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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B41J
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 B41J
管理番号 1215771
審判番号 不服2008-8397  
総通号数 126 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-06-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-04-04 
確定日 2010-04-30 
事件の表示 平成 9年特許願第339802号「画像形成装置及び画像形成装置における制御方法」拒絶査定不服審判事件〔平成11年 6月29日出願公開、特開平11-170603〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成9年12月10日の出願であって、平成19年8月27日付けで手続補正がなされ、平成20年3月3日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、同年4月4日付けで拒絶査定不服審判が請求されるとともに、同年5月7日付けで手続補正がなされたものである。

第2 平成20年5月7日付け手続補正についての補正却下の決定

〔補正却下の決定の結論〕
平成20年5月7日付け手続補正を却下する。

〔理由〕
1 本件補正の内容
(1)平成20年5月7日付け手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲及び発明の詳細な説明についてするもので、特許請求の範囲については、本件補正前に、
「 【請求項1】 第1レーザビームを発光する第1のレーザ光源と、第2レーザビームを発光する第2のレーザ光源と、前記第1及び第2のレーザ光源から発光した前記第1及び第2レーザビームを偏向する偏向手段と、前記偏向手段により偏向された各々のレーザビームにより走査し像担持体上に複数ラインの書き込みを行う画像形成装置であって、
前記複数のレーザ光源から発光したレーザビームを主走査方向の走査に先立って検出する、受光するレーザ光のスポット径よりも狭い間隔で主走査方向に並設された2つの受光素子を含む1つの受光手段と、
前記第1のレーザ光源及び第2のレーザ光源の発光タイミングを制御する制御手段とを有し、
前記制御手段は、前記第1レーザビームが前記2つの受光素子の略中央に位置したときを基準に、前記第1のレーザ光源の照射タイミングを制御し、前記第2レーザビームが前記2つの受光素子の略中央に位置したときを基準に、前記第2のレーザ光源の照射タイミングを制御し、更に、前記第1レーザビームが、前記略中央位置に達するときに前記第2のレーザ光源は消灯しており、前記第2レーザビームが、前記略中央位置に達するときに前記第1のレーザ光源は消灯することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】 前記第1レーザビームが前記略中央位置に達するまで前記第2のレーザの光源は消灯しており、その後、前記第1のレーザ光源が消灯し前記第2のレーザ光源が点灯することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】 第1レーザビームを発光する第1のレーザ光源と、第2レーザビームを発光する第2のレーザ光源と、前記第1及び第2のレーザ光源から発光した前記第1及び第2レーザビームを偏向する偏向手段と、前記偏向手段により偏向された各々のレーザビームにより走査し像担持体上に複数ラインの書き込みを行う画像形成装置における制御方法であって、
前記複数のレーザ光源から発光したレーザビームを主走査方向の走査に先立って検出する、受光するレーザ光のスポット径よりも狭い間隔で主走査方向に並設された2つの受光素子を含む1つの受光手段による受光工程と、
前記第1のレーザ光源及び第2のレーザ光源の発光タイミングを制御する制御工程とを有し、
前記制御工程は、前記第1レーザビームが前記2つの受光素子の略中央に位置したときを基準に、前記第1のレーザ光源の照射タイミングを制御し、前記第2レーザビームが前記2つの受光素子の略中央に位置したときを基準に、前記第2のレーザ光源の照射タイミングを制御し、更に、前記第1レーザビームが、前記略中央位置に達するときに前記第2のレーザ光源は消灯しており、前記第2レーザビームが、前記略中央位置に達するときに前記第1のレーザ光源は消灯することを特徴とする画像形成装置における制御方法。
【請求項4】 前記第1レーザビームが前記略中央位置に達するまで前記第2のレーザの光源は消灯しており、その後、前記第1のレーザ光源が消灯し前記第2のレーザ光源が点灯することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置における制御方法。」とあったものを、

「 【請求項1】 第1レーザビームを発光する第1のレーザ光源と、第2レーザビームを発光する第2のレーザ光源と、前記第1及び第2のレーザ光源から発光した前記第1及び第2レーザビームを偏向する偏向手段とを備え、前記偏向手段により偏向された各々のレーザビームにより走査し像担持体上に複数ラインの書き込みを行う画像形成装置であって、
前記複数のレーザ光源から発光したレーザビームを主走査方向の走査に先立って検出する、受光するレーザビームのスポット径よりも狭い間隔で主走査方向に並設された第1受光素子と前記第1受光素子よりも主走査方向の幅が小さい第2受光素子との2つの受光素子を含む1つの受光手段と、
前記第1レーザビームが前記2つの受光素子の略中央に位置したときを基準に、前記第1のレーザ光源の照射タイミングを制御し、前記第2レーザビームが前記2つの受光素子の略中央に位置したときを基準に、前記第2のレーザ光源の照射タイミングを制御する制御手段とを有し、
更に、前記第1レーザビームが前記略中央位置に達するまで、前記第2のレーザ光源は消灯しており、
前記第1レーザビームによるレーザビームのスポットの主走査方向における半分の領域が前記第1受光素子を通過する上で、前記第1受光素子の出力がレーザビームのスポットの全てを検出している状態から検出していない状態に遷移していき且つ前記第2受光素子の出力が検出状態に遷移していき、前記第1受光素子と前記第2受光素子の出力が反転したことに応じて、前記第1のレーザ光源が消灯し前記第2のレーザ光源が点灯し、
前記第2レーザビームが前記略中央位置に達するときに前記第1のレーザ光源は消灯し前記第2のレーザ光源が点灯していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】 第1レーザビームを発光する第1のレーザ光源と、第2レーザビームを発光する第2のレーザ光源と、前記第1及び第2のレーザ光源から発光した前記第1及び第2レーザビームを偏向する偏向手段とを備え、前記偏向手段により偏向された各々のレーザビームにより走査し像担持体上に複数ラインの書き込みを行う画像形成装置における制御方法であって、
前記複数のレーザ光源から発光したレーザビームを主走査方向の走査に先立って検出する、受光するレーザビームのスポット径よりも狭い間隔で主走査方向に並設された第1受光素子と前記第1受光素子よりも主走査方向の幅が小さい第2受光素子との2つの受光素子を含む1つの受光手段による受光工程と、
前記第1レーザビームが前記2つの受光素子の略中央に位置したときを基準に、前記第1のレーザ光源の照射タイミングを制御し、前記第2レーザビームが前記2つの受光素子の略中央に位置したときを基準に、前記第2のレーザ光源の照射タイミングを制御する制御工程とを有し、
更に、前記第1レーザビームが前記略中央位置に達するまで、前記第2のレーザ光源は消灯しており、
前記第1レーザビームによるレーザビームのスポットの主走査方向における半分の領域が前記第1受光素子を通過する上で、前記第1受光素子の出力がレーザビームのスポットの全てを検出している状態から検出していない状態に遷移していき且つ前記第2受光素子の出力が検出状態に遷移していき、前記第1受光素子と前記第2受光素子の出力が反転したことに応じて、前記第1のレーザ光源が消灯し前記第2のレーザ光源が点灯し、
前記第2レーザビームが前記略中央位置に達するときに前記第1のレーザ光源は消灯し前記第2のレーザ光源が点灯していることを特徴とする画像形成装置における制御方法。」と補正するものである。(下線は審決で付した。以下同じ。)

(2)本件補正後の請求項1に係る発明についての上記(1)の補正内容は、次のアないしオからなる。
ア 本件補正前の請求項1の「前記第1レーザビームが、前記略中央位置に達するときに前記第2のレーザ光源は消灯しており、前記第2レーザビームが、前記略中央位置に達するときに前記第1のレーザ光源は消灯する」との記載における「消灯する」の明らかな誤記「する」を「している」に訂正する。
イ 本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項であり、かつ、上記アの訂正をした「前記第1レーザビームが、前記略中央位置に達するときに前記第2のレーザ光源は消灯しており、前記第2レーザビームが、前記略中央位置に達するときに前記第1のレーザ光源は消灯している」との事項について、次の(ア)ないし(ウ)の限定を付加して、
「前記第1レーザビームが前記略中央位置に達するまで、前記第2のレーザ光源は消灯しており、
前記第1レーザビームによるレーザビームのスポットの主走査方向における半分の領域が前記第1受光素子を通過する上で、前記第1受光素子の出力がレーザビームのスポットの全てを検出している状態から検出していない状態に遷移していき且つ前記第2受光素子の出力が検出状態に遷移していき、前記第1受光素子と前記第2受光素子の出力が反転したことに応じて、前記第1のレーザ光源が消灯し前記第2のレーザ光源が点灯し、
前記第2レーザビームが前記略中央位置に達するときに前記第1のレーザ光源は消灯し前記第2のレーザ光源が点灯している」とする。
(ア) 第2のレーザ光源が消灯しているのが、第1レーザビームが略中央位置に達する前からであること。
(イ) 第2レーザビームが前記略中央位置に達するときに第2のレーザ光源が点灯していること。
(ウ) 制御手段による第1のレーザ光源及び第2のレーザ光源の発光タイミングの制御が、「前記第1レーザビームによるレーザビームのスポットの主走査方向における半分の領域が前記第1受光素子を通過する上で、前記第1受光素子の出力がレーザビームのスポットの全てを検出している状態から検出していない状態に遷移していき且つ前記第2受光素子の出力が検出状態に遷移していき、前記第1受光素子と前記第2受光素子の出力が反転したことに応じて、前記第1のレーザ光源が消灯し前記第2のレーザ光源が点灯」する制御であること。
ウ 本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である、受光手段が含む2つの受光素子が「第1受光素子と前記第1受光素子よりも主走査方向の幅が小さい第2受光素子と」からなるとの限定を付加する。
エ 本件補正前の請求項1の明らかな誤記「偏向手段と、」を「偏向手段とを備え、」に訂正する。
オ 本件補正前の請求項1の明らかな誤記「受光するレーザ光」を「受光するレーザビーム」に訂正する。

2 補正の目的
上記1(2)のア、エ及びオの補正内容は、平成14年法律第24号改正附則第2条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第3号の「誤記の訂正」を目的とするものである。

一方、上記1(2)のイ及びウの補正内容は、平成14年法律第24号改正附則第2条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号の「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年法律第55号改正附則3条1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法126条5項の規定に適合するか)について以下に検討する。

3 刊行物の記載
(1)原査定の拒絶の理由に引用された「本願の出願前に頒布された刊行物である特開平3-266810号公報(以下「引用例1」という。)」には、次の事項が図とともに記載されている。
ア 「〔発明の背景〕
光を走査するレーザプリンタ等の装置においては、高速、高精細するに従って、走査回数を増加する必要があるため、複数光源を用い、複数光ビームを同時に走査させる方法がある。これは、複数光源の相互位置を常に正確に保つための光位置検出器を使ったサーボコントロールによるビーム位置制御方法である。第9図?第12図に2つの光源を用いた例を示す。第9図は「応用光エレクトロニクスハンドブック(1989.4発行)」の例である。第9図において2個の光発生源1a、1bから出射されるビーム11a、11bはカップリングレンズ2a、2bによってコリメートされ、可動反射器3a、3bで反射され光分割器4に入射して、光偏向器5側と光位置検出器10側に分離される。光偏向器5側に分離されたビームはFθレンズ6等によりドラム面7上に焦点を結び、光偏向器5の回転により2本の走査線18a、18bが形成される。ここで2本の走査線18a、18bを形成するビーム11a、11bは主走査方向に距離Pをもって走査し、光走査検出器8によってビーム11a、11bの通過信号19が検出される。この通過信号19をコントロール装置が基準信号として受けとり、印刷信号を変調信号12a、12bとして、光発生源1a、1bに送り、光発生源1a、1bを変調する。これによりドラム面7に印刷情報が与えられる。一方光位置検出器10側に分離されたビーム11a、11bも絞り込みレンズ9により光位置検出器10面上に焦点を結ぶ。光位置検出器10は2個のビーム11a、11bの相対位置を一定に保つための位置検出用センサである。ドラム面7、光位置検出器ともレンズ系の焦点面上に置かれているため、両者におけるビーム径とビーム間隔は比例関係にある。従ってドラム面7上走査線18a、18bの副走査方向の間隔lを一定に保つために、光位置検出器10上でのビーム間隔を一定に保てば良い。そのために光位置検出器10はそれぞれのビーム位置を示すビーム位置信号14a、14bをサーボ制御回路17に送る。サーボ制御回路17はビーム位置信号14a、14bを処理し、ビーム補正信号15a、15bとして可動反射器3a、3bを動がし、光位置検出器10上のビーム位置を一制御する。」(1頁右下欄6行?2頁右上欄9行)

イ 「第10図は第9図の光位置検出器10、第11図は第9図のサーボ制御回路17の構成図である。第10図において、ビーム11aが光検出器20、21に入射し光検出器20、21からの出力は、ビーム位置信号Va_(1)、Va_(2)となる。同様にビーム11bについてもビーム位置信号Vb_(1)(審決注:「Va_(1)」は「Vb_(1)」の明らかな誤記なので訂正して摘記した。)、Vb_(2)が発生する。そして第11図において、ビーム位置信号Va_(1)、Va_(2)は、差分出力器24を通り、差分信号30となる。ここで、差分信号30はVa_(1)-Va_(2)である。次に差分信号30を増幅器26により増幅し、ドライバ28にて、ビーム補正信号15aを可動反射器3aに送る。このとき、可動反射器3aが差分信号30を小さくする方向動くようビーム補正信号15aを送る。これにより、差分信号30がVa_(1)-Va_(2)=0の関係になるようビーム11aは光検出器20、21の中間に位置する。一方ビーム11bも同様にVb_(1)-Vb_(2)=0となる光検出器22、23の中間に位置し、ビーム11a、11bをサーボコントロールすることでビーム間隔l′を一定に保つ。」(2頁右上欄10行?同頁左下欄10行)

ウ 「第12図は第9図の光発生源1a、1bに半導体レーザを使用したときの光発生源1a、1b、光走査検出器8及びコントロール装置16の構成図である。第12図において、光走査検出器8は前検出器31、後検出器32から構成され、これらの検出器にビーム11a、11bが順次入射される。この入射により前検出器31(審決注:「前記検出器31」は「前検出器31」の明らかな誤記なので訂正して摘記した。)からは前通過信号19a、後検出器32からは後通過信号19bが出力され、差分出力器33に入る。差分出力器33からは差分アナログ出力34が出力され次のスライサ35で0V近辺でスライスされる。これにより差分アナログ出力34はゼロクロス近辺でスライスされることになり、ビーム11a、11bの中心が前検出器31、後検出器32の境点に達した時を検出することになり、ビーム11a、11bのビーム径の違いが補償される。スライスされた信号は、パルス信号37となり、このパルス信号37の後エツジ38で起動されるタイマ36のタイマ出力39と次の反転ゲート40、ANDゲート41により分配後信号42となり、2つに分配される。分配された信号A43、信号B44は印刷タイマ45a、45bによりビーム11a、11bがそれぞれ印刷開始位置に到達したことを示す印刷スタート信号となり、印刷データが入っているラインバッファ46a、46bをアクセスする。ラインバッファ46a、46bは印刷信号を電圧電流交換器47a、47bに送り光発生源(審決注:「光発電源」は「光発生源」の明らかな誤記なので訂正して摘記した。)1a、1bの変調信号となる。ここで電圧電流変換器47aの出力は電流加算器48aに入力される。一方光発生源(審決注:「光発電源は」は「光発生源」の明らかな誤記なので訂正して摘記した。)1a、1bは、半導体レーザ49a、49bを有し、同時にレーザパワモニタセンサ50a、50bを内蔵している。半導体レーザ49a、49bは電流によりビーム11a、11bを出力するが同時にレーザパワモニタセンサ50a、50bへもビーム11a、11bに比例した光を出力する。ここでレーザパワモニタセンサ50a、50bはビームパワ信号13a、13bを出力し、ビームパワ信号13a、13bはパワ差分出力器51a、51bに入力される。パワ差分出力器51a、51bは基準パワ電圧、52a、52bとビームパワ信号13a、13bの差を出力し、次のモニタ電圧電流変換器53a、53bに入力する。モニタ電圧電流交換器53a、53bは基準パワ電圧52a、52bとビームパワ信号13a、13bとの差がなくなるよう電流を出力し、電流加算器48a、48bに電流信号を送る。電流加算器48a、48bより半導体レーザ49a、49bに電流信号が与えられ、半導体レーザ49a、49bは基準パワ電圧52a、52bに定められた、パワーでビーム11a、11bを出力する。基準パワ電圧52a、52bを調節することにより2つのビーム11a、11bのパワーをいつも同じにする。」(2頁左下欄11行?3頁右上欄4行)

エ 第12図から、前検出器31及び後検出器32は隣接しており、その間隔はビーム11a、11bのビーム径よりも狭いことが見てとれるとともに、差分アナログ出力34は各ビーム11a、11bが前検出器31及び後検出器32の境点に達した時、ほぼ直線形状でゼロクロスすることが見てとれる。
前検出器31及び後検出器32の間隔がビーム11a、11bのビーム径よりも広いと、その間隔に各ビーム11a、11bが完全に位置する期間は、差分アナログ出力34に変化は生じないことからみても、前検出器31及び後検出器32の間隔はビーム11a、11bのビーム径よりも狭いことが明らかである。

オ 上記アないしエの記載から、引用例1には、次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されているものと認められる。
「2個の半導体レーザを使用した光発生源1a、1bから出射されるビーム11a、11bはカップリングレンズ2a、2bによってコリメートされ、可動反射器3a、3bで反射され光分割器4に入射して、光偏向器5側と光位置検出器10側に分離され、光偏向器5側に分離されたビームはFθレンズ6等によりドラム面7上に焦点を結び、光偏向器5の回転により2本の走査線18a、18bが形成され、ここで2本の走査線18a、18bを形成するビーム11a、11bは主走査方向に距離Pをもって走査し、光走査検出器8によってビーム11a、11bの通過信号19が検出され、この通過信号19をコントロール装置16が基準信号として受けとり、印刷信号を変調信号12a、12bとして、光発生源1a、1bに送り、光発生源1a、1bを変調し、これによりドラム面7に印刷情報を与えるレーザプリンタであって、
前記光走査検出器8は、ビーム11a、11bが順次入射される前検出器31、後検出器32から構成され、前検出器31及び後検出器32の間隔はビーム11a、11bのビーム径よりも狭く、前検出器31からは前通過信号19a、後検出器32からは後通過信号19bがそれぞれ出力され、両出力は差分出力器33に入り、差分出力器33からは差分アナログ出力34が出力され、次のスライサ35で0V近辺でスライスされ、これによりビーム11a、11bの中心が前検出器31、後検出器32の境点に達した時を検出し、ビーム11a、11bのビーム径の違いが補償され、スライスされた信号は、パルス信号37となり、このパルス信号37の後エツジ38で起動されるタイマ36のタイマ出力39と次の反転ゲート40、ANDゲート41により分配後信号42となり、2つに分配され、分配された信号A43、信号B44は印刷タイマ45a、45bによりビーム11a、11bがそれぞれ印刷開始位置に到達したことを示す印刷スタート信号となり、印刷データが入っているラインバッファ46a、46bをアクセスし、ラインバッファ46a、46bは印刷信号を電圧電流交換器47a、47bに送り光発生源1a、1bの変調信号となるレーザプリンタ。」

(2)原査定の拒絶の理由に引用された「本願の出願前に頒布された刊行物である特開昭62-262816号公報(以下「引用例2」という。)」には、次の事項が図とともに記載されている。
ア 「(技術分野)
本発明は、2ビーム検出方法、詳しくは、2ライン同時主走査方式において各主走査を行なう光ビームを、それぞれ検出する方法に関する。」(2頁左上欄1?4行)

イ 「本発明の2ビーム検出方法は、2個の半導体レーザーから書込み用の光ビームを夫々に得、各光ビームの被走査面上における主走査位置を副走査方向に所定のピッチずらし、2ラインを同時に書込主走査する記録方式において、各光ビームによる主走査のタイミング制御のために、主走査に先立って、偏向する各光ビームを検出する方法である。
さて、この明細書においては、2種の検出方法が提案される。第1種の方法では、単一の光検出素子が用いられ、第2種の方法では、2個の光検出素子が用いられる。
まず、第1種の方法につき説明する。
各半導体レーザーから得られる書込用の光ビームは、各光ビームとも同一の偏向手段(回転多面鏡、ガルバノミラ-、ホロスキャナー等)によって偏向されるが、各光ビームの偏向方向が、主走査対応方向において互いにずらされる。従って、2本の光ビームを上記偏向手段により偏向させると、まず、一方の光ビームが先行して偏向し、他方の光ビームは、これに追随して偏向する。
各光ビームは、同一の光検出素子に入射する。すなわち、各光ビームは、偏向の途上において、同一の光検出素子に入射するが、各光ビームは、主走査対応方向で互いにずれているので、光検出素子への入射は各光ビームで時間的にずれたものとなる。そこで、この時間的ずれを、偏向方向のずれ量により調整し、各光ビームが、光検出素子に別個に入射するように、すなわち、光検出素子が各光ビームを別個に検出しうるようにする。
そして、先行する光ビームが光検出素子によって検出されるまでは、後行する光ビームを発生する半導体レーザー(後行光ビーム用半導体レーザー)を消灯しておき、光検出素子が、先行光ビームを検出したら、先行光ビーム用半導体レーザーを消灯し、かわって後行光ビーム用半導体レーザーを点灯する。
このように、半導体レーザーを点滅するのは、一方の光ビームの検出に、他方の光ビームの迷光がノイズとして作用するのを防止するためである。」(2頁右上欄16行?同頁右下欄15行)

ウ 「第1図は、第1種の方法を適用した、光書込記録装置の1例を、説明に必要な部分のみ説明図的に略示している。
符号10A、10Bは、半導体レーザーを示す。これら半導体レーザー10A、10Bからの光は、図示されないコリメーターレンズによりそれぞれ平行光束化され、シリンドリカルレンズ12A、12Bをそれぞれ介して、偏光ビームスプリッター14に入射する。
半導体レーザー10A、10Bからの光ビームは、当初、偏光の方向が同じ(S偏光)であるが、半導体レーザー10Aからの光ビームは、1/2波長板12Cを透過することによって、偏光方向が当初の方向から90度旋回させられP偏光となる。偏光ビームスプリッター14はS偏光を反射し、P偏光を透過させる機能を有する。
かくして、半導体レーザー10Aからの光ビームは、偏光ビームスプリッター14を透過し、半導体レーザー10Bからの光ビームは、偏光ビームスプリッター14に反射されて、それぞれ、偏向手段たる回転多面鏡16に入射する。
回転多面鏡16によって反射された各光ビームは、fθレンズ18を透過し、回転多面鏡16の矢印方向の回転とともに偏向して、光導電性の感光体26を光走査する。符号24は、シリンドリカルレンズを示す。
このシリンドリカルレンズ24は、面倒れ補正用であって、fθレンズ18とともに、副走査方向に関して、回転多面鏡16の反射点と、被走査面とを共役関係に保ち、シリンドリカルレンズ12A、12Bは、各光ビームを、副走査方向に関して、上記反射点の位置に収束させる。なお、各光ビームの主走査位置が、感光体面上で副走査方向に所定のピッチずれていることはいうまでもない。
さて、各光ビームによる主走査が開始される側において、感光体26の近傍に、シリンドリカルレンズ20と光検出素子としてのホトデテクター22が配備され、主走査の開始に先立って、各光ビームを順次受けるようになっている。
この第1図の例では、各半導体レーザー10A、10Bからの光ビームが、図の如く、θの角だけ、互いにずれて回転多面鏡16の同一位置に入射するようになっており、従って、光ビームのスポットは、被走査面上でfθ=ΔXだけ、主走査方向にずれることになる。
第2図において、符号LA、LBは、それぞれ、半導体レーザー10A、10Bからの光ビームのスポットを示す。前記θは、上記△Xが、ホトデテクター22の受光面上で、スポット径△Zよりも大になるように、すなわち△X≧△Zとなるように設定される。
さて、主走査のためのタイミングを制御するために、各光ビームを検出するには、次のようにする。
まず、光ビームの偏向に関し、後行する光ビームを与える半導体レーザー10Bを消灯し、半導体レーザー10Aのみを点灯して回転多面鏡16を矢印方向に回転する。すると、まず、第2図(II)に示すように、先行する光ビームが、ホトデテクター22に入射し検出される。このようにして、先行光ビームが検出されたら、半導体レーザー10Aを消灯し、同時に半導体レーザー10Bを点灯させる。
すると、先行(審決注:「先後」は「先行」の明らかな誤記なので訂正して摘記した。)光ビームの検出に若干おくれて、第2図(III)に示すように、後行光ビーム(半導体レーザー10B)からの光ビームが検出される。
このようにして、半導体レーザー10A、10Bからの光ビームは、主走査に先立って、同一のホトデテクタ-22により、別々に独立して検出される。従って、各光ビームごとに主走査のタイミング設定を行うことにより、各光ビームとも、その主走査の起点を正しく揃えることができる。
一方の半導体レーザーが点灯している間、他方を消灯させておくのは、半導体レーザー等を組付けられるハウジングの側壁等による、他方の半導体レーザーの乱反射光が、光ビーム検知にノイズとして作用するのを防止するためである。」(3頁左上欄10行?4頁左上欄6行)

エ 「さて、第1図、第2図に即して説明した第1種の方法を実施して書込みを行うための回路例を第3図に示し、この回路例におけるタイミング図を第4図に示す。なお、繁雑を避けるため、混同の虞れがないと思われるものについては、第8図におけると同一の符号を用いている。
先行光ビームが点灯し、後行光ビームが消灯している状態で、ホトデテクター22(第1図)が先行光ビームを検出すると、信号DETPか真となる。するとT-FF117の出力が真となり、D-FF119によってクロックCLKNと同期をとって信号DSYNCBが真となり、後行光ビーム用の半導体レーザー10Bが点灯する。また、SR-FF106は信号DETPによってリセットされ、信号DSYNCAが偽となることで先行光ビーム用の半導体レーザー10Aは消灯する。これによって信号DETPは偽となるが、後行光ビームは点灯しているので、ホトデテクタ-22は再び、これを検出して信号DETPが真になる。
信号DETPの2度目の立上りで、T-FF117の出力は偽となり、後行光ビーム用の半導体レーザー10Bは消灯する。ここで、カウンター118は、T-FF117の出力が真の間だけクロックCLKNを計数するが、この計数値mが先・後行光ビームの検出の時間差であり、この時間差は、1/Nドットの倍数となっている。
計数されたm値をもとに、後行ビーム用内部の信号LGATE、信号ERASEは各々シフトレジスター120、121によって、先行光ビームに対して、クロックCLKNのmクロック分だけシフトされる。また、外部から来るデータWDATABもシフトレジスタ122によってmクロック分だけ、信号WDATAAに対してシフトされる。この動作によって、同一主走査位置上の2つの画像データWDATAA、WDATABは2つの光ビーム間の時間差を補正して書きこまれることとなり、結果的に、感光体26は、1/Nドットの精度をもって2ライン同時に書込まれることになる。」(5頁左上欄2行?同頁右上欄19行)

オ 上記アないしエの記載から、引用例2には、2ライン同時主走査方式において各主走査を行なう光ビームを、それぞれ検出する2ビーム検出方法に関して、次の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されているものと認められる。

「2個の半導体レーザーから書込み用の光ビームを夫々に得、各光ビームの被走査面上における主走査位置を副走査方向に所定のピッチずらし、2ラインを同時に書込主走査する記録方式において、各光ビームによる主走査のタイミング制御のために、主走査に先立って、偏向する各光ビームを検出する方法であって、
各半導体レーザーから得られる書込用の光ビームは、各光ビームとも同一の偏向手段によって偏向され、各光ビームの偏向方向が、主走査対応方向において互いにずらされ、一方の光ビームが先行して偏向し、他方の光ビームは、これに追随して偏向し、各光ビームは、主走査対応方向で互いにずれているので、光検出素子への入射は各光ビームで時間的にずれたものとなり、この時間的ずれを、偏向方向のずれ量により調整し、各光ビームが、光検出素子に別個に入射するようするようになし、
そして、半導体レーザー等が組付けられるハウジングの側壁等による、他方の半導体レーザーの乱反射光が、一方の光ビームの検出に、ノイズとして作用するのを防止するために、先行する光ビームが光検出素子によって検出されるまでは、後行する光ビームを発生する半導体レーザー(後行光ビーム用半導体レーザー)を消灯しておき、光検出素子が、先行光ビームを検出したら、先行光ビーム用半導体レーザーを消灯し、代わって後行光ビーム用半導体レーザーを点灯する2ビーム検出方法。」

4 対比
本願補正発明と引用発明1とを対比する。
(1)引用発明1の「ビーム11a」、「出射」、「半導体レーザを使用した光発生源1a」、「ビーム11b」、「半導体レーザを使用した光発生源1b」、「『光偏向器5の回転』により『走査線18a、18b』を『形成』する」、「光偏向器5」、「走査し」、「ドラム面7」、「2本の走査線18a、18b」、「印刷情報を与える」、「レーザプリンタ」、「主走査方向」、「検出」、「前検出器31」、「後検出器32」、「『前検出器31』及び『後検出器32』」、「光走査検出器8」、「前検出器31、後検出器32の境点」、「達した時」、「基準信号として受けとり」、「ビーム11a、11bがそれぞれ印刷開始位置に到達したことを示す印刷スタート信号となり」、「光発生源1a、1bを変調し」、「コントロール装置16」及び「レーザプリンタ」は、それぞれ、本願補正発明の「第1レーザビーム」、「発光」、「第1のレーザ光源」、「第2レーザビーム」、「第2のレーザ光源」、「偏向する」、「偏向手段」、「走査し」、「像担持体」、「複数ライン」、「書き込みを行う」、「画像形成装置」、「主走査方向」、「検出」、「第1受光素子」、「第2受光素子」、「2つの受光素子」、「1つの受光手段」、「2つの受光素子の略中央」、「位置したとき」、「基準に」、「レーザ光源の照射タイミングを制御する」、「制御し」、「制御手段」及び「画像形成装置」に相当する。
(2)引用発明1の「画像形成装置(レーザプリンタ)」は、「第1のレーザ光源(光発生源1a)」と、「第2のレーザ光源(光発生源1b)」と、「偏向手段(光偏向器5)」とを備えているから、「第1のレーザ光源と、第2のレーザ光源と、偏向手段とを備えている」点で、本願補正発明の「画像形成装置」と一致する。
(3)引用発明1の「画像形成装置(レーザプリンタ)」において、「2本の走査線18a、18bを形成するビーム11a、11bは主走査方向に距離Pをもって走査し、光走査検出器8によってビーム11a、11bの通過信号19が検出され、この通過信号19をコントロール装置16が基準信号として受けとり、印刷信号を変調信号12a、12bとして、光発生源1a、1bに送り、光発生源1a、1bを変調し、これによりドラム面7に印刷情報を与える」から、引用発明1の「1つの受光手段(光走査検出器8)」と本願補正発明の「1つの受光手段」とは「複数のレーザ光源から発光したレーザビームを主走査方向の走査に先立って検出する」ものである点で一致する。
(4)引用発明1の「1つの受光手段(光走査検出器8)」は、ビーム11a、11bが順次入射される前検出器31、後検出器32から構成され、かつ、前検出器31及び後検出器32の間隔はビーム11a、11bのビーム径よりも狭いから、引用発明1の「第1受光素子(前検出器31)」及び「第2受光素子(後検出器32)」と本願補正発明の「第1受光素子」及び「第2受光素子」とは、「受光するレーザビームのスポット径よりも狭い間隔で主走査方向に並設された」点で一致する。
(5)引用発明1の「画像形成装置(レーザプリンタ)」は、光偏向器5の回転により2本の走査線18a、18bが形成され、ここで2本の走査線18a、18bを形成するビーム11a、11bは主走査方向に距離Pをもって走査し、光走査検出器8によって、ビーム11a、11bの中心が前検出器31、後検出器32の境点に達した時を検出し、ビーム11a、11bの通過信号19が検出され、この通過信号19をコントロール装置16が基準信号として受けとり、2つに分配され、分配された信号A43、信号B44は印刷タイマ45a、45bによりビーム11a、11bがそれぞれ印刷開始位置に到達したことを示す印刷スタート信号となり、印刷信号を変調信号12a、12bとして、光発生源1a、1bに送り、光発生源1a、1bを変調し、これによりドラム面7に印刷情報を与えるようになっているから、引用発明1の「制御手段(コントロール装置16)」と本願補正発明の「制御手段」とは、「前記第1レーザビームが前記2つの受光素子の略中央に位置したときを基準に、前記第1のレーザ光源の照射タイミングを制御し、前記第2レーザビームが前記2つの受光素子の略中央に位置したときを基準に、前記第2のレーザ光源の照射タイミングを制御する」点で一致するといえる。
(6)上記(1)ないし(5)から、本願補正発明と引用発明1とは、
「第1レーザビームを発光する第1のレーザ光源と、第2レーザビームを発光する第2のレーザ光源と、前記第1及び第2のレーザ光源から発光した前記第1及び第2レーザビームを偏向する偏向手段とを備え、前記偏向手段により偏向された各々のレーザビームにより走査し像担持体上に複数ラインの書き込みを行う画像形成装置であって、
前記複数のレーザ光源から発光したレーザビームを主走査方向の走査に先立って検出する、受光するレーザビームのスポット径よりも狭い間隔で主走査方向に並設された第1受光素子と第2受光素子との2つの受光素子を含む1つの受光手段と、
前記第1レーザビームが前記2つの受光素子の略中央に位置したときを基準に、前記第1のレーザ光源の照射タイミングを制御し、前記第2レーザビームが前記2つの受光素子の略中央に位置したときを基準に、前記第2のレーザ光源の照射タイミングを制御する制御手段とを有している画像形成装置。」である点で一致し、次の点で相違する。

相違点1:
本願補正発明では、更に、「前記第1レーザビームが前記略中央位置に達するまで、前記第2のレーザ光源は消灯しており、前記第1レーザビームによるレーザビームのスポットの主走査方向における半分の領域が前記第1受光素子を通過する上で、前記第1受光素子の出力がレーザビームのスポットの全てを検出している状態から検出していない状態に遷移していき且つ前記第2受光素子の出力が検出状態に遷移していき、前記第1受光素子と前記第2受光素子の出力が反転したことに応じて、前記第1のレーザ光源が消灯し前記第2のレーザ光源が点灯し、前記第2レーザビームが前記略中央位置に達するときに前記第1のレーザ光源は消灯し前記第2のレーザ光源が点灯している」のに対して、
引用発明1では、第1及び第2のレーザ光源がそのように消灯や点灯するものではない点。

相違点2:
前記「第2受光素子」が、本願補正発明では、「第1受光素子よりも主走査方向の幅が小さい」のに対して、引用発明1では、そうなっているかどうか不明である点。

5 判断
上記相違点1及び2について検討する。
(1)相違点1について
ア 上記3(2)のオで述べたとおり、引用例2には、
2ライン同時主走査方式において各主走査を行なう光ビームを、それぞれ検出する2ビーム検出方法に関して、
「2個の半導体レーザーから書込み用の光ビームを夫々に得、各光ビームの被走査面上における主走査位置を副走査方向に所定のピッチずらし、2ラインを同時に書込主走査する記録方式において、各光ビームによる主走査のタイミング制御のために、主走査に先立って、偏向する各光ビームを検出する方法であって、
各半導体レーザーから得られる書込用の光ビームは、各光ビームとも同一の偏向手段によって偏向され、各光ビームの偏向方向が、主走査対応方向において互いにずらされ、一方の光ビームが先行して偏向し、他方の光ビームは、これに追随して偏向し、各光ビームは、主走査対応方向で互いにずれているので、光検出素子への入射は各光ビームで時間的にずれたものとなり、この時間的ずれを、偏向方向のずれ量により調整し、各光ビームが、光検出素子に別個に入射するようするようになし、
そして、半導体レーザー等が組付けられるハウジングの側壁等による、他方の半導体レーザーの乱反射光が、一方の光ビームの検出に、ノイズとして作用するのを防止するために、先行する光ビームが光検出素子によって検出されるまでは、後行する光ビームを発生する半導体レーザー(後行光ビーム用半導体レーザー)を消灯しておき、光検出素子が、先行光ビームを検出したら、先行光ビーム用半導体レーザーを消灯し、代わって後行光ビーム用半導体レーザーを点灯する2ビーム検出方法。」の発明である引用発明2が記載されている。
イ 引用発明1の「レーザプリンタ」においても、引用発明2と同様に、半導体レーザー等が組付けられるハウジングの側壁等による、他方の半導体レーザーの乱反射光が、一方の光ビームの検出に、ノイズとして作用する可能性があることは、当業者に自明である。
ウ 上記ア及びイからして、引用発明1の「レーザプリンタ」が有していることが当業者に自明であるところの「半導体レーザー等が組付けられるハウジングの側壁等による、他方の半導体レーザーの乱反射光が、一方の光ビームの検出に、ノイズとして作用するのを防止する」という課題を解決するために、引用発明1の「画像形成装置(レーザプリンタ)」において、先行する「第1レーザビーム(ビーム11a)」が「1つの受光手段(光走査検出器8)」によって検出されるまでは、後行する「第2レーザビーム(ビーム11b)」を発生する「第2のレーザ光源(光発生源1b)」を消灯しておき、「1つの受光手段(光走査検出器8)」が、「第1レーザビーム(ビーム11a)」を検出したら、「第1のレーザ光源(光発生源1a)」を消灯し、代わって「第2のレーザ光源(光発生源1b)」を点灯するようになすことは、当業者が、引用発明2に基づいて、容易に想到することができた程度のことである。
エ 引用発明1では「第1レーザビームの検出」は、ビーム11aの中心が前検出器31、後検出器32の境点に達した時を、前検出器31からの前通過信号19a、後検出器32からの後通過信号19bの両出力が差分出力器33に入り、差分出力器33からは差分アナログ出力34が出力され、次のスライサ35で0V近辺でスライスされ、これにより検出しているから、上記ウにおける「第1レーザビームの検出」は、「前記第1レーザビームが前記略中央位置に達するまで、前記第2のレーザ光源は消灯して」おき、「前記第1レーザビームによるレーザビームのスポットの主走査方向における半分の領域が前記第1受光素子を通過する上で、前記第1受光素子の出力がレーザビームのスポットの全てを検出している状態から検出していない状態に遷移していき且つ前記第2受光素子の出力が検出状態に遷移していき、前記第1受光素子と前記第2受光素子の出力が反転したことに応じて」なされることになるから、上記ウにおける「第1レーザビームを検出したら、第1のレーザ光源を消灯し、代わって第2のレーザ光源を点灯するようになす」ことは、結局、引用発明1において、上記「前記第1受光素子と前記第2受光素子の出力が反転したこと」に応じて、前記第1のレーザ光源を消灯させ、前記第2のレーザ光源が点灯させ、前記第2レーザビームが前記略中央位置に達するときに、前記第1のレーザ光源は消灯し前記第2のレーザ光源が点灯しているようになすことである。
オ 上記ウ及びエからみて、引用発明1において、上記相違点1に係る本願補正発明の構成となすことは、当業者が、引用発明2に基づいて容易になし得た程度のことである。

(2)相違点2について
ア 引用発明1の「ビーム11a、11bが順次入射される前検出器31、後検出器32を前検出器31及び後検出器32の間隔はビーム11a、11bのビーム径よりも狭くなるように配置して構成され光走査検出器8」において、前検出器31及び後検出器32の主走査方向の具体的な幅は、当業者が設計に際し適宜決定することであるというべきところ、本願補正発明の「第2受光素子の主走査方向の幅が、第1受光素子よりも小さい」ことに関して、本願明細書の発明の詳細な説明の段落【0035】には、次の記載がある。
「次に、本発明の他の実施形態について説明する。本実施形態では、図6に示すように受光素子7bの幅を狭くし、C>Eとしている。図6(a)?(f)は、図2と同様に2つのスポット8a,8bが光検出素子7上を通過していく様子を示している。実線のスポットは点灯、破線のスポットは消灯である。図7は図6のように2つのスポットが光検出素子の上を通過する場合の各部の信号を示している。図7(X)は受光素子7aの出力信号、図7(Y)は受光素子7bの出力信号、図7(Z)は比較回路の出力信号である。受光素子7bの出力信号は面積が小さい分立ち上がりが早くなっているが、スポット8a,8bの主走査方向の基準タイミングは先の実施形態と同様に正確に検出することができる。また、受光素子7bの面積を小さくしているので、光検出素子のサイズを小型化でき、その分、安価にすることができる。」
イ 上記アの段落【0035】の記載事項について検討すると、次のことがいえる。
(ア)「本実施形態では、図6に示すように受光素子7bの幅を狭くし、C>Eとしている。」及び「受光素子7bの出力信号は面積が小さい分立ち上がりが早くなっているが、スポット8a,8bの主走査方向の基準タイミングは先の実施形態と同様に正確に検出することができる。」として比較している対象は、幅EがCとほぼ同じであった「図2を用いて説明した先の実施形態」における「受光素子7b」である。
(イ)上記(ア)からすれば、立ち上がりが早くなり、光検出素子のサイズを小型化でき、その分、安価にすることができるようになった原因は、「受光素子7b」を図2の「受光素子7b」よりも「主走査方向の幅」を小さくしたことである。
(ウ)上記(イ)からすれば、「受光素子7a」を図2の「受光素子7a」よりも「主走査方向の幅」を小さくして、例えば図6の「受光素子7b」とほぼ同じにすれば、受光素子7aの出力信号は面積が小さい分立ち上がりが早くなるが、スポット8a,8bの主走査方向の基準タイミングは先の実施形態と同様に正確に検出することができ、受光素子7aの面積も小さくしているので、光検出素子のサイズを小型化でき、その分、安価にできることになる。
ウ 上記イの(ア)ないし(ウ)からしてみても、本願補正発明の「第2受光素子の主走査方向の幅が、第1受光素子よりも小さい」点に、設計上の事項を超えるものはない。
エ したがって、引用発明1において、上記相違点2に係る本願補正発明の構成となすことは、当業者が設計に際し適宜なし得た設計上の事項である。

(3)本願補正発明の奏する効果は、引用発明1の奏する効果及び引用発明2の奏する効果から、当業者が予測できた程度のものである。

(4)したがって、本願補正発明は、当業者が、引用例1に記載された発明及び引用例2に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものである。

(5)まとめ
本願補正発明は、以上のとおり、当業者が、引用例1に記載された発明及び引用例2に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により独立して特許を受けることができないものである。

6 小括
以上のとおり、本願補正発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし4に係る発明は、平成19年8月27日付け手続補正によって補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載された事項によって特定されるものであるところ、その明細書及び図面の記載及び上記「第2〔理由〕1(2)ア、エ及びオ」からみて、その請求項1に係る発明は、上記「第2〔理由〕1(2)ア、エ及びオ」の誤記を訂正した次のとおりのものと認める。

「第1レーザビームを発光する第1のレーザ光源と、第2レーザビームを発光する第2のレーザ光源と、前記第1及び第2のレーザ光源から発光した前記第1及び第2レーザビームを偏向する偏向手段とを備え、前記偏向手段により偏向された各々のレーザビームにより走査し像担持体上に複数ラインの書き込みを行う画像形成装置であって、
前記複数のレーザ光源から発光したレーザビームを主走査方向の走査に先立って検出する、受光するレーザビームのスポット径よりも狭い間隔で主走査方向に並設された2つの受光素子を含む1つの受光手段と、
前記第1のレーザ光源及び第2のレーザ光源の発光タイミングを制御する制御手段とを有し、
前記制御手段は、前記第1レーザビームが前記2つの受光素子の略中央に位置したときを基準に、前記第1のレーザ光源の照射タイミングを制御し、前記第2レーザビームが前記2つの受光素子の略中央に位置したときを基準に、前記第2のレーザ光源の照射タイミングを制御し、更に、前記第1レーザビームが、前記略中央位置に達するときに前記第2のレーザ光源は消灯しており、前記第2レーザビームが、前記略中央位置に達するときに前記第1のレーザ光源は消灯していることを特徴とする画像形成装置。」(以下「本願発明」という。)

2 引用例
原査定の拒絶の理由に引用された引用例及びその記載事項は、前記「第2〔理由〕3」に記載したとおりである。

3 対比・判断
上記「第2〔理由〕1(2)イ及びウ」で述べたとおり、本願補正発明は、本願発明を特定するために必要な事項について限定を付加したものに相当する。
そうすると、本願発明の構成要件をすべて含み、さらに限定を付加したものに相当する本願補正発明が、前記「第2〔理由〕5」に記載したとおり、当業者が、引用例1に記載された発明及び引用例2に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も同様の理由により、当業者が、引用例1に記載された発明及び引用例2に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものである。

4 むすび
以上のとおり、本願発明は、当業者が、引用例1に記載された発明及び引用例2に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2010-02-24 
結審通知日 2010-03-02 
審決日 2010-03-15 
出願番号 特願平9-339802
審決分類 P 1 8・ 121- Z (B41J)
P 1 8・ 575- Z (B41J)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 藏田 敦之  
特許庁審判長 小牧 修
特許庁審判官 岩崎 伸二
野村 伸雄
発明の名称 画像形成装置及び画像形成装置における制御方法  
代理人 内尾 裕一  

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