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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G01S
管理番号 1213913
審判番号 不服2007-30619  
総通号数 125 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-05-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-11-12 
確定日 2010-04-16 
事件の表示 特願2002-559702「GPS受信器を有するモバイルデバイス」拒絶査定不服審判事件〔平成14年8月1日国際公開、WO02/59637、平成16年6月17日国内公表、特表2004-518136、請求項の数(11)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 本願は、平成14年1月10日(パリ条約による優先権主張 2001年1月23日(GB)グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国)の出願であって、その請求項1ないし11に係る発明は、特許請求の範囲の請求項1ないし11に記載された事項により特定されるとおりのものであると認める。
そして、本願については、原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。
すなわち、原審で引用された下記の刊行物1ないし11のいずれにも、本願の独立形式で記載された請求項1、4、6に係る発明を特定する事項である「GPS受信器の動作中に、前記GPS受信器がGPS信号の収集不能又は追尾不能であることに応じて鳴るように構成される音響式アラームとを有するモバイルデバイスであって、前記アラームは、前記加速度計による測定値が、前記GPS受信器がGPS信号の収集不能又は追尾不能である所定値を超える前記GPS受信器の移動に応じて鳴る」構成が記載されていない。
また、本願の独立形式で記載された請求項2、5、7に係る発明を特定する事項である「GPS受信器の動作中に、前記GPS受信器が位置測位の捕捉不能又は保持不能であることに応じて鳴るように構成される音響式アラームとを有するモバイルデバイスであって、前記アラームは、前記加速度計による測定値が、前記位置測位の捕捉不能又は保持不能である所定値を超える前記GPS受信器の移動に応じて鳴る」構成が記載されていない。
すなわち、刊行物1のものは受信動作停止中、所定時間が経過しエフェメリスデータの有効性が落ちたときに、アラームを鳴らしてエフェメリスの再計測を促すものであるが、加速度計との関係を窺わせる記載は見あたらない。
刊行物2は、十分な数の衛星電波を受信できなくとも、受信できている衛星電波から受信機の絶対方位と衛星の相対位置を算出して表示し、周りの地形と見比べて必要な衛星電波が受信できるよう移動するGPS受信装置を示すに止まる。
刊行物3は、加速度センサを含む体動検出手段を有するものの、該体動検出手段は歩行を検出してGPS受信を停止させるものである。
刊行物4は、GPS受信装置において、捕捉衛星数を求め、不十分な場合に警報を鳴らすと共に電源を遮断して節電を行うものである。
刊行物5は、GPSによる位置測定、携帯電話またはPHSの基地局による位置測定、電波マーカー33による位置測定等々に対応している携帯端末を示すに過ぎない。
刊行物6,7はいずれも受信器が加速度を受けると誤差信号を発生することを示すに止まる。
刊行物8は、携帯型移動距離計に係り、初期位置をGPSで計測時、ピッチセンサ(ピエゾタイプの加速度センサ)で走行を示す体動を検出し、体動が検出されればアラームを鳴らすものであるが、体動を「加速度計による測定値が、前記GPS受信器がGPS信号の収集不能又は追尾不能であるか位置測位の捕捉不能又は保持不能である」所定値と比較するものではない。
刊行物9はGPSからの信号をデジタル化してメモリに格納し処理を行うGPS受信機を、刊行物10は管理サービスセンタの要求に応じて移動端末機が測位演算し、その情報を管理サービスセンタに送信するロケーション管理システムを、刊行物11は本部からの送信要求に応じて移動体の自車位置情報を本部に送信する移動体ナビゲーション装置をそれぞれ示すに止まる。
そして、本願の各請求項に係る発明は前記構成により、「屋内で受信される信号のような弱いGPS信号の収集及び追尾を補助する」という明細書に記載の効果を奏し得る。
したがって、請求項1ないし11に係る発明は、前記刊行物1ないし11に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
以上のことは、従属形式で記載された請求項3、8-11についてもいえる。

また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。


1:特開2000-338220号公報
2:特開平5-72315号公報
3:特開平10-325862号公報
4:実願平5-38557号(実開平7-8787号)のCDROM
5:特開平10-281801号公報
6:Christian Kreye,"Improvements of GNSS Receiver Performance Using Dee
ply Coupled INS Measurements",ION GPS 2000,2000年 9月,pages 844
-854
7:M.Rabinowitz,"Some Capabilities of a Joint GPS-LEO Navigation System
",ION GPS 2000, 2000年 9月,pages 255-265
8:特開平10-232139号公報
9:特表平11-513787号公報
10:特開2000-354268号公報
11:特開平08-292248号公報
 
審決日 2010-04-02 
出願番号 特願2002-559702(P2002-559702)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G01S)
最終処分 成立  
前審関与審査官 有家 秀郎  
特許庁審判長 飯野 茂
特許庁審判官 古屋野 浩志
下中 義之
発明の名称 GPS受信器を有するモバイルデバイス  
代理人 橘谷 英俊  
代理人 高橋 佳大  
代理人 吉武 賢次  
代理人 関根 毅  

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