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審決分類 |
審判 査定不服 特36条4項詳細な説明の記載不備 特許、登録しない。 G06T 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない。 G06T |
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管理番号 | 1215549 |
審判番号 | 不服2008-7990 |
総通号数 | 126 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2010-06-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2008-04-03 |
確定日 | 2010-04-21 |
事件の表示 | 特願2002-544675「湾曲再形成画像を対話式で表示させるための方法及び装置。」拒絶査定不服審判事件〔平成14年 5月30日国際公開、WO02/43010、平成16年 5月20日国内公表、特表2004-514972〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は、平成13年11月9日(米国優先権主張平成12年11月27日)の出願であって、平成19年8月29日付けで拒絶理由が通知され、これに対して平成19年10月31日付けで手続補正書及び意見書が提出されたが、平成20年2月12日付けで拒絶査定がされ、これに対して平成20年4月3日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに同日付けで手続補正書が提出されたものである。 2.拒絶査定の要点 (1)拒絶査定は、平成19年8月29日付け拒絶理由通知書に記載された理由1乃至3によってなされたものである。 この内、理由3は以下のとおりである。 「理由3] 「この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第4項及び第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 記 1.請求項1,10の「サンプリング・ベクトル」と「湾曲再形成画像」との関係が不明である。請求項3,7,12,16の「サンプリング・ベクトル」と「湾曲した再構成画像」との関係についても不明である。 2.請求項4,13の「関心対象(52)のあるフィーチャ」とは如何なる概念であるか不明である。 3.請求項5,14の「回転ベクトルを折れ線の向きの関数として選択する」とは如何なる意味か不明である。 4.請求項6,15の「最高のイメージング分解能を提供する面に最も近い回転ベクトル及び基準ベクトルを選択する」とは如何なる意味か不明である。ベクトルが面に近いという表現は、面とベクトルとの間に距離が定義されていることが前提であると考えられるが、そもそも面とベクトルの間に距離は定義できない(位置ベクトルであれば定義可能であるが、回転ベクトルも基準ベクトルも位置ベクトルでないことは明らかである)。 」 (2)平成20年2月12日付け拒絶査定における、理由3についての備考は次のとおりである。 「理由3(特許法36条)について 請求項1-10の「サンプリングベクトル」と「湾曲再形成画像」との関係が依然として不明である。回転ベクトルや基準ベクトルについて何ら制約が無いことから、どのようなサンプリングベクトルが生成されるのかが不明であり(ランダムに生成されることも含まれている)、どのような意味を持つ画像が生成されるのか全く理解できない。」 3.本願特許請求の範囲 平成20年4月3日付けで提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の記載は以下のとおりである。 「【請求項1】 再構成したコンピュータ断層(CT)画像(50)のサンプリング表面を対話式で回転させ、表示するための方法であって、 患者(22)のあるボリュームをスキャンすることにより収集された複数スライスの画像データの画像スライスであって、蛇行形状を有する前記患者(22)の関心対象構造(52)を含む画像スライスをディスプレイ(42)が表示するステップと、 前記関心対象構造の中心線を近似した折れ線をコンピュータが規定するステップと、 前記折れ線に沿ってサンプリング・ベクトルを移動し、等距離の点において、前記複数スライスのコンピュータ断層画像データの値をサンプリングしてコンピュータが前記関心対象構造(52)に対応する湾曲再形成画像(54)を生成するステップと、 前記サンプル・ベクトルの基準軸Oを回転ベクトルRの周りにθだけ回転させることにより、新たなサンプリング・ベクトルを前記コンピュータが生成するステップと、 前記折れ線に沿って前記新たなサンプリング・ベクトルを移動し、等距離の点において、前記複数スライスのコンピュータ断層画像データの値をサンプリングして前記関心対象構造(52)に対応する新たな湾曲再形成画像(54)を前記コンピュータが作成するステップと、 を含む方法。 【請求項2】 折れ線を規定する前記ステップが、中心線追跡アルゴリズムを用いて前記折れ線を前記コンピュータが作成することを含む、請求項1に記載の方法。 【請求項3】 前記コンピュータが複数の角度を逐次ループで作成するステップと、前記複数の角度の各々に関して新たなサンプリング・ベクトルを前記コンピュータが生成するステップと、前記新たなサンプリング・ベクトルの各々に対応した湾曲した再形成画像(54)を前記コンピュータが作成するステップと、をさらに含む請求項1または2に記載の方法。 【請求項4】 少なくとも一つの前記湾曲再形成画像(54)を前記コンピュータが記憶媒体に保存するステップをさらに含む請求項3に記載の方法。 【請求項5】 -前記記憶媒体がフィルムを含む、請求項4に記載の方法。 【請求項6】 コンピュータ(36)を含み、再構成したコンピュータ断層(CT)画像(50)のサンプリング表面を対話式で回転させ、表示するためのシステム(10)であって、 前記コンピュータ(36)は、 患者(22)のあるボリュームをスキャンすることにより収集された複数スライスのコンピュータ断層画像データから選択した蛇行形状を有する前記患者(22)の関心対象構造(52)を含む画像スライスをディスプレイ(42)上に表示すること、 前記関心対象構造の中心線を近似した折れ線を規定すること、 前記折れ線に沿ってサンプリング・ベクトルを移動し、等距離の点において、前記複数スライスのコンピュータ断層画像データの値をサンプリングしてコンピュータが前記関心対象構造(52)に対応する湾曲再形成画像(54)を生成すること、 前記サンプル・ベクトルの基準軸Oを回転ベクトルRの周りにθだけ回転させることにより、新たなサンプリング・ベクトルを生成すること、 前記折れ線に沿って新たなサンプリング・ベクトルを移動し、等距離の点において、前記複数スライスのコンピュータ断層画像データの値をサンプリングして前記関心対象構造(52)に対応する新たな湾曲再形成画像(54)を作成すること、 を行うように構成されている、システム(10)。 【請求項7】 前記折れ線を規定するために、中心線追跡アルゴリズムを用いて前記折れ線を作成するように構成した請求項6に記載のシステム(10)。 【請求項8】 さらに、複数の角度を逐次ループで作成すること、前記複数の角度の各々に関して新たなサンプリング・ベクトルを生成すること、並びに前記新たなサンプリング・ベクトルの各々に対応した湾曲した再形成画像(54)を作成すること、を行うように構成した請求項6または7に記載のシステム(10)。 【請求項9】 さらに、前記複数スライスの画像データを収集するように患者(22)のあるボリュームをスキャンするように構成した請求項6に記載のシステム(10)。 【請求項10】 前記複数スライスの画像データを、電子記憶媒体と通信リンクからなる群のうちの少なくとも一つの要素を介して受け取るように構成した請求項6に記載のシステム(10)。 」 4.当審の判断 (1)請求項1の記載が特許法第36条第6項第2号の規定を満たしているか否かについて検討する。 依然として、回転ベクトルや基準ベクトルについて何ら定義されておらず、制約が無いことから、どのようなサンプリングベクトルが生成されるのかが不明であり、生成されるサンプリングベクトルが不明であれば、どのような意味を持つ画像が生成されるのかも不明である。結局、(新たな)サンプリングベクトルによりどのような新たな湾曲再形成画像との関係が生成されるか依然として不明である。 サンプリングベクトルについては、折れ線に沿って移動すること、基準軸Oを回転ベクトルRの周りにθだけ回転させることが特定されているのみである。 そもそも「前記サンプリング・ベクトルの基準軸O」とは何を意味するか不明であり、ここで、基準軸Oと回転ベクトルRについては、その位置づけが何ら特定されていない。 よって、請求項1には、発明を受けようとする発明が明確に記載されていない。 なお、余の請求項2?10においても、基準軸Oと回転ベクトルRについては、その位置づけは何ら特定されていない。これら請求項においても発明を受けようとする発明は明確に記載されていない。 (2)次に、発明の詳細な説明の記載が第36条第4項の規定を満たしているか否かについて検討する。 基準軸Oと回転ベクトルRについては、関連する内容が段落0016?0020に次のとおり記載されている。 「 【0016】 本発明の実施の一形態では、患者22のあるボリュームに対してスキャンを実行し、複数スライスの画像データの収集を得ている。図3を参照すると、ディスプレイ42上に表示させるように一つの画像50が選択されている。次いで、関心対象構造52の中心線を近似した折れ線Pを規定する。この規定は、例えば、中心線を追跡する自動化方法を用いたり、あるいはユーザが手入力したデータを用いて実施する。例えば、この手入力は、その関心対象構造を含んでいるボリュームの任意のビュー上で、マウスその他のポインティング・デバイスを用いて描き出しをすることにより得られる。 【0017】 さらに、回転軸(すなわち、ベクトル)Rを規定する。実施の一形態では、この回転軸は自由に決めてかまわない。また別に、関心対象構造の全体的な向きに最も近い座標ベクトル(X、YまたはZ)を用いると、より直感的な制御が提供される。別の実施形態では、回転軸(すなわち、ベクトル)Rは折れ線Pの向きから規定している。別の任意の軸を使用することもできる。 【0018】 次に、基準軸(すなわち、ベクトル)Oを規定する。実施の一形態では、この軸は、R(例えば、{X,Y,Z}からの別のベクトルや解剖学的フィーチャに関連するベクトル)と直角である。解剖学的フィーチャに関連するベクトルの一例は、関心対象構造からの枝の軸がRにより規定される面上に投影されたものである。実施の一形態では、回転ベクトルRと基準軸(すなわち、ベクトル)Oは共に、最高の画像分解能を提供する面に最も近くなるように選択される。 【0019】 次いで、例えばユーザからの入力を用いるか逐次ループの自動生成によって角度θを規定する。OをRの周りにθだけ回転させることにより新たなサンプリング・ベクトルSが生成される。実施の一形態では、逐次ループの各実行ごとに新たに一つのサンプリング・ベクトルSが生成される。 【0020】 実施の一形態で図4を参照すると、次いで、P及びSによる規定に従い、それ以外のパラメータはすべて同じのままとしながら湾曲再形成画像54を作成している。実施の一形態で図5及び6を参照すると、追加の湾曲再形成画像(例えば、56及び58)を作成している。一つまたは複数の画像54は、例えば、長期記憶装置、短期記憶装置及び/またはフィルムやペーパーに保存している。 」 しかしながら、当該段落には、基準軸Oと回転ベクトルRについての位置づけを特定する記載はない。その結果、基準軸Oと回転ベクトルRが「新たな湾曲再形成画像」の生成とどのように関連するかについて著しく不明である。 回転軸(すなわち、ベクトル)Rは自由に決めてかまわないこと、基準軸がRと直角であることは明記されているが、その他については何ら規定されていない。 回転ベクトルや基準ベクトルについて何ら制約が無いのであれば、どのようなサンプリングベクトルが生成されるのかが不明であり、結果として、どのような意味を持つ画像が湾曲再形成画像として生成されるのか不明である。 本願発明の課題、目的は段落0006?0009に、 「 【0006】 周知の一技法では、湾曲再形成画像は、等距離の点において曲線に沿って値をサンプリングして線(lines)を生成し、次いでこの曲線をサンプリング・ベクトルを用いて平行移動させて次の画像線(すなわち、任意の2D向きに沿う)を生成することにより作成される。各点を極座標系で表現することにより、座標系の上側の二つの象限内にある点のすべてについて、3次スプライン(cubic spline)アルゴリズムを適用して再定義した点の組とし、これにより所望の曲線に最も近い一連の関数を生成させている。次いで、表示させる画素値を選択するための画面座標を生成させるように変換を実施している。さらに、元の曲線から等距離にある追加の曲線を生成させスキャンした構造に対する追加のビューを作成している。これら追加の曲線の計算についても、元の曲線に対する3次スプライン係数の極座標表示を用いている。これらの係数は、均一の長さの垂線を作図する基点となる中間のデータ点を決定するために使用される。それぞれの垂線を所望の長さだけ横に延ばすことによって、元の曲線から等距離にある新たなデータ点が計算される。 【0007】 こうした周知の技法及びシステムでは、蛇行状構造の表示に十分に適合した対話式調整を提供できていない。例えば、幾つかの周知の実現形態では、曲線を対話式に平行移動させているが、サンプリング曲線が対象の外部に位置することがあるため蛇行状構造の場合にアーチファクトが生成される。こうしたアーチファクトは擬似的狭窄と類似している。 【0008】 幾つかのフィーチャ(例えば、分岐部、局所的狭窄、及び石灰化)を表示させるには、サンプリング・ベクトルを手作業で再定義する必要がある。この処理は時間がかかる。さらに、選択したフィーチャが描出されるように表示を調整することが困難である。さらに、この表示では、サンプリング・ベクトルを選択する時点で目標とするフィーチャが既知であることを前提としている。したがって、病変となり得る箇所が事前には既知でないため、この周知の方法は医学的検討で実用可能でない。 【0009】 したがって、蛇行状構造を対話式に表示及び調整するための方法及び装置を提供できることが望ましい。 」 と記載されている。 また、この出願の発明によって生成される新たな湾曲再形成画像がどういうものであるかについては、上掲したように、段落【0020】には、「実施の一形態で図4を参照すると、次いで、P及びSによる規定に従い、それ以外のパラメータはすべて同じのままとしながら湾曲再形成画像54を作成している。実施の一形態で図5及び6を参照すると、追加の湾曲再形成画像(例えば、56及び58)を作成している。」と記載されている。 すなわち、本願の発明における 「前記折れ線に沿ってサンプリング・ベクトルを移動し、等距離の点において、前記複数スライスのコンピュータ断層画像データの値をサンプリングしてコンピュータが前記関心対象構造(52)に対応する湾曲再形成画像(54)を生成するステップと、 前記サンプル・ベクトルの基準軸Oを回転ベクトルRの周りにθだけ回転させることにより、新たなサンプリング・ベクトルを前記コンピュータが生成するステップと、 前記折れ線に沿って前記新たなサンプリング・ベクトルを移動し、等距離の点において、前記複数スライスのコンピュータ断層画像データの値をサンプリングして前記関心対象構造(52)に対応する新たな湾曲再形成画像(54)を前記コンピュータが作成する」 とは、【図4】の湾曲再形成画像(54)に対して【図5】や【図6】に示されるような追加の湾曲再形成画像(56、58)を生成することであることが示されている。 しかしながら、【図4】の湾曲再形成画像(54)に対して【図5】や【図6】に示されるような追加の湾曲再形成画像(56、58)を生成することが、どのような手法によって具現化しているのかについては、発明の詳細な説明には何ら記載されていない。 「蛇行状構造を対話式に表示及び調整する」ことをどのように具現化しているか、発明の詳細な説明には、その分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができる程度の説明が記載されていない。 なお、審判請求人は、平成21年5月22日審尋に対する平成21年10月30日付け回答書において、 「 また、「新たな湾曲再形成画像」もこの折れ線に沿って「新たなサンプリング・ベクトル」を移動し、等距離の点において、前記複数スライスのコンピュータ断層画像データの値をサンプリングすることにより生成される画像が「新たな湾曲再形成画像」であり、明確であると思料致します。 すなわち、「新たなサンプリング・ベクトル」は、「サンプル・ベクトル」の基準軸Oを回転ベクトルRの周りにθだけ回転させたものであります。 基準軸Oと回転ベクトルRが、様々に設定されたとしても、一旦、基準軸Oと回転ベクトルRが決定されれば、「サンプル・ベクトル」に対する「新たなサンプリング・ベクトル」は、決定することができます。このため、「新たな湾曲再形成画像」も生成することができます。よって、「サンプリングベクトル」と「湾曲再形成画像」の関係に加え「新たなサンプリングベクトル」と「新たな湾曲再形成画像」との関係も明確であると思料いたします。 」 と述べているが、「基準軸Oと回転ベクトルRが、様々に設定され」るのであれば、「新たなサンプリング・ベクトル」も様々に生成されることになり、それでは、どのようなものが「新たな湾曲再形成画像」として生成されるのか不明であるから、発明内容は明確でないと言わざるを得ない。 したがって、審判請求人の回答書における主張は採用することができない。 5.付記(特許法第29条第2項による拒絶査定の判断) 拒絶査定の他の理由である[理由1]について言及しておく。 [理由1]は特許法第29条第2項による拒絶理由である。 [理由1]で提示した刊行物1および4?6には、出願人(審判請求人)が平成19年10月31日付け意見書において認めているように、管腔の中心線を求めて中心線に応じて2次元画像を作成することが開示されている。 例えば刊行物1には、メモリ16には管腔の中心線を座標軸として変換した画像情報(本願発明における「湾曲再形成画像」に相当)が格納されている。刊行物1には、その格納されている情報を元に所望の断面図あるいは断面展開図を表示することが記載されている。すなわち、刊行物1には、管腔の中心線を座標軸として変換した画像情報について、更に変換した所望の画像情報を生成する発明が記載されている。 本願請求項1に係る発明と、該刊行物1に記載されている発明を対比すると、刊行物1には、本版請求項1の構成要素である、 「前記折れ線に沿ってサンプリング・ベクトルを移動し、等距離の点において、前記複数スライスのコンピュータ断層画像データの値をサンプリングしてコンピュータが前記関心対象構造(52)に対応する湾曲再形成画像(54)を生成するステップと、 前記サンプル・ベクトルの基準軸Oを回転ベクトルRの周りにθだけ回転させることにより、新たなサンプリング・ベクトルを前記コンピュータが生成するステップと、 前記折れ線に沿って前記新たなサンプリング・ベクトルを移動し、等距離の点において、 前記複数スライスのコンピュータ断層画像データの値をサンプリングして前記関心対象構(52)に対応する新たな湾曲再形成画像(54)を前記コンピュータが作成する」 ことは、開示されていないから、両者には一応の相違点がある。 しかしながら、画像の変換の際に、ベクトルを定義して、これを移動、回転して所望の画像変換をすること自体は周知技術であり、そのようなステップを設けることは単なる設計的事項であるから、このこと自体に格別の進歩性は認められない。 本願の請求項1における該構成要件の意味は上記したように、【図5】、【図6】に示されるような画像を得るための手段であるとは推察されるが、該構成要件が具体的にどのような手法を意味するか不明であり、発明の詳細な説明にも具体的手段が記載も開示もされていない。 したがって、拒絶査定における特許法第29条第2条の判断の是非について、当審で判断することができない。 6.むすび 以上のとおりであるから、この出願は、特許請求の範囲及び発明の詳細な説明の記載が特許法第36条第4項及び第6項第2号に規定する要件を満たしていない、とした拒絶査定に誤りはない。 よって、他の理由について検討するまでもなく、原査定を取り消す、この出願の発明は特許すべきものであるとする審判請求の趣旨は認められないから、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2009-11-18 |
結審通知日 | 2009-11-24 |
審決日 | 2009-12-07 |
出願番号 | 特願2002-544675(P2002-544675) |
審決分類 |
P
1
8・
536-
Z
(G06T)
P 1 8・ 537- Z (G06T) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 田中 幸雄 |
特許庁審判長 |
板橋 通孝 |
特許庁審判官 |
廣川 浩 加藤 恵一 |
発明の名称 | 湾曲再形成画像を対話式で表示させるための方法及び装置。 |
代理人 | 小倉 博 |
代理人 | 荒川 聡志 |
代理人 | 黒川 俊久 |