報だけを取り出せばよい。 【0066】 図5のステップS20においては、ステップS19で抽出された広告イベント情報D3と表示雛形ファイルの内容とに基づいて、例えば図10,図12に示すようなフレーム情報D4を生成する。ステップS20の詳細を図7に示す。図7のステップS41においては、広告イベント情報の表示雛形ファイルのデータを広告イベント情報サーバ160の広告イベント情報ファイル162から読み込む。」 (チ) 「【0078】 図3に示す情報提供システムは、上記のようにユーザが地図情報を検索しているときだけでなく、ユーザがインターネット180に接続していないときであってもユーザ端末200に対して情報を提供する。この動作は、図8に示す自動情報提供処理の実行により実現する。図7の自動情報提供処理も制御部116により実行される。 【0079】 図8のステップS51では、登録されたユーザの位置情報取得方法を識別する。すなわち、図13に示すユーザ情報テーブルを参照して、該当ユーザがPHS端末を所持している場合には、データ項目「電話番号4」のデータレコードの内容(PHS電話番号)を取得する。ステップS52においては、ステップS51で取得した番号に基づき、位置情報提供サービス190を利用してユーザの現在位置の情報(緯度,経度)を取得する。この例では、ステップS52で取得されるユーザの現在位置が変化した場合に、ステップS53からS54に進む。 【0080】 ステップS54では、ステップS52で検出されたユーザの現在位置を注目位置の座標として決定する。ステップS55,S56,S57及びS58では、それぞれ既に説明した図5のステップS17,S18,S19及びS20と同じ処理を実行する。つまり、注目位置をユーザの現在位置に置き換えて、その位置に対して広告イベント情報を検索し、抽出された情報からフレーム情報D4を生成する。 【0081】 ステップS59では、ステップS58で生成されるフレーム情報D4をユーザ端末200に送出する。ユーザ端末200がインターネット180を介してこの情報提供システムに接続している場合には、ステップS59ではインターネット180を介してユーザ端末200に広告イベント情報を提供する。 【0082】 ユーザ端末200が情報提供システムに接続されていない場合には、テレフォニーサーバ120及び通信回線250を介してユーザ端末200と接続し、ユーザに広告イベント情報を提供する。情報の送出先については、図13に示すユーザ情報テーブルの内容に基づいて、自動的に選択する。なお、上記実施の形態では、PHS端末を用いてユーザの位置を検出する場合について説明したが、他の方法、例えばGPS衛星からの電波を利用してユーザの位置を検出してもよい。」 (ツ) 「【0083】 また、上記実施の形態では、ユーザが情報提供システムを利用する場合にインターネット180を介してユーザ端末200と情報提供システムとを接続する場合を説明したが、インターネット180以外の通信網を利用してもよい。」 以上の引用例の記載によれば、引用例には以下の事項が開示されていると認められる。 (a) 引用例の上記(コ)の 「【0036】 情報提供サーバ110は、この情報提供システムに保持されている膨大な情報の中からユーザが必要としている特定の情報等を、ユーザ管理サーバ130,地図サーバ140,店情報サーバ150,広告イベント情報サーバ160と連携して抽出する。抽出された情報は、インターネット180又は通信回線250を介してユーザ端末200に提供される。」 という記載、 引用例の上記(ソ)の 「【0057】 ステップS17においては、ユーザIDに基づいて、ユーザ管理サーバ130に登録されている様々なユーザ情報のうち、ユーザの属性と趣向の情報を取得する。・・・(中略)・・・ステップS17で取得するユーザの属性には、年齢,性別,年収,職種及び職業が含まれる。・・・(中略)・・・ステップS19では、ステップS16で取得した注目位置の情報と、ステップS17で取得したユーザの属性及び趣向の情報と、ステップS18で取得した現在の日時に基づいて、広告イベント情報D3の検索を実施する。・・・(中略)・・・ステップS19の詳細が図6に示されている。図6のステップS32においては、次に示す9個の条件の全てに適合する提供情報(広告イベント情報)を、広告イベント情報サーバ160の広告イベント情報ファイル162の中から検索する。・・・」 という記載から、 (なお、「ユーザ管理サーバ」に登録されている「ユーザの属性」を取得するのは、上記(コ)の記載から「情報提供サーバ」であることは明らかである。 また、「ユーザ管理サーバ」に登録されている「ユーザの属性」を「情報提供サーバ」が取得するのであるから、「ユーザ管理サーバ」が「情報提供サーバ」に「ユーザの属性」を入力するための手段(例:入力手段)があることは明らかである。) 引用例には、 「ユーザの性別及び職業を示す情報を含むユーザの属性を情報提供サーバに入力する入力手段」 が開示されていると認められる。 (b) 引用例の上記(ケ)の 「この形態で利用している位置情報提供サービス190は、PHS(パーソナルハンディホンシステム)端末からの信号に基づいてそのPHS端末の存在位置(緯度及び経度)を検出するサービスである。この形態においては、ユーザはパソコンや携帯情報端末(PDA)などのユーザ端末200からインターネット180を介してこの情報提供システムにアクセスできる。また、通信回線250を介して、この情報提供システムからユーザの所持する携帯情報端末や特定のFAX,ポケベル,携帯電話などに対して情報を自動送出することもできる。」 という記載、 引用例の上記(チ)の 「図3に示す情報提供システムは、上記のようにユーザが地図情報を検索しているときだけでなく、ユーザがインターネット180に接続していないときであってもユーザ端末200に対して情報を提供する。この動作は、図8に示す自動情報提供処理の実行により実現する。・・・(中略)・・・図8のステップS51では、登録されたユーザの位置情報取得方法を識別する。・・・(中略)・・・ステップS52においては、ステップS51で取得した番号に基づき、位置情報提供サービス190を利用してユーザの現在位置の情報(緯度,経度)を取得する。・・・」 という記載から、 引用例には、 「ユーザの現在位置を取得する手段」 が開示されていると認められる。 (c) 引用例の上記(セ)の 「【0049】 図4に示すように、広告イベント情報サーバ160にはRDBMS161,広告イベント情報ファイル162及びログ情報ファイル163が備わっている。広告イベント情報ファイル162には、図14,図15に示すような広告イベント情報テーブルが登録されている。図14を参照すると、この広告イベント情報テーブルのデータ項目には、「広告イベントID」,「名称」,「名称よみ」,「住所」,「郵便番号」,「電話番号」,「連絡先名称」,「連絡先住所」,「連絡先郵便番号」,「連絡先電話番号」,「分類」,「開始日時」,「終了日時」,「掲載開始日時」,「掲載終了日時」,「掲載緯度MIN」,「掲載緯度MAX」,「掲載経度MIN」,「掲載経度MAX」,「キャッチフレーズ」,「URL」,「表示雛形ファイル」,「緯度」,「経度」,「アイコンNo.」,「対象ユーザ1」?「対象ユーザ5」,「対象年齢MIN」,「対象年齢MAX」,「対象性別」,「対象年収MIN」,「対象年収MAX」,「対象職種」及び「対象職業」が含まれている。」 という記載、 (なお、「広告イベント情報ファイル」は「広告イベント情報サーバ」に備わっているのであるから、「広告イベント情報ファイル」を記録するための手段(例:記録手段)があることは明らかである。) 引用例の上記(チ)の 「図3に示す情報提供システムは、上記のようにユーザが地図情報を検索しているときだけでなく、ユーザがインターネット180に接続していないときであってもユーザ端末200に対して情報を提供する。この動作は、図8に示す自動情報提供処理の実行により実現する。・・・(中略)・・・図8のステップS51では、登録されたユーザの位置情報取得方法を識別する。・・・(中略)・・・ステップS52においては、ステップS51で取得した番号に基づき、位置情報提供サービス190を利用してユーザの現在位置の情報(緯度,経度)を取得する。・・・(中略)・・・ステップS54では、ステップS52で検出されたユーザの現在位置を注目位置の座標として決定する。ステップS55,S56,S57及びS58では、それぞれ既に説明した図5のステップS17,S18,S19及びS20と同じ処理を実行する。つまり、注目位置をユーザの現在位置に置き換えて、その位置に対して広告イベント情報を検索し、抽出された情報からフレーム情報D4を生成する。・・・」 という記載、 (なお、「ユーザの現在位置を注目位置の座標として決定」した後に行われる処理と同様の処理、すなわち、「ステップS17,S18,S19」につついては、後述する引用例の上記(ソ)に記載されている。) 引用例の上記(ソ)の 「【0057】 ステップS17においては、ユーザIDに基づいて、ユーザ管理サーバ130に登録されている様々なユーザ情報のうち、ユーザの属性と趣向の情報を取得する。・・・(中略)・・・ステップS17で取得するユーザの属性には、年齢,性別,年収,職種及び職業が含まれる。・・・(中略)・・・ステップS19では、ステップS16で取得した注目位置の情報と、ステップS17で取得したユーザの属性及び趣向の情報と、ステップS18で取得した現在の日時に基づいて、広告イベント情報D3の検索を実施する。・・・(中略)・・・ステップS19の詳細が図6に示されている。図6のステップS32においては、次に示す9個の条件の全てに適合する提供情報(広告イベント情報)を、広告イベント情報サーバ160の広告イベント情報ファイル162の中から検索する。 1.注目位置の経度Cxが広告イベント情報テーブルのデータ項目(図14参照)の「掲載経度MIN」(Cxmin)と「掲載経度MAX」(Cxmax)との範囲内にあること。 ・・・(中略)・・・ 2.注目位置の緯度Cyが広告イベント情報テーブルのデータ項目の「掲載緯度MIN」(Cymin)と「掲載緯度MAX」(Cymax)との範囲内にあること。 ・・・(中略)・・・ 4.ユーザの趣向Z1?Z10(図13のデータ項目の「興味対象1」?「興味対象10」に相当)と、広告イベント情報テーブルのデータ項目の「対象ユーザ1」,「対象ユーザ2」,「対象ユーザ3」,「対象ユーザ4」,「対象ユーザ5」とが少なくとも1つは一致すること。 ・・・(中略)・・・ 5.ユーザの性別Psが広告イベント情報テーブルのデータ項目の「対象性別」と一致すること。「対象性別」が「男女」の場合には、全てのユーザがこの条件を満たす。 ・・・(中略)・・・ 9.ユーザの職業Ppが広告イベント情報テーブルのデータ項目の「対象職業」と一致すること。 上記の全ての条件を満足する広告イベント情報が、ステップS32で全て抽出される。次のステップS33では、抽出された広告イベント情報の数を、予め定めた上限値と比較する。抽出数が上限値より大きい場合には、次のステップS34を実行する。」 という記載から、 引用例には、 「予め、ユーザの現在位置及び、ユーザの属性に関連付けるための店の広告イベント情報を記録する記録手段」 が開示されていると認められる。 (d) 上記(a)の 「ユーザの性別及び職業を示す情報を含むユーザの属性を情報提供サーバに入力する入力手段」 という開示、 上記(b)の 「ユーザの現在位置を取得する手段」 という開示、 上記(c)の 「予め、ユーザの現在位置及び、ユーザの属性に関連付けるための店の広告イベント情報を記録する記録手段」 という開示、 引用例の上記(チ)の 「図3に示す情報提供システムは、上記のようにユーザが地図情報を検索しているときだけでなく、ユーザがインターネット180に接続していないときであってもユーザ端末200に対して情報を提供する。この動作は、図8に示す自動情報提供処理の実行により実現する。・・・(中略)・・・図8のステップS51では、登録されたユーザの位置情報取得方法を識別する。・・・(中略)・・・ステップS52においては、ステップS51で取得した番号に基づき、位置情報提供サービス190を利用してユーザの現在位置の情報(緯度,経度)を取得する。・・・(中略)・・・ステップS54では、ステップS52で検出されたユーザの現在位置を注目位置の座標として決定する。ステップS55,S56,S57及びS58では、それぞれ既に説明した図5のステップS17,S18,S19及びS20と同じ処理を実行する。つまり、注目位置をユーザの現在位置に置き換えて、その位置に対して広告イベント情報を検索し、抽出された情報からフレーム情報D4を生成する。・・・」 という記載から、 (なお、広告イベント情報を検索するための手段(例:検索手段)があることは明らかである。) 引用例には、 「前記入力されたユーザの属性及び前記取得されたユーザの現在位置に基づいて、前記記録手段に記録されている前記店の広告イベント情報を検索して抽出する検索手段」 が開示されていると認められる。 (e) 上記(d)の 「前記入力されたユーザの属性及び前記取得されたユーザの現在位置に基づいて、前記記録手段に記録されている前記店の広告イベント情報を検索して抽出する検索手段」 という開示、 引用例の上記(チ)の 「図3に示す情報提供システムは、上記のようにユーザが地図情報を検索しているときだけでなく、ユーザがインターネット180に接続していないときであってもユーザ端末200に対して情報を提供する。この動作は、図8に示す自動情報提供処理の実行により実現する。・・・(中略)・・・つまり、注目位置をユーザの現在位置に置き換えて、その位置に対して広告イベント情報を検索し、抽出された情報からフレーム情報D4を生成する。・・・(中略)・・・ステップS59では、ステップS58で生成されるフレーム情報D4をユーザ端末200に送出する。ユーザ端末200がインターネット180を介してこの情報提供システムに接続している場合には、ステップS59ではインターネット180を介してユーザ端末200に広告イベント情報を提供する。・・・(中略)・・・ユーザ端末200が情報提供システムに接続されていない場合には、テレフォニーサーバ120及び通信回線250を介してユーザ端末200と接続し、ユーザに広告イベント情報を提供する。情報の送出先については、図13に示すユーザ情報テーブルの内容に基づいて、自動的に選択する。なお、上記実施の形態では、PHS端末を用いてユーザの位置を検出する場合について説明したが、他の方法、例えばGPS衛星からの電波を利用してユーザの位置を検出してもよい。」 という記載から、 (なお、ユーザ端末によってユーザに情報を提供しているのであるから、ユーザに情報を提供するための手段(例:表示手段)があることは明らかである。) 引用例には、 「前記抽出した店の広告イベント情報を、表示してユーザに提供する表示手段」 が開示されていると認められる。 (f) 上記(d)の 「前記入力されたユーザの属性及び前記取得されたユーザの現在位置に基づいて、前記記録手段に記録されている前記店の広告イベント情報を検索して抽出する検索手段」 という開示、 上記(e)の 「前記抽出した店の広告イベント情報を、表示してユーザに提供する表示手段」 という開示、 引用例1の上記(ア)の 「本発明は、広告,イベント情報などの様々な情報をパソコンや携帯情報端末(PDA)等を所持するユーザに提供する情報提供システム及びその制御プログラムを記録した記録媒体に関する。」 という記載から、 引用例には、 「ユーザの現在位置とユーザの属性とに基づいて、店のイベント情報をユーザに提供する情報提供システム」 が開示されていると認められる。 以上の引用例の記載によれば、引用例には下記の発明(以下、「引用例発明」という。)が開示されていると認められる。 「ユーザの現在位置とユーザの属性とに基づいて、店のイベント情報をユーザに提供する情報提供システムであって、 ユーザの性別及び職業を示す情報を含むユーザの属性を情報提供サーバに入力する入力手段と、 ユーザの現在位置を取得する手段と、 予め、ユーザの現在位置及び、ユーザの属性に関連付けるための店の広告イベント情報を記録する記録手段と、 前記入力されたユーザの属性及び前記取得されたユーザの現在位置に基づいて、前記記録手段に記録されている前記店の広告イベント情報を検索して抽出する検索手段と、 前記抽出した店の広告イベント情報を、表示してユーザに提供する表示手段と、 を備えたことを特徴とする情報提供システム。」 4.対比 (1) 引用例発明の「ユーザ」、「ユーザの現在位置」、「ユーザの属性」、「店のイベント情報」は、 本願発明の「利用者」、「利用者が存在する位置」、「利用者のプロフィール」、「店舗のサービス情報」に相当する。 (2) 引用例発明の 「ユーザの現在位置とユーザの属性とに基づいて、店のイベント情報をユーザに提供する情報提供システム」は、 本願発明の 「利用者が存在する位置と利用者のプロフィールとに基づいて、店舗のサービス情報を利用者に通知する情報通知システム」に相当する。 (3) 引用例発明の 「ユーザの性別及び職業を示す情報を含むユーザの属性を情報提供サーバに入力する入力手段」と、 本願発明の 「利用者自身の性別、誕生日又は職業を示す情報を含むプロフィール情報及びサービス情報の通知時刻又はサービス情報の通知時間間隔を前記サーバに入力する第1の入力手段」とは、 (なお、当該記載から、「誕生日」を示す情報は必須の構成要素ではないことは明らかである。また、当該記載の前に「サーバ」に関する記載はないのであるから、「前記サーバ」は「サーバ」の誤記であることは明らかである。) 「利用者自身の性別、誕生日又は職業を示す情報を含むプロフィール情報を前記サーバに入力する第1の入力手段」という点で一致し、 本願発明の「第1の入力手段」は、「サービス情報の通知時刻又はサービス情報の通知時間間隔」も入力するのに対し、 引用例発明の「第1の入力手段」は、そのようなものではない点、 で相違する。 (4) 引用例発明の 「ユーザの現在位置を取得する手段」と、 本願発明の 「前記入力した通知時刻又は所定の通知時間間隔で利用者が存在する位置を検出する位置検出手段」とは、 「利用者が存在する位置を検出する位置検出手段」という点で一致し、 本願発明の「位置検出手段」は、「前記入力した通知時刻又は所定の通知時間間隔」というタイミングで検出するのに対し、 引用例発明の「位置検出手段」は、そのようなタイミングで検出するものではない点、 で相違する。 (5) 引用例発明の 「予め、ユーザの現在位置及び、ユーザの属性に関連付けるための店の広告イベント情報を記録する記録手段」は、 本願発明の 「予め利用者が存在する位置及び、利用者のプロフィール情報に関連付けて前記店舗のサービス情報を記録する記録手段」に相当する。 (なお、本願発明では、利用者が存在する位置及び利用者のプロフィール情報に基づいて店舗のサービス情報を検索するのであるから、当該記載にある「・・・関連付けて・・・」という記載は、「・・・関連付けるための・・・」という記載の誤記であることは明らかである。) (6) 引用例発明の 「前記入力されたユーザの属性及び前記取得されたユーザの現在位置に基づいて、前記記録手段に記録されている前記店の広告イベント情報を検索して抽出する検索手段」は、 本願発明の 「前記入力されたプロフィール及び前記検出した利用者が存在する位置に基づいて、前記記録手段に記録されている前記店舗のサービス情報を検索して選出する検索手段」に相当する。 (7) 引用例発明の 「前記抽出した店の広告イベント情報を、表示してユーザに提供する表示手段」と、 本願発明の 「前記選出した店舗のサービス情報を、前記入力した通知時刻又は所定の通知時間間隔で表示して利用者に通知する表示手段」とは、 「前記選出した店舗のサービス情報を、表示して利用者に通知する表示手段」という点で一致し、 本願発明の「表示手段」は、「前記入力した通知時刻又は所定の通知時間間隔」というタイミングで表示するのに対し、 引用例発明の「表示手段」は、そのようなタイミングで表示するものではない点、 で相違する。 (8) 以上のことから、本願発明と引用例発明とは、 「利用者が存在する位置と利用者のプロフィールとに基づいて、店舗のサービス情報を利用者に通知する情報通知システムであって、 利用者自身の性別、誕生日又は職業を示す情報を含むプロフィール情報を前記サーバに入力する第1の入力手段と、 利用者が存在する位置を検出する位置検出手段と、 予め利用者が存在する位置及び、利用者のプロフィール情報に関連付けて前記店舗のサービス情報を記録する記録手段と、 前記入力されたプロフィール及び前記検出した利用者が存在する位置に基づいて、前記記録手段に記録されている前記店舗のサービス情報を検索して選出する検索手段と、 前記選出した店舗のサービス情報を、表示して利用者に通知する表示手段と、 を備えたことを特徴とする情報通知システム。」 という点で一致し、 本願発明の「第1の入力手段」は、「サービス情報の通知時刻又はサービス情報の通知時間間隔」も入力するのに対し、 引用例発明の「第1の入力手段」は、そのようなものではない点、 そのため、 本願発明の「位置検出手段」は、「前記入力した通知時刻又は所定の通知時間間隔」というタイミングで検出するのに対し、 引用例発明の「位置検出手段」は、そのようなタイミングで検出するものではない点、 及び、 本願発明の「表示手段」は、「前記入力した通知時刻又は所定の通知時間間隔」というタイミングで表示するのに対し、 引用例発明の「表示手段」は、そのようなタイミングで表示するものではない点、 で相違する。 5.相違点の判断 引用例1の【発明の実施の形態】の欄には、上記「3.引用例」の(チ)に、 「・・・ステップS52においては、ステップS51で取得した番号に基づき、位置情報提供サービス190を利用してユーザの現在位置の情報(緯度,経度)を取得する。この例では、ステップS52で取得されるユーザの現在位置が変化した場合に、ステップS53からS54に進む。・・・(中略)・・・ステップS54では、ステップS52で検出されたユーザの現在位置を注目位置の座標として決定する。ステップS55,S56,S57及びS58では、それぞれ既に説明した図5のステップS17,S18,S19及びS20と同じ処理を実行する。つまり、注目位置をユーザの現在位置に置き換えて、その位置に対して広告イベント情報を検索し、抽出された情報からフレーム情報D4を生成する。・・・」 と記載されているように、 (位置検出手段によって得られる)「利用者が存在する位置」が変化したというタイミングで、「店舗のサービス情報」を利用者に通知するものであって(なお、「利用者が存在する位置」の変化を判断しているのであるから、位置検出手段は所定の「時間間隔」で「利用者が存在する位置」を検出していることは明らかである。)、 「サービス情報の通知時刻又はサービス情報の通知時間間隔」というタイミングで「店舗のサービス情報」を利用者に通知することは記載されていない。 しかしながら、上記記載に「この例では、・・・」とあるように、「利用者が存在する位置」が変化したというタイミングで、「店舗のサービス情報」を利用者に通知することは一例に過ぎない。 そして、上記「3.引用例」の(カ)に、 「広告やイベント情報は特定の期間に限って有効である場合が多い。既に効力を失った過去の情報は勿論であるが、近い将来(例えば数日先)に予定されたイベント等の情報についても、ユーザが必要としない場合は多い。例えば当日以外はその地域に滞在しない旅行者にとっては、当日以外で有効なイベントの情報は無意味である。」 と記載されていることから、 (位置検出手段によって得られる)「利用者が存在する位置」が長時間変化しなかったために、先に通知した「店舗のサービス情報」が有効でなくなった場合、改めて、有効な「店舗のサービス情報」を通知することが好ましいこと、 すなわち、所定の「時間間隔」で検出される「利用者が存在する位置」が変化していなくても、有効な「店舗のサービス情報」を通知することが好ましいことを示唆している。 しかも、本願発明及び引用例発明で採用されているプッシュ技術に関して、上記「3.引用例」の(ウ)に、 「一方、プッシュ(push)技術と呼ばれるアクセス方法では、予めユーザが必要とする情報のカテゴリなどを登録しておくことにより、登録されたカテゴリの最新の情報のみが自動的に選択されて定期的に情報源からユーザに届けられる。」と記載されているように、 『定期的』に(すなわち、所定の「時間間隔」で)、「店舗のサービス情報」を利用者に通知することは、情報処理分野における周知技術である。 以上のことから、所定の「時間間隔」で検出される「利用者が存在する位置」に基づいて、有効な「店舗のサービス情報」を通知することは、当業者が容易に想到し得ることである。 そうすると、引用例発明において、 (「利用者」又は「情報通知システム」を提供する者によって)「サービス情報の通知時間間隔」もサーバに入力したり、 入力した所定の「通知時間間隔」というタイミングで、利用者が存在する位置を検出したり、 入力した所定の「通知時間間隔」というタイミングで、「店舗のサービス情報」を利用者に通知すること、 すなわち、 引用例発明の「第1の入力手段」を、「サービス情報の通知時刻又はサービス情報の通知時間間隔」も入力するものとしたり、 引用例発明の「位置検出手段」を、「前記入力した通知時刻又は所定の通知時間間隔」というタイミングで検出するものとしたり、 引用例発明の「表示手段」を、「前記入力した通知時刻又は所定の通知時間間隔」というタイミングで表示するものとしたりすることは、 当業者が容易に想到し得ることである。 6.むすび したがって、本願発明は、引用例発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2010-01-22 |
結審通知日 | 2010-01-25 |
審決日 | 2010-02-05 |
出願番号 | 特願2000-397731(P2000-397731) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(G06F)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 紀田 馨、岩田 淳 |
特許庁審判長 |
田口 英雄 |
特許庁審判官 |
小曳 満昭 和田 財太 |
発明の名称 | 情報通知システム及びその方法 |
代理人 | 松浦 憲三 |