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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G01N
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G01N
管理番号 1215138
審判番号 不服2008-14065  
総通号数 126 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-06-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-06-05 
確定日 2010-04-15 
事件の表示 特願2001-146918「構造部材の寿命管理方法および寿命管理システム」拒絶査定不服審判事件〔平成14年11月27日出願公開、特開2002-340784〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成13年5月16日の出願であって、平成20年4月25日付けで拒絶査定がされ、これに対し、同年6月5日に拒絶査定不服審判の請求がされるとともに、同年7月7日付けで手続補正(以下、「本件補正」という。)がなされたものである。


第2 本件補正の補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成20年7月7日付けの手続補正を却下する。
[理由]
1 補正後の本願発明
本件補正は、特許請求の範囲の補正を含み、平成20年3月19日付けの手続補正書の特許請求の範囲の請求項1を以下のとおりに補正するものである。(下線部は補正箇所を示す。)
「 フェライト系またはマルテンサイト系のステンレス鋼を用いて構成される構造部材の寿命管理方法において、
前記構造部材のステンレス鋼の供用開始前の機械的特性値ならびに過去の使用時間および温度履歴を入力し、あらかじめ求めた温度および時間の関数として得られた、材料の劣化の程度を示す第(5)式の劣化度推定曲線を用いて、現在の機械的特性値を求め、求められた機械的特性値が予め定められた限界値を超えたかどうかにより前記構造部材の寿命判定をすること、を特徴とする寿命管理方法。
log t_(3) = log t_(1) - (Q/R)(1/T_(1)-1/T_(3)) ・・・(5)
(Rは気体定数、Qは活性化エネルギで、Q=R(log t_(1)-log t_(2))/(1/T_(1)-1/T_(2))、t_(1)は温度T_(1)における劣化度α’に対応する時間、t_(2)は温度T_(2)における劣化度α’に対応する時間、t_(3)は温度T_(3)における劣化度α’に対応する時間)」(以下、「本願補正発明」という。)

上記補正は、発明特定事項である活性化エネルギについて、活性化エネルギQを定義する式「Q=R(log t_(1)-log t_(2))/(1/T_(1)-1/T_(2))」および前記式に用いられる「t_(2)」および「T_(2)」を特定するものであるから、発明特定事項を限定するものであるといえる。
したがって、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

そこで、本願補正発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について、以下に検討する。

2 引用刊行物記載の発明
原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に頒布された刊行物である特開平3-15768号公報(以下、「引用例」という。)には、以下の記載がある。
[a]「〔産業上の利用分野〕
本発明は、複数の部品で構成され各部品の寿命が全体の寿命に関係する部品集合体の余寿命を診断する方法及び装置に係り、特に、適確な余寿命を診断するに好適な余寿命診断方法及び装置並びに診断結果を表示する表示方法及び装置と、求めた余寿命からどの様な対策を溝じる必要があるかを推論するエキスパートシステムに関する。」(第6頁左上欄第7?14行)
[b]「 この部品劣化解析部は、機器を構成する部品の加速寿命試験データの信頼性解析結果に基づいて機器の余寿命を予測するものである。この場合、機器の余寿命は、ある運転条件下で機器構成部品の曲げ強さ,硬さ等の劣化特性値の変化を評価することにより予測できる。
先ず、最初のステップにて、データベース7に格納されている発電プラントの構成部品の故障情報あるいは加速寿命試験データを読み込む。次のステップでは、読み込んだデータを用いワイブル分布解析等の信頼性解析を行う。この信頼性解析により、その部品の故障形態を表すワイブル形式パラメータm_(i)(初期故障であればm_(i)<1,偶発故障であればm_(i)=1,摩耗故障であればm_(i)>1)、及び特性寿命を示す尺度パラメータη_(i)を求める。
次のステップでは、上記両パラメータと対象機器の運転履歴時間tとから次式(2)にてその部品の信頼度R_(i)を求める。
R_(i)=exp{-(t/η_(i))^(mi)) …(2)
尚,この信頼度R_(i)は後で使用する。
そして次に、例えば温度等の運転環境条件履歴データを読み込み、部品寿命の劣化傾向解析を行って部品の劣化特性値σを(1)及び(3)式により求める。
σ=σ_(0)exp{-f(T)x t^(α)) …(1)
f(T)=xT^(2)+yT+z …(3)
ここで、σ_(0)は劣化特性値の初期値,Tは温度,x,y,zは実験定数であり、f(T)は寿命データの近似式である。一般にα=1である。
ここで、例えば発電プラントを構威する部品の一つである制御捧駆動装置(以下CRDという)を採り上げる.このCRDを構成する多数の構成部品の一つのカーボンシールがある。このカーボンシールは、その曲げ強さが運転温度の増加に従って低下する傾向にある。曲げ強さの劣化傾向を示す近似式が(1)式である。第7図にカーボンシールの特性図を示す。
次にその部品の劣化特性限界値σ_(C)を設定し、例えば第8図に示す様に、部品の劣化傾向及び劣化特性限界値から、当該部品の限界値到達時間つまりその部品の余寿命L_(1i)を(4)式にて求める。
L_(1i)=log(σ_(0)/σ_(c))/f(T)-t …(4)」(第8頁左上欄第9行?同頁左下欄第10行)
[c]「〔発明の効果〕
本発明によれば、被診断対象の余寿命を適確且つ迅速に予測できるので、予防保全の万全を図ることが可能となる。」(第16頁右上欄第5?8行)
上記[a]および[b]の記載によれば、引用例には、
「劣化特性値の初期値σ_(0)および温度等の運転環境条件履歴データを読み込み、部品寿命の劣化傾向解析を行って部品の劣化特性値σを求め、次にその部品の劣化特性限界値σ_(C)を設定し、部品の劣化傾向及び劣化特性限界値から、当該部品の限界値到達時間つまりその部品の余寿命L_(1i)を求める余寿命を診断する方法。」の発明(以下、「引用例発明」という。)が記載されていると認められる。

3 対比
本願補正発明と引用例発明とを対比する。
(ア)本願補正発明の「寿命管理方法」は最後に「構造部材の寿命判定をする」ものであるから、引用例発明の「部品の限界値到達時間つまりその部品の余寿命L_(1i)を求める余寿命を診断する方法」と本願補正発明の「フェライト系またはマルテンサイト系のステンレス鋼を用いて構成される構造部材の寿命管理方法」とは、「構造部材の寿命管理方法」である点で共通する。
(イ)引用例発明の「劣化特性値の初期値σ_(0)および温度等の運転環境条件履歴データを読み込」む工程と本願補正発明の「前記構造部材のステンレス鋼の供用開始前の機械的特性値ならびに過去の使用時間および温度履歴を入力」する工程とは、「前記構造部材の供用開始前の機械的特性値ならびに温度履歴を入力」する工程である点で共通する。
(ウ)引用例発明の「部品寿命の劣化傾向解析を行って部品の劣化特性値σを求め」る工程と本願補正発明の「あらかじめ求めた温度および時間の関数として得られた、材料の劣化の程度を示す第(5)式の劣化度推定曲線を用いて、現在の機械的特性値を求め」とは、「あらかじめ求めた温度の関数として得られた、材料の劣化の程度を示す劣化度推定曲線を用いて、現在の機械的特性値を求め」る工程である点で共通する。
(エ)引用例発明の「部品の劣化傾向及び劣化特性限界値から、当該部品の限界値到達時間つまりその部品の余寿命L_(1i)を求める」工程と本願補正発明の「求められた機械的特性値が予め定められた限界値を超えたかどうかにより前記構造部材の寿命判定をする」工程とは、「求められた機械的特性値及び予め定められた限界値から前記構造部材の寿命判定をする」工程である点で共通する。
したがって、両者は、
「構造部材の寿命管理方法において、前記構造部材の供用開始前の機械的特性値ならびに温度履歴を入力し、あらかじめ求めた温度の関数として得られた、材料の劣化の程度を示す劣化度推定曲線を用いて、現在の機械的特性値を求め、求められた機械的特性値及び予め定められた限界値から前記構造部材の寿命判定をする寿命管理方法。」である点で一致し、以下の点で相違する。
[相違点1]構造部材が、本願補正発明では「フェライト系またはマルテンサイト系のステンレス鋼を用いて構成される構造部材」であるのに対し、引用例発明では部品の材質を特定していない点。
[相違点2]劣化度推定曲線が、本願補正発明では「温度および時間の関数」であって、第(5)式、つまり
「 log t_(3) = log t_(1) - (Q/R)(1/T_(1)-1/T_(3)) ・・・(5)
(Rは気体定数、Qは活性化エネルギで、Q=R(log t_(1)-log t_(2))/(1/T_(1)-1/T_(2))、t_(1)は温度T_(1)における劣化度α’に対応する時間、t_(2)は温度T_(2)における劣化度α’に対応する時間、t_(3)は温度T_(3)における劣化度α’に対応する時間)」
という関係を満たす曲線であり、そのため過去の使用時間も入力するのに対し、引用例発明では温度の関数であって上記関係を満たす曲線ではなく、過去の使用時間を読み込んでいない点。
[相違点3]寿命判定が、本願補正発明では「求められた機械的特性値が予め定められた限界値を超えたかどうかにより」行われるのに対し、引用例発明では余寿命を求めることにより行われている点。

4 判断
上記相違点について検討する。
[相違点1]について
フェライト系ステンレス鋼またはマルテンサイト系ステンレス鋼においても時効に伴う劣化特性を分析することは周知である。例えば、特開昭61-246661号公報には、耐熱鋼の脆化検出法として、鋼中の不純物元素が結晶粒界に偏析して粒界強度を弱化させるために起こると考えられる焼戻し脆化(第1頁右下欄第20行?第2頁左上欄第4行)の検査を、化学組成的な分類では中Cr耐熱鋼および高Cr耐熱鋼など、組織的分類ではマルテンサイト系、フェライト系およびオーステナイト系耐熱鋼などを検査対象とする(第4頁右上欄第4?15行)ことが記載されている。また、駒崎慎一ら,“W強化型9%Crフェライト系耐熱鋼の熱時効ぜい化と電気化学的手法によるその評価”, 「材料」J.Soc.Mat.Sci.,Japan), vol.49, no.8, p.919-926, 平成12年8月 には、W強化型9%Crフェライト系耐熱鋼について、Laves相の析出量増加が時効に伴う衝撃特性劣化の主たる要因であることが記載されている。さらに、村山ら,“PH17-4ステンレス鋼の中温度領域における時効による相分離と析出”, 材料とプロセス, Vol.11, No.3, p.527, 平成10年3月5日発行 には、マルテンサイト相中では長時間時効後にCu析出物の粗大化が生じると共に、これを不均一核生成サイトとして靱性を低下させることが知られているG相が微細に析出し、材料の機械的特性の劣化を促進すると考えられることが記載されている。また、坪田基司,“高温純水中におけるマルテンサイト系ステンレス鋼の環境劣化”,日本材料高度学会講演論文集(1992), p.52-55, 平成4年6月18日 には、マルテンサイト系ステンレス鋼の耐SCC性の低下はα'析出に起因して生じることが記載されている。なお、榎本邦夫ら,“経年模擬ステンレス鋼の機械的特性評価”, 日本機械学会論文集(A編), 59巻565号, p.2027-2033, 平成5年9月25日発行 には、フェライト相を含む二相ステンレスにおいて、フェライト相の二相分離による脆化をArrheniusの式に依存するとして、等価熱時効時間を用いて実験結果を整理することが記載されている。
したがって、引用例発明の方法を、フェライト系またはマルテンサイト系のステンレス鋼を用いて構成される構造部材の診断に適用することは、当業者が容易に想到しうることである。

[相違点2]について
相違点1において検討したように、診断の対象とする部材をフェライト系またはマルテンサイト系のステンレス鋼とした場合、その劣化が、元素の偏析や相の析出に起因するものであることは、相違点1において挙げた周知例に示されるように周知である。そして、偏析や析出が、温度および時間の関数であり、アレニウスの式で示すことができる曲線に従うことも周知である。例えば、社団法人日本機械学会編,“動力プラント・構造物の余寿命評価技術”, 技報堂出版株式会社, 平成4年4月10日, 第27?35頁には、特に第29頁に
「 加熱後の試料断面を光学顕微鏡で観察すると図2.3に示す通りであり,酸化膜の生成以外に,結晶粒界に沿った侵食,脱クロム層(合金中のCrが選択的に消失した層)などの現象が見られ,前項で述べた理想系の酸化皮膜と相当異なった様相を示している.しかし,これらの諸現象の反応速度(ΔWt)と温度(T,K)の関係は,次のように表わすことができる.
ΔWt=Aexp(-Q/RT) (2.5)
ここに,Aは定数,Rはガス定数,Qは活性化エネルギー,Tは絶対温度である.あまた,ここでは反応速度は変化量(ΔWt/t)としても表わされるので,
ΔWt/t=Aexp(-Q/RT)あるいは1/t=Aexp(-Q/RT) (2.6)
となる.これはT(C+logt)=一定と表わされ,一定の変化に対して絶対温度(T)と時間(C+logt)に比例する次式が成立する.
ΔWt=A(A+B+logt)+Ko (2.7)
ここで,A,Bは比例常数,tは時間,Koは常数、ΔWtは求める長時間加熱後の合金試料の片面減肉厚さ,酸化皮膜の厚さ,粒界侵食厚さ,脱クロム層の深さなどである.」
と記載されている。本願補正発明の第(5)式は、上記(2.6)式に、一定の変化量(劣化量)に対応する温度T_(1)、時間t_(1)および温度T_(3)、時間t_(3)を代入し、変化量(劣化量)をキャンセルしたものであり、本願補正発明の「Q=R(log t_(1)-log t_(2))/(1/T_(1)-1/T_(2))」の関係式も、上記(2.6)式に一定の変化量に対する温度T_(1)、時間t_(1)および温度T_(2)、時間t_(2)を代入し、活性化エネルギーQについて解いたものであるから、上記(2.6)式を変形して表現したものに過ぎない。そして、アレニウスの式の表現は、当業者が適宜変形しうるものである。
したがって、引用例発明において、診断の対象とする部材をフェライト系またはマルテンサイト系のステンレス鋼とした場合、その関係式を温度および時間の関数であるアレニウスの式とし、周知のアレニウスの式を変形した上記相違点2の式で表現し、読み込まれる温度等の運転環境条件履歴データに過去の使用時間を含めることにより、上記相違点2の構成とすることは、当業者が適宜なし得ることである。

[相違点3]について
引用例発明は、[b]の記載によれば、余寿命L_(1i)を、部品の劣化傾向及び劣化特性限界値を用いて換算された「時間」から運転履歴時間tを差し引いて求めている((4)式)。ここで、余寿命が0以下と算出される場合には、当該部品が寿命に達していることを意味することは自明である。余寿命を演算または寿命に達していることを判断するために、換算された「時間」を用いるか、換算される前の劣化傾向および劣化特性限界値を用いるかは、当業者が適宜選択しうることである。
したがって、引用例発明において、換算された時間から余寿命を求める代わりに、特性値が限界値を超えたかどうかにより、寿命を判定するようにすることは、当業者が適宜なし得ることである。

そして、本願補正発明の効果について検討すると、本願補正発明の効果は、明細書の段落【0043】の記載によれば、「マルテンサイト系またはフェライト系のステンレス鋼を使用した機器の破損を未然に防止することができる。」というものであるが、引用例も[c]に記載されるように、「予防保全」を図ることが可能なものであり、上記周知技術に記載されているように、マルテンサイト系またはフェライト系のステンレス鋼においても劣化特性を分析することは周知である。
したがって、本願補正発明の効果は、引用例に記載された発明および上記周知技術から当業者が予測できる範囲のものであって、格別なものであるとはいえない。

したがって、本願補正発明は、引用例に記載された発明および上記周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

5 まとめ
以上のとおり、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。


第3 本願発明
1 本願発明の認定
上記のとおり、本件補正は却下されることとなったので、本願の請求項1?13に係る発明は、平成20年3月19日付けの手続補正書の特許請求の範囲の請求項1?13に記載された事項により特定されるとおりのものと認められ、その請求項1に係る発明は以下のとおりである。
「 フェライト系またはマルテンサイト系のステンレス鋼を用いて構成される構造部材の寿命管理方法において、
前記構造部材のステンレス鋼の供用開始前の機械的特性値ならびに過去の使用時間および温度履歴を入力し、あらかじめ求めた温度および時間の関数として得られた、材料の劣化の程度を示す第(5)式の劣化度推定曲線を用いて、現在の機械的特性値を求め、求められた機械的特性値が予め定められた限界値を超えたかどうかにより前記構造部材の寿命判定をすること、を特徴とする寿命管理方法。
log t_(3) = log t_(1) - (Q/R)(1/T_(1)-1/T_(3)) ・・・(5)
(Rは気体定数、Qは活性化エネルギ、t_(1)は温度T_(1)における劣化度α’に対応する時間、t_(3)は温度T_(3)における劣化度α’に対応する時間)」(以下、「本願発明」という。)

2 引用刊行物記載の発明
原査定の拒絶の理由に引用された引用例およびその記載事項は、前記「第2 2 引用刊行物記載の発明」に記載したとおりである。

3 対比・判断
本願発明は、本願補正発明における活性化エネルギについての特定を省いたものに相当する。
そうすると、本願補正発明の構成要件をすべて含み、さらに限定を付加したものに相当する本願補正発明が、前記「第2 4 判断」に記載したとおり、引用例に記載された発明および上記周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明の同様の理由により、当業者が容易に発明をすることができたものである。

4 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例に記載された発明および上記周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、その他の請求項に係る発明について言及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2010-02-12 
結審通知日 2010-02-16 
審決日 2010-03-01 
出願番号 特願2001-146918(P2001-146918)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (G01N)
P 1 8・ 121- Z (G01N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 福田 裕司  
特許庁審判長 後藤 時男
特許庁審判官 宮澤 浩
郡山 順
発明の名称 構造部材の寿命管理方法および寿命管理システム  
代理人 鹿股 俊雄  

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