• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F16F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 F16F
管理番号 1213990
審判番号 不服2009-6761  
総通号数 125 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-05-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-03-31 
確定日 2010-03-25 
事件の表示 特願2004-231256「動吸振器および光ディスク装置」拒絶査定不服審判事件〔平成18年 2月16日出願公開、特開2006- 46593〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成16年8月6日の出願であって、平成21年2月26日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成21年3月31日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに、平成21年4月28日付けで手続補正がなされたものである。

2.平成21年4月28日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成21年4月28日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
(1)本件補正後の本願発明
本件補正により、特許請求の範囲は、
「【請求項1】
動吸振器を搭載した光ディスク装置であって、
回転体を保持するベースシャシと、
前記ベースシャシに、第1弾性体を介して接続された動吸振子とを含み、
前記ベースシャシは、開口部を有し、
前記動吸振子は、両端部を有し、前記開口部内で、一端および他端がそれぞれ別々の前記第1弾性体を介して接続され、
前記ベーシャシと前記第1弾性体と前記動吸振子とは、略同一平面上に設けられる、光ディスク装置。
【請求項2】
前記ベースシャシは、第2弾性体を介して、筐体に支持される、請求項1に記載の光ディスク装置。
【請求項3】
前記動吸振子は、ピックアップの移動する第1の方向に配列された第1動吸振子と、前記第1動吸振子に対して直交する方向に配列された第2動吸振子とを含む、請求項1または2に記載の光ディスク装置。」に補正された。
上記補正は、請求項1についてみると、実質的に、本件補正前の請求項2に記載した発明を特定するために必要な事項である「ベースシャシ」について「前記ベースシャシは、開口部を有し、」という事項を付加し、また、「動吸振子」について「前記動吸振子は、両端部を有し、前記開口部内で、一端および他端がそれぞれ別々の前記第1弾性体を介して接続され、前記ベーシャシと前記第1弾性体と前記動吸振子とは、略同一平面上に設けられる、」という事項を付加して減縮するものであって、これは、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。
(2)引用例
(2-1)引用例1
特開2004-6014号公報(以下、「引用例1」という。)には、下記の事項が図面とともに記載されている。
(あ)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動、特にスピンドル及びスピンドルに載置された光ディスクが回転することにより発生する振動に対する防振機構を具備した光ディスク再生装置に関する。」
(い)「【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述した光ディスク再生装置は、筐体1とメインフレーム4との間を弾性支持することにより、外部振動を減衰させる構造となっている。
【0012】このとき、ガイドレール11a,11bを介して載置されたピックアップ5及びターンテーブル6を含むメインフレーム4は、弾性部材2の作用により外部振動に対してはその影響を受けにくい構造であるが、ターンテーブル6上に載置する図示しない光ディスクの偏心量による、インバランス等を原因とする光ディスクの高速回転等に伴うメインフレーム4自身の振動に対しては、弾性部材2の弾性係数を低く抑えてあることにより、メインフレーム4自体が振動しやすくなってしまう。」
(う)「【0028】以下、本発明の実施形態の詳細を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する図1及び図2において図9と共通する要件には同一符号を付し重複する説明を省略する。
【0029】図1において、筐体1上には第1の弾性部材としての弾性部材2を介してメインフレーム4の周囲の縁部が弾性支持されている。また、メインフレーム4上には第2の弾性部材としての第2の弾性部材31を介してサブフレーム32が取付けられている。
【0030】メインフレーム4には、光ディスク10(図2)を回転させるためのターンテーブル6を有したスピンドルモータ7が取付けられている。
【0031】メインフレーム4にはガイドレール11a,11bが互いに平行に設けられており、ピックアップ5はこのガイドレール11a,11bに沿って移動可能に係合されて設けられており、光ディスクの読み取りするトラックを光ディスクの半径方向に選択可能に配置されている。ピックアップ5は、ピックアップ5を光ディスクの半径方向に移動して所定のトラックの導くために駆動スクリュー8に係合されている。駆動スクリュー8はその一端がステッピングモータ9に結合されている。
【0032】ステッピングモータ9の回転駆動により駆動スクリュー8が回転され、ピックアップ5は光ディスク半径方向に移動する。ピックアップ5の移動方向は、ステッピングモータ9の回転方向により決定される。
【0033】また、メインフレーム4上には第2の弾性部材31を介してサブフレーム32が取付けられている。
【0034】このような構成の光ディスク再生装置では、筐体1に外部振動が加えられると、メインフレーム4は弾性部材2を介して筐体1に対し弾性支持されているため、第1の弾性部材2の作用によりメインフレーム4側への振動が阻止される。
【0035】ここで、光ディスクを回転させると、メインフレーム4は、スピンドルモータ7で回転される光ディスク10のインバランスにより振動を生じ、メインフレーム4と第2の弾性部材31を介して設けられたサブフレーム32に伝達される。そこでサブフレーム32と第2の弾性部材31による伝達特性に従い振動することになる。
【0036】両振動系の共振周波数より十分低い周波数では、サブフレーム32はメインフレームと一体となって動き、共振周波数より十分高い周波数ではサブフレーム32はメインフレームからの振動がほとんど伝達されなくなる。
【0037】共振周波数付近では制動が小さいと振動が強調され、制動が大きいと二次共振の影響があらわれない。また、伝達される振動の位相は、共振周波数より低い周波数で同位相、共振周波数より高い周波数で逆位相、共振周波数で90度の位相となる。従って、共振周波数及び制動係数を適切に選択することによってほぼ共振周波数付近以下の振動周波数に対してサブフレーム32は振動抑制効果を生じる。
【0038】以上述べたように、メインフレーム4は第1の弾性部材2の作用により外部振動に対してはその影響を受けにくい構造を維持し、また光ディスク10のインバランス等によるメインフレーム4の振動はサブフレーム32と第2の弾性部材31で構成される動吸振作用により抑制され、ピックアップ5の光ディスク10に対する情報の読み取りが、光ディスク10の高速回転時にも正確に行うことができる。
【0039】ここで図3は、本発明による光ディスク再生装置の振動モデルを示す図である。図3において、図10と共通する部分には同一符号を付し重複する説明を省略する。図3のモデルから、前述した図10と同様な運動方程式を立てることが出来るが、その運動方程式より、図3のモデルによるシミュレーションを行った結果を図4?図7のグラフに示す。」
以上の記載事項及び図面からみて、引用例1には、次の発明(以下、「引用例1発明」という。)が記載されているものと認められる。
「メインフレーム4と、
メインフレーム4に、第2弾性体31を介して取付けられたサブフレーム32とを含む、
光ディスク再生装置。」
(2-2)引用例2
特開平4-79085号公報(以下、「引用例2」という。)には、下記の事項が図面とともに記載されている。
(か)「[産業上の利用分野]
本発明は磁気ディスクに情報の記憶、再生を行なわせる磁気ディスク装置に関する。」(第1頁左下欄末行?右下欄第2行)
(き)「[実施例]
以下、本発明の実施例を第1図ないし第4図に基づいて説明する。なお、前述の従来技術と同一構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
図中、21は前記ヘッドアーム11の中央部に穿設された後述のダンパ22を収容するダンパ収容部を示し、該ダンパ収容部21は略台形状に形成され、軸方向に凸溝部21Aを全周に設けることによりダンパ22の抜けを防止するようになっている。
22は弾性作用を有するゴム材料等によって、略台形状に形成されたダンパを示し、該ダンパ22は中央付近の軸方向に後述の重錘23を固着する重錘取付穴22Aが穿設され、該ダンパ22の側面には全周に前記ダンパ収容部21の凸溝部21Aに係合する凹溝部22Bが設けられている。
23は円柱状の重錘を示し、該重錘23は前記ダンパ22の重錘取付穴22A内に焼付けまたは接着剤により固着されている。
本実施例の磁気ディスク装置は上述の如く構成されるが、磁気ディスク装置としての作用は従来技術と差異がないので、その説明を省略するものとする。
然るに、本実施例においては、前記ヘッドアーム9に重錘23が固着されたダンパ22を設けることにより、ボイスコイルモータ12及び外部からの共振振動をダンパ22及び重錘23により吸収することができ、第4図に示すように2.8KHz付近での共振振動を確実に減衰させることができる。これによって、磁気ヘッド13の位置決め精度を確実に向上させることができ、磁気ディスク3の記憶、再生特性を効果的に向上させることができる。さらに、従来技術に比べ、ヘッドアーム11の軽量化が可能なために高速アクセスを可能にする。
なお、前記実施例ではダンパ22と重錘23をヘッドアーム9に設けるものとして述べたがキャリア7に設けてもよく、また、ロードアーム11に設けてもよい。
また、前記実施例ではダンパ22の形状を略台形状に形成したが、本発明はこの形状に限らず、重錘23がスイングアーム6と弾性をもって支持されるような形状であればよい。」(第3頁左上欄第7行?第3頁左下欄第11行)
(3)対比
本願補正発明と引用例1発明とを比較すると、後者の「メインフレーム4」は前者の「回転体を保持するベースシャシ」に相当し、同様に、「第2弾性体31」は「第1弾生体」に、「取付けられたサブフレーム32」は「接続された動吸振子」に、「光ディスク再生装置」は「光ディスク装置」にそれぞれ相当する。また、後者の「光ディスク再生装置」は「動吸振器を搭載した」ものである。
したがって、本願補正発明の用語に倣って整理すると、両者は、
「動吸振器を搭載した光ディスク装置であって、
回転体を保持するベースシャシと、
前記ベースシャシに、第1弾性体を介して接続された動吸振子とを含む、
光ディスク装置。」である点で一致し、以下の点で相違している。
[相違点1]
本願補正発明は「前記ベースシャシは、開口部を有し、前記動吸振子は、両端部を有し、前記開口部内で、一端および他端がそれぞれ別々の前記第1弾性体を介して接続され、前記ベーシャシと前記第1弾性体と前記動吸振子とは、略同一平面上に設けられる、」という事項を具備するのに対し、引用例1発明は、そのような事項を具備しない点。
(4)判断
[相違点1]について
引用例1発明のメインフレーム4に第2弾性体31を介して取付けられたサブフレーム32をどのように配置するかは、装置における各種の所要寸法、装置の簡素化等を勘案して適宜設計する事項にすぎない。
ここで、上記に摘記したとおり、引用例2には、磁気ディスク装置のスイングアーム6のヘッドアーム9にダンパ収容部21を穿設して、弾性作用を有するゴム材料等からなるダンパ22を収容するとともに、そのダンパ22の中央付近に重錘取付穴22Aを穿設して重錘23が固着されているものが示されている。そして、引用例2の特に第3図をみると、ヘッドアーム9とダンパ22及び重錘23は略同一平面上に設けられているということができる。このダンパ22及び重錘23は、ボイスコイルモータ12及び外部からの振動に起因してスイングアーム6等に発生する振動を減衰ないし吸収するものであり、このように、ダンパ22及び重錘23はそれが取付けられる部材に発生する振動を減衰ないし吸収するという点で引用例1発明の第2弾性体31及びサブフレーム32と共通するから、引用例1発明のメインフレーム4に第2弾性体31を介してサブフレーム32を取付けるにあたって、引用例2の上記事項を適用することは当業者が容易に想到し得たものと認められる。
ただ、引用例2のダンパ22は重錘23の全周に形成されているが、引用例2には上記に摘記したとおり、「また、前記実施例ではダンパ22の形状を略台形状に形成したが、本発明はこの形状に限らず、重錘23がスイングアーム6と弾性をもって支持されるような形状であればよい。」と記載されており、ダンパ22の形状はこのようなものに限られるものではないことが示唆されているとともに、一般に、重錘を「一端および他端」で弾性体を介して取り付けた振動減衰装置は、例えば、特開2002-257187号公報(特に図1、2)、特開2001-241499号公報(特に図1?4)、実願昭59-199193号(実開昭61-114141号)のマイクロフィルム(特に第1、4図)に示されているように周知であり、ダンパ22を形成する部位を全周ではなく、動吸振器の個数や発生する振動ないし対象とする振動の方向に応じて特定の部位に設定し得ることは明らかであり、そのようなことは適宜の設計的事項にすぎない。「一端および他端」で弾性体を介して取り付けるようにすることは、そのような適宜の設計として当業者が容易に想到し得たものと認められる。
そして、本願補正発明の作用効果は、引用例1、2に記載された発明に基づいて当業者が予測し得た程度のものである。

なお、請求人は審判請求の理由において、「しかしながら、引用文献1は本願発明の特徴である、「動吸振子は、ベーシャシに設けられた開口部内で、一端および他端がそれぞれ別々の第1弾性体を介して接続される」という点については何らの開示も示唆もない。」、「引用文献2においては、ヘッドアーム9と重錘23が保持されたダンパ22とは凸溝を介して隙間なく一体化されている。このような構成では重錘を保持したダンパの移動が制限されるため、上記したように、本願発明のような光ディスク装着における動吸振器としての十分な振動防止機能が発揮できない。すなわち、引用文献2は本願発明の特徴である、「動吸振子は、ベーシャシに設けられた開口部内で、一端および他端がそれぞれ別々の第1弾性体を介して接続される」という点については何らの開示も示唆もない。」と主張し、平成21年10月1日付け回答書において、「引用文献1と引用文献2とは、それぞれ動吸振器を取付ける対象が異なり、課題も異なるため、たとえ当業者といえども、引用文献2に開示の平面状の動吸振器を引用文献1に記載の光ディスク装置のベースシャシに適用する理由がありません。」、「これらの引用文献の技術分野は本願発明や引用文献1?3とはあまりにもかけ離れており、これらの引用文献に開示の内容を本願発明のような光ディスク装置のメインフレームに適用してもよいという開示や示唆は一切ありません。もし、審査官殿のご認定のとおり、引用文献4?6の技術手段が周知であるならば、この技術を引用文献2に適用したスイングアームが多数市販されているはずであり、…」と主張する。
しかし、引用例1発明のメインフレーム4に第2弾性体31を介してサブフレーム32を取り付けるにあたって、引用例2の上記事項を適用することは当業者が容易に想到し得たものと認められること、「一端および他端」で弾性体を介して取り付けるようにすることは当業者が容易に想到し得たものと認められることは、上記のとおりである。これに関連して、「ダンパの移動が制限されるため、上記したように、本願発明のような光ディスク装着における動吸振器としての十分な振動防止機能が発揮できない。」と主張するが、本願の図1には、一実施の形態として、その両端及び側面を第1弾性体15c、15d、及び15eに支持された状態で動吸振子14bが設けられるものが記載されており、弾性体の材質・物性が特定されていない以上、単に弾性体の配置・形状だけで振動防止機能を比較することは必ずしも適当でない。また、上記において挙げた特開2002-257187号公報、特開2001-241499号公報等に示される事項は、重錘を「一端および他端」で弾性体を介して取り付けるという振動減衰装置一般の技術的事項であり、特に用途・分野等が限定されるものではない。また、「多数市販されている」かどうかと容易想到性の成否との間には必ずしも直接的・必然的な関係はない。

したがって、本願補正発明は、引用例1、2に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
(5)むすび
本願補正発明について以上のとおりであるから、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定違反するものであり、本件補正における他の補正事項を検討するまでもなく、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

3.本願発明
平成21年4月28日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1?6に係る発明(以下、「本願発明1」?「本願発明6」という。)は、願書に添付された明細書、特許請求の範囲、及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1?6に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
「【請求項1】
回転体を保持するベースシャシと、
前記ベースシャシに、第1弾性体を介して接続された動吸振子とを含み、
前記ベースシャシと前記動吸振子とは、略同一平面上に設けられる、動吸振器。
【請求項2】
請求項1に記載の動吸振器を搭載した光ディスク装置。
【請求項3】
前記ベースシャシは、第2弾性体を介して、筐体に支持される、請求項2に記載の光ディスク装置。
【請求項4】
前記動吸振子は、ピックアップの移動する第1の方向に配列された第1動吸振子と、前記第1動吸振子に対して直交する方向に配列された第2動吸振子とを含む、請求項2または3に記載の光ディスク装置。
【請求項5】
回転体を保持する平面状のベースシャシを含み、
前記ベースシャシは、開口部を有し、
前記開口部に、第1弾性体を介して設けられた平面上の動吸振子とを含む、光ディスク装置。
【請求項6】
前記ベースシャシは多角形状である、請求項2から5のいずれかに記載の光ディスク装置。」

3-1.本願発明1について
(1)本願発明1
本願発明1は上記のとおりである。
(2)引用例
引用例1、2、及びその記載事項は上記2.に記載したとおりである。
(3)対比・判断
本願発明1は実質的に、上記2.で検討した本願補正発明の「前記ベースシャシは、開口部を有し、」という事項の「開口部を有し、」という事項を削除し、「動吸振子」について「前記動吸振子は、両端部を有し、前記開口部内で、一端および他端がそれぞれ別々の前記第1弾性体を介して接続され、前記ベーシャシと前記第1弾性体と前記動吸振子とは、略同一平面上に設けられる、」という事項を削除し、さらに、「動吸振器を搭載した光ディスク装置」という事項から「光ディスク装置」を削除して、「動吸振器」に係る発明とするものに相当する。
そうすると、本願発明1の構成要件をすべて含み、さらに他の構成要件を付加したものに相当する本願補正発明が、上記2.に記載したとおり、引用例1、2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明1も、実質的に同様の理由により、引用例1、2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
(4)むすび
以上のとおり、本願発明1は引用例1、2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に基づいて特許を受けることができない。

4.結論
上述のとおり、本願発明1が特許を受けることができないものである以上、本願発明2?6について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2010-01-22 
結審通知日 2010-01-26 
審決日 2010-02-08 
出願番号 特願2004-231256(P2004-231256)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (F16F)
P 1 8・ 121- Z (F16F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 間中 耕治  
特許庁審判長 山岸 利治
特許庁審判官 川本 真裕
藤村 聖子
発明の名称 動吸振器および光ディスク装置  
代理人 森下 八郎  
代理人 伊藤 英彦  
代理人 吉田 博由  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ